JPH10151640A - 射出成形品 - Google Patents

射出成形品

Info

Publication number
JPH10151640A
JPH10151640A JP8310260A JP31026096A JPH10151640A JP H10151640 A JPH10151640 A JP H10151640A JP 8310260 A JP8310260 A JP 8310260A JP 31026096 A JP31026096 A JP 31026096A JP H10151640 A JPH10151640 A JP H10151640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
cavity
injection
uneven thickness
thickness portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8310260A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuharu Yasuda
和治 安田
Hideki Naruse
秀樹 成瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8310260A priority Critical patent/JPH10151640A/ja
Publication of JPH10151640A publication Critical patent/JPH10151640A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0025Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0025Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
    • B29C2045/0043Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks preventing shrinkage by reducing the wall thickness of the moulded article
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒケ、艶むら、そり等のない外観良好、かつ
寸法精度の優れた、偏肉部を有する射出成形品を提供す
る。 【解決手段】 偏肉部を有する面の肉厚tと、偏肉部を
形成する金型上の偏肉部の幅wとの関係がw>0.6t
である偏肉部を有する射出成形品であって、偏肉部に対
応する意匠面の偏肉部の中心線から距離2wの範囲にお
いて、半値幅wiがwi>0.3wである凹凸部の高さ
sが式(1)の関係を満たす射出成形品。 式(1) −10-5(w/t)<s<10-6(w/t)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形品に関す
るもので、更に詳しくはヒケ、艶むら等のない外観良好
でかつソリ等の無い寸法精度の優れた射出成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形において、比較的厚肉
の成形品や部分的な厚肉部を有する成形品を成形する場
合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、成形品の表面にヒ
ケと呼ばれる窪みを生じることが広く知られている。
【0003】従来、最も一般的な上記ヒケ防止策として
は、射出圧力を高めると共に射出時間を延長し、溶融樹
脂の供給圧を加えながらキャビティ内の樹脂をある程度
冷却する方法(樹脂加圧法)が知られている。
【0004】しかしながら、上記の樹脂加圧法によるヒ
ケ防止は、特開昭50−75247号公報に示されるよ
うに、成形品の肉厚等によって成形条件が異なるので成
形、作業が煩雑になると共に、高い樹脂圧を加えなけれ
ば充分なヒケ防止を図れないので、パーティング面にバ
リを発生させる原因となり、このバリ除去の作業負担が
増大する問題がある。また過度の樹脂圧を加えると、成
形品にソリが発生するといった寸法精度上の問題もでて
くる。さらに、樹脂加圧法では、ゲート付近の厚肉部に
は圧力伝達が容易であるが、ゲート部から離れた厚肉部
には十分に圧力がかからず、厚肉部の位置によっては完
全にヒケを解消することができないといったことが起こ
る。またヒケ防止のために、過剰な樹脂加圧を与える
と、成形品に好ましくない残留応力が残り、結果として
成形品にソリが発生する。
【0005】そこで米国特許明細書第4,923,66
6号や特開昭63−268611号公報では、厚肉部分
がゲートに連通している成形品を形成するように設計さ
れた金型を用い、溶融した樹脂を該金型キャビティに射
出注入し、次いで加圧ガス体を溶融樹脂内に注入して中
空部構造を有する合成樹脂成形品を製造する方法を提案
している。
【0006】このガスアシスト成形方法による成形品
は、加圧ガスを導入するガスチャンネルと呼ばれる連続
した厚肉部を形成する必要があり、成形体の機械的特性
上必要のない部位にまで厚肉部を設ける必要があるとい
った構造上の制約があった。更に、この厚肉部に対する
成形品の意匠面には艶むら、光沢むらが発生し、外観上
の問題もあった。このような場合に意匠面表面の外観不
良を改善するためには、塗装などによる二次加工が必要
となり、製造コストアップといった問題を生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
OA機器や家庭電気器具の筐体、更には自動車部品等の
大型の成形品の需要が高まると共に、製品のコストダウ
ンのための成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄肉
で大型の成形品の場合、強度補強のために、一般にリブ
やボスと称する補強部を設けるのが普通である。リブや
ボスは、厚肉ほど補強効果が高く、更に樹脂を金型内に
容易に充填できる流動支援効果も得られる。
【0008】しかしながら、厚肉のリブやボスを設ける
と、リブやボスに対応する成形品の表面(意匠面)のヒ
ケ、光沢や艶むら等の外観上の問題が発生しやすい。す
なわち、近年需要が高まっている薄肉で大型の成形品
は、必要な強度維持のため厚肉のリブやボスを備えたも
のとなるが、このような厚肉のリブやボスを設けた場合
の外観不良発生防止技術がいずれも不十分で、満足でき
る成形品が得にくいのが現状である。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、ガス併用射出成形法によりヒケが防
止され、更に艶むら等の無い外観の優れた成形品を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、偏肉部を
有する面の肉厚tと、偏肉部を形成する金型上の偏肉部
の幅wとの関係がw>0.6tである偏肉部を有する射
出成形品であって、偏肉部に対応する意匠面の偏肉部の
中心線から距離2wの範囲において、半値幅wiがwi
>0.3wである凹凸部の高さsが式(1)の関係を満
たすことを特徴とする射出成形品 式(1) −10-5(w/t)<s<10-6(w/t) 及びその製造方法である。
【0011】本発明において肉厚tとは、通常の射出成
形で得られる成形品の基本肉厚であり、一般には、1m
mから10mm程度であるが特に成形が可能であれば制
限はない。しかしながら本発明の効果をより発現させる
範囲としては、好ましくは1mmから4mmであり、低
圧発泡射出成形では作成困難なものについて特に利点が
得られる。
【0012】偏肉部を形成する金型上の偏肉部の幅w
は、成形品の強度補強等のために設けられるボスやリブ
等の偏肉部の金型上の厚みで、リブの場合は、その幅の
最大値であり、一般にはリブと直行する面と交わる部分
の厚みを示す。通常の射出成形品では、ヒケ防止のため
wは0.5t以下に設計される。またボスにおいては、
ボスの断面積が円の場合、wはその直径、多角形の場合
は、該多角形の外接円(外接円が描けない場合は、多角
形の各頂点と円周との距離の差の自乗の和が最小となる
ような円)の直径と定義する。また中央部が肉盗みをさ
れた円筒状のボスにおいては、wは円筒状の壁の厚みと
する。
【0013】凹凸部の高さsが負の場合は、偏肉部に対
応する意匠面のヒケを意味し、ヒケが大きい程外観不良
の問題が起こり、商品価値が下がる。本発明の成形品
は、式(1)を満たしたヒケの少ない成形品である。成
形品の中にはデザイン上、あるいは細かなヒケを外観上
ぼかすためにシボと称する成形品表面に細かな凹凸模様
を付けることがあるが、この場合にもw>0.6t満た
す成形品においては、ヒケによる外観不良が発生しやす
い。即ち本発明による成形品は、シボのある成形品につ
いても同様に有効であり、ヒケ量sは、シボ面の頂点の
軌跡、あるいは中心線の軌跡と底面との差で表される。
【0014】また凹凸部の高さsが正の場合は、偏肉部
に対応する意匠面の膨らみを意味する。溶融樹脂の内部
に加圧ガスを導入するガスアシスト成形法では、通常成
形でみられるようなヒケは解消できるが、厚肉部のほぼ
中央部に対応する意匠面に凸となる膨らみが存在する。
これは、厚肉部に導入された加圧ガスによる局部的かつ
過剰な加圧によって生じるものである。この局部的な加
圧は、意匠面の金型との間に転写むらを生じさせ、結果
的に艶むら、色むらとなって外観不良として現れる。本
発明では、このような転写むらが起こらないような成形
品形状を見い出し、式(1)として与えたものである。
【0015】更に本発明では、ソリのない寸法精度上優
れた成形品を提供できる。
【0016】即ち、底面中央部、例えば底面が四角形の
場合、底面の対角線の端部を起点とした面の中央部(長
方形の場合は、2本の対角線の交点)と対応する金型位
置との高低差をソリ量waと定義し、該対角線の長さを
Lとすると、wa<3×10-3Lであるソリ量の少ない
成形品を提供できる。また、成形品が側壁を有する場
合、側壁の両端部を起点とした側面の長さ方向の中央部
と、対応する金型位置とのズレ量をソリ量waと定義
し、該側面の長さをLとすると、wa<3×10-3Lで
あるソリ量の少ない成形品を提供できる。
【0017】次に本発明の製造方法を示す。まず溶融樹
脂をキャビティ内に射出し、射出完了時を含むその前後
のいずれかにおいて、成形品の偏肉部を有する面に対す
るキャビティ面側から加圧ガスを圧入し、成形品の意匠
面となる他面をそれに対応するキャビティ面に押し付け
ることによって本発明における成形品が得られる。
【0018】本発明では成形品厚肉部の根元、即ち厚肉
部と面とが交差する部分に加圧ガスによってヒケが防止
されるような圧力がかけられる。即ち溶融樹脂の収縮を
意匠面と反対側の厚肉部に誘発する。加圧ガスを厚肉部
の加圧により有効に作用させるには、加圧ガスが出来る
だけ金型外に漏れないようにすることが望ましい。
【0019】より好ましくは、まずキャビティの容積に
比して過量の溶融樹脂をキャビティ内に射出し、射出完
了時を含むその前後のいずれかにおいて、成形品の偏肉
部を有する面に対するキャビティ面側から加圧ガスを圧
入し、成形品の意匠面となる他面をそれに対応するキャ
ビティ面に押し付けることを特徴とするガス併用射出成
形方法を用いることである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら本発明の
実施形態例を説明する。
【0021】図1は、本発明による成形品1偏肉部周辺
の概略図である。成形品1の意匠面2は、偏肉部3と反
対側にあり、偏肉部3は、面4と交わり、交わった部分
の金型における寸法がwの時、面4の厚みtとwとの関
係は、w>0.6tで表される。
【0022】すなわち本発明による成形品の偏肉部の肉
厚は、通常の射出成形品ではヒケが発生しやすい形状で
ある。ここで偏肉部3の根元付近5は、金型に導入され
る加圧ガスによって金型寸法に比べ絞り込まれて(スク
イーズされて)も良い。
【0023】図1中αで示した部分は、成形品意匠面表
面において、偏肉部3の中心線6から2wの距離の範囲
を示す。本発明は、この範囲αにおいて、wi>0.3
wを満たす凹凸が、式(1)で表される範囲である平滑
な表面を有する外観良好な成形品を提供するものであ
る。
【0024】また図2に示すように、成形品の偏肉部
は、先端から根元に向かって傾き(テーパー)7があっ
ても良いが、その時の本発明の偏肉部肉厚は、図に示す
wで表される。すなわち本発明での偏肉部の肉厚wは成
形品を成形する金型のリブと面が交わる部分の寸法であ
る。また該厚みwは、実際の成形品の偏肉部の根元が、
スクイーズされ通常の射出成形で収縮する寸法より更に
小さくなっていても良い。
【0025】図3と図4は、偏肉部3に対応する意匠面
2部分の拡大図である。図3及び図4において、wiは
半値幅を示し、wi<0.3wである様な測定上のノイ
ズ、シボによる窪み、膨れ等による凹凸部は外観不良と
みなさない。
【0026】図3は、偏肉部3の中心線6に対応する意
匠面2のヒケ8の状態を示した図である。前述のsの定
義より、ヒケは、この場合負の値として与えられる。本
発明による成形品のsの値は−10-5(w/t)より大
きく(即ちヒケ量としては、10-5(w/t)未満)、
通常の射出成形では、このヒケを押さえることは困難で
あり、無理に樹脂加圧等によってこのヒケを押さえるよ
うな成形条件を選択すると成形品全体としてソリなどの
寸法精度上の問題が生じ、製品としての価値をはなはだ
損なうために一般には作成されない。
【0027】また図4は、偏肉部3の中心線6に対応す
る意匠面2の膨れ9の状態を示した図である。前述のs
の定義より、この膨らみは正の値として与えられる。本
発明による成形品のsは、10-6(w/t)未満であ
る。通常の射出成形では厚肉部に対応する意匠面にはヒ
ケが発生するが、溶融樹脂の内部にガスを注入するガス
アシスト成形の場合、厚肉部の反対側に微妙な膨れが発
生する。これは、薄肉部とガスが注入された厚肉部の意
匠面に対応するキャビティ面に押さえつけられる圧力に
差ができるためで、強く押さえつけられた付近は、結果
として膨れ9を生じる。この金型への溶融樹脂の加圧む
らのために、意匠面には、艶むらや光沢むらと呼ばれる
外観不良が発生する。
【0028】図5は、本発明の成形品を成形するための
原理を示したものである。金型内に射出充填された溶融
樹脂は、意匠面2とは反対側から、加圧ガスにより均一
に加圧される。即ち加圧ガスを成形品内部に注入するガ
スアシスト成形で特に加圧される厚肉部10付近も薄肉
部11付近も同様に加圧されるため、結果として意匠面
はより均一に金型面に押しつけられる。この均一な加圧
が、結果として成形品意匠面への金型表面の均一な転写
を可能とし、式(1)に示す平滑な意匠面が得られる。
【0029】図6は、本発明の成形品を作成するための
金型の一例を示す断面図である。
【0030】図示されるように金型12は、固定側金型
13と移動側金型14とで構成され、両者間に、成形時
に溶融樹脂が充填されるキャビティ15が形成されてい
る。
【0031】パーティング面の固定側金型13側には溝
を形成し、大気解放経路16を構成してもよい。大気解
放経路16は、キャビティ15内で成形される成形品の
片面に対応するキャビティ面17に開口しており、この
キャビティ面17側を大気に解放して、解放領域面とし
ていても良い。この大気解放経路16は、少なくともキ
ャビティ15への開口部若しくはその付近が、溶融樹脂
がキャビティ15内に射出充填される際に、樹脂を侵入
させることなく、キャビティ15内の空気や溶融樹脂か
ら発生するガスを金型12外に排出できる厚みを有して
いるものである。
【0032】一方、成形品の他面に対応するキャビティ
面18側は、大気につながるエジェクタピン19回りが
Oリング20でシールされており、しかも大気解放経路
16の開口もなく、大気との連通が遮断された閉鎖領域
となることが望ましい。また、この閉鎖領域となってい
るキャビティ面15側には、ガス注入ピン21が設けら
れている。このガス注入ピン21は、先端をキャビティ
面18からキャビティ内15に臨ませて、移動金型14
に埋め込まれているもので、バルブ22を介して加圧ガ
ス源(図示されていない)に接続されたガス導入路23
から送られてくる加圧ガスを、移動側金型14との間に
残された隙間を介してキャビティ15へと供給するもの
である。尚、図中24は、金型構成部材の合わせ面から
の加圧ガスの逃げを防ぐためのOリングである。
【0033】図6に示される金型12は、内側にリブを
有するほぼ箱型の成形品を成形するためのもので、パー
ティング面はこの箱型成形品の側壁部の先端に位置して
おり、上記大気解放経路16は、箱型成形品の外面に対
応するキャビティ面17であって、箱型成形品の側壁部
の先端に対応する位置に開口している。大気開放経路1
6の開口位置は、この様な位置のみでなく、パーティン
グ面の位置に合わせて図7に示される位置とすることも
できる。
【0034】図7においては、箱形成形品の側壁部の中
間部にパーティング面が位置しており、大気開放経路1
6は、箱形成形品の外面に対応するキャビティ面17で
あって、箱形成形品の側壁部の中間部に対応する位置に
開口している。また、加圧ガスを圧入するためのガス注
入ピン21は、箱形成形品の内面に対応するキャビティ
面18側に設けられている。
【0035】更に、図6を用いて本発明の成形品を得る
ための方法を説明する。
【0036】まず、金型12を閉鎖した状態で、キャビ
ティ15内に、溶融樹脂を射出する。この際キャビティ
内に射出する樹脂量は、キャビティ15の容積に比して
過量であることが金型内に注入する加圧ガスによる金型
意匠面への押しつけの効果を上げるには望ましい。具体
的には、キャビティ容積に対して103容量%以上であ
ることが好ましい。またこの時、キャビティ15内の空
気や、溶融樹脂から生じるガスが、溶融樹脂の充填と共
に容易に金型外に排出されるように、大気解放経路16
を設けた方がよい。
【0037】上記溶融樹脂の射出充填後、直ちにバルブ
22を開いて加圧ガスを加圧ガス源(図示されていな
い)から金型12に設けたガス導入路23へと供給す
る。
【0038】加圧ガスとしては、例えば空気、炭酸ガス
等でもよいが、窒素等の不活性ガスが好ましい。使用ガ
スの種類に関しては、加圧ガスの圧力、成形材料、成形
条件等によって選択することが好ましい。加圧ガスの圧
力は、使用樹脂の種類、成形品の形状、成形品の大きさ
等によっても相違するが、通常10〜250kgf/c
2、好ましくは30〜200kgf/cm2である。
【0039】ガス導入路23に供給された加圧ガスは、
ガス注入ピン21と移動側金型14間の隙間を通って、
閉鎖領域面となっているキャビティ面18側からキャビ
ティ15内に圧入される。この加圧ガスは、キャビティ
15内の箱形成形品の内面と、キャビティ面18との間
に圧入され、これによって、箱形成形品の外面をそれに
対応するキャビティ面17へと押しつける。そして、こ
の加圧ガスによる押しつけによって、キャビティ面17
側の成形品の面におけるヒケの発生が抑制されると共
に、キャビティ面17側の転写性が向上し、ヒケ、艶む
ら等による外観不良の問題も低減する。更には成形品を
金型12より取り出すときの離型性も向上する。
【0040】ここでキャビティ15内に導入された加圧
ガスによる圧力が有効に成形品の片面をキャビティ面1
7へと押しつけるように作用させるためには、キャビテ
ィ15内に圧入した加圧ガスの金型12外への漏洩を防
止することが効果的である。このため、キャビティ面1
8は外気との連通が遮断された閉鎖領域になっているこ
とが望ましい。
【0041】また、加圧ガスによる加圧部分は、図6に
示すように金型キャビティ全体でも良いが、厚肉部を有
する部分を選択的に外気と遮断して該部分のみ加圧して
も良い。この場合、図8に示す様に成形品25は、厚肉
部26を有する。厚肉部26の反対側の意匠面にヒケ、
艶むらのない成形品を作成するために、リブ状の壁27
を設け、該リブ状の壁27と側壁28とで囲まれた閉鎖
領域29内に選択的に加圧ガスを注入し、厚肉部26の
ヒケを加圧ガスを注入した側に誘発させ、それに対応す
る意匠面のヒケを防止し、ヒケ、艶むら等のない外観良
好な成形品を作成できる。
【0042】本発明に用いることができる樹脂は、一般
に熱可塑性樹脂と称されるものあれば特に制限はない。
【0043】例えば、ポリスチレンや、ハイインパクト
ポリスチレン、ミディアムインパクトポリスチレンのよ
うなゴム補強スチレン系樹脂、スチレン−アクリロニト
リル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブチ
ルアクリレートラバー−スチレン共重合体(AAS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピルラバー−ス
チレン共重合体(AES)、アクリロニトリル−塩化ポ
リエチレン−スチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂
(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−ア
ルファメチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−メ
チルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)
等のスチレン系樹脂が挙げられる。
【0044】また、ポリメチールメタクリレート(PM
MA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LD
PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピ
レン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重
合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカ
ーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポ
リアミド46等のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレ
ンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポ
リアセタール(POM)樹脂が挙げられる。
【0045】更に、その他のエンジニアリング樹脂、ス
ーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルス
ルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱
可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(P
EK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リフェニレンサルファイド(PSU)等が挙げられる。
【0046】その他、セルロースアセテート(CA)、
セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセ
ルロース(EC)等のセルロース誘導体、液晶ポリマ
ー、液晶アロマチックポリエステル等の液晶系ポリマ
ー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱
可塑性スチレンブタジエンエラストマー(SBC)、熱
可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑
性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩
化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミ
ドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマー
等が挙げられる。
【0047】本発明においては、一種もしくはそれ以上
の上記熱可塑性樹脂のブレンド体を用いたり、一般にポ
リマーアロイと称されるものを用いたり、充填材及び/
又は添加材等を含有させて用いてもよい。
【0048】
【実施例】 〈実施例1、比較例1、2〉図9に示されるような、湾
曲したハウジング形状で、主要部厚み2.5mmの成形
品を成形した。加圧ガスの注入とそのガスシールは、図
6で説明したものと同様とし、ガス注入位置Gは、各リ
ブa〜gの間とした。また、一方のパーティング面の位
置は図中Hの位置で図6に示される形態のものとし、他
方のパーティング面の位置は図中Iの位置で図7に示さ
れる形態のものとした。
【0049】a,b,c,d,e,f,gで示される各
リブの厚みは、それぞれ2.5mm、2.5mm、1.
5mm、3.75mm、2.5mm、1.25mm、
2.5mmである。
【0050】成形品外観は、肉眼にて判定し、更に意匠
面の表面形状を測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】意匠面の表面形状の測定は、三次元測定器
によって行った。三次元測定器は、(株)ミツトヨ製S
URFTEST500を用いて測定した。検出部は、ダ
イヤモンド針(円錐形90度、矢端曲率半径5μm)の
接触式センサーを用い、走査速度2mm/sec、サン
プリングピッチ10μmで行った。
【0052】三次元測定は、図10に示す意匠面を測定
した。図中A,Bはシボ面の転写場所、Cは光沢面の転
写場所であり、Gで示される点線は裏面に位置する厚肉
リブ(図9中d,e)を表す。またD,E,Fは、三次
元測定場所で、図11にその詳細を記す。Dは、厚肉リ
ブd(厚み3.75mm)の反対側の鏡面を転写した意
匠面、Eは厚肉リブe(厚み2.5mm)の反対側の鏡
面を転写した意匠面、Fは厚肉リブe(厚み2.5m
m)の反対側のシボ面を転写した意匠面である。
【0053】また図11中Hが、図10のD,E,Fに
相当する。評価範囲はリブの中心線6から2w(wは、
リブ根元の金型寸法上の厚み)の距離でHで示される部
分である。
【0054】(実施例1)成形材料はABS樹脂を用い
て、キャビティ容積に比して過量(103容積%)の成
形材料を射出した後、直ちに加圧ガスを圧入することで
成形品を成形した。成形条件を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:10kg/cm2(ゲージ圧力) 加圧ガスの圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
【0055】(比較例1)実施例1と同じ金型、同じ樹
脂をそれぞれ用いて通常の射出成形を行った。成形条件
を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:40kg/cm2(ゲージ圧力)
【0056】(比較例2)実施例1と同じ金型、同じ樹
脂をそれぞれ用いて成形品内部に加圧ガスを注入するガ
スアシスト成形を行った。成形条件を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:0kg/cm2(ゲージ圧力) 加圧ガス圧力:100kg/cm2
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、本発明による成形品は
外観が良好で、ヒケのほとんどない成形品であった。
【0059】従来、ヒケの問題によって、厚肉のリブを
設けることが出来なかったが、本発明によってそれが可
能となった。また加圧ガスを成形品内部に導入するガス
アシスト成形品にみられるような、厚肉リブの裏に位置
する意匠面にみられる光沢むら、艶むらも肉眼ではほと
んど認められなかった。
【0060】意匠面の三次元測定の結果を図12から図
20に示す。
【0061】図12から図14は、意匠面Dにおける表
面状態の三次元測定による結果であり、図12は実施例
1における本発明の成形品、図13は比較例1における
成形品、図14は比較例2における成形品のものであ
る。
【0062】図15から図17は、意匠面Eにおける表
面状態の三次元測定による結果であり、図15は実施例
1における本発明の成形品、図16は比較例1における
成形品、図17は比較例2における成形品のものであ
る。
【0063】図18から図20は、意匠面Fにおける表
面状態の三次元測定による結果であり、図18は実施例
1における本発明の成形品、図19は比較例1における
成形品、図20は比較例2における成形品のものであ
る。
【0064】これらの図より、本発明の成形品は、大き
なヒケ、膨れがないことがわかる。これに対し、通常成
形品は、大きなソリが発生しないような条件で成形する
と、偏肉部に対応する意匠面にヒケ(式(1)を満たさ
ない凹部)を生じ、外観上極めて問題となる。また加圧
ガスを樹脂内部に注入する通常のガスアシスト成形品
は、偏肉部に対応する意匠面に膨れ(式(1)を満たさ
ない凸部)を生じ、光沢むらが発生して、外観を損なっ
ている。特に図14にみられるような凸部の両側に凹部
(図中α)が存在する場合には、厳しい光沢むらがみら
れる。
【0065】〈実施例2、比較例3〜5〉図21及び図
22に示されるような、側面を有する箱形で、主要部厚
み2.0mmの成形品を成形した。加圧ガスの注入とそ
のガスシールは、図6で説明したものと同様とし、ガス
注入位置は、P1〜P4とした。尚、図21は成形品の
斜視図であり、図22はリブのある側の平面図である。
【0066】図21中a,bで示される各リブの厚み
は、それぞれ1.2mm、2.0mmである。
【0067】成形品外観は、肉眼にて判定し、更に意匠
面の表面形状(ヒケ)及びソリ量を測定した。測定結果
を表2に示す。
【0068】意匠面の表面形状及びソリ量の測定は、実
施例1と同様に三次元測定器によって行った。
【0069】表面形状は、図23に示す意匠面であるシ
ボ面を測定した。図中、αで示される点線は裏面に位置
する厚肉リブ(図22中b)を表す。評価範囲はリブの
中心線から2w(wは、リブ根元の金型寸法上の厚み)
の距離でβで示される部分である。
【0070】また、ソリ量の測定位置は、図24及び図
25に示す様に、側面(図24中A、B)のソリ量wa
と、底面の中央部(図25中の点O)に膨らみ或いはへ
こみとして現れたソリ量waを測定し、それぞれwa/
1、wa/L2、wa/L3を算出した。
【0071】(実施例2)成形材料はABS樹脂を用い
て、キャビティ容積に比して過量(103容積%)の成
形材料を射出した後、直ちに加圧ガスを圧入することで
成形品を成形した。成形条件を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:15kg/cm2(ゲージ圧力) 加圧ガスの圧力:150kg/cm2(ゲージ圧力)
【0072】(比較例3)実施例2と同じ金型、同じ樹
脂をそれぞれ用いて、厚肉リブによるヒケをなくすため
に過剰の樹脂保圧をかけて一般には行われない過酷な条
件下で通常の射出成形を行った。成形条件を下記に示
す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:50kg/cm2(ゲージ圧力)
【0073】(比較例4)実施例2と同じ金型、同じ樹
脂をそれぞれ用いて通常の射出成形を行った。成形条件
を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:15kg/cm2(ゲージ圧力)
【0074】(比較例5)実施例2と同じ金型、同じ樹
脂をそれぞれ用いて成形品内部に加圧ガスを注入するガ
スアシスト成形を行った。成形条件を下記に示す。 シリンダー温度:230℃ 射出圧力:140kg/cm2(ゲージ圧力) 樹脂保圧:0kg/cm2(ゲージ圧力) 加圧ガス圧力:150kg/cm2
【0075】
【表2】
【0076】表2に示すように、本発明の成形品は、大
きなヒケ、膨れがないことがわかる。これに対し、通常
成形品は、大きなソリが発生しないような条件で成形す
ると、偏肉部に対応する意匠面にヒケ(式(1)を満た
さない凹部)を生じ、外観上極めて問題となる。また、
外観にヒケが認められないような過剰な樹脂保圧を用い
て成形を行うと成形品には大きなソリが発生し、製品と
して満足できるものは得られなかった。また加圧ガスを
樹脂内部に注入する通常のガスアシスト成形品は、偏肉
部に対応する意匠面に膨れ(式(1)を満たさない凸
部)を生じ、光沢むらが発生して、外観を損なってい
る。
【0077】即ち、表2の如く、本発明による成形品は
外観が良好で、ヒケのほとんどない成形品であった。従
来、ヒケの問題によって、厚肉のリブを設けることが出
来なかったが、本発明によってそれが可能となった。ま
た加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品
にみられるような、厚肉リブの裏に位置する意匠面にみ
られる光沢むら、艶むらも肉眼ではほとんど認められな
かった。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、ヒケ、艶むら等のない
外観良好でかつソリ等の無い寸法精度の優れた射出成形
品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成形品偏肉部付近の概略図であ
る。
【図2】本発明による成形品偏肉部付近の別の一例を示
す概略図である。
【図3】成形品のリブに対応する意匠面のヒケの状態を
表した模式図である。
【図4】成形品のリブに対応する意匠面の膨れの状態を
表した模式図である。
【図5】本発明の成形品を成形するための原理を示した
図である。
【図6】本発明の作成に用いる金型の一例を示す断面図
である。
【図7】大気開放経路の形成位置の他の例を示す概略断
面図である。
【図8】本発明による成形品の一例を示す概略図であ
る。
【図9】実施例1、比較例1及び2で成形した成形品の
概略図である。
【図10】図9のの意匠面からの概略図である。
【図11】表面状態の測定位置の説明図である。
【図12】実施例1の成形品の意匠面Dにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図13】比較例1の成形品の意匠面Dにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図14】比較例2の成形品の意匠面Dにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図15】実施例1の成形品の意匠面Eにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図16】比較例1の成形品の意匠面Eにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図17】比較例2の成形品の意匠面Eにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図18】実施例1の成形品の意匠面Fにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図19】比較例1の成形品の意匠面Fにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図20】比較例2の成形品の意匠面Fにおける表面状
態の測定結果を示すグラフである。
【図21】実施例2、比較例3〜5で成形した成形品の
斜視図である。
【図22】図21のリブのある側の平面図である。
【図23】図21の底面の意匠面側の平面図である。
【図24】側面のソリ量の測定位置の説明図である。
【図25】底面のソリ量の測定位置の説明図である。
【符号の説明】
1 成形品 2 意匠面 3 偏肉部 4 面 5 偏肉部の根本付近 6 中心線 7 リブの傾き(テーパー) 8 ヒケ 9 膨れ 10 厚肉部 11 薄肉部 12 金型 13 固定側金型 14 移動側金型 15 キャビティ 16 大気開放経路 17 キャビティ面 18 キャビティ面 19 エジェクタピン 20 Oリング 21 ガス注入ピン 22 バルブ 23 ガス導入路 24 Oリング 25 成形品 26 厚肉部 27 リブ状の壁 28 側壁 29 閉鎖領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 射出成形品
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、偏肉部を
有する面の肉厚tと、偏肉部を形成する金型上の偏肉部
の幅wとの関係がw>0.6tである偏肉部を有する射
出成形品であって、偏肉部に対応する意匠面の偏肉部の
中心線から距離2wの範囲において、半値幅wiがwi
>0.3wである凹凸部の高さs(m)が式(1)の関
係を満たすことを特徴とする射出成形品である。 式(1) −10-5(w/t)<s<10-6(w/t)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】凹凸部の高さs(m)が負の場合は、偏肉
部に対応する意匠面のヒケを意味し、ヒケが大きい程外
観不良の問題が起こり、商品価値が下がる。本発明の成
形品は、式(1)を満たしたヒケの少ない成形品であ
る。成形品の中にはデザイン上、あるいは細かなヒケを
外観上ぼかすためにシボと称する成形品表面に細かな凹
凸模様を付けることがあるが、この場合にもw>0.6
満たす成形品においては、ヒケによる外観不良が発
生しやすい。即ち本発明による成形品は、シボのある成
形品についても同様に有効であり、ヒケ量sは、シボ面
の頂点の軌跡、あるいは中心線の軌跡と底面との差で表
される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また凹凸部の高さs(m)が正の場合は、
偏肉部に対応する意匠面の膨らみを意味する。溶融樹脂
の内部に加圧ガスを導入するガスアシスト成形法では、
通常成形でみられるようなヒケは解消できるが、厚肉部
のほぼ中央部に対応する意匠面に凸となる膨らみが存在
する。これは、厚肉部に導入された加圧ガスによる局部
的かつ過剰な加圧によって生じるものである。この局部
的な加圧は、意匠面の金型との間に転写むらを生じさ
せ、結果的に艶むら、色むらとなって外観不良として現
れる。本発明では、このような転写むらが起こらないよ
うな成形品形状を見い出し、式(1)として与えたもの
である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に本発明の製造方法を示す。まず溶融樹
脂をキャビティ内に射出し、射出完了時を含むその前後
のいずれかにおいて、成形品の偏肉部を有する面に対す
るキャビティ面側から加圧ガスを圧入し、成形品の意匠
面となる他面をそれに対応するキャビティ面に押し付け
ることによって本発明における成形品が得られる。この
際、成形品意匠面側に大気開放経路があり、かつ、樹脂
充填後に成形品非意匠面側に閉鎖領域を形成するような
金型を用いることによって、より優れた本発明の成形品
が得られる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】パーティング面の固定側金型13側には溝
を形成し、大気解放経路16を構成してもよい。大気解
放経路16は、キャビティ15内で成形される成形品の
片面に対応するキャビティ面17に開口しており、この
キャビティ面17側を大気に解放して、解放領域面と
たほうがよい。この大気解放経路16は、少なくともキ
ャビティ15への開口部若しくはその付近が、溶融樹脂
がキャビティ15内に射出充填される際に、樹脂を侵入
させることなく、キャビティ15内の空気や溶融樹脂か
ら発生するガスを金型12外に排出できる厚みを有して
いるものである。これにより、溶融樹脂を金型の隅々ま
で充分に充填でき、本発明成形品を容易に得ることがで
きる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月3日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏肉部を有する面の肉厚tと、偏肉部を
    形成する金型上の偏肉部の幅wとの関係がw>0.6t
    である偏肉部を有する射出成形品であって、偏肉部に対
    応する意匠面の偏肉部の中心線から距離2wの範囲にお
    いて、半値幅wiがwi>0.3wである凹凸部の高さ
    sが式(1)の関係を満たすことを特徴とする射出成形
    品。 式(1)−10-5(w/t)<s<10-6(w/t)
  2. 【請求項2】 偏肉部がリブ形状であることを特徴とす
    る請求項1に記載の射出成形品。
  3. 【請求項3】 偏肉部がボス形状であることを特徴とす
    る請求項1に記載の射出成形品。
  4. 【請求項4】 成形品の底面部の対角線或いは、側面の
    先端の長さがLの時、成形品の金型形状との差であるソ
    リ量waがwa<3×10-3Lであることを特徴とする
    請求項1〜3に記載の射出成形品。
  5. 【請求項5】 溶融樹脂をキャビティ内に射出し、射出
    完了時を含むその前後のいずれかにおいて、成形品の偏
    肉部を有する面に対するキャビティ面側から加圧ガスを
    圧入し、成形品の意匠面となる他面をそれに対応するキ
    ャビティ面に押し付けることを特徴とする請求項1〜4
    に記載の射出成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 キャビティ内への溶融樹脂の射出量が、
    キャビティの容積に比して過量であることを特徴とする
    請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形品の片面に対応するキャビティ面が
    その一部に大気解放経路が開口して大気に連通された解
    放領域面、成形品の他面に対応するキャビティ面が大気
    との連通が遮断された閉鎖領域面となった金型を用い、
    キャビティの容積に比して過量の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、閉鎖領域面となった成形品の他面に対
    応するキャビティ面側より加圧ガスを圧入することを特
    徴とする請求項5に記載の製造方法。
JP8310260A 1996-11-21 1996-11-21 射出成形品 Pending JPH10151640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8310260A JPH10151640A (ja) 1996-11-21 1996-11-21 射出成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8310260A JPH10151640A (ja) 1996-11-21 1996-11-21 射出成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10151640A true JPH10151640A (ja) 1998-06-09

Family

ID=18003114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8310260A Pending JPH10151640A (ja) 1996-11-21 1996-11-21 射出成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10151640A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8337973B2 (en) 2009-01-15 2012-12-25 Funai Electric Co., Ltd. Structure of cylindrical boss forming place of cabinet
WO2014027534A1 (ja) 2012-08-16 2014-02-20 株式会社カネカ 特定断面構造を有する成形体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8337973B2 (en) 2009-01-15 2012-12-25 Funai Electric Co., Ltd. Structure of cylindrical boss forming place of cabinet
WO2014027534A1 (ja) 2012-08-16 2014-02-20 株式会社カネカ 特定断面構造を有する成形体
KR20150044893A (ko) 2012-08-16 2015-04-27 카네카 코포레이션 특정 단면 구조를 갖는 성형체
US9522493B2 (en) 2012-08-16 2016-12-20 Kaneka Corporation Moulded body having specific cross-sectional structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4845180B2 (ja) 射出成形用金型装置及び射出成形方法
KR19980032565A (ko) 수지 사출성형 방법
JPH10151640A (ja) 射出成形品
JP3819972B2 (ja) ガス併用射出成形方法
JP3253991B2 (ja) 射出成形方法
JPH06305343A (ja) 車両用インストルメントパネルコア及びその成形方法
JP3108871B2 (ja) ガス加圧射出成形方法
JP3300531B2 (ja) 射出成形方法およびその金型
JP3179141B2 (ja) 射出成形品およびこの射出成形品の成形方法
JP3621496B2 (ja) ボス又はリブを有する樹脂成形品及びその射出成形装置と射出成形方法
JPH10329162A (ja) ガス併用射出成形方法
JPH10329161A (ja) ガス併用射出成形方法
US6371747B1 (en) Die molding apparatus for resin article
JPH11170303A (ja) 射出成形用金型および射出成形方法ならびに射出成形品
JPH10180809A (ja) ガス併用射出成形用金型
JP2000167861A (ja) ガス加圧射出成形方法
JPH0478511A (ja) 樹脂中空成形品
JPH0880553A (ja) 射出成形金型
JP3554503B2 (ja) 樹脂製部品の金型成形装置
JP2001121581A (ja) ガス加圧射出成形方法
JP2002283415A (ja) ガス加圧射出成形法
JPH1024455A (ja) 穴付き樹脂成形品、その射出成形用金型および射出 成形方法
JPH0195007A (ja) 樹脂成形品のボス部の成形方法
JP2000289073A (ja) ガス加圧射出圧縮成形方法
JP2001121587A (ja) ガス加圧射出成形法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050506

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060328