JP2007032454A - 内燃機関の燃料系統の制御装置 - Google Patents

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崇智 石井
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Abstract

【課題】 複数の高圧燃料ポンプの個体差により吐出特性が異っても脈動を抑制する。
【解決手段】 エンジンECUは、ポンプAの実際の吐出量Q(A)およびポンプBの実際の吐出量Q(B)を算出するステップ(S100)と、ポンプAの燃圧変動分ΔP(A)およびポンプBの燃圧変動分ΔP(B)とを算出するステップ(S110、S120)と、燃圧のバラツキが大きいと(S130にてYES)、燃圧変動の平均値ΔP(AV)を算出するステップ(S140)と、ΔP(AV)を用いてポンプAの吐出量補正分ΔQ(A)を算出するステップ(S150)と、ΔQ(A)に基づいて新たな指示吐出量Q'(A)を算出するステップ(S160)と、ΔP(AV)を用いてポンプBの吐出量補正分ΔQ(B)を算出するステップ(S170)と、ΔQ(B)に基づいて新たな指示吐出量Q'(B)を算出するステップ(S180)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、筒内に向けて高圧で燃料を噴射する燃料噴射手段(筒内噴射用インジェクタ)を備えた内燃機関またはこの燃料噴射手段に加えて吸気通路または吸気ポート内に向けて燃料を噴射する燃料噴射手段(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えた内燃機関の高圧燃料系統の制御装置に関し、特に、複数の高圧燃料ポンプを備えた高圧燃料系統を制御する技術に関する。
ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備え、エンジンの回転数や内燃機関の負荷に応じて、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで燃料を噴き分けるエンジンが公知である。また、ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)のみを備える直噴エンジンも公知である。筒内噴射用インジェクタを含む高圧燃料系統においては、高圧燃料ポンプで圧力が高められた燃料がデリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタに供給され、筒内噴射用インジェクタは、内燃機関の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
また、コモンレール式燃料噴射系統を有するディーゼルエンジンも公知である。このコモンレール式燃料噴射系統においては、高圧燃料ポンプで圧力が高められた燃料をコモンレールに蓄えておき、電磁弁の開閉によりコモンレールからディーゼルエンジンの各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
このような高圧燃料を発生させるために、内燃機関のクランクシャフトに連結されたドライブシャフトに設けられたカムによりシリンダを駆動する高圧燃料ポンプが用いられる。高圧燃料ポンプは、カムの回転によりシリンダ内で往復移動するポンププランジャーと、シリンダとポンププランジャーとにより構成される加圧室とを備えている。この加圧室には、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと連通するポンプ供給パイプ、加圧室から燃料を流出させて燃料タンクに戻すリターンパイプおよび加圧室内の燃料を筒内噴射用インジェクタに向けて圧送する高圧デリバリパイプがそれぞれ接続されている。また、高圧燃料ポンプには、ポンプ供給パイプおよび高圧デリバリパイプと加圧室との間を開閉する電磁スピル弁が設けられている。
電磁スピル弁が開いた状態にあって、加圧室の容積が大きくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが吸入行程にあるとき、ポンプ供給パイプから加圧室内に燃料が吸入される。また、加圧室の容積が小さくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが圧送行程にあるときに電磁スピル弁を閉じると、ポンプ供給パイプおよびリターンパイプと加圧室との間が遮断され、加圧室内の燃料が高圧デリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタに圧送される。
このような高圧燃料ポンプにおいては、圧送行程中における電磁スピル弁の閉弁期間中のみ筒内噴射用インジェクタに向けて燃料が圧送されるため、電磁スピル弁の閉弁開始時期を制御することで(電磁スピル弁の閉弁期間を調整することで)燃料圧送量が調整されるようになる。すなわち、電磁スピル弁の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすることで燃料圧送量が多くなり、電磁スピル弁の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすることで燃料圧送量が少なくなる。燃料圧送量が多くなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が上昇して、燃料圧送量が少なくなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下する。
このように、フィードポンプから送り出された燃料を高圧燃料ポンプで加圧し、この加圧後の燃料を適切な燃料圧力で筒内噴射用インジェクタに向けて圧送することで、燃焼室に直接燃料を噴射供給する内燃機関にあっても、その燃料噴射を的確に行なうことができる。
このような高圧燃料ポンプは、1個のプランジャが吸入行程と吐出行程とを繰り返す運動をするために高圧燃料ポンプの吐出圧は脈動しているから、高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力(燃圧)は高圧燃料ポンプの吐出脈動に応じて変動する。したがって、筒内噴射用インジェクタからシリンダ内へ噴射される燃料の噴射量は、高圧デリバリパイプ内の燃圧が高い時に多くなり、燃圧が低い時に少なくなる。このようにシリンダ内へ噴射される燃料の噴射量が燃圧の変動に応じて変化すると、エンジントルクも変動し、エミッションの悪化等も発生するという問題が生じる。
特に、V型8気筒のような多気筒内燃機関において、左右のバンクに対応して1本ずつ設けられた2本の高圧デリバリパイプにそれぞれ高圧燃料ポンプを設けて、それら2つの高圧燃料ポンプによって燃料を各高圧デリバリパイプへ供給するようにした燃料噴射装置においては、たとえば2つの高圧燃料ポンプの吐出タイミングをずらして、それら2つの高圧燃料ポンプが発生する吐出脈動が相互に打ち消し合うように構成することによって、燃圧の変動を低減させることができる。しかしながら、このような構成では、配管系に固有の共振周波数と、高圧ポンプの吐出脈動の周波数やその高次成分の周波数とが一致した時には共振が発生してデリバリパイプ内の燃圧の変動が増大し、それによって燃料の噴射量が変動して、やはりエンジントルクも変動し、エミッションの悪化等の発生を招くという問題がある。
特開2002−295337号公報(特許文献1)は、高圧燃料ポンプの吐出脈動と、燃料噴射装置の共振周波数との同期による燃料噴射量の変動を防止してエンジンの出力変動を防止する燃料噴射装置を開示する。この燃料噴射装置は、第1の高圧燃料ポンプおよび第2の高圧燃料ポンプと、それぞれ複数個の燃料噴射弁を備える管体として形成され、第1の高圧燃料ポンプおよび第2の高圧燃料ポンプから吐出される燃料を複数個の燃料噴射弁へ分配して内燃機関内へ噴射させるために設けられた第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプと、第1の高圧燃料ポンプおよび第2の高圧燃料ポンプを、それぞれ第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプの一端部に接続する第1の高圧配管および第2の高圧配管と、第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプの一端部に近い部分どうしを接続する第1の連結パイプと、第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプの他端部に近い部分どうしを接続する第2の連結パイプとを備える。
この燃料噴射装置によると、第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプと、それらの一端部に近い部分どうしを接続する第1の連結パイプと、他端部に近い部分どうしを接続する第2の連結パイプとを備えており、それらが1つの閉じたループを形成することから、第1の高圧燃料ポンプまたは第2の高圧燃料ポンプと1つの燃料噴射弁とを接続する燃料供給経路に大きな容積が介在することになるので、この大きな容積が第1の高圧燃料ポンプおよび第2の高圧燃料ポンプの吐出脈動を吸収する結果、デリバリパイプ内と燃料噴射弁の入口における燃圧変動が減少する。また、第1の高圧燃料ポンプおよび第2の高圧燃料ポンプの吐出脈動が逆位相になるように設定した場合は、一方のデリバリパイプ内の燃圧変動と他方のデリバリパイプ内の燃圧変動が2本の連結パイプを介して相互に干渉することにより、大きな変動成分が相殺される。それによって、第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプ内ではいずれも燃圧変動が小さくなり、燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量が安定して、エンジントルクの変動の問題が解消する。
特開2002−295337号公報
特許文献1に開示された燃料噴射装置においては、2台の高圧燃料ポンプの特性が同じであると想定して、高圧燃料ポンプの吐出脈動が逆位相になるように設定した場合に変動成分を相殺している。しかしながら、現実の高圧燃料ポンプは、全く同じ特性を有するものではないことのほうが多く、むしろ個体差により吐出特性が異なることの方が多い。このような個体差を想定していない特許文献1の燃料噴射装置では正確に脈動を抑制することが困難になる場合があり得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の燃料ポンプを用いて高圧燃料系統を形成する場合であって、その燃料ポンプの個体差により吐出特性が異なる場合であっても、燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制することができる、内燃機関の燃料系統の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、燃料噴射手段に接続された燃料配管内に向けて燃料を吐出する2台以上の燃料ポンプを備えた内燃機関の燃料系統を制御する。この制御装置は、各燃料ポンプの個体差に起因する吐出特性を記憶するための記憶手段と、燃料ポンプの吐出量を制御するための制御手段とを含む。この制御手段は、各燃料ポンプの吐出特性に基づいて、各燃料ポンプの吐出量を補正するための補正手段を含む。
第1の発明によると、補正手段が、記憶手段に記憶された各燃料ポンプの吐出特性に基づいて、各燃料ポンプの吐出量を補正する。このため、同じ仕様であっても個体差により吐出特性が異なる場合であっても(一般的にはこのような場合が多い)、その個体差に起因して発生する燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制するように制御することができる。その結果、複数の燃料ポンプの個体差により吐出特性が異なる場合であっても、燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制することができる、内燃機関の燃料系統の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、補正手段は、各燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出して、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が小さくなるように、各燃料ポンプに対して補正された吐出量を算出するための手段を含む。
第2の発明によると、各燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出する。その各圧力変動値を用いて2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が小さくなるような補正された吐出量が各燃料ポンプに対して算出される。たとえば、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値の平均値を算出して、その平均値に近付けるような補正された吐出量が算出される。このため、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値を小さくすることができる。
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、補正手段は、各燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出して、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が平均値に近づくように、各燃料ポンプに対して補正された吐出量を算出するための手段を含む。
第3の発明によると、各燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出する。その各圧力変動値を用いて2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が小さくなるような補正された吐出量が各燃料ポンプに対して算出される。このとき、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値の平均値を算出して、その平均値に近付けるような補正された吐出量が算出される。このため、2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値を小さくすることができる。
第4の発明に係る制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、燃料ポンプは、内燃機関により駆動され、制御手段は、燃料ポンプに備えられた電磁弁を閉じるタイミングを制御することにより吐出量を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、電磁弁が開いた状態にあって、燃料ポンプの加圧室の容積が大きくなる方向に燃料ポンプのプランジャーが移動するとき(すなわち燃料ポンプが吸入行程にあるとき)ポンプ供給パイプから加圧室内に燃料が吸入される。加圧室の容積が小さくなる方向にポンププランジャーが移動するとき(すなわち燃料ポンプが圧送行程にあるとき)電磁弁を閉じると、ポンプ供給パイプと加圧室との間が遮断され、加圧室内の燃料が燃料ポンプから吐出される。このような燃料ポンプにおける電磁弁を閉じるタイミングを制御して吐出量を制御する燃料ポンプを2台以上備えた燃料系統における燃料圧力の脈動を抑制することができる。
第5の発明に係る制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、内燃機関は、V型の内燃機関であって、各バンクに燃料ポンプが配置された内燃機関である。
第5の発明によると、V型内燃機関の各バンクに設けられた1台ずつの燃料ポンプの個体差に起因する燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制することができる。
第6の発明に係る制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、燃料噴射手段は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段であって、内燃機関は、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段をさらに含む。
第6の発明によると、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段のみを有する内燃機関のみならず、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段および吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段を有する内燃機関において、第1の燃料噴射手段に燃料を供給する複数の燃料ポンプの個体差により吐出特性が異なる場合であっても、燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制することができる。
第7の発明に係る制御装置においては、第6の発明の構成に加えて、第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである。
第7の発明によると、第1の燃料噴射手段である筒内噴射用インジェクタと第2の燃料噴射手段である吸気通路噴射用インジェクタとを別個に設けて噴射燃料を分担する内燃機関において、筒内噴射用インジェクタに燃料を供給する複数の燃料ポンプの個体差により吐出特性が異なる場合であっても、燃料配管内の燃料圧力の脈動を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU(Electronic Control Unit)で制御されるエンジンの燃料供給システム10を示す。このエンジンは、V型8気筒のガソリンエンジンであって、各気筒の筒内に燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタ110と、各気筒の吸気通路に燃料を噴射する吸気通路噴射用インジェクタ120とを有する。なお、本発明はこのようなエンジンに限定されて適用されるものではなく、他の形式のガソリンエンジン(筒内噴射用インジェクタ110のみを有するエンジン)や、コモンレール式ディーゼルエンジンであってもよい。さらに、高圧燃料ポンプは2台に限定されないで、2台以上であればよい。
図1に示すように、この燃料供給システム10は、燃料タンクに設けられ、低圧(プレッシャーレギュレータ圧力である400kPa程度)の吐出圧で燃料を供給するフィードポンプ100と、第1のカム210により駆動される第1の高圧燃料ポンプA200(以下、単に「高圧燃料ポンプA200」と記載する)と、第1のカム210とは吐出の位相が90゜異なる第2のカム310により駆動される第2の高圧燃料ポンプB300(以下、単に「高圧燃料ポンプB300」と記載する)と、筒内噴射用インジェクタ110に高圧燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた高圧デリバリパイプ112と、高圧デリバリパイプ112に設けられた左右のバンク各4個ずつの筒内噴射用インジェクタ110と、吸気通路噴射用インジェクタ120に燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた低圧デリバリパイプ122と、低圧デリバリパイプ122に設けられた左右のバンク各4個ずつの吸気通路噴射用インジェクタ120とを含む。なお、第1のカム210の位相と第2のカム310の位相とは同位相であってもよい。以下においては、図1に示すように、第1のカム210の位相と第2のカム310の位相とは、90゜ずれているとして説明する。
燃料タンクのフィードポンプ100の吐出口は、低圧供給パイプ400に接続され、低圧供給パイプ400は、第1の低圧デリバリ連通パイプ410とポンプ供給パイプ420とに分岐する。第1の低圧デリバリ連通パイプ410は、V型バンクの片方のバンクの低圧デリバリパイプ122との分岐点より下流側で、第2の低圧デリバリ連通パイプ430となり、もう片方のバンクの低圧デリバリパイプ122に接続されている。
ポンプ供給パイプ420は、高圧燃料ポンプA200および高圧燃料ポンプB300の入り口にそれぞれ接続される。高圧燃料ポンプA200の入り口の手前には、第1のパルセーションダンパー220が、高圧燃料ポンプB300の入り口の手前には、第2のパルセーションダンパー320が、それぞれ設けられ、燃料脈動の低減を図っている。
高圧燃料ポンプA200の吐出口は、第1の高圧デリバリ連通パイプ500に接続され、第1の高圧デリバリ連通パイプ500は、V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。高圧燃料ポンプB300の吐出口は、第2の高圧デリバリ連通パイプ510に接続され、第2の高圧デリバリ連通パイプ510は、V型バンクのもう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112ともう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により接続される。
高圧デリバリパイプ112に設けられたリリーフバルブ114は、高圧デリバリリターンパイプ610を介して高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプA200および高圧燃料ポンプB300のリターン口は、高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプリターンパイプ600は、リターンパイプ620およびリターンパイプ630に接続され、燃料タンクに接続される。
図2に、図1の高圧燃料ポンプA200付近の拡大図を示す。上述したように、高圧燃料ポンプB300も高圧燃料ポンプA200と同様の構成を有する。高圧燃料ポンプB300の第2のカム310の位相は、高圧燃料ポンプA200の第1のカム210の位相と90゜異なる。これにより、吐出タイミングの位相をずらして脈動の発生を抑制している。また、高圧燃料ポンプA200と高圧燃料ポンプB300の仕様は、同じであるが、高圧燃料ポンプA200の吐出特性および高圧燃料ポンプB300の吐出特性は(仕様上同じであるが)、それぞれの個体差により異なる。なお、以下においては、仕様上同じであるので高圧燃料ポンプA200について説明し、高圧燃料ポンプB300についての説明は繰り返さない。
高圧燃料ポンプA200は、カム210で駆動され上下に摺動するポンププランジャー206と、電磁スピル弁202とリーク機能付きチェックバルブ204とを主な構成部品としている。
カム210によりポンププランジャー206が下方向に移動しているときであって電磁スピル弁202が開いているときに燃料が導入され(吸い込まれ)、カム210によりポンププランジャー206が上方向に移動しているときに電磁スピル弁202を閉じるタイミングを変更して、高圧燃料ポンプA200から吐出される燃料量を制御する。ポンププランジャー206が上方向に移動している加圧行程中における電磁スピル弁202を閉じる時期が早いほど多くの燃料が吐出され、遅いほど少ない燃料が吐出される。この最も多く吐出される場合の電磁スピル弁202の駆動デューティを100%とし、この最も少なく吐出される場合の電磁スピル弁202の駆動デューティを0%としている。電磁スピル弁202の駆動デューティが0%の場合には、電磁スピル弁202は閉じることなく開いたままの状態になり、第1のカム210が回転している限り(エンジンが回転している限り)ポンププランジャー206は上下方向に摺動するが、電磁スピル弁202が閉じないので、燃料は加圧されない。
加圧された燃料は、リーク機能付きチェックバルブ204(設定圧60kPa程度)を押し開けて第1の高圧デリバリ連通パイプ500を介して高圧デリバリパイプ112へ圧送される。このとき、高圧デリバリパイプ112に設けられた燃圧センサにより燃圧がフィードバック制御される。また、前述の通り、V型の一方のバンクの高圧デリバリパイプ112と他方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により連通している。
リーク機能付きチェックバルブ204は、通常のチェックバルブ204に細孔を設けたものであって、常時その細孔は開いている。このため、第1の高圧デリバリ連通パイプ500内の燃料の圧力よりも高圧燃料ポンプA200(ポンププランジャー206)側の燃料の圧力が低くなると(たとえば電磁スピル弁202が開いたまま、エンジンが停止してカム210が停止)、この細孔を通って第1の高圧デリバリ連通パイプ500内の高圧燃料が高圧燃料ポンプA200側に戻ってきて高圧デリバリ連通パイプ500および高圧デリバリパイプ112内の燃料の圧力が低下する。これにより、たとえば、エンジン停止時には高圧デリバリパイプ112内の燃料が高圧でなくなり、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料漏れを回避できる。
高圧燃料ポンプA200のフィードバック制御に用いられる制御量は、実際の燃料圧力と目標値との偏差に応じて更新される積分項、および実際の燃料圧力と目標値との偏差を「0」にすべく増減する比例項等から算出される。この制御量が大きくなると高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量が増加して燃料圧力が高くなり、逆に制御量が小さくなると高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量が低下して燃料圧力が低くなる。
実際の燃料圧力が目標値よりも過度に高くなると、積分項および比例項がともに小さくなって実際の燃料圧力を目標値まで低下させようとする。しかし、燃料圧力を低下させることは時間がかかるため、実際の燃料圧力を目標値まで低下させる間に積分項が過度に小さくなってしまう。このように積分項が小さくなり過ぎると、実際の燃料圧力が目標値に達した後に、燃料圧力を目標値に維持することができず、燃料圧力がさらに低下していわゆるアンダーシュートが生じる。
さらに詳しくは、エンジンECUは、最終燃料噴射量に基づき筒内噴射用インジェクタ110を駆動制御し、筒内噴射用インジェクタ110から噴射される燃料の量を制御する。こうした筒内噴射用インジェクタ110から噴射される燃料の量(燃料噴射量)は、高圧デリバリパイプ112内の燃料圧力(燃圧)と燃料噴射時間によって定まるため、燃料噴射量を適正にするためには燃圧を適正な値に維持する必要がある。従って、エンジンECUは、燃圧センサからの検出信号に基づき求められる燃圧がエンジン運転状態に応じて設定される目標燃圧P(0)に近づくよう、高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量をフィードバック制御して燃圧Pを適正値に維持する。なお、高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量は、後述するデューティ比DTに基づき電磁スピル弁の閉弁期間(閉弁開始時期)を調整することによってフィードバック制御されることは上述した通りである。
ここで、高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量(電磁スピル弁202の閉弁開始時期)を制御するための制御量であるデューティ比DTについて説明する。このデューティ比DTは、0〜100%という値の間で変化する値であって、電磁スピル弁202の閉弁期間に対応するカム210のカム角度に関係した値である。すなわち、このカム角度に関して、電磁スピル弁202の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)を「θ(0)」とし、同閉弁期間の目標値に対応するカム角度(目標カム角度)を「θ」とすると、デューティ比DTは、最大カム角度θ(0)に対する目標カム角度θの割合を示すものということになる。従って、デューティ比DTは、目標とする電磁スピル弁202の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値とされ、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値とされるようになる。
デューティ比DTが100%に近づくほど、デューティ比DTに基づき調整される電磁スピル弁202の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁202の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量が増加して燃圧Pが上昇するようになる。また、デューティ比DTが0%に近づくほど、デューティ比DTに基づき調整される電磁スピル弁202の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁202の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプA200の燃料吐出量が減少して燃圧Pが低下するようになる。
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプA200の実際の吐出量Q(A)および高圧燃料ポンプB300の実際の吐出量Q(B)をそれぞれ算出する。このとき、エンジンECU内のメモリに記憶されたマップが用いられる。
図4に示すように、指示吐出量Qと、基準となる仕様上の吐出性能マップ(図4の真中の曲線)とに基づいて、電磁スピル弁を閉じるタイミングがt(0)と算出される。このタイミングt(0)に対応するデューティ比DTが算出される。しかしながら、高圧燃料ポンプA200と高圧燃料ポンプB300とでは、個体差により、その吐出特性が異なる。
図4に示すように、同じタイミングt(0)で電磁スピル弁を閉弁しても、高圧燃料ポンプA200の方が高圧燃料ポンプB300よりも多くの燃料を吐出する。すなわち、指示吐出量Qに対する電磁スピル弁の閉弁タイミングがt(0)と算出され、そのタイミングt(0)で電磁スピル弁を閉弁すると、高圧燃料ポンプA200は、実際の吐出量としてQ(A)だけ(ここでQ<Q(A)とする)燃料を吐出する。一方、高圧燃料ポンプB300は、実際の吐出量としてQ(B)だけ(ここでQ>Q(B)とする)燃料を吐出する(すなわち、Q(B)<Q<Q(A))。
S110にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプA200の燃圧変動分ΔP(A)を算出する。このとき、
ΔP(A)=K・Q(A)/V … (1)
により燃圧変動分ΔP(A)が算出される。
S120にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプB300の燃圧変動分ΔP(B)を算出する。このとき、
ΔP(B)=K・Q(B)/V … (2)
により燃圧変動分ΔP(A)が算出される。
なお、式(1)および式(2)において、Kは燃料の体積弾性係数、Vは高圧デリバリ配管の容積である。
ここで、Q(B)<Q<Q(A)であるので、ΔP(A)>ΔP(B)となる。このように、2台の高圧燃料ポンプの実際の吐出量が異なると、図5に示すように、高圧デリバリパイプ112内の燃圧の変化が大きなものになる(すなわち、燃圧のバラツキが大きいことになる)。
S130にて、エンジンECUは、高圧デリバリパイプ112内の燃圧のバラツキが大きいか否かを判断する。このとき、エンジンECUは、S110およびS120にて算出された、高圧燃料ポンプA200の燃圧変動分ΔP(A)および高圧燃料ポンプB300の燃圧変動分ΔP(B)に基づいて、燃圧のバラツキが大きいか否かを判断する。また、高圧デリバリパイプ112に設けられた燃圧センサが検知した燃圧の時間変化に基づいて、燃圧のバラツキが大きいか否かを判断するようにしてもよい。燃圧のバラツキが大きいと(S130にてYES)、処理はS140へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、この処理は終了する。
S140にて、エンジンECUは、燃圧変動平均値ΔP(AV)を算出する。このとき、燃圧変動平均値ΔP(AV)は、
ΔP(AV)=(ΔP(A)+ΔP(B))/2 … (3)
により算出される。
S150にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプA200の吐出量補正分ΔQ(A)を算出する。このとき、吐出量補正分ΔQ(A)は、
ΔQ(A)=(ΔP(AV)−ΔP(A))・V/K … (4)
により算出される。なお、この式(4)は、
ΔQ(A)=(ΔP(B)−ΔP(A))/2・V/K … (5)
と変形できる。図5に示すようにΔP(A)>ΔP(B)であるので、(ΔP(B)−ΔP(A))<0になり、ΔQ(A)<0となる。
S160にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプA200についての新たな指示吐出量Q'(A)を算出する。このとき、新たな指示吐出量Q'(A)は、
Q'(A)=Q+ΔQ(A) … (6)
により算出される。なお、ΔQ(A)<0であるので、Q'(A)<Qとなる。すなわち、高圧燃料ポンプA200についての新たな指示吐出量Q'(A)は、元の指示吐出量Qよりも小さい。
S170にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプB300の吐出量補正分ΔQ(B)を算出する。このとき、吐出量補正分ΔQ(B)は、
ΔQ(B)=(ΔP(AV)−ΔP(B))・V/K … (7)
により算出される。なお、この式(7)は、
ΔQ(B)=(ΔP(A)−ΔP(B))/2・V/K
と変形できる。図5に示すようにΔP(A)>ΔP(B)であるので、(ΔP(A)−ΔP(B))>0になり、ΔQ(B)>0となる。
S180にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプB300についての新たな指示吐出量Q'(B)を算出する。このとき、新たな指示吐出量Q'(B)は、
Q'(B)=Q+ΔQ(B) … (8)
により算出される。なお、ΔQ(B)>0であるので、Q'(B)>Qとなる。すなわち、高圧燃料ポンプB300についての新たな指示吐出量Q'(B)は、元の指示吐出量Qよりも大きい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUにより制御される高圧燃料配管系の動作について説明する。
図4にその吐出性能マップを有する、2つの高圧燃料ポンプA200および高圧燃料ポンプB300とが作動中において、吐出性能マップに基づいて、高圧燃料ポンプA200の燃圧変動分ΔP(A)を、式(1)のΔP(A)=K・Q(A)/Vにより、高圧燃料ポンプBの燃圧変動分ΔP(B)を、式(2)のΔP(B)=K・Q(B)/Vにより、それぞれ算出する(S110、S120)。
高圧デリバリパイプ112内の燃圧の変化が大きく燃圧のバラツキが大きいと(S130にてYES)、高圧燃料ポンプA200および高圧燃料ポンプB300の燃圧変動を平均した、燃圧変動平均値ΔP(AV)を、式(3)のΔP(AV)=(ΔP(A)+ΔP(B))/2により算出する(S140)。
<高圧燃料ポンプA200について>
燃圧変動平均値ΔP(AV)と高圧燃料ポンプA200の吐出量Q(A)との差(ΔP(AV)−ΔP(A))を用いて、高圧燃料ポンプA200において低下させるべき燃料吐出量ΔQ(A)を、式(4)のΔQ(A)=(ΔP(AV)−ΔP(A))・V/Kにより算出する(S150)。さらに、高圧燃料ポンプA200についての新たな指示吐出量Q'(A)を、式(6)のQ'(A)=Q+ΔQ(A)により算出する(S160)。
この状態を図6に示す。図6に示すように、高圧燃料ポンプA200は、吐出性能マップ(仕様)に比べて過大な吐出性能を有する。このため、指示吐出圧Qに対応するタイミングt(0)で電磁スピル弁を閉弁しても、実際の吐出量はQ(A)となり、Qを上回る。このため、図5に示すように大きく燃圧を上昇させる。このため、2台の高圧燃料ポンプの圧力脈動が最小(平均値)になるように、高圧燃料ポンプA200については吐出量補正分ΔQ(A)(<0)を算出する(図6の「ΔQ(A)だけ低下」に対応)。さらに、高圧燃料ポンプA200についての新たな指示吐出量Q'(A)がQ+ΔQ(A)により算出される。なお、ΔQ(A)<0であるので、Q'(A)<Qとなり、図6に示すように最初の指示吐出量QからΔQ(A)だけ低下した、新たな指示吐出量Q'(A)が算出され、その新たな指示吐出量Q'(A)に対応する電磁スピル弁の閉弁タイミングt(A)で電磁スピル弁が閉弁される。
<高圧燃料ポンプB300について>
燃圧変動平均値ΔP(AV)と高圧燃料ポンプB300の吐出量Q(B)との差(ΔP(AV)−ΔP(B))を用いて、高圧燃料ポンプB300において上昇させるべき燃料吐出量ΔQ(B)を、式(7)のΔQ(B)=(ΔP(AV)−ΔP(B))・V/Kにより算出する(S170)。さらに、高圧燃料ポンプB300についての新たな指示吐出量Q'(B)を、式(8)のQ'(B)=Q+ΔQ(B)により算出する(S180)。
この状態を図7に示す。図7に示すように、高圧燃料ポンプB300は、吐出性能マップ(仕様)に比べて過少な吐出性能を有する。このため、指示吐出圧Qに対応するタイミングt(0)で電磁スピル弁を閉弁しても、実際の吐出量はQ(B)となり、Qを下回る。このため、図5に示すように大きく燃圧を上昇させない。このため、2台の高圧燃料ポンプの圧力脈動が最小(平均値)になるように、高圧燃料ポンプB300については吐出量補正分ΔQ(B)(>0)を算出する(図7の「ΔQ(B)だけ上昇」に対応)。さらに、高圧燃料ポンプB300についての新たな指示吐出量Q'(B)がQ+ΔQ(B)により算出される。なお、ΔQ(B)>0であるので、Q'(B)>Qとなり、図7に示すように最初の指示吐出量QからΔQ(B)だけ上昇した、新たな指示吐出量Q'(B)が算出され、その新たな指示吐出量Q'(B)に対応する電磁スピル弁の閉弁タイミングt(B)で電磁スピル弁が閉弁される。
<高圧燃料ポンプA200および高圧燃料ポンプB300による燃圧の脈動について>
上述したように、吐出性能が個体差に起因して過大な高圧燃料ポンプA200については、指示吐出量Qから新たな指示吐出量Q'(A)に下げるように変更されて、高圧燃料ポンプA200からの燃料の吐出量が低下される。吐出性能が個体差に起因して過少な高圧燃料ポンプB300については、指示吐出量Qから新たな指示吐出量Q'(B)に上げるように変更されて、高圧燃料ポンプB300からの燃料の吐出量が上昇される。
このため、吐出性能が過大な高圧燃料ポンプA200からの燃料の吐出量が少なめに制御されて、吐出性能が過少な高圧燃料ポンプB300からの燃料の吐出量が多めに制御されて、個体差に起因して発生する燃圧の脈動を抑制することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによると、2台の高圧燃料ポンプの個体差があっても、この個体差に起因する高圧デリバリパイプ内の燃圧の脈動を最小にするように高圧燃料ポンプを制御することができる。この結果、2台の高圧燃料ポンプを用いて高圧燃料系統を形成する場合であって、その高圧燃料ポンプの個体差により吐出特性が異なる場合であっても、高圧デリバリパイプ内の脈動を抑制することができ、エンジントルクの変動や、エミッションの悪化等の発生を抑制することができる。
なお、高圧燃料ポンプがN台の場合には、
燃圧変動平均値ΔP(AV)は、
ΔP(AV)=(ΣΔP(i))/N(ただし、i=1〜N) … (9)
により算出される。
吐出量補正分ΔQ(i)は、
ΔQ(i)=(ΔP(AV)−ΔP(i))・V/K … (10)
により算出される。
それぞれの高圧燃料ポンプについての新たな指示吐出量Q'(i)は、
Q'(i)=Q+ΔQ(i) … (11)
によりそれぞれ算出される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置により制御されるガソリンエンジンの燃料供給システムの全体概要図である。 図1の部分拡大図である。 エンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 高圧燃料ポンプの吐出性能を表わす図である。 高圧燃料ポンプの脈動の状態を表わす図である。 高圧燃料ポンプAの指示吐出量の補正状態を表わす図である。 高圧燃料ポンプBの指示吐出量の補正状態を表わす図である。
符号の説明
10 燃料供給システム、100 フィードポンプ、110 筒内噴射用インジェクタ、112 高圧デリバリパイプ、114 リリーフバルブ、120 吸気通路噴射用インジェクタ、122 低圧デリバリパイプ、200 第1の高圧燃料ポンプ(高圧燃料ポンプA)、202 電磁スピル弁、204 リーク機能付きチェックバルブ、206 ポンププランジャー、210 第1のカム、220 第1のパルセーションダンパー、300 第2の高圧燃料ポンプ(高圧燃料ポンプB)、310 第2のカム、320 第2のパルセーションダンパー、400 低圧供給パイプ、410 第1の低圧デリバリ連通パイプ、420 ポンプ供給パイプ、430 第2の低圧デリバリ連通パイプ、500 第1の高圧デリバリ連通パイプ、510 第2の高圧デリバリ連通パイプ、520 高圧連通パイプ、600 高圧燃料ポンプリターンパイプ、610 高圧デリバリリターンパイプ、620,630 リターンパイプ。

Claims (7)

  1. 燃料噴射手段に接続された燃料配管内に向けて燃料を吐出する2台以上の燃料ポンプを備えた内燃機関の燃料系統の制御装置であって、
    各前記燃料ポンプの個体差に起因する吐出特性を記憶するための記憶手段と、
    前記燃料ポンプの吐出量を制御するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、各前記燃料ポンプの吐出特性に基づいて、各前記燃料ポンプの吐出量を補正するための補正手段を含む、内燃機関の燃料系統の制御装置。
  2. 前記補正手段は、各前記燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出して、前記2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が小さくなるように、各前記燃料ポンプに対して補正された吐出量を算出するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
  3. 前記補正手段は、各前記燃料ポンプの吐出特性から燃料ポンプ毎の圧力変動値を算出して、前記2台以上の燃料ポンプによる圧力変動値が平均値に近づくように、各前記燃料ポンプに対して補正された吐出量を算出するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
  4. 前記燃料ポンプは、前記内燃機関により駆動され、
    前記制御手段は、前記燃料ポンプに備えられた電磁弁を閉じるタイミングを制御することにより吐出量を制御するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、
    V型の内燃機関であって、
    各バンクに前記燃料ポンプが配置された内燃機関である、請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
  6. 前記燃料噴射手段は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段であって、
    前記内燃機関は、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
  7. 前記第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、
    前記第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである、請求項6に記載の内燃機関の燃料系統の制御装置。
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