JP2011080443A - 吸入調量弁の制御装置および燃料噴射システム - Google Patents

吸入調量弁の制御装置および燃料噴射システム Download PDF

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Abstract

【課題】吸入調量弁の摺動性の低下を抑制する。
【解決手段】燃料供給ポンプ20に吸入される燃料量を調整する吸入調量弁21に駆動信号を出力し、駆動信号のデューティ比により吸入調量弁21の開度を制御する制御装置であって、吸入調量弁21の弁体213の摺動性が低下しているか否かを判定し、弁体213の摺動性が低下していないと判定した場合には駆動信号の駆動周波数を第1周波数に決定し、弁体213の摺動性が低下していると判定した場合には駆動周波数を第1周波数よりも低い第2周波数に決定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料供給ポンプの燃料吸入部に設けられる吸入調量弁を制御する制御装置および吸入調量弁を備える燃料噴射システムに関する。
従来、ディーゼルエンジン(内燃機関)の燃料噴射システムは、燃料の噴射圧に相当する高圧の燃料をコモンレール内に蓄圧するとともに、コモンレール内に蓄圧した高圧燃料を燃料噴射弁を介してエンジンに噴射供給する(例えば、特許文献1、2)。
この特許文献1、2の従来技術では、燃料噴射弁による燃料噴射が行われてコモンレール内の燃料圧(以下、コモンレール圧と言う。)が低下すると燃料供給ポンプからコモンレールに対して高圧燃料が吐出供給される。これにより、コモンレール内が所定の高圧状態で保持される。
燃料供給ポンプはエンジンの運転により回転駆動される構成となっており、エンジンの回転に同期してプランジャが往復動し、そのプランジャ往復動に伴い加圧室において燃料の加圧が行われる。
燃料供給ポンプの燃料吸入部には電磁駆動式の吸入調量弁が設けられており、その吸入調量弁の開度が操作されることにより燃料供給ポンプの燃料吸入量が制御される。その結果、燃料供給ポンプによる燃料吐出量が制御され、コモンレール圧が所望の圧力に制御される。
特許文献2の従来技術では、吸入調量弁は、燃料経路の開口面積を制御するための弁体をシリンダ内に摺動可能に収容した構成になっており、弁体が変位することにより燃料経路の開口面積が制御される。このとき、吸入調量弁に対して所定の駆動周波数(例えば250Hz程度)で駆動信号が出力され、その駆動信号のデューティ比が可変制御されることによりソレノイドの駆動電流(平均電流)が可変調整されて弁体の変位量(弁体リフト量)が調整される。
特開2007−100626号公報 特開2007−092655号公報
図5は、特許文献2の従来技術のごとく吸入調量弁を駆動信号で制御するもの(以下、検討例と言う。)において、目標コモンレール圧がステップ的に変化したときの実際のコモンレール圧(以下、実コモンレール圧と言う。)の挙動を示している。図5中、破線は目標コモンレール圧を示し、実線は実コモンレール圧Pcを示している。
目標コモンレール圧がステップ的に変化すると、実コモンレール圧Pcは目標コモンレール圧に対して一旦オーバーシュートした後に振動して徐々に収束するという挙動を示す。
図5中、応答時間は、実コモンレール圧Pcが目標コモンレール圧の90%に達するまでの時間であり、コモンレール圧制御の応答性を評価する指標として用いられる。図5中、安定時間は、実コモンレール圧Pcと目標コモンレール圧との偏差ΔPの振幅が所定圧力以下に収まるまでの時間であり、コモンレール圧制御の安定性を評価する指標として用いられる。
本発明者の検討によると、応答時間(応答性)および安定時間(安定性)は、吸入調量弁を制御する駆動信号の駆動周波数に対してトレードオフの関係にある。具体的には、駆動信号の駆動周波数が低いほど応答時間が短くなって応答性が向上する反面、安定時間が長くなって安定性が低下する。
これは、駆動信号の駆動周波数に応じて吸入調量弁の弁体が微振動することに起因する。このことを図6に基づいて詳しく説明する。図6は検討例における吸入調量弁の弁体の挙動を示している。図6(a)は駆動周波数が高い場合を示し、図6(b)は駆動周波数が低い場合を示している。図6(a)、(b)では、駆動信号のデューティ比を一定としている。
図6からわかるように、駆動信号の駆動周波数が低い場合には、駆動周波数が高い場合に比べて弁体の微振動の振幅が大きくなる。弁体の微振動の振幅が大きいと、弁体とシリンダとの間に油膜が形成されやすくなって弁体の摺動抵抗が低減されるので、弁体が動きやすくなる。換言すれば、弁体の微振動の振幅が大きいほど、弁体がシリンダに密着する現象(リンギング現象)を防止できる。その結果、上記応答時間が短くなって応答性が向上する。
その反面、弁体の微振動振幅が大きいほど、吸入調量弁の燃料経路における開口面積の変動量が大きくなるので、実コモンレール圧の変動量が大きくなってしまい、ひいては上記安定時間が長くなって安定性が損なわれてしまう。
そこで、このような応答性と安定性とのトレードオフにおいて駆動信号の駆動周波数を選択する必要がある。
ここで、弁体の摺動抵抗の程度は、吸入調量弁を流れる燃料の性状によって異なる。このため、使用される燃料の種類に応じて弁体の摺動抵抗を想定し、駆動信号の駆動周波数を選択する必要がある。
しかしながら、近年、バイオ燃料のような新しい燃料が使用されるようになり、燃料性状が多様化している。このため、従来の一般的な燃料の性状だけを考慮して駆動周波数を選択すると、性状の異なる新しい燃料を使用した場合には弁体の摺動抵抗が想定範囲を超えて大きくなってしまうので、弁体の摺動性が低下してしまい、ひいては応答性が低下してしまう。
本発明は上記点に鑑みて、吸入調量弁の摺動性の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料供給ポンプ(20)に吸入される燃料量を調整する吸入調量弁(21)に駆動信号を出力し、駆動信号のデューティ比により吸入調量弁(21)の開度を制御する制御装置であって、
吸入調量弁(21)の弁体(213)の摺動性が低下しているか否かを判定し、
弁体(213)の摺動性が低下していないと判定した場合には駆動信号の駆動周波数を第1周波数に決定し、
弁体(213)の摺動性が低下していると判定した場合には駆動周波数を第1周波数よりも低い第2周波数に決定することを特徴とする。
これによると、吸入調量弁21の摺動性が低下している場合には、吸入調量弁(21)の摺動性が低下していない場合よりも吸入調量弁(21)の駆動周波数を低くするので、弁体(213)の微振動の振幅を大きくすることができる。このため、弁体摺動部に油膜を形成して弁体(213)の摺動抵抗を低減することができるので、吸入調量弁(21)の摺動性の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の吸入調量弁の制御装置において、
燃料供給ポンプ(20)から圧送された燃料を蓄えるコモンレール(13)における燃料圧を実コモンレール圧とし、実コモンレール圧の目標値を目標コモンレール圧としたとき、
実コモンレール圧と目標コモンレール圧との偏差が所定圧力を超える状態が所定時間以上継続している場合に、吸入調量弁(21)の応答性が低下していると判定することを特徴とする。
これにより、吸入調量弁(21)の摺動性が低下しているか否かを的確に判定することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の吸入調量弁の制御装置において、第1周波数は200Hz以上であり、第2周波数は100Hz以上200Hz未満であることを特徴とする。これによると、応答性および安定性を確保できて好ましい。
請求項4に記載の発明では、燃料を圧送する燃料供給ポンプ(20)と、
燃料供給ポンプ(20)から圧送された燃料を蓄えるコモンレール(13)と、
コモンレール(13)に蓄えられた燃料を内燃機関(10)の燃焼室に噴射するインジェクタ(11)と、
燃料供給ポンプ(20)に吸入される燃料量を調整する吸入調量弁(21)と、
吸入調量弁(21)に駆動信号を出力し、駆動信号のデューティ比により吸入調量弁(21)の開度を制御する制御装置(30)とを備え、
制御装置(30)は、
吸入調量弁(21)の弁体(213)の摺動性が低下しているか否かを判定し、
弁体(213)の摺動性が低下していないと判定した場合には駆動信号の駆動周波数を第1周波数に決定し、
弁体(213)の摺動性が低下していると判定した場合には駆動周波数を第1周波数よりも低い第2周波数に決定することを特徴とする。
これによると、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるコモンレール式燃料噴射システムの概要を示す構成図である。 図1の吸入調量弁を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における吸入調量弁の開度制御を説明するフロー図である。 吸入調量弁を制御する駆動信号の駆動周波数を決定する処理を示すフローチャートである。 検討例における実コモンレール圧の挙動を説明するグラフである。 検討例における吸入調量弁の弁体の挙動を説明するグラフであり、(a)は駆動周波数が高い場合を示し、(b)は駆動周波数が低い場合を示している。
以下、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、本発明における吸入調量弁の制御装置を車両ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムに適用したものである。
図1はコモンレール式燃料噴射システムの概要を示す構成図である。多気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジンと言う。)10の各気筒には、電磁駆動式のインジェクタ11が設けられており、インジェクタ11からエンジン10の燃焼室に燃料が噴射される。
インジェクタ11は例えば三方電磁弁を用いた構成となっており、ノズルボデー内をノズルニードルが摺動することに伴い燃料が噴射される。各インジェクタ11は燃料伝送配管12を介して、共通のコモンレール13に接続されている。インジェクタ11の動作に伴って発生するリーク燃料は、リーク管14を介して燃料タンク15へ排出される。
コモンレール13には高圧燃料配管16を介して高圧ポンプ20が接続されている。高圧ポンプ20は、コモンレール13に燃料を供給する燃料供給ポンプを構成する。高圧ポンプ20の駆動に伴い、噴射圧相当の高圧燃料がコモンレール13に蓄えられて蓄圧される。
高圧ポンプ20は、エンジン10の回転に伴い駆動され、エンジン回転に同期して燃料の吸入及び吐出が繰り返し行われる。高圧ポンプ20の燃料吸入部には、電磁駆動式の吸入調量弁(SCV)21が配置されている。
吸入調量弁21は、低圧燃料配管22を介してフィードポンプ23に接続されており、高圧ポンプ20に吸入される燃料量を調整する。フィードポンプ23は燃料タンク15の燃料を汲み上げる。フィードポンプ23によって燃料タンク15から汲み上げられた低圧燃料は、吸入調量弁21を介して高圧ポンプ20の燃料圧送部に吸入される。
コモンレール13にはコモンレール圧センサ24と減圧弁25とが設けられている。コモンレール圧センサ24は、コモンレール13内の燃料圧(以下、コモンレール圧と言う。)を検出する。減圧弁25は、コモンレール圧が過剰に上昇したときに開いて圧力を逃がす働きをする。減圧弁25は、リーク管14に接続されており、減圧弁25が開くとコモンレール13内の燃料はリーク管14を介して燃料が燃料タンク15に排出される。ことにより減圧が行われるようになっている。減圧弁25としては、機械式の弁又は電磁駆動式の弁を用いることができる。
図1では、理解を容易にするために高圧ポンプ20、吸入調量弁21及びフィードポンプ23を区別して図示しているが、実際には高圧ポンプ20、吸入調量弁21及びフィードポンプ23は一体化されてポンプユニットを構成している。
図示を省略しているが、ポンプユニットのハウジング部材には低圧燃料経路と高圧燃料経路とが形成され、そのうち低圧燃料経路にフィードポンプ23及び吸入調量弁21が設けられている。そして、吸入調量弁21の開弁に伴い低圧燃料経路を介して供給される低圧燃料が高圧ポンプ20にて高圧化され、その高圧燃料が高圧燃料経路を介して吐出される。
図2は吸入調量弁21の具体的構成を示す断面図である。図2の例では、吸入調量弁21として、ソレノイド211の非通電時に全閉状態となるノーマリークローズ式のものが用いられている。すなわち、吸入調量弁21は、ソレノイド211への駆動電流が増加されると、フィードポンプ23から高圧ポンプ20へと燃料が流出する際の流路面積を増大させる。
吸入調量弁21は全体として円筒状に形成されたシリンダ212を有している。シリンダ212内には、その軸方向に摺動変位可能な弁体213が収容されている。弁体213は、シリンダ212の軸方向と平行な円柱状の外形を有している。弁体213はスプリング214の弾性力により軸方向の一方向(図2の右方向)に押圧されている。
弁体213内には、その軸方向に延びる燃料導入路215が形成されるとともに、その径方向に延びる複数の連通路216が形成されている。一方、シリンダ212には、その径方向に延びる複数の流路217が形成されている。弁体213の連通路216とシリンダ212の流路217との重合面積は、弁体213の変位位置によって調節されるようになっている。
燃料導入路215の一端部(図2では左端部)は、フィードポンプ23によって汲み上げられた低圧燃料の入口を構成している。弁体213の連通路216およびシリンダ212の流路217は、燃料導入路215に導入された低圧燃料が高圧ポンプ20へと流れる流路を構成している。
シリンダ212は、ソレノイド211を収容するハウジング218に組み付けられている。ハウジング218は、成型上の都合や組み付け作業上の都合により、複数個の部材に分割して形成されている。
ソレノイド211は、コネクタ219を介して制御装置(ECU)30により通電される。ソレノイド211が通電されると、ソレノイド211に生じる磁界により弁体213は軸方向の他方向(図2の左方向)に押圧される。このため、弁体213がスプリング214の弾性力に抗して変位し、連通路216と流路217との重合面積(流路217の流路面積)が増大する。換言すれば、吸入調量弁21の開度が増大する。
吸入調量弁21の開度は、ソレノイド211に対する目標電流値に応じて調節され、目標電流値が大きいほど開度が増加する。因みに図2は、吸入調量弁21の閉弁状態を示しており、この閉弁状態においては、シリンダ212の流路217と弁体213の連通路216とが連通していない。これに対し、吸入調量弁21の開弁状態では、シリンダ212の流路217と弁体213の連通路216とが連通し、これにより、燃料導入路215の入口から導入される低圧燃料は、連通路216と流路217とを介して高圧ポンプ20へと供給される。
ソレノイド211に対する通電は、所定の周波数の駆動信号の投入として行なわれ、この駆動信号のデューティ比(DUTY比)により、ソレノイド211に流れる電流の平均値(平均電流)が目標電流値に調節される。なお、デューティ比とは、駆動信号の1周期に対する駆動信号のオン時間の割合のことである。
ECU30はCPU、ROM、RAM、EEPROM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えた電子制御ユニットであり、ECU30には、コモンレール圧センサ24の検出信号の他、回転速度センサやアクセル開度センサなどの各種センサから検出信号が逐次入力される。そして、ECU30は、エンジン回転速度やアクセル開度等のエンジン運転情報に基づいて最適な燃料噴射量及び噴射時期を決定し、それに応じた噴射制御信号をインジェクタ11に出力する。これにより、エンジン10の各気筒においてインジェクタ11から燃焼室への燃料噴射が制御される。
また、ECU30は、エンジン10の運転状態に基づいてコモンレール13内の燃料圧(噴射圧)の目標値を算出するとともに、実際の燃料圧が目標燃料圧と一致するように高圧ポンプ20の燃料吐出量を制御する。この制御はPID制御の手法を用いた燃料圧フィードバック制御であり、実際の燃料圧が目標燃料圧に追従する形となる。PID制御は比例動作、積分動作及び微分動作による制御方法であり、燃料圧の偏差に基づいて、比例項、積分項及び微分項が算出される。燃料圧の偏差とは実際の燃料圧と目標燃料圧との差である。
実際には、燃料圧の偏差に基づいて高圧ポンプ20への燃料吐出量指令値を決定するとともにその燃料吐出量指令値を吸入調量弁21への指示電流値に変換する。そして、指示電流値に基づいて吸入調量弁21の開度を制御する。これにより、吸入調量弁21の開度が調節され、それに伴い高圧ポンプ20による燃料吐出量が調整される。
次に、ECU30による吸入調量弁21の開度制御について図3のフロー図に基づいて説明する。まず、インジェクタ11から噴射される噴射量とインジェクタ11からリークされるリーク量(静リーク量+動リーク量)とを加算して基本要求吐出量をフィードフォワード制御によって求める。ここで、リーク量は、コモンレール圧センサ24によって検出されるコモンレール圧等に基づいて推定することができる。
続いて、基本要求吐出量にフィードバックゲイン(F/Bゲイン)を加算する。ここで、F/Bゲインは、目標コモンレール圧と実コモンレール圧との差圧に基づいて、実コモンレール圧を目標コモンレール圧に収束させるためのフィードバック量(吐出量を補正するための比例値および積分値)である。
続いて、基本要求吐出量にF/Bゲインを加算した値をポンプ吐出制限量以下にし、この値に変換係数を乗算して吸入量を求める。ここで、変換係数は、エンジン回転数と目標コモンレール圧の関係から求められる高圧ポンプ20の吸入効率であり、予めECU30に記憶されたマップを参照して求められる。
続いて、予めECU30に記憶されたマップを参照して吸入量を通電電流目標値に変換する。このマップとしては、エンジン回転数と吸入量との関係から求められたものを用いることができる。
続いて、各種補正及びF/Bゲインを通電電流目標値に加算して電流目標最終値を算出する。各種補正は、バッテリ電圧や温度等に基づく通電電流値の補正量であり、予めECU30に記憶されたマップを参照して求められる。F/Bゲインは、目標コモンレール圧と実コモンレール圧との差圧に基づいて、実コモンレール圧を目標コモンレール圧に収束させるためのフィードバック量(通電電流値を補正するための比例値および積分値)である。
続いて、図4のフローチャートによって決定された駆動周波数に基づいて、予めECU30に記憶されたマップを参照して電流目標最終値を駆動デューティ(デューティ比)に変換する。本例では、ECU30には2つのマップが記憶されており、この2つのマップのうちいずれか1つのマップが、図4のフローチャートによって決定された駆動周波数に応じて用いられる。
すなわち、図4のフローチャートによって駆動周波数が第1周波数(本例では200Hz)に決定された場合には第1のマップが用いられ、第2周波数(本例では150Hz)に決定された場合には第2のマップが用いられる。
そして、駆動デューティに各種補正を加算して、吸入調量弁21に出力する最終駆動デューティを求める。ここでの各種補正は、目標コモンレール圧と実コモンレール圧との差圧に基づいて、実コモンレール圧を目標コモンレール圧に収束させるためのフィードバック量(駆動デューティを補正するための比例値および積分値)である。
次に、図4のフローチャートによる駆動周波数の決定処理について説明する。図4のフローチャートは、図3に示す吸入調量弁21の開度制御に対するサブルーチンとして実行される。
まず、ステップS100では、吸入調量弁21の弁体213の摺動性(以下、吸入調量弁21の摺動性と言う。)が低下しているか否かを判定する。具体的には、実コモンレール圧と目標コモンレール圧との偏差が所定圧力(本例では10MPa)を超える状態が所定時間(本例では3秒)以上継続しているか否かを判定する。
ステップS100でNO判定の場合、吸入調量弁21の摺動性が低下しておらず実コモンレール圧の追従性が低下していないと判断し、ステップS110に進み、駆動周波数を通常の周波数である第1周波数(本例では200Hz)に決定する。第1周波数は、上記従来技術で用いられていた駆動周波数に相当するものであり、従来の一般的な燃料が使用されるという想定のもとで応答性と安定性とのトレードオフにおいて選択された駆動周波数である。
一方、ステップS100でYES判定の場合、吸入調量弁21の摺動性が低下して実コモンレール圧の圧力追従性が低下していると判断し、ステップS120に進み、駆動周波数を通常の第1周波数よりも低い第2周波数(本例では150Hz)に決定する。
上述の図6に示すように、吸入調量弁21の駆動周波数を低くすると弁体213の微振動の振幅が大きくなるので、弁体213とシリンダ212との間に油膜が形成されやすくなって弁体213の摺動抵抗が低減される。このため、吸入調量弁21の摺動性が改善される。
このように吸入調量弁21の摺動性が改善されると、ステップS100における吸入調量弁21の摺動性が低下しているか否かの判定がNO判定になるので、ステップS120にて駆動周波数が通常の周波数である第1周波数に決定される。
本実施形態によると、通常時には吸入調量弁21の駆動周波数を、上記従来技術と同様の第1周波数にするので、従来の一般的な燃料が使用されている場合等、吸入調量弁21の摺動性が良好である場合に吸入調量弁21の開度を正常に制御してコモンレール圧制御の応答性と安定性とを確保することができる。
そして、バイオ燃料のような性状の異なる燃料が使用されたり弁体213がシリンダ212に密着したりして吸入調量弁21の摺動性が低下した場合には吸入調量弁21の駆動周波数を通常時よりも低い第2周波数にするので、弁体213の微振動の振幅を大きくして弁体213とシリンダ212との間に油膜を形成して弁体213の摺動抵抗を低減することができる。このため、吸入調量弁21の摺動性の低下を抑制することができる。
また、実コモンレール圧と目標コモンレール圧との偏差が所定圧力を超える状態が所定時間以上継続している場合に吸入調量弁21の摺動性が低下していると判定するので、吸入調量弁21の摺動性が低下しているか否かを的確に判定することができる。
なお、第1周波数は200Hz以上にし、第2周波数は100Hz以上200Hz未満にすれば、第1周波数が決定された場合のみならず第2周波数が決定された場合にもコモンレール圧制御の応答性および安定性を確保できて好ましい。
(他の実施形態)
なお、上記一実施形態では、吸入調量弁21はノーマリークローズ式であるが、吸入調量弁21はノーマリーオープン式であってもよい。
また、上記一実施形態では、実コモンレール圧と目標コモンレール圧との偏差が所定圧力を超える状態が所定時間以上継続している場合に吸入調量弁21の摺動性が低下していると判定するが、これに限定されるものではなく、摺動性低下の判定条件として種々の条件を用いることができる。例えば、吸入調量弁21を通過して高圧ポンプ20に吸入される燃料量に基づいて、吸入調量弁21の摺動性が低下しているか否かを判定してもよい。
また、上記一実施形態は、吸入調量弁21への指示電流値を決定する方法の一例を示したものに過ぎず、これに限定されるものではなく、吸入調量弁21への指示電流値を決定する方法として種々の方法を用いることができる。
また、上記一実施形態では、本発明の吸入調量弁の制御装置を車両ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムに適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の吸入調量弁の制御装置は、種々の内燃機関の燃料噴射システムに広く適用可能である。
10 内燃機関
11 インジェクタ
13 コモンレール
20 燃料供給ポンプ
21 吸入調量弁
30 ECU(制御装置)
213 弁体

Claims (4)

  1. 燃料供給ポンプ(20)に吸入される燃料量を調整する吸入調量弁(21)に駆動信号を出力し、前記駆動信号のデューティ比により前記吸入調量弁(21)の開度を制御する制御装置であって、
    前記吸入調量弁(21)の弁体(213)の摺動性が低下しているか否かを判定し、
    前記弁体(213)の摺動性が低下していないと判定した場合には前記駆動信号の駆動周波数を第1周波数に決定し、
    前記弁体(213)の摺動性が低下していると判定した場合には前記駆動周波数を前記第1周波数よりも低い第2周波数に決定することを特徴とする吸入調量弁の制御装置。
  2. 前記燃料供給ポンプ(20)から圧送された燃料を蓄えるコモンレール(13)における燃料圧を実コモンレール圧とし、前記実コモンレール圧の目標値を目標コモンレール圧としたとき、
    前記実コモンレール圧と前記目標コモンレール圧との偏差が所定圧力を超える状態が所定時間以上継続している場合に、前記吸入調量弁(21)の応答性が低下していると判定することを特徴とする請求項1に記載の吸入調量弁の制御装置。
  3. 前記第1周波数は200Hz以上であり、前記第2周波数は100Hz以上200Hz未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸入調量弁の制御装置。
  4. 燃料を圧送する燃料供給ポンプ(20)と、
    前記燃料供給ポンプ(20)から圧送された前記燃料を蓄えるコモンレール(13)と、
    前記コモンレール(13)に蓄えられた前記燃料を内燃機関(10)の燃焼室に噴射するインジェクタ(11)と、
    前記燃料供給ポンプ(20)に吸入される燃料量を調整する吸入調量弁(21)と、
    前記吸入調量弁(21)に駆動信号を出力し、前記駆動信号のデューティ比により前記吸入調量弁(21)の開度を制御する制御装置(30)とを備え、
    前記制御装置(30)は、
    前記吸入調量弁(21)の弁体(213)の摺動性が低下しているか否かを判定し、
    前記弁体(213)の摺動性が低下していないと判定した場合には前記駆動信号の駆動周波数を第1周波数に決定し、
    前記弁体(213)の摺動性が低下していると判定した場合には前記駆動周波数を前記第1周波数よりも低い第2周波数に決定することを特徴とする燃料噴射システム。
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