JP4031691B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法にかかり,特に処理室内の被処理体に対して被処理面に磁場を形成しつつ,被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置,およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング,エッチングと言ったプラズマ処理を行うのに,従来からマグネトロンプラズマ装置が利用されている。かかるマグネトロンプラズマ装置は,処理室の外部に磁場形成手段を配置し,形成された磁場を処理室中の被処理体,例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」と称する。)に対して水平に印加するとともに,かかるウエハの処理面に直交する高周波電界を印加して,その際に生じる電子のドリフト運動を利用して極めて高効率でエッチング等のプラズマ処理をするものである。
【0003】
マグネトロンプラズマにおいて,電子のドリフト運動に寄与するのは電界に垂直な磁場,すなわちウエハの被処理面に対して水平な磁場であり,プラズマの均一性を高めるためには,均一な水平磁場が形成されることが望まれていた。
【0004】
かかる所望の磁場を発生することができる磁場形成手段としてダイポールリング磁石が知られている。図21に示すように,ダイポールリング磁石10は,処理室12の外側に複数の柱状の異方性セグメント磁石14をリング状に配置したものであり,かかる複数のセグメント磁石14の磁化方向を少しずつ変えて全体として一様な水平磁場Bを形成するものである。なお,図21は,マグネトロンプラズマ装置を上から見た図(平面図)であり,磁場方向の基端側をN,先端側をS,これらから90°の位置をEおよびWで示している。また図21において,参照符号20は,ウエハである。また,異方性セグメント磁石14の中に描かれた矢印は,かかる異方性セグメント磁石14の磁化方向を表している。各異方性セグメント磁石14を図示したような磁化の向きに配置すると,リング内に矢印で示した向きの磁場Bが生成される。
【0005】
ところで,上記のダイポールリング磁石10においては,従来の磁場形成手段と比較して磁場の均一性が格段に良好になってはいるものの,かかるダイポールリング磁石10によって形成される水平磁場Bは,図21におけるNからSの一方向のみを向いているため,かかる状態において電子は,ドリフト運動を行って一方向に進み,プラズマ密度の不均一を生じ,エッチングによりホールが形成された際にチャージアップダメージを生ずる恐れある。このため,電子のドリフト運動の向きを変えるために,ダイポールリング磁石10をその周方向に沿って回転させたり,印加電源に高周波電源を用いたりすることでプラズマ密度の均一化を図る必要がある(例えば,特許文献1参照。)。
【0006】
しかしながら,上記ダイポールリング磁石10による磁場形成手段は,プラズマ不均一に起因する,例えばイオンエネルギーの差によるウエハの中心部と周辺部,とりわけ端部との加工形状の違いが生じるという問題を解決するには至らなかった。
【0007】
また,ウエハ端部近傍の磁場強度がウエハ中心部と比べて強くなり過ぎ,かかる部分のプラズマ密度が高くなってしまうといった問題も生じた。
【0008】
上記問題を解決するために,特開平7−288195号公報(以下,特許文献2とする。)には,E−W方向に磁場強度勾配を持たせる際に,ダイポールリング磁石を2分割して,かかるダイポールリング磁石のギャップの大きさを調整することによりウエハの中心部と端部(磁石近辺)の磁場強度比を調整する方法が記載されている。
【0009】
また上記特許文献2には,磁界の凸形下向きの磁力線がウエハの被処理面を通過するように構成し,ダイポールリング磁石全体を上下に移動させて磁場分布を微調整する方法も記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−169591号公報
【特許文献2】
特開平7−288195号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記の2分割されたダイポールリング磁石は,確かにウエハ中心部と端部の磁場強度比,磁場方向を調整することが可能となるが,一のダイポールリング磁石に対して他のダイポールリング磁石が固定されたままである。このため,ダイポールリング磁石内において,対向する各セグメント磁石間での磁化方向は,互いに全て同一であることより,形成される磁場の強度や磁場の方向の制御性が一定となり,低かった。
【0012】
また,エッチング時に,ウエハ中心部に比べ,ウエハ端部でのエッチングレートが大きくなることによるウエハ面内不均一性を解決するには十分ではなかった。
【0013】
本発明は,従来のプラズマ処理装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,エッチング等の所定のプラズマ処理時に使用される磁場の強度,磁力線の角度を制御することの可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することである。
【0014】
特にエッチング時,ウエハ中心部とウエハ周辺部のエッチングレートが調整され,エッチングレートの均一性を向上させることの可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方の電極に被処理体を支持させて,電極間にプラズマを発生させるとともに,被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において,磁場形成手段によって形成された磁場は,被処理体の中心部において被処理面と略平行であり,磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,被処理面を介して対向するセグメント磁石のうち少なくとも一対の対向するセグメント磁石の環状方向の磁化角度を互いに異ならせることを特徴とする,プラズマ処理装置が提供される。
【0016】
このとき2つの環状磁石に設置されている各セグメント磁石の磁化方向は,互いに全て同一であり,かつ一の環状磁石に対して,他の環状磁石を環状方向にずらすことにより,対向するセグメント磁石の環状方向の磁化角度を互いに異ならせることとしてもよい。
【0017】
また,上記課題を解決するため,本発明の第2の観点によれば,真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方または両方の電極に被処理体を支持させて,電極間にプラズマを発生させるとともに,被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において,磁場形成手段によって形成された磁場は,被処理体の中心部において被処理面と略平行であり,磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,被処理面を介して対向するセグメント磁石のうち少なくとも一対のセグメント磁石の環状方向の磁化角度を互いに異ならせて形成された磁場によりプラズマ処理をすることを特徴とする,プラズマ処理方法が提供される。
【0018】
このとき2つの環状磁石に設置されている各セグメント磁石の磁化方向は,互いに全て同一であり,かつ一の環状磁石に対して,他の環状磁石を環状方向にずらすことにより,対向するセグメント磁石の環状方向の磁化角度を互いに異ならせて形成された磁場によりプラズマ処理をすることとしてもよい。
【0019】
かかる構成とすることによって,各々対向する各セグメント磁石間での磁場を弱め合ったり,強め合ったりするようになるので,被処理体の被処理面の中心部および端部に形成される磁場の強度を調整することが可能となり,被処理体への所定のプラズマ処理での均一性を向上させることが可能となる。
【0020】
また,上記プラズマ処理がエッチングである場合には,2つの環状磁石に設置されている各セグメント磁石の環状方向の磁化方向は,互いに全て同一である場合に,被処理体の端部でのエッチングレートを下げるときは,例えばそのエッチングレートの下げ幅に応じて,一の環状磁石に対する他の環状磁石の環状方向への回転角度を180度に近づけることによりエッチングレートを制御する。さらに,被処理体の端部でのエッチングレートを上げるときは,例えばそのエッチングレートの上げ幅に応じて,一の環状磁石に対する他の環状磁石の環状方向への回転角度を0度に近づけることによりエッチングレートを制御する。
【0021】
かかる構成とすることにより,エッチングレートの変化に応じてエッチングレートをフレキシブルに制御することが可能となる。
【0022】
さらに,このとき2つの環状磁石のうちの少なくともいずれか一方の環状磁石を被処理体の被処理面に対して上下方向に移動して,被処理体の端部での磁場角度を調整することにより,被処理体端部でのエッチングレートを調整することも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
図1は,本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置を示す断面図である。かかるプラズマ処理装置100は,気密に構成された処理室102を有している。この処理室102には,小径の上部102aと大径の下部102bとからなる段つき円筒状をなしている。また処理室102は,壁部が例えばアルミニウム製であり,接地されている。
【0025】
また処理室102内には,被処理体として,例えば直径300mmの半導体ウエハ300(以下「ウエハ」と称する。)を水平に支持する支持テーブル104が設けられている。支持テーブル104は,例えばアルミニウムで構成されており,絶縁板106を介して導体の支持台108に支持されている。また支持テーブル104の上方の外周には,導電性材料,例えば単結晶シリコンで形成されたフォーカスリング110が設けられている。
【0026】
支持テーブル104と支持台108は,ボールねじ112を含むボールねじ機構により昇降可能となっており,支持台108の下方の駆動部分は,ステンレス鋼(SUS)などから構成されるベローズ114で覆われている。また,ベローズ114の外側には,ベローズカバー116が設けられている。
【0027】
支持テーブル104には,マッチングボックス118を介してRF電源120が接続されており,下部電極を構成する。RF電源120からは,例えば13.56MHzの高周波電力が支持テーブル104に供給されるようになっている。一方,支持テーブル104に対向して,その上方には,上部電極を構成する後述のシャワーヘッド122が互いに平行に設けられており,かかるシャワーヘッド122は,接地されている。本実施形態のプラズマ処理装置では,支持テーブル(下部電極)104とシャワーヘッド(上部電極)122は,一対の電極として機能する。
【0028】
支持テーブル104の表面上には,ウエハ300を静電吸着するための静電チャック124が設けられている。かかる静電チャック124は,絶縁体124bの間に電極124aが介在されて構成されており,電極124aには,電源126が接続されている。そして電極124aに電源126から電圧が印加されることにより,クーロン力によってウエハ300が吸着される。
【0029】
支持テーブル104の内部には,冷媒流路(図示せず)が形成されており,その中に適宜の冷媒を循環させることによって支持テーブル104を温度制御するとともに,ウエハ300の裏面にはバックガス供給系(図示せず)が設けられており,ヘリウム等の不活性ガスを供給することにより,支持テーブル104とウエハ300との間の熱伝導性を高めてウエハ300を所定の温度に制御可能となっている。また,フォーカスリング110の外側にはバッフル板128が設けられている。かかるバッフル板128は,支持台108,ベローズ114を通して処理室102と導通している。
【0030】
処理室102の天壁部分には,支持テーブル104に対向するようにシャワーヘッド122が設けられている。シャワーヘッド122は,その下面に多数のガス吐出孔130が設けられており,かつその上部にガス導入部132を有している。シャワーヘッド122の内部には,空間部134が形成されている。ガス導入部132には,ガス供給配管136が接続されており,かかるガス供給配管136の他端には,エッチングなどのプラズマ処理用の反応ガスおよび希釈ガスからなる処理ガスを供給する処理ガス供給系138が接続されている。反応ガスとしては,例えばハロゲン系のガス,希釈ガスとしては,例えばArガス,Heガス等,通常この分野で用いられるガスを用いることができる。
【0031】
上記に記載したような処理ガスが,処理ガス供給系138からガス供給配管136,ガス導入部132を介してシャワーヘッド122の空間134に至り,ガス吐出孔130から吐出され,ウエハ300に形成された膜がエッチングされる。
【0032】
また処理室102の下部102bの側壁には,排気ポート140が形成されており,かかる排気ポート140には,排気系142が接続されている。排気系142に設けられた真空ポンプ(図示せず)を作動させることにより,処理室102内を所定の真空度まで減圧することができるようになっている。一方,処理室102の下部102bの側壁上側には,ウエハ300の搬入出口を開閉するゲートバルブ144が設けられている。
【0033】
一方,処理室102の上部102aの周囲には,磁場形成手段として,同心状にダイポールリング磁石200が配置されており,支持テーブル104とシャワーヘッド122との間の空間に磁場を及ぼすようになっている。かかるダイポールリング磁石200は,モータ等の回転手段(図示せず)により回転可能となっている。
【0034】
このように構成されるプラズマ処理装置においては,まずゲートバルブ144を開いてウエハ300が処理室102内に搬入され,支持テーブル104に載置された後,支持テーブル104が図示の位置まで上昇され,排気系142の真空ポンプにより排気ポート140を介して処理室102内が排気される。
【0035】
処理室102内が所定の真空度になった後,処理室102内には処理ガス供給系138から所定の処理ガスが導入され,処理室102内が所定の圧力,例えば40mTorrに保持される。この状態でRF電源120から支持テーブル104に,周波数が例えば13.56MHz,パワーが例えば1000〜5000Wの高周波電力が供給される。このとき直流電源126から静電チャック124の電極124aに所定の電圧が印加され,ウエハ300は,クーロン力により吸着される。
【0036】
この場合に,上述のようにして下部電極である支持テーブル104に高周波電力が印加されることにより,上部電極であるシャワーヘッド122と下部電極である支持テーブル104との間には電界が形成される。一方,処理室102の上部102aには,ダイポールリング磁石200により水平磁場が形成されるから,ウエハ300が存在する処理空間には,電子のドリフトによりマグネトロン放電が生じ,それによって形成された処理ガスのプラズマにより,ウエハ300上に形成された所定の膜がエッチング処理される。
【0037】
次に,本実施形態における磁場形成手段として使用されるダイポールリング磁石200について説明する。図2は,処理室102の周囲に配置された状態のダイポールリング磁石を上から見た状態を模式的に示す平面図である。
【0038】
図2に示すように,本実施形態のダイポールリング磁石200は,複数の柱状の異方性セグメント磁石202がリング状の磁性体のケーシング204に取り付けられることによって構成された環状磁石である。本実施形態では,円柱状をなす32個の異方性セグメント磁石202がリング状に等間隔に配置されている。しかし,異方性セグメント磁石202の数は,この例に限定されるものではなく,その断面形状もこの例のように円形に限らず,正方形,長方形,台形等,任意の形状を採用することができる。異方性セグメント磁石202を構成する磁石材料も特に限定されるものではなく,例えば希土類系磁石,フェライト系磁石,アルニコ(登録商標)磁石等,公知の種々の磁石材料を適用することができる。
【0039】
図2において異方性セグメント磁石202の中に示す矢印は,磁化の方向を示すものであり,本実施形態のダイポールリング磁石200は,複数の異方性セグメント磁石202の磁化方向を少しずつ変えて全体として一方向に向かう水平磁場Bを形成している。なお,図2において,磁場方向の基端側をN,先端側をS,これらから90°の位置をEおよびWで示している。
【0040】
図2に示すように,半導体ウエハ300の上面に電場ELが形成されており,一方,磁場Bは,処理室102内でほぼNからSに向かって一方向に形成されている。従って発生した電子は,EからW側に向かってドリフト運動を行って進む。このため,このままではW側の電子密度が高くなって,プラズマ密度の不均一を生じる。そこで本実施形態においては,電子のドリフト運動の向きを変えるために,ダイポールリング磁石200をモータなどの回転手段(図示せず)によって,処理室102の周方向に沿って回転させることによって,上記問題を解決する。
【0041】
図3は,ダイポールリング磁石200を模式的に示す斜視図である。本実施形態のダイポールリング磁石200は,ウエハ処理面に対して上側および下側に配置されるように上部ダイポールリング磁石200a,下部ダイポールリング磁石200bの2つの環状磁石から構成される。各ダイポールリング磁石200a,200bでの各異方性セグメント磁石202の配置および磁化方向は,同様であり,図2に示したとおりである。
【0042】
本実施形態では,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらすことによって,対向する各異方性セグメント磁石202の環状方向の磁化角度を互いに異ならせる。また本実施形態では,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらしているが,下部ダイポールリング磁石200bに対して上部ダイポールリング磁石200aを環状方向にずらす構成とすることも可能である。
【0043】
図4は,本実施形態の動作説明図である。図4において,矢印は,ダイポールリング磁石200a,200bに形成された磁場方向を示す。また(a)は,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらしていないときの各ダイポールリング磁石200a,200bに形成された磁場方向を示し,(b),(c),(d),(e)は,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらした角度θがそれぞれ45°,90°,135°,180°としたときの各ダイポールリング磁石200a,200bに形成された磁場方向を示す。
【0044】
また図5は,本実施形態の動作において各ダイポールリング磁石200a,200bの異方性セグメント磁石202の配置を示す図である。なお図5におけるA−A´間の点線は,図3で示される上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらすときの基準となる線であり,図2ではW側の点で示される。また図5において各異方性セグメント磁石202の配置を表すのに,図2でのE−W軸より左側にある異方性セグメント磁石202をA点側から順次1L,2L,・・・,16Lと表記し,E−W軸より右側にある異方性セグメント磁石202をA点側から順次1R,2R・・・,16Rと表記する。
【0045】
図4に示すように,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向に,例えば45°ずらすことにより,上部ダイポールリング磁石200a中の配置2L,1L,1R,2Rの異方性セグメント磁石202に対向する下部ダイポールリング磁石200b中の異方性セグメント磁石202がそれぞれ配置2L,1L,1R,2Rから配置3R,4R,5R,6Rの異方性セグメント磁石202へと変化することにより,上下に対向する異方性セグメント磁石202の磁場方向が互いに異なるようになる。
【0046】
本実施形態では,上部ダイポールリング磁石200aと下部ダイポールリング磁石200bにおける各異方性セグメント磁石202の配置および磁化方向は,互いに同様であることより,双方のダイポールリング磁石200a,200bは,ずらした角度θが0°のときでは,ウエハ中心部付近のN−S方向における磁場強度を強め合うが,ずらした角度θを大きくするにつれ,ウエハ中心部付近のN−S方向における磁場強度を徐々に弱め合うようになる。そして,ずらした角度θが180°に達したときでは,上部ダイポールリング磁石200aと下部ダイポールリング磁石200bにおける各異方性セグメント磁石202が正反対となることより,ウエハ中心部付近のN−S方向における磁場強度を最も弱め合うこととなる。
【0047】
上記動作における磁場強度,被処理面に対する垂直方向の磁場角度を表すBz度の分析結果は,以下のグラフで具体的に示される。上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらしたときの磁場強度変化を,ずらした角度θが0°,45°,90°,135°,180°の場合をそれぞれ図6,7,8,9および10で示す。なお上記各図において(a)は,磁場強度(単位:G)および被処理面に対する垂直方向の磁場角度を表すBz度(単位:°)の変化を表すグラフであり,(b)は,磁場強度および被処理面に対する垂直方向の磁場角度を表すBz度の変化を表す表である。また(a)のグラフにおいて,左側縦軸が磁場強度を表し,右側縦軸がBz度を表し,横軸がウエハ中心点からの距離(mm)を表す。さらにX軸,Y軸,XY軸は,図2で示された座標方向を示す。
【0048】
上記の図の各グラフより上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらしたときの角度θが0°から180°と大きくなるにつれて,ウエハ中心部での磁場強度が小さくなっていることがわかる。また,ウエハ領域(中心点から±150mmくらいまで)での磁場強度も付随的に小さくなっている。
【0049】
また,被処理面に対する垂直方向の磁場角度を表すBz度も上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらすにつれ,変動していくことがわかる。とりわけウエハ中心部から離れた地点でのBz度の変動が大きい傾向が見られる。
【0050】
本実施形態の磁場形成手段を用いて,被処理体として直径300mmのウエハに形成したシリコン熱酸化膜をプラズマエッチング処理する。このときのプラズマエッチング条件としては,例えば処理室内の圧力40mT,下部電極に印加する高周波電力4000Wを1分間印加する条件下において,C,CO,Ar,Oの混合ガスを処理ガスとして20sccm/100sccm/400sccm/10sccmの流量比で供給し,上部電極,処理室側壁,下部電極の温度をそれぞれ60℃,60℃,10℃,バックサイドガス(He)の圧力を被処理体の中央部で10Torr,周辺部で50Torrとする。なお基準となる上下2つのダイポールリング磁石200a,200bとウエハ300との位置関係は,ずらし角度θが0°において,ウエハ300中心部の磁場強度が120ガウスで,ウエハ300端部での磁場角度Bzが4.93度となる設定としている。このような条件でプラズマエッチング処理を行なった場合のエッチングレートの分析結果を図11のグラフで示す。
【0051】
なお,図11は,図2でのX軸,Y軸方向におけるウエハ中心部からの距離に対するエッチングレートの変化を表し,縦軸がエッチングレート(単位:nm/min),横軸がウエハ中心点からの距離(単位:mm)を表す。また(a),(b),(c),(d),(e)は,それぞれ上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらした角度θが0°,45°,90°,135°,180°の場合におけるウエハ中心部からの距離に対するエッチングレートの変化を表す。
【0052】
上記の図によると,上下2つのダイポールリング磁石202をずらす角度θが大きくなるにつれ,ウエハ中心部および周辺部のエッチングレートが変動し,特にウエハ端部でのエッチングレートは,ダイポールリング磁石202をずらす角度θを大きくなり,180°に近づくにつれて下落していくことがわかる。これにより,エッチングレートの変化に応じてエッチングレートをフレキシブルに制御することが可能となり,従来のエッチング処理で課題となったウエハ周辺部のエッチングレートが大きくなることによるエッチング時でのウエハの面内不均一性が解消されることが期待できる。
【0053】
次にウエハに形成する膜の種類およびウエハ端部での垂直方向の磁場角度を変えた場合の実験結果を図12〜図20で示す。
【0054】
上記の各図は,図2でのX軸,Y軸方向におけるウエハ中心部からの距離に対するエッチングレートの変化を表し,縦軸がエッチングレート(単位:nm/min),横軸がウエハ中心点からの距離(単位:mm)を表す。前記各図内のグラフ中に記載されている式は,ウエハの端から端までのエッチングレートの平均値(単位:nm/min)とそのばらつきの率(面内均一性)(%)を示したものであり,エッチングレートの均一性の尺度となるものである。また図12〜図20の(a),(b),(c)は,それぞれ上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらした角度θが0°,90°,180°の場合におけるウエハ中心部からの距離に対するエッチングレートの変化を表す。
【0055】
なお図12〜図14は,ウエハの被処理面がシリコン窒化膜の場合であり,図15〜図17は,ウエハの被処理面が熱酸化膜の場合であり,図18〜図20は,ウエハの被処理面がレジストの場合である。また,図12,図15および図18は,Bz度が4.93のとき,図13,図16および図19は,各ダイポールリング磁石200a,200bとウエハ300との位置関係を変えて,ウエハ300中心部の磁場強度を120ガウスのままでBz度が8.53としたとき,図14,図17および図20は,同様にBz度が12.88としたときのエッチングレートの変化を示す。
【0056】
この実験におけるプラズマエッチング処理の条件は,例えば処理室内の圧力175mT,下部電極に印加する高周波電力1000Wを1分間印加する条件下において,CHF,CF,Ar,Oの混合ガスを処理ガスとして30sccm/75sccm/600sccm/15sccmの流量比で供給し,上部電極,処理室側壁,下部電極の温度をそれぞれ60℃,60℃,60℃,バックサイドガス(He)の圧力を被処理体の中央部で7Torr,周辺部で25Torrとする。
【0057】
上記の各図によると,被処理体の種類が変わっても,同様にして上下2つのダイポールリング磁石200a,200bをずらす角度θが大きくなるにつれ,ウエハ中心部および周辺部のエッチングレートが変動し,特にウエハ端部でのエッチングレートは,ダイポールリング磁石200をずらす角度θが0°から増大して180°に近づくにつれて下落していくことがわかる。
【0058】
特に,ウエハの被処理面がシリコン窒化膜の場合では,図12,図13に示すように,上部ダイポールリング磁石200aに対して下部ダイポールリング磁石200bを環状方向にずらした角度θが0°のときは,ウエハ中心部に比べて,ウエハ端部でのエッチングレートが高いのに対し,環状方向にずらした角度θが大きくなるにつれ,ウエハ中心部に対してウエハ端部でのエッチングレートが下落することがわかる。また,ウエハ内のエッチングレートの平均値のばらつきも,図12では14.8%から4.4%に,図13では8.1%から6.3%に下がると言った具合であり,エッチングレートの面内均一性が向上するという結果が得られた。従って,エッチング時でのウエハの面内均一性を向上させることが実現される。
【0059】
また上記の各図によると,上下ダイポールリング磁石200a,200bとウエハ300との位置関係を変えて,ウエハ300中心部の磁場強度を変えずに,ウエハ端部での垂直方向の磁場角度であるBz度を大きくするにつれ,被処理体の種類を問わず,ウエハ端部でのエッチングレートが中心部より小さくなる傾向が見られる。従って,エッチング時に使用される磁場の強度および角度を更に広範囲にかつフレキシブルに調整することが可能となる。
【0060】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば,ウエハ端部での垂直方向の磁場角度は,上下2つのダイポールリング磁石202のうちの少なくとも一方を,ウエハの被処理面に対して上下方向に動かすことによって変える構成とすることも可能である。
【0062】
また,上記実施形態においては,プラズマ処理装置をシリコンの半導体ウエハ表面をエッチングする装置として構成した例を挙げて説明したが,例えばLCD基板を使用することもでき,さらには他のエッチングプロセスを実施することもできる。
【0063】
さらに,上記実施形態においては,プラズマ処理装置をエッチング装置として構成した例を挙げて説明したが,例えばアッシング装置,スパッタリング装置あるいはCVD装置など他のプラズマ処理装置として構成することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,エッチング等の所定のプラズマ処理時に使用される磁場の強度および角度を制御することが可能となる。これにより,プラズマ処理において,特にエッチング時にウエハ中心部とウエハ周辺部のエッチングレートが調整され,ウエハ各部を所望のエッチングレートとすることにより,エッチング時でのウエハの面内均一性を向上させることが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置に設けられたダイポールリング磁石を上から見た状態を模式的に示す平面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置に設けられたダイポールリング磁石を模式的に示す斜視図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置に設けられたダイポールリング磁石の動作説明図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置に設けられたダイポールリング磁石の動作において,各ダイポールリング磁石の異方性セグメント柱状磁石の配置を示す図である。
【図6】 上部ダイポールリング磁石に対して下部ダイポールリング磁石を環状方向に0°ずらしたときの磁場強度,Bz度の変化を示す図である。
【図7】 上部ダイポールリング磁石に対して下部ダイポールリング磁石を環状方向に45°ずらしたときの磁場強度,Bz度の変化を示す図である。
【図8】 上部ダイポールリング磁石に対して下部ダイポールリング磁石を環状方向に90°ずらしたときの磁場強度,Bz度の変化を示す図である。
【図9】 上部ダイポールリング磁石に対して下部ダイポールリング磁石を環状方向に135°ずらしたときの磁場強度,Bz度の変化を示す図である。
【図10】 上部ダイポールリング磁石に対して下部ダイポールリング磁石を環状方向に180°ずらしたときの磁場強度,Bz度の変化を示す図である。
【図11】 本発明の第1の実施の形態におけるエッチングレートの分析結果を示す図である。
【図12】 被処理体がシリコン窒化膜であり,被処理体端部でのBz度が4.93のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図13】 被処理体がシリコン窒化膜であり,被処理体端部でのBz度が8.53のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図14】 被処理体がシリコン窒化膜であり,被処理体端部でのBz度が12.88のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図15】 被処理体が熱酸化膜であり,被処理体端部でのBz度が4.93のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図16】 被処理体が熱酸化膜であり,被処理体端部でのBz度が8.53のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図17】 被処理体が熱酸化膜であり,被処理体端部でのBz度が12.88のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図18】 被処理体がレジストであり,被処理体端部でのBz度が4.93のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図19】 被処理体がレジストであり,被処理体端部でのBz度が8.53のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図20】 被処理体がレジストであり,被処理体端部でのBz度が12.88のときのエッチングレートの変化を示す図である。
【図21】 従来のダイポールリング磁石を上から見た状態を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
100 プラズマ処理装置
102 処理室
104 支持テーブル
106 絶縁板
108 支持台
110 フォーカスリング
112 ボールねじ
114 ベローズ
116 ベローズカバー
118 マッチングボックス
120 RF電源
122 シャワーヘッド
124 静電チャック
126 電源
128 バッフル板
130 ガス吐出孔
132 ガス導入部
134 空間部
136 ガス供給配管
138 処理ガス供給系
140 排気ポート
142 排気系
144 ゲートバルブ
200 ダイポールリング磁石
200a 上部ダイポールリング磁石
200b 下部ダイポールリング磁石
202 異方性セグメント磁石
204 ケーシング
300 半導体ウエハ

Claims (10)

  1. 真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方の電極に被処理体を支持させて,前記電極間にプラズマを発生させるとともに,前記被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,前記被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において;
    前記磁場形成手段によって形成された前記磁場は,前記被処理体の中心部において前記被処理面と略平行であり,
    前記磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が前記被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,
    前記被処理面を介して対向する前記セグメント磁石のうち少なくとも一対の対向する前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせ
    前記被処理体の端部でのエッチングレートを下げるときは,前記一の環状磁石に対する前記他の環状磁石の環状方向への回転角度を180度に近づけることにより前記エッチングレートを制御することを特徴とする,プラズマ処理装置。
  2. 真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方の電極に被処理体を支持させて,前記電極間にプラズマを発生させるとともに,前記被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,前記被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において;
    前記磁場形成手段によって形成された前記磁場は,前記被処理体の中心部において前記被処理面と略平行であり,
    前記磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が前記被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,
    前記被処理面を介して対向する前記セグメント磁石のうち少なくとも一対の対向する前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせ
    前記被処理体の端部でのエッチングレートを上げるときは,前記一の環状磁石に対する前記他の環状磁石の環状方向への回転角度を0度に近づけることにより前記エッチングレートを制御することを特徴とする,プラズマ処理装置。
  3. 前記2つの環状磁石に設置されている前記各セグメント磁石の前記磁化方向は,互いに全て同一であり,かつ前記一の環状磁石に対して,前記他の環状磁石を環状方向にずらすことにより,対向する前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせることを特徴とする,請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記被処理体の端部における前記被処理面に対する磁場入射角は,5度以上であることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記2つの環状磁石のうちの少なくともいずれか一方の環状磁石を前記被処理体の被処理面に対して上下方向に移動することを特徴とする,請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置
  6. 真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方または両方の電極に被処理体を支持させて,前記電極間にプラズマを発生させるとともに,前記被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,前記被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において;
    前記磁場形成手段によって形成された前記磁場は,前記被処理体の中心部において前記被処理面と略平行であり,
    前記磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が前記被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,
    前記被処理面を介して対向する前記セグメント磁石のうち少なくとも一対の前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせて形成された磁場によりプラズマ処理がされ,
    前記被処理体の端部でのエッチングレートを下げるときは,前記一の環状磁石に対する前記他の環状磁石の環状方向への回転角度を180度に近づけることにより前記エッチングレートを制御することを特徴とする,プラズマ処理方法。
  7. 真空に維持可能な処理室内に一対の電極を配置し,いずれか一方または両方の電極に被処理体を支持させて,前記電極間にプラズマを発生させるとともに,前記被処理体の被処理面に磁場形成手段で磁場を形成して,前記被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において;
    前記磁場形成手段によって形成された前記磁場は,前記被処理体の中心部において前記被処理面と略平行であり,
    前記磁場形成手段は,少なくとも環状方向の磁化角度を有する複数のセグメント磁石を環状に設置することによって形成された2つの環状磁石が前記被処理面を介して互いに対向するように配置させることにより構成され,
    前記被処理面を介して対向する前記セグメント磁石のうち少なくとも一対の前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせて形成された磁場によりプラズマ処理がされ,
    前記被処理体の端部でのエッチングレートを上げるときは,前記一の環状磁石に対する前記他の環状磁石の環状方向への回転角度を0度に近づけることにより前記エッチングレートを制御することを特徴とする,プラズマ処理方法。
  8. 前記2つの環状磁石に設置されている前記各セグメント磁石の前記磁化方向は,互いに全て同一であり,かつ前記一の環状磁石に対して,前記他の環状磁石を環状方向に回転させることにより,対向する前記セグメント磁石の前記環状方向の磁化角度を互いに異ならせて形成された磁場によりプラズマ処理をすることを特徴とする,請求項6または7に記載のプラズマ処理方法。
  9. 前記被処理体の端部における前記被処理面に対する磁場入射角は,5度以上であることを特徴とする,請求項6〜8のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  10. 前記2つの環状磁石のうちの少なくともいずれか一方の環状磁石を前記被処理体の被処理面に対して上下方向に移動することを特徴とする,請求項6〜9のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
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