JPH10152568A - セルロースエステルフィルム及び液晶表示用部材 - Google Patents

セルロースエステルフィルム及び液晶表示用部材

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JPH10152568A
JPH10152568A JP31202696A JP31202696A JPH10152568A JP H10152568 A JPH10152568 A JP H10152568A JP 31202696 A JP31202696 A JP 31202696A JP 31202696 A JP31202696 A JP 31202696A JP H10152568 A JPH10152568 A JP H10152568A
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film
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cellulose ester
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Application number
JP31202696A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nara
仁司 奈良
Isamu Michihashi
勇 道端
Toru Kobayashi
徹 小林
Koichi Nagayasu
浩一 永安
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TACフィルムの寸法安定性及び高温高湿下
での変形耐性を向上させ、耐久性に優れた偏光板用保護
フィルムを提供する。 【解決手段】 下記の条件にて測定されたカール値が絶
対値で20以下であり、且つフタル酸エステル系可塑剤
をセルロースエステルに対して重量比で1%以上7%以
下含有すること、及びそのセルロースエステルフィルム
を用いることを特徴とする液晶表示用部材。 〈条件〉 フィルム試料を80℃90%RH環境下で4
8時間放置後、幅手方向50mm、長手方向2mmに切
断し、23±2℃55%RH環境下で24時間調湿し、
曲率スケールを用いてフィルムのカール値を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルロースエステル
フィルムに関するものであり、詳しくは、高温、高湿下
で変形の少ない、寸法安定性の改良されたセルロースエ
ステルフィルムに関する。また、本発明に係るセルロー
スエステルフィルムの主要な用途のひとつが偏光板用保
護フィルムであり、本発明は顕著に耐久性に優れた偏光
板用保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルローストリアセテート(以下「TA
C」という。)は感光材料用支持体、各種プラスチック
フィルム用などの用途に広く用いられている。また種々
の光学用フィルムとして用いられることも多くなってき
ており、例えば偏光板用保護フィルム等へとその用途は
更に広がりつつある。
【0003】従来TACフィルムはもろさを抑えたり、
柔軟性を付与するために製造時にトリフェニルホスフェ
ート、ジエチルフタレートまたはエチルフタリルエチル
グリコレートなどの可塑剤を含有している。当該フィル
ムに適切な可塑性を付与するためにはTAC組成物に対
して適量の可塑剤を添加することが必要で、この添加量
は通常TACに対して5〜30重量%であった。
【0004】また特開平1−214802号においては
可塑剤を混入しないTACフィルムも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】感光材料用支持体とし
て、また各種プラスチックフィルム用として使用される
場合、また光学用、例えば偏光板用などに用いられる場
合、それらの使用環境は様々である。例えば、自動車搭
載用の液晶ディスプレイ等のように過酷な環境下で使用
されたり、大型液晶テレビのディスプレイ等に用いられ
るようになりつつあって、より耐久性が求められてい
る。耐久性のなかでも寸法安定性は重要な性能である
が、TACフィルムは一般的に他の透明支持体、例えば
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)
フィルムよりも高温、高湿下での変形が大きい、すなわ
ち寸法安定性が良くないという課題を抱えていた。ゆえ
に、これまでのTACフィルムの用途は寸法安定性があ
まり厳しくないものに限られていた傾向がある。
【0006】さらに、TACフィルム中の可塑剤の分
布、量、種類などにより、高温高湿下での変形、すなわ
ちカール値が大きく、これも上記のような過酷な条件で
のTACフィルム使用の妨げになっていた。
【0007】TACフィルムをより広い用途で使用でき
るようにするために、その寸法安定性及び、高温高湿下
での変形耐性を向上させることが本発明が解決しようと
する課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明の構成により解決することができた。
【0009】(1)下記の条件にて測定されたカール値
が絶対値で20以下であり、且つフタル酸エステル系可
塑剤をセルロースエステルに対して重量比で1%以上7
%以下含有することを特徴とするセルロースエステルフ
ィルム。
【0010】〈条件〉フィルム試料を80℃90%RH
環境下で48時間放置後、幅手方向50mm、長手方向
2mmに切断し、23±2℃55%RH環境下で24時
間調湿し、曲率スケールを用いてフィルムのカール値を
測定する。
【0011】(2)フタル酸エステル系可塑剤をセルロ
ースエステルに対して重量比で1%以上5%以下含有す
ることを特徴とする前記(1)に記載のセルロースエス
テルフィルム。
【0012】(3)前記条件にて測定されたカール値が
絶対値で10以下であることを特徴とする前記(1)又
は(2)に記載のセルロースエステルフィルム。
【0013】(4)下記一般式〔1〕で示されるベンゾ
トリアゾール系化合物の少なくとも1種を含有すること
を特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載
のセルロースエステルフィルム。
【0014】
【化2】
【0015】〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、
水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ
基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、モノ又はジアルキルアミノ基、ア
シルアミノ基又は5〜6員の複素環基を表し、R4とR5
は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。〕 (5)前記(1)〜(4)に記載のセルロースエステル
フィルムを用いることを特徴とする液晶表示用部材。
【0016】これによって寸法安定性を備え、かつフィ
ルムの変形の少ない加工性の良い、耐久性のあるセルロ
ースエステルフィルムを提供することができる。
【0017】ここでフタル酸エステル系可塑剤としては
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメトキシ
エチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジブチルフタ
レート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデ
シルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノ
ニルフタレート、ジメチルイソフタレート等が挙げられ
る。
【0018】本発明に係るフィルムには、フタル酸エス
テル系可塑剤以外の他の可塑剤が含まれていてもかまわ
ない。例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、ビフェニル
ジフェニルホスフェート等のような燐酸エステル系可塑
剤、その他トルエンスルホンアミド系、トリアセチン、
トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル等を
単独あるいは混合して併用することができる。
【0019】本発明の好ましい実施態様について、以下
に詳しく説明する。
【0020】本発明は、セルロースエステルに対するフ
タル酸エステル系可塑剤の含有量が重量比で1%以上7
%以下であり、好ましくは、1%以上5%以下である。
該フタル酸エステル系可塑剤が重量比で7%を超えると
寸法安定性が充分でなく、具体的には高温高湿環境を経
ると該フィルムの寸法収縮が大きく、そのため、液晶用
表示部材として、例えば、偏光板の保護フィルムとして
高温高湿環境下で用いた場合、該フィルムの寸法収縮の
為に、偏光板上で光漏れ等の故障が発生し使用に耐えう
るものではなくなってしまう。また、同含有量が1%よ
りも少なくなるとフィルム自身の機械的強度が充分でな
く脆くなり、加工性の点で充分とはいえなくなる。その
ため、偏光板の保護フィルムに加工しようとすると、フ
ィルム断裁時や、打ち抜き加工時に滑らかな切断面とな
らず、切り屑が発生し、製品欠陥を引き起こす可能性が
ある。
【0021】また、該フィルム試料を80℃90%RH
環境下で48時間放置後、幅手方向50mm、長手方向
2mmに切断し、23±2℃55%RH環境下で24時
間調湿し、曲率スケールを用いて測定したフィルムのカ
ール値が、絶対値で20以下であるものを用いる。さら
に好ましいのは、カール値が絶対値で10以下である。
【0022】尚、本発明で言う、長手方向及び幅手方向
とは、セルロースエステル樹脂ドープをステンレスベル
ト等に流延塗布、乾燥してフィルムを形成する際の、流
延塗布方向を長手方向(MD方向とも言う。)と言い、
これと直角の方向を幅手方向(TDとも言う。)と言
う。
【0023】上記条件でのカール値が20を超えると、
液晶表示用部材として、該フィルムを偏光板の保護フィ
ルムに用いた場合、該偏光板の高温高湿環境下(例えば
80℃90%RHで120時間放置)での反り等の変形
が大きく、使用に耐えないものとなってしまう。該フィ
ルムのカール値が上記条件で絶対値で20以下であれ
ば、該偏光板の反り等の変形が少なく、且つフタル酸エ
ステル系可塑剤の含有量がセルロースエステルに対して
重量比で1%以上7%以下であるため、寸法変化も小さ
い。そのため該フィルムを保護フィルムとして用いた偏
光板により高温高湿下での耐久性を改善することができ
る。
【0024】以上のように、寸法安定性、断裁等の加工
特性に優れ、カールの小さいフィルムを得るためには、
フィルムを製造する際に工夫が必要であり、適切な製造
方法に則れば面質の点でも優れたものを安定して供給で
きるのである。
【0025】その製造方法は、セルロースエステルに対
するフタル酸エステル系可塑剤の含有量が重量比で1%
以上7%以下であるセルロースエステルフィルムの製膜
工程において、90℃以上で乾燥する工程を経ることに
より得られる。本態様では製膜工程において90℃以上
で乾燥される工程を経れば、本態様の効果が得られる
が、90℃以上160℃以下で2秒以上360分以内程
度の時間、当該乾燥温度の工程を経るのが好ましい。ま
た製膜工程中でセルロースエステルフィルム用のドープ
をドラムやベルトなどの支持体に流延し、支持体上で、
ある程度まで乾かしてフィルム状態を形成させてから剥
離した後、巻取るまでの間に90℃以上160℃以下で
乾燥される工程を経るのが好ましい。
【0026】また本態様では90℃以上160℃以下で
あればよいが、100℃以上140℃以下であると本態
様の効果を得るうえで特に好ましい。
【0027】本発明に係るセルロースエステルフィルム
としては種々のものを用いることができるが、好ましく
はアセチルセルロース系フィルムであり、特に好ましい
具体例はトリアセチルセルロースである。トリアセチル
セルロースの酢化度は57〜62.5%が好ましく、5
9〜62%がより好ましい。
【0028】酢化度とは加水分解後のセルロースアセテ
ート中のCH3COOH(酢酸)の重量%を示す。
【0029】上記アセチルセルロースは酢酸だけでな
く、上記酢化度を満足する限り、一部プロピオン酸、酪
酸等の脂肪酸でエステル化されていてもよく、また総量
で上記酢化度を満足する限りプロピオン酸セルロース、
酪酸セルロース等のセルロースエステル類を含んでいて
もよい。
【0030】本発明に係るセルロースエステルフィルム
の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n
−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
n−ブタノール等の低級アルコール類、シクロヘキサ
ン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン類、メチレンク
ロライドのような低級脂肪族炭化水素塩化物類などを用
いることができる。
【0031】溶剤比率としては例えば、メチレンクロラ
イド70〜95重量%、その他の溶剤は30〜5重量%
が好ましい。又セルロースエステルの濃度は10〜50
重量%が好ましい。溶剤を添加しての加熱温度は、使用
溶剤の沸点以上で、且つ該溶剤が沸騰しない範囲の温度
が好ましく例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に
設定するのが好適である。又、圧力は設定温度におい
て、溶剤が沸騰しないように定められている。
【0032】溶解後は、冷却しながら容器から取り出す
か、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器等で
冷却し、これを製膜に供する。
【0033】本発明に於けるセルロースエステルフィル
ムの製造方法は制限はなく、当業界で一般に用いられて
いる方法でよく、例えば米国特許2,492,978
号、同2,739,070号、同2,739,069
号、同2,492,977号、同2,336,310
号、2,367,603号、同2,492,978号、
同2,607,704号、英国特許64,071号、同
73,5892号、特公昭45−9074号、同49−
4554号、同49−5614号、同60−27562
号、同61−39890号、同62−4208号等に記
載の方法を参考にすることができる。
【0034】本発明に係るセルロースエステルフィルム
の厚さは、10〜500μmで、特に30〜350μm
であることが好ましい。
【0035】本発明に係るセルロースエステルフィルム
は紫外線吸収剤を含有してもよい。特に、本発明に係る
フィルムの主要な用途である偏光板用保護フィルムとし
て用いる場合には、紫外線吸収剤としては液晶の劣化防
止の点から波長370nm以下の紫外線の吸収能に優
れ、かつ良好な液晶表示性の点から波長400nm以上
の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いら
れる。例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベ
ンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、
ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限
定されない。またこれら紫外線吸収剤は1種であっても
よいし、異なる2種類以上のものを含んでいてもよい。
【0036】本発明に係るフィルムにおいて好ましく用
いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。偏光板
用保護フィルム部材として用いる場合には偏光板の性能
を更に効果的に発揮させるという観点においては、不要
な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
を用いる態様が特に好ましく、前記一般式〔1〕で示さ
れるものがさらに好ましい。
【0037】式中、R1、R2、R3、R4、R5は、水素
原子、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素)、ニ
トロ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、アミノ
プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、クロロブチル、n−アミル、iso−アミル、へ
キシル、オクチル、ノニル、ステアリルアミドブチル、
デシル、ドデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、シク
ロヘキシル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロ
ピル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、メ
タアリル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニ
ル、オクタデセニル等)、アリール基(例えば、フェニ
ル、4−メチルフェニル、4−エトキシフェニル、2−
ヘキソキシフェニル、3−ヘキソキシフェニル等)、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ、クロロブトキシ、デコキシ、ジアミノフ
ェノキシ、エトキシ、ペンタデコシキ、オクタデコシキ
等)、アシルオキシ基(例えば、カルボメトキシ、カル
ボブトシキ、カルボヘキソキシ、カルボペンタデコシキ
等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メ
チルフェノキシ、2−プロピルフェノキシ、3−アミル
フェノキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ、エチルチオ、t−ブチルチオ、t−オクチルチオ、
ベンジルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニル
チオ、メチルフェニルチオ、エチルフェニルチオ、メト
キシフェニルチオ、エトキシフェニルチオ、ナフチルチ
オ等)、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、N−エ
チルアミノ、N−t−オクチルアミノ、N,N−ジエチ
ルアミノ、N,N−ジ−t−ブチルアミノ等)、アシル
アミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、メタンスルホニルアミノ等)、酸素又は窒素を含む
5又は6員の複素環基(例えば、ピペリジノ、モルホリ
ノ、ピロリジノ、ピペラジノ等)を示し、R4とR5は閉
環して炭素原子からなる5又は6員環を形成してもよ
い。
【0038】一般式〔1〕において、R1〜R5で示され
る置換基は、炭素数5〜36が好ましく、アルキル基は
炭素数1〜18であることが好ましい。
【0039】上記一般式〔1〕で表される化合物例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0040】(1−1) 2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−2) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−3) 2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール (1−4) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル (1−5) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−イソオク
チルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−6) 2−(2′−ヒドロキシ−5′,−n−オ
クチルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−7) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−8) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−ドデシル
フェニル)−ベンゾトリアゾール (1−9) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−ヘキサデ
シルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−10) 2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ア
ミル−5′−ベンゾフェニル)−ベンゾトリアゾール なお、本発明においては上記の化合物を含めて特開昭6
0−128434号公報第10頁〜第12頁に記載され
ている化合物例の(IV−1)〜(IV−39)を用いるこ
とができる。
【0041】本発明に用いられる上記のベンゾトリアゾ
ール系化合物は、例えば特公昭44−29620号に記
載の方法、又はそれに準じた方法により容易に合成する
ことができる。
【0042】これらのベンゾトリアゾール系化合物の使
用量は、化合物の種類、使用条件等により一様ではない
が、セルロースエステルフィルム1m2当たり0.1〜
5gが好ましく、特に0.2〜2gが好ましい。添加方
法としては、予め有機溶剤(例えばメタノール、メチレ
ンクロライド等)に溶解したものを本発明に係るセルロ
ーストリアセテート等のドープ組成中に添加してもよ
く、直接添加してもよい。
【0043】本発明に係るフィルムを偏光板用保護フィ
ルム部材として使用する際には、当該フィルムと偏光膜
などを貼り合わせる必要が生じてくるが、その手段とし
ていわゆる易接着処理を行う。例えばアルカリケン化処
理やコロナ放電処理、火炎処理等を施したり易接着層を
塗設するなどが挙げられる。なかでもアルカリケン化処
理と易接着層の塗設が有効であるが、アルカリケン化処
理としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム溶液で下
記のような条件で行われる。
【0044】(アルカリケン化処理条件) アルカリ液濃度 2〜4N アルカリ液温度 40〜70℃ 処理時間 20〜300秒 易接着層を塗設する場合は、例えば−COOM(Mは水
素原子又はカチオンを表す。)基を有する高分子化合
物、親水性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール誘
導体、天然高分子化合物、親水性ポリエステル誘導体、
ポリビニル誘導体等の親水性高分子化合物を含有する層
を含むものであり、特に好ましい態様は偏光板用保護フ
ィルム側に−COOM基を有する高分子化合物を含有す
る層を設け、それに隣接させて偏光膜側に他の親水性高
分子化合物(親水性セルロース誘導体、ポリビニルアル
コール誘導体、天然高分子化合物、親水性ポリエステル
誘導体、ポリビニル誘導体)を主たる成分として含む親
水性層を設ける方法が挙げられる。
【0045】ここでいう−COOM基を有する高分子化
合物として好ましいものは−COOM基を含む酢酸ビニ
ル−マレイン酸共重合体であり、これを単独又は2種以
上併用して用い、好ましい重量平均分子量は500〜5
00000程度のものである。
【0046】また他の親水性高分子化合物として好まし
くは、親水性セルロース誘導体(例えば、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロ
ース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニルービニルアルコール共重
合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例え
ば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性ポ
リエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化された
ポリエチレンテレフタレート等)、ポリビニル誘導体
(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル
アミド、ポリビニルインダゾール、ポリビニルピラゾー
ル等)が挙げられ、単独あるいは2種以上併用して用い
られる。
【0047】特に親水性高分子化合物として、−COO
M(Mは水素原子又はカチオンを表す。)基を含有する
ものが好ましく、更には、−COOM基含有の酢酸ビニ
ル−マレイン酸共重合体であることが好ましい。そして
当該−COOM基含有高分子化合物は、単独で又は2種
以上併用して用いられ、好ましくは平均分子量約500
〜500000(重量平均)程度のものが用いられる。
【0048】本発明に係るフィルムを偏光板用保護フィ
ルム部材として使用する際などには、保護フィルムとし
て必要な機能を付与することができる。例えば偏光板用
部材のうち表面で用いる場合にはクリアハード加工を施
すことが好ましい。クリアハード加工としては例えば紫
外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを
経て硬化する樹脂を主たる成分として含む層を設けて耐
擦傷性等の耐久性を付与する方法が挙げられる。このう
ちでも紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂を用
いてクリアハード加工を行う方法が最も好ましい。
【0049】また本発明に係るフィルムには帯電防止加
工を施すのも好ましい。具体的には、イオン導電性物質
や導電性微粒子を含有する層を設けることによって行
う。イオン導電性物質の例としてはイオン性高分子化合
物を挙げることができ、また導電性微粒子の例としては
導電性を有する金属酸化物が挙げられる。
【0050】更に本発明に係るフィルムには、これに取
扱い易さを付与するためのブロッキング防止加工やギラ
ツキ防止のための防眩加工を施すのも好ましく、具体的
には酸化珪素、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、炭酸カ
ルシウム、酸化亜鉛などの無機微粒子粉末やベンゾグア
ナミンなどの有機微粒子粉末を添加する方法がある。
【0051】本発明に係るフィルムを偏光板用保護部材
として用いる場合の偏光板とは、偏光子を含む偏光膜に
本発明に係る偏光板用保護フィルムを貼り合わせた部分
を含むものをいい、また当該部分のほか位相差板を含ん
でいてもよい。この貼り合わせには通常接着剤を使用
し、この接着剤としては、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系
接着剤やブチルアルコール等のビニル系ラテックスを用
いることができる。偏光板の主たる構成要素である偏光
膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、
現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコ
ール系偏光膜で、これはポリビニルアルコール系フィル
ムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させた
ものがあるが、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、
これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸
してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行っ
たものを用いる。
【0052】本発明による効果である寸法安定性とは、
温度や湿度の条件が過酷な状況でのフィルム縦方向、横
方向及び斜め方向の寸法変化が少ないという性質をい
う。具体的には加熱条件、加湿条件、熱湿条件にフィル
ムを置いて強制劣化としての、縦、横、斜めの寸法変化
を測定する。例えば、測定しようとするフィルム試料に
ついて、幅手方向150mm×長手方向120mmサイ
ズに断裁し、該フィルム表面に、幅手方向及び長手方向
それぞれに100mm間隔で2ヶ所、カミソリ等の鋭利
な刃物で十文字型の印を付ける。該フィルムを23℃5
5%RHの環境下で24時間以上調湿し、工場顕微鏡で
処理前の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L
1を測定する。次に、該試料を電気恒温槽中で高温処理
(条件;90℃の環境下で120時間放置する)あるい
は、高温高湿処理(条件;80℃90%RHの環境下で
120時間放置をする)する。再び、該試料を23℃5
5%RHの環境下で24時間調湿し、工場顕微鏡で処理
後の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L2を
測定する。この処理前後の変化率を次式によって求め
る。
【0053】(式) 寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100 L1:処理前の印間距離 L2:処理後の印間距離 すなわち、付す印の位置をフィルムの長手方向、幅手方
向、斜め方向に付けることによって所望の寸法安定性測
定を行うことができるのである。
【0054】本発明に係るカールの測定は、以下の方法
で行われる。該フィルム試料を80℃90%RH環境下
で48時間放置後、該フィルムを幅手方向50mm、長
手方向2mmに切断する。さらに、そのフィルム小片を
23℃±2℃55%RH環境下で24時間調湿し、曲率
スケールを用いて該フィルムのカール値を測定する。
【0055】カール値は1/Rで表され、Rは曲率半径
で単位はmを用いる。
【0056】カール値については、フィルムの変形が少
ないものが好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向
でもかまわない。すなわち、カール値の絶対値が小さけ
れば良く、具体的には、該フィルムのカール値の絶対値
が21以上だと、該フィルムを用いて偏光板等を作製し
た場合、高温高湿下(例えば、80℃90%RHで48
時間放置する)での反り等の変形が大きくなり使用に耐
えない。該フィルムのカール値が20以下であれば、該
フィルムを用いて偏光板等を作製した場合、高温高湿下
(例えば、80℃90%RHで48時間放置する)でも
反りなどの変形が小さく使用することができる。
【0057】
【実施例】以下のようにして本発明試料1から10及び
比較試料1から6を作製した。
【0058】〈本発明試料1の作製〉まずドープ組成物
Aを調製し、下記方法に従って本発明試料1を作製し
た。
【0059】 (ドープ組成物A) 三酢酸セルロース(酢化度61.0%) 100重量部 エチルフタリルエチルグリコレート 1重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール 1.5重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 以上を密閉容器に投入し、41℃で撹拌しながら完全に
溶解した。ドープ組成物Aをろ過し、ベルト流延装置を
用い、ドープ温度33℃でステンレスバンド支持体上に
均一に流延した。ステンレスバンド支持体の前半部分を
12℃、後半部分を40℃になるようにコントロールし
ながら溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から
剥離した。その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送さ
せながら乾燥させ、最終的には120℃で乾燥させ、膜
厚80μmの三酢酸セルロースフィルムの本発明試料1
を作製した。
【0060】〈本発明試料2の作製〉本発明試料1の作
製において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタ
リルエチルグリコレート1重量部を5重量部に代える以
外は本発明試料1の作製と同じにして本発明試料2を作
製した。
【0061】〈本発明試料3の作製〉本発明試料1の作
製において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタ
リルエチルグリコレート1重量部を5重量部、メチレン
クロライド475重量部を1,3−ジオキソラン475
重量部に代え、かつ更にトリフェニルホスフェート2重
量部を添加する以外は本発明試料1の作製と同じにして
本発明試料3を作製した。
【0062】〈本発明試料4の作製〉本発明試料1の作
製において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタ
リルエチルグリコレート1重量部を7重量部に代える以
外は本発明試料1の作製と同じにして本発明試料4を作
製した。
【0063】 〈本発明試料5の作製〉 (ドープ組成物B) 三酢酸セルロース(酢化度61.0%) 100重量部 ジブチルフタレート 1重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール 1.5重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 以上を密閉容器に投入し、41℃で撹拌しながら完全に
溶解した。ドープ組成物Bをろ過し、ベルト流延装置を
用い、ドープ温度33℃でステンレスバンド支持体上に
均一に流延した。ステンレスバンド支持体の前半部分を
12℃、後半部分を40℃になるようにコントロールし
ながら溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から
剥離した。その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送さ
せながら乾燥させ、最終的には120℃で乾燥させ、膜
厚80μmの三酢酸セルロースフィルムの本発明試料5
を作製した。
【0064】〈本発明試料6の作製〉本発明試料5の作
製において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフ
タレート1重量部を5重量部に代える以外は本発明試料
5の作製と同じにして本発明試料6を作製した。
【0065】〈本発明試料7の作製〉本発明試料5の作
製において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフ
タレート1重量部を5重量部、メチレンクロライド47
5重量部を1,3−ジオキソラン475重量部に代え、
かつ更にトリフェニルホスフェート2重量部を添加する
以外は本発明試料5の作製と同じにして本発明試料7を
作製した。
【0066】〈本発明試料8の作製〉本発明試料5の作
製において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフ
タレート1重量部を7重量部に代える以外は本発明試料
5の作製と同じにして本発明試料8を作製した。
【0067】〈本発明試料9の作製〉本発明試料2の作
製において用いるドープ組成物Aの調製で、2−(2′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール1.5重量部を下記化合物例−1
1.5重量部に代える以外は本発明試料2の作製と同じ
にして本発明試料9を作製した。
【0068】
【化3】
【0069】〈本発明試料10の作製〉本発明試料2の
作製において用いるドープ組成物Aの調製で、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール1.5重量部を除いた以外は
本発明試料2の作製と同じにして本発明試料10を作製
した。
【0070】〈比較試料1の作製〉本発明試料1の作製
において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタリ
ルエチルグリコレート1重量部を0.5重量部に代える
以外は本発明試料1の作製と同じにして比較試料1を作
製した。
【0071】〈比較試料2の作製〉本発明試料1の作製
において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタリ
ルエチルグリコレート1重量部を8重量部に代える以外
は本発明試料1の作製と同じにして比較試料2を作製し
た。
【0072】〈比較試料3の作製〉本発明試料1の作製
において用いるドープ組成物Aの調製で、エチルフタリ
ルエチルグリコレート1重量部を8重量部に、メチレン
クロライド475重量部を1,3−ジオキソラン475
重量部に代え、かつ更にトリフェニルホスフェート2重
量部を添加する以外は、本発明試料1の作製と同じにし
て比較試料3を作製した。
【0073】〈比較試料4の作製〉本発明試料5の作製
において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフタ
レート1重量部を0.5重量部に代える以外は本発明試
料5の作製と同じにして比較試料4を作製した。
【0074】〈比較試料5の作製〉本発明試料5の作製
において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフタ
レート1重量部を8重量部に代える以外は、本発明試料
5の作製と同じにして比較試料5を作製した。
【0075】〈比較試料6の作製〉本発明試料5の作製
において用いるドープ組成物Bの調製で、ジブチルフタ
レート1重量部を8重量部、メチレンクロライド475
重量部を1,3−ジオキソラン475重量部に代え、か
つ更にトリフェニルホスフェート2重量部を添加する以
外は本発明試料5の作製と同じにして比較試料6を作製
した。
【0076】以上のようにして作製した本発明試料1か
ら10及び比較試料1から6について寸法変化、破断伸
び、スクラッチ特性、カール、偏光板耐久性、透過率変
化度を測定し、評価した。結果を表1に示す。
【0077】〈測定及び評価方法〉 〈寸法変化〉フィルム試料について、長手方向150m
m×幅手方向120mmサイズに断裁し、該フィルム表
面に100mm間隔で2ヶ所にカミソリ等の鋭利な刃物
で十文字型の印を付し、23℃55%RHの環境下で2
4時間以上調湿し、工場顕微鏡で処理前の長手方向、及
び幅手方向のそれぞれの印間距離L1を測定する。次
に、該試料を電気高温槽中で高温処理(条件;90℃の
環境下で120時間放置する)あるいは高温高湿処理
(条件;80℃90%RHの環境下で120時間放置す
る)する。再び、該試料を23℃55%RHの環境下で
24時間調湿し、工場顕微鏡で処理後の長手方向及び幅
手方向のそれぞれの印間距離L2を測定する。この処理
前後の変化率を次式によって求める。
【0078】(式) 寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100 L1:処理前の印間距離 L2:処理後の印間距離 尚、寸法変化の評価としては、比較試料2の寸法変化率
を100%とした時の各々の寸法変化率の相対値で算出
した。
【0079】〈スクラッチ特性〉試料フィルムの表面上
を1ミルの円錐状ダイヤモンド針を用いて、該針を移動
させながら、0〜50g連続荷重する。この時に形成さ
れる該フィルム表面上のキズのつき方を観察し、キズの
つき始めた時の該針の移動距離から荷重を求める。
【0080】〈カール〉該フィルム試料を80℃90%
RH環境下で48時間放置後、該フィルムを幅手方向5
0mm、長手方向2mmに切断する。さらに、そのフィ
ルム小片を23℃±2℃55%RH環境下で24時間調
湿し、曲率スケールを用いて該フィルムのカール値を測
定する。
【0081】〈偏光板耐久性テスト〉100mm×10
0mmの偏光板試料2枚を熱処理(条件:90℃で10
0時間放置する)し、直行状態にした時の縦又は横の中
心線部分のどちらか大きいほうの縁の白抜け部分の長さ
を測定し、下記のレベルに判定した。縁の白抜けとは直
行状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す状態
になることで、目視で判定できる。偏光板の状態では縁
の部分の表示が見えなくなる故障となる。
【0082】 ◎:縁の白抜けが5%未満(偏光板として問題ないレベ
ル) ○:縁の白抜けが5%以上10%未満(偏光板として問
題ないレベル) △:縁の白抜けが10%以上20%未満(偏光板として
何とか使えるレベル) ×:縁の白抜けが20%以上(偏光板として問題のある
レベル) 〈透過率変化度の評価〉前記作製したセルローストリア
セテートフィルムを80℃90%RHの高温、高湿の条
件下で密閉容器に封入し、同温度で1000時間放置
後、分光光度計を用いて250〜600nmの分光吸収
特性を測定し、23℃55%RH条件下に同様放置され
た前記作製したセルローストリアセテートフィルムに於
ける分光吸収特性との250〜350nmの範囲の最大
変化度△T1(%)及び400〜600nmの範囲の最
大変化度△T2(%)を評価した。
【0083】 ○:変化度 2%未満 △:変化度 2%以上10%未満 ×:変化度 10%以上20%未満 ××:変化度 20%以上 各実施例及び比較例に対する可塑剤及び紫外線(UV)
吸収剤の種類と添加量を表1に記載した。またその評価
結果を表2に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】本発明に係る可塑剤を1重量%添加した本
発明試料1及び5は評価項目のうち寸法変化において特
に優れており、カールも小さい。7重量%添加した本発
明試料4及び8は評価項目のうちスクラッチ特性におい
て特に優れていることがわかる。また5重量%添加した
本発明試料2及び6はすべての評価項目について特に優
れていることがわかる。尚、リン酸エステル系可塑剤を
併用しない場合である本発明試料1、2、4、5、6及
び8のほうが併用している本発明試料3及び7に比較し
て寸法変化やカール、偏光板耐久性において特に優れて
いる。
【0087】本発明に係る可塑剤を1重量%添加した本
発明試料1及び5と0.5重量%添加した比較試料1及
び4とを比べると、この添加量を境にしてスクラッチ特
性に違いが現れ本発明に係る添加量範囲内では特に優れ
ていることがわかる。
【0088】本発明に係る可塑剤を7重量%添加した本
発明試料4及び8と8重量%添加した比較試料2及び5
とを比べると、この添加量を境にして寸法変化及び偏光
板耐久性に違いが現れ本発明に係る添加量範囲内では特
に寸法安定性、カール及び偏光板耐久性に優れているこ
とがわかる。
【0089】
【発明の効果】TACフィルム中の可塑剤の量及びカー
ル度を選択することにより寸法安定性及び、高温高湿下
での変形耐性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1333 G02F 1/1333 (72)発明者 永安 浩一 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の条件にて測定されたカール値が絶
    対値で20以下であり、且つフタル酸エステル系可塑剤
    をセルロースエステルに対して重量比で1%以上7%以
    下含有することを特徴とするセルロースエステルフィル
    ム。 〈条件〉フィルム試料を80℃90%RH環境下で48
    時間放置後、幅手方向50mm、長手方向2mmに切断
    し、23±2℃55%RH環境下で24時間調湿し、曲
    率スケールを用いてフィルムのカール値を測定する。
  2. 【請求項2】 フタル酸エステル系可塑剤をセルロース
    エステルに対して重量比で1%以上5%以下含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 前記条件にて測定されたカール値が絶対
    値で10以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のセルロースエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 下記一般式〔1〕で示されるベンゾトリ
    アゾール系化合物の少なくとも1種を含有することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロー
    スエステルフィルム。 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、水素原子、ハ
    ロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、
    アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキ
    シ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
    オ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基又
    は5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜
    6員の炭素環を形成してもよい。〕
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載のセルロースエステ
    ルフィルムを用いることを特徴とする液晶表示用部材。
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