JP4572885B2 - デューティ比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比を可変することによって電磁弁のコイルへの供給電流量を制御して電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更するようにしたデューティ比制御装置に関するもので、特に電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、一制御周期で供給電流をオン・オフすることによって電磁弁のコイルに発生する電磁力を増減させて電磁弁のバルブに強制振動を与えるようにしたデューティ比制御装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、一制御周期で供給電流をオン・オフすることによって電磁弁のコイルに発生する電磁力を増減させて電磁弁のバルブに強制振動を与えるようにしたデューティ比制御装置が公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
これは、内燃機関用燃料噴射装置として知られる蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射ポンプに組み込まれて、フィードポンプから加圧室内に吸入される燃料吸入量の調量を行う電磁弁のバルブを駆動するコイルへの供給電流量をデューティ比制御によって制御して、電磁弁のバルブリフト量が一定値となるエンジンの運転状態(例えばアイドル運転)が長期間継続した場合でも、電磁弁のバルブが固着しないように電磁弁のコイルに発生する電磁力で電磁弁のバルブを強制振動させるようにしている。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1及び2に記載のデューティ比制御装置においては、図13のタイミングチャートに示したように、内燃機関の運転状態の変化に伴って、電磁弁のバルブリフト量が第1所定値よりも小さい第1制御領域から、電磁弁のバルブリフト量が第2所定値よりも大きい第2制御領域に移行する際に、デューティ比制御の制御周波数を一定としたまま、電磁弁のコイルを通電するオン時間を変更して電磁弁のコイルへの供給電流量を大きくすることにより、電磁弁のコイルに発生する電磁力を増加させ、電磁弁のバルブリフト量を大きくしている。
ここで、第1制御領域から第2制御領域に移行する時には、電磁弁のコイルへの供給電流量を大きくする必要がある。すなわち、図13のタイミングチャートに示したように、デューティ比制御の制御周波数を一定としたまま、デューティ比のオフ時間に対するオン時間を長くとる必要があるが、これに伴って電磁弁のコイルに発生する電磁力の増減幅が大きくなり、電磁弁のバルブの振動振幅が大きくなってしまうため、燃料流量の制御性が悪化するという問題が生じている。
したがって、第1制御領域に対して第2制御領域の時には、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量の調量性が悪化するため、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量の制御性が悪化するという問題が生じている。なお、この問題を解決する方法として、第2制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅を小さくしておくことが考えられるが、この方法だと第1制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅がより小さくなり、電磁弁のバルブが固着しないように電磁弁のバルブに強制振動を与えることができなくなる可能性がある。
特開平11−294244号公報(第1−9頁、図1−図5) 特開2004−190628号公報(第1−9頁、図1−図7)
本発明の目的は、電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅が変化するのを防止することで、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることのできるデューティ比制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁への供給電流量を制御して電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更し、電磁弁の内部を通過する流体流量を制御している。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のリフト量が連続的または段階的に変更されて、電磁弁の内部を通過する流体流量が制御されるように構成されている。
ここで、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量が小さい第1制御領域における制御周波数よりも、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量が大きい第2制御領域における制御周波数を高く設定したことにより、第1制御領域と第2制御領域との間でデューティ比制御の制御周波数が可変(変更)される。
したがって、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を大きくする場合、あるいは電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を小さくする場合であっても、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができるので、電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることができる。
また、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定したことにより、複数の第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を略一定としたまま、第1制御領域と第2制御領域との間でデューティ比制御の制御周波数が可変(変更)される。
これによって、電磁弁の制御領域を第1制御領域(電磁弁の低負荷領域)から第2制御領域(電磁弁の高負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を大きくする場合であっても、一制御周期当たりのオン時間が大きくならず、これに伴って電磁弁の振動振幅も大きくならず、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性が悪化することはない。
また、電磁弁の制御領域を第2制御領域(電磁弁の高負荷領域)から第1制御領域(電磁弁の低負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を小さくする場合であっても、一制御周期当たりのオン時間がほぼ一定のため、電磁弁の振動振幅も過剰に小さくならず、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性が悪化することはない。
したがって、電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅を小さく抑えることができるので、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることができる。
そして、請求項1、請求項7及び請求項14に記載の発明によれば、電磁弁に、内部に摺動孔が形成された筒状のバルブケースを設けている。そして、バルブケースに、摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部(流体ポート)を形成しても良い。
そして、電磁弁は、内部に摺動孔が形成された筒状のバルブケース、摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、摺動孔の軸線方向に移動してバルブ開口部の開口面積を変更すると共に、電磁弁への供給電流量が大きくなるに従ってバルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じてバルブ開口部に対するバルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイル等によって構成されている。
また、バルブケースに形成されるバルブ開口部は、電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されている。
請求項2、請求項8及び請求項18に記載の発明によれば、コイルは、通電によって磁力が発生するソレノイドコイルである。また、電磁弁とは、コイルに発生する電磁力に応じて、バルブリフト量が全開位置から全閉位置に至るまで連続的に変化するノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁のことである。なお、電磁弁を、軸線方向に摺動孔を有し、且つこの摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口した流体ポートを有する筒状のバルブケース、摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、摺動孔の軸線方向に移動して流体ポートの開口面積を変更するスプール型のバルブ、および電磁力に応じて流体ポートに対するバルブの相対位置(バルブリフト量)を連続的または段階的に変更するコイル等によって構成しても良い。
請求項3、請求項9および請求項19に記載の発明によれば、一制御周期で供給電流をオン・オフすることによって電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のコイルに発生する電磁力を増減させ、電磁弁のバルブに強制振動させている。すなわち、電磁弁のコイルへの供給電流量をオン・オフすることによって、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のコイルに発生する電磁力を増減させて電磁弁のバルブを所定の振動幅で強制振動させるように構成されている。
したがって、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って電磁弁のバルブに強制振動を与えることができるので、電磁弁のバルブリフト量が一定値となる運転状態が長期間継続した場合でも、電磁弁のバルブが固着することはない。
請求項4、請求項10及び請求項20に記載の発明によれば、デューティ比制御装置を、燃料噴射ポンプより吐出される燃料を内燃機関用燃料噴射弁を介して、内燃機関の気筒に向けて噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に適用している。より具体的には、燃料噴射ポンプのアクチュエータである電磁弁のコイルへの供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更するデューティ比制御装置(例えばエンジン制御ユニット(ECU)に内蔵されるコンピュータ等)に適用される。
請求項5に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁のコイルへの供給電流量を制御して電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更する。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更することで、燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積が調整される。これにより、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量が調量されるので、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量が最適値となるように制御される。
ここで、電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が小さい第1制御領域における制御周波数よりも、電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が大きい第2制御領域における制御周波数を高く設定したことにより、第2制御領域における電磁弁のバルブの振動幅が大きくなることを防ぐことができる。
したがって、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができるので、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のバルブリフト量に対応して変更される流体流量の制御性、すなわち、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量の調量性を向上させることができる。これに伴って、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量の制御性を向上させることができるので、内燃機関用燃料噴射弁の噴射量特性(燃料の噴射圧力、開弁時期、閉弁時期および燃料噴射量)を向上させることができる。
請求項6、請求項12及び請求項22に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、内燃機関の運転状態に対応して設定される目標電流量となるように電磁弁のコイルへの供給電流量が制御される。なお、目標電流量を、一制御周期当たり電磁弁のコイルに供給される供給電流量を平均化した平均電流量(平均電流値)、あるいは一制御周期当たり電磁弁のコイルに供給される供給電流量の中の最大電流値、あるいは一制御周期当たり電磁弁のコイルに供給される供給電流量の中の最小電流値としても良い。
請求項7に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁への供給電流量を制御して電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更し、電磁弁の内部を通過する流体流量を制御している。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のリフト量が連続的または段階的に変更されて、電磁弁の内部を通過する流体流量が制御されるように構成されている。
ここで、電磁弁のリフト量が小さい第1制御領域における電磁弁への供給電流量よりも、電磁弁のリフト量が大きい第2制御領域における電磁弁への供給電流量を大きく設定し、更に、第1制御領域における電磁弁の振動振幅を、第2制御領域における電磁弁の振動振幅と略同一となるように設定したことにより、第1制御領域と第2制御領域との間で電磁弁への供給電流量が可変(変更)され、各第1、第2制御領域における電磁弁の振動振幅が所定の振動幅で略一定にホールドされる。
したがって、電磁弁のリフト量を大きくする場合、あるいは電磁弁のリフト量を小さくする場合であっても、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を完全に小さく抑えることができるので、電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることができる。
また、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定した。その上、第1制御領域における制御周波数よりも、第2制御領域における制御周波数を高く設定したことにより、複数の第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を略一定としたまま、第1制御領域と第2制御領域との間でデューティ比制御の制御周波数が可変(変更)される。
これによって、請求項に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁のコイルへの供給電流量を制御して電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更する。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更することで、燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積が調整される。これにより、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量が調量されるので、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量が最適値となるように制御される。
ここで、電磁弁のバルブリフト量が小さい第1制御領域における電磁弁のコイルへの供給電流量よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい第2制御領域における電磁弁のコイルへの供給電流量を大きく設定し、更に、第1制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅を、第2制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅と略同一となるように設定したことにより、第1制御領域と第2制御領域との間で電磁弁のコイルへの供給電流量が可変(変更)され、各第1、第2制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅が所定の振動幅で略一定にホールドされる。
したがって、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を完全に小さく抑えることができるので、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のバルブリフト量に対応して変更される流体流量の制御性、すなわち、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量の調量性を向上させることができる。これに伴って、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量の制御性を向上させることができるので、内燃機関用燃料噴射弁の噴射量特性(燃料の噴射圧力、開弁時期、閉弁時期および燃料噴射量)を向上させることができる。
請求項13に記載の発明によれば、電磁弁のバルブリフト量および電磁弁への供給電流量が小さい第1制御領域から、電磁弁のバルブリフト量および電磁弁への供給電流量が大きい第2制御領域に移行する過渡時に、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁への供給電流量を、目標電流量に所定のオーバーシュート量を加えた電流量まで一時的にオーバーシュートさせる。
その後に、目標電流量に収束するように、デューティ比を可変することによって、電磁弁への供給電流量を制御することにより、第1制御領域から第2制御領域に移行する過渡時における流量制御の応答性を向上することができる。すなわち、第1制御領域から第2制御領域に移行する過渡時における燃料噴射ポンプへの燃料吸入量の制御応答性および燃料噴射ポンプからの燃料吐出量の制御応答性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁への供給電流量を制御して電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更し、電磁弁の内部を通過する流体流量を制御している。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のリフト量が連続的または段階的に変更されて、電磁弁の内部を通過する流体流量が制御されるように構成されている。
ここで、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を変更する場合に、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を連続的または段階的に可変することにより、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を大きくする場合、あるいは電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を小さくする場合であっても、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができる。
また、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を大きくする場合であっても、一制御周期当たりのオン時間が大きくならず、これに伴って電磁弁の振動振幅も大きくならず、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性が悪化することはない。
また、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を小さくする場合であっても、一制御周期当たりのオン時間がほぼ一定のため、電磁弁の振動振幅も過剰に小さくならず、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性が悪化することはない。
したがって、電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅を小さく抑えることができるので、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることができる。
請求項15に記載の発明によれば、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を連続的または段階的に大きくする場合に、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変することにより、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができる。
これによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項16に記載の発明によれば、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を連続的または段階的に大きくする場合に、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、最低周波数側から最高周波数側に向けて、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変することにより、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができる。
これによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項17に記載の発明によれば、電磁弁への供給電流量または電磁弁のリフト量を変更する場合に、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、最低周波数から最高周波数に至るまでの使用周波数範囲に渡って、デューティ比制御の制御周波数を連続的または段階的に可変することにより、電磁弁の振動振幅(の変化幅)を小さく抑えることができる。
これによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項21に記載の発明によれば、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合、デューティ比)を可変することによって、電磁弁のコイルへの供給電流量を制御して電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更する。すなわち、電磁弁への供給電流量をデューティ比制御することによって、電磁弁のバルブリフト量を連続的または段階的に変更することで、燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積が調整される。これにより、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量が調量されるので、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量が最適値となるように制御される。
したがって、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅を小さく抑えることができるので、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のバルブリフト量に対応して変更される流体流量の制御性、すなわち、燃料噴射ポンプへの燃料吸入量の調量性を向上させることができる。これに伴って、燃料噴射ポンプからの燃料吐出量の制御性を向上させることができるので、内燃機関用燃料噴射弁の噴射量特性(燃料の噴射圧力、開弁時期、閉弁時期および燃料噴射量)を向上させることができる。
こで、電磁弁として、電磁弁のバルブリフト量が最小のときにバルブ開口部の開口面積が最大となり、電磁弁のバルブリフト量が最大のときにバルブ開口部の開口面積が最小となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁を採用した場合には、コイルに発生する電磁力に応じて、バルブリフト量が全開位置から全閉位置に至るまで連続的に変化する
本発明を実施するための最良の形態は、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のバルブの振動振幅が変化するのを防止することで、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させるという目的を、電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が小さい第1制御領域における制御周波数よりも、電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が大きい第2制御領域における制御周波数を高く設定し、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定し、電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、摺動孔の軸線方向に移動してバルブ開口部の開口面積を変更すると共に、電磁弁への供給電流量が大きくなるに従ってバルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じてバルブ開口部に対するバルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、バルブ開口部は、電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることで実現した
た、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁の振動振幅が変化するのを防止することで、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させるという目的を、電磁弁のバルブリフト量が小さい第1制御領域における電磁弁のコイルへの供給電流量よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい第2制御領域における電磁弁のコイルへの供給電流量を大きく設定し、更に、第1制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅を、第2制御領域における電磁弁のバルブの振動振幅と略同一となるように設定し、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定すると共に、第1制御領域における制御周波数よりも、第2制御領域における制御周波数を高く設定し、電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、摺動孔の軸線方向に移動してバルブ開口部の開口面積を変更すると共に、電磁弁への供給電流量が大きくなるに従ってバルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じてバルブ開口部に対するバルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、バルブ開口部は、電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることで実現した
た、電磁弁の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁のバルブの振動振幅が変化するのを防止することで、電磁弁の内部を通過する流体流量の制御性を向上させるという目的を、電磁弁への供給電流量または電磁弁のバルブリフト量を変更する場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を連続的または段階的に可変する周波数可変手段を有し、電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、摺動孔の軸線方向に移動してバルブ開口部の開口面積を変更すると共に、電磁弁への供給電流量が大きくなるに従ってバルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じてバルブ開口部に対するバルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、バルブ開口部は、電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることで実現した。
[実施例1の構成]
図1〜図4は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムを示した図で、図2はサプライポンプを示した図で、図3はサプライポンプに組み込まれる電磁弁を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、自動車等の車両のエンジンルームに搭載されるもので、主として例えばディーゼルエンジン等の内燃機関(多気筒ディーゼルエンジン:以下エンジンと言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)である。
このコモンレール式燃料噴射システムは、図1および図2に示したように、燃料タンク1から低圧燃料を汲み上げる周知の構造のフィードポンプ2を内蔵したサプライポンプ(燃料噴射ポンプ、燃料供給ポンプ)3と、このサプライポンプ3の各吐出口(第1、第2吐出口)から高圧燃料が導入されるコモンレール4と、このコモンレール4の各燃料出口(第1〜第4燃料出口)から高圧燃料が分配供給される複数(本例では4個)のインジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁)5と、サプライポンプ3の電磁弁11および複数のインジェクタ5毎の各電磁弁12を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
そして、コモンレール式燃料噴射システムは、コモンレール4内に蓄圧された高圧燃料を、各インジェクタ5を介してエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。ここで、図1では、4気筒エンジンの1つの気筒に対応するインジェクタ5のみを示し、他の気筒については図示を省略している。ここで、エンジンの出力軸(例えばクランク軸:以下クランクシャフトと言う)は、サプライポンプ3のポンプ駆動軸(カムシャフト等)13をベルト駆動、もしくはギヤ駆動している。
サプライポンプ3は、燃料タンク1から低圧ポンプ配管14を経て吸入した低圧燃料を加圧する圧送系統を少なくとも2つ備え、つまりポンプエレメントを2気筒備え、1つの電磁弁11で、少なくとも2つの圧送系統の燃料吐出量を、フィードポンプ2から燃料吸入経路を経て各加圧室の内部に吸入される吸入燃料量を調量することで制御するタイプの高圧供給ポンプである。なお、フィードポンプ2、サプライポンプ3および電磁弁11の詳細構造は後述する。
コモンレール4は、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器であり、高圧ポンプ配管15を介してサプライポンプ3の各吐出口に接続されていると共に、複数のインジェクタ配管16を介して各インジェクタ5に接続されている。また、コモンレール4には、少なくとも1つのリークポートが設けられており、コモンレール4からのリーク燃料は、リリーフ配管17を経て燃料タンク1に戻される。
ここで、コモンレール4のリークポートには、ハウジング、バルブおよびコイルを有する減圧弁18が液密的に取り付けられている。この減圧弁18は、ECU10からコイルに供給される供給電流量に応じて開口面積が変更されるもので、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール4の内部圧力(所謂コモンレール圧力)を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁である。なお、減圧弁18の代わりに、リリーフ配管17にプレッシャリミッタを液密的に取り付けても良い。このプレッシャリミッタは、コモンレール4の内部圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール4の内部圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁である。
エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数のインジェクタ5は、コモンレール4より分岐する複数のインジェクタ配管16の燃料流方向の下流端に接続されて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁12等から構成された電磁式燃料噴射弁である。なお、電磁弁12は、ハウジング、バルブおよびコイルを有している。また、各インジェクタ5には、リークポートが設けられており、各インジェクタ5からのリーク燃料も、リリーフ配管17を経て燃料タンク1に戻される。
ここで、本実施例のフィードポンプ2は、エンジンのクランクシャフトの回転に伴ってポンプ駆動軸13が回転することで、燃料タンク1から低圧ポンプ配管14を経て低圧燃料を汲み上げる低圧供給ポンプである。なお、図2において、フィードポンプ2は、90度だけ展開された形で開示されている。また、低圧ポンプ配管14の途中には、燃料タンク1からフィードポンプ2に吸入される燃料中に含まれる不純物を濾過または捕捉するための燃料フィルタ19が設置されている。
そして、燃料フィルタ19で濾過された低圧燃料は、ポンプ駆動軸13が回転してフィードポンプ2が駆動されることで、低圧ポンプ配管14からスリーブニップルとスクリューよりなるインレット(燃料入口部)21、メッシュフィルタ22を経て燃料導入経路23内に導入されて、フィードポンプ2の吸入側に吸い込まれる。そして、フィードポンプ2は、吸入された低圧燃料を所定の燃料圧力に加圧して燃料吸入経路24を経て電磁弁11の入口部(燃料溜まり室25)内に送出する。
なお、本実施例のフィードポンプ2の近傍には、レギュレートバルブ26が設けられている。このレギュレートバルブ26は、フィードポンプ2から燃料吸入経路24を経て燃料溜まり室25内へ吐出される吐出圧力が所定の燃料圧力を超えないようにするための圧力調整弁である。また、電磁弁11より溢流した余剰燃料は、燃料還流経路27、メッシュフィルタ22、燃料導入経路23を経てフィードポンプ2の吸入側に戻される。また、フィードポンプ2より吐出される燃料の一部は、少なくとも2つの第1、第2ポンプエレメント等の各摺動部を潤滑した後に、スリーブニップルとスクリューよりなるアウトレット(燃料出口部、リークポート)29、リリーフ配管17を経て燃料タンク1に戻される。
本実施例のサプライポンプ3は、図2に示したように、ポンプハウジング30の図示上下端面に少なくとも2つの第1、第2シリンダヘッド31、32をそれぞれ固定している。2つの第1、第2シリンダヘッド31、32には、内部に摺動孔が形成された円筒状の第1、第2シリンダが設けられている。そして、2つの第1、第2シリンダ毎の各摺動孔内には、2つの第1、第2プランジャ33、34が摺動自在にそれぞれ収容されている。そして、第1シリンダヘッド31の図示上端側で開口した第1凹状部内には、第1吸入弁41が設置されている。また、第2シリンダヘッド32の図示下端側で開口した第2凹状部内には、第2吸入弁42が設置されている。
そして、第1シリンダヘッド31の図示上端側には、第1プランジャ室43が設けられている。この第1プランジャ室43は、第1シリンダヘッド31の第1シリンダの内壁面と第1プランジャ33の図示上端面と第1吸入弁41の図示下端面とで囲まれた燃料加圧室である。また、第2シリンダヘッド32の図示下端側には、第2プランジャ室44が設けられている。この第2プランジャ室44は、第2シリンダヘッド32の第2シリンダの内壁面と第2プランジャ34の図示下端面と第2吸入弁42の図示上端面とで囲まれた燃料加圧室である。
また、2つの第1、第2プランジャ室43、44は、フィードポンプ2から燃料吸入経路24を経て燃料溜まり室25内に流入し、その後に燃料溜まり室25から電磁弁11の内部を通過した後に、2つの第1、第2出口部35、36から2つの第1、第2燃料吸入経路37、38、2つの第1、第2吸入弁41、42を経て低圧燃料が流入するように構成されている。なお、本実施例では、第1シリンダヘッド31の第1シリンダと第1プランジャ33とによってサプライポンプ3の圧送系統(第1ポンプエレメント、第1高圧供給ポンプ)を構成し、また、第2シリンダヘッド32の第2シリンダと第2プランジャ34とによってサプライポンプ3の圧送系統(第2ポンプエレメント、第2高圧供給ポンプ)を構成している。
2つの第1、第2吸入弁41、42は、バルブシート、バルブおよびスプリングをそれぞれ有し、2つの第1、第2プランジャ室43、44から電磁弁方向への燃料の逆流を防止する逆止弁として機能するものである。これらの第1、第2吸入弁41、42の各バルブは、各バルブシート内の摺動孔に摺動自在に支持されており、2つの第1、第2プランジャ室43、44内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると閉弁する。
2つの第1、第2吸入弁41、42の各バルブは、通常状態では、それぞれスプリングの付勢力によって図示上下方向に付勢され、バルブシートのシート面に着座してバルブシートに形成された燃料孔を閉弁している。そして、電磁弁11から2つの第1、第2燃料吸入経路37、38を経て低圧燃料が流入すると、2つの第1、第2燃料吸入経路37、38内の燃料圧力でバルブが開弁し、2つの第1、第2プランジャ室43、44内に燃料が吸入される。燃料の加圧が開始されると、2つの第1、第2吸入弁41、42の各バルブは、2つの第1、第2プランジャ室43、44内の燃料圧力で閉弁し、燃料の圧送が終了するまでこの状態を保持する。
そして、ポンプハウジング30内には、エンジンのクランクシャフトと同期して回転駆動されるポンプ駆動軸13が挿通配置されており、ジャーナル軸受を介してポンプハウジング30に回転自在に支持されている。ポンプ駆動軸13の中間部外周には、エキセンカム45が一体的に形成されており、エキセンカム45を挟んで図示上下方向の対称位置に、2つの第1、第2プランジャ33、34が配置されている。エキセンカム45は、ポンプ駆動軸13の軸心に対して偏心して設けられ、円形状の断面を有している。そのエキセンカム45の外周には、外形形状が略四角形状のカムリング46が円環状のブッシュを介して摺動自在に保持されている。そのカムリング46の内部には、円形状の断面を有する中空部が形成されており、エキセンカム45およびブッシュが収容されている。
また、カムリング46の図示上下端面には、2つの第1、第2プランジャ33、34の各径大部が、2つの第1、第2プランジャ33、34の周囲を取り囲むように配設された2つの第1、第2コイルスプリング47、48の付勢力によって押し付けられている。この構成により、ポンプ駆動軸13と一体化されたエキセンカム45が回転すると、カムリング46が所定の円形経路に沿って公転し、2つの第1、第2プランジャ33、34の各径大部がカムリング46の図示上下端面上を往復摺動する。これに伴い、2つの第1、第2プランジャ33、34が2つの第1、第2シリンダの各摺動孔の摺動面を図示上下方向に往復摺動する。そして、2つの第1、第2プランジャ33、34の往復直線運動に伴って2つの第1、第2プランジャ室43、44の内容積が縮小と拡大とを繰り返す。これにより、2つの第1、第2プランジャ室43、44内に吸入された低圧燃料が加圧されて高圧化される。
そして、第1プランジャ室43内にて加圧された燃料は、第1吐出孔51、第1吐出弁52を経て第1燃料出口53に流入した後に、第1シリンダヘッド31に締め付け固定された第1スリーブニップル(第1配管継ぎ手)54内に形成される第1燃料圧送経路55を経て第1吐出口56より外部(高圧ポンプ配管15)に吐出される。また、第2プランジャ室44内にて加圧された燃料は、第2吐出孔、第2吐出弁を経て第2燃料出口(いずれも図示せず)に流入した後に、第2シリンダヘッド32に締め付け固定された第2スリーブニップル(第2配管継ぎ手:図示せず)内に形成される第2燃料圧送経路(図示せず)を経て第2吐出口(図示せず)より外部(高圧ポンプ配管15)に吐出される。
2つの第1、第2吐出弁52は、バルブおよびスプリングをそれぞれ有し、第1、第2燃料圧送経路側から第1、第2プランジャ室方向への燃料の逆流を防止する逆止弁として機能するものである。2つの第1、第2吐出弁52のバルブおよびスプリングは、各第1、第2燃料出口53に収容されている。そして、2つの第1、第2吐出弁52のバルブは、通常状態では、スプリングの付勢力によって図示右方向に付勢され、各第1、第2吐出孔51の開口周縁部(バルブシート)に着座して各第1、第2吐出孔51を閉弁している。また、2つの第1、第2吐出弁52のバルブは、各第1、第2プランジャ室43、44内の燃料圧力が所定値以上に上昇するとバルブシートより離座して各第1、第2吐出孔51を開弁する。
本実施例の電磁弁11は、フィードポンプ2から2つの第1、第2プランジャ室43、44に至るまでの1つの燃料吸入経路24および2つの第1、第2燃料吸入経路37、38の途中に設置されている。具体的には、燃料溜まり室25と2つの第1、第2出口部35、36との間に電磁弁11が設置されている。この電磁弁11は、図3に示したように、ポンプハウジング30に固定されたスリーブ状のバルブケース6と、このバルブケース6の内部を軸線方向に往復摺動可能に配設されたバルブ7と、このバルブ7を開弁方向に付勢するコイルスプリング(バルブ付勢手段)8とを備えている。
バルブケース6は、バルブ7を摺動可能に収容するシリンダ部(以下シリンダと呼ぶ)61と、磁路形成のためのステータ部(以下ステータコアと呼ぶ)62とを兼ね備えている。シリンダ61の内部には、バルブ7をその軸線方向(ストローク方向)に案内(誘導)するガイド部として機能するスプール孔63が形成されている。このスプール孔63の大部分(シリンダ61の内周面に相当する部分)は、バルブ7の摺動部が直接摺動する摺動孔としても機能している。
また、バルブケース6の図示左端部は、サプライポンプ3のポンプハウジング30の外壁面に設けられた嵌合凹部内に圧入嵌合されている。そして、ポンプハウジング30の嵌合凹部の内壁面とバルブケース6の図示左端部の外周面との間には、燃料の漏れを防止するためのOリング等のシール材64が装着されている。そして、バルブケース6のシリンダ61の図示左端部には、フィードポンプ2から燃料吸入経路24を経て低圧燃料が送り込まれる燃料溜まり室25に連通する入口側ポート65が形成されている。この入口側ポート65の近傍には、バルブ7のデフォルト位置(初期位置)を規定するための円環状のバルブストッパ66が圧入固定されている。
また、バルブケース6のシリンダ61の略中央部には、シリンダ61の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口した複数の出口側ポート(流体ポート、燃料通路)67が形成されている。これらの出口側ポート67は、2つの第1、第2燃料吸入経路37、38および2つの第1、第2吸入弁41、42を介して、2つの第1、第2プランジャ室43、44に連通する2つの第1、第2出口部35、36に向けて複数個(本例では4個)開口している。なお、複数の出口側ポート67は、バルブケース6のシリンダ61の周方向に等間隔で形成されている。
そして、出口側ポート67の入口側(バルブケース6の軸線方向に対して略直交する半径方向の内径側)は、出口側(バルブケース6の軸線方向に対して略直交する半径方向の外径側)に比べて流路径が小さくなっている。また、バルブケース6は、バルブ7の軸線方向の一端面と有底円筒状のステータコア62の底面との間にスプリング収容室(内部空間)68を形成している。なお、本実施例では、バルブケース6をステータコア62として機能させるために、その材質をフェライト系のステンレス鋼(SUS13)等の軟質磁性材料としている。
バルブ7は、円筒状(スリーブ状)のスプール型バルブであって、後述するコイル9に発生する電磁力(磁気吸引力)に対応して、バルブストッパ66の規制面に対する軸線方向の相対位置(バルブリフト量)が連続的に変化し、このバルブリフト量の変化に伴って出口側ポート67に対する軸線方向の相対位置が連続的に変更されて、出口側ポート67の通路開口断面積を連続的に変更するバルブ機能と、磁路形成のためのアーマチャ機能とを兼ね備えている。また、バルブ7は、その軸線方向に延びる円筒部を有し、且つこの円筒部の外周に摺動部(最大外径部)を有している。このバルブ7の摺動部の外周面は、バルブケース6のスプール孔63の孔壁面(シリンダ61の摺動面)に摺接する摺動面(円筒面)となっている。
そして、バルブ7は、バルブストッパ66によってデフォルト位置(出口側ポート67の全開位置)が規定されている。そして、バルブ7は、スプリング収容室68内に収容されたコイルスプリング8により常に開弁方向に付勢されている。このため、バルブ7は、先端がバルブストッパ66に当接する位置(デフォルト位置)で、バルブ7の開弁側の移動範囲が規定されている。ここで、本実施例のバルブ7は、このバルブリフト量が最小となるバルブ位置(デフォルト位置)を全開位置とし、バルブリフト量が最大となるバルブ位置(フルリフト位置)を全閉位置としたとき、図3に示したように、例えばエンジンの高負荷領域から低負荷領域に至るまでの範囲、つまりデフォルト位置(全開位置)からフルリフト位置(全閉位置)に至るまでの範囲(フルリフト量:x)で連続的に移動可能である。
また、バルブ7の図示右端部には、バルブケース6のステータコア62に所定のエアギャップを介して対向するように設けられた円筒状のアーマチャ69が一体的に形成されている。なお、本実施例では、バルブ7をアーマチャとして機能させるために、その材質を純鉄または低炭素鋼等の軟質磁性材料としている。そして、バルブ7の内部には、バルブ7を軸線方向に貫通してバルブ7の軸線方向の両端面を連通する貫通孔71、およびこの貫通孔71の途中から分岐して出口側ポート67近傍に向けて半径方向に真っ直ぐに延びる連通孔72が形成されている。
貫通孔71は、図示左側の径大孔の内径よりも図示右側の径小孔の内径の方が小さくなっており、バルブ7が軸線方向に移動する際にスプリング収容室68内の燃料を出し入れすることでバルブ7の移動がし易くなっている。連通孔72は、バルブ7の貫通孔71とバルブケース6の出口側ポート67とを連通する流体流路であって、バルブケース6の出口側ポート67に向けて4個開口している。
連通孔72の開口端(バルブ7の外周面で開口する開口端)には、バルブ7の摺動部間に形成される円環状の調量溝(環状流路、周方向溝)73が設けられている。この調量溝73は、バルブ7の周方向に設けられて、調量溝73よりも流路径の小さい連通孔72を介して貫通孔71に連通している。また、バルブ7の摺動部の外周面とバルブケース6のスプール孔63の孔壁面との間には、バルブケース6のスプール孔63内をバルブ7が軸線方向に摺動するのに必要な所定のクリアランスが設けられている。
本実施例の電磁弁11は、バルブ7をバルブケース6のスプール孔63の軸線方向に連続的に閉弁駆動(または開弁駆動)するバルブ駆動装置(電磁式アクチュエータ)を備えている。この電磁式アクチュエータは、通電によって磁力を発生するコイル9を含む電磁石によって構成されている。この電磁石は、バルブケース6の軸線方向の図示右端部に一体的に設けられた袋筒状のステータコア62を有している。なお、バルブケース6のステータコア62は、コイル9に駆動電力が供給されると磁化されて電磁石となり、バルブ7のアーマチャ69を吸引するための吸引部を有している。また、ステータコア62の吸引部に吸引されるアーマチャ(アーマチャ部、ムービングコア)69は、バルブ7の軸線方向の図示右端部に一体的に設けられている。
コイル9は、ステータコア62の円筒状部の外周に保持された樹脂製のコイルボビン74の外周に、絶縁被膜を施した導線を複数回巻装されており、駆動電力が供給されると磁気吸引力(電磁力)を発生するソレノイドコイルで、通電されると周囲に磁束を発生する。これにより、バルブケース6のステータコア62およびバルブ7のアーマチャ69が磁化されるため、アーマチャ69がステータコア62の吸引部に吸引されてストローク方向(軸線方向の図示右側)に移動する。
そして、コイル9は、コイルボビン74の一対の鍔状部間に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線(端末線)を有している。このコイル9の端末リード線には、ターミナル75が電気的に接続されている。また、電磁式アクチュエータは、ステータコア62の周囲を取り囲むように配設された有底円筒状のハウジング76を備えている。このハウジング76には、ターミナル75を保持する筒状のコネクタ77が液密的に結合されている。
そして、ハウジング76は、バルブケース6の外周側に形成された略円環状のフランジ部78にかしめ等の手段を用いて固定されている。このハウジング76の外周側に形成された略円環状のフランジ部79は、サプライポンプ3のポンプハウジング30の外壁面にスクリュー等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。そのフランジ部79には、締結具を挿通する挿通孔80が形成されている。
ここで、本実施例の電磁弁11は、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合:以下デューティ比と呼ぶ)を可変制御することによってコイル9に供給される供給電流量が制御されることにより、サプライポンプ3の加圧室内に吸入される燃料吸入量を調量するノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁式流量制御弁である。すなわち、電磁弁11は、ポンプ駆動回路を介してECU10からコイル9に供給される供給電流量の大きさに比例して、バルブリフト量を変更して、バルブケース6の出口側ポート67の通路断面積(バルブ7の開口面積)を調整する。
これにより、フィードポンプ2から各第1、第2プランジャ室43、44内に吸入される燃料吸入量が調量される。したがって、サプライポンプ3の各第1、第2吐出口56からコモンレール4内に吐出される燃料吐出量が、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転速度、アクセル操作量、指令噴射量等)に対応した最適値に調整され、インジェクタ5からエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当するコモンレール4内の燃料圧力が最適値に変更される。
ここで、ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、ポンプ駆動回路(電磁弁駆動回路)、減圧弁駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。このマイクロコンピュータの入力回路には、燃料圧力センサ(コモンレール圧力センサ、燃料圧力検出手段)95からの電圧信号や、その他の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に入力されるように構成されている。
具体的には、マイクロコンピュータの入力回路に、エンジンのクランクシャフトの回転角度を検出するためのクランク角度センサ91、アクセル開度(ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ92、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ93、およびサプライポンプ3内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ94等が接続されている。なお、ECU10は、クランク角度センサ91より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(NE)を検出する回転速度検出手段として働く。
また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、サプライポンプ3に組み込まれた電磁弁11のコイル9、および減圧弁18のコイル等を電子制御するように構成されている。そして、マイクロコンピュータの減圧弁駆動回路(または出力回路)には、減圧弁18のコイルが接続されている。また、マイクロコンピュータの出力回路には、インジェクタ駆動回路(EDU)96を介して、複数のインジェクタ5毎の各電磁弁12のコイルが接続されている。
そして、ECU10は、エンジンの運転状態に応じた最適な噴射時期、燃料噴射量を演算し、EDU96を介して、各電磁弁12のコイルへのインジェクタ駆動電流を制御する噴射量制御装置を備えている。この噴射量制御装置は、基本噴射量(Q)を演算によって求める第1噴射量決定手段、指令噴射量(QFIN)を演算によって求める第2噴射量決定手段、指令噴射時期(TFIN)を演算によって求める噴射時期決定手段、および指令噴射期間(TQ)を演算によって求める噴射期間決定手段を有し、EDU96を介して各インジェクタ5の電磁弁12のコイルへのインジェクタ駆動電流を制御している。
第1噴射量決定手段とは、クランク角度センサ91等の回転速度検出手段によって検出されたエンジン回転速度(NE)とアクセル開度センサ92によって検出されたアクセル開度(ACCP)とから基本噴射量(Q)を演算するものである。また、第2噴射量決定手段とは、第1噴射量決定手段によって求めた基本噴射量(Q)に、エンジン冷却水温(THW)や燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を演算するものである。
なお、指令噴射量(QFIN)を、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって決定しても良い。また、指令噴射量(QFIN)を、運転者のアクセル操作量から算出したドライバ要求トルクに基づいて求めても良い。
そして、噴射時期決定手段とは、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とから指令噴射時期(TFIN)を演算するものである。また、噴射期間決定手段とは、指令噴射量(QFIN)と燃料圧力センサ95によって検出されたコモンレール圧力(実燃料圧力:PC)とから指令噴射パルス時間(指令噴射期間:TQ)を演算するものである。
また、マイクロコンピュータの電磁弁駆動回路(または出力回路)には、サプライポンプ3に組み込まれた電磁弁11のコイル9が接続されている。そして、ECU10は、エンジンの運転状態に応じた最適な燃料噴射圧力を演算し、電磁弁駆動回路を介して、電磁弁11のコイル9への供給電流量を制御する燃料圧力制御装置(以下デューティ比制御装置と呼ぶ)を備えている。このデューティ比制御装置は、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とから目標コモンレール圧力(目標燃料圧力:PFIN)を演算する燃料圧力決定手段を有し、この目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、電磁弁11のコイル9への供給電流量を可変制御して、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44への燃料吸入量を調整し、サプライポンプ3からの燃料吐出量を制御するように構成されている。
ここで、好ましくは、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ95によって検出された実燃料圧力(PC)が目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、PID(比例積分微分)制御またはPI(比例積分)制御によって、サプライポンプ3からの燃料吐出量と相関関係を有する電磁弁11のコイル9への供給電流量をフィードバック制御することが望ましい。なお、電磁弁11のコイル9への供給電流量は、デューティ(DUTY)比制御により行うことが望ましい。
このデューティ比制御とは、制御周波数におけるデューティ比を可変することによって、電磁弁11のコイル9への供給電流量(電磁弁11のコイル9に印加するポンプ駆動電流の平均電流値)を可変制御するものである。マイクロコンピュータのCPUは、実燃料圧力(PC)と目標燃料圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に応じて目標電流量を演算によって求め、求めた目標電流量に応じたデューティ比を決定する。
そして、マイクロコンピュータの電磁弁駆動回路は、CPUで求めたデューティ比の制御信号(制御指令値)に基づいて、電磁弁11のコイル9のON/OFF制御を実施する。これにより、目標電流量に相当する供給電流量が電磁弁11のコイル9に供給されて、電磁弁11のバルブリフト量が調整される。したがって、高精度なデジタル制御が可能になり、目標燃料圧力(PFIN)に対する実燃料圧力(PC)の圧力制御性、追従性(制御応答性)および圧力安定性を改善することができる。なお、本実施例では、一制御周期当たりのオフ時間に対するオン時間の比が、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って0〜60%の範囲で変更される。
ここで、本実施例のサプライポンプ3の燃料調量弁として使用される電磁弁11は、図3および図4に示したように、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域(デフォルト位置からフルリフト位置に至るまでの領域:エンジンの全運転領域)に渡って、一制御周期で供給電流をオン・オフすることによって電磁弁11のコイル9が発生する電磁力を所定の範囲内で増減させることにより、電磁弁11のバルブリフト量を微小幅で変更し、電磁弁11のバルブ7が固着しないように電磁弁11のバルブ7に強制振動を与えている。
また、本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)が第1所定値よりも小さい第1制御領域(例えばエンジンの中・高負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数よりも、電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)が第2所定値よりも大きい第2制御領域(例えばエンジンのアイドル運転・低負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数を高く設定する周波数可変手段を有している。つまり、周波数可変手段は、第1制御領域における制御周期よりも第2制御領域における制御周期を短く設定している。
また、本実施例のECU10のデューティ比制御装置(周波数可変手段)は、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定している。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のサプライポンプ3の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
サプライポンプ3のポンプ駆動軸13がエンジンのクランクシャフトにベルト駆動されて回転すると、2つの第1、第2プランジャ33、34が、2つの第1、第2シリンダヘッド31、32の各第1、第2シリンダの摺動孔内を往復摺動する。
そして、例えば上死点に位置する一方の第1プランジャ33が下降すると、第1プランジャ室43内の圧力が低下し第1吸入弁41が開弁して、フィードポンプ2→燃料吸入経路24→燃料溜まり室25→電磁弁11の入口側ポート65→貫通孔71→連通孔72→調量溝73→出口側ポート67→第1出口部35→第1燃料吸入経路37→第1吸入弁41を経て第1プランジャ室43内に燃料が吸入される。
そして、第1プランジャ33が下死点に達した後に、再び上昇を開始すると、第1プランジャ室43内の圧力が昇圧され、第1吸入弁41が閉弁して、第1プランジャ室43内の圧力が更に上昇する。そして、第1プランジャ室43内の圧力が第1吐出弁52の開弁圧以上に上昇すると、第1吐出弁52が開弁する。そして、第1プランジャ室43内の燃料は、第1吐出孔51から第1吐出弁52→第1燃料出口53→第1燃料圧送経路55を経て第1吐出口56より吐出される。そして、第1吐出口56より吐出された燃料は、高圧ポンプ配管15を経てコモンレール4内に圧送供給される。
他方の第2プランジャ34も、上記の第1プランジャ33と同様に上死点と下死点との間を往復摺動することにより、他の第2プランジャ室44内の燃料は、第2吐出孔から第2吐出弁→第2燃料出口→第2燃料圧送経路を経て第2吐出口より吐出される。そして、第2吐出口より吐出された燃料は、高圧ポンプ配管15を経てコモンレール4内に圧送供給される。このように、サプライポンプ3は、ポンプ駆動軸13の1回転につき、吸入行程、圧送行程が2サイクル行われるように構成されている。そして、コモンレール4内に蓄圧された高圧燃料は、複数のインジェクタ5毎の各電磁弁12を任意の噴射時期に駆動することで、所定のタイミングで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内へ噴射供給することができる。
なお、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量は、ECU10によって電磁弁11のコイル9への供給電流量をデューティ比制御することにより、電磁弁11のバルブリフト量、すなわち、出口側ポート67の通路断面積、つまりバルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72(または調量溝73)との重なり面積(連通面積)を調整することによって、フィードポンプ2から電磁弁11の内部を通過して各第1、第2プランジャ室43、44内に吸入される燃料吸入量を調量することで制御される。
したがって、ECU10から電磁弁11のコイル9に供給される駆動電力(供給電流量)を、エンジン回転速度(NE)、アクセル開度(ACCP)および指令噴射量(Q)等に応じて電子制御することによって、ポンプ駆動回路を介して電磁弁11のコイル9への供給電流量の大きさに比例して、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44内に吸入される燃料吸入量が調量される。これにより、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量を制御することによって、エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数のインジェクタ5毎の各噴射孔からエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射される燃料の噴射圧力に相当するコモンレール圧力を、運転者の要求通り(例えばアクセル操作量:アクセル開度)に制御することが可能となる。
[実施例1の特徴]
本実施例のコモンレール式燃料噴射システムのサプライポンプ3に組み込まれた電磁弁11は、デューティ比制御によって電磁弁11のコイル9への供給電流量(通電電流量、駆動電力)を可変制御して電磁弁11のバルブリフト量を変更し、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡ってバルブ7が固着しないように、電磁弁11のコイル9への供給電流をオン・オフして電磁弁11のコイル9に発生する電磁力で強制振動させるようにしたスプール弁方式の燃料調量弁を採用している。この電磁弁11としては、コイル9への通電停止時に全開、つまり出口側ポート67の開口面積が最大、バルブリフト量が最小となるノーマリオープンタイプの電磁式流量制御弁が採用されている。
ここで、本実施例のECU10のデューティ比制御装置においては、上述したように、電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)が第1所定値よりも小さい第1制御領域(電磁弁11の低負荷領域、エンジンの中・高負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数よりも、電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)が第2所定値よりも大きい第2制御領域(電磁弁11の高負荷領域、エンジンのアイドル運転・低負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数を高く設定している。つまり、第1制御領域における制御周期よりも第2制御領域における制御周期を短く設定している。
また、本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定している。すなわち、本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って、2つの第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、CPUで求めたデューティ比の制御信号(制御指令値)に基づいて可変制御している(周波数可変手段)。
これにより、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って電磁弁11のコイル9への供給電流がオン・オフして電磁弁11のコイル9に発生する電磁力を増減させることが可能となり、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁11のバルブ7が固着しないように電磁弁11のバルブ7に強制振動を与えることが可能となる。この結果、電磁弁11のバルブリフト量が一定値となる運転状態(例えばエンジンのアイドル運転・低負荷領域、またはエンジンの中・高負荷領域)が長期間継続した場合でも、電磁弁11のバルブ7が固着することはない。
したがって、本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、2つの第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を可変(変更)することで、電磁弁11のコイル9に発生する電磁力を増減させる方式を採用している。この方式において、電磁弁11のバルブリフト量および電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)を大きくする場合では、電磁弁11のバルブ7の振動周波数が高くなる。そして、本実施例の電磁弁11のように、振動子(バルブ7)、コイルスプリング8、強制振動源(コイル9および直流電源)よりなる振動系の場合では、強制振動周波数が高くなると、振動子(バルブ7)の振動振幅は小さくなる。
すなわち、本実施例のECU10のデューティ比制御装置のように、第1制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数よりも、第2制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数を高く設定したことにより、2つの第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を略一定としたまま、第1制御領域と第2制御領域との間でデューティ比制御の制御周波数が可変(変更)される。
これによって、電磁弁11の制御領域を第1制御領域(電磁弁11の低負荷領域)から第2制御領域(電磁弁11の高負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁11のコイル9への供給電流量および電磁弁11のバルブリフト量を大きくする場合であっても、デューティ比が大きくならず、これに伴って電磁弁11のバルブ7の振動振幅も大きくならず、電磁弁11の内部を通過する燃料流量の制御性が悪化することはない。
また、電磁弁11の制御領域を第2制御領域(電磁弁11の高負荷領域)から第1制御領域(電磁弁11の低負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁11のコイル9への供給電流量および電磁弁11のバルブリフト量を小さくする場合であっても、オン時間が過剰に小さくならず、これに伴って電磁弁11のバルブ7の振動振幅も過剰に小さくならず、電磁弁11の内部を通過する燃料流量の制御性が悪化することはない。
したがって、電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量を大きくする場合、あるいは電磁弁11のバルブリフト量または電磁弁11のコイル9への供給電流量を小さくする場合であっても、電磁弁11のバルブ7の振動振幅の変化幅を小さく抑えることができるので、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁11の内部を通過する燃料流量の制御性を向上させることができる。すなわち、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44内への燃料吸入量の調量性を向上させることができる。これによって、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量の制御性を向上させることができるので、エンジンの各気筒毎に搭載された複数のインジェクタ5の噴射量特性(燃料の噴射圧力、開弁時期、閉弁時期および燃料噴射量)を向上させることができる。
図5および図6は本発明の実施例2を示したもので、図5はサプライポンプを示した図で、図6はサプライポンプに組み込まれた電磁弁を示した図である。
本実施例のコモンレール式燃料噴射システムのサプライポンプ3に組み込まれた電磁弁11としては、実施例1の電磁弁11とは異なり、コイル9への通電停止時に全閉、つまり出口側ポート67の開口面積が最小、バルブリフト量が最小となるノーマリクローズタイプ(常閉型)の電磁式流量制御弁が採用されている。この電磁弁11は、図6に示したように、燃料溜まり室25に連通する入口側ポート65、および2つの第1、第2出口部35、36に連通する複数個(本例では4個)の出口側ポート67を有するスリーブ状のバルブケース6と、このバルブケース6のスプール孔63内に往復摺動可能に収容されたスプール型のバルブ7と、このバルブ7を閉弁方向に付勢するコイルスプリング(バルブ付勢手段)8とを備えている。
ここで、電磁弁11のバルブケース6の図示左端部は、サプライポンプ3のポンプハウジング30の外壁面に設けられた嵌合凹部内に圧入嵌合されている。そして、ポンプハウジング30の嵌合凹部の内壁面とバルブケース6の外周面との間には、燃料の漏れを防止するためのOリング等のシール材64が装着されている。
また、本実施例の電磁弁11は、バルブ7をバルブケース6のスプール孔63の軸線方向に連続的に開弁駆動(または閉弁駆動)するバルブ駆動装置(電磁式アクチュエータ)を備えている。
この電磁式アクチュエータは、電磁弁11のコイル9の電磁力によって磁化されるステータコア101およびムービングコア102と、電磁弁11のバルブ7と連動して軸線方向に移動するプランジャ103と、ムービングコア102およびプランジャ103を往復移動自在に収容するハウジング104、105とを備えている。すなわち、ステータコア101は、シリンダ61を有するバルブケース6と別体で設けられている。また、ムービングコア102は、電磁弁11のバルブ7と別体で設けられている。
そして、ステータコア101の外周側に形成された円環状のフランジ部106は、ポンプハウジング30の外壁面にスクリュー107を用いて締め付け固定されている。また、ポンプハウジング30の外壁面とステータコア101のフランジ部106との間には、燃料の漏れを防止するためのOリング等のシール材109が装着されている。そして、電磁弁11のコイル9は、ステータコア101の円筒状部の外周およびハウジング104の円筒状部の内周に保持された樹脂製のコイルボビン74の外周に、絶縁被膜を施した導線を複数回巻装されている。また、ハウジング104には、ターミナル75を保持する筒状のコネクタ77が液密的に結合されている。
これにより、デューティ比制御の制御周波数を可変してコイル9への供給電流量(通電電流量、駆動電力)を可変制御してコイル9に発生する電磁力を増減させてバルブリフト量を変更すると、バルブケース6に形成された出口側ポート(燃料吸入経路、燃料通路)67の開口面積が調整される。そして、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44内への燃料吸入量が調量され、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量が最適化される。
ここで、本実施例のECU10のデューティ比制御装置においては、電磁弁11のバルブリフト量が第1所定値よりも小さい第1制御領域(例えばエンジンのアイドル運転・低負荷領域)における電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)よりも、電磁弁11のバルブリフト量が第2所定値よりも大きい第2制御領域(例えばエンジンの中・高負荷領域)における電磁弁11のコイル9への供給電流量(目標電流量)を大きく設定している。
また、本実施例のECU10のデューティ比制御装置においては、第1制御領域における電磁弁11のバルブ7の振動振幅を、第2制御領域における電磁弁11のバルブ7の振動振幅と略同一となるように設定している。これに伴って、各第1、第2制御領域における電磁弁11のバルブ7の振動振幅が所定の振動幅で略一定にホールドされる。
したがって、電磁弁11のバルブリフト量を大きくする場合、あるいは電磁弁11のバルブリフト量を小さくする場合であっても、電磁弁11のバルブ7の振動振幅の変化幅を完全に小さく抑えることができるので、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って、電磁弁11の内部を通過する流体流量の制御性を向上させることができる。すなわち、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44内への燃料吸入量の調量性を向上させることができる。これによって、サプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量の制御性を向上させることができるので、エンジンの各気筒毎に搭載された複数のインジェクタ5の噴射量特性(燃料の噴射圧力、開弁時期、閉弁時期および燃料噴射量)を向上させることができる。
また、本実施例のECU10のデューティ比制御装置においては、第1制御領域から第2制御領域に移行する過渡時に、デューティ比を可変することによって、電磁弁11のコイル9への供給電流量を、目標電流量に所定のオーバーシュート量を加えた電流量まで一時的にオーバーシュートさせる。
その後に、目標電流量に収束するように、デューティ比を可変することによって、電磁弁11のコイル9への供給電流量を制御することにより、第1制御領域から第2制御領域に移行する過渡時における流量制御の応答性を向上することができる。すなわち、第1制御領域から第2制御領域に移行する過渡時におけるサプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44内への燃料吸入量の制御応答性およびサプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からの燃料吐出量の制御応答性を向上させることができる。
ここで、目標電流量とは、各第1、第2制御領域における一制御周期当たり電磁弁11のコイル9に供給される供給電流量を平均化した平均電流量(平均電流値)である。
なお、本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、実施例1と同様に、第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定している。すなわち、デューティ比制御装置は、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域に渡って、2つの第1、第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を可変することで、電磁弁11のコイル9に発生する電磁力を増減させる方式を採用している。但し、電磁弁11のバルブリフト量が第1所定値よりも小さい第1制御領域(例えばエンジンのアイドル運転・低負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数よりも、電磁弁11のバルブリフト量が第2所定値よりも大きい第2制御領域(例えばエンジンの中・高負荷領域)におけるデューティ比制御の制御周波数を高く設定する。
図7は本発明の実施例3を示したもので、電磁弁のバルブリフト量とデューティ比制御の制御周波数との関係を示した特性図である。
本実施例のECU10のデューティ比制御装置は、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を変更する場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、CPUで求めたデューティ比の制御信号(制御指令値)に基づいて連続的または段階的に可変制御する周波数可変手段を有している。
この周波数可変手段は、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的または段階的に大きくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変する。逆に、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的または段階的に小さくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に低くなるように可変する。
なお、デューティ比制御の制御周波数を連続的に可変する場合には、電磁弁11のバルブリフト量に対する、デューティ比制御の制御周波数の変化特性が、直線状であっても、1箇所以上の屈曲点を有する2以上の直線状であっても、緩やかに(または急激に)円弧状に湾曲する曲線状であっても構わない。
ここで、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)が最小(デフォルト位置)の時におけるデューティ比制御の制御周波数を最低周波数(MIN)とし、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)が最大(フルリフト位置)の時におけるデューティ比制御の制御周波数を最高周波数(MAX)としたとき、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的(または段階的)に変更する場合、図7に示したように、最低周波数(MIN)から最高周波数(MAX)に至るまでの使用周波数範囲に渡って、デューティ比制御の制御周波数を連続的(または段階的)に可変するようにする。
また、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的(または段階的)に大きくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、最低周波数側から最高周波数側に向けて、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的(または段階的)に次第に高くなるように可変しても良い。逆に、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的または段階的に小さくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、最高周波数側から最低周波数側に向けて、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的(または段階的)に次第に低くなるように可変しても良い。
以上のように、本実施例のECU10のデューティ比制御装置(周波数可変手段)は、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図8は本発明の実施例4を示したもので、電磁弁供給電圧の変化を示したタイミングチャートである。
本実施例のECU10のデューティ比制御装置(周波数可変手段)は、電磁弁11の制御領域を第1制御領域(電磁弁11の低負荷領域)から第2制御領域(電磁弁11の高負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁11のコイル9への供給電流量および電磁弁11のバルブリフト量を大きくする場合、図8に示したように、第1制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数(A)から、第2制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数(F)に向けて、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的(または段階的)に次第に高くなるように可変している。
このとき、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)に対して、デューティ比制御の制御周波数は、デフォルト位置(ノーマリオープンタイプの場合には出口側ポート67の全開位置、ノーマリクローズタイプの場合には出口側ポート67の全閉位置)からのバルブリフト量が小さい順に連続的(または段階的)に高くなるように設定される。すなわち、電磁弁11の制御領域が第1制御領域から第2制御領域に切り替わる際に、デューティ比制御の制御周波数が、A<B<C<D<E<Fのように次第に高くなる。
逆に、電磁弁11の制御領域を第2制御領域(電磁弁11の高負荷領域)から第1制御領域(電磁弁11の低負荷領域)に切り替えるという目的で、電磁弁11のコイル9への供給電流量および電磁弁11のバルブリフト量を小さくする場合、第2制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数(F)から、第1制御領域におけるデューティ比制御の制御周波数(A)に向けて、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的(または段階的)に次第に低くなるように可変しても良い。
以上のように、本実施例のECU10のデューティ比制御装置(周波数可変手段)は、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図9ないし図12は本発明の実施例5を示したもので、図9はサプライポンプに組み込まれる電磁弁を示した図で、図10はノーマリオープンタイプのバルブ開口部形状を示した図である。
本実施例のコモンレール式燃料噴射システムのサプライポンプ3に組み込まれる電磁弁11としては、実施例1の電磁弁11と同様に、コイル9への通電停止時に全開、つまり出口側ポート67の開口面積が最大、バルブリフト量が最大となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁式流量制御弁が採用されている。この電磁弁11は、そのバルブリフト量が、エンジンの運転状態に合わせて、デフォルト位置(全開位置)から、フルリフト位置(全閉位置)に至るまでの範囲(フルリフト量)で連続的に変化するように構成されている。
バルブケース6のシリンダ61の略中央部には、シリンダ61(スプール孔63)の軸線方向に対して垂直な半径方向に開口した複数の出口側ポート(バルブ開口部)67が形成されている。また、スプール孔63内に摺動自在に支持されたスプール型のバルブ7の内部には、バルブ7を軸線方向に貫通してバルブ7の軸線方向の両端面を連通する貫通孔71、およびこの貫通孔71と出口側ポート67とを連通する4個の連通孔72が形成されている。
バルブケース6の出口側ポート67は、バルブ7がフルリフト位置(図11(c)参照)から中間位置(図11(b)参照)を経て、デフォルト位置(図11(a)参照)に向けて移動する際、つまり電磁弁11のバルブリフト量が小さくなるに従って順次開口面積が大きくなる第1〜第3開口部121〜123を有している。これらの第1〜第3開口部121〜123は、電磁弁11のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、電磁弁11のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、電磁弁11のバルブリフト量に対するバルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72との連通面積(出口側ポート67の開口面積)の変化が小さくなる形状に形成されている。
第1開口部121は、開口形状が長方形状で、エンジン出力大(エンジンの高負荷領域、高速回転域、加速時:図11(a)参照)から、エンジン出力中(エンジンの定常運転状態:図11(b)参照)を経て、エンジン出力小(エンジンの低負荷領域、低速回転域、アイドル運転時:図11(c)参照)に至るまでの全運転領域(範囲)に渡って、バルブ7の各連通孔72と連通する。なお、第1開口部121は、電磁弁11のバルブ7のストローク方向(軸線方向、バルブリフト方向)に細長い長方形状であるため、バルブ7がバルブケース6のシリンダ61の軸線方向に移動しても、バルブ7の各連通孔72とバルブケース6の各出口側ポート67とが連通する面積の変化は比較的に小さい。
第2開口部122は、開口形状が台形状で、エンジン出力大からエンジン出力中に至るまでの範囲に渡って、バルブ7の各連通孔72と連通する。なお、第2開口部122は、台形状であるため、バルブ7の軸線方向への移動量(バルブリフト量)に対する各連通孔72と連通する面積は2次関数的に変化(増減)する。すなわち、電磁弁11のバルブリフト量が大きくなる場合には、連通孔72と第2開口部122とが連通する面積が2次関数的に減少する。逆に、電磁弁11のバルブリフト量が小さくなる場合には、連通孔72と第2開口部122とが連通する面積が2次関数的に増大する。
第3開口部123は、開口形状が長方形状で、エンジン出力大の時のみ、バルブ7の各連通孔72と連通する。なお、第3開口部123は、第1開口部121よりも面積の広い長方形状であるため、バルブ7の軸線方向への移動量(バルブリフト量)に対する各連通孔72と連通する面積の変化は比例関係となる。すなわち、エンジン出力大のときには、電磁弁11のバルブリフト量に対する、連通孔72と第3開口部123との連通面積の変化量は一定である。
本実施例の電磁弁11においては、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転速度、アクセル操作量(アクセル開度)、指令噴射量(噴射量指令値))に対応して、サプライポンプ3より吐出される燃料吐出量(電磁弁11の内部を通過する燃料流量)が非線形的に変化する。特に、エンジンの低速回転域(低負荷領域、アイドル運転時)においては、図11(c)および図12(a)、(b)に示したように、電磁弁11のバルブリフト量がフルリフト量近傍(出口側ポート67の全閉位置近傍)となり、バルブケース6の出口側ポート67のうちの細長い長方形状の第1開口部121とバルブ7の連通孔72とが連通する。
このとき、低リフトから高リフトに切り替える際に、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を連続的に可変することで、電磁弁11のバルブ7の振動振幅が、低リフトと高リフトとの間で変化することなく、所定の振動幅で略一定にホールドされる。これによって、エンジンの低速回転域においても、電磁弁11のバルブ7の振動振幅を小さく抑えることができるので、バルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72との連通面積(出口側ポート67の開口面積)の変化量が小さくなる。
このため、エンジンの低速回転域(低負荷領域)の時(アイドル運転時)に、電磁弁11からサプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44に供給される燃料の流量(燃料吸入量)、およびサプライポンプ3の各第1、第2プランジャ室43、44からコモンレール4へ吐出される燃料の流量(燃料吐出量)の変化も小さくなる。したがって、エンジンの低速回転域(低負荷領域、アイドル運転時)において、電磁弁11の内部を通過する燃料流量、すなわち、サプライポンプ3より吐出される燃料の流量の制御性を向上させることができる。
ここで、エンジンのアイドル運転時(エンジン出力小、エンジンの低負荷領域、低速回転域)には、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射される燃料噴射量を高精度に制御して、エンジン回転速度を安定させるため、バルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72との連通面積(出口側ポート67の開口面積)を高精度に制御する必要がある。このとき、本実施例のようなノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁11では、アイドル運転時にバルブ7が高リフト(アイドル運転時のバルブ目標位置)となる。
この場合、従来の技術のように、デューティ比の制御周波数を一定としたまま、デューティ比のオフ時間に対するオン時間を長くとる方式では、図12(c)に示したように、電磁弁11のバルブリフト量が高リフト量である時に、電磁弁11のバルブ7の振動振幅が大きく(バルブ振幅大)なる。このため、アイドル運転時におけるバルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72との連通面積(出口側ポート67の開口面積)の高精度な制御が困難となるので、電磁弁11の内部を通過する燃料流量の制御性が悪化するという問題が生じる。
そこで、本実施例では、実施例5に示したように、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的または段階的に大きくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変することにより、図12(b)に示したように、電磁弁11のバルブリフト量が高リフト量であっても、電磁弁11のバルブ7の振動振幅を抑制する(バルブ振幅小)ことができる。
このため、アイドル運転時においても、バルブケース6の出口側ポート67とバルブ7の連通孔72との連通面積(出口側ポート67の開口面積)を高精度に制御できるので、電磁弁11の内部を通過する燃料流量の制御性が悪化することはない。したがって、本実施例のような、電磁弁11のバルブリフト量(または電磁弁11のコイル9への供給電流量)を連続的または段階的に大きくする場合、一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変する方式は、アイドル運転時に高リフトとなるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁11に非常に最適な制御方式となる。
[変形例]
本実施例では、ポンプ駆動軸13の回転中心軸線方向(軸方向)に対して直径方向に位置するように2つの第1、第2プランジャ33、34および2つの第1、第2プランジャ室(加圧室)43、44を設置したサプライポンプ3を用いたが、ポンプ駆動軸13の周方向に等間隔で3個以上のプランジャおよび加圧室を備えたサプライポンプを用いても良く、また、ポンプ駆動軸13の回転中心軸線方向(軸方向)に所定の間隔(例えば等間隔)で複数のプランジャが並列的に設置されたサプライポンプ(高圧供給ポンプ)を用いても良い。また、出口側ポート67を入口側ポートに変更し、入口側ポート65を出口側ポートに変更し、入口側ポートよりも上流側にフィードポンプ2から燃料が送り込まれる燃料溜まり室を形成し、出口側ポートよりも下流側に吸入弁を介して加圧室に連通する燃料吸入経路の後半部を構成する連通路を形成するようにしても良い。
本実施例では、デューティ比を可変することによって燃料調量弁として使用される電磁弁11のコイル9への供給電流量を制御しているが、デューティ比を可変することによって減圧弁18として使用される電磁弁のコイルへの供給電流量を制御しても良い。また、本発明のデューティ比制御装置を、燃料以外の潤滑油や作動油等のオイル、水等の液体、あるいは空気、排気ガス、排気再循環ガス等の気体の流量を調量する電磁式流量制御弁のコイルへの供給電流量を制御しても良い。また、電磁式流量制御弁の代わりに、少なくともバルブリフト量が2位置以上に変更される電磁式流路切替弁や電磁式流路開閉弁を用いても良い。
本実施例では、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域のうちの2つの第1、第2制御領域における電磁弁11のコイル9への供給電流量を可変制御するデューティ比制御を説明しているが、電磁弁11の全バルブリフト量制御領域を更に多数(3以上)の制御領域に細分化し、例えばエンジン負荷の変化度合い(運転者のアクセル操作量の変化量)に応じて切り替えられる2つの制御領域のうちの一方(電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が小さい方)を第1制御領域、また、2つの制御領域のうちの他方(電磁弁のコイルへの供給電流量または電磁弁のバルブリフト量が大きい方)を第2制御領域としても良い。
コモンレール式燃料噴射システムを示した概略構成図である(実施例1)。 サプライポンプを示した断面図である(実施例1)。 サプライポンプに組み込まれる電磁弁を示した断面図である(実施例1)。 第1制御領域から第2制御領域に移行する際の電磁弁のバルブリフト量およびデューティ比制御の制御周波数を示したタイミングチャートである(実施例1)。 サプライポンプを示した断面図である(実施例2)。 サプライポンプに組み込まれた電磁弁を示した断面図である(実施例2)。 電磁弁のバルブリフト量とデューティ比制御の制御周波数との関係を示した特性図である(実施例3)。 電磁弁供給電圧の変化を示したタイミングチャートである(実施例4)。 サプライポンプに組み込まれる電磁弁を示した断面図である(実施例5)。 図9のY視図である(実施例5)。 (a)〜(c)はバルブとバルブ開口部との位置関係を示した説明図である(実施例5)。 (a)〜(c)はアイドル運転時のバルブとバルブ開口部との位置関係を示した説明図である(実施例5、比較例)。 第1制御領域から第2制御領域に移行する際の電磁弁のバルブリフト量およびデューティ比制御の制御周波数を示したタイミングチャートである(従来の技術)。
符号の説明
1 燃料タンク
2 フィードポンプ(低圧供給ポンプ)
3 サプライポンプ(燃料噴射ポンプ、燃料供給ポンプ、高圧供給ポンプ)
4 コモンレール
5 インジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁)
6 電磁弁のバルブケース
7 電磁弁のバルブ
9 電磁弁のコイル
10 ECU(デューティ比制御装置、周波数可変手段、エンジン制御ユニット)
11 電磁弁(燃料調量弁)
24 燃料吸入経路(燃料通路)
37 第1燃料吸入経路(燃料通路)
38 第2燃料吸入経路(燃料通路)
61 バルブケースのシリンダ
63 バルブケースのスプール孔(摺動孔)
67 バルブケースの出口側ポート(バルブ開口部)
71 バルブの貫通孔
72 バルブの連通孔
73 バルブの調量溝
121 出口側ポートの第1開口部
122 出口側ポートの第2開口部
123 出口側ポートの第3開口部

Claims (22)

  1. 一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比を可変することによって電磁弁への供給電流量を制御して前記電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更するデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が小さい第1制御領域における制御周波数よりも、前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が大きい第2制御領域における制御周波数を高く設定し
    前記第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、前記第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定し、
    前記電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、前記摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、前記摺動孔の軸線方向に移動して前記バルブ開口部の開口面積を変更すると共に、前記供給電流量が大きくなるに従って前記バルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じて前記バルブ開口部に対する前記バルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、
    前記バルブ開口部は、前記電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、前記電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、前記電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  2. 請求項1に記載のデューティ比制御装置において、
    前記コイルは、通電によって磁力が発生するソレノイドコイルであって、
    前記電磁弁とは、前記コイルに発生する電磁力に応じて、バルブリフト量が全開位置から全閉位置に至るまで連続的に変化するノーマリオープンタイプの電磁弁のことであることを特徴とするデューティ比制御装置。
  3. 求項2に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、前記コイルに発生する電磁力を増減させて前記バルブに強制振動を与えることを特徴とするデューティ比制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のデューティ比制御装置において、
    内燃機関により駆動されて内部に吸入した燃料を加圧する燃料噴射ポンプを有し、
    この燃料噴射ポンプより吐出される燃料を内燃機関用燃料噴射弁を介して、前記内燃機関の気筒に向けて噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に適用されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  5. 求項4に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁とは、そのバルブリフト量に対応して前記燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積を調整することで、前記燃料噴射ポンプへの燃料吸入量を調量する燃料調量弁のことであることを特徴とするデューティ比制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のデューティ比制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定される目標電流量となるように、前記コイルへの供給電流量を制御することを特徴とするデューティ比制御装置。
  7. 一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比を可変することによって電磁弁への供給電流量を制御して前記電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更するデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁のリフト量が小さい第1制御領域における前記電磁弁への供給電流量よりも、前記電磁弁のリフト量が大きい第2制御領域における前記電磁弁への供給電流量を大きく設定すると共に、
    前記第1制御領域における前記電磁弁の振動振幅を、前記第2制御領域における前記電磁弁の振動振幅と略同一となるように設定し、
    前記第1制御領域における一制御周期当たりのオン時間を、前記第2制御領域における一制御周期当たりのオン時間と略同一となるように設定すると共に、
    前記第1制御領域における制御周波数よりも、前記第2制御領域における制御周波数を高く設定し、
    前記電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、前記摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、前記摺動孔の軸線方向に移動して前記バルブ開口部の開口面積を変更すると共に、前記供給電流量が大きくなるに従って前記バルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じて前記バルブ開口部に対する前記バルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、
    前記バルブ開口部は、前記電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、前記電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、前記電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  8. 請求項7に記載のデューティ比制御装置において、
    前記コイルは、通電によって磁力が発生するソレノイドコイルであって、
    前記電磁弁とは、前記コイルに発生する電磁力に応じて、バルブリフト量が全開位置から全閉位置に至るまで連続的に変化するノーマリオープンタイプの電磁弁のことであることを特徴とするデューティ比制御装置。
  9. 請求項8に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、前記コイルに発生する電磁力を増減させて前記バルブに強制振動を与えることを特徴とするデューティ比制御装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載のデューティ比制御装置において、
    内燃機関により駆動されて内部に吸入した燃料を加圧する燃料噴射ポンプを有し、
    この燃料噴射ポンプより吐出される燃料を内燃機関用燃料噴射弁を介して、前記内燃機関の気筒に向けて噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に適用されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  11. 請求項10に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁とは、そのバルブリフト量に対応して前記燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積を調整することで、前記燃料噴射ポンプへの燃料吸入量を調量する燃料調量弁のことであることを特徴とするデューティ比制御装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載のデューティ比制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定される目標電流量となるように、前記コイルへの供給電流量を制御することを特徴とするデューティ比制御装置。
  13. 請求項12に記載のデューティ比制御装置において、
    前記第1制御領域から前記第2制御領域に移行する過渡時には、
    前記電磁弁への供給電流量を、前記目標電流量に所定のオーバーシュート量を加えた電流量まで一時的にオーバーシュートさせ、
    その後に前記目標電流量に収束するように、前記電磁弁への供給電流量を制御することを特徴とするデューティ比制御装置。
  14. 一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比を可変することによって電磁弁への供給電流量を制御して前記電磁弁のリフト量を連続的または段階的に変更するデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量を変更する場合、
    前記一制御周期当たりのオン時間を一定としたまま、デューティ比制御の制御周波数を連続的または段階的に可変する周波数可変手段を有し、
    前記電磁弁は、軸線方向に延びる摺動孔、この摺動孔の軸線方向に対して略直交する半径方向に開口したバルブ開口部が形成された筒状のバルブケース、前記摺動孔の内部に摺動自在に支持されて、前記摺動孔の軸線方向に移動して前記バルブ開口部の開口面積を変更すると共に、前記供給電流量が大きくなるに従って前記バルブ開口部の開口面積を小さくするスプール型のバルブ、および電磁力に応じて前記バルブ開口部に対する前記バルブの軸線方向の相対位置を連続的または段階的に変更するコイルを有し、
    前記バルブ開口部は、前記電磁弁のバルブリフト量が小さい低リフト領域よりも、前記電磁弁のバルブリフト量が大きい高リフト領域の方が、前記電磁弁のバルブリフト量に対する開口面積の変化が小さくなる形状に形成されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  15. 請求項14に記載のデューティ比制御装置において、
    前記周波数可変手段は、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量を連続的または段階的に大きくする場合、
    前記デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変することを特徴とするデューティ比制御装置。
  16. 請求項14に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が最小のときの制御周波数を最低周波数とし、前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が最大のときの制御周波数を最高周波数としたとき、
    前記周波数可変手段は、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量を連続的または段階的に大きくする場合、
    前記最低周波数側から前記最高周波数側に向けて、前記デューティ比制御の制御周波数を、その制御周波数が連続的または段階的に次第に高くなるように可変することを特徴とするデューティ比制御装置。
  17. 請求項1に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が最小のときの制御周波数を最低周波数とし、前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量が最大のときの制御周波数を最高周波数としたとき、
    前記周波数可変手段は、
    前記電磁弁への供給電流量または前記電磁弁のリフト量を変更する場合、
    前記最低周波数から前記最高周波数に至るまでの使用周波数範囲に渡って、前記デューティ比制御の制御周波数を連続的または段階的に可変することを特徴とするデューティ比制御装置。
  18. 請求項14ないし請求項17のうちのいずれか1つに記載のデューティ比制御装置において、
    前記コイルは、通電によって磁力が発生するソレノイドコイルであって、
    前記電磁弁とは、前記コイルに発生する電磁力に応じて、バルブリフト量が全開位置から全閉位置に至るまで連続的に変化するノーマリオープンタイプの電磁弁のことであることを特徴とするデューティ比制御装置。
  19. 請求項18に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁の全リフト量制御領域に渡って、前記コイルに発生する電磁力を増減させて前記バルブに強制振動を与えることを特徴とするデューティ比制御装置。
  20. 請求項18または請求項19に記載のデューティ比制御装置において、
    内燃機関により駆動されて内部に吸入した燃料を加圧する燃料噴射ポンプを有し、
    この燃料噴射ポンプより吐出される燃料を内燃機関用燃料噴射弁を介して、前記内燃機関の気筒に向けて噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に適用されていることを特徴とするデューティ比制御装置。
  21. 請求項20に記載のデューティ比制御装置において、
    前記電磁弁は、そのバルブリフト量に対応して前記燃料噴射ポンプの吸入側の燃料通路の通路断面積を調整することで、前記燃料噴射ポンプへの燃料吸入量を調量する燃料調量弁であることを特徴とするデューティ比制御装置。
  22. 請求項20または請求項21に記載のデューティ比制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定される目標電流量となるように、前記コイルへの供給電流量を制御することを特徴とするデューティ比制御装置。
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