JP4107518B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,プラズマ処理装置にかかり,特に磁場アシスト型の高周波プラズマ発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られている典型的な磁場アシスト型の高周波プラズマ発生装置について,図10を参照しながら説明すると,処理室10内には,電極14が配置されており,電極14に対して高周波電源18より所定周波数の高周波電力を印加することにより,処理室10内に導入された処理ガスをプラズマ化し,載置台を兼ねる電極14上に載置された被処理体に対して所定のプラズマ処理,例えばエッチングを施すように構成されている。また処理室10の上部には回転自在に永久磁石20が取り付けられており,処理室10内の磁場を調整することにより,均一なプラズマを得ることができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,近年,集積回路の超高集積が伸展するにつれ,より低圧の条件でより高密度のプラズマを得ることができるプラズマ源が求められている。しかし,上記の如き従来の磁場アシスト型プラズマ処理装置では,いわゆるE×Bドリフトによりプラズマが偏り,チャージアップダメージが生じやすいという問題があった。また,E×Bドリフトによって,処理容器内壁付近のプラズマ密度が最も高くなり,被処理体上でプラズマを効率よく使うことができないという問題があった。さらに,かかる傾向は低圧条件ではより強く現れるため,低圧条件でも高密度のプラズマを得ることができるプラズマ源が求められている。さらに上記の如き従来のプラズマ処理装置では発生するプラズマの均一性を処理状態に応じて制御することは困難であった。
【0004】
本発明は,上記のような従来のプラズマ処理装置が有する問題点に鑑みて成されたものであり,プラズマの電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプラズマを安定的に得ることが可能であり,さらに処理状況に応じてプラズマの均一性を制御することが可能な新規かつ改良されたプラズマ処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,処理室内に上部電極と下部電極を上下に対向して配置するとともに,処理室内の磁場を調整する複数の磁石を配置し,少なくとも前記上部電極に高周波電力を供給して処理室内に導入された処理ガスをプラズマ化し,前記下部電極上に載置された被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置が提供される。そして,このプラズマ処理装置は,上部電極は環状の複数の電極を略水平方向に所定間隔を開けて多重に配置することにより構成され,複数の磁石は処理室内において各環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたる磁場を形成するように配置されていることを特徴としている。
【0006】
上記プラズマ処理装置は,複数の磁石を,処理室内において,環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり処理室の中心に向かう磁場を形成するように配置されるように構成することができる。
【0007】
あるいは上記プラズマ処理装置は,複数の磁石を,処理室内において,環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり処理室の外方に向かう磁場を形成するように配置されるように構成することもできる。
【0008】
また,上記プラズマ処理装置は,複数の磁石を,処理室外において,最内側の環状電極の環状部上方,隣接する環状電極間の間隙部上方,最外側の環状電極の外周部上方に,磁極方向が処理室内を向くように配置し,かつ相隣接する磁石の磁極方向が交互に反対になるように配置されるように構成することができる。
【0009】
あるいは上記プラズマ処理装置は,複数の磁石を,処理室内において,最内側の環状電極の環状部,隣接する環状電極間の間隙部,最外側の環状電極の外周部に,磁極方向が略水平方向を向くように配置し,かつ相隣接する磁石の磁極方向が略同一方向になるように配置されるように構成することができる。
【0010】
また,上記プラズマ処理装置は,上部電極の処理室側の形状を,複数の磁石により処理室内に形成される磁力線に沿った形状を有するように構成することができる。
【0011】
本発明によれば,以上示したようにプラズマ処理装置を構成することにより,磁石による磁場と多重構造の電極に印加される高周波電力の作用により,処理室内のシース領域において電子を処理室内を旋回するように動作させることが可能となるため,E×Bのプラズマの偏りが無くなり,プラズマ密度が均一となって被処理体へのダメージが軽減される。さらに,低圧条件下であっても高密度のプラズマを得ることが可能となり,各電極に印加される高周波電力のパワーを調整することにより,処理に応じてプラズマ密度の均一化を図ることが可能である。また,上部電極の処理室側の形状を,複数の磁石により処理室内に形成される磁力線に沿った形状を有するように構成することで,上部電極全面に均一なプラズマを発生させることが可能となり,上部電極へのスパッタリングを均一にして寿命を延長することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかるプラズマ処理装置の好適な実施の形態について説明する。
【0013】
以下,本発明にかかるプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した実施の形態を添付図面に基づき説明すると,図1は本実施の形態にかかるエッチング装置100の断面を模式的に示している。このエッチング装置100における処理室102は,気密に閉塞自在な酸化アルマイト処理されたアルミニウムなどからなる円筒形状の処理容器104内に形成され,当該処理容器104自体は接地線106を介して接地されている。前記処理室102内の底部にはセラミックなどの絶縁支持板108が設けられており,この絶縁支持板108の上部に,被処理体,例えば直径8インチの半導体ウェハ(以下,「ウェハ」と称する。)Wを載置するための下部電極を構成する略円柱状のサセプタ110が,上下動自在に収容されている。
【0014】
前記サセプタ110は,前記絶縁支持板108および処理容器104の底部を遊貫する昇降軸112によって支持されており,この昇降軸112は,処理容器104外部に設置されている駆動モータ(M)114によって上下動自在となっている。従って,この駆動モータ114の作動により,前記サセプタ110は,図1中の往復矢印に示したように,上下動自在となっている。なお処理室102の気密性を確保するため,前記サセプタ110と絶縁支持板108との間には,前記昇降軸112の外方を囲むように伸縮自在な気密部材,例えばベローズ115が設けられている。
【0015】
前記サセプタ110は,表面が酸化処理されたアルミニウムからなり,その内部には,温度調節手段,例えばセラミックヒータなどの加熱手段(図示せず。)や,外部の冷媒源(図示せず。)との間で冷媒を循環させるための冷媒循環路(図示せず。)が設けられており,サセプタ110上のウェハWを所定温度に維持することが可能なように構成されている。またかかる温度は,温度センサ(図示せず。),温度制御機構(図示せず。)によって自動的に制御される構成となっている。
【0016】
また前記サセプタ110上には,ウェハWを吸着保持するための静電チャック116が設けられている。この静電チャック116は,例えば導電性の薄膜116aをポリイミド系の樹脂116bによって上下から挟持した構成を有し,処理容器104の外部に設置されている高圧直流電源118からの電圧が前記薄膜116aに印加されると,そのクーロン力によってウェハWは,静電チャック116の上面に被処理体を吸着保持することができるようになっている。もちろんそのような静電チャックに拠らず,機械的クランプによってウェハWの周縁部を押圧するようにして,サセプタ110上にウェハWを保持する構成としてもよい。
【0017】
上記サセプタ110上の周辺には,静電チャック116を囲むようにして,平面が略環状のフォーカスリング120が設けられている。このフォーカスリング120は,例えば絶縁性の石英からなっており,ウェハW周辺(端に近い部分)のエッチングレートの均一性を向上させる機能を有している。さらに上記サセプタ110の周囲には,導電性を有する材質(例えばアルミアルマイト)から成るバッフル板122が配されている。このバッフル板122は,図示の例では,サセプタ110の上下動に伴って上下動する構成となっている。このバッフル板122には多数の透孔122aが形成されており,ガスを均一に排出する機能を有している。
【0018】
さらに下部電極を構成する上記サセプタ110に対しては,所定の周波数,例えば,2.0MHzの高周波電力を出力する高周波電源140からの電力が,途中,整合器142を介して供給される構成となっている。かかる構成により,プラズマ処理中にウェハWが載置されたサセプタ110に対して高周波電源140からバイアス電位を印加することにより,プラズマ中のエッチャントを効率よくウェハWの被処理面に入射させることができる。
【0019】
また処理容器104の上部周囲には,不図示の処理ガス源より不図示のマスフローコントローラを介して,処理室102内に所定の処理ガス,例えば,Ar,C4F8ガスやCF4ガスなどを導入することが可能である。さらに,処理容器104の下部には,真空ポンプなどの真空引き手段124に通ずる排気管126が接続されており,サセプタ110の周囲に配置された上記バッフル板122を介して,処理室102内は,10mTorr〜100mTorr内の任意の減圧度にまで真空引きすることが可能となっている。
【0020】
次に,本実施の形態にかかるエッチング装置に特徴的な上部電極130の構成を説明する。この上部電極130は,図2に示されるように,略円環状の内側電極130aと,その内側電極130aの外周部に所定間隔を開けて配置される略円環状の外側電極130bとから構成されている。図示の例では,これらの内側電極130aおよび外側電極130bは処理容器104の天井部104aの一部を成すように組み込まれている。また,図示の例では,被処理体であるウェハWの外形形状に合わせて略円環状の電極構造を採用しているが,例えば被処理体としてLCD用ガラス基板を使用する場合には,ガラス基板の外形形状に合わせて,略矩形枠状の電極構造を採用することも可能である。
【0021】
また,内側電極130aと外側電極130bには,高周波電源134から所定周波数,例えば13.56MHzの高周波電力が,それぞれ独立して印加される構成となっている。すなわち,内側電極130aは,アンプ138bおよびフェーズシフタ136bを介して高周波電源134に接続されていると共に,外側電極130bは,アンプ138aおよびフェーズシフタ136aを介して高周波電源134に接続されている。さらに,フェーズシフタ136(136a,136b)とアンプ138a,138bには,制御器139が接続されている。従って,制御器139の制御により,内側電極130aに印加される高周波電力と,外側電極130bに印加される高周波電力とを,それぞれ独立して制御することができ,例えばそれら内側電極130aと外側電極130bとに印加される各高周波電力の位相を相対的に制御することができる。
【0022】
さて,処理室102内に磁場を形成するための磁石,例えば永久磁石132は,本実施の形態にかかるエッチング装置100では,処理容器104の上部に配置されている。これらの永久磁石132は,内側電極130aと外側電極130bとの外形形状に合わせて略円環形状に構成された複数の永久磁石132a,132b,132cから成り,それぞれが上記内側電極130aと外側電極130bとの間領域,すなわち,内側電極130aの内側に第1永久磁石132a,内側電極130aと外側電極130bとの間に第2永久磁石132b,外側電極132cの外側に第3永久磁石132cがそれぞれ設置されている。これらの永久磁石132(132a,132b,132c)は,磁極方向が略垂直方向,すなわち,電極130が配置される面(水平方向)に対して略垂直方向を向くように配置される。ただし,隣接する永久磁石の磁極方向は交互に反対になるように配置される。すなわち,図示の例では,第1永久磁石132aと第3永久磁石132cは,N極が処理容器104方向を向くように配置されるのに対し,第2永久磁石132bは,S極が処理容器104方向を向くように配置されている。
【0023】
かかる構成によれば,図2に示すように,永久磁石132による磁場と内側および外側電極130a,130bに印加される高周波電力の作用により,シース領域に存在する電子を電極130の形状に沿わせて環状に案内する力を処理室102内に形成することが可能となる。すなわち,例えば処理室102内を上方から下方方向に向かって見た場合,シース領域中の電子は,処理室102内の上部略中央付近(内側)では,例えば右回りで旋回させることができると共に,その外側では,例えば左回りに旋回させることができる。このように,本実施の形態によれば,シース領域中の電子を,処理室102の内壁面に衝突させることなく,所望の状態で略環状に回転させることができるため,処理室102内に励起されるプラズマのシース領域での電子密度を高め,低圧条件下であっても高密度かつ均一なプラズマを安定的に得ることが可能となる。
【0024】
また,本実施の形態にかかる装置によれば,内側電極130aおよび外側電極130bに印加される高周波電力のパワーを個別独立に制御することが可能なので,処理プロセスに応じて処理室102内を回転運動する電子の速度を内側と外側とで適宜に調整することにより,処理室102内に発生するプラズマを均一化することが可能である。すなわち,図3に示したように,内側電極に印加する高周波電力に対して,外側電極に印加する高周波電力を実質的に約2倍の電力とすることで,例えば内側電極に450W,外側電極に1kWの高周波電力を印加することで,処理室102内に発生するプラズマを均一化することができ,被処理体に対して均一な超微細加工が可能となる。
【0025】
再び,図1を参照すると,処理容器104の側部には,ゲートバルブ150を介してロードロック室152が接している。このロードロック室152内には,被処理基板であるウェハWを処理容器104内の処理室102との間で搬送するための,搬送アームなどの搬送手段154が設けられている。
【0026】
本実施の形態にかかるエッチング装置100の主要部は以上のように構成されており,例えばシリコンのウェハWの酸化膜(SiO2)に対してエッチング処理する場合の作用等について説明すると,まずゲートバルブ150が開放された後,搬送手段154によってウェハWが処理室102内に搬入される。このとき駆動モータ(M)114の作動により,サセプタ110は下降してウェハW受け取りの待機状態にある。そして搬送手段154によってウェハWが静電チャック116上に載置された後,搬送手段154は待避してゲートバルブ150は閉鎖され,また駆動モータ(M)114の作動によってサセプタ110は所定の処理位置まで上昇する。
【0027】
次いで処理室102内が,真空引き手段124によって減圧されていき,所定の減圧度になった後,不図示の処理ガス供給源から処理ガス,例えばCF4ガスが供給され,処理室102の圧力が,例えば10mTorrに設定,維持される。
【0028】
次いで,制御器139の制御により,高周波電源134から内側電極130aに対しては,フェーズシフタ136bおよびアンプ138bを介して,また外側電極130bに対しては,フェーズシフタ136aおよびアンプ138aを介して,それぞれ独立して所定の高周波電力が印加されると,処理室102内にプラズマが励起される。その際に,本実施の形態によれば,内側電極132aと外側電極132bとに印加される高周波電力の作用と,処理容器104の上部に設置された永久磁石132により処理室102内に形成される磁場の作用とにより,プラズマのシース領域において,電子が環状に旋回運動する。そのため,処理容器104の内壁に衝突する電子の数を軽減し,処理ガスのプラズマ化を促進させるように作用することが可能となり,低圧力条件下であっても,高密度のプラズマを安定的に生成させることができる。また,処理中は,内側電極132aおよび外側電極132bに印加される高周波電力のパワーを微調整することにより,処理室102内に生成するプラズマの均一化が図られる。なお,内側電極130aと外側電極130bとに印加される高周波電力の位相を,相対的に制御することも可能である。
【0029】
次いで,所定のタイミングをずらして,高周波電源140からサセプタ110に所定の高周波電力を印加し,サセプタ110にバイアス電位をかけることにより,処理室102内に生成したプラズマ中のエッチャントイオンがウェハWの被処理面に対して効率的に入射し,被処理面の酸化膜をエッチングしていく。このように所定の処理が終了すると,処理室102がパージされ,ウェハWを搬入した動作と逆の動作を経て,搬送機構154により,処理済みのウェハWが処理室102外に搬出され,一連のプロセスを終了する。
【0030】
以上,図1および図2に関連して,本発明にかかる処理装置をエッチング装置100に適用した実施の一形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例および修正例に相当し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0031】
例えば,図1,図2および図4に示す例では,永久磁石132を処理容器104の外方に設置するとともに,永久磁石132の極性方向を略垂直方向(紙面上下方向)に向くように配置した構成を示したが,図5および図6に示すエッチング装置200のように,処理室102の内方に永久磁石232を設置するとともに,永久磁石232の極性方向を略水平方向(紙面左右方向)に向くように配置することも可能である。なお,図1,図2および図4に示すエッチング装置100,図5および図6に示すエッチング装置200,図7に示すエッチング装置300,図8に示すエッチング装置400および図9に示すエッチング装置500の構成は,永久磁石の配置構成を除けば基本的に同一なので,同一の機能構成を有する構成部材については,同一の参照符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0032】
図5および図6に示すように,永久磁石232を配置し,かつ内側電極130aおよび外側電極130bに対して高周波電源134から高周波電力を印加した場合には,例えば処理室102内を上方から下方方向に向かって見た場合,シース領域中の電子を,処理室102内上方の全域で例えば右回りで旋回させることができる。従って,本実施の形態にかかるエッチング装置200においても,先のエッチング装置100と同様に,電子を処理容器104の内壁面に衝突させずにドーナツ状(環状)に回転させることが可能となり,その結果,処理室102内に発生するプラズマのシース領域での電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプラズマを安定的に得ることができる。
【0033】
なお,図5および図6に示す実施の形態では,永久磁石232(232a,232b,232c)は処理容器104の処理室102内に配置されるため,永久磁石232(232a,232b,232c)の表面は石英やセラミックスなどのスパッタリングされにくい材料234により覆うことが好ましい。
【0034】
また,本実施の形態にかかるエッチング装置200においても,内側電極130aおよび外側電極130bに印加される高周波電力のパワーを個別独立に制御することにより,処理プロセスに応じて処理室102内を回転運動する電子の密度および方向を内側と外側とで適宜に調整し,処理室102内に発生するプラズマを均一化することが可能である。
【0035】
さらにまた,図7に示したエッチング装置300のように,処理容器104の天井部104a内に永久磁石332を配置し,かつ内側電極130aおよび外側電極130bに対して高周波電源134から高周波電力を印加することにより,上部電極130をそれぞれ略水平方向にわたり,処理室102の中心に向かう磁場を形成するように配置することも可能である。さらに図8に示したエッチング装置400のように,処理容器104の天井部104a内に永久磁石432を配置し,かつ内側電極130aおよび外側電極130bに対して高周波電源134から高周波電力を印加することにより,上部電極130をそれぞれ略水平方向にわたり,処理室102の外方に向かう磁場を形成するように配置することも可能である。
【0036】
従って,上記エッチング装置300およびエッチング装置400の構成によっても,電子をドーナツ状(環状)に回転させることが可能となり,処理室102内に発生するプラズマのシース領域での電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプラズマを安定的に得ることができる。なお,図7および図8に示す実施の形態では,永久磁石332(332a,332b,332c)および永久磁石432(432a,432b,432c)は,処理容器104の天井部104a内に配置されるため,永久磁石332(332a,332b,332c)および永久磁石432(432a,432b,432c)の処理室102側の面は,石英やセラミックスなどのスパッタリングされにくい材料234により覆うことが好ましい。
【0037】
また,図9に示したエッチング装置500ように,処理容器104の天井部104a内に配置されている上部電極530の処理室102側の面の形状を,永久磁石132(132a,132b,132c)によって処理室102内に形成される磁力線に沿った形状を有するように構成することで,上部電極530全面に均一なプラズマを発生させることが可能となり,上部電極530へのスパッタリングを均一にして寿命を延長することができる。
【0038】
以上,本発明の要旨は,永久磁石による磁場と内側電極および外側電極に印加される高周波電力の作用により,プラズマのシース領域における電子を環状に運動させることが可能なように,永久磁石および内側および外側電極を配置することにあるので,かかる作用効果を得られる構成であれば,上記構成に限定されず,いかなる配置構成をも採用することが可能である。
【0039】
また,上記実施の形態においては,被処理体として円形のウェハWを処理する装置構成に対応して環状の電極および永久磁石を採用したエッチング装置100,200,300,400および500を示したが,例えば略矩形のLCD基板を処理する場合には,電極および永久磁石の形状を略矩形枠状にすることもできる。さらに,上記実施の形態においては,処理室102内の磁場を調整する磁石に,永久磁石を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されず,例えば電磁石を用いた構成としてもよい。
【0040】
さらにまた,上記実施の形態においては,上部電極を2重構造(すなわち内側電極および外側電極)に構成したが,さらに3重以上の多重構造に構成することも可能である。また,多重構造(内側電極と外側電極)の電極間の干渉が問題となる場合には,相隣接する電極間に電磁シールドを設けてもよい。
【0041】
さらに上記実施の形態にかかるエッチング装置100,200,300,400および500は,シリコンの半導体ウェハ表面のシリコン酸化膜(SiO2)をエッチングする装置として構成されていたが,これに限らず,本発明は他のエッチングプロセスを実施する装置としてももちろん構成でき,さらに被処理体も,ウェハに限らず,LCD基板であってもよい。また装置構成についても,前記実施例は,エッチング装置として構成したが,本発明はこれに限らず,他のプラズマ処理装置,例えばアッシング装置,スパッタリング装置,CVD装置としても構成できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,永久磁石による磁場と多重構造の電極に印加される高周波電力の作用により,プラズマのシース領域で,電子を処理容器の内壁に衝突させることなく環状(ドーナツ状)に旋回運動させることが可能となるので,プラズマのシース領域での電子密度を高め,低圧条件下でも高密度かつ均一なプラズマを安定的に得ることが可能である。さらに処理状況に応じて,多重構造の電極に印加される高周波電力のパワーを制御することにより,処理室内の電子の速度を制御し,プラズマの均一化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した実施の一形態を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示すエッチング装置の略平面図である。
【図3】図1に示すエッチング装置におけるプラズマ密度とプラズマ密度の半径を測定した結果である。
【図4】図1に示すエッチング装置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図5】本発明にかかるプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した実施の別の形態を概略的に示す断面図である。
【図6】図5に示すエッチング装置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図7】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図8】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図9】本実施の形態にかかる別の形態のエッチング装置の処理室内の電子の動きを模式的に拡大して示す説明図である。
【図10】従来の磁場アシスト型エッチング装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100 エッチング装置
102 処理室
104 処理容器
110 サセプタ(下部電極)
130 上部電極
130a 内側電極
130b 外側電極
132 永久磁石
132a 第1永久磁石
132b 第2永久磁石
132c 第3永久磁石
134 高周波電源
136 フェーズシフタ
139 制御器
140 高周波電源
W ウェハ
Claims (5)
- 処理室内に上部電極と下部電極を上下に対向して配置するとともに,前記処理室内の磁場を調整する複数の磁石を配置し,少なくとも前記上部電極に高周波電力を供給して前記処理室内に導入された処理ガスをプラズマ化し,前記下部電極上に載置された前記被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において:
前記上部電極は,略環状の複数の電極を略水平方向に所定間隔を開けて多重に配置することにより構成され;
前記複数の磁石は,前記処理室内において,前記各環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたる磁場を形成するように配置され、
さらに、前記複数の磁石は,前記処理室外において,最内側の前記環状電極の環状部上方,隣接する前記環状電極間の間隙部上方,最外側の前記環状電極の外周部上方に,磁極方向が前記処理室内を向くように配置され,かつ相隣接する前記磁石の磁極方向が交互に反対となるように配置されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 処理室内に上部電極と下部電極を上下に対向して配置するとともに,前記処理室内の磁場を調整する複数の磁石を配置し,少なくとも前記上部電極に高周波電力を供給して前記処理室内に導入された処理ガスをプラズマ化し,前記下部電極上に載置された前記被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において:
前記上部電極は,略環状の複数の電極を略水平方向に所定間隔を開けて多重に配置することにより構成され;
前記複数の磁石は,前記処理室内において,前記各環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたる磁場を形成するように配置され、
さらに、前記複数の磁石は,前記処理室内において,最内側の前記環状電極の環状部,隣接する前記環状電極間の間隙部,最外側の前記環状電極の外周部に,磁極方向が略水平方向を向くように配置され,かつ相隣接する前記磁石の磁極方向が略同一方向になるように配置されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記複数の磁石は,前記処理室内において,前記環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり前記処理室の中心に向かう磁場を形成するように配置されていることを特徴とする,請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記複数の磁石は,前記処理室内において,前記環状電極に対しそれぞれ略水平方向にわたり前記処理室の外方に向かう磁場を形成するように配置されていることを特徴とする,請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記上部電極の前記処理室側の形状は,前記複数の磁石により前記処理室内に形成される磁力線に沿った形状を有することを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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