JPH10152775A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH10152775A
JPH10152775A JP9187554A JP18755497A JPH10152775A JP H10152775 A JPH10152775 A JP H10152775A JP 9187554 A JP9187554 A JP 9187554A JP 18755497 A JP18755497 A JP 18755497A JP H10152775 A JPH10152775 A JP H10152775A
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processing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シース領域での電子密度を高めることが可能
なプラズマ処理装置を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる処理装置100の上部電
極130は,内側および外側電極130a,130bか
ら構成され,各電極130a,130bには個別独立に
パワーを制御可能な高周波電力を供給可能である。さら
に処理室102内の磁場を調整するための複数の永久磁
石132(132a〜132c)は,処理室102内に
おいて,各電極130a,130bをそれぞれ略水平方
向にわたる磁場を形成するように構成されるので,各電
極130a,130bに印加される高周波電力を制御す
ることにより,電子を処理室102内において略環状に
回転させることが可能となり,シース領域での電子密度
を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,プラズマ処理装置
にかかり,特に磁場アシスト型の高周波プラズマ発生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている典型的な磁場アシ
スト型の高周波プラズマ発生装置について,図10を参
照しながら説明すると,処理室10内には,電極14が
配置されており,電極14に対して高周波電源18より
所定周波数の高周波電力を印加することにより,処理室
10内に導入された処理ガスをプラズマ化し,載置台を
兼ねる電極14上に載置された被処理体に対して所定の
プラズマ処理,例えばエッチングを施すように構成され
ている。また処理室10の上部には回転自在に永久磁石
20が取り付けられており,処理室10内の磁場を調整
することにより,均一なプラズマを得ることができるよ
うに構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,近年,集積
回路の超高集積が伸展するにつれ,より低圧の条件でよ
り高密度のプラズマを得ることができるプラズマ源が求
められている。しかし,上記の如き従来の磁場アシスト
型プラズマ処理装置では,いわゆるE×Bドリフトによ
りプラズマが偏り,チャージアップダメージが生じやす
いという問題があった。また,E×Bドリフトによっ
て,処理容器内壁付近のプラズマ密度が最も高くなり,
被処理体上でプラズマを効率よく使うことができないと
いう問題があった。さらに,かかる傾向は低圧条件では
より強く現れるため,低圧条件でも高密度のプラズマを
得ることができるプラズマ源が求められている。さらに
上記の如き従来のプラズマ処理装置では発生するプラズ
マの均一性を処理状態に応じて制御することは困難であ
った。
【0004】本発明は,上記のような従来のプラズマ処
理装置が有する問題点に鑑みて成されたものであり,プ
ラズマの電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均
一なプラズマを安定的に得ることが可能であり,さらに
処理状況に応じてプラズマの均一性を制御することが可
能な新規かつ改良されたプラズマ処理装置を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明によれば,処理室内に上部電極と下部電極を
上下に対向して配置するとともに,処理室内の磁場を調
整する複数の磁石を配置し,少なくとも前記上部電極に
高周波電力を供給して処理室内に導入された処理ガスを
プラズマ化し,前記下部電極上に載置された被処理体に
対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置が提
供される。そして,このプラズマ処理装置は,請求項1
に記載のように,上部電極は環状の複数の電極を略水平
方向に所定間隔を開けて多重に配置することにより構成
され,複数の磁石は処理室内において各環状電極に対し
それぞれ略水平方向にわたる磁場を形成するように配置
されていることを特徴としている。
【0006】上記プラズマ処理装置は,請求項2に記載
のように,複数の磁石を,処理室内において,環状電極
に対しそれぞれ略水平方向にわたり処理室の中心に向か
う磁場を形成するように配置されるように構成すること
ができる。
【0007】あるいは上記プラズマ処理装置は,請求項
3に記載のように,複数の磁石を,処理室内において,
環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり処理室の外
方に向かう磁場を形成するように配置されるように構成
することもできる。
【0008】また,上記プラズマ処理装置は,請求項4
に記載のように,複数の磁石を,処理室外において,最
内側の環状電極の環状部上方,隣接する環状電極間の間
隙部上方,最外側の環状電極の外周部上方に,磁極方向
が処理室内を向くように配置し,かつ相隣接する磁石の
磁極方向が交互に反対になるように配置されるように構
成することができる。
【0009】あるいは上記プラズマ処理装置は,請求項
5に記載のように,複数の磁石を,処理室内において,
最内側の環状電極の環状部,隣接する環状電極間の間隙
部,最外側の環状電極の外周部に,磁極方向が略水平方
向を向くように配置し,かつ相隣接する磁石の磁極方向
が略同一方向になるように配置されるように構成するこ
とができる。
【0010】また,上記プラズマ処理装置は,請求項6
に記載のように,上部電極の処理室側の形状を,複数の
磁石により処理室内に形成される磁力線に沿った形状を
有するように構成することができる。
【0011】本発明によれば,以上示したようにプラズ
マ処理装置を構成することにより,磁石による磁場と多
重構造の電極に印加される高周波電力の作用により,処
理室内のシース領域において電子を処理室内を旋回する
ように動作させることが可能となるため,E×Bのプラ
ズマの偏りが無くなり,プラズマ密度が均一となって被
処理体へのダメージが軽減される。さらに,低圧条件下
であっても高密度のプラズマを得ることが可能となり,
各電極に印加される高周波電力のパワーを調整すること
により,処理に応じてプラズマ密度の均一化を図ること
が可能である。また,上部電極の処理室側の形状を,複
数の磁石により処理室内に形成される磁力線に沿った形
状を有するように構成することで,上部電極全面に均一
なプラズマを発生させることが可能となり,上部電極へ
のスパッタリングを均一にして寿命を延長することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかるプラズマ処理装置の好適な実施の形態に
ついて説明する。
【0013】以下,本発明にかかるプラズマ処理装置を
エッチング装置に適用した実施の形態を添付図面に基づ
き説明すると,図1は本実施の形態にかかるエッチング
装置100の断面を模式的に示している。このエッチン
グ装置100における処理室102は,気密に閉塞自在
な酸化アルマイト処理されたアルミニウムなどからなる
円筒形状の処理容器104内に形成され,当該処理容器
104自体は接地線106を介して接地されている。前
記処理室102内の底部にはセラミックなどの絶縁支持
板108が設けられており,この絶縁支持板108の上
部に,被処理体,例えば直径8インチの半導体ウェハ
(以下,「ウェハ」と称する。)Wを載置するための下
部電極を構成する略円柱状のサセプタ110が,上下動
自在に収容されている。
【0014】前記サセプタ110は,前記絶縁支持板1
08および処理容器104の底部を遊貫する昇降軸11
2によって支持されており,この昇降軸112は,処理
容器104外部に設置されている駆動モータ(M)11
4によって上下動自在となっている。従って,この駆動
モータ114の作動により,前記サセプタ110は,図
1中の往復矢印に示したように,上下動自在となってい
る。なお処理室102の気密性を確保するため,前記サ
セプタ110と絶縁支持板108との間には,前記昇降
軸112の外方を囲むように伸縮自在な気密部材,例え
ばベローズ115が設けられている。
【0015】前記サセプタ110は,表面が酸化処理さ
れたアルミニウムからなり,その内部には,温度調節手
段,例えばセラミックヒータなどの加熱手段(図示せ
ず。)や,外部の冷媒源(図示せず。)との間で冷媒を
循環させるための冷媒循環路(図示せず。)が設けられ
ており,サセプタ110上のウェハWを所定温度に維持
することが可能なように構成されている。またかかる温
度は,温度センサ(図示せず。),温度制御機構(図示
せず。)によって自動的に制御される構成となってい
る。
【0016】また前記サセプタ110上には,ウェハW
を吸着保持するための静電チャック116が設けられて
いる。この静電チャック116は,例えば導電性の薄膜
116aをポリイミド系の樹脂116bによって上下か
ら挟持した構成を有し,処理容器104の外部に設置さ
れている高圧直流電源118からの電圧が前記薄膜11
6aに印加されると,そのクーロン力によってウェハW
は,静電チャック116の上面に被処理体を吸着保持す
ることができるようになっている。もちろんそのような
静電チャックに拠らず,機械的クランプによってウェハ
Wの周縁部を押圧するようにして,サセプタ110上に
ウェハWを保持する構成としてもよい。
【0017】上記サセプタ110上の周辺には,静電チ
ャック116を囲むようにして,平面が略環状のフォー
カスリング120が設けられている。このフォーカスリ
ング120は,例えば絶縁性の石英からなっており,ウ
ェハW周辺(端に近い部分)のエッチングレートの均一
性を向上させる機能を有している。さらに上記サセプタ
110の周囲には,導電性を有する材質(例えばアルミ
アルマイト)から成るバッフル板122が配されてい
る。このバッフル板122は,図示の例では,サセプタ
110の上下動に伴って上下動する構成となっている。
このバッフル板122には多数の透孔122aが形成さ
れており,ガスを均一に排出する機能を有している。
【0018】さらに下部電極を構成する上記サセプタ1
10に対しては,所定の周波数,例えば,2.0MHz
の高周波電力を出力する高周波電源140からの電力
が,途中,整合器142を介して供給される構成となっ
ている。かかる構成により,プラズマ処理中にウェハW
が載置されたサセプタ110に対して高周波電源140
からバイアス電位を印加することにより,プラズマ中の
エッチャントを効率よくウェハWの被処理面に入射させ
ることができる。
【0019】また処理容器104の上部周囲には,不図
示の処理ガス源より不図示のマスフローコントローラを
介して,処理室102内に所定の処理ガス,例えば,A
r,C4F8ガスやCF4ガスなどを導入することが可
能である。さらに,処理容器104の下部には,真空ポ
ンプなどの真空引き手段124に通ずる排気管126が
接続されており,サセプタ110の周囲に配置された上
記バッフル板122を介して,処理室102内は,10
mTorr〜100mTorr内の任意の減圧度にまで
真空引きすることが可能となっている。
【0020】次に,本実施の形態にかかるエッチング装
置に特徴的な上部電極130の構成を説明する。この上
部電極130は,図2に示されるように,略円環状の内
側電極130aと,その内側電極130aの外周部に所
定間隔を開けて配置される略円環状の外側電極130b
とから構成されている。図示の例では,これらの内側電
極130aおよび外側電極130bは処理容器104の
天井部104aの一部を成すように組み込まれている。
また,図示の例では,被処理体であるウェハWの外形形
状に合わせて略円環状の電極構造を採用しているが,例
えば被処理体としてLCD用ガラス基板を使用する場合
には,ガラス基板の外形形状に合わせて,略矩形枠状の
電極構造を採用することも可能である。
【0021】また,内側電極130aと外側電極130
bには,高周波電源134から所定周波数,例えば1
3.56MHzの高周波電力が,それぞれ独立して印加
される構成となっている。すなわち,内側電極130a
は,アンプ138bおよびフェーズシフタ136bを介
して高周波電源134に接続されていると共に,外側電
極130bは,アンプ138aおよびフェーズシフタ1
36aを介して高周波電源134に接続されている。さ
らに,フェーズシフタ136(136a,136b)と
アンプ138a,138bには,制御器139が接続さ
れている。従って,制御器139の制御により,内側電
極130aに印加される高周波電力と,外側電極130
bに印加される高周波電力とを,それぞれ独立して制御
することができ,例えばそれら内側電極130aと外側
電極130bとに印加される各高周波電力の位相を相対
的に制御することができる。
【0022】さて,処理室102内に磁場を形成するた
めの磁石,例えば永久磁石132は,本実施の形態にか
かるエッチング装置100では,処理容器104の上部
に配置されている。これらの永久磁石132は,内側電
極130aと外側電極130bとの外形形状に合わせて
略円環形状に構成された複数の永久磁石132a,13
2b,132cから成り,それぞれが上記内側電極13
0aと外側電極130bとの間領域,すなわち,内側電
極130aの内側に第1永久磁石132a,内側電極1
30aと外側電極130bとの間に第2永久磁石132
b,外側電極132cの外側に第3永久磁石132cが
それぞれ設置されている。これらの永久磁石132(1
32a,132b,132c)は,磁極方向が略垂直方
向,すなわち,電極130が配置される面(水平方向)
に対して略垂直方向を向くように配置される。ただし,
隣接する永久磁石の磁極方向は交互に反対になるように
配置される。すなわち,図示の例では,第1永久磁石1
32aと第3永久磁石132cは,N極が処理容器10
4方向を向くように配置されるのに対し,第2永久磁石
132bは,S極が処理容器104方向を向くように配
置されている。
【0023】かかる構成によれば,図2に示すように,
永久磁石132による磁場と内側および外側電極130
a,130bに印加される高周波電力の作用により,シ
ース領域に存在する電子を電極130の形状に沿わせて
環状に案内する力を処理室102内に形成することが可
能となる。すなわち,例えば処理室102内を上方から
下方方向に向かって見た場合,シース領域中の電子は,
処理室102内の上部略中央付近(内側)では,例えば
右回りで旋回させることができると共に,その外側で
は,例えば左回りに旋回させることができる。このよう
に,本実施の形態によれば,シース領域中の電子を,処
理室102の内壁面に衝突させることなく,所望の状態
で略環状に回転させることができるため,処理室102
内に励起されるプラズマのシース領域での電子密度を高
め,低圧条件下であっても高密度かつ均一なプラズマを
安定的に得ることが可能となる。
【0024】また,本実施の形態にかかる装置によれ
ば,内側電極130aおよび外側電極130bに印加さ
れる高周波電力のパワーを個別独立に制御することが可
能なので,処理プロセスに応じて処理室102内を回転
運動する電子の速度を内側と外側とで適宜に調整するこ
とにより,処理室102内に発生するプラズマを均一化
することが可能である。すなわち,図3に示したよう
に,内側電極に印加する高周波電力に対して,外側電極
に印加する高周波電力を実質的に約2倍の電力とするこ
とで,例えば内側電極に450W,外側電極に1kWの
高周波電力を印加することで,処理室102内に発生す
るプラズマを均一化することができ,被処理体に対して
均一な超微細加工が可能となる。
【0025】再び,図1を参照すると,処理容器104
の側部には,ゲートバルブ150を介してロードロック
室152が接している。このロードロック室152内に
は,被処理基板であるウェハWを処理容器104内の処
理室102との間で搬送するための,搬送アームなどの
搬送手段154が設けられている。
【0026】本実施の形態にかかるエッチング装置10
0の主要部は以上のように構成されており,例えばシリ
コンのウェハWの酸化膜(SiO2)に対してエッチン
グ処理する場合の作用等について説明すると,まずゲー
トバルブ150が開放された後,搬送手段154によっ
てウェハWが処理室102内に搬入される。このとき駆
動モータ(M)114の作動により,サセプタ110は
下降してウェハW受け取りの待機状態にある。そして搬
送手段154によってウェハWが静電チャック116上
に載置された後,搬送手段154は待避してゲートバル
ブ150は閉鎖され,また駆動モータ(M)114の作
動によってサセプタ110は所定の処理位置まで上昇す
る。
【0027】次いで処理室102内が,真空引き手段1
24によって減圧されていき,所定の減圧度になった
後,不図示の処理ガス供給源から処理ガス,例えばCF
4ガスが供給され,処理室102の圧力が,例えば10
mTorrに設定,維持される。
【0028】次いで,制御器139の制御により,高周
波電源134から内側電極130aに対しては,フェー
ズシフタ136bおよびアンプ138bを介して,また
外側電極130bに対しては,フェーズシフタ136a
およびアンプ138aを介して,それぞれ独立して所定
の高周波電力が印加されると,処理室102内にプラズ
マが励起される。その際に,本実施の形態によれば,内
側電極132aと外側電極132bとに印加される高周
波電力の作用と,処理容器104の上部に設置された永
久磁石132により処理室102内に形成される磁場の
作用とにより,プラズマのシース領域において,電子が
環状に旋回運動する。そのため,処理容器104の内壁
に衝突する電子の数を軽減し,処理ガスのプラズマ化を
促進させるように作用することが可能となり,低圧力条
件下であっても,高密度のプラズマを安定的に生成させ
ることができる。また,処理中は,内側電極132aお
よび外側電極132bに印加される高周波電力のパワー
を微調整することにより,処理室102内に生成するプ
ラズマの均一化が図られる。なお,内側電極130aと
外側電極130bとに印加される高周波電力の位相を,
相対的に制御することも可能である。
【0029】次いで,所定のタイミングをずらして,高
周波電源140からサセプタ110に所定の高周波電力
を印加し,サセプタ110にバイアス電位をかけること
により,処理室102内に生成したプラズマ中のエッチ
ャントイオンがウェハWの被処理面に対して効率的に入
射し,被処理面の酸化膜をエッチングしていく。このよ
うに所定の処理が終了すると,処理室102がパージさ
れ,ウェハWを搬入した動作と逆の動作を経て,搬送機
構154により,処理済みのウェハWが処理室102外
に搬出され,一連のプロセスを終了する。
【0030】以上,図1および図2に関連して,本発明
にかかる処理装置をエッチング装置100に適用した実
施の一形態について説明したが,本発明はかかる例に限
定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載さ
れた技術的思想の範疇内において各種の変更例および修
正例に相当し得ることは明らかであり,それらについて
も当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解され
る。
【0031】例えば,図1,図2および図4に示す例で
は,永久磁石132を処理容器104の外方に設置する
とともに,永久磁石132の極性方向を略垂直方向(紙
面上下方向)に向くように配置した構成を示したが,図
5および図6に示すエッチング装置200のように,処
理室102の内方に永久磁石232を設置するととも
に,永久磁石232の極性方向を略水平方向(紙面左右
方向)に向くように配置することも可能である。なお,
図1,図2および図4に示すエッチング装置100,図
5および図6に示すエッチング装置200,図7に示す
エッチング装置300,図8に示すエッチング装置40
0および図9に示すエッチング装置500の構成は,永
久磁石の配置構成を除けば基本的に同一なので,同一の
機能構成を有する構成部材については,同一の参照符号
を付することにより重複説明を省略することにする。
【0032】図5および図6に示すように,永久磁石2
32を配置し,かつ内側電極130aおよび外側電極1
30bに対して高周波電源134から高周波電力を印加
した場合には,例えば処理室102内を上方から下方方
向に向かって見た場合,シース領域中の電子を,処理室
102内上方の全域で例えば右回りで旋回させることが
できる。従って,本実施の形態にかかるエッチング装置
200においても,先のエッチング装置100と同様
に,電子を処理容器104の内壁面に衝突させずにドー
ナツ状(環状)に回転させることが可能となり,その結
果,処理室102内に発生するプラズマのシース領域で
の電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプ
ラズマを安定的に得ることができる。
【0033】なお,図5および図6に示す実施の形態で
は,永久磁石232(232a,232b,232c)
は処理容器104の処理室102内に配置されるため,
永久磁石232(232a,232b,232c)の表
面は石英やセラミックスなどのスパッタリングされにく
い材料234により覆うことが好ましい。
【0034】また,本実施の形態にかかるエッチング装
置200においても,内側電極130aおよび外側電極
130bに印加される高周波電力のパワーを個別独立に
制御することにより,処理プロセスに応じて処理室10
2内を回転運動する電子の密度および方向を内側と外側
とで適宜に調整し,処理室102内に発生するプラズマ
を均一化することが可能である。
【0035】さらにまた,図7に示したエッチング装置
300のように,処理容器104の天井部104a内に
永久磁石332を配置し,かつ内側電極130aおよび
外側電極130bに対して高周波電源134から高周波
電力を印加することにより,上部電極130をそれぞれ
略水平方向にわたり,処理室102の中心に向かう磁場
を形成するように配置することも可能である。さらに図
8に示したエッチング装置400のように,処理容器1
04の天井部104a内に永久磁石432を配置し,か
つ内側電極130aおよび外側電極130bに対して高
周波電源134から高周波電力を印加することにより,
上部電極130をそれぞれ略水平方向にわたり,処理室
102の外方に向かう磁場を形成するように配置するこ
とも可能である。
【0036】従って,上記エッチング装置300および
エッチング装置400の構成によっても,電子をドーナ
ツ状(環状)に回転させることが可能となり,処理室1
02内に発生するプラズマのシース領域での電子密度を
高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプラズマを安定
的に得ることができる。なお,図7および図8に示す実
施の形態では,永久磁石332(332a,332b,
332c)および永久磁石432(432a,432
b,432c)は,処理容器104の天井部104a内
に配置されるため,永久磁石332(332a,332
b,332c)および永久磁石432(432a,43
2b,432c)の処理室102側の面は,石英やセラ
ミックスなどのスパッタリングされにくい材料234に
より覆うことが好ましい。
【0037】また,図9に示したエッチング装置500
ように,処理容器104の天井部104a内に配置され
ている上部電極530の処理室102側の面の形状を,
永久磁石132(132a,132b,132c)によ
って処理室102内に形成される磁力線に沿った形状を
有するように構成することで,上部電極530全面に均
一なプラズマを発生させることが可能となり,上部電極
530へのスパッタリングを均一にして寿命を延長する
ことができる。
【0038】以上,本発明の要旨は,永久磁石による磁
場と内側電極および外側電極に印加される高周波電力の
作用により,プラズマのシース領域における電子を環状
に運動させることが可能なように,永久磁石および内側
および外側電極を配置することにあるので,かかる作用
効果を得られる構成であれば,上記構成に限定されず,
いかなる配置構成をも採用することが可能である。
【0039】また,上記実施の形態においては,被処理
体として円形のウェハWを処理する装置構成に対応して
環状の電極および永久磁石を採用したエッチング装置1
00,200,300,400および500を示した
が,例えば略矩形のLCD基板を処理する場合には,電
極および永久磁石の形状を略矩形枠状にすることもでき
る。さらに,上記実施の形態においては,処理室102
内の磁場を調整する磁石に,永久磁石を例に挙げて説明
したが,本発明はかかる構成に限定されず,例えば電磁
石を用いた構成としてもよい。
【0040】さらにまた,上記実施の形態においては,
上部電極を2重構造(すなわち内側電極および外側電
極)に構成したが,さらに3重以上の多重構造に構成す
ることも可能である。また,多重構造(内側電極と外側
電極)の電極間の干渉が問題となる場合には,相隣接す
る電極間に電磁シールドを設けてもよい。
【0041】さらに上記実施の形態にかかるエッチング
装置100,200,300,400および500は,
シリコンの半導体ウェハ表面のシリコン酸化膜(SiO
2)をエッチングする装置として構成されていたが,こ
れに限らず,本発明は他のエッチングプロセスを実施す
る装置としてももちろん構成でき,さらに被処理体も,
ウェハに限らず,LCD基板であってもよい。また装置
構成についても,前記実施例は,エッチング装置として
構成したが,本発明はこれに限らず,他のプラズマ処理
装置,例えばアッシング装置,スパッタリング装置,C
VD装置としても構成できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
永久磁石による磁場と多重構造の電極に印加される高周
波電力の作用により,プラズマのシース領域で,電子を
処理容器の内壁に衝突させることなく環状(ドーナツ
状)に旋回運動させることが可能となるので,プラズマ
のシース領域での電子密度を高め,低圧条件下でも高密
度かつ均一なプラズマを安定的に得ることが可能であ
る。さらに処理状況に応じて,多重構造の電極に印加さ
れる高周波電力のパワーを制御することにより,処理室
内の電子の速度を制御し,プラズマの均一化を図ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプラズマ処理装置をエッチング
装置に適用した実施の一形態を概略的に示す断面図であ
る。
【図2】図1に示すエッチング装置の略平面図である。
【図3】図1に示すエッチング装置におけるプラズマ密
度とプラズマ密度の半径を測定した結果である。
【図4】図1に示すエッチング装置の処理室内の電子の
動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図5】本発明にかかるプラズマ処理装置をエッチング
装置に適用した実施の別の形態を概略的に示す断面図で
ある。
【図6】図5に示すエッチング装置の処理室内の電子の
動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図7】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装
置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明
図である。
【図8】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装
置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明
図である。
【図9】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装
置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明
図である。
【図10】従来の磁場アシスト型エッチング装置の概略
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100 エッチング装置 102 処理室 104 処理容器 110 サセプタ(下部電極) 130 上部電極 130a 内側電極 130b 外側電極 132 永久磁石 132a 第1永久磁石 132b 第2永久磁石 132c 第3永久磁石 134 高周波電源 136 フェーズシフタ 139 制御器 140 高周波電源 W ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/3065 H05H 1/46 A H05H 1/46 M H01L 21/203 S // H01L 21/203 21/302 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理室内に上部電極と下部電極を上下に
    対向して配置するとともに,前記処理室内の磁場を調整
    する複数の磁石を配置し,少なくとも前記上部電極に高
    周波電力を供給して前記処理室内に導入された処理ガス
    をプラズマ化し,前記下部電極上に載置された前記被処
    理体に対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装
    置において:前記上部電極は,略環状の複数の電極を略
    水平方向に所定間隔を開けて多重に配置することにより
    構成され;前記複数の磁石は,前記処理室内において,
    前記各環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたる磁場
    を形成するように配置されていることを特徴とする,プ
    ラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の磁石は,前記処理室内におい
    て,前記環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり前
    記処理室の中心に向かう磁場を形成するように配置され
    ていることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマ処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の磁石は,前記処理室内におい
    て,前記環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり前
    記処理室の外方に向かう磁場を形成するように配置され
    ていることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマ処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の磁石は,前記処理室外におい
    て,最内側の前記環状電極の環状部上方,隣接する前記
    環状電極間の間隙部上方,最外側の前記環状電極の外周
    部上方に,磁極方向が前記処理室内を向くように配置さ
    れ,かつ相隣接する前記磁石の磁極方向が交互に反対と
    なるように配置されることを特徴とする,請求項1に記
    載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の磁石は,前記処理室内におい
    て,最内側の前記環状電極の環状部,隣接する前記環状
    電極間の間隙部,最外側の前記環状電極の外周部に,磁
    極方向が略水平方向を向くように配置され,かつ相隣接
    する前記磁石の磁極方向が略同一方向になるように配置
    されることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマ処
    理装置。
  6. 【請求項6】 前記上部電極の前記処理室側の形状は,
    前記複数の磁石により前記処理室内に形成される磁力線
    に沿った形状を有することを特徴とする,請求項1に記
    載のプラズマ処理装置。
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