JP3647478B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は燃料噴射ポンプ、特にポンプ内に回転センサを有する電子制御分配型ディーゼル燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子制御分配型燃料噴射ポンプの一例を図6に示す。
図6はフェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプで、図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数に同期してドライブシャフト2が回転駆動される。ドライブシャフト2には、シグナルロータ3が同軸的に固着されている。シグナルロータ3の外周には複数の凸状歯が形成され、回転センサ9はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じたNEパルスを制御装置23へ出力する。さらに、ドライブシャフト2には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ24が取り付けられ、図示しないカップリングを介してフェイスカム4に連結される。フェイスカム4はスプリング5によってプランジャ6と一体化されると共にローラリング8に設けられたローラ7に対して押圧される。したがって、フェイスカム4がドライブシャフト2によって回転駆動されることにより、ローラ7とフェイスカム4のカム山との結合状態が変化し、プランジャ6が軸方向に往復動する。それにより、圧力室14において燃料が吸入圧縮され、燃料噴射弁18へ圧送される。
【0003】
燃料噴射ポンプ201のハウジング16には、圧力室14の圧力を制御するスピル弁22が設けられており、このスピル弁22により燃料噴射ポンプ201の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
ローラリング8はその円筒状の外周面8aがハウジング16に対し、ドライブシャフト軸を中心とする回転方向に摺動する形で設けられており、燃料室17内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室30の燃料圧によりタイマピストン28を位置決めすることによって、スライドピン27を介してローラリング8の位置を調整し、ローラ7とフェイスカム4との接触のタイミングを変更して燃料噴射時期を調整する。
【0004】
回転数センサ9は、ローラリング8上に設けられており、したがってタイマ装置25によってローラリング8が位置決めされるとともに移動する。
そのため、ドライブシャフト2とローラリング8は直接接触することなく、駆動される構成となっている。
次に従来の燃料噴射ポンプの他の例として、インナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプを図7に示す。フェイスカム圧送式と同様に、ドライブシャフト52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャフト52には、シグナルロータ54がこのドライブシャフト52と同軸的に固定されている。
【0005】
ドライブシャフト52は図示しないカップリングを介して分配ローター55に連結される。分配ローター55の内部に半径方向に形成された複数個のシリンダにはそれぞれプランジャ56が半径方向に摺動可能に挿入されている。そして、ローラ58とカムリング59のカム山との結合状態がドライブシャフト52の回転により変化し、プランジャ56は圧力室60に対して往復動する。
【0006】
回転数センサ61はシグナルロータ54の外周面に対向するように取り付けられる。シグナルロータ54には、所定角(例えば、5°)毎に凸状歯が複数個配置され、回転センサ61はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じたNEパルスを制御装置80へ出力する。
燃料噴射ポンプ301のハウジング65には、圧力室60の圧力を制御するスピル弁71が設けられており、このスピル弁71により燃料噴射ポンプ301の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0007】
カムリング59はその円筒状の外周面59aがハウジング65に対し、ドライブシャフト軸を中心とする回転方向に摺動する形で設けられており、燃料室66内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室77の燃料圧によりタイマピストン75を位置決めすることによって、カムリング59の位置を決定し、燃料噴射時期を調節する。回転数センサ61は、カムリング59上に設けられており、したがってタイマ装置72によってカムリング59が位置決めされるとともに移動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転数センサ取付方法では、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の位置関係を決定する部品を取付けた状態で存在するガタ(具体的に、フェイスカム圧送ではローラリング8−ハウジング16間,ドライブシャフト2−ハウジング16間のカダを積み上げたもの、インナカム圧送ではカムリング59−ハウジング65間,ドライブシャフト52−ハウジング間のガタを積み上げたもの)のため、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間の間隔が運転中に変化してしまう。そこで回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の接触・破損を防ぐために両者の間隔(エアギャップ)を大きめに設定しなければならない。
【0009】
一方、エンジンの回転数変動を小さくするためにはシグナルロータ3,54の円周上の凸状歯の数を増やす必要がある。ここで回転数は以下のように検出される。シグナルロータ3,54が回転すると凸状歯が回転数センサ9,61に対して接近したり離反するため、電磁誘導によってNEパルス信号が出力される。さて、凸状歯の数を増やした場合の回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間隔の変化を図8を用いて説明する。最も離反するのは回転数センサ9,61がシグナルロータ3,54の凹部の真中にきた時である。ここで磁束は最も回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の接近している部分、ここではl2 で示される部分に流れる。つまり最接近した時に磁束が流れる部分の間隔l1 と最離反した時に磁束が流れる部分の間隔l2 の変化の割合は凸状歯の数が増えるほど小さくなってしまう。そしてNEパルス信号の出力の変化も小さくなり判別が難しくなってしまう。さらにエンジン低回転時には回転速度が遅いため、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間隔の時間当たりの変化率が小さくなってしまうためNEパルス信号の判別はさらに困難になる。出力の増大のためには図9に示すようにエアギャップ(l1 )を小さく設定すれば、接近時と離反時の間隔の変化の割合を大きくできるが、前述のガタにより回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54が接触することによって起こる破損を防ぐためにエアギャップを大きくせざるを得ず、明確なNEパルスの得られるエアギャップに設定することができないという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、低回転時においても適切な回転信号を検出することができる燃料噴射ポンプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を解決するため、ハウジングに対して回転可能に設けられるドライブシャフトと、前記ハウジングに、外周面が前記ドライブシャフトを中心とする回転方向に摺動するように設けられるカム部材と、前記カム部材の回動方向の位置決めをすることにより燃料噴射時期制御を調整するタイマ装置とを有し、前記ドライブシャフトの回転により前記カム部材を介してプランジャを往復運動させて吸入された燃料を高圧に加圧して内燃機関の燃料噴射弁へ間欠的に圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記ドライブシャフトに設けられ、前記ドライブシャフトとともに回転するシグナルロータと、前記シグナルロータの外周に、該シグナルロータと所定のエアギャップを介して対向して配置され、前記機関の機関回転数に応じたパルスを出力する回転数センサと、前記回転数センサが装着され、前記ドライブシャフトに接触して該ドライブシャフトに摺動自在に設けられる取付け部材と、前記カム部材の回動とともに前記取付け部材を回動させる連結手段とを備えるという技術的手段を採用するものである。なお、前記連結手段は、前記カム部材と前記取付け部材との間に設けられる切り欠き部とこの切り欠き部とかみあう突出し部、あるいはピンとこのピンに拘止する拘止部材とによって構成され、前記取付け部材の前記回転方向位置を位置決めするように構成してもよい。さらに前記取付け部材を弾性部材により前記シグナルロータに押圧し、かつ前記センサ取付け部材と前記シグナルロータの接触面を摺動自在としてもよい。
【0012】
【作用】
回転数センサはドライブシャフトと直接接触して摺動自在に設けられる取付け部材に取付けられる。また、カム部材は、ハウジングに対して、その外周面がドライブシャフトを中心とする回転方向に摺動するように設けられる。そのためカム部材あるいはドライブシャフトがハウジング間とのガタにより動いても、シグナルロータと回転数センサとの位置関係(エアギャップ)は一定に保たれる。なお、前記した取付け部材は、カム部材との相対位置を変えずにドライブシャフトの軸芯を中心にカム部材とともに回動することができるように、連結手段によりカム部材に連結されており、カム部材がタイマ装置により周方向に回転される際のカム部材の回転軸芯のずれが発生することがあっても、カム部材から取付け部材への前記した回転軸芯のずれを伝達することなく、取付け部材のドライブシャフトの軸芯に対する中心位置を安定させる。
また、取付け部材は前記した連結手段としての切り欠き部とこの切り欠き部とかみあう突出し部、あるいはピンとこのピンに拘止する拘止部材によってカム部材と一体となって回転するため、回転数センサはタイマ装置によって回転方向の位置決めがなされる。またさらに、取付け部材が弾性部材によりシグナルロータに押圧されるため軸方向のガタも取り除かれ、シグナルロータと回転数センサの軸方向の位置関係も一定に保たれる。
【0013】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1を用いて説明する。
図1において本実施例の燃料噴射ポンプ1はフェイスカム圧送分配型のもので、前述の図6における従来の圧送型燃料噴射ポンプと同じ構成については同符号を付す。
【0014】
ドライブシャフト2は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数の2分の1の回転数に同期して回転運動を行なう。ドライブシャフト2には、シグナルロータ3がこのドライブシャフト2と同軸的に固定されている。さらに、ドライブシャフト2には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ24が取り付けられ、図示しないカップリングを介してフェイスカム4に連結される。フェイスカム4はスプリング5によってプランジャ6と一体化されると共にローラ7に対して押圧される。したがって、フェイスカム4がドライブシャフト2によって回転駆動されることにより、ローラ7とフェイスカム4のカム山との結合状態が変化し、プランジャ6は1回転中に気筒数と等しい回数だけ軸方向に往復動する。
【0015】
回転センサ9は、シグナルロータ3の外周面に対向するように取付けられる。シグナルロータ3には、所定角(例えば5°)毎に凸状歯が複数個配置されると共に、これらの凸状歯が気筒数と同数だけ等間隔に切欠かれて欠歯部(例えば3歯分)が形成される。
したがって、シグナルロータ3が回転すると凸状歯が回転数センサ9に対して接近したり離間したりするため、電磁誘導によって回転数センサ9から機関回転数に対応するNEパルス信号が出力される。このNEパルス信号の幅広き谷部(シグナルロータの欠歯部に相当する)は基準位置信号として作用し、その他の部分は回転角信号として作用する。
【0016】
プランジャ6の外周には1個の分配ポート10とエンジン気筒数と同数の吸入グルーブ11とが形成され、このプランジャ6の先端面とシリンダボア12及び閉塞栓13との間には圧力室14が形成される。
シリンダ15及びケーシング16には、燃料室17とシリンダボア12とを連通する吸入通路38と、外部の角気筒の噴射弁18をシリンダボア12に導通可能な分配通路19とが形成されている。この分配通路19はエンジンの気筒数と同数設けられるとともに、その途中にはそれぞれデリバリ弁20が設けられている。デリバリ弁20は、ばね21に抗して開放可能であり、逆止弁としての機能及び吸戻し弁としての機能を有する。
【0017】
従って、プランジャ6が図中左行して圧力室14が膨張する時、すなわち燃料噴射ポンプ1の吸入行程においては、いずれかの吸入グルーブ11が吸入通路38に導通して燃料室17内の燃料が圧力室14内に吸入され、これとは逆に、プランジャ6が図中右行して圧力室14が圧縮される時、すなわち圧縮工程においては、分配ポート10がいずれかの分配通路19に導通して圧力室14内の加圧燃料が燃料噴射弁18へ圧送される。
【0018】
なお、プランジャ6が右行し始める時期は、噴射弁18に噴射開始が要求される時期よりも十分に早く、またプランジャ5の右行を停止する時期は、噴射弁18に噴射停止が要求される時期よりも十分に遅くなるように設定されている。
燃料噴射ポンプ1のハウジング16には、圧力室14の圧力を制御するスピル弁22が設けられており、このスピル弁22により燃料噴射ポンプ1の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0019】
電子式制御装置23は周知のように、CPU,RAM,ROM,AD変換器、入力ポート、出力ポートなどから構成される。電子式制御装置23のROMには制御のルーチンのプログラムが格納されており、回転数センサ9からのNEパルス信号、水温、アクセル開度、図示しないエンジンに取付けれたTDCセンサからのTDC信号などに応じて、スピル弁22及び油圧制御弁33制御する。
【0020】
タイマ装置25は、タイマハウジング26、タイマハウジング26内に形成されたシリンダ26′に摺動可能に嵌挿され、ローラリング98とスライドピン27を介して接続されたタイマピストン28、及びタイマピストン28を図中右方向に押圧付勢するスプリング29から構成される。ローラリング98の円筒状の外周面98aはハウジング36にドライブシャフト2の軸を中心として回転方向に摺動可能に設けられており、燃料室17内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室30の燃料圧によりタイマピストン28を位置決めすることによって、スライドピン27を介してローラリング8の位置を決定し、燃料噴射時期を調整する。またタイマ高圧室30の燃料圧は、タイマ高圧室30とタイマ低圧室31との連通通路32に設けられて電子式制御装置23により開閉制御される油圧制御弁33によって調圧される。
【0021】
更に、本実施例においては、回転数センサ9をシグナルロータ3とローラリング98の間に位置するセンサ取付リング39に取付けている。センサ取付リング39は、その軸中心付近にドライブシャフト2が嵌挿され摺動自在に組付られる。またセンサ取付リング39はシグナルロータ3とローラリング98にはさまれているが、シグナルロータ3との接触部は摺動自在に仕上げられている。一方ローラリング98との間はセンサ取付リング39の切り欠き部39aとローラリング98の突き出し部98bがかみ合うように組付られている。
【0022】
次に、第1実施例の作用を説明する。ローラリング98がハウジング16との間のガタにより、ローラリング98がドライブシャフト2のラジアル方向に移動しても回転数センサ9が取付られているセンサ取付リング39はドライブシャフト2と摺動しているため、回転数センサ9とシグナクロータ3のラジアル方向の相対的な位置は変わらない。つまり回転数センサ9とシグナルロータ3の間隔は一定に保たれる。
【0023】
ところで、回転数センサ9は、噴射時期制御のためにタイマ装置25によって回転位置を決定されるローラリング98と一体になって円周方向に動く必要がある。本実施例ではローラリング98の突出し部98bとセンサ取付リング39の切欠き部39aがかみ合い、かつセンサ取付リング39とシグナルロータ98の接触面は摺動自在に組付られるため、センサ取付リング39はローラリング98ととにタイマ装置によって回転位置を決められる。
【0024】
第1実施例により、回転数センサ9とシグナルロータ3の間隔(エアギャップ)は一定に保たれる。そのためエアギャップの設定には前記のガタを考慮する必要が無くなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能となる。
次に本発明の第2実施例を図2を用いて説明する。
図2は本発明をインナーカム圧送式の分配型噴射ポンプ51に適用したものである。前述の図7における従来の圧送型燃料噴射ポンプと同じ構成については同符号を付す。
【0025】
第1実施例の場合と同様に、ドライブシャフト52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数の2分の1の回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャフト52には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ53が取り付けられ、シグナルロータ54がこのドライブシャフト52と同軸的に固定されている。
【0026】
インナーカム圧送式分配型燃料噴射ポンプの構造として、ドライブシャフト52は図示しないカップリングを介して分配ローター55に連結される。分配ローター55の内部に半径方向に形成された複数個のシリンダにはそれぞれプランジャ56が半径方向に摺動可能に挿入されている。そして、分配ローター55がドライブシャフト52によって駆動されて回転するとき、プランジャ56、ローラ受け57、及びローラ58は遠心力を受けてカムリング99に対して押圧されるように、それらの部分が構成される。したがって、ローラ58とカムリング99のカム山との結合状態がドライブシャフト52の回転により変化し、プランジャ56は1回転中に気筒数と等しい回数だけ、圧力室60に対して往復動する。
【0027】
回転数センサ61はシグナルロータ54の周面に対向するように取り付けられる。シグナルロータ54には、所定角(例えば、5°)毎に凸状歯が複数個配置されると共に、これらの凸状歯が気筒数と同数だけ等間隔に切欠かれて欠歯部(例えば3歯分)が形成される。分配ローター55の外周には1個の分配ポート62とエンジン気筒数と同数の吸入グループ63とが形成されている。
【0028】
シリンダ64には、燃料室66とシリンダボア67とを連通する吸入通路68が、シリンダ64及びケーシング65には外部の各気筒の噴射弁69をシリンダボア67に導通可能な分配通路70が形成されている。燃料噴射ポンプ51のハウジング65には、圧力室60の圧力を制御するスピル弁71が設けられており、このスピル弁71により燃料噴射ポンプ51の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0029】
次に、タイマ装置72は、タイマハウジング73内に設置されており、カムリング99とスライドピン74を介して接続されたタイマピストン75、それを受け入れるシリンダ73′、及びタイマピストン75を図中右方向に押圧付勢するスプリング76から構成される。カムリング99の外周面99aは円筒状を有し、ハウジング65に対し、ドライブシャフト52を中心に、回転方向に摺動し、燃料室66内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室77の燃料圧によりタイマピストン75を位置決めすることによって、カムリング99の位置を決定し、燃料噴射時期を調節する。また、タイマ高圧室77の燃料圧は、タイマ高圧室77とタイマ低圧室78との連通通路79に設けられ、電子式制御装置80により開閉制御される油圧制御弁84によって調圧される。 第1実施例と同様に第2実施例においても回転数センサ61はセンサ取付リング85に取付けられる。センサ取付リング85はその軸中心付近にドライブシャフト52が嵌挿され、摺動自在に組付られる。取付リング85はシグナルロータ54とカムリング99にはさまれているが、シグナルロータ54との接触部を摺動自在に仕上げられている。一方カムリング99との間はセンサ取付リング85の切欠き部85aとカムリング99の突出し部99bがかみ合うように組付られている。
【0030】
次に、作用を説明する。カムリング99がハウジング16との間のガタにより、カムリング99がドライブシャフト52のラジアル方向に移動しても回転数センサ61が取付られているセンサ取付リング85はドライブシャフト52と摺動しているため、回転数センサ61とシグナルロータ54のラジアル方向の相対的な位置は変わらない。つまり回転数センサ61とシグナルロータ3の間隔は一定に保たれる。
【0031】
またカムリング99の突出し部99bとセンサ取付リング85の切欠き部85aがかみ合い、かつセンサ取付リング85とシグナルロータ54の接触面は摺動自在に組付られるため、センサ取付リング85はカムリング99とともにタイマ装置によって回転位置を決められる。
以上の構成によりエアギャップの設定には前記のガタを考慮する必要が無くなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能となる。
【0032】
第1実施例、第2実施例では回転数センサとシグナルロータが作る磁気回路が開磁路であるタイプを示した(図3)。この開磁路タイプの回転数センサは磁気効率が低く、出力が小さいという短所がある。そこで図4に示すような回転数センサとシグナルロータが作る磁気回路が閉磁路となるような回転数センサが考えられている。しかしこの閉磁路型の回転数センサを従来の取付方法によってインナカム圧送式燃料噴射ポンプを使用するとシグナルロータが取付られているドライブシャフトやカムリングのスラスト方向のガタにより回転数センサとシグナルロータが接触し、回転数センサが破損してしまう。これを避けるために回転数センサとシグナルロータの間隔を大きくすると回転数センサの出力は小さくなり、閉磁路型の回転数センサを使用するメリットが失われてしまう。
【0033】
そこでこの問題を解決する第3実施例を図5に示す。尚、図5はインナーカム圧送式分配型噴射ポンプの例であり、図2における第2実施例の噴射ポンプの構成と同一のものについては同一の符号を付す。またこの構成はフェイスカム圧送式分配型噴射ポンプにも適用できる。
回転数センサ61は前述の各例と同様にセンサ取付リング87に取付られる。センサ取付リング87の軸中心付近はドライブシャフト52に嵌挿され、摺動自在である。センサ取付リング87はスプリング88によってシグナルロータ54に押し付けられている。またセンサ取付リング87は、その切欠き部がカムリング99の突出し部とかみ合うように組付られている。そしてセンサ取付リング87とシグナルロータ54の接触面は摺動自在に仕上げられている。
【0034】
そのため、カムリング99とハウジング65との間のガタによりカムリング99がスラスト方向に動いたり、ドライブシャフト52とハウジング65のガタによりシグナルロータ54がスラスト方向に動いても回転数センサ61が取付られているセンサ取付リング87はスプリング88によってシグナルロータ54に押付けられるためシグナルロータ54とセンサ取付リング87の相対的な位置関係は変化しない。つまり回転数センサ61とシグナルロータ54の間隔は一定に保たれる。またセンサ取付リング87の回転方向の位置は、第1実施例,第2実施例と同様に、切欠き部がかみ合っているためタイマ装置72によって決定される。
【0035】
第3実施例により、閉磁路型回転数センサ61とシグナルロータ54の間隔は自動調整される。そのためエアギャップの設定にはガタを考慮する必要がなくなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能になる。
第2〜3実施例では、シグナルロータ54がドライシャフト52に取付けられている場合について説明してきたが、シグナルロータ54が分配ロータ55に取付られている場合にも第2,第3実施例を適用することができる。その場合にはセンサ取付リング85、87をドライブシャフト52ではなく分配ロータ55と摺動自在に組付けることでエアギャップ自動調整機構を成立させることができる。
【0036】
第1〜3実施例ではローラリング98又はカムリング99の突出し部とセンサ取付リング39、85、87の切欠き部がかみ合う構造となっているが、ローラリング98(又はカムリング99)によってセンサ取付リング39,85、87が軸方向のみ一体に動くように組付られていればどのような構成でも良い。例えばピンとこのピンに拘止する拘止部材(ともに図示しない)とによって構成され、前記取り付け部材の前記回転方向位置を位置決めすることにより回転方向に拘束されるようにする。
【0037】
また、上記実施例においては、回転センサを取り付ける部材としてローラリング、カムリングとは別の部材を設けているが、シグナルロータと回転センサとの位置関係が一定に保たれればよいので、例えばローラリングをドライブシャフトに嵌挿させ、摺動自在に設けることにより、ガタを取り除くようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、回転数センサとシグナルロータの間隔(=エアギャップ)を一定に保つことができ、ガタ分を考慮しないエアギャップの設定が可能になる。そのため低回転時にも判別可能なNEパルスを得ることができ、燃料噴射ポンプの適正な噴射制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図3】開磁路型回転数センサの磁気回路を示す拡大図である。
【図4】閉磁路型回転数センサの磁気回路を示す拡大図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図6】従来技術を例示する断面図である。
【図7】従来技術を例示する断面図である。
【図8】回転数センサとローラリングの凸状歯の配置関係を示した拡大図である。
【図9】回転数センサとローラリングの凸状歯の配置関係を示した拡大図である。
【符号の説明】
1,101 燃料噴射ポンプ
2,52 ドライブシャフト
3,54 シグナルロータ
4 フェイスカム
6,56 プランジャ
98 ローラリング(カム部材)
9,61 回転数センサ
14,60 圧力室
17,66 燃料室
18,69 各気筒の燃料噴射弁
22,71 スピル弁
23,80 電子制御装置
24,53 ベーン式ポンプ(燃料フィードポンプ)
25,72 タイマ装置
39,85,87 センサ取付けリング(センサ取付け部材)
39a,85a 切り欠き部(連結手段)
55 分配ロータ
98b,99b 突き出し部(連結手段)
99 カムリング(カム部材)
88 スプリング
【産業上の利用分野】
本発明は燃料噴射ポンプ、特にポンプ内に回転センサを有する電子制御分配型ディーゼル燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子制御分配型燃料噴射ポンプの一例を図6に示す。
図6はフェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプで、図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数に同期してドライブシャフト2が回転駆動される。ドライブシャフト2には、シグナルロータ3が同軸的に固着されている。シグナルロータ3の外周には複数の凸状歯が形成され、回転センサ9はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じたNEパルスを制御装置23へ出力する。さらに、ドライブシャフト2には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ24が取り付けられ、図示しないカップリングを介してフェイスカム4に連結される。フェイスカム4はスプリング5によってプランジャ6と一体化されると共にローラリング8に設けられたローラ7に対して押圧される。したがって、フェイスカム4がドライブシャフト2によって回転駆動されることにより、ローラ7とフェイスカム4のカム山との結合状態が変化し、プランジャ6が軸方向に往復動する。それにより、圧力室14において燃料が吸入圧縮され、燃料噴射弁18へ圧送される。
【0003】
燃料噴射ポンプ201のハウジング16には、圧力室14の圧力を制御するスピル弁22が設けられており、このスピル弁22により燃料噴射ポンプ201の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
ローラリング8はその円筒状の外周面8aがハウジング16に対し、ドライブシャフト軸を中心とする回転方向に摺動する形で設けられており、燃料室17内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室30の燃料圧によりタイマピストン28を位置決めすることによって、スライドピン27を介してローラリング8の位置を調整し、ローラ7とフェイスカム4との接触のタイミングを変更して燃料噴射時期を調整する。
【0004】
回転数センサ9は、ローラリング8上に設けられており、したがってタイマ装置25によってローラリング8が位置決めされるとともに移動する。
そのため、ドライブシャフト2とローラリング8は直接接触することなく、駆動される構成となっている。
次に従来の燃料噴射ポンプの他の例として、インナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプを図7に示す。フェイスカム圧送式と同様に、ドライブシャフト52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャフト52には、シグナルロータ54がこのドライブシャフト52と同軸的に固定されている。
【0005】
ドライブシャフト52は図示しないカップリングを介して分配ローター55に連結される。分配ローター55の内部に半径方向に形成された複数個のシリンダにはそれぞれプランジャ56が半径方向に摺動可能に挿入されている。そして、ローラ58とカムリング59のカム山との結合状態がドライブシャフト52の回転により変化し、プランジャ56は圧力室60に対して往復動する。
【0006】
回転数センサ61はシグナルロータ54の外周面に対向するように取り付けられる。シグナルロータ54には、所定角(例えば、5°)毎に凸状歯が複数個配置され、回転センサ61はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じたNEパルスを制御装置80へ出力する。
燃料噴射ポンプ301のハウジング65には、圧力室60の圧力を制御するスピル弁71が設けられており、このスピル弁71により燃料噴射ポンプ301の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0007】
カムリング59はその円筒状の外周面59aがハウジング65に対し、ドライブシャフト軸を中心とする回転方向に摺動する形で設けられており、燃料室66内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室77の燃料圧によりタイマピストン75を位置決めすることによって、カムリング59の位置を決定し、燃料噴射時期を調節する。回転数センサ61は、カムリング59上に設けられており、したがってタイマ装置72によってカムリング59が位置決めされるとともに移動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転数センサ取付方法では、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の位置関係を決定する部品を取付けた状態で存在するガタ(具体的に、フェイスカム圧送ではローラリング8−ハウジング16間,ドライブシャフト2−ハウジング16間のカダを積み上げたもの、インナカム圧送ではカムリング59−ハウジング65間,ドライブシャフト52−ハウジング間のガタを積み上げたもの)のため、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間の間隔が運転中に変化してしまう。そこで回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の接触・破損を防ぐために両者の間隔(エアギャップ)を大きめに設定しなければならない。
【0009】
一方、エンジンの回転数変動を小さくするためにはシグナルロータ3,54の円周上の凸状歯の数を増やす必要がある。ここで回転数は以下のように検出される。シグナルロータ3,54が回転すると凸状歯が回転数センサ9,61に対して接近したり離反するため、電磁誘導によってNEパルス信号が出力される。さて、凸状歯の数を増やした場合の回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間隔の変化を図8を用いて説明する。最も離反するのは回転数センサ9,61がシグナルロータ3,54の凹部の真中にきた時である。ここで磁束は最も回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の接近している部分、ここではl2 で示される部分に流れる。つまり最接近した時に磁束が流れる部分の間隔l1 と最離反した時に磁束が流れる部分の間隔l2 の変化の割合は凸状歯の数が増えるほど小さくなってしまう。そしてNEパルス信号の出力の変化も小さくなり判別が難しくなってしまう。さらにエンジン低回転時には回転速度が遅いため、回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54の間隔の時間当たりの変化率が小さくなってしまうためNEパルス信号の判別はさらに困難になる。出力の増大のためには図9に示すようにエアギャップ(l1 )を小さく設定すれば、接近時と離反時の間隔の変化の割合を大きくできるが、前述のガタにより回転数センサ9,61とシグナルロータ3,54が接触することによって起こる破損を防ぐためにエアギャップを大きくせざるを得ず、明確なNEパルスの得られるエアギャップに設定することができないという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、低回転時においても適切な回転信号を検出することができる燃料噴射ポンプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を解決するため、ハウジングに対して回転可能に設けられるドライブシャフトと、前記ハウジングに、外周面が前記ドライブシャフトを中心とする回転方向に摺動するように設けられるカム部材と、前記カム部材の回動方向の位置決めをすることにより燃料噴射時期制御を調整するタイマ装置とを有し、前記ドライブシャフトの回転により前記カム部材を介してプランジャを往復運動させて吸入された燃料を高圧に加圧して内燃機関の燃料噴射弁へ間欠的に圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記ドライブシャフトに設けられ、前記ドライブシャフトとともに回転するシグナルロータと、前記シグナルロータの外周に、該シグナルロータと所定のエアギャップを介して対向して配置され、前記機関の機関回転数に応じたパルスを出力する回転数センサと、前記回転数センサが装着され、前記ドライブシャフトに接触して該ドライブシャフトに摺動自在に設けられる取付け部材と、前記カム部材の回動とともに前記取付け部材を回動させる連結手段とを備えるという技術的手段を採用するものである。なお、前記連結手段は、前記カム部材と前記取付け部材との間に設けられる切り欠き部とこの切り欠き部とかみあう突出し部、あるいはピンとこのピンに拘止する拘止部材とによって構成され、前記取付け部材の前記回転方向位置を位置決めするように構成してもよい。さらに前記取付け部材を弾性部材により前記シグナルロータに押圧し、かつ前記センサ取付け部材と前記シグナルロータの接触面を摺動自在としてもよい。
【0012】
【作用】
回転数センサはドライブシャフトと直接接触して摺動自在に設けられる取付け部材に取付けられる。また、カム部材は、ハウジングに対して、その外周面がドライブシャフトを中心とする回転方向に摺動するように設けられる。そのためカム部材あるいはドライブシャフトがハウジング間とのガタにより動いても、シグナルロータと回転数センサとの位置関係(エアギャップ)は一定に保たれる。なお、前記した取付け部材は、カム部材との相対位置を変えずにドライブシャフトの軸芯を中心にカム部材とともに回動することができるように、連結手段によりカム部材に連結されており、カム部材がタイマ装置により周方向に回転される際のカム部材の回転軸芯のずれが発生することがあっても、カム部材から取付け部材への前記した回転軸芯のずれを伝達することなく、取付け部材のドライブシャフトの軸芯に対する中心位置を安定させる。
また、取付け部材は前記した連結手段としての切り欠き部とこの切り欠き部とかみあう突出し部、あるいはピンとこのピンに拘止する拘止部材によってカム部材と一体となって回転するため、回転数センサはタイマ装置によって回転方向の位置決めがなされる。またさらに、取付け部材が弾性部材によりシグナルロータに押圧されるため軸方向のガタも取り除かれ、シグナルロータと回転数センサの軸方向の位置関係も一定に保たれる。
【0013】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1を用いて説明する。
図1において本実施例の燃料噴射ポンプ1はフェイスカム圧送分配型のもので、前述の図6における従来の圧送型燃料噴射ポンプと同じ構成については同符号を付す。
【0014】
ドライブシャフト2は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数の2分の1の回転数に同期して回転運動を行なう。ドライブシャフト2には、シグナルロータ3がこのドライブシャフト2と同軸的に固定されている。さらに、ドライブシャフト2には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ24が取り付けられ、図示しないカップリングを介してフェイスカム4に連結される。フェイスカム4はスプリング5によってプランジャ6と一体化されると共にローラ7に対して押圧される。したがって、フェイスカム4がドライブシャフト2によって回転駆動されることにより、ローラ7とフェイスカム4のカム山との結合状態が変化し、プランジャ6は1回転中に気筒数と等しい回数だけ軸方向に往復動する。
【0015】
回転センサ9は、シグナルロータ3の外周面に対向するように取付けられる。シグナルロータ3には、所定角(例えば5°)毎に凸状歯が複数個配置されると共に、これらの凸状歯が気筒数と同数だけ等間隔に切欠かれて欠歯部(例えば3歯分)が形成される。
したがって、シグナルロータ3が回転すると凸状歯が回転数センサ9に対して接近したり離間したりするため、電磁誘導によって回転数センサ9から機関回転数に対応するNEパルス信号が出力される。このNEパルス信号の幅広き谷部(シグナルロータの欠歯部に相当する)は基準位置信号として作用し、その他の部分は回転角信号として作用する。
【0016】
プランジャ6の外周には1個の分配ポート10とエンジン気筒数と同数の吸入グルーブ11とが形成され、このプランジャ6の先端面とシリンダボア12及び閉塞栓13との間には圧力室14が形成される。
シリンダ15及びケーシング16には、燃料室17とシリンダボア12とを連通する吸入通路38と、外部の角気筒の噴射弁18をシリンダボア12に導通可能な分配通路19とが形成されている。この分配通路19はエンジンの気筒数と同数設けられるとともに、その途中にはそれぞれデリバリ弁20が設けられている。デリバリ弁20は、ばね21に抗して開放可能であり、逆止弁としての機能及び吸戻し弁としての機能を有する。
【0017】
従って、プランジャ6が図中左行して圧力室14が膨張する時、すなわち燃料噴射ポンプ1の吸入行程においては、いずれかの吸入グルーブ11が吸入通路38に導通して燃料室17内の燃料が圧力室14内に吸入され、これとは逆に、プランジャ6が図中右行して圧力室14が圧縮される時、すなわち圧縮工程においては、分配ポート10がいずれかの分配通路19に導通して圧力室14内の加圧燃料が燃料噴射弁18へ圧送される。
【0018】
なお、プランジャ6が右行し始める時期は、噴射弁18に噴射開始が要求される時期よりも十分に早く、またプランジャ5の右行を停止する時期は、噴射弁18に噴射停止が要求される時期よりも十分に遅くなるように設定されている。
燃料噴射ポンプ1のハウジング16には、圧力室14の圧力を制御するスピル弁22が設けられており、このスピル弁22により燃料噴射ポンプ1の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0019】
電子式制御装置23は周知のように、CPU,RAM,ROM,AD変換器、入力ポート、出力ポートなどから構成される。電子式制御装置23のROMには制御のルーチンのプログラムが格納されており、回転数センサ9からのNEパルス信号、水温、アクセル開度、図示しないエンジンに取付けれたTDCセンサからのTDC信号などに応じて、スピル弁22及び油圧制御弁33制御する。
【0020】
タイマ装置25は、タイマハウジング26、タイマハウジング26内に形成されたシリンダ26′に摺動可能に嵌挿され、ローラリング98とスライドピン27を介して接続されたタイマピストン28、及びタイマピストン28を図中右方向に押圧付勢するスプリング29から構成される。ローラリング98の円筒状の外周面98aはハウジング36にドライブシャフト2の軸を中心として回転方向に摺動可能に設けられており、燃料室17内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室30の燃料圧によりタイマピストン28を位置決めすることによって、スライドピン27を介してローラリング8の位置を決定し、燃料噴射時期を調整する。またタイマ高圧室30の燃料圧は、タイマ高圧室30とタイマ低圧室31との連通通路32に設けられて電子式制御装置23により開閉制御される油圧制御弁33によって調圧される。
【0021】
更に、本実施例においては、回転数センサ9をシグナルロータ3とローラリング98の間に位置するセンサ取付リング39に取付けている。センサ取付リング39は、その軸中心付近にドライブシャフト2が嵌挿され摺動自在に組付られる。またセンサ取付リング39はシグナルロータ3とローラリング98にはさまれているが、シグナルロータ3との接触部は摺動自在に仕上げられている。一方ローラリング98との間はセンサ取付リング39の切り欠き部39aとローラリング98の突き出し部98bがかみ合うように組付られている。
【0022】
次に、第1実施例の作用を説明する。ローラリング98がハウジング16との間のガタにより、ローラリング98がドライブシャフト2のラジアル方向に移動しても回転数センサ9が取付られているセンサ取付リング39はドライブシャフト2と摺動しているため、回転数センサ9とシグナクロータ3のラジアル方向の相対的な位置は変わらない。つまり回転数センサ9とシグナルロータ3の間隔は一定に保たれる。
【0023】
ところで、回転数センサ9は、噴射時期制御のためにタイマ装置25によって回転位置を決定されるローラリング98と一体になって円周方向に動く必要がある。本実施例ではローラリング98の突出し部98bとセンサ取付リング39の切欠き部39aがかみ合い、かつセンサ取付リング39とシグナルロータ98の接触面は摺動自在に組付られるため、センサ取付リング39はローラリング98ととにタイマ装置によって回転位置を決められる。
【0024】
第1実施例により、回転数センサ9とシグナルロータ3の間隔(エアギャップ)は一定に保たれる。そのためエアギャップの設定には前記のガタを考慮する必要が無くなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能となる。
次に本発明の第2実施例を図2を用いて説明する。
図2は本発明をインナーカム圧送式の分配型噴射ポンプ51に適用したものである。前述の図7における従来の圧送型燃料噴射ポンプと同じ構成については同符号を付す。
【0025】
第1実施例の場合と同様に、ドライブシャフト52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン回転数の2分の1の回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャフト52には、燃料フィードポンプであるベーン式ポンプ53が取り付けられ、シグナルロータ54がこのドライブシャフト52と同軸的に固定されている。
【0026】
インナーカム圧送式分配型燃料噴射ポンプの構造として、ドライブシャフト52は図示しないカップリングを介して分配ローター55に連結される。分配ローター55の内部に半径方向に形成された複数個のシリンダにはそれぞれプランジャ56が半径方向に摺動可能に挿入されている。そして、分配ローター55がドライブシャフト52によって駆動されて回転するとき、プランジャ56、ローラ受け57、及びローラ58は遠心力を受けてカムリング99に対して押圧されるように、それらの部分が構成される。したがって、ローラ58とカムリング99のカム山との結合状態がドライブシャフト52の回転により変化し、プランジャ56は1回転中に気筒数と等しい回数だけ、圧力室60に対して往復動する。
【0027】
回転数センサ61はシグナルロータ54の周面に対向するように取り付けられる。シグナルロータ54には、所定角(例えば、5°)毎に凸状歯が複数個配置されると共に、これらの凸状歯が気筒数と同数だけ等間隔に切欠かれて欠歯部(例えば3歯分)が形成される。分配ローター55の外周には1個の分配ポート62とエンジン気筒数と同数の吸入グループ63とが形成されている。
【0028】
シリンダ64には、燃料室66とシリンダボア67とを連通する吸入通路68が、シリンダ64及びケーシング65には外部の各気筒の噴射弁69をシリンダボア67に導通可能な分配通路70が形成されている。燃料噴射ポンプ51のハウジング65には、圧力室60の圧力を制御するスピル弁71が設けられており、このスピル弁71により燃料噴射ポンプ51の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射率が制御される。
【0029】
次に、タイマ装置72は、タイマハウジング73内に設置されており、カムリング99とスライドピン74を介して接続されたタイマピストン75、それを受け入れるシリンダ73′、及びタイマピストン75を図中右方向に押圧付勢するスプリング76から構成される。カムリング99の外周面99aは円筒状を有し、ハウジング65に対し、ドライブシャフト52を中心に、回転方向に摺動し、燃料室66内の高圧燃料が導入されるタイマ高圧室77の燃料圧によりタイマピストン75を位置決めすることによって、カムリング99の位置を決定し、燃料噴射時期を調節する。また、タイマ高圧室77の燃料圧は、タイマ高圧室77とタイマ低圧室78との連通通路79に設けられ、電子式制御装置80により開閉制御される油圧制御弁84によって調圧される。 第1実施例と同様に第2実施例においても回転数センサ61はセンサ取付リング85に取付けられる。センサ取付リング85はその軸中心付近にドライブシャフト52が嵌挿され、摺動自在に組付られる。取付リング85はシグナルロータ54とカムリング99にはさまれているが、シグナルロータ54との接触部を摺動自在に仕上げられている。一方カムリング99との間はセンサ取付リング85の切欠き部85aとカムリング99の突出し部99bがかみ合うように組付られている。
【0030】
次に、作用を説明する。カムリング99がハウジング16との間のガタにより、カムリング99がドライブシャフト52のラジアル方向に移動しても回転数センサ61が取付られているセンサ取付リング85はドライブシャフト52と摺動しているため、回転数センサ61とシグナルロータ54のラジアル方向の相対的な位置は変わらない。つまり回転数センサ61とシグナルロータ3の間隔は一定に保たれる。
【0031】
またカムリング99の突出し部99bとセンサ取付リング85の切欠き部85aがかみ合い、かつセンサ取付リング85とシグナルロータ54の接触面は摺動自在に組付られるため、センサ取付リング85はカムリング99とともにタイマ装置によって回転位置を決められる。
以上の構成によりエアギャップの設定には前記のガタを考慮する必要が無くなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能となる。
【0032】
第1実施例、第2実施例では回転数センサとシグナルロータが作る磁気回路が開磁路であるタイプを示した(図3)。この開磁路タイプの回転数センサは磁気効率が低く、出力が小さいという短所がある。そこで図4に示すような回転数センサとシグナルロータが作る磁気回路が閉磁路となるような回転数センサが考えられている。しかしこの閉磁路型の回転数センサを従来の取付方法によってインナカム圧送式燃料噴射ポンプを使用するとシグナルロータが取付られているドライブシャフトやカムリングのスラスト方向のガタにより回転数センサとシグナルロータが接触し、回転数センサが破損してしまう。これを避けるために回転数センサとシグナルロータの間隔を大きくすると回転数センサの出力は小さくなり、閉磁路型の回転数センサを使用するメリットが失われてしまう。
【0033】
そこでこの問題を解決する第3実施例を図5に示す。尚、図5はインナーカム圧送式分配型噴射ポンプの例であり、図2における第2実施例の噴射ポンプの構成と同一のものについては同一の符号を付す。またこの構成はフェイスカム圧送式分配型噴射ポンプにも適用できる。
回転数センサ61は前述の各例と同様にセンサ取付リング87に取付られる。センサ取付リング87の軸中心付近はドライブシャフト52に嵌挿され、摺動自在である。センサ取付リング87はスプリング88によってシグナルロータ54に押し付けられている。またセンサ取付リング87は、その切欠き部がカムリング99の突出し部とかみ合うように組付られている。そしてセンサ取付リング87とシグナルロータ54の接触面は摺動自在に仕上げられている。
【0034】
そのため、カムリング99とハウジング65との間のガタによりカムリング99がスラスト方向に動いたり、ドライブシャフト52とハウジング65のガタによりシグナルロータ54がスラスト方向に動いても回転数センサ61が取付られているセンサ取付リング87はスプリング88によってシグナルロータ54に押付けられるためシグナルロータ54とセンサ取付リング87の相対的な位置関係は変化しない。つまり回転数センサ61とシグナルロータ54の間隔は一定に保たれる。またセンサ取付リング87の回転方向の位置は、第1実施例,第2実施例と同様に、切欠き部がかみ合っているためタイマ装置72によって決定される。
【0035】
第3実施例により、閉磁路型回転数センサ61とシグナルロータ54の間隔は自動調整される。そのためエアギャップの設定にはガタを考慮する必要がなくなり、ガタ分だけエアギャップを小さく設定することが可能になる。
第2〜3実施例では、シグナルロータ54がドライシャフト52に取付けられている場合について説明してきたが、シグナルロータ54が分配ロータ55に取付られている場合にも第2,第3実施例を適用することができる。その場合にはセンサ取付リング85、87をドライブシャフト52ではなく分配ロータ55と摺動自在に組付けることでエアギャップ自動調整機構を成立させることができる。
【0036】
第1〜3実施例ではローラリング98又はカムリング99の突出し部とセンサ取付リング39、85、87の切欠き部がかみ合う構造となっているが、ローラリング98(又はカムリング99)によってセンサ取付リング39,85、87が軸方向のみ一体に動くように組付られていればどのような構成でも良い。例えばピンとこのピンに拘止する拘止部材(ともに図示しない)とによって構成され、前記取り付け部材の前記回転方向位置を位置決めすることにより回転方向に拘束されるようにする。
【0037】
また、上記実施例においては、回転センサを取り付ける部材としてローラリング、カムリングとは別の部材を設けているが、シグナルロータと回転センサとの位置関係が一定に保たれればよいので、例えばローラリングをドライブシャフトに嵌挿させ、摺動自在に設けることにより、ガタを取り除くようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、回転数センサとシグナルロータの間隔(=エアギャップ)を一定に保つことができ、ガタ分を考慮しないエアギャップの設定が可能になる。そのため低回転時にも判別可能なNEパルスを得ることができ、燃料噴射ポンプの適正な噴射制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図3】開磁路型回転数センサの磁気回路を示す拡大図である。
【図4】閉磁路型回転数センサの磁気回路を示す拡大図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図6】従来技術を例示する断面図である。
【図7】従来技術を例示する断面図である。
【図8】回転数センサとローラリングの凸状歯の配置関係を示した拡大図である。
【図9】回転数センサとローラリングの凸状歯の配置関係を示した拡大図である。
【符号の説明】
1,101 燃料噴射ポンプ
2,52 ドライブシャフト
3,54 シグナルロータ
4 フェイスカム
6,56 プランジャ
98 ローラリング(カム部材)
9,61 回転数センサ
14,60 圧力室
17,66 燃料室
18,69 各気筒の燃料噴射弁
22,71 スピル弁
23,80 電子制御装置
24,53 ベーン式ポンプ(燃料フィードポンプ)
25,72 タイマ装置
39,85,87 センサ取付けリング(センサ取付け部材)
39a,85a 切り欠き部(連結手段)
55 分配ロータ
98b,99b 突き出し部(連結手段)
99 カムリング(カム部材)
88 スプリング
Claims (4)
- ハウジングに対して回転可能に設けられるドライブシャフトと、前記ハウジングに、外周面が前記ドライブシャフトを中心とする回転方向に摺動するように設けられるカム部材と、前記カム部材の回動方向の位置決めをすることにより燃料噴射時期制御を調整するタイマ装置とを有し、前記ドライブシャフトの回転により前記カム部材を介してプランジャを往復運動させて吸入された燃料を高圧に加圧して内燃機関の燃料噴射弁へ間欠的に圧送する燃料噴射ポンプにおいて、
前記ドライブシャフトに設けられ、前記ドライブシャフトとともに回転するシグナルロータと、
前記シグナルロータの外周に、該シグナルロータと所定のエアギャップを介して対向して配置され、前記機関の機関回転数に応じたパルスを出力する回転数センサと、
前記回転数センサが装着され、前記ドライブシャフトに接触して該ドライブシャフトに摺動自在に設けられる取付け部材と、
前記カム部材の回動とともに前記取付け部材を回動させる連結手段とを備えることを特徴とする燃料噴射ポンプ。 - 前記連結手段は、前記カム部材と前記取付け部材との間に設けられる切り欠き部とこの切り欠き部とかみあう突出し部とによって構成され、前記取付け部材の前記回転方向位置を位置決めすることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記連結手段は、前記カム部材と前記取付け部材との間に設けられるピンとこのピンに拘止する拘止部材とによって構成され、前記取付け部材の前記回転方向位置を位置決めすることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記取付け部材を弾性部材により前記シグナルロータに押圧し、かつ前記センサ取付け部材と前記シグナルロータの接触面を摺動自在とすることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020205 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041202 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050209 |
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R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
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Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 Year of fee payment: 6 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |