JP3311064B2 - プラズマ生成装置、表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents

プラズマ生成装置、表面処理装置および表面処理方法

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JP3311064B2
JP3311064B2 JP05111793A JP5111793A JP3311064B2 JP 3311064 B2 JP3311064 B2 JP 3311064B2 JP 05111793 A JP05111793 A JP 05111793A JP 5111793 A JP5111793 A JP 5111793A JP 3311064 B2 JP3311064 B2 JP 3311064B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ生成装置、表
面処理装置および表面処理方法に係り、特に、気相成長
法による薄膜の形成および薄膜のエッチング等に用いら
れる表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】)従来、半導体素子製造工程における微
細加工において広く用いられているドライエッチング方
法の1つに反応性イオンエッチング(RIE)法があ
る。さらにこのRIE法を、プラズマに磁界を使用する
ことにより、プラズマを高密度化し、エッチング速度の
高速度化、微細加工の高精度化をはかるようにしたマグ
ネトロンRIE法がある。
【0003】このマグネトロンRIE法で用いられる装
置は、その一例を図39に示すように、真空容器1の上
端内壁の第1の電極2上に取り付けられたアノード3
と、これに対向配置され基板支持台を兼ねる第2の電極
(カソード)4とを配設し、高周波電源5の発生する電
力をマッチング回路14を介してアノード3とカソード
4との間に印加するように構成されている。そして、こ
れによって形成される電界により、電極間にプラズマを
形成し、カソード3表面に誘起された自己バイアス電界
により、該プラズマ中から加速された反応性イオンが衝
突することでエッチング反応が進行する。マグネトロン
RIEではさらに、この自己バイアス電界と直交する方
向に磁石10から磁界が与えられる。図中では磁力線1
1の様子を模式的に示した。このように電界Eと磁界B
を直交させることでプラズマ中の電子をローレンツ力に
よりE×B方向にドリフトさせることができる。このよ
うにプラズマ中で電子に長い距離を走らせることで、電
子が中性の分子、原子と衝突する頻度が高まり、プラズ
マ密度が上昇する。また、磁界を与えること自体で電子
をプラズマ中に閉じ込めその寿命(チャンバー側壁や電
極、ウェハに衝突するまでの時間)を長くする結果、プ
ラズマ密度をさらに向上することができる。
【0004】以上のようにプラズマを高密度化すること
で、単にエッチング速度を高める以外に、イオンの方向
性を高めたり、中性種と被エッチング膜の反応(等方性
の反応)を抑制するためにガス圧力を下げても、ダメー
ジや選択比を低下させる原因となるイオンエネルギーを
十分に低く保つことができる。
【0005】このようにマグネトロンRIE装置は、優
れた特性をもつことから、現在種々の薄膜の加工に使用
されている。しかし従来のマグネットでは、その磁界の
強度や方向の不均一性のためにエッチング速度の均一性
が低下していた。またウェハに入射するイオンはその方
向性が乱れ、被処理基板表面に斜めに入射し異方性の高
いエッチングや、間口の狭い、いわゆるアスペクト比の
高いパターンのエッチング速度が低下するという問題が
あった。
【0006】例えば図40に示すように、図39に示し
たエッチング装置のウェハ3の中央部Bでは(b) に示す
ように良好なエッチング形状を得られるのに対しウェハ
3の周辺部A,Cではプラズマの入射方向を反映して斜
めにエッチングされ、異方性の悪い傾いた形状になって
しまう。
【0007】このような加工形状となる原因は厳密には
明らかでないが、以下のような機構が考えられる。
【0008】すなわち、ウェハ3の周辺部に形成される
磁力線はウェハ3の面に対し平行には形成されておら
ず、図41に示すように、湾曲しウェハに対し斜めに形
成されている。プラズマ中では電界は比較的小さいた
め、電子はもっぱら磁界の影響を強く受け、磁力線を取
り巻くように半径1mm程度のらせん運動を行う。このた
め磁力線とウェハ3とが交差する場合、磁力線に沿って
斜め方向から電子が入射する。一方エッチング反応に直
接関与するイオンは質量が大きいため、磁界によって直
接運動方向を曲げられる効果は小さい。しかし、加工中
の基板の溝に対して、電子が斜めから入射すると、片方
の壁にだけ当るため、左右の壁に蓄積される電荷が等し
くなくなる。このように電荷が左右で非対称の場合、壁
の左右方向に新たに生じた電界がイオンに作用して、運
動方向を曲げ、形状の異方性が悪化したものと考えられ
る。
【0009】また、このようなウェハ表面の帯電の不均
一性はMOS構造を有する素子が表面に形成された基板
を処理する場合、ゲート酸化膜などの薄い絶縁膜に絶縁
破壊を生じたり、リーク電流の増加などの劣化を起こす
ことが知られている(関根他:第13回ドライプロセス
シンポジウム予稿集p99〜103電気学会(1991
年東京))。
【0010】また、上記装置では、もれ磁界を用いてい
るため、被処理基板上に必要な磁界強度を得るには、極
めて大きい磁界強度を持つ磁石を用いなければならず、
さらに磁界強度を大きくする場合、磁石重量が非常に大
きくなり、装置構成が困難となる。また、被処理基板材
料等に応じて磁界分布や強度を変えるような必要がある
場合は、その度に磁石を交換する必要がある。また磁界
の必要な空間以外にも強力な磁界が及ぶため、磁気に対
して敏感な電子機器装置が本処理装置の周辺で使用でき
なくなると共に、1つの装置で複数個の反応室をもつマ
ルチチャンバー方式では個々のマグネットからの漏れ磁
界が互いに干渉し、磁界を乱し、プロセスに大きな影響
を与えることになり、マルチチャンバー方式に用いるの
は極めて困難である。
【0011】さらに、永久磁石10の代わりに、真空処
理室の側部両端にコイル状の電磁石を配置する装置も提
案されている。この装置は互いに直交する2組のコイル
に90度位相をずらした交流電流を流すことによって磁
界の方向を回転できるという特徴を有している。しかし
ながら、回転に伴い磁界強度、分布が変化し、ゆがみが
大きくなり、また交流では周波数が増加するほどインピ
ーダンスが増加するため、回転速度を大きくしていくに
も限界があった。また、ウェハ全面に均一な磁界を供給
するにはコイルの間隔すなわち容器の大きさに対して、
コイルの直径を十分大きくする必要があり、ウェハが大
口径になるほどコイルも巨大化せざるを得ないという問
題がある。また、同時にコイルに流す電流も大きくなり
その電源も大きくなり、その電源も大型化する。
【0012】さらに容器の内外の不必要な部分にまで強
力な磁界が及ぶため、磁気に対して敏感な電子機械部品
が使用できなくなると共に、装置の外部に対しての磁気
遮蔽も必要となる。
【0013】この問題はエッチングに限らず、スパッタ
リングやCVDなどの堆積技術、不純物添加技術、表面
改質技術など、プラズマを利用し表面処理を行う技術全
般にわたり、均一性、精度、ダメージなどの面で同様に
問題となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のマ
グネトロンRIE装置では、磁界の強さや方向が不均一
であるために、エッチングの均一性が悪化したり、ま
た、イオンの方向性が乱れて、被処理基板表面に斜めに
入射し、異方性の高いエッチングが困難であった。また
磁界強度を上げようとすると磁石重量が大きくなり、装
置構成が、難しいという問題があった。また磁界分布や
強度を変えるにはその度に磁石を取り替えなければなら
ないという問題があった。さらには、もれ磁界が強く,
近接して複数の反応室を設置することができないという
問題もあった。
【0015】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、電極面の広い範囲にわたって均一かつ強力な磁界を
形成することにより、ウェハ表面上の全体にわたって均
一な高密度プラズマを維持することのできる表面処理装
置および表面処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1で
は、第1の電極と、前記第1の電極に対向して配設され
た第2の電極を備えた真空容器と、該真空容器内に所定
のガスを導入するガス供給手段と、該真空容器内を減圧
下に維持する真空排気手段と、前記第1および第2の電
極との間に電界を発生せしめる電界発生手段と、該真空
容器内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具備し、
前記磁界発生手段が、外周で環状をなすとともに、着磁
方向が前記環の半周で1回転可能なように配列された異
なる磁石を含み、プラズマを発生するように構成してい
る。なおここで第1の電極は、真空容器の壁面を他と分
離して用いても良いし、別に設けても良い。
【0017】本発明の第2では、第1の電極と、前記第
1の電極に対向して配置された被処理基板が設置される
第2の電極とを備えた真空容器と、該真空容器内に所定
のガスを導入するガス供給手段と、該真空容器内を減圧
に維持する真空排気手段と、前記第1および第2の電極
の間に電界を発生せしめる電界発生手段と、該真空容器
内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具備し、前記
磁界発生手段が、環状をなすとともに、着磁方向が前記
環の半周で一回転可能なように配列された複数の磁石を
含むようにしている。
【0018】望ましくは、前記磁界発生手段を前記磁界
発生手段の中心軸を中心とし、被処理基板に対して相対
的に回転せしめる回転手段を具備している。
【0019】望ましくは、前記磁界発生手段は前記各磁
石の少なくとも1つの着磁方向を変更することにより、
磁界強度を調整する磁界強度制御手段を具備している。
【0020】望ましくは、前記磁界発生手段は、これを
上下方向に移送可能な移送手段を具備している。
【0021】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その少なくとも一方が上下方向に移動可能なように
構成している。
【0022】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その間隔の幅を調整可能なように構成している。
【0023】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その上下間で磁石要素の位相を調整可能なように構
成している。
【0024】望ましくは、前記各磁石は、所定の位相だ
け磁化方向をずらして配置され、前記各磁石を個々に回
転させるようにしている。
【0025】本発明の第3では、複数の反応室を有する
真空容器と、前記反応室の少なくとも1つに設けられた
第1の電極と、この第1の電極に対向して設けられた第
2の電極と、該反応室内に所定のガスを導入するガス供
給手段と、該反応室内を減圧下に維持する真空排気手段
と、前記第1および第2の電極との間に電界を発生せし
める電界発生手段と、該反応室内に磁界を発生せしめる
磁界発生手段とを具備し、前記磁界発生手段が、前記反
応室の外周で環状をなすとともに、着磁方向が前記環の
半周で一回転可能なように配列された複数の磁石を含む
ようにしている。 本発明の第4では、第1の電極と、
これに対向して設けられた第2の電極とを備えた真空容
器内に所定のガスを導入するとともに、前記第2の電極
に被処理基板を設置し、前記第1および第2の電極の間
に電界を発生せしめかつ、環状をなすように配列され、
着磁方向が前記環上で回転するように構成された異なる
複数の磁石によって、前記第2の電極の表面に沿ってほ
ぼ平行な一方向磁界を形成し、前記真空容器内にプラズ
マを誘起して、被処理基板表面を処理するようにしてい
る。
【0026】本発明の第5では、第1の電極と、前記第
1の電極に対向して配設された第2の電極を備えた真空
容器と、該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給
手段と、該真空容器内を減圧下に維持する真空排気手段
と、前記第1および第2の電極との間に電界を発生せし
める電界発生手段と、該真空容器内に磁界を発生せしめ
る磁界発生手段とを具備し、前記磁界発生手段が、外周
で環状をなすとともに、着磁方向が前記環の半周で1回
転可能なように配列された複数の磁石要素を含み、その
複数の磁石要素がつくる合成磁界内で前記第2の電極の
位置を移動可能にし、前記第1の電極との距離を可変に
する電極位置設定手段を具備したことを特徴とする。な
おここで第1の電極は、真空容器の壁面を他と絶縁分離
して用いても良いし、別に設けても良い。
【0027】また、本発明の第6では、第1の電極と、
前記第1の電極に対向して配置された被処理基板が設置
される第2の電極とを備えた真空容器と、該真空容器内
に所定のガスを導入するガス供給手段と、該真空容器内
を減圧に維持する真空排気手段と、前記第1および第2
の電極の間に電界を発生せしめる電界発生手段と、該真
空容器内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具備
し、前記磁界発生手段が、環状をなすとともに着磁方向
が前記環の半周で一回転可能なように配列された複数の
磁石要素を含み、この複数の磁石要素のなす前記環の直
径を可変にする変化手段を具備したことを特徴とする。
【0028】望ましくは、前記磁界発生手段を前記磁界
発生手段の中心軸を中心とし、被処理基板に対して相対
的に回転せしめる回転手段を具備している。
【0029】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その少なくとも一方が上下方向に移動可能なように
構成している。
【0030】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その間隔の幅を調整可能なように構成している。
【0031】望ましくは、前記磁界発生手段は、同一の
中心軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割さ
れ、その上下間で磁石要素の位相を調整可能なように構
成している。
【0032】望ましくは、前記各磁石は、所定の位相だ
け磁化方向をずらして配置され、前記各磁石を個々に回
転させるようにしている。
【0033】また、本発明の第7では、第1の電極と、
前記第1の電極に対向して配置された被処理基板が設置
される第2の電極とを備えた真空容器と、該真空容器内
に所定のガスを導入するガス供給手段と、該真空容器内
を減圧に維持する真空排気手段と、前記第1および第2
の電極の間に電界を発生せしめる電界発生手段と、該真
空容器内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具備
し、前記磁界発生手段が、環状をなすとともに、この環
の中心軸と垂直な面内における着時成分の着磁方向が前
記環の半周で一回転可能なように配列された複数の磁石
要素を含み、前記複数の磁石要素のうち相対向する少な
くとも1組の磁石要素が、前記環の中心軸方向の着磁成
分をもつとともに、その成分の大きさがほぼ等しくかつ
その向きが互いに逆となるようにしたことを特徴とす
る。
【0034】望ましくは、前記中心軸方向の着磁成分の
大きさを可変にしている。
【0035】本発明の第8では、第1の電極と、前記第
1の電極に対向して配置された被処理基板が設置される
第2の電極とを備えた真空容器と、該真空容器内に所定
のガスを導入するガス供給手段と、該真空容器内を減圧
下に維持する真空排気手段と、前記第1および第2の電
極との間に電界を発生せしめる電界発生手段と、前記第
1および第2の電極との間に磁界を発生せしめる磁界発
生手段とを具備し、前記磁界発生手段が、外周で環状を
なすとともに、着磁方向が前記環の半周で1回転可能な
ように配列された複数の磁石要素を含み、前記被処理基
体の外周に設けられ、前記真空容器内の空間を前記環の
径方向で前記被処理基体を含む領域と含まない領域に分
割する分割部材とを具備したことを特徴とする。
【0036】
【作用】上記第1の構成によれば、高密度のプラズマを
発生することができる。
【0037】また第2によれば、円環状をなすように順
次配列され、着磁方向が前記円の半周で一回転するよう
に異なる複数の磁石要素を含み、前記第1の電極の表面
に沿ってほぼ平行な一方向磁界を形成するようにしてい
るため、著しく均一な磁界を形成することができ、プラ
ズマ電位と自己バイアスの均一化をはかることができ、
異方性が高く均一なエッチングを行うことが可能とな
る。また、被処理基板表面のチャージアップによるダメ
ージも小さい。なお、第1の電極は真空容器の上部壁の
一部で構成しても良いし、真空容器内に配設してもよ
い。
【0038】また、従来の装置では湾曲した磁界である
ため、回転によっても完全均一な磁界を得ることは出来
なかったが、上記構成によれば完全な平行磁界を得るこ
とができるため、回転により完全均一な磁界を形成する
ことができる。
【0039】また、磁界強度も従来の装置に比べて極め
て高く、均一性を保ちながら高強度(数kG)まで実現
することが可能である。従って高速プロセスにおいても
イオンエネルギーを低くし、ダメージを小さくすること
ができる。
【0040】さらにまた、磁石が軽いため、周辺機構を
小さくすることができ、装置の小型化をはかることがで
きる。
【0041】内磁型の磁石であるため外部へのもれ磁界
が小さいため、他の装置への悪影響もない。従って1つ
の装置で複数の反応室を設置するマルチチャンバー方式
においても互いに他の装置に影響を与えることなく、処
理を行うことができ極めて有効である。
【0042】さらに、アノード側に磁石を設ける必要が
ないためアノード側のスペースを、モニタ(プラズマや
基板の表面状態の計測)あるいは上部排気機構などの他
の装置に使用することができる上、アノード側への高周
波電力印加を行う時等にも有効である。
【0043】望ましくは磁界発生手段を回転することに
よってさらなる磁界の均一化をはかることができる。ま
た、磁界発生手段を回転する際にも、コイル等のような
限界はなく、同心円状の回転対称形であるため、従来に
比べ大幅な高速回転を行うことができ、装置構成も簡単
である。
【0044】また望ましくは、磁界発生手段の各磁石要
素の少なくとも1つの着磁方向を変更することにより、
磁石を取り替えることなく容易に磁界強度を調整するこ
とができる。
【0045】さらに望ましくは、磁界発生手段あるいは
被処理基板を載置する電極を、上下方向に移送可能なよ
うに構成すれば、被処理基板の搬入搬出が容易となる。
【0046】望ましくは、磁界発生手段の高さ方向の一
部にスリットを形成しているため、このスリットを介し
て被処理基板の搬入搬出を容易に行うことができる。こ
れは、種々の実験の結果、スリットの形成により磁界方
向は悪影響をうけることなく平行磁界を維持することが
できる点に着目してなされたものである。
【0047】望ましくは、磁界発生手段が、同一の中心
軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割され、
その少なくとも一方が上下方向に移動可能なように構成
すれば被処理基板の搬入搬出が容易となる。
【0048】望ましくは、磁界発生手段を、同一の中心
軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割し、そ
の間隔の幅を調整可能することにより、磁石を取り替え
ることなく容易に磁界強度を調整することができる。
【0049】望ましくは、磁界発生手段を、同一の中心
軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割し、そ
の上下間で磁石要素の位相を調整するようにすれば、磁
石を取り替えることなく容易に磁界強度を調整すること
ができる。
【0050】望ましくは、磁界発生手段を、同一の中心
軸をもつように上下方向に少なくとも2つに分割し、そ
の上下間で回転方向が逆となるように回転することによ
り、磁石を取り替えることなく容易に磁界強度を調整す
ることができる。
【0051】望ましくは、磁界発生手段の構成要素であ
る1つ1つの磁石をそれぞれ所定の位相だけ磁化方向を
ずらして配置し、個々に回転させることにより、磁石全
体を回転したのと同等の磁界を形成することが可能であ
る。
【0052】本発明の第3によれば、複数の反応容器を
具備し、それぞれの反応容器でプラズマを発生し独立に
表面処理を行うことができるように構成すれば、外部へ
の漏れ磁界がないためそれぞれ互いに影響をうけること
なく良好にそれぞれの処理を行うことができる。
【0053】本発明の第4では、真空容器内に所定のガ
スを導入するとともに、第1の電極と、これに相対向す
るように被処理基板が設置された真空容器内の第2の電
極に、電界を発生せしめかつ、前記真空容器の外周に円
環状をなすように順次配列され、着磁方向が前記円環の
半周で一回転するように構成された異なる複数の磁石要
素によって、前記第2の電極の表面に沿ってほぼ平行な
一方向磁界を形成し、被処理基板表面に誘起されたプラ
ズマによって活性種を生成し、被処理基板表面を処理す
るようにしているため、エッチング速度および形状の均
一性を向上することができる上、プラズマ密度分布によ
ってもたらされるゲート破壊等の静電ダメージを低減す
ることができる。さらに、kGオーダの強力な磁界によ
りいっそうのマグネトロンプラズマの高密度化、イオン
の低エネルギー化をはかることができる。
【0054】本発明は、電気部品が形成された被処理基
板の表面処理に、第2の電極の表面に沿ってほぼ平行な
一方向磁界を形成し、被処理基板表面に誘起されたプラ
ズマによって活性種を生成し、これにより表面処理を行
う場合にとくに有効である。すなわちここでは、被処理
基板表面はプラズマに晒されるため帯電するが、被処理
基板面内で帯電が均一であれば薄い絶縁膜の上下に大き
な電圧がかかることはなくゲート破壊が発生するような
ことはない、このようにして安定な薄膜形成および方向
性の極めて良好なエッチングを行うことができる。前述
したダイポ―ルリングマグネットを用いた基体処理装置
では、被処理基板―中央と被処理基板―周辺でダイポ―
ルリングマグネットの作る磁界強度の差は、20%未
満、また、XY平面の傾きは5度以内の均一性を保つこ
とができる。このようにダイポ―ルリングマグネット
は、優れた磁界特性をもつが、現在通常のエッチングに
用いられている圧力よりかなりの低圧力である5mTorr
の領域においては、実際のマグネトロンRIEに用いる
際、被処理基板―最周辺部でエッチング速度が低下する
ことがある。またこれを用いて、MOS構造を有する素
子が表面に形成された基板を処理するような場合、ゲ―
ト酸化膜等の薄い絶縁膜に絶縁破壊を起こしてしまうこ
とがある。図42および43に従来のマグネットを用い
たマグネトロンRIE、ダイポ―ルリングマグネットを
用いたマグネトロンRIE酸化膜のエッチング速度の面
内分布を示す。このような被処理基板―周辺部でエッチ
ング速度が低下する原因は明かではないが、以下のよう
な機構が考えられる。すなわち図42に曲線aで(曲線
bは従来の磁石の形成する磁場強度分布を示す曲線)示
すようにダイポ―ルリングマグネットが形成する磁場強
度分布は、被処理基板上、あるいはそれ以上の面積にお
いて、均一であるが、マグネット近傍では急激に磁界強
度が低下する。このため、現在通常のエッチングに用い
られている圧力よりかなりの低圧力である5mTorr でさ
え従来のマグネトロンRIEに比べ被処理基板−のほぼ
全面にわたり均一ではあるが、最周辺部で急激にエッチ
ング速度の低下が見られる。この理由は、従来の磁石に
比べ、ミラ―磁界を形成するミラ―効果がほとんど無
く、そのために周辺部での電子が抜けやすく、すなわち
プラズマの密度が薄くなるためと考えられる。また、被
処理基板はプラズマにさらされ、帯電するが、プラズマ
密度に差があると、帯電が不均一となり、薄い絶縁膜の
上下で大きな電圧がかかり、絶縁破壊をもたらすと考え
られる。
【0055】さらに、このダイポールリングマグネット
の構成は、実際のエッチング装置に配設した関係上、ロ
ードチャンバーからエッチングチャンバーへ被処理基板
を搬送する、あるいはエッチングチャンバーからアンロ
ードチャンバーへ被処理基板を搬送するロードロックの
搬送系が配設されており、ダイポールリングマグネット
の構成は搬送系を中心に挾み、上下に二分割された構成
になっており、各ダイポールリングマグネットには上下
に移動させる機構がついているものの、両マグネットを
最も近接させた場合でも搬送系の幅以上に近付けること
は不可能であり、またそのために平行で均一な磁界は得
られるものの、周辺部の磁界を弱める原因となる。磁界
強度の周辺部での落ち込みは、周辺部に、特にNS極の
近傍に補助磁界を加えたり、NS極周辺の磁石要素の着
磁方向をわずかにダイポールリングマグネットの着磁方
向側に回転させるなど、NS方向の周辺部で中央部と同
等、もしくはより強くなるように構成することは可能で
あり、実際に真空容器内に均一な平行磁界を発生させ、
プラズマを閉じこめることができ、イオンダメージが小
さくかつ安定な薄膜形成および方向性の極めて良好なエ
ッチングなどの表面処理を行うことが可能であるが、実
際の量産プロセスに対応するには装置構成が複雑にな
る。
【0056】そこで本発明の第5によれば、円環状をな
すように順次配列され、着磁方向が前記円の半周で一回
転するように異なる複数の磁石要素を含んだ磁界発生手
段の発生する磁界内に被処理基体を搬送する際、被処理
基体の上下動により、磁界内に搬送されるため、ロード
ロック機構等によって磁界発生手段を分割する必要がな
くなる。このため分割することによる磁界の落ち込み
や、それを防ぐための補助磁界を与える必要がなくな
り、簡単な装置構成で均一な高密度磁界を形成すること
ができ、プラズマ電位と自己バイアスとの均一化をはか
ることができ、被処理基体の面内において異方性が高く
均一な表面処理を行うことが可能となる。
【0057】また、被処理基体を設置した第2の電極で
あるカソード電極の高さを任意の位置に設定することが
でき、プラズマ処理中の電極間隔を任意に変えることが
でき、材質、ガス、圧力によって最適な間隔をとること
ができ、処理特性に変化を与えることが可能となる。
【0058】また本発明の第6の構成によれば、環状を
なす磁石要素の環の直径を変化させることで任意に環内
に発生する磁界強度を変化させることができ、イオンエ
ネルギーを制御することで処理特性に変化を与えること
が可能となる。
【0059】このため、例えば、被処理基体の表面処理
を行う際、材質、あるいはガスによって最適磁界強度が
異なる際等に、その都度最適磁界強度の磁石に取り替え
る必要がなく、また、シーケンシャル処理等をする際に
も能率よく最適磁界強度で処理を行うことが可能とな
る。
【0060】さらに本発明の第7の構成によれば、磁界
発生手段が、環状をなすとともに、この環の中心軸と垂
直な面内における着磁成分の方向が前記環の半周で一回
転可能なように配列された複数の磁石要素を含み、前記
複数の磁石要素のうち相対向する少なくとも1組の磁石
要素が、前記環の中心軸方向の着磁成分をもつとともに
その成分の大きさがほぼ等しくかつこの向きが互いに逆
となるようにしているため、平行磁界の形成される高さ
を磁界発生手段の中央よりも偏在させることが可能とな
る。
【0061】望ましくは上記中心軸方向の着磁成分のの
大きさを可変にすることにより、磁界の平行な空間を環
内に任意の高さ位置に形成することができる。
【0062】このため、被処理基体を平行磁界内でプラ
ズマ処理する際、ダイポールリングマグネットのつくる
平行磁界空間であるマグネットの中央付近まで被処理基
体を搬送する必要がなくなり、下部電極の移動距離が短
くてすみ、移動機構も簡易になる。
【0063】さらに処理中に磁界強度を変化させるべ
く、この垂直成分の大きさを変化させることも容易に可
能である。
【0064】また、本発明の第8の構成によれば、容器
内空間を環の径方向で被処理基体を含む領域と含まない
領域とに分割する分割部材を配設することにより、真空
容器の被処理基体を含む限定された領域にのみ放電が可
能なように内部容器を構成することで真空容器内の被処
理基体上の空間だけで磁化プラズマを発生することが可
能となる。
【0065】さらに、真空容器内の放電空間内で被処理
基体を含む領域とその周辺の領域に分割が可能なように
内部容器を構成することで真空容器内の内部容器内に配
設された被処理基体の上の空間での磁化プラズマは内部
容器外の磁化プラズマの影響を受けることなく発生する
ことが可能となる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ詳細に説明する。
【0067】第1図は、本発明実施例のエッチング装置
を示す図である。
【0068】このエッチング装置は、真空容器1の上端
内壁の第1の電極7と、該第1電極7に対向配置され基
板支持台を兼ねる第2の電極2とを配設し、高周波電源
5の発生する電力をマッチング回路14を介して第1の
電極7と第2の電極2との間に印加し、これによって形
成される電界と、真空容器1の外側面に配設されたダイ
ポールリング13によって形成されるウェハ3表面に平
行な磁界との直交する空間内に、ガス導入口4から反応
性ガスを供給し、放電によってプラズマを形成し、ウェ
ハ表面に誘起された自己バイアス電界により該プラズマ
中から加速されたイオンが、ウェハに衝突しエッチング
反応を進行させるものである。
【0069】このダイポールリング13は、図2に図1
の上方から眺めた拡大説明図を示すように、円柱状の真
空容器1の側壁に、このまわりを同心円状に囲むように
配設された磁石要素30からなり、磁界方向35の方向
に着磁された磁石要素300からθの位置にある磁石要
素は磁界方向35に対して2θだけ回転した方向に着磁
されており、磁石要素300 から180度の位置にある
磁石要素は再び磁界方向35を向くように環状に配列さ
れている。ここで、構成要素となる個々の磁石要素には
ねじれを生じるような力がはたらくため堅牢な非磁性体
ヨーク(図示せず)に固定されている。ヨークについて
はもれ磁界をさらに低減するために磁性体のヨークを使
用することも可能である。
【0070】図3(a) および(b) にこのダイポールリン
グによって形成された磁界分布を示す。この図から明ら
かなように、ウェハ中央とウェハ周辺部でダイポール磁
石の作る磁界の強度の差は20%未満,またXY平面内
の傾きは±5度以内の均一性を達成することができる。
また高さ方向はダイポール磁石の高さの中央1/3の領
域で強度は±5%、磁界の傾きは±6度以内に抑えるこ
とができた。この均一性は磁石要素の断面形状を円状に
したり、磁石要素の数を増やすことでさらに均一な磁界
を形成することができる。これに対し図33に示した従
来の装置では中央と周辺部とで磁界強度比は2倍にも及
んでいる。同様にウェハの上方すなわちプラズマが形成
される領域においても従来型では特に周辺部で縦方向の
磁界強度が強まり、プラズマの分布を乱す原因となって
いる。このようなダイポールリングは本来SOR(シン
クロトロン放射光施設)で使用される偏光器やMRI
(Magnetic Resonance imaging)などの医療機器(K.Mi
yata et al:The Internayional Journal for Computati
on and Mathematics in Electrical and ElectronicEng
ineering,Vol.9(1990),Supplement A,115-118,H.Zijls
tra:Philips J.Res.40,259-288,1985)に使用するため
に開発されたものである。しかし本発明に示すように磁
化プラズマを形成する装置に適用することで極めて有効
な作用が得られることがわかった。
【0071】このように電界Eと磁界Bを直交させるこ
とで、プラズマ中の電子をローレンツ力によりE×B方
向にドリフトさせることができる。そしてこのマグネト
ロン放電で形成されたプラズマ中の電子にドリフト運動
を生ぜしめ長距離を走らせることで、電子が中性の分
子、原子と衝突する頻度が高まり、プラズマ密度が上昇
する。さらに、磁界を与えること自体で電子をプラズマ
中に閉じ込め、その寿命(チャンバ側壁や電極、ウェハ
に衝突するまでの時間)を長くする結果やはりプラズマ
密度を向上することができる。このようにプラズマを高
密度化することにより、単にエッチング速度を高める以
外に、イオンの方向性をよくしたり、中性種と被エッチ
ング膜の反応(等方性の反応)を抑制するためにガス圧
力を下げても、ダメージや選択比を低下させる原因とな
るイオンエネルギーを十分に低く保つことができる。
【0072】また、基板支持台としての第2の電極2の
内部には冷却用配管17を介して液体が通され基板温度
を効率よく制御するように構成されている。これは本発
明によるマグネトロンプラズマが高密度であり、プラズ
マから基板に与えられる熱が従来の装置に比べて多いた
めである。
【0073】さらに、真空容器内壁は、第1の電極7の
近傍に配設された絶縁物11を介して下部との間を絶縁
分離するように構成されている。4は反応ガス導入用の
供給系、6は排気系である。20も第2の電極を絶縁分
離するための絶縁物である。また、第2の電極2上のウ
ェハ周辺部は直接プラズマに晒されないように保護リン
グ16が置かれる。この材料は、SiC、アルミナ、A
lN、BN等のセラミクス、種々の構造の炭素、Si、
有機物、金属、合金等が被エッチング膜、ガスに合わせ
て選択される。
【0074】また前記実施例ではネオジウム系(Nd−
Fe)磁石を使用したが、その他例えば、Sm−Co
系、フェライト、アルニコなどの永久磁石材料を適宜必
要な磁界、耐性、重量などを考慮し選択して使用すると
よい。
【0075】また、従来の装置では真空容器の上方に磁
石が形成されていたのが、本発明では側方にダイポール
リング13が形成されているため、第1電極の裏面がモ
ニタ装置等の用途に使えるようになったため、真空容器
上方には石英窓50を介してウェハ表面の状態をレーザ
光検出器51を介してエッチング深さをモニタするモニ
タ装置52が形成されている。
【0076】また、ダイポールリング13は上下方向に
移動可能であり、真空容器内へのウェハの出し入れはダ
イポールリング13を上に上げ(点線で示す)ゲートバ
ルブ12を介してロードロック機構および搬送機構によ
ってなされる。
【0077】さらにまた第2の電極を上下する機構を設
け、電極を下げた位置にゲートバルブをもうけ、ウェハ
の出し入れを行い、電極を下げダイポールリングの位置
で処理をしてもよい。また逆に電極をダイポールリング
よりも上げた位置でウェハの出し入れをする機構を設け
ても良い。
【0078】このように、このダイポ―ルリング磁石の
構成はプラズマを形成する対向電極間に著しく均一な磁
界を形成し、また、その強度も従来の装置に比べ高く、
数kGまで実現できる。したがって、プラズマ密度が向
上し処理速度、特性を高めることができる。さらに、大
口径ウェハを使用した場合に特に顕著であるがプロセス
のウェハ面内均一性が向上する。さらにまた、プラズマ
の不均一性によって引き起こされるMOS構造の静電破
壊が無くなる等の効果もある。一方、反応容器の側面に
磁石を構成するため、メンテナンス時に開放する必要の
ある真空容器上部(アノ―ド側)が空き、またプロセス
のモニタ―、アノ―ド側へのrf電力印加等を行うとき
にも有効である。一層の均一性を得るために磁石とウェ
ハは相対的に回転する様にしても、従来の様に磁石をア
ノ―ドに配置したときのようにメンテナンス時に移動す
る必要が無いため、反応容器側面にレ―ルを設ける等の
方法により堅牢に固定でき、操作も簡便になる。
【0079】次に、この装置を使用し、実際に薄い酸化
膜上に形成した多結晶シリコン膜をエッチングする方法
について説明する。
【0080】まず、図4(a) に示すように、シリコン基
板300表面に10nmの薄いシリコン酸化膜および多結
晶シリコン膜301を形成しさらにこの表面にレジスト
パターン302を形成したものをウェハとし、ダイポー
ルリング13を上方に上げ、これをロードロック機構お
よび搬送機構を用いて真空容器1の第2の電極2上に搬
送し、静電チャック(図示せず)によって固定し、−3
0℃となるように制御する。
【0081】そして、ダイポールリング13を元の位置
に戻し、排気系6により真空容器1内を10-6Torr程度に
真空排気したのち、供給系4から塩素ガスを100cc/m
in導入し、第1の電極7と第2の電極2との間に13.
56MHzの高周波電力(rf)を250W印加する。
このときサセプタの単位面積当たりの電力密度は0.6
W/cm2 である。そして、ダイポールリング13を20
0rpmで回転する。このときダイポールリング13内
部での磁界強度は200Gとする。ここでガスはプラズ
マの回り込みを防ぐため金属メッシュで開口部が覆われ
たバッフル板、排気系6さらにコンダクタンスバルブ
(開口率が可変で排気速度を調節できるバルブ)を通し
て真空ポンプにより排気される。このコンダクタンスバ
ルブの調整によりチャンバ内圧力を25mTorr とした。
【0082】エッチングのモニタは石英製の窓からプラ
ズマの発光を調べ、エッチング種である塩素原子の濃度
変化をモニタし燐添加多結晶シリコン層のエッチング終
点を検出する。所定のオ―バエッチング(被エッチング
膜の膜圧にばらつきが有ってもエッチング残りが発生し
ないように、20〜100%エッチング時間を長くす
る)を行った後は、高周波電力をオフし、エッチングガ
ス停止し、チャンバ内に残るガスを廃棄した後、やはり
ロ―ドロック機構を使用し、チャンバ外部へ取り出す。
【0083】このときエッチング速度は345nm/minで
あり、下地のシリコン酸化膜とのエッチング選択比は5
2、フォトレジストとのエッチング選択比7、均一性±
3%であり、図4(b) に示すように断面が垂直で寸法精
度が良好なエッチング形状を得ることができる。
【0084】このようにして、寸法変換差の全くない加
工が実現できる。さらに、プラズマ密度を極めて高く維
持することができるため、イオンのエネルギーは低くお
さえることができ、選択比を高くダメージを小さくする
事ができる。
【0085】なお、前記実施例では、ダイポールリング
を回転したが、第2の電極を回転しウェハを回転するよ
うにしても同様の効果を得ることができる。
【0086】また、前記実施例では、ダイポールリング
を16分割で構成したが図5(a) および(b) に示すよう
に、12分割あるいは8分割としてもよい。
【0087】さらに、シリコン酸化膜のエッチングに
は、例えばフロロカ―ボン(CF)を含むガスを、レジ
ストの方向性加工には酸素を主としたガス、さらに配線
に使用するアルミニウムなどは塩素を主体としたガスを
使用して高性能の加工が可能であり、本発明の効果が確
認された。他の材料についても、少なくともハロゲン素
あるいは酸素、水素、窒素等の反応性ガスを含むガスを
使用し、エッチングすることができる。
【0088】さらにまた、磁界強度については200ガ
ウスに限らず、適宜エッチングする材料、使用するガス
に応じて選択される。例えば、上述の燐添加多結晶シリ
コンのエッチングでは1600ガウスまで磁界強度をあ
げて実験を行ったところ、エッチング速度は殆ど変化し
ないものの、下地の酸化膜との選択比が74まで上昇す
ることが分かった。また、このように強い磁界を使用し
た場合、従来の装置ではマグネトロン放電が有効に作用
する圧力領域が1×10-3Torr〜100mTorr程度であ
ったものが1×10-4Torr〜数百mTorr まで拡大される
ことがわかった。さらに従来電極間隔を20mm程度まで
狭めると放電の効率が下がる減少が認められたが160
0ガウスでは8mmまで狭めることが可能となりガスの流
れ等から要求される装置構成に対し許容度を高めること
ができる。さらに、高周波周波数についても13.56
MHzに限定されることなく、エッチングする材料に応
じて、例えば高めのイオンエネルギが必要な酸化膜系の
エッチングには100kHzから1MHz程度の比較的
低い周波数が有効である。一方、上述の燐添加多結晶シ
リコンあるいはアルミ合金等のように、マスクや下地材
料に対し選択比が要求される材料については20MHz
から数100MHz程度の高い周波数を使用し、イオン
エネルギを低下させると有効である。いずれの場合も、
磁界の強度と組み合わせてイオンエネルギとプラズマ密
度、その他のプラズマパラメ―タを制御することができ
る。
【0089】このように本発明は、前記実施例に限定さ
れることなく、種々の装置に適用可能である。
【0090】次に本発明の第2の実施例として、ダイポ
ールリングを上下に2分割した例について説明する。
【0091】この例では図6に示すように、ダイポール
リングが上部ダイポールリング44と下部ダイポールリ
ング45とによって構成され、この間隙にゲートバルブ
開閉機構41によって開閉されるゲートバルブ12に接
続されるウェハ搬送路43を介してロードロック室42
が接続され、ウェハの出し入れがこの上部ダイポールリ
ング44と下部ダイポールリング45との間隙から行わ
れるようになっている。 ここで47は真空シール、4
6はゲートバルブ駆動軸である。
【0092】他の部分については前記実施例と全く同様
に形成されている。なお、実施例1と同一箇所には同一
符号を付した。
【0093】次に、この装置を使用し、実際にシリコン
に溝を形成するエッチングる方法について説明する。
【0094】まず、図4(a) に示した例のマスク102
を直接Si基板上に形成したものを試料とし、これをロ
ードロック室42に設置して10-6Torr程度に真空排気し
たのちゲートバルブ開閉機構41によってゲートバルブ
駆動軸46を上げゲートバルブ12を開きウェハ搬送路
43を介して、基板支持台としての第2の電極2上に搬
送し、静電チャック(図示せず)によって固定し、20
℃となるように制御する。そしてゲートバルブ開閉機構
41によってゲートバルブ駆動軸46を下げゲートバル
ブ12を閉じて、排気系6により真空容器1内を10-6To
rrに真空排気したのち、供給系4からHBrガスを20
0cc/min導入し、第1の電極7と第2の電極2との間に
高周波電力(800W)を印加する。そして、ダイポー
ルリング44および45同期して120rpmで回転す
る。このときダイポールリング44および45内部での
磁界強度は1600Gとする。
【0095】このときエッチング速度は850nm/minで
あり、断面が垂直で寸法精度が良好なSiトレンチのエ
ッチング形状を得ることができる。
【0096】このようにして、寸法変換差の全くない加
工が実現できる。さらに、プラズマ密度を極めて高く維
持することができるため、イオンのエネルギーは低くお
さえることができ、ダメージを小さくする事ができる。
なお、ダイポ―ルリング磁石の中央に上下を分割する間
隙を設けることでウェハをチャンバ内に搬送するのが容
易となり、またその間隙が磁界の均一性を高める作用を
していることも分かった。
【0097】なお、この例では上部および下部のダイポ
ールリングは磁化の方向が等しい2組を同期して回転し
たが、図7に示すように上部および下部のダイポールリ
ングの間で位相差を形成し合成によって磁界方向が一方
向をむくようにしてもよい。また図8に上下磁石の磁化
方向の位相差と磁界強度との関係を測定した結果を示
す。このように、上部および下部のダイポールリングの
間で位相差を形成することにより、磁界強度を調整する
ことができる。プロセスによって必要な磁界強度はそれ
ぞれさまざまであるが、1組の磁石で位相差を制御する
ことにより、必要に応じた磁界を形成することが可能と
なる。
【0098】なお、上部および下部のダイポールリング
の間で回転を制御するための機構を図9に示す。ここで
は上部および下部のダイポールリングはそれぞれ磁石要
素871を固定するヨーク872の外周面に形成された
歯車873を有し、上部および下部のダイポールリング
の歯車873の両方に噛合する歯車874によって連動
して回転するようになっている。ここで磁石要素871
は角柱形をしている。歯車874はその磁石の大きさ、
重量等を考慮して数カ所設ける。ここで、図9(b) の断
面図を示す。シャフト875についた歯車873は図示
していない駆動機構により回転され、その力を歯車87
4を通してダイポ―ルリング磁石に伝える。ダイポ―ル
リングは軸受け879についた車輪876でレ―ル87
7上を摩擦が少ないように回転することができる。レ―
ル877はダイポ―ルリングの下でリング状に構成され
真空容器と上下駆動機構96(図10参照)を介して接
続されている。この様な構成をとることによりダイポ―
ルリングの高速回転が可能となる。なお、本実施例の図
ではベアリング等の細かい部品は省略してある。また、
二分割にした上部のダイポ―ルリングでは、レ―ル87
7で下部を保持する代わり、その上面を釣り下げるよう
にして保持すると良い。また、分割されたダイポ―ルリ
ングは個々に複雑な力を及ぼしあう為、例えば上下のリ
ングを駆動する歯車を一つのシャフトに固定し、完全に
同期させて回転させると良い。
【0099】また、この歯車との噛合位置を代えたり、
同軸的に動く複数の歯車を着脱自在に構成することによ
り、回転速度を変化させたり両者の位相をずらしたりす
ることも可能である。また2つに分割し、その上下間で
磁石要素の位相を調整するようにすれば、磁石を取り替
えることなく容易に磁界強度を調整することができる。
さらには、ダイポールリングを、同一の中心軸をもつよ
うに上下方向に少なくとも2つに分割し、その上下間で
回転方向が逆となるように回転することにより、磁石を
取り替えることなく容易に交番磁界を形成することも可
能である。
【0100】例えば、個々の磁石要素にモ―タを備え、
電気的な制御で同期させる、あるいは意図的に非同期で
回転させ、磁界を単に回転させるだけではなく、交番磁
界を形成しそれをさらに回転させたり、磁界強度を変化
させたり、分布を変化させることも可能である。
【0101】また、磁界の高速回転を行うためには、導
体中を磁界が横切ることにより発生する渦電流により磁
界が弱められる場合がある。そこで、高磁界強度で高速
回転を要する装置では、特に真空容器側面を抵抗率の高
い材料、あるいは絶縁物で構成すると良い。さらに、第
1の電極あるいは第2の電極の一部あるいはすべてを常
磁性体で構成すると、磁力線がその内部を透過しやすく
なるため、結果的に電極周辺部などの磁界の乱れ易い部
分で補正を行うことができる。
【0102】次に本発明の第3の実施例として、高速回
転機構を内蔵した磁石アセンブリとその上下機構を備え
た装置について説明する。
【0103】この例では図10に示すように、真空容器
の外周面には上下位置および間隔調整機構96を介して
高速回転可能な上部および下部のダイポールリングアセ
ンブリ92,91が設置されており、この回転機構には
回転によるパーティクルが外部に放出されるのを防ぐた
めのダクトホース97が設置されている。また真空容器
の上方にガス噴き出しノズル93を形成すると共に排気
ノズル94を形成し、排気口6から上方にガスを排出す
るように構成されている。他の部分は第2の実施例と同
様に形成されている。
【0104】また、本発明の第4の実施例として磁界発
生手段の構成要素である1つ1つの磁石をそれぞれ所定
の位相だけ磁化方向をずらして配置し、個々に回転させ
ることにより、磁石全体を回転したのと同等の磁界を形
成することが可能である。
【0105】この例では図11に示すように両面に歯を
設けたリング103の内側に噛合するように16個の小
歯車102が形成され、この歯車の下面が円柱状の磁石
要素101となっている。ここで104は回転駆動機構
であり、105は回転駆動機構に連結した歯車である。
また106は台座、107は軸受けである。
【0106】この例では回転駆動機構104の回転によ
りリングがBを中心に回転し、個々の磁石要素101が
回転することにより合成磁界が回転するようになってい
る。ここで駆動モ―タを時計回りに回すと、リング10
3は反時計回り、磁石要素101も反時計回りに回転
し、その結果、合成磁界108は時計回りに回転するこ
ととなる。
【0107】このように各磁石要素の位置は変化せず、
磁石要素を回転(自転)させることによりダイポールリ
ングとして合成される磁界を回転することも可能であ
る。すなわち図12(a) は図2で示した磁界配置と同様
であり、単に要素磁石の形状がことなるだけである。次
に、個々の磁石を時計回りに同じ速度で回転させていく
と、図12(b) ,図12(c) ……のように合成される磁
界は、反時計回りに回転し、要素磁石の回転角度と合成
磁界の回転角度は一致することが分かる。この様な構成
で大きなダイポ―ルリングの構成を回転させること無
く、同様の効果を得ることができる。
【0108】次に本発明の第5の実施例としてスパッタ
リング装置について説明する。
【0109】このスパッタリング装置は、図13に示す
ように真空容器1の上端内壁の第1の電極7上に取り付
けられたターゲット板61と、該ターゲット板61に対
向配置され基板支持台を兼ねる第2の電極2とを配設
し、直流電源64でターゲット板61へ高周波電源5の
発生する電力をマッチング回路14を介してターゲット
板61と第2の電極2に印加した。これらによって形成
される電界と、真空容器1の外側面に配設された上部ダ
イポールリング44および下部ダイポールリング45と
によって形成される磁界との直交する空間内に、ガス供
給系4からガスを供給し、放電によってプラズマを形成
し、このプラズマ中のイオンをターゲット板61に衝突
せしめ、ターゲットからのスパッタリング粒子を第2の
電極2上のウェハ3上に垂直に導くようにしたことを特
徴とするものである。ここでターゲット板61と第2の
電極2との距離は3cmとした。
【0110】このダイポールリングは本発明の第2の実
施例において図6に示したのと同様に形成されており、
ウェハ面上で平行な磁界を形成しており、この磁界とタ
ーゲット板表面に形成された電界によるE×Bの作用に
より、マグネトロン放電を維持するように構成されてい
る。そしてこのマグネトロン放電で形成されたプラズマ
中の電子がドリフト運動しイオン化効率を高め、比較的
低圧力の条件下においても高密度のプラズマを発生させ
ることができる。
【0111】また、基板支持台としての第2の電極2の
内部にはヒータを埋め込むなど基板温度を制御する温度
調節機構62が設置されている。
【0112】また、真空容器内壁は、第1の電極7の近
傍に配設された絶縁物65を介して下部との間を絶縁分
離するように構成されている。6は排気系、63はター
ゲットを冷却するための温度調節機構、64はターゲッ
トの電位を調整するための電源である。
【0113】また、真空容器内へのウェハの出し入れは
ロードロック機構(図示せず)および搬送機構(図示せ
ず)によってなされる。
【0114】次に、この装置を使用し、実際に堆積膜を
形成する方法について説明する。
【0115】まず、図14(a) に示すように、表面に形
成されたパターン67によって表面が凹凸をなすシリコ
ン基板68をウェハとし、これをロードロック機構およ
び搬送機構を用いて真空容器1の第2の電極2上に搬送
し、静電チャック(図示せず)によって固定し、所望の
温度(250℃)となるように制御する。
【0116】そして、排気系6により真空容器1内を真
空排気したのち、供給系4からアルゴンガスを100cc
/mの流量で、10-3Torr程度の圧力となるように導入
し、まずウェハ表面の電極部分の表面酸化膜や炭化水素
等の汚染物を除去するため、まず、第2の電極側の高周
波電力を印加、プラズマを形成して、スパッタリングに
よりクリ―ニングする。次に、タ―ゲット側に大電力を
投入しアルミ合金をスパッタリングする。ターゲット板
61(第1の電極7)に直流電力(400V,3.5
A)を,第2の電極2に高周波電力を印加する。そして
アルゴンガスを放電させプラズマを形成する。そして磁
界により電子が電極間に閉じこめられる。その結果、寿
命が延び電子の走行距離が長くなって、分子、原子との
衝突頻度が増し、イオン化効率が高まり、低ガス圧下に
おいても高い密度のプラズマが形成される。磁界の回転
はエッチングの実施例と同様な理由により本実施例で
は、200rpm とした。
【0117】ターゲット板61の表面には陰極降下電圧
Vdcが発生し、プラズマ中のアルゴンイオンがターゲッ
ト板61表面に照射されスパッタリング作用によりター
ゲット板材料すなわち堆積材料例えばアルミニウムがプ
ラズマ中に放出され、ウェハ上に堆積する。
【0118】第2の電極2に印加された高周波電力によ
り基板にバイアス電圧が生じ表面では堆積とスパッタリ
ング作用が同時に起こる結果、図14(b) に示すように
溝の底部にも効率よく導かれ”す“の発生もなく表面全
体にわたって均一で良好な薄膜形成を行うことができ
る。これは磁界を完全に平行にかつ強く形成することが
でき、ターゲットの減り方が均一になるためである。こ
こで堆積速度は、1.7μm/分、均一性は、±3%が
達成された。
【0119】本実施例では高密度のプラズマが形成され
る領域がタ―ゲット板全体に及んでいる。従来装置のよ
うに高密度プラズマが局在した場合、タ―ゲット板の一
部が高速にスパッタリングされ、タ―ゲットが短寿命、
成膜の均一性が悪い、ウェハ内の位置により成膜された
形状が異なる等の問題があったが、本発明の装置ではタ
―ゲットは均一にスパッタリングされるため、装置とし
ての性能が向上する。また、ダメ―ジが低減したことは
言うまでもない。
【0120】そして図14(c) に示すようにエッチバッ
クを行うことにより、微細な溝内にも膜質の良好な埋め
込み層69を形成することが可能となる。
【0121】このように、10-3Torr程度の比較的低い
圧力条件下においても高密度のプラズマを発生させるこ
とができ、膜中への不純物の取り込みは極めて少なくな
り、膜質が向上する。さらに、堆積速度を高めることが
できる上、低圧力下では粒子の平均自由工程が長くな
り、堆積種を輸送する時の方向性を高めるのに好都合と
なる。
【0122】なおこの装置は、アルミニウム薄膜のみな
らず、タングステン、モリブデンなどの高融点薄膜、酸
化アルミニウム、五酸化タンタル、窒化アルミニウム、
酸化シリコン、窒化シリコン膜等の絶縁膜など種々の薄
膜形成およびエッチングに適用可能である。
【0123】加えて、装置の構造および材質は、実施例
に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内で、適宜変形可能である。
【0124】次に本発明の第6の実施例として、コール
ドウォールタイプのプラズマCVD装置について説明す
る。
【0125】このCVD装置は図15に示すように、真
空容器1の外周面に、第1乃至第4のダイポールリング
からなる多重分割ダイポールリング51を配設したこと
を特徴とするものである。
【0126】そして真空容器1の上部には第1の電極7
が配設され、該第1電極7に対向配置され基板支持台を
兼ねる第2の電極2とを配設し、第1の電極7の近傍に
形成されたガス導入口4から第2の電極2上のウェハ3
に向けてガスを供給しつつ、高周波電源5の発生する電
力をマッチング回路14を介して第1の電極7と第2の
電極2との間に印加し、これによって形成される自己バ
イアス電界と、真空容器1の外側面に配設された多重分
割ダイポールリング51によって形成されるウェハ3表
面に平行な磁界との直交する空間内に、高密度プラズマ
を形成し、ウェハ表面に誘起された自己バイアス電界に
より該プラズマ中から加速されたイオンがウェハに衝突
し薄膜形成反応を進行させるものである。
【0127】さらに、真空容器上方には第1の電極の温
度を調整する温度調整機構53および第1の電極7に接
続されたマッチング回路58および電源59が配設され
ている。図中54は石英窓、55は光検出器、56は光
ファイバ、57はプラズマからの光を分光し、気相中の
状態を調べるための分光器である。
【0128】次にこの装置を用いた薄膜形成について説
明する。
【0129】この実施例では、堆積性のガスSiH
4 (200cc/分)とO2 (200cc/分)を導入
し、8×10-4Torrの圧力で放電させ、SiO2 薄膜を
形成する。ウェハの搬送は上述した実施例と全く同様で
あるが、ロ―ドロック機構は図示していない。第1の電
極は真空容器1とは別に設けられ、独立に電源59が接
続されている。ガスは第1の電極内部を通してガス導入
ノズル52からウェハに向けて均一に供給される。基本
的な操作手順は上述してきた装置と同様である。ここで
の特徴はプラズマ中で形成された堆積種が雪のようにウ
ェハに降り積もり表面に吸着し、さらに電源5により供
給される高周波電力で誘起されたバイアス電圧で加速さ
れたイオンの衝撃により反応が進み、最終的に不純物の
少なく、屈折率が小さい熱酸化膜に近い膜が形成され
る。ここでは磁界強度2000ガウスと非常に強力な磁
界を与えた。高周波電力は1.2kW、このときの堆積
速度は0.3μm/分であった。
【0130】なお、磁界強度の絶対値がこのように高い
場合は、いかに均一性の高い磁石であっても、磁界の高
い部分と低い部分の強度差の絶対値は大きくなってしま
う。そこで、本実施例では4分割されたタイプのダイポ
―ルリングを使用した。この磁石は最上部、あるいは最
下部の磁石の位置を調整することで、磁界強度、分布を
微調整することができる。また、ウェハの大口径化によ
り装置が大型化すると、電極中央部と周辺部ではチャン
バ壁との距離が大きく異なり、プラズマ特性に差が現れ
る。そこで、ウェハ近傍の磁界は均一に保ちつつ、第1
の電極、第2の電極の周辺部で磁界を意図的に乱すこと
でプラズマの自体の均一性を高めることが可能である。
多分割の磁石構成はこのような応用が可能となる。
【0131】以上のように、CVD装置に本発明を実施
することで成膜速度、均一性の向上、ダメ―ジの低減を
はかることができる他に、高密度プラズマを形成するこ
とができ、気相でのガスの分解、反応が進むため、成膜
された膜質についても向上が認められた。
【0132】次に本発明の第7の実施例として、ホット
ウォールタイプのプラズマCVD装置について説明す
る。
【0133】このCVD装置は図16に示すように、石
英管からなる真空容器71の外周面に、ヒータ78およ
び冷却板75および冷却パイプ79が設けられその外側
にダイポールリング80が配設されていることを特徴と
するものである。一般に磁石材料はそのキュリー点が数
百℃に存在するが、100℃程度から保磁力が低下する
ものも多く、昇温は特性劣化の原因となる。そこで熱が
発生する装置例えばCVDやチャンバーの加熱を行って
いるエッチング装置等では必要に応じて冷却手段を設け
る。
【0134】ガス導入口74およびガス排出口76が相
対向するように真空容器の両端に設置され、このガスの
流れに垂直にウェハ73が配列されるようになってい
る。72は第1の電極であり電極支持棒82によって支
持されている。また77は第1の電極であり同様に第1
の電極に相対向するように電極支持棒82によって支持
されている。5は電源である。
【0135】次に本発明の第8の実施例として、図1に
示したエッチング装置を用いたMOSFETの製造工程
について説明する。
【0136】図17(a) に示すように、シリコン基板1
21表面に素子分離領域122を形成した後、ゲート絶
縁膜123を形成しさらにCVD法によりn+ 多結晶シ
リコン膜124を形成する。そしてこの上層にレジスト
パターン125を形成する。この後図1に示したエッチ
ング装置にこのシリコン基板を設置し、図17(b)に示
すように、レジストパターン125をマスクとしてn+
多結晶シリコン膜124を異方性エッチングした。この
ときのエッチングガスとしてはCl2 +H2の混合ガス
を用い圧力は30mTorr ,印加電力は200Wとした。
この装置を用いることによりウェハ表面はプラズマに晒
されているため帯電するが、ウェハ面内で電圧(帯電)
が均一であればゲート酸化膜上下に大きな電圧がかかる
ことはないため、ゲート破壊を防ぐことができる。この
ようにして十分な選択比を得ることができ寸法精度の高
いパターンを形成することができる。
【0137】この後、このゲート電極をマスクとして、
イオン注入を行いソースドレイン領域126を形成しレ
ジストパターン125を剥離し、MOSFETが形成さ
れる。 このように本発明の方法によればゲート破壊を
生じることなく、微細でかつ信頼性の高いMOSFET
を得ることが可能となる。
【0138】次に本発明の第9の実施例について説明す
る。
【0139】図18および図19は、本発明実施例のエ
ッチング装置を示す図である。これらの図っしれにおお
いて図1と同一部分には同一符号を付して示し詳細な説
明は省略する。
【0140】このエッチング装置は、ダイポールリング
13の環の直径を可変にすると共に、下部電極2を電極
位置レベル設定手段30によって上下動可能となるよう
にしたことを特徴とするものである。すなわち円環状を
なすように順次配列され、着磁方向が前記円の半周で一
回転するように異なる複数の磁石要素を含んだダイポー
ルリング13の発生する磁界内に被処理基体3を搬送す
る際、被処理基体の上下動により、磁界内に容易に搬送
されるように構成されている。
【0141】すなわちこのエッチング装置は、図18に
全体概要図を示すように、真空容器1の上端内壁の第1
の電極7と、該第1電極7に対向配置され基板支持台を
兼ねる上下動可能な第2の電極2とを配設し、高周波電
源5の発生する電力をマッチング回路14を介して第1
の電極7と第2の電極2との間に印加し、これによって
形成される電界と、真空容器1の外側面に配設されたダ
イポールリング13によって形成されるウェハ3表面に
平行な磁界との直交する空間内に、ガス導入口4から反
応性ガスを供給し、放電によってプラズマを封じ込め、
ウェハ表面に誘起された自己バイアス電界により該プラ
ズマ中から加速されたイオンが、ウェハに衝突しエッチ
ング反応を進行させるものである。
【0142】このダイポールリング13は、それぞれ図
19に図18の上方から眺めた要部拡大説明図、図20
に全体説明図を示すように、円柱状の真空容器1の側壁
に、このまわりを同心円状に囲みその径が可変となるよ
うに支持された磁石要素30からなり、磁界方向35の
方向に着磁された磁石要素300 からθの位置にある磁
石要素は磁界方向35に対して2θだけ回転した方向に
着磁されており、磁石要素300 から180度の位置に
ある磁石要素は再び磁界方向35を向くように環状に配
列されている。ここで、構成要素となる個々の磁石要素
にはねじれを生じるような力がはたらくため堅牢な非磁
性体ヨーク(図示せず)に固定されている。ヨークにつ
いてはもれ磁界をさらに低減するために磁性体のヨーク
を使用することも可能である。
【0143】この構造によれば、第2電極が上下方向に
移動可能であるため、被処理基体の搬送に際しても容易
に下降せしめて搬送すればよい。従って、磁界発生手段
を分割する必要がなくなり、そのため分割することによ
る磁界の落ち込みや、それを防ぐための補助磁界を与え
る必要がなくなり、簡単な装置構成で均一な高密度磁界
を形成することができ、プラズマ電位と自己バイアスと
の均一化をはかることができ、被処理基体の面内におい
て異方性が高く均一な表面処理を行うことが可能とな
る。
【0144】また、被処理基体3を設置した第2の電極
2であるカソード電極の高さを任意の位置に設定するこ
とができ、プラズマ処理中の電極間隔を任意に変えるこ
とができ、材質、ガス、圧力によって最適な間隔をとる
ことができ、処理特性に変化を与えることが可能とな
る。
【0145】また、環状をなす磁石要素の環の直径を変
化させることで任意に環内に発生する磁界強度を変化さ
せることができ、イオンエネルギーを制御することで処
理特性に変化を与えることが可能となる。
【0146】図21(a) および(b) にこのダイポールリ
ングの径方向移動量xとこれによって形成された磁界分
布を示す。この図から明らかなように、ダイポールリン
グの環の径方向に磁石要素を移動させることにより、磁
界強度を容易に変化させることができる。
【0147】本発明の作用を説明するために、図22
に、被処理基体の搬送を想定し、高さ方向1/2のとこ
ろにスリットを設けた場合のダイポールリングマグネッ
トによって形成された磁界分布を示す。この図から明ら
かなように、ウェハ中央とウェハ周辺部でダイポール磁
石の作る磁界の強度の差は20%未満,またXY平面内
の傾きは±5度以内の均一性を達成することができる。
また高さ方向はダイポール磁石の高さの中央1/3の領
域で強度は±5%、磁界の傾きは±6度以内に抑えるこ
とができた。この均一性は磁石要素の断面形状を円状に
したり、磁石要素の数を増やすことでさらに均一な磁界
を形成することができる。しかし、チャンバー壁面周辺
でスリットを入れることによって磁界強度が低下してい
る。これを防ぐために補助磁石等を付加して補正する必
要があり、装置構成が非常に複雑となってしまうが、上
記実施例の構成のように、第2電極を上下動可能にする
ことによって、補助磁石等を付け加えて補正する必要が
なくなり、装置構成が非常に簡単となる。
【0148】このように電界Eと磁界Bを直交させるこ
とで、プラズマ中の電子をローレンツ力によりE×B方
向にドリフトさせることができる。そしてこのマグネト
ロン放電で形成されたプラズマ中の電子にドリフト運動
を生ぜしめ長距離を走らせることで、電子が中性の分
子、原子と衝突する頻度が高まり、プラズマ密度が上昇
する。さらに、磁界を与えること自体で電子をプラズマ
中に閉じ込め、その寿命(チャンバ側壁や電極、ウェハ
に衝突するまでの時間)を長くし、さらにNS方向端部
でプラズマ磁界強度を高して、プラズマを封じ込め、そ
の結果さらにプラズマ密度を向上することができる。こ
のようにプラズマを高密度化することにより、単にエッ
チング速度を高める以外に、イオンの方向性をよくした
り、中性種と被エッチング膜の反応(等方性の反応)を
抑制するためにガス圧力を下げても、ダメージや選択比
を低下させる原因となるイオンエネルギーを十分に低く
保つことができる。
【0149】また、基板支持台としての第2の電極2の
内部には冷却用配管17を介して液体が通され基板温度
を効率よく制御するように構成されている。これは本発
明によるマグネトロンプラズマが高密度であり、プラズ
マから基板に与えられる熱が従来の装置に比べて多いた
めである。
【0150】さらに、真空容器内壁は、第1の電極7の
近傍に配設された絶縁物11を介して下部との間を絶縁
分離するように構成されている。4は反応ガス導入用の
供給系、6は排気系である。20も第2の電極を絶縁分
離するための絶縁物である。また、第2の電極2上のウ
ェハ周辺部は直接プラズマに晒されないように保護リン
グ16が置かれる。この材料は、SiC、アルミナ、A
lN、BN等のセラミクス、種々の構造の炭素、Si、
有機物、金属、合金等が被エッチング膜、ガスに合わせ
て選択される。
【0151】また前記実施例ではネオジウム系(Nd−
Fe)磁石を使用したが、その他例えば、Sm−Co
系、フェライト、アルニコなどの永久磁石材料を適宜必
要な磁界、耐性、重量などを考慮し選択して使用すると
よい。
【0152】このように、このダイポ―ルリング磁石の
構成はプラズマを形成する対向電極間に著しく均一な磁
界を形成し、また、その強度も従来の装置に比べ高く、
数kGまで実現できる。したがって、プラズマ密度が向
上し処理速度、特性を高めることができる。さらに、大
口径ウェハを使用した場合に特に顕著であるがプロセス
のウェハ面内均一性が向上する。さらにまた、プラズマ
の不均一性によって引き起こされるMOS構造の静電破
壊が無くなる等の効果もある。一方、反応容器の側面に
磁石を構成するため、メンテナンス時に開放する必要の
ある真空容器上部(アノ―ド側)が空き、またプロセス
のモニタ―、アノ―ド側へのrf電力印加等を行うとき
にも有効である。一層の均一性を得るために磁石とウェ
ハは相対的に回転する様にしても、従来の様に磁石をア
ノ―ドに配置したときのようにメンテナンス時に移動す
る必要が無いため、反応容器側面にレ―ルを設ける等の
方法により堅牢に固定でき、操作も簡便になる。
【0153】次に、この装置を使用し、実際にシリコン
基板上に形成した酸化シリコン膜をエッチングする方法
について説明する。
【0154】まず、図23(a) に示すように、シリコン
基板300表面に膜厚1000nmのシリコン酸化膜30
1を形成しさらにこの表面にレジストパターン302を
形成したものをウェハとし、ロードロック機構および搬
送機構を用いて真空容器1の第2の電極2上に搬送し、
静電チャック(図示せず)によって固定し、そのままダ
イポールリングマグネットの中心軸にある第1電極から
27mmの地点まで上方に上げる。
【0155】そして、排気系6により真空容器1内を10
-6Torr程度に真空排気したのち、供給系4からCF4
スを50cc/min導入し、第1の電極7と第2の電極2と
の間に13.56MHzの高周波電力(rf)を200
W印加する。このときサセプタの単位面積当たりの電力
密度は0.6W/cm2 である。ここでは、ダイポールリ
ング13は回転しないが回転してもよい。このときダイ
ポールリング13内部での磁界強度は200Gとする。
【0156】そして、エッチング終了後、高周波電力を
オフし、エッチングガス停止し、チャンバ内に残るガス
を廃棄した後、第2電極を下降せしめて元の位置に戻
し、やはりロ―ドロック機構を使用し、チャンバ外部へ
取り出し、図24(b) に示すように断面が垂直で寸法精
度が良好なエッチング形状を得ることができる。
【0157】このようにして、寸法変換差の全くない加
工が実現できる。さらに、プラズマ密度を極めて高く維
持することができるため、イオンのエネルギーは低くお
さえることができ、選択比を高くダメージを小さくする
事ができる。
【0158】なお、前記実施例では、ダイポールリング
を16分割で構成したが図5に示したように、12分割
あるいは8分割としてもよい。
【0159】また、シリコン酸化膜のエッチングには、
フロロカ―ボン(CF)を含むガスを用いたが、レジス
トの方向性加工には酸素を主としたガス、さらに配線に
使用するアルミニウムなどは塩素を主体としたガスを使
用して高性能の加工が可能であり、本発明の効果が確認
された。他の材料についても、少なくともハロゲン素あ
るいは酸素、水素、窒素等の反応性ガスを含むガスを使
用し、エッチングすることができる。
【0160】さらにまた、磁界強度については200ガ
ウスに限らず、適宜エッチングする材料、使用するガス
に応じて選択される。
【0161】さらに従来電極間隔を20mm程度まで狭め
ると放電の効率が下がる減少が認められたが1600ガ
ウスでは8mmまで狭めることが可能となりガスの流れ等
から要求される装置構成に対し許容度を高めることがで
きる。さらに、高周波周波数についても13.56MH
zに限定されることなく、エッチングする材料に応じ
て、例えば高めのイオンエネルギが必要な酸化膜系のエ
ッチングには100kHzから1MHz程度の比較的低
い周波数が有効である。一方、燐添加多結晶シリコンあ
るいはアルミ合金等のように、マスクや下地材料に対し
選択比が要求される材料については20MHzから数1
00MHz程度の高い周波数を使用し、イオンエネルギ
を低下させると有効である。いずれの場合も、磁界の強
度と組み合わせてイオンエネルギとプラズマ密度、その
他のプラズマパラメ―タを制御することができる。
【0162】さらにこの装置を用いて、第2電極2の上
下動距離を変化させることにより、電極間隔を27mm,
40mm,55mmと変化させ、実際にシリコン基板上に形
成した酸化シリコン膜をエッチングした。この結果を図
24に示す。この図から明らかなように電極間隔を変化
させることでエッチング速度および均一性が変化してい
る。このようにエッチングする材料によって電極間隔を
変えることでダメージの少ないエッチングや高速のエッ
チングを選択することができる。
【0163】さらにエッチング中に電極間隔を変化さ
せ、シーケンシャルにエッチングを行うことも可能であ
る。
【0164】このように本発明は、前記実施例に限定さ
れることなく、種々の装置に適用可能である。
【0165】例えば従来のマグネットを用いたエッチン
グ装置でMOSデバイスの電極上に絶縁膜を形成し、平
坦化のためのエッチバックを行う場合、磁界の不均一の
ためにウェハ表面の帯電が不均一になり、ウェハ周辺部
に絶縁破壊を生じることがあったが、この装置を用いる
ことによりウェハ表面の帯電が均一になり、絶縁破壊の
発生を防止することができる。この例について説明す
る。
【0166】この装置を用い、図25に示すようにシリ
コン基板303上に絶縁膜304を形成し、多結晶シリ
コン膜305を堆積させて形成したMOS構造のゲート
電極上にCVD酸化膜306を堆積し、全面を異方的に
エッチングすることによってゲート電極祖っくへきに絶
縁膜304を残置させる工程について説明する。
【0167】ロードロック機構および搬送機構を用いて
真空容器1の第2の電極2上に搬送し、静電チャック
(図示せず)によって固定し、そのままダイポールリン
グマグネットの中心である第1電極から27mmの地点ま
で上方に上げる。
【0168】そして、排気系6により真空容器1内を10
-6Torr程度に真空排気したのち、供給系4からCF4
スを50cc/min導入し、第1の電極7と第2の電極2と
の間に13.56MHzの高周波電力(rf)を102
7W(2.7W/cm2 )印加し、CVD酸化膜のエッ
チングを行い、エッチング終了後、高周波電力をオフに
し、エッチングガスを停止し、チャンバ内に残るガスを
廃棄した後、第2電極を下降せしめて元の位置に戻し、
やはりロ―ドロック機構を使用し、チャンバ外部へ取り
出し、図25(b) に示すようなエッチング形状を得る。
【0169】このようにして得られたデバイスには図2
6(a) および(b) に破壊頻度および8MV/cmの電界
をかけたときのウェハ表面上でのゲート破壊を示すよう
に、印加電場15MV/cmまでみられず、8MV/c
mまでゲート破壊を生じるものは皆無であった。これに
対し、従来のマグネットを用いたエッチング装置で同様
の工程を行った場合、図26(c) および(d) に破壊頻度
および8MV/cmの電場をかけたときのウェハ表面上
でのゲート破壊を示すように印加電場5MV/cm以下
でも破壊が生じており、8MV/cmまででウェハ周辺
部に10/82の比率でゲート破壊が生じている。
【0170】図27は同様の条件でエッチングを行った
ときの磁界強度と酸化膜のエッチング速度、自己バイア
ス電圧を測定した結果を示す図である。この結果から磁
界強度の上昇とともに、エッチング速度は増加し、自己
バイアス電圧は低くなることがわかる。
【0171】次に、さらに他の実施例として、このダイ
ポールリングマグネットのなす円環の直径を変化させ、
磁界強度を変化させた例について説明する。図28は、
前記第8の実施例と同様の条件で直径を変化させ、磁界
強度を変えてエッチングを行った時のp−シリコンのエ
ッチング速度を示す。ここでエッチングガスとしてはC
2 を用い、13.56MHzの高周波電力を150W
(0.5W/cm2 )印加し、圧力は50mtorr とし
た。エッチング速度は磁界強度の増加に伴い、単調増加
せず、400G程度の磁界強度で最も速くなる。さら
に、同様の酸化膜のエッチング速度を測定しその選択比
を求めると、その選択比がとれるのは磁界強度が500
Gの時であった。
【0172】これらの磁界強度を用いてシーケンシャル
にエッチングを行った。シリコン基板307上に酸化シ
リコン膜308を堆積し、CVD法によってp−シリコ
ン膜309を400nm堆積し、フォトレジスト310を
パターニングしたウェハを用意する(図29(a) )。
【0173】このウェハをロードロック機構および搬送
機構を用いて真空容器1の第2の電極2上に搬送し、静
電チャック(図示せず)によって固定し、そのままダイ
ポールリングマグネットの中心である第1電極から27
mmの地点まで上方に上げる。そして、排気系6により真
空容器1内を10-6Torr程度に真空排気したのち、供給系
4からCF4 ガスを50cc/min導入し、第1の電極7と
第2の電極2との間に13.56MHzの高周波電力
(rf)を150W(0.5W/cm2 )印加し、40
0Gの磁界強度になるようにしてダイポールリングマグ
ネットの円環の直径を調整し、p−シリコン膜のエッチ
ングを行う。
【0174】そして下地の酸化シリコン膜308が露出
する直前にダイポールリングマグネットの円環の直径を
小さくし、500Gになるように調節し、オーバーエッ
チングを行う。
【0175】そして、エッチング終了後、高周波電力を
オフにし、エッチングガスを停止し、チャンバ内に残る
ガスを廃棄した後、第2電極を下降せしめて元の位置に
戻し、やはりロ―ドロック機構を使用し、チャンバ外部
へ取り出し、図29(b) に示すように良好なエッチング
形状を得ることができる。
【0176】このように最初はエッチング速度を高めて
おき、磁界強度を途中で高くして高選択比のエッチング
を行うことにより、高い選択比を維持したまま高速エッ
チングを行うことが可能となる。
【0177】次に本発明の第10の実施例として、磁界
の平行な空間の高さを変化させた例について説明する。
この例では図18および図20に示したダイポールリン
グ13が、環状をなすとともに、その中心軸と垂直な面
内において、着磁方向が前記環の半周で一回転可能なよ
うに配列された複数の磁石要素M1 〜M16を含み、前記
複数の磁石要素のうち相対向する3組の磁石要素M16,
M1 ,M2 およびM8,M9 ,M10が、図30に示すよ
うに、前記環の中心軸方向の着磁成分を有し、かつ大き
さがほぼ同じで向きが逆となるようにしたもので、図3
1(a) に示すようにこの構成により平行磁界の形成され
る高さをダイポールリング13の中央よりも偏在させる
ことができる。比較のために図18に示した構成すなわ
ち環と垂直な方向成分を含まない場合の平行磁界の高さ
を図31(b) に示す。
【0178】このようにしてダイポールリング13の中
央から5cm低い位置に平行磁界空間ができるようにす
ることができる。このように中心から5cm低い位置に
おいてもXY空間の磁界分布は15%以内、垂直成分の
分布は4%以内と、従来のダイポールリングの中心での
磁界分布に相当する均一性を得ることができる。
【0179】この装置においても図32に示すように従
来のダイポールリングマグネットを用いた場合と同様の
均一性を得ることができる。このように平行磁界空間を
環内の任意の場所に作り出すことができることにより、
従来のダイポールリングマグネットの持つ特性を保ち、
さらにウェハの上下方向の駆動距離を大幅に短くするこ
とが可能となり、搬送機構が従来に比べ大幅に簡単とな
る。
【0180】また、エッチング途中で垂直成分の大きさ
を変化させるようにしてもよい。
【0181】次に本発明の第11の実施例として、スリ
ット間隔を可変にすることのできるダイポールリングマ
グネットを備えたマグネトロンRIE層を用い、そのス
リット間隔を変化させてエッチングを行った例について
述べる。図33はこのマグネトロンRIE装置の装置構
成を示す断面図である。この図に示すようにダイポール
リング401,402は上下に移動可能であり、これら
の間の間隔は任意の値に設定することが可能である。次
にこの装置を用いて被処理基板のエッチングを行った例
について述べる。まず、図34に示すようにシリコン基
板501上に酸化膜502を1100nm形成した被処理
基板をロードロック機構(図示せず)を用いエッチング
チャンバー(真空容器)1に導入し、カソード電極2上
に設置し、静電チャンックを用いて固定した。次にダイ
ポールリングマグネット401,402のスリット間隔
を任意に設定した後、エッチングチャンバー1内にCF
4を100SCCMの流量で導入し、0.5mTorr にな
るように圧力を調整し、13.56MHzの高周波電力
をカソードの面積に対し2.7W/cm2 の出力で印加
して、60秒間エッチングを行った。この後ロードロッ
ク機構を用いてチャンバー外部に出し、ウェハ面内のエ
ッチング速度分布を測定したところ、ダイポールリング
マグネットのスリット間隔とエッチング速度のウェハ面
内均一性は次のような結果となった。図35および図3
6はその結果を示す特性図である。図35(a) はスリッ
トの間隔が0の時のウェハ面内におけるエッチング速度
分布の均一性を表す。このときチャンバー内での磁界強
度はミラー磁界になっているため、ウェハ中央部のエッ
チング速度が周辺部に比べ極端に早くなっている。(b)
はスリット間隔5mmの時の均一性を示す。スリット間隔
をわずかに開けた分、ミラーが弱まり、ウェハ中央部へ
の集中が弱まり、エッチング速度の不均一もスリット間
隔が0の時に比べ良好になってはいるが、やはり中央部
で早くなっている。図36(a) はスリットの間隔を15
mmにしたときの均一性を示し、エッチングチャンバー内
の磁界強度はほぼ均一になっており、エッチング速度の
均一性は非常に良好になった。図36(b) はスリット間
隔を30mmにした時で、磁界強度がウェハ直上では均一
なものの、チャンバー側壁近くで落ち込んでおり、その
影響を受け、ウェハ周辺部でのエッチング速度の低下が
見られる。このチャンバー内の磁界を均一にするための
スリットの間隔はチャンバーの内径あるいはダイポール
リングマグネットの内径、あるいはダイポールリングを
構成する個々のマグネットの強度、形状によって変化
し、必要に応じて選択することで非常に均一なエッチン
グを行うことが可能となる。
【0182】次に本発明の第12の実施例として、真空
容器内の空間を分割する分割部材を被処理基体の外周に
設置した例について説明する。
【0183】図37は上記部材を組み込んだマグネトロ
ンRIE装置の構成を示す断面図である。この分割部材
601の形状は本実施例においては円筒形状となってお
り、被処理基板設置部(カソード)3を取り囲むように
設置されている。すなわち、分割部材601は真空容器
を被処理基板602の径方向において該被処理基板60
2が存在する空間603aと存在しない空間603bと
に分割するように配置されている。ここで該分割部材6
01には直径5mm程度の穴601aが多数開けられてお
り、上記空間603a内からのガス排気を効率よく行う
ことが可能となっている。なお、この分割部材は目の大
きさが1mm程度のメッシュで構成しても良い。材質につ
いても表面をアルマイト処理したアルミニウムなどの金
属、セラミックなどの絶縁物など適宜選択可能である。
また金属を用いた場合には接地電位に維持したり、所定
の電位に維持したりするなどの構成も可能である。
【0184】次にこの装置を用いて被処理基板602の
エッチングを行った例について述べる。まず、図34に
示したようにシリコン基板501上に酸化膜502を1
100nm形成した被処理基板602をロードロックチャ
ンバー(図示せず)からエッチングチャンバー(真空容
器)1に導入し、カソード電極2上に設置し、静電チャ
ンックを用いて固定した。次にダイポールリングマグネ
ット401,402のスリット間隔を任意に設定した
後、エッチングチャンバー1内にCF4 を100SCC
Mの流量で導入し、0.5mTorr になるように圧力を調
整し、13.56MHzの高周波電力をカソードの面積
に対し2.7W/cm2 の出力で印加して、60秒間エ
ッチングを行った。この後ロードロック機構を用いてチ
ャンバー外部に出し、ウェハ面内のエッチング速度分布
を測定した。図38はその結果を示す特性図である。図
38(a) はダイポールリング604がスリットのない構
成を有している場合であり、チャンバー内での磁界強度
がミラー磁界になっているため、ウェハ中央部のプラズ
マ密度が高くなり、ウェハ中央部のエッチング速度が周
辺部に比べ極端に早くなっている。図38(b) はウェハ
搬送および磁界の均一性を上げるためにダイポールリン
グの中央にスリットを入れた構成についてのものであ
り、ミラー磁界を形成せず、ウェハ中央部で均一なエッ
チング速度の分布を盛っているがチャンバー内壁付近で
スリットを入れたことによって磁界強度が急激に落ち込
みその影響を受けウェハ周辺部のエッチング速度が落ち
込んでいる。
【0185】そこで図37に示すようにスリットの入っ
た構成のダイポールリングおよび分割部材601を備え
たマグネトロンRIE装置を用いて被処理基板602の
エッチングを行った。チャンバー1内のウェハ直上でダ
イポールリングの形成する磁界が均一となる限定された
領域にのみ放電が可能なように分割部材601を取り付
けた。図38(c) はこのエッチングにおけるエッチング
速度のウェハ面内分布を示す特性図である。この図に示
すように0.5mmTorr程度の低圧力でのエッチングに際
しても均一な磁界をなす空間のみで発生し、スリットを
入れたことによるチャンバー内壁付近の磁界の落ち込み
の影響をまったく受けないためである。なお、前記実施
例では、ダイポールリングなどの磁界発生手段は真空容
器の外側に設置したが、内部に設置するようにしてもよ
い。
【0186】このように直接電気部品を加工するプロセ
ス以外にすでに形成された電気部品の上に成膜や表面処
理を行う場合あるいは電気部品は下層に存在するがそれ
に接続する配線電極等を加工あるいは成膜、表面処理す
る場合もまったく同様に本発明は有効である。電気部品
としてはMOS構造に限定されることなくpn接合、種
々の構造のトランジスタ、キャパシタなど電気的機能を
有し、電圧や電流により劣化を生じるものすべてにあて
はまる。
【0187】さらにまた他の応用として、不純物の基板
中への注入技術がある。装置としては平行平板型のプラ
ズマ装置に不純物となる例えばボロンを含むBF3 ガス
を導入し、プラズマを形成する。プラズマ中ではガスが
解離し、そのうちのB原子が基板中に打ち込まれる。同
時にF原子も多く存在するため、ここではガス圧力を1
-5Torr台まで下げて、エッチングされるのを防止す
る。本発明のように磁界を与えることでこのような低い
ガス圧力でもプラズマの生成が可能となり、またその時
のイオンエネルギーも数10〜300eV程度に抑える
ことができ、非常に浅い不純物層を形成することができ
る。本実施例においても、均一性、ダメ―ジの低減等の
効果が同様に実現可能である。
【0188】以上、エッチング、CVD、スパッタリン
グ成膜、不純物添加を中心にダイポ―ルリングを使用し
たマグネトロンプラズマ処理装置および方法についての
実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることな
く、他の磁化プラズマを使用したプロセス、装置に適用
できるものである。例えば、磁界強度は数十ガウスから
数千ガウスにおよぶ範囲でそのプロセスに応じて選択さ
れるものである。
【0189】また、プラズマCVD装置やプラズマによ
る表面改質、イオン注入装置のプラズマイオン源、EC
Rやウィスラ―波(ヘリコン波)プラズマを形成し、プ
ラズマ、電子、イオン、中性活性種のソ―スとして利用
する装置などにも使用できるものである。
【0190】さらに、装置構成についても第1、第2の
電極に個々に高周波、あるいは直流電力を印加しても良
い。また、高周波の周波数も実施例では13.56MH
zを多く使用したが、用途に応じて100kHz程度の
低い周波数から数100MHzまでの高い周波数まで選
択し、磁界の強度とともにイオンエネルギを調節するこ
とができる。
【0191】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、真空容器内に任意の強度をもつ均一な平行磁界を発
生させプラズマを封じ込めることができ、イオンダメー
ジが小さく、均一かつ安定な薄膜形成および方向性の極
めて良好なエッチングなどの表面処理を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のエッチング装置を示す
【図2】同エッチング装置のダイポールリングを示す図
【図3】同エッチング装置の磁界分布を示す図
【図4】同エッチング装置を用いたエッチング方法を示
す図
【図5】同ダイポールリングの変形例を示す図
【図6】本発明の第2の実施例のエッチング装置を示す
【図7】同エッチング装置の上下ダイポールリングの位
相差と合成磁界との関係を示す図
【図8】上下磁石の位相差と磁界強度との関係を示す図
【図9】上下磁石の回転駆動装置を示す図
【図10】本発明の第3の実施例のエッチング装置を示
す図
【図11】本発明の第4の実施例のエッチング装置のダ
イポールリングの駆動装置を示す図
【図12】ダイポールリングの磁石要素の回転と磁界方
向を示す図
【図13】本発明の第5の実施例のスパッタリング装置
を示す図
【図14】本発明の第5の実施例のスパッタリング工程
を示す図
【図15】本発明の第6の実施例のCVD装置を示す図
【図16】本発明の第7の実施例のCVD装置を示す図
【図17】本発明の第8の実施例のMOSFETの製造
工程を示す図
【図18】本発明の第9の実施例のエッチング装置を示
す図
【図19】同エッチング装置のダイポールリングを要部
拡大説明図
【図20】同エッチング装置のダイポールリングの説明
【図21】同エッチング装置においてダイポールリング
の半径を変化をさせたときの磁界分布を示す図
【図22】ウェハの中心からの距離とエッチング速度と
の関係を測定した結果を示す図
【図23】同装置を用いたエッチング工程を示す図
【図24】電極間隔とエッチング速度との関係を示す図
【図25】本発明の装置をエッチバックに用いた場合の
エッチング工程図
【図26】本発明の装置および従来のマグネットを用い
た装置を用いて図25の工程を行った際の破壊頻度を示
す比較図
【図27】磁界強度とエッチング速度との関係を示す図
【図28】磁界強度とエッチング速度およびエッチング
選択比との関係を示す図
【図29】本発明の他の実施例のエッチング工程を示す
【図30】本発明の第10の実施例のエッチング装置の
ダイポールリングの要部説明図
【図31】図29のエッチング装置と通常のエッチング
装置との平行磁界の位置を示す図
【図32】本発明の第10の実施例のダイポールリング
を用いてエッチングを行う場合におけるウェハ中心から
の距離とエッチング速度との関係を示す図
【図33】本発明の第11の実施例のエッチング装置を
示す図
【図34】図33のエッチング装置を用いてエッチング
する被処理基板を示す図
【図35】図33のエッチング装置を用いてエッチング
したときのエッチング速度のウェハ面内分布を示す特性
【図36】同エッチング速度のウェハ面内分布を示す特
性図
【図37】本発明の第12の実施例のエッチング装置を
示す図
【図38】図37のエッチング装置を用いてエッチング
したときのエッチング速度のウェハ面内分布を従来の場
合と比較して示した特性図
【図39】従来例のマグネトロンエッチング装置を示す
【図40】同装置を用いて行ったエッチング形状を示す
【図41】同装置の磁界分布を示す図
【図42】従来の磁石を用いたエッチング装置における
ウェハ中心からの距離とエッチング速度との関係を示す
【図43】ダイポールリングを用いたエッチング装置に
おけるウェハ中心からの距離とエッチング速度との関係
を示す図
【符号の説明】
1 真空容器 2 第2の電極 3 ウェハ、 4 ガス導入口 5 高周波電源 6 排出口 7 第2の電極 11 絶縁物 12 ゲートバルブ 13 ダイポールリング 14 マッチング回路 16 保護リング 17 冷却管 50 石英窓 51 光検出器 52 モニタ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 晴雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町 1 株 式会社 東芝 研究開発センター内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町 1 株 式会社 東芝 研究開発センター内 (72)発明者 長谷川 功宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町 1 株 式会社 東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭59−232420(JP,A) 特開 昭63−48826(JP,A) 特開 昭63−149374(JP,A) 特開 平6−37054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/50 C23F 4/00 H01L 21/205 H05H 1/46

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、前記第1の電極に対向し
    て配設された第2の電極を備えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧下に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極との間に電界を発生せしめる
    電界発生手段と、 該真空容器内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具
    備し、前記磁界発生手段が、外周で環状をなすととも
    に、着磁方向が前記環の半周で1回転可能なように配列
    された異なる磁石を含み、プラズマを発生するように構
    成されていることを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 【請求項2】 第1の電極と、前記第1の電極に対向し
    て配置された被処理基板が設置される第2の電極とを備
    えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極の間に電界を発生せしめる電
    界発生手段と、 該真空容器内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具
    備し、前記磁界発生手段が、環状をなすとともに、着磁
    方向が前記環の半周で一回転可能なように配列された複
    数の磁石を含むことを特徴とする表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生手段を前記磁界発生手段の
    中心軸を中心とし、被処理基板に対して相対的に回転せ
    しめる回転手段を具備したことを特徴とする請求項
    (2)記載の表面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記磁界発生手段は前記各磁石の少なく
    とも1つの着磁方向を変更することにより、磁界強度を
    調整する磁界強度制御手段を具備したことを特徴とする
    請求項(2)記載の表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記磁界発生手段は、これを上下方向に
    移送可能な移送手段を具備したことを特徴とする請求項
    (2)記載の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界発生手段は、同一の中心軸をも
    つように上下方向に少なくとも2つに分割され、その少
    なくとも一方が上下方向に移動可能なように構成されて
    いることを特徴とする請求項(2)記載の表面処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記磁界発生手段は、同一の中心軸をも
    つように上下方向に少なくとも2つに分割され、それら
    の間隔の幅を調整可能なように構成されていることを特
    徴とする請求項(2)記載の表面処理装置。
  8. 【請求項8】 前記磁界発生手段は、同一の中心軸をも
    つように上下方向に少なくとも2つに分割され、その上
    下間で磁石要素の位相を調整可能なように構成されてい
    ることを特徴とする請求項(3)記載の表面処理装置。
  9. 【請求項9】 前記各磁石は、所定の位相だけ磁化方向
    をずらして配置され、前記各磁石を個々に回転させる回
    転手段を具備したことを特徴とする請求項(2)記載の
    表面処理装置。
  10. 【請求項10】 複数の反応室を有する真空容器と前記
    反応室の少なくとも1つに設けられた第1の電極とこの
    第1の電極に対向して設けられた第2の電極と、 該反応室内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該反応室内を減圧下に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極との間に電界を発生せしめる
    電界発生手段と、 該反応室内に磁界を発生せしめる磁界発生手段とを具備
    し、前記磁界発生手段が、前記反応室の外周で環状をな
    すとともに、着磁方向が前記環の半周で一回転可能なよ
    うに配列された複数の磁石を含むことを特徴とする表面
    処理装置。
  11. 【請求項11】 第1の電極と、これに対向して設けら
    れた第2の電極とを備えた真空容器内に所定のガスを導
    入するとともに、前記第2の電極に被処理基板を設置
    し、前記第1および第2の電極の間に電界を発生せしめ
    かつ、環状をなすように配列され、着磁方向が前記環上
    で回転するように構成された異なる複数の磁石によっ
    て、前記第2の電極の表面に沿ってほぼ平行な一方向磁
    界を形成し、前記真空容器内にプラズマを誘起して、被
    処理基板表面を処理するようにしたことを特徴とする表
    面処理方法。
  12. 【請求項12】 第1の電極と、前記第1の電極に対向
    して配置された被処理基板が設置される第2の電極とを
    備えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧下に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極との間に電界を発生せしめる
    電界発生手段と、 前記第1および第2の電極との間に磁界を発生せしめる
    磁界発生手段とを具備し、 前記磁界発生手段が、外周で環状をなすとともに、着磁
    方向が前記環の半周で1回転可能なように配列された複
    数の磁石要素を含み、その複数の磁石要素がつくる合成
    磁界内で前記第2の電極の位置を移動可能にし、前記第
    1の電極との距離を可変にする電極位置設定手段を具備
    したことを特徴とする基体処理装置。
  13. 【請求項13】 第1の電極と、前記第1の電極に対向
    して配置された被処理基板が設置される第2の電極とを
    備えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極の間に電界を発生せしめる電
    界発生手段と、 前記第1および第2の電極との間に磁界を発生せしめる
    磁界発生手段とを具備し、 前記磁界発生手段が、環状をなすとともに、着磁方向が
    前記環の半周で一回転可能なように配列された複数の磁
    石要素を含み、前記複数の磁石要素のなす前記環の直径
    を可変にする直径変化手段を具備したことを特徴とする
    基体処理装置。
  14. 【請求項14】 第1の電極と、前記第1の電極に対向
    して配置された被処理基板が設置される第2の電極とを
    備えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極の間に電界を発生せしめる電
    界発生手段と、 前記第1および第2の電極との間に磁界を発生せしめる
    磁界発生手段とを具備し、 前記磁界発生手段が、環状をなすとともに、この環の中
    心軸と垂直な面内における着磁成分の方向が前記環の半
    周で一回転可能なように配列された複数の磁石要素を含
    み、前記複数の磁石要素のうち相対向する少なくとも1
    組の磁石要素が、前記環の中心軸方向の着磁成分をもつ
    とともに、その成分の大きさがほぼ等しくかつその向き
    が互いに逆となるように構成されたことを特徴とする基
    体処理装置。
  15. 【請求項15】 第1の電極と、前記第1の電極に対向
    して配置された被処理基板が設置される第2の電極とを
    備えた真空容器と、 該真空容器内に所定のガスを導入するガス供給手段と、 該真空容器内を減圧下に維持する真空排気手段と、 前記第1および第2の電極との間に電界を発生せしめる
    電界発生手段と、 前記第1および第2の電極との間に磁界を発生せしめる
    磁界発生手段とを具備し、 前記磁界発生手段が、外周で環状をなすとともに、着磁
    方向が前記環の半周で1回転可能なように配列された複
    数の磁石要素を含み、前記被処理基体の外周に設けら
    れ、前記真空容器内の空間を前記環の径方向で前記被処
    理基体を含む領域と含まない領域に分割する分割部材と
    を具備したことを特徴とする基体処理装置。
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