JPH1077931A - 燃料噴射ポンプの取り付け構造 - Google Patents

燃料噴射ポンプの取り付け構造

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JPH1077931A
JPH1077931A JP23214496A JP23214496A JPH1077931A JP H1077931 A JPH1077931 A JP H1077931A JP 23214496 A JP23214496 A JP 23214496A JP 23214496 A JP23214496 A JP 23214496A JP H1077931 A JPH1077931 A JP H1077931A
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JP
Japan
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fuel injection
timer
hydraulic control
control valve
valve
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JP23214496A
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Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Hiroshi Okubo
浩 大久保
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて簡単な手段によって、分配型の燃料噴
射ポンプに付設され、電子式制御装置の指令を受けて燃
料の噴射時期を自由に調整するための油圧制御弁のフラ
ンジとケーシングとの接合が万一破損しても、燃料漏れ
を防止するためのフェイルセーフ構造を提供する。 【解決手段】 燃料噴射ポンプ1のポンプハウジング1
7と、ポンプハウジング17と油圧制御弁27のケーシ
ング39の外周間に配設されたOリング78とを持った
燃料噴射ポンプ1をエンジンのシリンダーブロック77
に取り付けるためのステー76と油圧制御弁27のステ
ータ29の頂部との間隔L1がポンプハウジング17の
端面とOリング78との間隔L2よりも短く構成してい
るので、極めて簡単な構成で、万一、ケーシング39と
フランジ30との接合が破損したときに、油圧制御弁2
7がステー76に接触して、ポンプハウジング17から
完全には外れないようにして燃料が外部に漏れるのを防
ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに使用される燃料噴射ポンプのエンジンへの取り付け
構造に係り、特には、分配型の燃料噴射ポンプに付設さ
れ、電子式制御装置の指令を受けて燃料の噴射時期を自
由に調整するための油圧制御弁のフランジとケーシング
との接合が万一破損しても、燃料漏れを防止するための
フェイルセーフ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭63−110640号公
報に記載されているように、ディーゼルエンジン用の分
配型燃料噴射ポンプにおいては、燃料噴射時期を制御す
るために、燃料を圧送するプランジャを駆動するカムの
タイミングを変化させるタイマピストンを設けている。
そしてタイマピストンの両側の室の間に設けられた油圧
制御弁のような手段によって、それらの室に作用する油
圧を調整することによってタイマピストンを移動させて
燃料の噴射時期を調整することができるようになってい
る。
【0003】油圧制御弁をソレノイドコイルによって電
磁的に開閉作動させるようにしたものが、例えば実開昭
56−173736号公報に記載されている。このよう
な燃料油圧制御弁としての電磁弁におけるソレノイドコ
イルへの通電又は遮断を電子式制御装置を用いて制御す
ることにより、タイマピストンの両側の室の間に作用す
る油圧を変化させてタイマピストンの位置を調整するよ
うにすれば、燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を電子的に
制御することが可能になる。
【0004】その一例として図7に従来から使用されて
いる油圧制御弁80を示す。フランジ82とケーシング
83は、ろう付けによって一体に接合されている。ここ
で、燃料噴射ポンプの圧送のたびにハウジング室81の
圧力は高くなり、ケーシング83は図7において右方向
に力を受ける。そのため、万一、フランジ82とケーシ
ング83のろう付け接合が破壊されても、油圧制御弁8
0がポンプハウジング84からはずれて、燃料が外部に
漏れるという最悪の事態が起きないように、フランジ8
2がケーシング83にろう付け接合されている部分で
は、ケーシング83にケーシング83の外径がポンプハ
ウジング84側で拡径する形の段差85が設けてある。
ただし、そのろう付け接合が破壊された場合バルブボデ
ー86とポンプハウジング84に設けてある流路の位置
関係はずれて、油圧制御弁80の機能は損なわれる。
【0005】ところが、近年の納入先のメーカーからの
コストダウン要求から、生産量が多いガソリンエンジン
において、吸気管に燃料を噴射するために使用される図
8に示す燃料噴射弁100の部品の一部を用いることに
よって、タイマ用の油圧制御弁のコストダウンを図るこ
とが必要になった。燃料噴射弁100の部品の一部を用
いることによって油圧制御弁を構成した一例を図4に示
す。図8に示す燃料噴射弁100のケーシング99にO
リング78を装着するための溝を加工して図4に示す油
圧制御弁27のケーシング39にOリング78を装着し
た場合、万一、フランジ30とケーシング39のろう付
け接合が破壊した時に備えて、油圧制御弁27がポンプ
ハウジング17からはずれるのを防止するための段差を
設けることができない。そのため、新たなフェールセー
フを考え出す必要が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
従来技術の問題点に鑑み、極めて簡単な手段によって、
分配型の燃料噴射ポンプに付設され、電子式制御装置の
指令を受けて燃料の噴射時期を自由に調整するための油
圧制御弁のフランジとケーシングとの接合が万一破損し
ても、燃料漏れを防止するためのフェイルセーフ構造を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために請求項1に示す構成を採用する。請求項1に
よれば、燃料噴射ポンプのポンプハウジングと、ポンプ
ハウジングと油圧制御弁のケーシングの外周間に配設さ
れたOリングとを持った燃料噴射ポンプをエンジンのシ
リンダーブロックに取り付けるためのステーと油圧制御
弁の頂部との間隔L1がポンプハウジングの端面とOリ
ングとの間隔L2よりも短く構成しているので、極めて
簡単な構成で、万一、ケーシングとフランジとの接合が
破損したときに、油圧制御弁がステーに接触して、ポン
プハウジングから完全には外れないようにして燃料が外
部に漏れるのを防ぐことができるという効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は本発明の第1の
実施形態に関するものであり、図1は第1の実施形態に
用いられる分配型燃料噴射ポンプのシステム図、図2は
燃料噴射ポンプ1をエンジンのシリンダブロック77に
ステー76を用いて固定した状態を示す取り付け図、図
3は油圧制御弁27のケーシング39と接合されて一体
になったフランジ30の接合が破損して、油圧制御弁2
7がステー76に当接して、それ以上ポンプハウジング
17から外れるのが防止されている状態を示す作動図、
図4は図2に示す燃料噴射ポンプの一部分を別の角度か
ら見た要部断面図、図5は弁ニードル43の先端部の構
造を示す要部断面図である。
【0009】はじめに燃料噴射ポンプのシステムについ
て説明する。まず、本発明の第1の実施形態として図1
に示された分配型燃料噴射ポンプ1の構造を説明する。
ドライブシャフト2は図示しないエンジンによって、エ
ンジン回転数の2分の1の回転数と同期して回転駆動さ
れる。ドライブシャフト2にはシグナルロータ3が同軸
的に取り付けられており、その外周には凸状の歯が複数
個形成されている。4は回転角センサであってシグナル
ロータ3の外周に対向しており、シグナルロータ3の凸
状歯の電磁誘導によって機関回転数に応じたパルス信号
を発生して、電子式制御装置5へ出力する。ここで電子
式制御装置5はスピル弁18と油圧制御弁27を駆動す
る駆動回路を含んでいる。ドライブシャフト2には燃料
を圧送するプランジャ6を駆動するフェイスカム7と、
燃料のフィードポンプであるベーン式のポンプ8が連結
されている。フェイスカム7はプランジャ6と一体とな
ってスプリング9によってローラリング10に設けられ
たローラ11に押し付けられる。
【0010】従って、フェイスカム7がドライブシャフ
ト2によって回転駆動されることにより、フェイスカム
7の凸部がローラ11に乗り上げて、フェイスカム7自
体とそれに一体化されたプランジャ6が、回転運動を伴
うプランジャ6の軸線方向の往復運動をすることにな
る。プランジャ6はポンプシリンダ12のシリンダボア
12a内に挿入されて、その先端に圧力室13を形成し
ているので、プランジャ6の往復運動の成分によって圧
力室13の容積が拡縮し、それと同時に回転運動の成分
によって圧力室13にはそれに開口する吸入側と吐出側
のポートが切換えられて連通する。フィードポンプ8か
ら吐出される約10気圧に加圧された燃料は燃料室15
に貯溜されているが、その燃料が圧力室13に吸入さ
れ、高圧に加圧されて所定のタイミングに燃料噴射弁1
6へ圧送され、図示しない機関の燃焼室内へ噴射される
ことになる。燃料噴射ポンプ1のディスヘッド50には
圧力室13の圧力を解放するスピル弁18が設けられて
おり、スピル弁18を電子式制御装置5によって開閉す
ることによって、燃料の噴射開始時期や噴射量、噴射率
を制御することができる。
【0011】ローラリング10はドライブシャフト2の
軸線を中心として所定の角度範囲内で回動することが出
来る。その回動によって円筒状の外周面10aとローラ
11の位置が回転方向に移動するので、フェイスカム7
の凸部がローラ11に乗り上げる時期が変化し、それに
よって燃料噴射時期を変化させることができる。ローラ
リング10を回動させるために、スライドピン19がロ
ーラリング10から図1の下方へ伸びており、その下端
がポンプハウジング17内に形成されたタイマシリンダ
20内で図1の紙面に対して垂直方向に往復摺動するこ
とができるように嵌合しているタイマピストン21に係
合している。
【0012】次に、本発明の第1の実施形態のタイマ要
部について示した図4を用いて説明する。図4及び図1
においてタイマピストン21の上側のタイマ高圧室22
はタイマピストン21内に設けられた絞り23、逆止弁
53を介して燃料室15に連通していて、フィードポン
プ8によって加圧された燃料を受け入れている。その油
圧がタイマピストン21を下方へ押すことになるが、そ
れに対抗してタイマピストン21の下側のタイマ低圧室
24内にはタイマスプリング25が装着されている。タ
イマ低圧室24は、フィードポンプ8の吸入ポートに連
通していて、作動中は常に低圧になっている。タイマ高
圧室22に作用している燃料の油圧即ち供給圧は、機関
回転数、従ってドライブシャフト2の回転数に関連して
大小に変化するので、その油圧による付勢力とタイマス
プリング25の付勢力とが釣り合う位置へタイマピスト
ン21が移動し、スライドピン19を介してローラリン
グ10が回動調節されることによって、燃料の噴射時期
が機関回転数に応じて変化することになる。また、プラ
ンジャ6の圧送行程時には、タイマピストン21は、フ
ェイスカム7が受ける圧送反力によって、スライドピン
19を介して図4中上方向に圧送圧力を受けるので、タ
イマ高圧室22は一時的に高圧となる。
【0013】タイマ高圧室22とタイマ低圧室24との
間に電磁弁からなる油圧制御弁27が挿入されており、
油圧制御弁27を電子式制御装置5に電気的に連結して
開閉制御することによって、タイマ高圧室22内の油圧
を部分的にタイマ低圧室24側へ逃がして調整し、タイ
マピストン21の位置とローラリング10の回転方向の
位置を変化させ、それによって燃料の噴射時期を制御し
ている。
【0014】このように、図1に示されたフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のためのタイマ装置
(噴射時期制御装置)28は、タイマシリンダ20とタ
イマピストン21、及びタイマピストン21に連動する
ローラリング10、タイマピストン21の位置を制御す
る油圧制御弁27等からなっている。回転数センサ4
は、ローラリング10の外周面10a上に担持されてお
り、その出力信号が電子式制御装置5に入力されている
が、電子式制御装置5にはその他にも図1に示すように
機関からTDC信号として示す上死点信号や、機関の負
荷の大きさを示すアクセル開度信号、冷却水温を検出す
る水温センサからの出力信号等が入力される。
【0015】次に、油圧制御弁27について、図4を用
いて説明する。図4は、図2に示す燃料噴射ポンプの一
部分を別の角度から見た断面図である。油圧制御弁27
はフランジ30とボルト31によってハウジング17に
固定されている。バルブボデー40の中心には弁ニード
ル43が摺動し得るバルブシリンダ44が形成されてお
り、その側面に環状に開口する流路60と、左端に弁座
37として開口する流路61が形成されている。バルブ
ボデー40とポンプハウジング17は嵌合されており、
流路60は流路32と流路41を介してタイマ高圧室2
2に、また流路61は流路33と流路42を介してタイ
マ低圧室24にそれぞれ連通している。
【0016】次に、図5を用いて弁ニードル43の先端
部の構造について説明する。なお、図5は開弁状態を示
す図であり、図4は閉弁時を示す図である。バルブボデ
ー40の内部には、弁ニードル43を取り囲むように流
路60が形成されていると共に、弁ニードル43の下流
側には流路61が設けられており、流路60と61の間
は弁座37と弁ニードル43により連通または遮断され
る。弁ニードル43は弁径d1 が5.0mm、弁ニード
ル先端の円錐面34の傾斜角θ1 =93°としてあり、
流路側の弁座37の円錐面は、右端径d2 が5.1m
m、傾斜角θ2 が90°としてある。
【0017】弁ニードル43の先端部の構造は以上のよ
うになっているため、閉弁時には円錐面34のシールエ
ッジ35が弁座37の面に密着して流路60、61間が
遮断される。そのため、閉弁時には流路60すなわちタ
イマ高圧室22の圧力によって図中左右方向の力を弁ニ
ードル43は受けることは無く、安定した作動が得られ
る。
【0018】なお、本第1の実施形態では、シールエッ
ジ35の直径が弁ニードル43の直径と等しくしてある
が、弁ニードル43の直径よりも作動不良が起きない程
度に僅かに小さくしてもよい。再び、図4に戻って説明
する。バルブボデー40の中心のバルブシリンダ44内
には、左右方向に移動可能な弁ニードル43が配設され
て摺動自在となっている。弁ニードル43の図中右側に
はアーマチャ52が圧入によって固定されており、アー
マチャ52はステータ29と間隔(エアギャップ)をも
って対向している。また、ステータ29の内部には、ス
プリング室62が設けられ、スプリング57が設けられ
ている。アーマチャ52はスプリング57の弾力により
常時図中左方向に付勢されている。従って、コイル54
に通電を行っていない時は、弁ニードル43の先端が弁
座37に密着して、図4に示すように油圧制御弁27は
閉弁しており、タイマ高圧室22とタイマ低圧室24の
間の連通を遮断している。
【0019】コイル54に通電を行うと、アーマチャ5
2はステータ29に吸引されてスプリング57のバネ力
に抗して図中右方向に動き、アーマチャ52と一体とな
っている弁ニードル43の先端は弁座37から離れて、
油圧制御弁27は開弁状態となり、タイマ高圧室22と
タイマ低圧室24は連通する。ここで、コイル54が破
損した場合は、燃料噴射時期が最も進角した方が、最も
遅角するよりも良いため、前述のように、油圧制御弁2
7はノーマリクローズ(常閉)となるように構成されて
いる。
【0020】次に、図1ないし図5を用いて全体の作動
を説明する。電子式制御装置5によって電磁スピル弁1
8のコイルへの通電が開始されると、電磁スピル弁18
は閉弁する。ドライブシャフト2の回転に伴ってプラン
ジャ6基端のフェイスカム7がローラ11に乗り上げて
プランジャ6が前進作動して燃料を圧縮し、圧力室13
の圧力は高くなり、燃料噴射弁16に燃料が圧送され
て、図示しない気筒内への燃料噴射が開始される。燃料
の圧送中は圧力室13の圧力は高く、その間、プランジ
ャ6からローラ11、ローラリング10、スライドピン
19、タイマピストン21へとトルク反力が働き、タイ
マ高圧室22の圧力も高圧になる。タイマ高圧室22の
圧力が高圧になると、図4に示すように逆止弁53は閉
弁して、タイマ高圧室22から燃料室15に燃料が逆流
するのを防止する。また、タイマ高圧室22の圧力が高
くなると、それと連通している流路41、32、60の
圧力も高くなるが、前述のように弁ニードル43が閉弁
しているときには、弁ニードル43には、流路60の圧
力によって図中左右方向の力を受けない構成になってい
るため、弁ニードル43の安定した動作が得られる。一
方、ポンプハウジング17とバルブボデー40とは嵌合
されておりその隙間は約10μmである。タイマ高圧室
22は圧送のたびに高圧となるが、前記約10μmの隙
間からの高圧燃料の漏れによってポンプハウジング室7
9の圧力はタイマ高圧室22のピーク圧力の約1/3の
高圧となる。そのため、油圧制御弁27は圧送のたびに
図4中右方向に力を受ける。その力は、近年の排気ガス
規制強化に伴う高噴射圧化のため益々大きくなってい
る。
【0021】そのため、フランジ30とケーシング39
は繰り返し荷重を受け、万一フランジ30とケーシング
39との間の接合(ろう付けまたはレーザー溶接)が破
壊された時のためのフェールセーフが必要である。そこ
で、本発明では図2、図4に示すように燃料噴射ポンプ
1をエンジンのシリンダーブロック77に取り付け固定
するためのステー76を利用し、ステー76を油圧制御
弁27の背面付近に設けることによって、万一フランジ
30とケーシング39の接合が破壊された場合において
も、燃料漏れという最悪事態を防いでいる。
【0022】燃料噴射ポンプ1のポンプハウジング17
は、図示しないボルトによって、タイミングギアケース
73に固定され、更に燃料噴射ポンプ1のディスヘッド
50は、エンジンのシリンダブロック77に、ステー7
6、ボルト74、75によって固定されている。油圧制
御弁27の頂部すなわち、ステータ29の頂部とステー
76の間隔L1は、ポンプハウジング17の図4におけ
る右端部からOリング78までの間隔L2より充分短く
なっている。そのため、万一、フランジ30とケーシン
グ39との間の接合が破壊された場合、油圧制御弁27
はハウジング室79の油圧を受けて、ポンプハウジング
17からはずれようとするが、図3に示すように油圧制
御弁27のステータ29の頂部がステー76と接触して
これ以上は油圧制御弁27がポンプハウジング17から
抜けることはない。よって、Oリング78によって、燃
料漏れを防止することができる。
【0023】次に、図6に本発明の第2の実施形態を示
す。油圧制御弁27の弁ニードル43とバルブボデー4
0間に異物がかみ込み作動不良を起こすのを防止するた
めに、流路60より上流側にフィルター63を設けてあ
る。フィルター63はバルブボデー40をとり囲むよう
に配設してあり異物が流路32、流路60に侵入するの
を防ぐ。このようにフィルタ63を配設した場合、ハウ
ジング室64はタイマ高圧室22からタイマ低圧室24
に至る流路の一部であり、流路65を介してタイマ高圧
室22に連通しているため、ハウジング室64の圧力は
タイマ高圧室22の圧力と同じである。そのため、圧送
のたびにハウジング室64の圧力は大きくなるが、図4
に示した第1の実施形態のハウジング室79よりも、第
2の実施形態のハウジング室64の圧力ははるかに大き
く、油圧制御弁27が図中右方向に受ける力も大きい。
そのため、本発明は図6に示すようなフィルター63を
設けた場合はさらに有効である。
【0024】次に、第1の実施形態及び第2の実施形態
のタイマ装置の作用を説明する。電子式制御装置5によ
ってコイル54への通電が行われると、弁ニードル43
は開弁位置へ移動し、油圧制御弁27が開弁する。それ
によってタイマ高圧室22の油(燃料)がタイマ低圧室
24に流れるので、タイマ高圧室22の圧力は低下し、
スプリング25によってタイマピストン21は図中上方
へ移動し、噴射時期は遅角方向に変化する。電子式制御
装置5によってコイル54への通電が停止されると、ス
プリング57の付勢力により弁ニードル43は閉弁位置
へ移動し、油圧制御弁27は閉弁して、タイマ高圧室2
2とタイマ低圧室24との間の連通は遮断される。その
結果、タイマ高圧室22の油圧が燃料室15の圧力まで
上昇して、タイマピストン21は図4、図6において下
行し、噴射時期は進角方向に変化する。
【0025】また、本発明はフェイスカム圧送式分配型
燃料噴射ポンプに適用することができるばかりでなく、
それ自体は周知のインナーカム圧送式の分配型燃料噴射
ポンプにも適用することができる。更に、サーボ式のタ
イマ装置を用いた分配型燃料噴射ポンプにも提供するこ
とができる。
【0026】なお、本発明はタイマ高圧室の圧力を油圧
制御弁で制御するタイマ高圧室制御方式の分配型燃料噴
射ポンプだけでなく、タイマ低圧室の圧力を油圧制御弁
で制御するタイマ低圧室制御方式の分配型燃料噴射ポン
プにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に関するものであり、
第1の実施形態に用いられる分配型燃料噴射ポンプのシ
ステム図を示す。
【図2】本発明の第1の実施形態に関するものであり、
燃料噴射ポンプ1をエンジンのシリンダブロック77に
ステー76を用いて固定した状態を示す取り付け図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態に関するものであり、
油圧制御弁27のケーシング39と接合されて一体にな
ったフランジ30の接合が破損して、油圧制御弁27が
ステー76に当接して、それ以上ポンプハウジング17
から外れるのが防止されている状態を示す作動図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態に関するものであり、
図2に示す燃料噴射ポンプの一部分を別の角度から見た
要部断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に関するものであり、
弁ニードル43の先端部の構造を示す要部断面図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施形態に関するものであり、
図4と同様な位置における要部断面図である。
【図7】従来から使用されている油圧制御弁80の取り
付け構造を示すものであり、図4と同様な位置における
要部断面図である。
【図8】本発明の実施形態の油圧制御弁27に用いられ
るガソリンエンジン用燃料噴射弁100の横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 6 プランジャ 16 燃料噴射弁 17 ポンプハウジング 20 タイマシリンダ 21 タイマピストン 22 タイマ高圧室 24 タイマ低圧室 27 油圧制御弁 29 ステータ 30 フランジ 39 ケーシング 76 ステー 77 シリンダーブロック 78 Oリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を燃料噴射弁へ圧送するためのプラ
    ンジャと、タイマシリンダと、該タイマシリンダの両端
    に形成されたタイマ高圧室及びタイマ低圧室と、前記タ
    イマシリンダ内に摺動自在に挿入されて前記タイマ高圧
    室及び前記タイマ低圧室の差圧に応じて移動して燃料の
    噴射時期を調整するタイマピストンとを持った内燃機関
    用の燃料噴射ポンプに付設され、前記タイマ高圧室及び
    前記タイマ低圧室の少なくとも一方の圧力を変化させる
    油圧制御弁と、該油圧制御弁のケーシングと、該ケーシ
    ングと接合されて一体になったフランジと、前記燃料噴
    射ポンプをシリンダーブロックに固定するためのステー
    と、燃料噴射ポンプのポンプハウジングと、該ポンプハ
    ウジングと前記油圧制御弁の前記ケーシングの外周間に
    配設されたOリングとを持った前記燃料噴射ポンプを前
    記エンジンの前記シリンダーブロックに取り付けるため
    の前記ステーと前記油圧制御弁の頂部との間隔L1が前
    記ポンプハウジングの端面と前記Oリングとの間隔L2
    よりも短く構成したことを特徴とする燃料噴射ポンプの
    取り付け構造。
JP23214496A 1996-09-02 1996-09-02 燃料噴射ポンプの取り付け構造 Pending JPH1077931A (ja)

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