JP3700866B2 - 燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置 - Google Patents

燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用の燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼル機関の分配型燃料噴射ポンプとして、プランジャの往復運動と回転運動とにより燃料の分配および圧送を行うフェイスカム式噴射ポンプと、回転運動を行う分配ロータとこの分配ロータの内部に径方向に往復摺動可能なプランジャとを備えて燃料を分配および圧送するインナカム式噴射ポンプとが知られている。これらのフェイスカム式噴射ポンプとインナカム式噴射ポンプの両方の分配型燃料噴射ポンプにおいては、フェイスカムおよびインナカムの回動角度を油圧タイマ装置により調節することにより、燃料の昇圧タイミングとディーゼル機関の対応する気筒への分配タイミングとを適合させることで、燃料噴射時期を調節している。
【0003】
この分配型噴射ポンプの油圧タイマ装置においては、タイマピストンがハウジングのシリンダボア内をフィード燃料圧とばね力との差により移動することで、タイマピストンに連結されるカム部材の角度位置を変化させ、カム部材のカムプロフィールに応じてカム面を上り下りするプランジャによる燃料の圧送タイミングすなわち燃料噴射時期を制御するようにしている。
【0004】
このような燃料噴射ポンプの噴射時期を変更する従来の油圧タイマ装置においては、タイマピストンあるいはハウジングの摩耗を防ぐため、ハウジング内に鉄製のシリンダライナを圧入することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近の噴射圧力の増加によってタイマピストンに加わる衝撃力は大きくなり、耐摩耗対策からタイマピストンを鉄系の材料とし、タイマピストンが摺動する鉄系材料よりなるシリンダライナをハウジングのシリンダに装着するようになってきた。この場合、アルミニウム製のハウジングと、鉄製のシリンダライナとは線膨張係数の値が倍ほど異なるため、低温時にハウジングが収縮した場合、シリンダライナはハウジングにより外側から締め付けられるため本来の収縮量以上に収縮され、タイマピストンとシリンダライナとの間のクリアランスが小さくなり、極端な場合はタイマピストンが固着状態となり、適正な燃料噴射時期の制御が困難となる欠点があった。このため、タイマ機構のシリンダライナとタイマピストンとの円滑な摺動をいつも確保するため、ハウジングとシリンダライナとが軸方向の両端の圧入部で圧入し、この圧入部間の部位においてシリンダライナとハウジングとの間に第1の空隙を長手方向に延設し、圧入部においてシリンダライナとタイマピストンとの間に半径方向の第2の空隙を位置させるようにした分配型燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置が本出願人により特許出願済である。
【0006】
このような分配型燃料噴射ポンプのハウジングに油圧タイマ装置を組み付けるとき、ハウジングに圧入して固定するシリンダライナの外径は軸方向に均一の同一径で形成されている。このため、ハウジングにシリンダライナを圧入するとき、最初にハウジングに対し圧入されるシリンダライナ前方部分のシール性は良好であるが、後からハウジングに対し圧入されるシリンダライナ後方部分のシール性が損なわれることがあった。
【0007】
また、ハウジングに対しシリンダライナを組み付けた後、このシリンダライナの内壁に対し往復摺動するタイマピストンの移動方向長さ分だけタイマピストンとカム部材との連結部材の移動を許容する穴部分つまり座ぐり部分をシリンダライナに形成する必要があった。
分配型燃料噴射ポンプの従来の油圧タイマ装置に収容するシリンダライナの比較例を図6、図7および図8に示す。
【0008】
図6および図7に示す袋穴型のシリンダライナ91は、一端側に開口端911と他端側に袋状の閉塞端912を有する。このシリンダライナ91は軸方向に外径が均一な有底円筒状である。そして軸方向の中央部に座ぐり加工により形成した上部座ぐり穴913と下部座ぐり穴914がライナの内部と外部とを連通するように形成されている。
【0009】
図8に示すカバー型のシリンダライナ92は、円筒状で、両端が開口端921、922で、軸方向に基本的に均一な外径であり、軸方向中央部の上部に上部座ぐり穴913、下部に下部座ぐり穴914が形成されている。
しかし、この図6、図7及び図8に示す従来のシリンダライナは中空円筒状の一体品で形成されていることから、従来の油圧タイマ装置は次の問題点(1)、(2)、(3) および(4) が生じていた。
【0010】
(1) シリンダライナに形成する座ぐり部の大きさならびに位置が不適正な場合にはタイマピストンとカム部材とを連結する連結部材とシリンダライナとの干渉が発生することがあった。
(2) シリンダライナに上記座ぐり部を形成することはシリンダライナが鉄系の材料で形成されている場合には加工が困難であり、加工性が悪いという問題がある。
【0011】
(3) シリンダライナの座ぐり部を切削加工で形成する場合、座ぐり部の穴部分に切粉が発生し、この切粉が残存すると異物となって燃料中に侵入し、精密摺動部品の機能を損なうという問題がある。
(4) ハウジングにシリンダライナを圧入固定する場合、円筒軸方向に長いシリンダライナをハウジングに圧入する必要があることから、大きな圧入荷重が必要となり、例えば図6に示すように圧入荷重軽減領域Aが発生し、ハウジングの圧入口側の圧入代(圧入方向に対しシリンダライナ後方部分の圧入代)が小さくなり、このハウジングの圧入口部分のシール性が低下するという問題がある。
【0012】
本発明は、上記(1)、(2)、(3) および(4) の問題を解決するため、油圧タイマ装置のシール性を良好にし、組付製造を容易にし、切粉等の異物の発生に基づく噴射ポンプの噴射不良の発生を防止するようにした分配型燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1〜4記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置は、燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置であって、ハウジングにシリンダライナを圧入によって固定し、このシリンダライナの内径部を摺動するタイマピストンによって噴射時期を設定するタイマ装置において、ハウジングに圧入するシリンダライナが第1シリンダライナと第2シリンダライナとから構成され、第1シリンダライナ第2シリンダライナとの間にタイマピストンとカム部材とを連結する連結部材の移動を許容する空間部を形成し、第1シリンダライナ及び第2シリンダライナの一方は有底筒状の袋状に形成され、ハウジングは、一端が開口端として形成され、他端が袋状の閉端として形成され、閉端側に一方のシリンダライナが挿入されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置は、請求項記載において、前記第1シリンダライナの外径と前記第2シリンダライナの外径を異なる外径とし、外径の小さい側のシリンダライナを圧入した後に、外径の大きな側のシリンダライナを圧入固定したことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置は、請求項1又は2記載において、前記第1シリンダライナまたは前記第2シリンダライナは鉄系材料により形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載において、前記ハウジングは、アルミニウム製であることを特徴とする。
【0016】
【作用および発明の効果】
請求項1記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置によると、シリンダライナが分割型で、複数部品で構成され、この複数部品間に形成される空隙部分にタイマピストンの移動量をカム部材に伝達する連結部材の移動を許容する空間を設けたため、耐摩耗材料のシリンダライナに座ぐり穴部分を加工形成することなしに、上記連結部材の移動のための許容空間をタイマ組付時に容易に形成でき、シリンダライナが干渉部材にはならないという効果がある。
【0017】
請求項記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置によると、シリンダライナの外径の小さいシリンダライナを先に圧入し、外径の大きなシリンダライナを後に圧入したため、後の圧入ライナ部材の外周とハウジング内壁との間の圧入代が大となり、この圧力代部分の液密性が良好となり、シール性が向上するという効果が得られ、油圧による噴射時期の適切な制御が行えるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下、インナカム圧送式分配型燃料噴射ポンプに本発明を適用した実施例について図1および図2および図3に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例を図1および図2および図3に基づいて説明する。
【0020】
図3は、インナカム圧送式分配型燃料噴射ポンプの一般的な全体構成を示しており、ドライブシャフト10は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数の2分の1の回転数に同期して回転運動を行う。またドライブシャフト10には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ12が取り付けられ、シグナルロータ14がこのドライブシャフト10と同軸的に固定されている。図3では、ベーン式ポンプ12の部分を実際の組付方向から90度展開した説明の分かり易い展開図として示されている。
【0021】
ドライブシャフト10は、図示しないカップリングを介して分配ロータ16に連結される。分配ロータ16の内部に半径方向に形成された複数個のシリンダには、それぞれプランジャ18が半径方向に摺動可能に挿入されている。そして分配ロータ16がドライブシャフト10によって駆動されて回転するとき、プランジャ18、ローラ受け20、およびローラ22は遠心力を受けてカムリング24の内周カム面に対して押圧されるように、それらの部分が構成される。したがって、ローラ22とカムリング24のカム山との結合状態がドライブシャフト10の回転により変化し、プランジャ18は1回転中に気筒数と等しい回転数だけ、圧力室26に対して往復運動する。
【0022】
回転数センサ30はシグナルロータ14の周面に対向するように取り付けられている。シグナルロータ14には、所定角(例えば、5度)に凸状歯が複数個配置される。分配ロータ16の外周にには1個の分配ポート32とエンジン気筒数と同数の吸入グルーブ34とが形成されている。
シリンダ36には、燃料室40とシリンダボア42とを連通する吸入通路44が形成されており、シリンダ36およびハウジング46には外部の各気筒の噴射弁48をシリンダボア42に吐出弁49を介して導通可能な分配通路50が形成されている。燃料ポンプのハウジング46には、圧力室26の圧力を制御するスピル弁52が設けられており、このスピル弁52により燃料噴射ポンプの噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0023】
次に、タイマ装置54(90度展開図)は、アルミニウム鋳物製のタイマハウジング56内に設置されており、カムリング24と連結部材としてのスライドピン58を介して接続されたアルミニウム製のタイマピストン60、それを受け入れるシリンダライナ62、およびタイマピストン60を図中右方向に押圧付勢する圧縮コイルスプリング64から構成される。カムリング24の外周面24aは円筒状をなし、ハウジング46に対し、ドライブシャフト10を中心に回転方向に摺動し、燃料室40内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室66の燃料圧によりタイマピストン60を位置決めすることによって、カムリング24の回転角度位置を決定し、燃料噴射時期を調節する。
【0024】
またタイマ高圧室66へは高圧用絞り70、逆止弁72を介して燃料が供給される。一方、燃料室40とタイマ低圧室74との連通通路76には油圧制御弁78が設けられ、さらに低圧用絞り80がタイマ低圧室74とベーンポンプ12の吸込側の間の連通路82の途中に設けられている。油圧制御弁78は電子式制御装置84によって開閉制御され、タイマ低圧室74内の油圧を調節し、噴射時期を調節する。
【0025】
図1に示すように、タイマハウジング56の低圧室側のライナ挿入穴の開口端にはスペーサ68を介してスプリングカバー69が取付ボルト73により締め付け固定されている。またスプリングカバー69、スペーサ68、タイマハウジング56の内壁ならびにタイマピストン60の一端面とで区画形成されるタイマ低圧室74は、Oリング95、96により外部と液密にシールされている。
【0026】
そして、タイマハウジング56に収容固定されるシリンダライナ61は、二分割型で、第1シリンダライナ62とこの第1シリンダライナ62から分離された第2シリンダライナ63とからなる。
以下、このタイマハウジング56とシリンダライナ61の形状および構造について詳述する。
【0027】
(1) タイマハウジング56
タイマハウジング56は、ポンプ本体側のハウジングに一体に形成されるタイマ機構部分で一端561が開口端として形成され、他端が袋状に閉穴状の閉端562として形成されている。タイマハウジング56に形成されるシリンダライナ挿入用の穴は段付穴に形成され、この段付穴の内径は、第1シリンダライナ62を挿入する部分の内径が、第2シリンダライナ63を挿入する部分の内径よりも若干大径(例えば約1mm大径)に形成されている(外径差δ)。そして、圧入時、タイマハウジング56の一端561の穴部分側から第2シリンダライナ63を挿入し、図1に示す部分に圧入固定し、次いで一端561の穴部分から第1シリンダライナ62を圧入し固定する。
【0028】
(2) シリンダライナ61
シリンダライナ61は、図2に示すように、二個のライナ部品からなり、第1シリンダ62とこれと分離される第2シリンダライナ63とからなる。第1シリンダライナ62は、両側開口の円筒状で、その外径が第2シリンダライナ63の外径よりもδ=約1mm程度大きい。第2シリンダライナ63は、一端が袋状の有底円筒状であり、その外径が第1シリンダライナ62の外径よりも約1mm程度小さい。第2シリンダライナ63を袋形状としたのは、タイマピストン60がアルミニウム製のハウジング46を侵食するのを防止するのに効果的であるためである。これら第1シリンダライナ62と第2シリンダライナ63は、第2シリンダライナ63、第1シリンダライナ62の順にタイマハウジング56の一端561の開口穴部分から圧入し図1に示す位置に固定される。
【0029】
(3) 空隙
圧入固定時、図1に示すように、第1シリンダライナ62の一端621と第2シリンダライナ63の一端631との間に環状に形成される空隙65は、タイマピストン60とカムリング24とを連結するスライドピン58のピストン軸方向移動を許容する空間を形成する程度の円筒軸方向間隔をもっている。第2シリンダライナ63は、円筒状のライナ部632とこの円筒状ライナ部の一端を閉塞するプレート部633とから構成されており一体に鉄系材料により形成されている。第1シリンダライナ62と第2シリンダライナ63の内壁にタイマピストン60が摺動可能に挿入されたときには、タイマ高圧室66が第2シリンダライナ63の内壁とタイマピストン60の一端面とで区画形成される。
【0030】
この第1実施例によると、二分割のシリンダライナ62と63との間に空隙65が形成されるため、タイマピストン60を駆動するスライドピン58と第1シリンダライナ62および第2シリンダライナ63との干渉がない。したがって、油圧位置制御されるタイマピストン60によりカムリング24の回転角位置を所望の噴射時期設定位置に設定することを妨げない。
【0031】
また、第1シリンダライナ62と第2シリンダライナ63との各位置への圧入固定をすることで空隙65を形成できるから、耐摩耗材料からなる難加工材のシリンダライナに従来のような座ぐり部を形成する切削加工等の難加工作業が不要となる。さらに、切削加工が不要となることから切屑等の異物が発生することがないので、精密摺動部品であるプランジャ部分に異物の噛み込みなどが発生する心配がない。さらにはまた、タイマハウジング56の一端561の開口穴に第1シリンダライナ62および第2シリンダライナ63を挿入するとき、各ライナ部品の軸長が一体型のライナ品に比べ相対的に短いことから圧入荷重が小さくてすむので、圧入固定時のシリンダライナ62、63とタイマハウジング56の内壁面との圧入代が相対的に大きくとれるためシール性が向上する。したがって油圧精密制御が行えることで、噴射時期の適切な調節が行える。
【0032】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図4および図5に示す。
図4および図5に示す第2実施例は、シリンダライナ81を、両端開口の2個の円筒状の第1シリンダライナ82と第2シリンダライナ83とから形成した例である。タイマ機構を構成する部分は、タイマハウジング86とタイマカバー87とから構成され、タイマハウジングおよびタイマカバーで形成されるシリンダライナ挿入穴861部分に第1シリンダライナ82と第2シリンダライナ83が挿入されている。以下、これらの構成要素を詳述する。
【0033】
(1) タイマハウジング86
タイマハウジング86は、ポンプ側のハウジング46と一体に形成され、両端が開口するシリンダライナ挿入用穴861を有している。そして圧縮コイルスプリング64を設ける低圧側と反対側のタイマ高圧室66側を形成する部分にタイマカバー87の円状凸部871を挿入固定できるようにしている。
【0034】
(2) タイマカバー87
タイマカバー87は、タイマハウジング86のシリンダライナ挿入用穴861の一端側開口部に装入可能な円状凸部871と、この開口部を閉塞するように取付けるフランジ部872を有する。このフランジ部872がタイマハウジング86の一端に当接し、外部からボルト89、90が締め付け固定されることにより、Oリング94の内外が液密に保持される。タイマ高圧室66は、タイマピストン60の一端面と第2シリンダライナ83内壁とタイマハウジング86の内周壁とタイマカバー87の凸部端面とで区画形成される。タイマカバー87を取り付ける前、第2シリンダライナ83については、シリンダライナ用挿入穴861の他端側の穴からも圧入固定することができる。
【0035】
(3) シリンダライナ81
シリンダライナ81は、図5に示すように、第1シリンダライナ82とこれとは別体の第2シリンダライナ83とからなる。第1シリンダライナ81と第2シリンダライナ83は、外径が同径の円筒状で、内径も相互に同径である。第1シリンダライナ82と第2シリンダライナ83は、タイマハウジング86に形成されるライナ挿入用穴861の一方の側あるいはぞれぞれ別個の穴から圧入固定することができる。
【0036】
この第2実施例によると、第1シリンダライナ82と第2シリンダライナ83との外径および内径が互いに同径であることから、基本形状を同様にできるのでシリンダライナの製造コストを低減できるという効果がある。
第2実施例においては、第1実施例と同様にタイマスライドピン58の移動時の干渉防止効果があることはもちろん、シリンダライナに座ぐり穴加工を不要とし、座ぐり切削加工が不要となることから切粉等の異物の発生がないし、第1シリンダライナ82および第2シリンダライナ83の軸長が短いことから圧入荷重を低下でき、シリンダライナ82、83の外周とタイマハウジング86との圧入代を十分の大きくとれるから、シール性が向上するという効果もある。
【0037】
本発明のさらに他の実施例としては、図2に示す第1シリンダライナ63のライナ部632に相当するライナ部分とプレート部633に相当するプレート部とを別体とすることもできる。この場合には、プレート部分の形状とライナ部分の形状が袋状でなく単純な形状であるからライナ部に相当する部分の製造コストが低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のタイマ部分を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例のシリンダライナを示す断面図である。
【図3】本発明を適用した第1実施例の分配型燃料噴射ポンプの構成図である。
【図4】本発明の第2実施例のタイマ部分を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例のシリンダライナを示す断面図である。
【図6】従来の袋状型のシリンダライナを示す側面図である。
【図7】図6に示すシリンダライナの断面図である。
【図8】従来のカバー型のシリンダライナを示す断面図である。
【符号の説明】
24 カムリング(カム部材)
46 ハウジング
54 タイマ装置
56 タイマハウジング(ハウジング)
58 スライドピン(連結部材)
60 タイマピストン
61 シリンダライナ
62 第1シリンダライナ(シリンダライナ部材)
63 第2シリンダライナ(シリンダライナ部材)
64 圧縮コイルスプリング
65 空隙(空間部)
66 タイマ高圧室
74 タイマ低圧室
81 シリンダライナ
82 第1シリンダライナ
83 第2シリンダライナ
86 タイマハウジング(ハウジング)
87 タイマカバー
561 一端
562 閉端
861 シリンダライナ挿入穴
871 円状凸部
872 フランジ部

Claims (4)

  1. 燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置であって、ハウジングにシリンダライナを圧入によって固定し、このシリンダライナの内径部を摺動するタイマピストンによって噴射時期を設定するタイマ装置において、
    ハウジングに圧入するシリンダライナが第1シリンダライナと第2シリンダライナとから構成され、前記第1シリンダライナ前記第2シリンダライナとの間にタイマピストンとカム部材とを連結する連結部材の移動を許容する空間部を形成し、
    前記第1シリンダライナ及び前記第2シリンダライナの一方は有底筒状の袋状に形成され、
    前記ハウジングは、一端が開口端として形成され、他端が袋状の閉端として形成され、前記閉端側に前記一方のシリンダライナが挿入されていることを特徴とする燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置。
  2. 前記第1シリンダライナの外径と前記第2シリンダライナの外径を異なる外径とし、外径の小さい側のシリンダライナを圧入した後に、外径の大きな側のシリンダライナを圧入固定したことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置。
  3. 前記第1シリンダライナまたは前記第2シリンダライナは鉄系材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置。
  4. 前記ハウジングは、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプの油圧タイマ装置。
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