JP4572776B2 - 流量制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブケースの摺動孔内を摺動して、流体ポートに対する調量溝の流路開口面積を変更するバルブを備え、燃料、オイルやエア等の流体流量の調量を行う流量制御弁に関するもので、特にコモンレール式燃料噴射システムの燃料供給ポンプに組み付けられて、フィードポンプから加圧室内に吸入される燃料吸入量の調量を行う電磁式吸入調量弁に係わる。
[従来の技術]
従来より、例えばディーゼルエンジン用燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システムでは、コモンレール内に高圧燃料を蓄圧し、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を内燃機関の気筒毎に対応して搭載された複数のインジェクタを介して所定のタイミングで内燃機関の各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。コモンレールは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を常時蓄圧する必要があるため、電磁弁を経て加圧室内に吸入した燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプから燃料配管を経て高圧燃料がコモンレール内に吐出されるように構成されている。ここで、燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量は、フィードポンプから吸入弁を経由して加圧室に至る燃料吸入経路の流路開口面積を調整することで調量される。
このような電磁弁として、軸線方向に真っ直ぐに延びる摺動孔を有するバルブケースと、このバルブケースの摺動孔内を軸線方向に移動して出口側ポートと連通孔との連通状態を変更する筒状のバルブとを備えた電磁式吸入調量弁が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、バルブの内部には、貫通孔が貫通している。また、バルブケースの内部には、バルブよりも軸線方向の一方側に、バルブを閉弁方向に付勢するスプリングを収容するスプリング収容室が形成されている。なお、スプリング収容室は、貫通孔を介して、バルブケースの入口側ポートに連通している。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載の電磁式吸入調量弁においては、バルブケースの入口側ポートからバルブの貫通孔内に流入した燃料が、貫通孔から連通孔、調量溝を経てバルブケースの出口側ポートに流れ込むようになっており、スプリング収容室内の燃料は殆どスプリング収容室内で滞留している。このため、燃料と一緒に電磁式吸入調量弁の内部に流入した異物や、バルブの摺動面とバルブケースの摺動面との摺動により発生した摩耗粉が、スプリング収容室内に一旦流入すると、スプリング収容室内で滞留してしまい、異物や摩耗粉がスプリング収容室内から排出され難いという問題が生じている。
ここで、バルブは、バルブケースの摺動孔内を軸線方向に移動して出口側ポートの流路開口面積を変更することで燃料流量を調量する調量部を構成している。このため、バルブがバルブケースの摺動孔内を軸線方向に移動するのに必要な最小限のクリアランスがバルブの摺動面とバルブケースの摺動面との間に形成されている。しかるに、スプリング収容室内で滞留した異物や摩耗粉がバルブの軸線方向の移動に伴ってクリアランスに侵入し、バルブの摺動面とバルブケースの摺動面との間に噛み込んでしまうと、バルブケースの摺動面に対するバルブの摺動抵抗が増加する。これにより、バルブの摺動性が悪化して、バルブが摺動不良を生起するという問題が生じる。このようなバルブの摺動不良が発生すると、電磁式吸入調量弁のソレノイドコイルへのポンプ駆動電流値に対するポンプ吐出量制御特性が悪化してエンジン出力の低下等の不具合が発生してしまう。
特開2002−106740号公報(第1−9頁、図1−図8)
本発明の目的は、流量制御弁の外部から内部に流入する異物や、流量制御弁の内部で発生した摩耗粉等を流量制御弁の外部に流体と共に積極的に排出して、異物や摩耗粉等を要因とする不具合を防止することのできる流量制御弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、バルブケースの外周面またはバルブの外周面に、バルブの貫通孔を迂回して、バルブケースの有底筒部とバルブの軸線方向の一端面との間に形成された内部空間からバルブケースの流体ポートまたはバルブの連通孔に向けて延びる凹部形状の異物排出通路を設けている。そして、バルブケースの軸線方向にバルブが移動すると、バルブケースの流体ポートの開口面積がバルブの軸線方向の位置に対応して変更される。そして、バルブケースの流体ポートとバルブの連通孔との連通面積が変化するため、流体流量が調整される。このとき、バルブの貫通孔および連通孔、バルブケースの流体ポートを流体が流れると、流体ポート側または連通孔側の流体圧力と内部空間側の流体圧力との間に圧力差が生じる。
この圧力差を利用して、流量制御弁の外部から内部に流入する異物や、流量制御弁の内部で発生した摩耗粉等を流量制御弁の外部に流体と共に積極的に排出することで、異物や摩耗粉等を要因とする不具合を防止することができる。したがって、バルブとバルブケースとの間に異物や摩耗粉等が噛み込むことを防止できるので、バルブケースに対するバルブの摺動抵抗を軽減することができる。これにより、バルブの摺動性を向上できるので、バルブの摺動不良を防止することができる。
しかも、異物排出通路は、バルブの外周面に形成されている円環状油溝にも連通しているため、バルブの摺動によってこの油溝に溜まる摩耗粉等をも、異物排出通路を活用して円滑に流量制御弁の外部に排出することができ、バルブの摺動性を一層向上できる。
請求項2に記載の発明によれば、バルブケースの有底筒部とバルブの軸線方向の一端面との間に形成された内部空間を、スプリングを収容するスプリング収容室として機能させても良い。また、請求項3に記載の発明によれば、バルブがシリンダの軸方向孔内を軸線方向に移動することにより、流体ポートの流路開口面積、すなわち、バルブケースの流体ポートとバルブの連通孔または周方向溝との重なり面積(連通面積)が変更される。これにより、貫通孔、連通孔(および周方向溝)、流体ポートを流れる流体流量を調量することができる。なお、周方向溝は、バルブの外周面の全周に設けられていても良く、また、バルブの外周面に部分的に設けられていても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、流量制御弁の外部から内部に流入する異物や、流量制御弁の内部で発生した摩耗粉等を流量制御弁の外部に流体と共に積極的に排出して、異物や摩耗粉等を要因とする不具合を防止するという目的を、バルブケースまたはバルブに、バルブの貫通孔を迂回して、バルブケースの有底筒部とバルブの軸線方向の一端面との間に形成された内部空間からバルブケースの流体ポートまたはバルブの連通孔に向けて延びる異物排出通路を設けることで実現した。
実施例の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図で、図2(a)はサプライポンプに組み込まれる電磁弁の主要構造を示した図で、図2(b)は電磁弁の全体構造を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、自動車等の車両に搭載されるものであり、主として、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関(多気筒ディーゼルエンジン:以下エンジンと言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)であり、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数個(本例では4個)のインジェクタ3を介してエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を所定のタイミングで噴射供給するインジェクタ3と、電磁式吸入調量弁(SCV:以下電磁弁と呼ぶ)6を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧する吸入燃料調量方式の燃料供給ポンプ(サプライポンプ)5と、複数個のインジェクタ3の電磁弁4およびサプライポンプ5の電磁弁6を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。この図1では、4気筒エンジンの1つの気筒に対応するインジェクタ3のみを示し、他の気筒については図示を省略している。ここで、エンジンの出力軸(例えばクランク軸:以下クランクシャフトと言う)は、サプライポンプ5のドライブシャフトまたはカムシャフトをベルト駆動している。
コモンレール1は、燃料供給配管12を介して高圧燃料を吐出するサプライポンプ5の吐出口と接続されている。また、コモンレール1から燃料タンク7に燃料を戻すためのリリーフ配管14には、燃料タンク7に連通する燃料排出路の開口度合を調整することが可能な常閉型の減圧弁2が設置されている。この減圧弁2は、減圧弁駆動回路を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流によって電子制御されることにより、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧力)を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁である。
減圧弁2は、コモンレール1から燃料タンク7へ燃料を還流させるための燃料還流路の開度を調整するバルブ(弁体:図示せず)、このバルブを開弁方向に駆動するソレノイドコイル(電磁コイル:図示せず)、およびバルブを閉弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有している。そして、減圧弁2は、減圧弁駆動回路を介してソレノイドコイルに印加される減圧弁駆動電流の大きさに比例して、コモンレール1内からリリーフ配管14を経て燃料タンク7に還流される燃料の還流量(減圧弁流量)を調整して、コモンレール1内の燃料圧力を変更する。なお、減圧弁2の代わりに、リリーフ配管14に、コモンレール1内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール1内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるプレッシャリミッタを取り付けるようにしても良い。
エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数個のインジェクタ3は、コモンレール1より分岐する複数の分岐管13の下流端に接続されて、エンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードル(図示せず)を開弁方向に駆動する電磁弁4、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段(図示せず)等から構成された電磁式燃料噴射弁である。そして、各気筒のインジェクタ3からエンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルと連動するコマンドピストンの動作制御を行う背圧制御室内の燃料圧力を増減制御する電磁弁4のソレノイドコイル(図示せず)への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、インジェクタ3の電磁弁4のソレノイドコイルが通電されてノズルニードルがノズルボデーの先端部に形成された複数個の噴射孔を開弁している間、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料がエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される。これにより、エンジンが運転される。また、インジェクタ3には、余剰燃料や背圧制御室から排出された燃料を燃料系の低圧側に溢流させるためのリークポートが設けられており、インジェクタ3からのリーク燃料は、リターン配管15を介して燃料タンク7に戻される。
サプライポンプ5は、吸入した低圧燃料を加圧する圧送系統を2つ(または3つ以上)備え、つまりポンプエレメントを2気筒(または3気筒以上)備え、1つの電磁弁6で、2つ(または3つ以上)の圧送系統の燃料吐出量を、各加圧室内に吸入される吸入燃料量を調量することで制御するタイプの高圧供給ポンプである。このサプライポンプ5は、エンジンのクランクシャフトの回転に伴ってポンプ駆動軸(ドライブシャフトまたはカムシャフト)が回転することで、燃料タンク7から低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動されて上死点と下死点との間を往復運動する2個(または3個以上)のプランジャ(図示せず)と、これらのプランジャがポンプハウジングに固定されたシリンダヘッド(図示せず)内を往復摺動することにより吸入された燃料を加圧して高圧化する2個(または3個以上)の加圧室(プランジャ室:図示せず)と、各加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると閉弁する2個(または3個以上)の吸入弁(図示せず)と、各加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する2個(または3個以上)の吐出弁(図示せず)とを有している。
そして、サプライポンプ5は、各プランジャがシリンダヘッド(ポンプシリンダ)内を往復摺動することで、燃料タンク7から燃料供給配管11を経て2個の加圧室内に吸入された低圧燃料を加圧して高圧化する。なお、燃料供給配管11の途中には、燃料フィルタ8が設置されている。また、2個の吸入弁は、各加圧室よりも燃料の流れ方向の上流側、つまりフィードポンプから1個の電磁弁6を経て2個の加圧室に至る燃料吸入経路の途中に設置された逆止弁よりなる。また、2個の吐出弁は、各加圧室よりも燃料の流れ方向の下流側、つまり加圧室から吐出口に至る燃料吐出経路の途中に設置された逆止弁よりなる。また、サプライポンプ5には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ5からのリーク燃料は、燃料還流配管16を経て燃料タンク7に戻される。
ここで、サプライポンプ5内に形成される、フィードポンプから2個の吸入弁を経て2個の加圧室に至る燃料吸入経路(図示せず)の途中には、加圧室内に吸入される吸入燃料量を調量する電磁弁6がそれぞれ取り付けられている。この電磁弁6は、図2に示したように、ポンプハウジングに固定されたスリーブ状のバルブケース21と、このバルブケース21の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口した出口側ポート(流体ポート)22の流路開口面積を変更するバルブ(以下ニードルと言う)23と、このニードル23を閉弁方向に駆動するリニアソレノイドアクチュエータ24と、ニードル23を開弁方向に付勢するリターンスプリング(弁体付勢手段)25とによって構成されている。
そして、電磁弁6は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるポンプ駆動電流によって電子制御されることにより、サプライポンプ5の加圧室内に吸入される燃料吸入量を調量するノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁式流量制御弁である。すなわち、電磁弁6は、ポンプ駆動回路を介してリニアソレノイドアクチュエータ24に印加されるポンプ駆動電流の大きさに比例して、ニードル23をストローク方向に移動させて、燃料吸入経路の途中に設けられたバルブケース21の出口側ポート22の流路開口面積を調整する。これにより、フィードポンプから燃料吸入経路、吸入弁を経て加圧室内に吸入される燃料吸入量が調量される。したがって、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール1内に吐出される燃料吐出量が、エンジンの運転条件(例えばエンジン回転速度、アクセル操作量、指令噴射量等)に対応した最適値に調整され、インジェクタ3からエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当するコモンレール1内の燃料圧力、所謂コモンレール圧力が変更される。
ここで、リニアソレノイドアクチュエータ24は、バルブケース21の図示右端部に一体的に設けられた袋筒状のステータコア(ステータ部)26、ニードル23の図示右端部に一体的に設けられたアーマチャ(アーマチャ部、ムービングコア)27、ステータコア26の円筒状部の外周に保持された樹脂製のコイルボビン28、このコイルボビン28の外周に巻回されたソレノイドコイル29、このソレノイドコイル29の端末リード線(図示せず)に電気的に接続されたターミナル30、ソレノイドコイル29の外周側を覆う円筒状のハウジング31等から構成されている。なお、バルブケース21のステータコア26は、ソレノイドコイル29の通電時に、磁化されて電磁石となり、ニードル23のアーマチャ27を吸引するための吸引部32を有している。この吸引部32は、ニードル23を摺動可能に収容する略円筒状のシリンダ33に対して薄肉部34を介して接続されており、有底円筒部(有底筒部)35の内周部に設けられている。
そして、ソレノイドコイル29は、通電を受けることにより起磁力を発生してバルブケース21のステータコア26およびニードル23のアーマチャ27を磁化することで、アーマチャ27をストローク方向(軸線方向の図示右側)に吸引すると共に、コイルボビン28に、絶縁被膜を施した導線を複数回巻装したコイルである。このソレノイドコイル29は、コイルボビン28の一対の鍔状部間に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線(端末線)を有している。また、ハウジング31には、ターミナル30を保持する筒状のコネクタ36が結合されている。そして、ハウジング31は、バルブケース21の外周側に形成された略円環状のフランジ部にかしめ等の手段を用いて固定されている。このハウジング31の外周側に形成された略円環状のフランジ部(鍔状部)は、サプライポンプ5のポンプハウジングの外壁面にスクリュー等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。そのフランジ部には、締結具を挿通する挿通孔37が形成されている。
ここで、電磁弁6のバルブケース21は、ニードル23を摺動可能に収容するシリンダ機能(シリンダ33)と、磁路形成のためのステータ機能(ステータコア26)とを兼ね備えている。そして、バルブケース21をステータとして機能させるために、その材質をフェライト系のステンレス鋼(SUS13)等の軟質磁性材料としている。この軟質磁性材料は、磁気特性を悪化させることから焼き入れ等の熱処理を施すことができない。しかし、バルブケース21に本来の機能であるシリンダ機能を持たせるには、耐摩耗性の向上および表面硬さの向上が要求されることから、バルブケース21のスプール孔(軸方向孔)41の孔壁面にニッケル燐メッキ等の硬化層を施している。なお、バルブケース21のスプール孔41の孔壁面は、ニードル23を軸線方向(ストローク方向)に案内(誘導)する円筒状のガイド部を構成している。
また、バルブケース21の図示左端部は、サプライポンプ5のポンプハウジングの外壁面に設けられた嵌合凹部(図示せず)内に圧入嵌合されており、ポンプハウジングの嵌合凹部の内壁面とバルブケース21の図示左端部の外周面との間には、燃料の漏れを防止するためのOリング等のシール材42が装着されている。そして、バルブケース21の図示左端部には、フィードポンプから燃料が送り込まれる燃料溜まり部(図示せず)に連通する入口側ポート43が形成されている。なお、上述した出口側ポート22は、2個の吸入弁を介して2個の加圧室に連通する燃料吸入経路の後半部を構成する連通路に向けて4個開口している。そして、出口側ポート22の入口側は、出口側に比べて流路径が小さくなっている。
また、スプール孔41の大部分は、ニードル23の摺動面が直接摺動する摺動孔として機能している。また、バルブケース21は、ニードル23の軸線方向の一端面とステータコア26の有底円筒部35の底面との間にスプリング収容室(内部空間)44を形成している。なお、リターンスプリング25は、コイルスプリングであって、スプリング収容室44の内部に収容されており、リターンスプリング25の一端部がステータコア26の有底円筒部35の底面(凹部35a)に保持され、また、リターンスプリング25の他端部がニードル23の軸線方向の一端面(凹部23a)に保持されている。
ここで、電磁弁6のニードル23は、内部に貫通孔45が形成されたスリーブ状のスプール型バルブであって、その外周部にバルブケース21のスプール孔41の孔壁面(シリンダ33の摺動面)に摺接する摺動面を有する径大部51、52を備えている。そして、ニードル23は、バルブケース21のスプール孔41内を軸線方向に移動して出口側ポート22の流路開口面積を変更するバルブ機能と、磁路形成のためのアーマチャ機能(アーマチャ27)とを兼ね備えている。そして、ニードル23をアーマチャとして機能させるために、その材質を純鉄または低炭素鋼等の軟質磁性材料としている。この軟質磁性材料は、磁気特性を悪化させることから焼き入れ等の熱処理を施すことができない。しかし、ニードル23として機能させるには、耐摩耗性の向上および表面硬さの向上が要求される。そこで、ニードル23の径大部51、52の外周面にニッケル燐メッキ等の硬化層を施している。
そして、ニードル23は、バルブケース21の図示左端部の内周に圧入固定された円環状のストッパ53によって初期位置(出口側ポート22の全開位置)が規定されている。そして、ニードル23は、スプリング収容室44内に収容されたリターンスプリング25により常に開弁方向に付勢されている。このため、ニードル23は、先端がストッパ53に当接する位置で、ニードル23の開弁側の移動範囲が規定されている。また、ニードル23の図示右端部には、バルブケース21のステータコア26に所定のエアギャップを介して対向するように設けられた円筒状のアーマチャ27が一体的に形成されている。そして、ニードル23の内部には、ニードル23を軸線方向に貫通してニードル23の軸線方向の両端面を連通する貫通孔45、およびこの貫通孔45の途中から分岐して出口側ポート22近傍に向けて半径方向に真っ直ぐに延びる連通孔54が形成されている。
貫通孔45は、バルブケース21の入口側ポート43とスプリング収容室44とを連通する流体流路であって、ニードル23の中心軸線上に設けられている。この貫通孔45は、図示左側の径大孔の内径よりも図示右側の径小孔の内径の方が小さくなっており、ニードル23が軸線方向に移動する際にスプリング収容室44内の燃料を出し入れすることでニードル23の移動がし易くなっている。また、貫通孔45の軸線方向の一端側は、ニードル23の軸線方向の一端面(凹部23a)にて開口してスプリング収容室44に臨むように形成されており、また、貫通孔45の軸線方向の他端側は、ニードル23の軸線方向の他端面にて開口して入口側ポート43に臨むように形成されている。
そして、ニードル23の径大部51の摺動面には、複数個(3個)の円環状油溝55が形成されている。これらの円環状油溝55は、ニードル23の図示左端部(先端部)とバルブケース21のスプール孔41との間から燃料が浸入して、ニードル23の円環状油溝55とシリンダ33の摺動面との間に油膜を形成する周溝部である。また、ニードル23の径大部52の摺動面には、複数個(3個)の円環状油溝56が形成されている。これらの円環状油溝56は、ニードル23の図示右端部(後端部)とバルブケース21のスプール孔41との間から燃料が浸入して、ニードル23の円環状油溝56とシリンダ33の摺動面との間に油膜を形成する周溝部である。
連通孔54は、ニードル23の貫通孔45とバルブケース21の出口側ポート22とを連通する流体流路である。また、連通孔54は、バルブケース21の出口側ポート22(または調量溝57)に向けて4個開口している。この連通孔54の開口端(ニードル23の外周面で開口する開口端)には、ニードル23の径大部51、52間に形成される円環状の調量溝(環状流路、周方向溝)57が設けられている。この調量溝57は、ニードル23の外径を径大部51、52よりも小さくすることで設けられている。この調量溝57は、ニードル23の周方向に設けられて、調量溝57よりも流路径の小さい連通孔54を介して貫通孔45に連通している。また、ニードル23の径大部51、52の外周面とバルブケース21のスプール孔41の孔壁面との間には、バルブケース21のスプール孔41内をニードル23が軸線方向に摺動するのに必要な所定のクリアランスが設けられている。
ここで、本実施例の電磁弁6は、図2および図3に示したように、ニードル23の外周面、特に径大部52の外周面にニードル23の軸線方向に真っ直ぐに延びる複数個(本例では4個)の軸方向溝(凹部)61を設けている。これにより、本実施例の電磁弁6は、バルブケース21のシリンダ33の内周面とニードル23の径大部52の外周面との間に、異物や摩耗粉等をスプリング収容室44内から連通孔54(または調量溝57)および出口側ポート22を経て電磁弁6の外部に排出するための複数個(本例では4個)の異物排出通路62が設けられる。
これらの異物排出通路62は、スプリング収容室44から連通孔54(および調量溝57)に向けてニードル23の軸線方向に平行となるように真っ直ぐに延びる流体流路であって、ニードル23の内部に形成された貫通孔45を迂回して、スプリング収容室44と連通孔54(または調量溝57)とを連通している。なお、複数個の軸方向溝61は、ニードル23の径大部52の外周面の周方向に所定の間隔(等間隔、90°毎)で設けられている。これらの軸方向溝61の溝深さは、複数個の円環状油溝56の溝深さよりも大きくても構わないし、小さくても構わないし、同じでも良い。要は、複数個の軸方向溝61と複数個の円環状油溝56とが連通していれば良い。
以上の構成によって、本実施例のニードル23は、バルブケース21のスプール孔41内を軸線方向に移動して、バルブケース21の出口側ポート22の流路開口面積、つまりバルブケース21の出口側ポート22とニードル23の連通孔54(または調量溝57)との重なり面積(連通面積)を変更することで、2個の吸入弁を介して2個の加圧室に吸入される燃料流量(燃料吸入量)を調量することができる。なお、ニードル23の径大部51、52に調芯溝を設けても良い。
ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(EDU)、ポンプ駆動回路、減圧弁駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、ECU10は、図1に示したように、燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)75からの電圧信号や、その他の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
また、ECU10は、エンジンをクランキングさせた後にエンジンキーをIG位置に戻して、図示しないイグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、例えばインジェクタ3の電磁弁4およびサプライポンプ5の電磁弁6を電子制御するように構成されている。ここで、マイクロコンピュータには、エンジンのクランクシャフトの回転角度を検出するためのクランク角度センサ71、アクセル開度(ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ72、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ73、およびサプライポンプ5内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ74等が接続されている。なお、ECU10は、クランク角度センサ71より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(NE)を検出する回転速度検出手段として働く。
実施例の作用]
次に、本実施例のサプライポンプ5の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
サプライポンプ5のポンプ駆動軸(ドライブシャフトまたはカムシャフト)がエンジンのクランクシャフトにベルト駆動されて回転すると、2個のプランジャがシリンダヘッド内の摺動面を往復摺動する。そして、例えば上死点に位置する一方のプランジャが下降すると、加圧室内の圧力が低下し吸入弁が開弁して、フィードポンプ→燃料溜まり部→電磁弁6の入口側ポート43→貫通孔45→連通孔54→調量溝57→出口側ポート22→連通路→吸入弁を経て加圧室内に燃料が吸入される。そして、プランジャが下死点に達した後に、再び上昇を開始すると、加圧室内の圧力が昇圧され、吸入弁が閉弁して、加圧室内の圧力が更に上昇する。そして、加圧室内の圧力が吐出弁の開弁圧以上に上昇すると、吐出弁が開弁して、加圧室から吐出弁、燃料供給配管12を経てコモンレール1内に圧送供給される。
他方のプランジャも、上記のプランジャと同様に上死点と下死点との間を往復摺動することにより、他の加圧室内の燃料は、吐出弁、燃料供給配管12を経てコモンレール1内に圧送供給される。このように、サプライポンプ5は、ポンプ駆動軸の1回転につき、吸入行程、圧送行程が2サイクル行われるように構成されている。そして、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料は、インジェクタ3の電磁弁4を任意の噴射時期に駆動することで、所定のタイミングで、エンジンの各気筒の燃焼室内へ噴射供給することができる。
なお、サプライポンプ5の加圧室内から吐出弁、燃料供給配管12を経てコモンレール1内に吐出される燃料の吐出量は、ECU10によって電磁弁6のソレノイドコイル29に印加するポンプ駆動電流値を制御することにより、電磁弁6のニードル23のストローク量、すなわち、燃料吸入経路、特に出口側ポート22の流路開口面積、つまりバルブケース21の出口側ポート22とニードル23の連通孔54(または調量溝57)との重なり面積(連通面積)を変更することによって、フィードポンプから電磁弁6、吸入弁を経て加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調量することで制御される。
したがって、ECU10からのポンプ駆動信号によって電磁弁6を、エンジン回転速度(NE)、アクセル開度(ACCP)および指令噴射量(Q)等に応じて電子制御することによって、ポンプ駆動回路を介して電磁弁6のソレノイドコイル29に印加されるポンプ駆動電流値の大きさに比例して、2個の加圧室内に吸入される燃料の吸入量が調量される。これにより、加圧室内より吐出される燃料の吐出量を変更することによって、エンジンの各気筒毎に対応して搭載されたインジェクタ3の噴射孔からエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射される燃料の噴射圧力に相当するコモンレール圧力を、運転者の要求通り(例えばアクセル操作量:アクセル開度)に制御することが可能となる。
実施例の効果]
ここで、電磁弁6の外部からバルブケース21の入口側ポート43を経てニードル23の内部の貫通孔45内に流入した燃料は、貫通孔45から連通孔54に流入し、連通孔54から調量溝57を経てバルブケース21の出口側ポート22に流入し、出口側ポート22から電磁弁6の外部に流出するように構成されており、貫通孔45に連通するスプリング収容室44内の燃料は殆どスプリング収容室44内で滞留する可能性がある。このため、燃料と一緒に電磁弁6の内部に流入した異物や、ニードル23の径大部51、52の摺動面とバルブケース21の摺動面との摺動により発生した摩耗粉が、スプリング収容室44内に一旦流入すると、スプリング収容室44内で滞留し易い。
なお、ニードル23の径大部51、52の摺動面とバルブケース21の摺動面との摺動を向上させるために、両摺動面間に油膜を形成する円環状油溝55、56が有効な手段であるが、この油溝55、56にも摩耗粉が滞留し易い。
そこで、本実施例の電磁弁6においては、ニードル23の径大部52の外周面に複数個の軸方向溝61を設け、バルブケース21のシリンダ33の内周面とニードル23の径大部52の外周面との間に複数個の異物排出通路62を形成している。そして、電磁弁6が開弁して、ニードル23の貫通孔45および連通孔54、バルブケース21の出口側ポート22を燃料が流れると、出口側ポート側および連通孔側の燃料圧力とスプリング収容室側の燃料圧力との間に圧力差が生じる。すなわち、連通孔54および出口側ポート22を通過する燃料の流速は速く、スプリング収容室44内で滞留する燃料の流速は遅いため、出口側ポート側または連通孔側の燃料圧力に比べて、スプリング収容室側の燃料圧力の方が高くなる。この圧力差によって、スプリング収容室44内に流入した異物や、スプリング収容室44内は勿論のこと、特に円環状油溝56に滞留していた摩耗粉等は、燃料と一緒に異物排出通路62を通って連通孔54に移動し、出口側ポート22から電磁弁6の外部に排出される。
これによって、電磁弁6の外部からスプリング収容室44内に流入した異物や、電磁弁6の内部で発生しスプリング収容室44内および円環状油溝56内に滞留した摩耗粉等を、出口側ポート側および連通孔側の燃料圧力とスプリング収容室側の燃料圧力との間の圧力差を利用して、燃料と共に電磁弁6の外部に排出することができる。これにより、電磁弁6の内部から電磁弁6の外部に異物や摩耗粉等を積極的に排出できるので、異物や摩耗粉等を要因とする不具合を防止することができる。例えばニードル23の径大部52の摺動面とバルブケース21のシリンダ33の摺動面との間に異物や摩耗粉等が噛み込むことを防止できる。また、ニードル23の径大部52の摺動面に異物や摩耗粉等が付着したり、あるいはバルブケース21のシリンダ33の摺動面に異物や摩耗粉等が付着したり、あるいはニードル23の径大部52とバルブケース21のシリンダ33とに跨がって異物や摩耗粉等が付着したりすることを防止できる。これにより、バルブケース21に対するニードル23の摺動抵抗を軽減することができ、ニードル23の摺動性を向上することができるので、ニードル23の摺動不良を防止することができる。したがって、電磁弁6のソレノイドコイル29に印加するポンプ駆動電流値に対するポンプ吐出量制御特性を最適化できるので、エンジン出力の向上およびエミッションの改善を図ることができる。
[参考例]
図4はサプライポンプに組み込まれる電磁弁のニードルの参考例を示したものである。
この参考例では、電磁弁6のニードル23の径大部52の内部には、スプリング収容室44(または凹部23a)から連通孔54(または調量溝57)に向けてニードル23の軸線方向に対して傾斜して真っ直ぐに延びる複数個(本例では4個)の連通路63が設けられている。これらの連通路63は、圧力差を利用してスプリング収容室44内から異物や摩耗粉等を電磁弁6の外部に排出するための異物排出通路として機能する。
[変形例]
上述した図1〜図3に基づく本発明の実施例では、フィードポンプから吸入弁を経て加圧室に至る燃料吸入経路(出口側ポート22)の流路開口面積を調整して、フィードポンプから加圧室内に吸入される燃料吸入量をポンプ駆動電流に応じて調量することで、サプライポンプ5より吐出される燃料吐出量を制御する電磁弁6を設けたが、この電磁弁6は、そのソレノイドコイル29への通電停止時に全開、つまり出口側ポート(弁孔)22の流路開口面積が最大、リフト量が最小となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁式流量制御弁を用いても、あるいはソレノイドコイル29への通電停止時に全閉、つまり出口側ポート(弁孔)22の流路開口面積が最小、リフト量が最小となるノーマリクローズタイプ(常閉型)の電磁式流量制御弁を用いても構わない。
また、出口側ポート22を入口側ポートに変更し、入口側ポート43を出口側ポートに変更し、入口側ポートよりも上流側にフィードポンプから燃料が送り込まれる燃料溜まり部を形成し、出口側ポートよりも下流側に吸入弁を介して加圧室に連通する燃料吸入経路の後半部を構成する連通路を形成するようにしても良い。ここで、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ75によって検出されるコモンレール圧力(PC)がエンジンの運転条件(例えばエンジン回転速度(NE)と指令噴射量(Q)等)に対応して設定される目標コモンレール圧力(目標燃料圧力:PFIN)と略一致するように、PID制御(またはPI制御)を用いて、ポンプ駆動回路に出力するパルス状のポンプ駆動信号、および電磁弁6のソレノイドコイル29に印加するポンプ駆動電流値をフィードバック制御するようにしても良い。
なお、パルス状のポンプ駆動信号は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。すなわち、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、電磁弁6のソレノイドコイル29に印加するポンプ駆動電流の平均電流値を制御することで、電磁弁6の出口側ポート22の流路開口面積を変化させるデューティ制御を用いる。これにより、高精度なデジタル制御が可能になり、目標コモンレール圧力(PFIN)に対するコモンレール圧力(PC)の制御応答性(圧力制御性)、追従性および圧力安定性を改善することができる。なお、指令噴射量(Q)を、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって決定される基本噴射量に、エンジン冷却水温(THW)や燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して求めても良い。また、指令噴射量(Q)を、運転者のアクセル操作量から算出したドライバ要求トルクに基づいて求めても良い。
上記実施例では、ポンプ駆動軸(カムシャフトまたはドライブシャフト)の回転中心軸線方向(軸方向)に対して直径方向に位置するように2個のプランジャおよび加圧室を設置したサプライポンプ5、あるいはポンプ駆動軸(カムシャフトまたはドライブシャフト)の周方向に等間隔で3個以上のプランジャおよび加圧室を備えたサプライポンプ5を用いたが、ポンプ駆動軸(カムシャフトまたはドライブシャフト)の回転中心軸線方向(軸方向)に所定の間隔(例えば等間隔)で複数のプランジャが並列的に設置されたサプライポンプ(高圧供給ポンプ)を用いても良い。また、上記実施例では、バルブケース21にシリンダ機能とステータ機能とを兼ね備えているが、シリンダ機能のみを有するバルブケースに、ステータ機能のみを有するステータコアを組み付けても良い。さらに、本発明の電磁弁を、インジェクタ3の電磁弁4に適用しても良く、また、その他の潤滑油や作動油等のオイル、水等の液体、あるいは空気、排気ガス、排気再循環ガス等の気体の流量を調量する電磁式流量制御弁に適用しても良い。また、電磁式流量制御弁の代わりに、電動モータによって開弁駆動または閉弁駆動される電動式流量制御弁を用いても良い。また、本発明を流路切替弁や流路開閉弁に適用しても良い。
上記実施例では、ニードル23の径大部52の外周面に複数個の軸方向溝(凹部)61を設け、バルブケース21のシリンダ33の内周面とニードル23の径大部52の外周面との間に複数個の異物排出通路62を形成しているが、バルブケース21のシリンダ33の内周面に複数個の軸方向溝(凹部)を設け、バルブケース21のシリンダ33の内周面とニードル23の径大部52の外周面との間に複数個の異物排出通路を形成しても良い。また、ニードル23の径大部52の外周面およびバルブケース21のシリンダ33の内周面の両方に複数個の軸方向溝(凹部)を設け、バルブケース21のシリンダ33の内周面とニードル23の径大部52の外周面との間に複数個の異物排出通路を形成しても良い。なお、軸方向溝(凹部)61や異物排出通路62の個数は1個または2個または3個でも構わないし、5個以上でも構わない。また、異物排出通路62は、スプリング収容室44から連通孔54(および調量溝57)に向けて円弧状に滑らかに湾曲する湾曲通路であっても良い。
参考例では、ニードル23の径大部52の内部に複数個の連通路63を設け、これらの連通路63を異物排出通路として利用しているが、バルブケース21のシリンダ33の内部に複数個の連通路を設け、これらの連通路を異物排出通路として利用しても良い。なお、連通路(異物排出通路)の個数は1個または2個または3個でも構わないし、5個以上でも構わない。また、連通路63は、スプリング収容室44から連通孔54(および調量溝57)に向けて円弧状に滑らかに湾曲する湾曲通路であっても良い。
コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施例 )。 (a)は電磁弁の主要構造を示した断面図で、(b)は電磁弁の全体構造を 示した断面図である(実施例)。 (a)は電磁弁のニードルを示した正面図で、(b)は電磁弁のニードルを 示した側面図である(実施例)。 電磁弁のニードルを示した断面図である(参考例)。
1 コモンレール
3 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
5 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
6 電磁弁(電磁式吸入調量弁、SCV)
21 バルブケース
22 バルブケースの出口側ポート(流体ポート)
23 ニードル(バルブ)
25 リターンスプリング
33 バルブケースのシリンダ
35 バルブケースの有底円筒部(有底筒部)
41 スプール孔(軸方向孔)
43 バルブケースの入口側ポート
44 スプリング収容室(内部空間)
45 バルブの貫通孔
54 バルブの連通孔
55 円環状油溝
56 円環状油溝
57 調量溝(周方向溝)
61 軸方向溝(凹部)
62 異物排出通路
63 連通路(異物排出通路)

Claims (3)

  1. (a)軸線方向に対して略直交する半径方向に開口した流体ポートを有する筒状のバルブケースと、
    (b)このバルブケースの内部に摺動自在に支持され、前記バルブケースの軸線方向に移動して前記流体ポートの開口面積を変更するバルブと
    を備えた流量制御弁において、
    前記バルブケースは、前記バルブの軸線方向の一端面との間に内部空間を形成する有底筒部を有し、
    前記バルブは、前記バルブを軸線方向に貫通して前記バルブの軸線方向の両端面を連通する貫通孔、この貫通孔の途中から分岐して前記流体ポート近傍に向けて延びる連通孔、および前記バルブの外周面に形成された円環状油溝を有し、
    前記バルブケースの内周面または前記バルブの外周面には、前記貫通孔を迂回して、前記内部空間から前記流体ポートまたは前記連通孔に向けて、前記バルブの軸線方向に平行となるように延び、かつ前記円環状油溝と連通する凹部形状の異物排出通路が設けられていることを特徴とする流量制御弁。
  2. 請求項1に記載の流量制御弁において、
    前記バルブを、前記流体ポートを閉じる側または開く側に付勢するスプリングを備え、
    前記内部空間は、前記スプリングを収容するスプリング収容室として機能することを特徴とする流量制御弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流量制御弁において、
    前記バルブケースは、内部に軸方向孔が形成されたシリンダを有し、
    前記シリンダは、前記軸方向孔の内部に前記バルブを摺動自在に支持しており、
    前記バルブは、前記シリンダの内周面を前記シリンダの軸線方向に摺動する摺動部を有し、
    前記連通孔は、前記摺動部の途中で開口し前記流体ポートに連通可能な周方向溝を有していることを特徴とする流量制御弁。
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