JPH08261019A - 燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置 - Google Patents

燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置

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JPH08261019A
JPH08261019A JP7290114A JP29011495A JPH08261019A JP H08261019 A JPH08261019 A JP H08261019A JP 7290114 A JP7290114 A JP 7290114A JP 29011495 A JP29011495 A JP 29011495A JP H08261019 A JPH08261019 A JP H08261019A
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JP
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valve
timer
hydraulic control
valve needle
pressure chamber
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JP7290114A
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Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
康行 ▲榊▼原
Yasuyuki Sakakibara
Moriyasu Goto
守康 後藤
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Original Assignee
Nippon Soken Inc
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M41/00Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor
    • F02M41/08Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined
    • F02M41/10Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined pump pistons acting as the distributor
    • F02M41/12Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined pump pistons acting as the distributor the pistons rotating to act as the distributor
    • F02M41/123Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined pump pistons acting as the distributor the pistons rotating to act as the distributor characterised by means for varying fuel delivery or injection timing
    • F02M41/128Varying injection timing by angular adjustment of the face-cam or the rollers support
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D1/00Controlling fuel-injection pumps, e.g. of high pressure injection type
    • F02D1/16Adjustment of injection timing
    • F02D1/18Adjustment of injection timing with non-mechanical means for transmitting control impulse; with amplification of control impulse
    • F02D1/183Adjustment of injection timing with non-mechanical means for transmitting control impulse; with amplification of control impulse hydraulic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02D2001/186Adjustment of injection timing with non-mechanical means for transmitting control impulse; with amplification of control impulse hydraulic using a pressure-actuated piston for adjustment of a stationary cam or roller support

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射ポンプにおける噴射時期制御装置の
応答性を改善する。 【解決手段】 タイマシリンダ20と、その両端のタイ
マ高圧室22及びタイマ低圧室24と、両室の差圧に応
じて移動してスライドピン19を介して燃料の噴射時期
を調整するタイマピストン21と、両室の少なくとも一
方の圧力を変化させるための油圧制御弁27を備えてい
る噴射時期制御装置において、油圧制御弁27が実質的
に円錐形の弁座37を備えるバルブシリンダ44と、そ
れに挿入されて制御装置によって移動させられると共に
弁座37を開閉する円錐面38を備えている弁ニードル
43からなっている。閉弁時に弁ニードルの円錐面38
と円錐形の弁座37とが接触する円形の線であるシール
エッジの直径が、弁ニードル43の直径と等しいか、或
いはそれよりも僅かに小さくなるように設定されている
ので、弁ニードル43の微小なリフトによって大きな弁
開口が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてディーゼ
ルエンジンに使用される燃料噴射ポンプに係り、特に、
分配型の燃料噴射ポンプに付設され、電子式制御装置の
指令を受けて燃料の噴射時期を自由に調整するための油
圧制御弁に特徴を有する噴射時期制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭63−110640号公
報に記載されているように、ディーゼルエンジン用の分
配型燃料噴射ポンプにおいては、燃料噴射時期を制御す
るために、燃料を圧送するプランジャを駆動するカムの
タイミングを変化させるタイマピストンを設けている。
そしてタイマピストンの両側の室の間に設けられた油圧
制御弁のような手段によって、それらの室に作用する油
圧を調整することによってタイマピストンを移動させて
燃料の噴射時期を調整することができるようになってい
る。
【0003】油圧制御弁をソレノイドコイルによって電
磁的に開閉作動させるようにしたものが、例えば実開昭
56−173736号公報に記載されている。このよう
な燃料油圧制御弁としての電磁弁におけるソレノイドコ
イルへの通電又は遮断を電子式制御装置を用いて制御す
ることにより、タイマピストンの両側の室の間に作用す
る油圧を変化させてタイマピストンの位置を調整するよ
うにすれば、燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を電子的に
制御することが可能になる。
【0004】上記油圧制御弁の1例を図14に80とし
て示す。コイル54への通電を制御することによって、
流路41と流路42との連通・遮断が決まる。すなわち
コイル54へ通電を行うと、弁ニードル98と一体とな
ったアーマチャ52は、スプリング57のバネ力に抗し
てステータ53に吸引され、弁ニードル98の面99が
シム100に当接するまで図中右方向に移動し、流路4
1と流路42が連通して開弁する。その時のリフト量l
7 はl7 =0.7mmである。また、アーマチャ52とス
テータ53との間隔であるエアギャップl8 はl8 =l
7 +0.05mmという関係があり、閉弁時にはl8
0.75mmで、開弁時には、l8 =0.05mmとなる。
コイル54への通電を停止すると、スプリング57のバ
ネ力によって、弁ニードル98と一体となったアーマチ
ャ52は図中左方向に移動し、油圧制御弁80は閉弁状
態となる。
【0005】近年、排気ガス規制強化に伴い、特開昭6
2−101865号公報に記載されているように、燃料
噴射ポンプの噴射時期制御装置における油圧制御弁につ
いても回転同期制御を行うことが要求されるようにな
り、それに伴って、弁ニードル98の高速応答性が要求
されるようになった。ところが、図14に示すような従
来の油圧制御弁80は、コイル54に通電を行ってから
開弁するまでの時間が長く、すなわち開弁応答性が著し
く悪いので、開弁応答性のよい油圧制御弁が望まれてい
る。
【0006】弁ニードル98の開弁応答性、すなわちコ
イル54に通電を行ってから、十分な吸引力が発生する
までの時間を短くする必要がある。そのためには、図1
5に示すようにコイル巻数Nを低減するのが有効であ
る。ところが、コイル巻数Nを低減すると同じ大きさの
吸引力を得るのに大量の電流が必要となるので、駆動回
路のコストが高くなるという別の問題が発生する。
【0007】一方、図16に示すように、エアギャップ
8 を小さくすると、少ない電流で大きな吸引力が得ら
れるようになるが、その場合、リフト量l7 を小さくす
る必要があるので、流路41及び42の間の弁ニードル
98の切欠き98aによる十分な大きさの流路面積を得
ることができないという更に別の問題が発生する。
【0008】また一方、近年の納入先メーカーからのコ
ストダウン要求から、生産量が多いガソリンエンジンに
おいて吸気管に燃料を噴射するために使用される燃料噴
射弁(電磁弁)の部品の一部を用いることによって、タ
イマ用の油圧制御弁のコストダウンを図ることが考えら
れている。その例が特開昭60−132038号公報や
特開平2−211374号公報に記載されている。図1
7に特開昭60−132038号公報に記載されている
油圧制御弁101を示す。
【0009】この例において、燃料の圧送行程時には、
タイマピストン21は、図17において上方にスライド
ピン19を介してフェイスカム7の圧送反力を受けて、
タイマ高圧室22は圧送時に、噴射圧力に比例して高圧
となる。タイマ高圧室22とハウジング室102は流路
103によって結ばれており、更に、バルブボデー10
4に設けられた流路105によって、弁ニードル106
の側面の流路107に連通している。また、流路107
とスプリング室108も連通しているので、スプリング
室108はタイマ高圧室22と同じ圧力である。タイマ
低圧室24は常にタイマ高圧室22よりも低圧であるか
ら、流路109によってタイマ低圧室24と連通する室
110も低圧である。したがって、タイマ高圧室22の
圧力が高くなるとスプリング室108の圧力も高くな
り、弁ニードル106は図中左方向に力を受けることに
なるので開弁応答性が悪化する。
【0010】すなわち、油圧制御弁101の開弁応答性
がタイマ高圧室22の圧力によって変化することにな
り、正確な噴射時期の制御ができないという問題があ
る。またハウジング室102の圧力もプランジャによる
燃料の圧送のたびに高圧となり、油圧制御弁101は図
中右方向に繰り返し荷重を受けるので、ボルト111が
疲労破壊を起こすという問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来技術の問題点に鑑み、きわめて簡単な手段によっ
てそれらの問題を解消して、応答性に優れた燃料噴射ポ
ンプの噴射時期制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、油圧制
御弁が、バルブボデー内に形成されて一端側に実質的に
円錐形の弁座を備えているバルブシリンダと、該バルブ
シリンダ内に摺動自在に挿入されて制御装置によって移
動させられると共に少なくとも一部に前記円錐形の弁座
を開閉する円錐面を形成された弁ニードルとを備えてお
り、しかも、閉弁時に該弁ニードルの円錐面と前記円錐
形の弁座とが接触する円形の線であるシールエッジの直
径が、前記弁ニードルの直径と実質的に等しくなるよう
に設定されている燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置を
提供する。
【0013】このような構成によって、本発明の噴射時
期制御装置における油圧制御弁は、従来よりも少ないリ
フト量で十分な流路面積を得ることができる。リフト量
が小さくてよいので油圧制御弁の開弁応答性が向上し、
エンジンに対して油圧制御弁の回転同期制御が可能とな
る。油圧制御弁を作動させるために大量の電流を流す必
要もなく、駆動回路のコストが高くなるというような問
題も生じない。
【0014】本発明は、また、上記のような油圧制御弁
において、バルブシリンダ内に挿入されている弁ニード
ルの両端部分に作用する圧力の差によって弁ニードルが
移動するのを防止するために、弁ニードルの一端側の圧
力を他端側へ導く手段を設けることができる。この手段
を設けることによって、弁ニードルの両端の部分の圧力
をバランスさせることができるので、弁ニードルの作動
が従来よりも確実なものとなる。なお、弁ニードルの一
端側の圧力を他端側へ導く手段としては弁ニードル中に
連通通路を設けるのが好ましい。
【0015】本発明は、更に、上記のような油圧制御弁
において油圧制御弁の上流側にフィルタを設けることが
できる。本発明においては上記のように油圧制御弁の弁
ニードルのリフト量を従来よりも少なくすることに特徴
があるので、それによって弁座と弁ニードルの各円錐面
の間に異物が詰って弁が完全に閉弁することができなく
なるのをフィルタを設けることによって防止することが
できる。この場合、フィルタの目開きを油圧制御弁の弁
ニードルの最大リフト量よりも小さく設定するのが望ま
しい。
【0016】本発明の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装
置における油圧制御弁は、その弁ニードルの開弁方向
と、開弁時に油圧制御弁を通過する油の流れ方向とが反
対になるように設定することができる。そして、その弁
ニードルの先端側に円錐面を形成することができる。
【0017】本発明における油圧制御弁は、また、弁ニ
ードルの開弁方向と、開弁時に該油圧制御弁を通過する
油の流れ方向とが一致するように設定することもでき
る。そして、その弁ニードルの後端側に円錐面を形成す
ることができる。
【0018】本発明における油圧制御弁は、ハウジング
とバルブボデー間にOリングを挿入して、それらの間か
ら燃料が洩れるのを防止するのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の燃料噴射ポンプの噴射時
期制御装置、殊にそれに使用される油圧制御弁を説明す
るための前提として、それが適用される対象である燃料
噴射ポンプの二つのタイマ方式、すなわち、タイマ高圧
室制御方式とタイマ低圧室制御方式の構成を説明するこ
とにする。なお、本発明の実施の形態において前述の従
来例と実質的に同じ構成部分については同じ参照符号を
付している。
【0020】まず、図1に示されたタイマ高圧室制御方
式の分配型燃料噴射ポンプ1の構造を説明する。ドライ
ブシャフト2は図示しないエンジンによって、エンジン
回転数の2分の1の回転数と同期して回転駆動される。
ドライブシャフト2にはシグナルロータ3が同軸的に取
り付けられており、その外周には凸状の歯が複数個形成
されている。4は回転角センサであってシグナルロータ
3の外周に対向しており、シグナルロータ3の凸状歯の
電磁誘導によって機関回転数に応じたパルス信号を発生
して、電子式制御装置5へ出力する。ここで電子式制御
装置5はスピル弁18と油圧制御弁27を駆動する駆動
回路を含んでいる。ドライブシャフト2には燃料を圧送
するプランジャ6を駆動するフェイスカム7と、燃料の
フィードポンプであるベーン式のポンプ8が連結されて
いる。フェイスカム7はプランジャ6と一体となってス
プリング9によってローラリング10に設けられたロー
ラ11に押しつけられる。
【0021】従って、フェイスカム7がドライブシャフ
ト2によって回転駆動されることにより、フェイスカム
7の凸部がローラ11に乗り上げて、フェイスカム7自
体とそれに一体化されたプランジャ6が、回転運動を伴
うプランジャ6の軸線方向の往復運動をすることにな
る。プランジャ6はポンプシリンダ12のシリンダボア
12a内に挿入されて、その先端に圧力室13を形成し
ているので、プランジャ6の往復運動の成分によって圧
力室13の容積が拡縮し、それと同時に回転運動の成分
によって圧力室13にはそれに開口する吸入側と吐出側
のポートが切り換えられて連通する。フィードポンプ8
の吐出ポート14から吐出される約10気圧に加圧され
た燃料は燃料室15に貯溜されているが、その燃料が圧
力室13に吸入され、高圧に加圧されて所定のタイミン
グに燃料噴射弁16へ圧送され、図示しない機関の燃焼
室内へ噴射されることになる。燃料噴射ポンプ1のハウ
ジング17には圧力室13の圧力を解放するスピル弁1
8が設けられており、スピル弁18を電子式制御装置5
によって開閉することによって、燃料の噴射開始時期や
噴射量、噴射率を制御することができる。
【0022】ローラリング10はドライブシャフト2の
軸線を中心として所定の角度範囲内で回動することが出
来る。その回動によって円筒状の外周面10aとローラ
11の位置が回転方向に移動するので、フェイスカム7
の凸部がローラ11に乗り上げる時期が変化し、それに
よって燃料噴射時期を変化させることができる。ローラ
リング10を回動させるために、スライドピン19がロ
ーラリング10から図1の下方へ伸びており、その下端
が、ハウジング17内に形成されたタイマシリンダ20
内で左右の方向に往復摺動することができるように嵌合
しているタイマピストン21に係合している。
【0023】図1においてタイマピストン21の右側の
タイマ高圧室22はタイマピストン21内に設けられた
絞り23を介して燃料室15に連通していて、フィード
ポンプ8によって加圧された燃料を受け入れている。そ
の油圧がタイマピストン21を左方へ押すことになる
が、それに対抗してタイマピストン21の左側のタイマ
低圧室24内にはタイマスプリング25が装着されてい
る。タイマ低圧室24はフィードポンプ8の吸入ポート
26に連通していて、作動中は常に低圧になっている。
タイマ高圧室22に作用している燃料の油圧即ち供給圧
は、機関回転数、従ってドライブシャフト2の回転数に
関連して大小に変化するので、その油圧による付勢力と
タイマスプリング25の付勢力とが釣り合う位置へタイ
マピストン21が移動し、スライドピン19を介してロ
ーラリング10が回動調節されることによって、燃料の
噴射時期が機関回転数に応じて変化することになる。ま
た、プランジャ6の圧送行程時には、タイマピストン2
1は、フェイスカム7が受ける圧送反力によって、スラ
イドピン19を介して図1中右方向に圧送圧力を受ける
ので、タイマ高圧室22は一時的に高圧となる。
【0024】タイマ高圧室22とタイマ低圧室24との
間に電磁弁からなる油圧制御弁27が挿入されており、
油圧制御弁27を電子式制御装置5に電気的に連結して
開閉制御することによって、タイマ高圧室22内の油圧
を部分的にタイマ低圧室24側へ逃がして調整し、タイ
マピストン21の位置とローラリング10の回転方向の
位置を変化させ、それによって燃料の噴射時期を制御し
ている。本発明はこの油圧制御弁27に関するものであ
る。
【0025】このように、図1に示されたフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のためのタイマ装置
(噴射時期制御装置)28は、タイマシリンダ20とタ
イマピストン21、及びタイマピストン21に連動する
ローラリング10、タイマピストン21の位置を制御す
る油圧制御弁27等からなっている。なお、理解を容易
にするために、図1においてはドライブシャフト2とタ
イマピストン21が平行に描かれているが、前述のよう
な作動をさせるために、後者は前者に対して直角の方向
に交差している。同様に、フィードポンプ8の軸もドラ
イブシャフト2の同一軸線上の延長部分であるが、ドラ
イブシャフト2に対して90°回転させて描かれてい
る。。
【0026】前述の回転数センサ4は、ローラリング1
0の外周面10a上に担持されており、その出力信号が
電子式制御装置5に入力されているが、電子式制御装置
5にはその他にも図1に示すように機関からTDC信号
として示す上死点信号や、機関の負荷の大きさを示すア
クセル開度信号、冷却水温を検出する水温センサからの
出力信号等が入力される。
【0027】次に、他のタイマ方式の燃料噴射ポンプと
して、図2に示されたタイマ低圧室制御方式の分配型燃
料噴射ポンプ1’の構造について説明する。図2に示す
構造のうち、かなり多くの部分が、図1に示したタイマ
高圧室制御方式の分配型燃料噴射ポンプ1のそれと実質
的に同じものであるから、それらについては同じ参照符
号を付すことにする。
【0028】図2においてタイマピストン21の右側の
タイマ高圧室22は、絞り23を介して燃料室15に常
時連通していて、フィードポンプ8によって約10気圧
に加圧された燃料を受け入れている。タイマピストン2
1の左側のタイマ低圧室24内にはタイマスプリング2
5が装着されている。タイマ低圧室24はフィードポン
プ8の吸入ポート26に絞り29を介して連通してお
り、燃料室15からの燃料の流入量を油圧制御弁27に
よって調節することにより、タイマ低圧室24の圧力
(大気圧から燃料室15と同じ約10気圧までの範囲)
が決まる。そして、タイマ高圧室22とタイマ低圧室2
4との圧力差によって発生する力と、タイマスプリング
25の付勢力との釣り合いによってタイマピストン21
の位置が決まる。本発明は、図2に示したタイマ低圧室
制御方式の分配型燃料噴射ポンプ1’に使用されている
油圧制御弁27に関するものである。
【0029】次に本発明の特徴である油圧制御弁27の
第1の実施形態について図3を用いて説明する。図3
は、図1に示すタイマ高圧室制御方式の燃料噴射ポンプ
の一部分を別の角度から見た断面図である。油圧制御弁
27はフランジ30とボルト31によってハウジング1
7に固定されている。バルブボデー40の中心には弁ニ
ードル43が摺動し得るバルブシリンダ44が形成され
ており、その側面に環状に開口する流路60と、左端に
弁座37として開口する流路61が形成されている。バ
ルブボデー40とハウジング17は嵌合されており、流
路60は流路32と流路41を介してタイマ高圧室22
に、また流路61は流路33と流路42を介してタイマ
低圧室24にそれぞれ連通している。図2に示すタイマ
低圧室制御方式の分配型燃料噴射ポンプの場合は、それ
ぞれ燃料室15及びタイマ低圧室24に接続される。
【0030】図4に油圧制御弁27の拡大断面図を示
す。バルブボデー40の中心のバルブシリンダ44内に
は、左右方向に移動可能な弁ニードル43が配設されて
摺動自在となっている。弁ニードル43の図中右側には
アーマチャ52が圧入によって固定されており、アーマ
チャ52はステータ53と間隔(エアギャップ)l2
もって対向している。また、ステータ53の内部には、
スプリング室62が設けられ、スプリング57を設けて
いる。アーマチャ52はスプリング57の弾力により常
時図中左方向に付勢されている。
【0031】したがって、コイル54に通電を行ってい
ない時は、弁ニードル43の先端が弁座37に密着し
て、油圧制御弁27は閉弁しており、タイマ高圧室22
とタイマ低圧室24の間の連通を遮断している。コイル
54に通電を行うと、アーマチャ52はステータ53に
吸引されてスプリング57のバネ力に抗して図中右方向
に動き、アーマチャ52と一体となっている弁ニードル
43の先端は弁座37から離れて、油圧制御弁27は開
弁状態となり、タイマ高圧室22とタイマ低圧室24は
連通する。その時の弁ニードル43のリフト量l1 はl
1 =0.12mmであり、弁ニードル43の右肩の面47
がシム59に当接した位置で弁ニードル43のリフトは
終了する。その時、エアギャップl2 は、閉弁時にl2
=0.17mmであったものが、開弁時にはl2 =0.0
5mmとなる。
【0032】ここで、コイル54が破損した場合は、燃
料噴射時期が最も進角した方が、最も遅角するよりもよ
いため、前述のように、油圧制御弁27はノーマリクロ
ーズ(常閉)となるように構成されている。
【0033】コイル54は、コイルボビン49に巻かれ
ており、ケーシング39内に収納されている。ケーシン
グ39の図中左端は、かしめ加工によってバルブボデー
40を固定して一体化しており、図中右端もかしめ加工
によってステータ53等を固定している。
【0034】次に、図5を用いて弁ニードル43の先端
部の構造について説明する。なお、図5は開弁状態を示
す図であり、図4は閉弁時を示す図である。バルブボデ
ー40の内部には、弁ニードル43をとりかこむように
流路60が形成されていると共に、弁ニードル43の下
流側には流路61が設けられており、流路60と61の
間は弁座37と弁ニードル43により連通または遮断さ
れる。弁ニードル43は弁径d1 が5.0mm、弁ニード
ル先端の円錐面38の傾斜角θ1 =93°としてあり、
流路側の弁座37の円錐面は、右端径d2 が5.1mm、
傾斜角θ2 が90°としてあり、流路61の径d3
4.4mmとしてある。ここで、流路径d3の値が右端径
1 の値に比べて大きすぎると、弁座37の面積が不足
して、弁座面が磨耗する。また、小さすぎると、弁ニー
ドル43が着座した時でも弁ニードル43の先端円錐面
38の加工上の粗さ等により、わずかな燃料が洩れるた
め、その燃料圧によって弁ニードル43を図中右方向へ
押す力が大きくなり、閉弁不良となる。
【0035】弁ニードル43の先端部の構造は以上のよ
うになっているため、閉弁時には円錐面38のシールエ
ッジ36が弁座37の面に密着して流路60,61間が
遮断される。
【0036】また、弁ニードル43の径d1 に比べて流
路60の径d4 を過度に大きくすると、流路60の加工
が困難になる。そこで、弁ニードル43の一部は径d1
よりも小さい径d5 となるようにくびれさせており、そ
れによって流路60の流路面積を確保している。この実
施形態の場合、d4 =6.0mm,d5 =3.5mmであ
る。また、図5に示す例の変形として、弁ニードル43
の先端を図6に示すようにしてもよい。すなわち、弁ニ
ードル43の先端の円錐面は2段階に角度を変えて、弁
径d6 =4.9mmのシールエッジ35を形成すると共
に、傾斜角の関係をθ3 <θ2 <θ1 としている。具体
的に数値の例を示すと、θ1 =93°,θ2=90°,
θ3 =80°である。
【0037】第1の実施形態の油圧制御弁27は、この
ような弁構造となっているため、図14に示す従来の油
圧制御弁80に比べて、より少ない弁ニードル43のリ
フト量でも、十分に大きな開口面積を得ることができ
る。
【0038】ここで再び図4に戻って、バルブボデー4
0内には流路60の上流側の流路32に目開き0.1mm
のフィルタ34が設けられている。このフィルタ34
は、弁座37の面と弁ニードル43の先端の円錐面38
との間に異物がかみ込まれて常時開弁状態となるのを防
止するためのものである。そのため、フィルタ34の目
開きは、弁ニードル43のリフト量l1 よりも小さい
0.1mmとなっている。
【0039】また、弁ニードル43とアーマチャ52が
動くと、その分だけスプリング室62の容積が変化する
ため、スプリング室62内の燃料が移動することができ
るように、いずれかの部分と連通する必要がある。図1
のタイマ高圧室制御方式の燃料噴射ポンプ1の場合、油
圧制御弁27が一旦閉弁すると、タイマ高圧室22の圧
力がタイマ低圧室24の圧力よりも高いため、流路61
よりも流路60の方の圧力が高くなる。図2のタイマ低
圧室制御方式の燃料噴射ポンプ1’の場合も、流路60
の方が圧力は高くなる。そのため、従来例のように弁ニ
ードル43より上流側の流路60又は流路32とスプリ
ング室62とを連通させると、スプリング室62の圧力
が流路61の圧力よりも高くなり、弁ニードル43が図
中左方向(閉弁方向)に力を受けるために作動不良とな
ることがある。
【0040】そこで、本発明の第1の実施形態では、ス
プリング室62と弁ニードル43よりも下流側の流路6
1とを連通させるために、バルブボデー40には流路3
3、連通通路45が、またシム59にも流路46が設け
られ、スプリング室62と流路61が同じ圧力になるよ
うにしている。
【0041】油圧制御弁27を図2に示したタイマ低圧
室制御方式の燃料噴射ポンプ1’に適用する場合、タイ
マ低圧室24の油圧は、大気圧から10気圧の範囲内で
変化するので、流路61内の油圧も同じ圧力範囲内で変
化するが、前述のような構成とすることによって、その
圧力変化の影響による弁ニードル43の作動不良を防止
することができる。
【0042】なお、第1の実施形態においては、フィル
タ34はバルブボデー40内の流路32に設けたが、燃
料室15からタイマ高圧室22を経て流路60に至る途
中のどこに設置してもよい。また、図2に示す燃料噴射
ポンプの場合は、燃料室15から流路60に至る途中の
どの位置に設置してもよい。
【0043】次に第1実施形態の作用を図1および図4
を用いて説明する。電子式制御装置5によってコイル5
4への通電が行われると、弁ニードル43は開弁位置へ
移動し、油圧制御弁27が開弁する。それによってタイ
マ高圧室22の油(燃料)がタイマ低圧室24に流れる
ので、タイマ高圧室22の圧力は低下し、スプリング2
5によってタイマピストン21は図中右方へ移動し、噴
射時期は遅角方向に変化する。電子式制御装置5によっ
てコイル54への通電が停止されると、スプリング57
の付勢力により弁ニードル43は閉弁位置へ移動し、油
圧制御弁27は閉弁して、タイマ高圧室22とタイマ低
圧室24との間の連通は遮断される。その結果、タイマ
高圧室22の油圧が燃料室15の圧力まで上昇して、タ
イマピストン21は図において左行し、噴射時期は進角
方向に変化する。
【0044】以上の説明から明らかなように、第1の実
施形態の油圧制御弁27におけるシート部、すなわち弁
ニードル43の円錐面38と弁座37の形状から、リフ
ト量l1 は0.12mmというように小さくてよいため、
コイル54がアーマチャ52を吸引する前のエアギャッ
プl2 も小さくなるので、コイルの巻数Nを低減するこ
とが可能になる。したがって油圧制御弁27の開弁応答
性が良くなる。
【0045】本発明の特徴である油圧制御弁の第2の実
施形態として、油圧制御弁63を図7及び図8を用いて
説明する。図7に示す構造のうち、多くの部分が、図4
に示した第1実施形態の油圧制御弁27のそれと実質的
に同じものであるから、それらについては同じ参照符号
を付している。
【0046】バルブボデー48の中心にはバルブシリン
ダ50が形成されており、また流路55及び56が設け
られていて、それぞれ図中上方向と下方向に開口してい
る。流路55はタイマ高圧室22(図1のタイマ高圧室
制御方式の場合)または燃料室15(図2のタイマ低圧
室制御方式の場合)と連通しており、流路56はタイマ
低圧室22と連通している。そして、流路55の途中に
はリフト量l3 =0.12mmよりも小さい目開き0.1
mmのフィルタ51が設けられている。勿論フィルタ51
は、第1実施形態の場合と同様に、バルブボデー48内
とは別の場所に設置してもよい。
【0047】バルブボデー48の中心に形成されたバル
ブシリンダ50には、左右方向に移動可能な弁ニードル
58が配設されて摺動自在となっている。弁ニードル5
8の図中右端側にはアーマチャ52が圧入されて一体化
されており、アーマチャ52はステータ53と間隔(エ
アギャップ)l4 をもって対向している。コイル54に
通電を行っていない時は、スプリング57の付勢力によ
り弁ニードル58は閉弁位置へ押圧されて油圧制御弁6
3は閉弁状態となる。このように、第2実施形態の油圧
制御弁63も、第1実施形態のそれと同様にノーマリク
ローズとなっている。図1に示す電子式制御装置5によ
ってコイル54に通電すると、アーマチャ52はスプリ
ング57の付勢力に抗してステータ53に吸引され、l
3 =0.12mmだけリフトして開弁する。その時l4
0.05mmである。
【0048】そして、第1実施形態の場合と同様に、シ
ム59に設けられた流路46によってスプリング室62
と流路56とを連通し、更に、バルブボデー48に設け
られた流路64によってバルブボデー室65と流路56
とを連通し、弁ニードル58の左右の圧力をバランスさ
せ、圧力状態によって弁ニードル58の作動に影響が出
ないようにしている。
【0049】次に図8を用いて、第2の実施形態におけ
る弁ニードル58のシート部について説明する。なお、
図8は図7と違って開弁状態を示している。バルブボデ
ー48側の弁座66の円錐形の面は傾斜角θ5 を93°
としてあり、弁ニードル58の中間に形成されている円
錐面67の傾斜角θ4 を90°としてある。ここでは弁
ニードル58の径d8 を5.0mmとし、円錐面67の外
径d7 を5.5mmとしている。
【0050】したがって、スプリング57の付勢力によ
って弁ニードル58が閉弁位置へ押されると、弁座66
のシールエッジ68と弁ニードルの円錐面67が密着し
て流路55と56との間の連通を遮断する。また、弁座
66の円錐面を2段にして、シールエッジ68の径をd
8 よりも僅かに大きくしてもよい。
【0051】このような構造を有する第2実施形態の油
圧制御弁63は、第1実施形態のそれに比して、シート
部を形成する弁座66と弁ニードルの円錐面67の加工
が容易になるという利点がある。
【0052】次に、図9、図10、図11、及び図12
を用いて、本発明の第3の実施形態の油圧制御弁69を
説明する。図9において、バルブボデー70の中心には
弁ニードル71が摺動し得るバルブシリンダ72が形成
されており、その側面に環状に開口する流路73と、左
端に弁座74として開口する流路75が形成されてい
る。バルブボデー70とハウジング17は嵌合されてお
り、流路73は流路76を介してタイマ高圧室22に、
また流路75は流路77を介してタイマ低圧室24と連
通している。この油圧制御弁69が図2に示すタイマ低
圧室制御方式の分配型燃料噴射ポンプ1’に適用される
場合は、それぞれ燃料室15及びタイマ低圧室24に接
続される。
【0053】図10に第3実施形態の油圧制御弁69の
拡大断面図を示す。バルブボデー70の中心のバルブシ
リンダ72内には、左右方向に移動可能な弁ニードル7
1が配設されて摺動自在となっている。弁ニードル71
の図中右側にはアーマチャ78がレーザ溶接によって固
定されており、アーマチャ78はステータ79と間隔
(エアギャップ)l6 をもって対向している。また、ス
テータ79の内部には、スプリング室81が設けられ、
スプリング82が収容されている。アーマチャ78はス
プリング82の弾力により常時図中左方向に付勢されて
いる。
【0054】したがって、コイル83に通電を行ってい
ない時は、弁ニードル71の先端が弁座74に密着し
て、油圧制御弁69は閉弁しており、タイマ高圧室22
とタイマ低圧室24の間の連通を遮断している。コイル
83に通電を行うと、アーマチャ78はステータ79に
吸引されてスプリング82のバネ力に抗して図中右方向
に動き、アーマチャ78と一体となっている弁ニードル
71の先端は弁座74から離れて、油圧制御弁69は開
弁状態となり、タイマ高圧室22とタイマ低圧室24は
連通する。その時の弁ニードル71のリフト量l5 はl
5 =0.12mmであり、弁ニードル71の右肩の面84
がシム85に当接した位置で弁ニードル71のリフトは
終了する。その時、エアギャップl6 は、閉弁時にl6
=0.17mmであったものが、開弁時にはl6 =0.0
5mmとなる。
【0055】ここで、コイル83が破損した場合は、燃
料噴射時期が最も進角した方が、最も遅角するよりもよ
いため、前述のように、油圧制御弁69はノーマリクロ
ーズ(常閉)となるように構成されている。コイル83
はコイルボビン86に巻かれてケーシング87内に収納
されている。ケーシング87の図中左端はかしめ加工に
よってバルブボデー70を固定して一体化しており、図
中右端もかしめ加工によってステータ79を固定してい
る。また、第3実施形態の弁ニードル71の先端部の構
造及びバルブボデー70の弁座74の詳細構造は、前述
の第1実施形態のそれと実質的に同じである。
【0056】図9に示すハウジング17内の流路76に
目開き0.1mmのフィルタ88が設けられている。この
フィルタ88は、弁座74の面と弁ニードル71の先端
の円錐面89との間に異物がかみ込まれて常時開弁状態
となるのを防止するためのものである。そのため、フィ
ルタ88の目開きは、弁ニードル71のリフト量l5
りも小さい0.1mmとなっている。
【0057】この実施形態においては、フィルタ88は
ハウジング17内の流路76に設けたが、フィルタ88
は燃料室15からタイマ高圧室22を経て流路73に至
る途中のどこに設置してもよい。また、この実施形態の
油圧制御弁を図2に示すタイマ低圧室制御方式燃料噴射
ポンプ1’に適用する場合には、フィルタ88を燃料室
15から流路73に至る途中のどの位置に設置してもよ
い。
【0058】また、第3実施形態においても、弁ニード
ル71に作用する燃料の圧力をバランスさせるために、
弁ニードル71と弁座74よりも下流側の流路75とス
プリング室81とを連通させている。すなわち、弁ニー
ドル71内に設けられた連通通路90を設けることによ
り、流路75と弁ニードル71の側面に設けられたニー
ドル室91とを連通させている。この場合、弁ニードル
71が閉弁位置にあるときは、ニードル室91と流路7
3との間は遮断されており、更に、図10のA−A断面
及びB−B断面がそれぞれ図11及び図12に示されて
いるように、ニードル室91とスプリング室81とを連
通させるための流路92及び93が設けられており、シ
ム85にも流路94が設けられている。
【0059】このように、弁ニードル71内に連通通路
90を設けることにより、第1実施形態に比べて弁ニー
ドル71の軽量化を図ることができ、それによって弁ニ
ードル71の応答性が向上するという利点がある。更
に、流路75とスプリング室81を最短距離で結ぶこと
が可能となり、流路75の圧力変化が速やかにスプリン
グ室81に伝達されるという利点もある。また、ハウジ
ング17のTCVシリンダ17aの中にバルブボデー7
0が挿入されており、流路76と流路114がハウジン
グ室112を介することなく直接に結ばれているため、
油圧制御弁69が右方向に繰り返し荷重を受けることは
なく、ボルト113が疲労破壊を起こすことはない。
【0060】以上のような構成とすることにより、アー
マチャ78、スプリング82、ステータ79、コイル8
3、コイルボビン86等が、ガソリンエンジンにおい
て、吸気通路内へ直接に燃料を噴射するための燃料噴射
弁(電磁弁)の部品を油圧制御弁に利用することが可能
となり、それによってコストダウンを図ることができる
という利点がある。また、第3実施形態のバルブ部を第
2実施形態(図7及び図8参照)に示すように外開弁式
に変更してもよい。
【0061】また、図13に示すように、ハウジング1
7とバルブボデー95間にOリング96及び97を挿入
すると、ハウジング17とバルブボデー95の隙間から
燃料が洩れることによる進角不良を防止することができ
る。このような改良は前述のいずれの実施形態について
も適用することができることは言うまでもない。
【0062】なお、本発明は前述のように油圧制御弁に
特徴があるので、この油圧制御弁をフェイスカム圧送に
よるタイマ高圧室制御方式、或いはタイマ低圧室制御方
式の分配型燃料噴射ポンプに適用することができるばか
りでなく、それ自体は周知のインナーカム圧送式の分配
型燃料噴射ポンプにも適用することができる。更に、サ
ーボ式のタイマ装置を用いた分配型燃料噴射ポンプにも
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分配型燃料噴射ポンプと、それに付設されたタ
イマ高圧室制御方式による噴射時期制御装置のシステム
構成を示す断面図である。
【図2】分配型燃料噴射ポンプと、それに付設されたタ
イマ低圧室制御方式による噴射時期制御装置のシステム
構成を示す断面図である。
【図3】本発明の特徴である噴射時期制御装置における
油圧制御弁の第1実施形態をタイマシリンダとの関係に
おいて示す断面図である。
【図4】図3に示す第1実施形態の油圧制御弁のみを示
す拡大断面図である。
【図5】図4に示す第1実施形態の油圧制御弁の要部を
示す断面図である。
【図6】図5に示す第1実施形態の変形例を示す断面図
である。
【図7】本発明の第2実施形態の油圧制御弁のみを示す
拡大断面図である。
【図8】図7に示す第2実施形態の油圧制御弁の要部を
示す断面図である。
【図9】本発明における油圧制御弁の第3実施形態をタ
イマシリンダとの関係において示す断面図である。
【図10】第3実施形態の油圧制御弁のみを示す拡大断
面図である。
【図11】図10のA−A断面を示す側断面図である。
【図12】図10のB−B断面を示す側断面図である。
【図13】第3実施形態を更に具体化した例を示す断面
図である。
【図14】従来の噴射時期制御装置における油圧制御弁
を例示する断面図である。
【図15】コイルの巻数と吸引力、従って油圧制御弁の
開弁応答性との関係を示す線図である。
【図16】エアギャップの大きさと吸引力との関係を示
す線図である。
【図17】従来の他の噴射時期制御装置における油圧制
御弁を示す断面図である。
【符号の説明】
1…タイマ高圧室制御方式による分配型燃料噴射ポンプ 1’…タイマ低圧室制御方式による分配型燃料噴射ポン
プ 2…ドライブシャフト 5…電子式制御装置 6…プランジャ 7…フェイスカム 8…フィードポンプ 9…スプリング 10…ローラリング 12…ポンプシリンダ 13…圧力室 14…フィードポンプの吐出ポート 15…燃料室 16…燃料噴射弁 17…ポンプハウジング 18…スピル弁 19…スライドピン 20…タイマシリンダ 21…タイマピストン 22…タイマ高圧室 23…絞り 24…タイマ低圧室 25…タイマスプリング 26…フィードポンプの吸入ポート 27…油圧制御弁(第1の実施形態) 28…噴射時期制御装置(タイマ装置) 29…絞り 33…流路 34…フィルタ 35,36…シールエッジ 37…弁座 38…弁ニードル先端の円錐面 39…ケーシング 40…バルブボデー 41,42…流路 43…弁ニードル 44…バルブシリンダ 45…連通通路 47…弁ニードルの右肩面 48…バルブボデー 50…バルブシリンダ 51…フィルタ 52…アーマチャ 53…ステータ 54…コイル 55,56…流路 57…スプリング 59…シム 60,61…流路 62…スプリング室 63…油圧制御弁(第2の実施形態) 65…バルブボデー室 66…弁座 67…円錐面 68…シールエッジ 69…油圧制御弁(第3の実施形態) 70…バルブボデー 71…弁ニードル 72…バルブシリンダ 73,75,76,77…流路 74…弁座 78…アーマチャ 79…ステータ 80…従来の油圧制御弁 88…フィルタ 89…円錐面 90…連通通路 91…ニードル室 92,93,94…流路 95…バルブボデー 96,97…Oリング 101…従来の他の油圧制御弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プランジャの往復運動によって燃料を燃
    料噴射弁へ圧送して噴射させる内燃機関用の燃料噴射ポ
    ンプに付設され、タイマシリンダと、該タイマシリンダ
    の両端に形成されたタイマ高圧室及びタイマ低圧室と、
    前記タイマシリンダ内に摺動自在に挿入されて前記タイ
    マ高圧室及びタイマ低圧室の差圧に応じて移動して燃料
    の噴射時期を調整するタイマピストンと、前記タイマ高
    圧室及びタイマ低圧室の少なくとも一方の圧力を変化さ
    せるための油圧制御弁とを備えている噴射時期制御装置
    において、前記油圧制御弁がバルブボデーと、該バルブ
    ボデー内に形成されて一端側に実質的に円錐形の弁座を
    備えているバルブシリンダと、該バルブシリンダ内に摺
    動自在に挿入されて制御装置によって移動させられると
    共に少なくとも一部に前記円錐形の弁座を開閉する円錐
    面を形成された弁ニードルとを備えており、しかも、閉
    弁時に該弁ニードルの円錐面と前記円錐形の弁座とが接
    触する円形の線であるシールエッジの直径が、前記弁ニ
    ードルの直径と実質的に等しくなるように設定されてい
    ることを特徴とする燃料噴射ポンプの噴射時期制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記弁ニードルの前記バルブシリンダ内
    に挿入されている部分の両端に作用する圧力の差によっ
    て前記弁ニードルが移動するのを防止するために、前記
    弁ニードルの一端側の圧力を他端側へ導く手段を備えて
    いる請求項1記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記弁ニードルの一端側の圧力を他端側
    へ導く手段として、前記弁ニードル中に設けられた連通
    通路を用いた請求項2記載の燃料噴射ポンプの噴射時期
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧制御弁の上流側にフィルタを備
    えている請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料噴射
    ポンプの噴射時期制御装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタの目開きが前記油圧制御弁
    の弁ニードルの最大リフト量よりも小さく設定されてい
    る請求項4記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
  6. 【請求項6】 前記油圧制御弁の弁ニードルの開弁方向
    と、開弁時に該油圧制御弁を通過する油の流れ方向とが
    反対である請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料噴
    射ポンプの噴射時期制御装置。
  7. 【請求項7】 前記弁ニードルの先端側に前記円錐面が
    形成されている請求項6記載の燃料噴射ポンプの噴射時
    期制御装置。
  8. 【請求項8】 前記油圧制御弁の弁ニードルの開弁方向
    と、開弁時に該油圧制御弁を通過する油の流れ方向とが
    一致している請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料
    噴射ポンプの噴射時期制御装置。
  9. 【請求項9】 前記弁ニードルの後端側に前記円錐面が
    形成されている請求項8記載の燃料噴射ポンプの噴射時
    期制御装置。
  10. 【請求項10】 ハウジングとバルブボデー間にOリン
    グを挿入した請求項1ないし9のいずれかに記載の燃料
    噴射ポンプの噴射時期制御装置。
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