JP2002258049A - 低カール偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
低カール偏光板及びそれを用いた液晶表示装置Info
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Abstract
表示装置を提供する。 【解決手段】 偏光子と、トリアセチルセルロースフィ
ルムとを貼り合わせて構成した偏光板であって、前記ト
リアセチルセルロースフィルムが、そのフィルム両面を
フーリエ変換赤外分光計(FT−IR)によるATR分
析で測定した場合において、表面の1488cm-1 付近の最
大強度ピークAxと1365cm-1付近の最大強度ピークBx
の比Cx(Cx=Ax/Bx)と、裏面の1488cm-1 付
近の最大強度ピークAyと1365cm-1付近の最大強度ピー
クByの比Cy(Cy=Ay/By)とが、以下の関係
を有する偏光板とする。 1.0≦Cx/Cy≦1.2
Description
下、LCDと略称することがある。)に使用される偏光
板及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
時計、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサ、
自動車や機械の計器類等に使用されており、この液晶表
示装置には偏光板が使用されている。偏光板としては、
ヨウ素又は二色性染料を吸着配向させたポリビニルアル
コール系フィルムからなる偏光フィルム(偏光子)の両
面に、トリアセチルセルロース等の保護フィルムを積層
したもの等が使用されており、明るく、高いコントラス
トを有する液晶表示装置を提供するために、高い透過率
と高い偏光度を兼ね備えた偏光板が必要とされている。
(以下、PVAと略称することがある。)フィルムを、
二色性を有するヨウ素又は二色性染料で染色し、分子を
配列させるために延伸し、延伸した状態を保持するため
にホウ酸やホウ砂等の架橋剤で架橋し、乾燥させた後、
トリアセチルセルロース(以下、TACと略称すること
がある。)フィルム等の保護フィルムと貼り合わせて製
造されている。
を単純に貼り合せた場合、貼り合せ直後に偏光板自体が
カールすることがある。また、その貼り合せた偏光板
を、加熱・加湿条件にさらした場合には、カールがさら
に大きくなる問題がある。
題を解決するため、鋭意検討した結果、トリアセチルセ
ルロースフィルムの表裏の可塑剤量に着目し、トリアセ
チルセルロースフィルム両面の表面近傍の可塑剤量の比
が一定の範囲内にある材料を使用することにより、カー
ルの少ない偏光板が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、カールの少ない
偏光板及びそれを用いた液晶表示装置を提供することを
目的とする。
め、本発明の偏光板は、偏光子と、トリアセチルセルロ
ースフィルムとを貼り合わせて構成した偏光板であっ
て、前記トリアセチルセルロースフィルムが、そのフィ
ルム両面をフーリエ変換赤外分光計(FT−IR)によ
るATR分析(以下FT−IR−ATR法)で測定した
場合において、表面の1488cm-1 付近の最大強度ピーク
Axと1365cm-1付近の最大強度ピークBxの比Cx(C
x=Ax/Bx)と、裏面の1488cm-1 付近の最大強度
ピークAyと1365cm-1付近の最大強度ピークByの比C
y(Cy=Ay/By)とが、以下の関係を有すること
を特徴とする。 1.0≦Cx/Cy≦1.2
ることが好ましい。
層を設けることが好ましい。
透過反射板を貼り合わせることが好ましい。
λ板を貼り合わせることが好ましい。
ルムを貼り合わせることが好ましい。
ルムを貼り合わせることが好ましい。
光板を液晶セルの少なくとも片側に配置したことを特徴
とする。
脂フィルムを染色、架橋、延伸、乾燥して形成した、二
色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム等
からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層、例え
ばビニルアルコール系ポリマー等からなる接着層を介し
て、保護層となるトリアセチルセルロースフィルムを接
着したものからなる。
ルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の
ポリビニルアルコール系ポリマーからなる厚さが120
μm以下のフィルムに、膨潤処理、染色処理、架橋処
理、延伸処理を施したもので、自然光を入射させると直
線偏光を透過する適宜なものを用いることができる。染
色、架橋、延伸の各処理工程は、別々に行う必要はなく
同時に行ってもよく、また、各工程の順番も任意でよ
い。一般には、延伸倍率3倍〜7倍に一軸延伸して乾燥
したものが使用される。
あるが、本発明の目的を有効に達成するためには、特
に、5〜35μmが好ましい。また、偏光子の厚さを調
整する方法に関しても、特に限定するものではなく、テ
ンター、ロール延伸や圧延等の通常の方法を用いること
ができる。
しては、酢酸ビニルを重合した後にケン化したものや、
酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸、不飽和スルホン
酸、カチオン性モノマー等の共重合可能なモノマーを共
重合したもの、等が挙げられる。ポリビニルアルコール
系ポリマーの重合度は、特に制限されず任意のものを使
用することができるが、フィルムの水への溶解度の点か
ら、平均重合度500〜1万が好ましく、より好ましく
は1000〜6000である。また、ケン化度は75モ
ル%以上が好ましく、より好ましくは98〜100モル
%である。
に、トリアセチルセルロースフィルムを貼り合せるが、
このトリアセチルセルロースフィルムは、透明性や機械
的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるため、偏光子
(偏光フィルム)の片側又は両側に設ける透明保護層と
なる保護フィルム素材として好ましく用いられる。偏光
特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることが
できる透明保護フィルムは、表面をアルカリなどでケン
化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。
ィルムは、該フィルムの両面をFT−IR−ATR法で
測定した場合において、表面の1488cm-1 付近の最大強
度ピークAxと1365cm-1付近の最大強度ピークBxの比
Cx(Cx=Ax/Bx)と、裏面の1488cm-1 付近の
最大強度ピークAyと1365cm-1付近の最大強度ピークB
yの比Cy(Cy=Ay/By)とが、 1.0≦Cx/Cy≦1.2 の関係を有するものである。このように、FT−IR−
ATR法で求めたトリアセチルセルロースフィルムの両
面の表面近傍に存在する可塑剤の量が、表面:裏面=
1.0:1.0〜1.2の割合である材料を使用するこ
とにより、カールの少ない偏光板を製造することができ
る。なお、トリアセチルセルロースフィルムは、いずれ
を表面または裏面とするかは任意であり、一方の面を表
面とした場合には他方の面が裏面となる。
アセチルセルロースは波長1365cm-1付近にピークが存在
し、またトリアセチルセルロースフィルムに含まれる可
塑剤トリフェニルフォスフェートは、波長1488cm-1付近
にピークが存在する。そのため、1365cm-1付近の最大強
度ピークを基準として、1488cm-1付近の最大強度ピーク
を測定することにより、トリアセチルセルロースフィル
ム両面の表面近傍に存在する可塑剤の量を求めることが
できる。
スフィルムの厚さは、任意であるが一般には偏光板の薄
型化などを目的に500μm以下、好ましくは5〜30
0μm、特に好ましくは5〜150μmとされる。
スフィルムは、本発明の目的を損なわない限り、ハード
コート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡
散ないしアンチグレア等を目的とした処理などを施した
ものであってもよい。ハードコート処理は、偏光板表面
の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えば
シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度
や滑り性等に優れる硬化被膜を透明保護フィルムの表面
に付加する方式などにて形成することができる。
の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた
反射防止膜などの形成により達成することができる。ま
た、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的
に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して
偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に
施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエン
ボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方
式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細
凹凸構造を付与することにより形成することができる。
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒
子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒
状物等からなる有機系微粒子などを用いうる。透明微粒
子の使用量は、透明樹脂100質量部あたり2〜70質
量部、特に5〜50質量部が一般的である。
保護層そのものとして、或いは透明保護層表面への塗工
層などとして設けることができる。アンチグレア層は、
偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層
(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。な
お、上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡散
層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシートな
どからなる光学層として透明保護層とは別体のものとし
て設けることもできる。
る透明保護フィルムとの接着処理は、特に限定されるも
のではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーか
らなる接着剤、或いは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアル
デヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系
ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤など
を介して行なうことができる。かかる接着層は、水溶液
の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調
製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒
も配合することができる。
した光学部材として用いることができる。その光学層に
ついては特に限定はなく、例えば反射板や半透過反射
板、位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板
も含む)、視覚補償フィルムや輝度向上フィルムなど
の、液晶表示装置等の形成に用いられることのある適宜
な光学層の1層または2層以上を用いることができ、特
に、前述した偏光子と保護層からなる偏光板に、更に反
射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板
または半透過反射板型偏光板、前述した偏光子と保護層
からなる偏光板に、更に位相差板が積層されている楕円
偏光板または円偏光板、前述した偏光子と保護層からな
る偏光板に、更に視覚補償フィルムが積層されている偏
光板、あるいは、前述した偏光子と保護層からなる偏光
板に、更に輝度向上フィルムが積層されている偏光板が
好ましい。
は、それを偏光板に設けて反射型偏光板を形成するため
のものであり、反射型偏光板は、通常液晶セルの裏側に
設けられ、視認側(表示側)からの入射光を反射させて
表示するタイプの液晶表示装置などを形成でき、バック
ライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型
化を図りやすいなどの利点を有する。
した透明保護フィルム等を介して偏光板の片面に金属等
からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行
なうことができる。その具体例としては、必要に応じマ
ット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム
等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を
形成したものなどが挙げられる。
構造とした上記の透明保護フィルムの上に、その微細凹
凸構造を反映させた反射層を有する反射型偏光板なども
挙げられる。表面微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱
反射により拡散させて指向性を緩和したり、ギラギラし
た見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを
有する。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映さ
せた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方
式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等
の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明
保護フィルムの表面に直接付設する方法などにより行な
うことができる。
護フィルムに直接付設する方式に代えて、その透明保護
フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる
反射シートなどとして用いることもできる。反射板の反
射層は、通常、金属からなるので、その反射面がフィル
ムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化によ
る反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の
点や、保護層の別途付設の回避の点などから好ましい。
射層で光を反射し、且つ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。即ち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下
では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約で
き、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使
用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用であ
る。
光板に、更に位相差板が積層されている楕円偏光板又は
円偏光板について説明する。
り、楕円偏光又は円偏光を直線偏光に変えたり、或いは
直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用
いられ、特に、直線偏光を楕円偏光又は円偏光に変えた
り、楕円偏光又は円偏光を直線偏光に変える位相差板と
しては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が
用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通
常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
ク(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折によって
生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色
のない白黒表示にする場合などに有効に用いられる。更
に、3次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の
画面を斜め方向 から見た際に生じる着色も補償(防
止)することができ好ましい。円偏光板は、例えば画像
がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を
整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機
能も有する。
ボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリ
オレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適宜な
ポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性
フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマー
の配向層をフィルムにて支持したものなどが挙げられ
る。また、傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマー
フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその
収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及
び収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたも
のなどが挙げられる。
光板に、更に視角補償フィルムが積層されている偏光板
について説明する。
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明に見えるように視角を広げるため
のフィルムである。
リアセチルセルロースフィルムなどにディスコティック
液晶を塗工したものや、位相差板が用いられる。通常の
位相差板には、その面方向に一軸に延伸された複屈折を
有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補
償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二
軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、
面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方
向の屈折率を制御した傾斜配向ポリマーフィルムのよう
な2方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィ
ルムとしては、前述したように、例えばポリマーフィル
ムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力
の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮
処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものな
どが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の
位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ
る。
に、輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液
晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上
フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側か
らの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直
線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過す
る特性を示すもので、輝度向上フィルムを前述した偏光
子と保護層とからなる偏光板と積層した偏光板は、バッ
クライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の
透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過
せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した
光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転さ
せて輝度向上板に再入射させ、その一部又は全部を所定
偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過
する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収されにくい偏
光を供給して液晶画像表示等に利用しうる光量の増大を
図ることにより輝度を向上させうるものである。即ち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光はほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過
してこない。即ち、用いた偏光子の特性によっても異な
るが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、
その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画
像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収され
るような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝
度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設け
られた反射層等を介して反転させて輝度向上板に再入射
させることを繰り返し、この両者間で反射、反転してい
る光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向に
なった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光
子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液
晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくする
ことができるのである。
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルム
やその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如
き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射し
て他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを
用いうる。
透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光を
そのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光
化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その
位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏
光を直線偏光に変換することができる。
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルム
の間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差
層からなるものであってよい。
反射波長が相違するものの組合せにして2層又は3層以
上重畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広
い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、
それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることが
できる。
板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層
したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型
偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組合せた反射型楕
円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。2
層又は3層以上の光学層を積層した光学部材は、液晶表
示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形
成することができるものであるが、予め積層して光学部
材としたものは、品質の安定性や組立作業性等に優れて
液晶表示装置などの製造効率を向上させることができる
利点がある。なお、積層には、粘着層等の適宜な接着手
段を用いることができる。
等の他部材と接着するための粘着層を設けることもでき
る。その粘着層は、アクリル系等の従来に準じた適宜な
粘着剤にて形成することができる。特に、吸湿による発
泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性
の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性
に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が
低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。ま
た、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとする
こともできる。粘着層は必要に応じて必要な面に設けれ
ばよく、例えば、偏光子と保護層からなる偏光板の保護
層について言及するならば、必要に応じて、保護層の片
面又は両面に粘着層を設ければよい。
露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの
間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーする
ことが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィル
ム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成
することができる。
偏光フィルムや透明保護フィルム、光学層や粘着層など
の各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾ
フェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシア
ノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫
外線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外
線吸収能を持たせたものなどであってもよい。
装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表
示装置は、偏光板を液晶セルの片側又は両側に配置して
なる透過型や反射型、或いは透過・反射両用型等の従来
に準じた適宜な構造を有するものとして形成することが
できる。従って、液晶表示装置を形成する液晶セルは任
意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアク
ティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型
やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マト
リクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用
いたものであってよい。
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の形成に
際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイ
シート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適
宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
に具体的に説明する。
ール(PVA)フィルムを、30℃の温水で1分間膨潤
させた後、30℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(重量比1
0:1)水溶液に浸漬し3倍に延伸した。次いで、50
℃の4%ホウ酸水溶液中で、総延伸倍率が5倍になるよ
うに延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、
4分間乾燥し、厚さ30μmの偏光子を得た。
ースフィルム(材料1)を準備し、両面をフーリエ変換
赤外分光光度計(FT−IR)にて分析し、それぞれの
面(x面及びy面)について、1488cm-1におけるピーク
高さ(トリフェニルホスフェート(TPP)のピーク高
さ)Ax及びAyと、1365cm−1におけるピーク高さ
(トリアセチルセルロース(TAC)のピーク高さ)B
x及びByとを測定し、この結果から、x面及びy面の
ピーク比Cx、Cyを求めた。その結果を表1に示す。
水溶液からなる接着剤を塗布し、保護フィルムとして、
接着面を苛性ソーダ水溶液でケン化処理した2枚のトリ
アセチルセルロースフィルム(材料1)でこの偏光子を
挟みこむように貼り合わせて偏光板を作製した。なお、
トリアセチルセルロース成膜時のキャスティングベルト
面を接着面とした。
5°で12.1インチのサイズに切り出し(個数5)、
これを水平板の上にカールした端が上向きになるように
置き、最もカール量の大きい箇所を測定した。また、こ
の偏光板を、温度40℃、湿度92%RHの加湿条件下
に120時間放置し、放置後のカール量を同様に測定し
た。その結果を表2に示す。
を使用した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製
した。フィルム性状を表1に、偏光板のカール量を表2
にそれぞれ示す。
を使用した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製
した。フィルム性状を表1に、偏光板のカール量を表2
にそれぞれ示す。
ムとして用いるトリアセチルセルロースフィルムの表面
近傍の可塑剤量の比率が1.0〜1.2の範囲にある本
発明の偏光板は、比率が1.2を越える比較例の偏光板
に比べて、偏光板のカール量が少ないことがわかる。ま
た、偏光板を加熱・加湿条件下にさらした場合、比較例
の偏光板ではカールが増大したのに対し、本発明の偏光
板はカールの増大が見られない。
ム両面の表面近傍の可塑剤量の比が1.0〜1.2の範
囲内にあるトリアセチルセルロースフィルムを使用する
ため、カールが少ない偏光板を得ることができる。この
ため、偏光板をLCDパネルに貼り合せるときの気泡の
混入を防ぐことができ、パネルへの貼り合せ作業性を向
上させることができる。また、本発明の偏光板は、加熱
・加湿条件下でのカール増加を防止することもできるの
で、本発明の偏光板を液晶パネルに実装した際のパネル
の反りが少なくなり、パネル色相の変化を防止すること
ができる。よって、その工業的価値は大である。
Claims (8)
- 【請求項1】 偏光子と、トリアセチルセルロースフィ
ルムとを貼り合わせて構成した偏光板であって、 前記トリアセチルセルロースフィルムが、そのフィルム
両面をフーリエ変換赤外分光計(FT−IR)によるA
TR分析で測定した場合において、 表面の1488cm-1 付近の最大強度ピークAxと1365cm-1
付近の最大強度ピークBxの比Cx(Cx=Ax/B
x)と、裏面の1488cm-1 付近の最大強度ピークAyと1
365cm-1付近の最大強度ピークByの比Cy(Cy=A
y/By)とが、以下の関係を有することを特徴とする
偏光板。 1.0≦Cx/Cy≦1.2 - 【請求項2】 請求項1に記載の偏光板に、粘着層を設
けた偏光板。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の偏光板に、アン
チグレア層を設けた偏光板。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板
に、反射板又は半透過反射板を貼り合わせた偏光板。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板
に、位相差板又はλ板を貼り合わせた偏光板。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板
に、視角補償フィルムを貼り合わせた偏光板。 - 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板
に、輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板
を、液晶セルの少なくとも片側に配置したことを特徴と
する液晶表示装置。
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