JPH10150636A - 映像信号再生装置及び映像信号の再生方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばハードディスク装置からＭＰＥＧにより
データ圧縮したビデオ信号を再生する場合に、簡易な構
成で、データ圧縮して記録したビデオ信号を逆転再生で
きるようにする。 【解決手段】時間軸を逆上るように順次復号対象のブロ
ックを設定し、この復号対象のフレーム内符号化処理さ
れたピクチャーから続くブロックのフレーム内符号化処
理されたピクチャーの直前までを記録順に再生して復号
し、復号したピクチャーをブロックを単位にして配列し
直す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、映像信号再生装置
及び映像信号の再生方法に関し、例えばハードディスク
装置からＭＰＥＧ（Moving Picture Experts Group）に
よりデータ圧縮したビデオ信号を逆転再生する場合に適
用することができる。本発明は、時間軸を逆上るように
順次復号対象のブロックを設定し、この復号対象のフレ
ーム内符号化処理されたピクチャーから続くブロックに
おけるフレーム内符号化処理されたピクチャーの直前の
ピクチャーまでを記録順に再生して復号し、復号したピ
クチャーをブロックを単位にして配列し直すことによ
り、簡易な構成で、データ圧縮して記録したビデオ信号
を逆転再生できるようにする。

【０００２】

【従来の技術】従来、ビデオ信号においては、ＭＰＥＧ
によりデータ圧縮して、種々の記録媒体に効率良く記録
できるようになされている。すなわちＭＰＥＧ方式のエ
ンコーダは、順次入力されるディジタルビデオ信号をＧ
ＯＰ（Group Of Pictures ）でなるブロックで区切り、
このＧＯＰについて順次設定された符号化方式によりデ
ィジタルビデオ信号を符号化処理する。

【０００３】ここで図９に示すように、１つのＧＯＰ
は、例えば連続する１５のピクチャーにより構成され、
各ＧＯＰの３番目のピクチャーがフレーム内符号化処理
に割り当てられる（以下Ｉピクチャーと呼び符号Ｉによ
り示す）。またフレーム間の関係を矢印により示すよう
に、続く第６、第９、第１２、第１５のピクチャーが、
それぞれ第３、第６、第９、第１２のピクチャーを予測
フレームに設定したフレーム間符号化処理に割り当てら
れる（以下Ｐピクチャーと呼び符号Ｐにより示す）。さ
らにこれらＩピクチャーＩ及びＰピクチャーＰ間のピク
チャーは、前後のＩピクチャーＩ又はＰピクチャーＰを
予測フレームに設定したフレーム間符号化処理に割り当
てられる（以下Ｂピクチャーと呼び符号Ｂにより示
す）。

【０００４】このようにして設定されるＩピクチャー
は、ディジタルビデオ信号を構成する輝度データ及び色
差データ毎に、所定ブロック単位で、ディスクリートコ
サイン変換処理された後、量子化処理、可変長符号化処
理され、これによりフレーム内符号化処理される。これ
に対してＰピクチャーは、予測フレームを基準にした動
き補償により誤差データが検出され、この誤差データ
が、ディスクリートコサイン変換処理される。さらにＰ
ピクチャーは、量子化処理、可変長符号化処理され、こ
れにより前フレーム予測によりフレーム間符号化処理さ
れる。

【０００５】またＢピクチャーは、前フレーム予測、後
フレーム予測、双方向予測の中から、最も適切なフレー
ム予測により動き補償され、その結果得られる誤差デー
タが、ディスクリートコサイン変換処理された後、量子
化処理、可変長符号化処理される。

【０００６】このようにして符号化データを生成する際
に、ＭＰＥＧのエンコーダにおいては、符号化したデー
タを復号して予測フレームのピクチャーを生成する。こ
れにより１つのＧＯＰは、順次入力されるディジタルビ
デオ信号がメモリに一旦保持されて、Ｉ３、Ｂ１、Ｂ
２、Ｐ６、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ９、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ１２、Ｂ
１０、Ｂ１１、Ｐ１５、Ｂ１３、Ｂ１４の順序で符号化
処理され、この符号化処理の順序で、符号化データが生
成される。

【０００７】これに対して復号時、ハードディスク装置
等より出力される符号化データがエンコーダとは逆の処
理手順を順次復号され、これによりデータ圧縮されたデ
ィジタルビデオ信号がデータ伸長される。このとき復号
されたディジタルビデオ信号は、一旦メモリに保持さ
れ、元の配列により出力される。すなわち図９について
上述したＧＯＰにおいては、Ｉ３、Ｂ１、Ｂ２、Ｐ６、
Ｂ４、Ｂ５、Ｐ９、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ１２、Ｂ１０、Ｂ１
１、Ｐ１５、Ｂ１３、Ｂ１４の順序で符号化データが生
成され、この符号化データの配列順序で復号された後、
Ｂ１、Ｂ２、Ｉ３、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ６、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ
９、Ｂ１０、Ｂ１１、Ｐ１２、Ｂ１３、Ｂ１４、Ｐ１５
の順序で出力される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところでこの種の記録
再生装置において、記録時とは逆のピクチャーの配列に
より順次ディジタルビデオ信号を再生することができれ
ば（以下この再生を逆転再生と呼ぶ）、便利であると考
えられる。

【０００９】ところがＭＰＥＧにおいては、連続するフ
レーム間の相関を有効に利用してデータ圧縮することに
より、通常のビデオテープレコーダのように、記録媒体
からの再生順序を単に逆転しただけでは、逆転再生する
ことが困難な欠点がある。この場合記録媒体からは、時
間軸に沿った方向で符号化データを再生すると共に、こ
の再生した符号化データを復号化してディジタルビデオ
信号を再生し、この再生したディジタルビデオ信号の時
間軸を逆転することが必要になる。

【００１０】ところがこのようにするとディジタルビデ
オ信号の時間軸の逆転に、別途、大容量の記憶媒体が必
要になり、その分全体構成が煩雑になる問題がある。

【００１１】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成で、データ圧縮して記録したビデオ信号
を逆転再生することができる映像信号再生装置及び映像
信号の再生方法を提案しようとするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、映像信号再生装置及び映像信号の
再生方法において、時間軸を逆上るように、順次復号対
象のブロックを設定し、この復号対象のブロックのフレ
ーム内符号化処理されたピクチャーから、続くブロック
のフレーム内符号化処理されたピクチャーの直前のピク
チャーまでを順次再生して復号する。さらに復号された
ピクチャーを取り込み、各ブロックを単位にして時間軸
を逆上る順序で出力する。

【００１３】復号対象のブロックのフレーム内符号化処
理されたピクチャーから、続くブロックのフレーム内符
号化処理されたピクチャーの直前のピクチャーまでを順
次再生して復号すれば、復号対象のブロックの一部から
次のブロックの一部まで、時間軸に沿った順序で各ピク
チャーを正しく復号することができる。従って時間軸を
逆上るように、復号対象のブロックを順次設定すれば、
正しく復号して、かつ時間軸に沿った配列に保持された
複数のピクチャーを、時間軸を逆上る順序で得ることが
できる。これにより最小で１ブロック＋１ピクチャー分
のメモリを用いて、復号されたピクチャーを取り込み、
各ブロックを単位にして時間軸を逆上る順序で出力し
て、復号したピクチャーを時間軸を逆上る順序の配列で
出力することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。

【００１５】図１は、本発明の実施の形態に係る記録再
生装置を示すブロック図である。この記録再生装置１
は、ＭＰＥＧによりディジタルビデオ信号ＤＶ１をデー
タ圧縮してハードディスク装置２に記録し、またこのハ
ードディスク装置２に記録したディジタルビデオ信号Ｄ
Ｖ１を再生して出力する。

【００１６】すなわちこの記録再生装置１において、デ
ータ圧縮回路３は、順次入力されるディジタルビデオ信
号ＤＶ１をＭＰＥＧ方式によりデータ圧縮して出力す
る。このときデータ圧縮回路３は、図２に示すように、
ディジタルビデオ信号ＤＶ１をＧＯＰ単位で区切ってＩ
ピクチャー、Ｐピクチャー、Ｂピクチャーを設定し、こ
の設定に従ってディジタルビデオ信号ＤＶ１を符号化処
理する（図２（Ａ）及び（Ｂ））。

【００１７】ハードディスク装置２は、データ圧縮回路
３より出力される符号化データＤ１を順次記憶する。さ
らにハードディスク装置２は、記録した符号化データＤ
２を再生して出力する。このときハードディスク装置２
は、システム制御回路４の制御により、通常の再生時に
おいては、記録した符号化データＤ２を記録順に再生し
て出力する。これに対して逆転再生時においては、順次
時間軸を逆上るように復号対象のＧＯＰを設定し、この
復号対象のＧＯＰｎ、ｎ−１、ｎ、ｎ−２、……のＩピ
クチャーＩ３から、続くＧＯＰｎ＋１、ｎ、ｎ、……の
ＩピクチャーＩ３の直前のピクチャーＢ２までを順次再
生して出力する（図２（Ｃ））。

【００１８】なおこの図２においては、符号化データＤ
２の処理を容易に理解することができるように、符号化
データＤ２が連続してハードディスク装置２より出力さ
れるように符号化データＤ２を記述し、またこの符号化
データＤ２の記述に対して、ＧＯＰを単位にして時間軸
をシフトさせて各処理結果を記述する。

【００１９】ここでハードディスク装置２は、符号化順
に符号化データＤ１を記録することにより、この場合、
復号対象の１ＧＯＰ分の符号化データＤ２（Ｉ３、Ｂ
１、Ｂ２、Ｐ６、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ９、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ１
２、Ｂ１０、Ｂ１１、Ｐ１５、Ｂ１３、Ｂ１４）と、続
くＧＯＰの３ピクチャー分の符号化データＤ２（Ｉ３、
Ｂ１、Ｂ２）とを、時間軸を逆上るように繰り返し出力
する。

【００２０】なおハードディスク装置２は、逆転再生開
始直後においては、復号対象の１ＧＯＰ分の符号化デー
タＤ２（Ｉ３、Ｂ１、Ｂ２、Ｐ６、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ９、
Ｂ７、Ｂ８、Ｐ１２、Ｂ１０、Ｂ１１、Ｐ１５、Ｂ１
３、Ｂ１４）だけを出力する。

【００２１】データ伸長回路５は、このハードディスク
装置２より出力される符号化データＤ２をデータ伸長し
てディジタルビデオ信号ＤＶ１を出力する。これにより
記録再生装置１では、通常の再生時においては、記録順
に順次ディジタルビデオ信号ＤＶ１を再生できるように
なされている。さらにデータ伸長回路５は、逆転再生時
においては、正しく復号されたピクチャーの配列を並べ
直し、これにより時間軸を逆上るようにピクチャーを配
列してなるディジタルビデオ信号ＤＶ２を出力する（図
２（Ｄ）及び（Ｅ））。

【００２２】すなわち逆転再生時においてデータ伸長回
路５は、復号対象の１ＧＯＰ分の符号化データＤ２（Ｉ
３、Ｂ１、Ｂ２、Ｐ６、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ９、Ｂ７、Ｂ
８、Ｐ１２、Ｂ１０、Ｂ１１、Ｐ１５、Ｂ１３、Ｂ１
４）と、続くＧＯＰの３ピクチャー分の符号化データＤ
２（Ｉ３、Ｂ１、Ｂ２）とが繰り返し入力されることに
より、復号対象の第１及び第２ピクチャーＢ１、Ｂ２に
ついては、直前に正しい予測フレームが再生されていな
いことになり、この場合この第１及び第２ピクチャーＢ
１、Ｂ２については、正しく復号することが困難になる
（図２（Ｃ））。

【００２３】これによりデータ伸長回路５は、この第１
及び第２ピクチャーＢ１、Ｂ２を、続く復号対象のＧＯ
Ｐに付加されて、遅れて再生される第１及び第２ピクチ
ャーＢ１、Ｂ２により補い、逆転再生の再生結果を出力
する（図２（Ｄ）及び（Ｅ））。

【００２４】すなわちデータ伸長回路５において、デコ
ーダ６は、順次入力される符号化データＤ２を復号して
出力する。

【００２５】バッファ回路７は、１６ピクチャー分（１
ＧＯＰ＋１ピクチャー）の容量を有するフレームメモリ
で構成され、システム制御回路４により制御されて、通
常の再生時においては、順次入力されるディジタルビデ
オ信号Ｄ３を入力順に出力する。このときバッファ回路
７は、記憶領域を順次更新して外部機器に出力したディ
ジタルビデオ信号ＤＶ２を１ＧＯＰ分の期間保持し、こ
れにより逆転再生の開始時、この内部に保持したディジ
タルビデオ信号ＤＶ２を出力してディジタルビデオ信号
ＤＶ２の出力の中断を防止する。

【００２６】これに対して逆転再生時、バッファ回路７
は、デコーダ６より出力されるディジタルビデオ信号Ｄ
３からの正しく復号されたディジタルビデオ信号Ｄ２を
選択的に入力し、各ＧＯＰを単位にして、時間軸を逆上
る順序で出力する。これによりバッファ回路７は、順次
入力されるディジタルビデオ信号Ｄ３を並べ直して逆転
再生の配列により出力する。

【００２７】すなわちバッファ回路７は、通常の再生時
においては、順次入力されるディジタルビデオ信号Ｄ３
を入力順に出力すると共に、１ＧＯＰ分の期間保持し、
例えば図３に示すように、１ＧＯＰの最後のピクチャー
Ｐ１５ｎの時点で逆転再生が指示されると、この１５番
目のピクチャーＰ１５ｎより内部に保持した１ＧＯＰの
ピクチャーを順次時間軸を逆上るように出力する（図３
（Ａ）及び（Ｂ））。

【００２８】同時にバッファ回路７は、デコーダ６から
出力されるディジタルビデオ信号Ｄ３より、正しく復号
することができたディジタルビデオ信号Ｄ２を、出力の
完了した領域に順次格納する。このときバッファ回路７
は、逆転再生開始直後においては、復号対象のＧＯＰｎ
−１だけデコーダ６により復号されることにより、それ
までに保持したＧＯＰｎのピクチャーＰ１５、Ｂ１４、
Ｂ１３、Ｐ１２、Ｂ１１、Ｂ１０、Ｐ９、Ｐ８、Ｂ７、
Ｐ６、Ｐ５、Ｂ４に代えて、直前のＧＯＰｎ−１のピク
チャーＩ３、Ｂ４、Ｂ５、Ｐ６、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ９、Ｂ
１０、Ｂ１１、Ｐ１２、Ｂ１３、Ｂ１４、Ｐ１５を順次
格納し（図３（Ｂ）及び（Ｃ））、さらにＧＯＰｎのピ
クチャーＩ３、Ｂ２、Ｂ１に代えて、続く復号対象でな
るＧＯＰｎ−２のピクチャーＩ３、Ｂ４、Ｂ５を格納す
る（図３（Ｄ）及び図４（Ｅ））。

【００２９】またバッファ回路７は、ＧＯＰｎのピクチ
ャーについて出力を完了すると、このＧＯＰｎのピクチ
ャーを出力する期間の間に格納したＧＯＰｎ−１のピク
チャーについて時間軸を逆上るように出力し（図４
（Ｅ）〜（Ｈ）及び図５（Ｉ））、同様に、出力の完了
した領域に、続いて入力される復号対象でなるＧＯＰｎ
−２のＰ６、Ｂ７、Ｂ８、Ｐ９、Ｂ１０、Ｂ１１、Ｐ１
２、Ｂ１３、Ｂ１４、Ｐ１５、この復号対象でなるＧＯ
Ｐｎ−２に続くＧＯＰｎ−１のピクチャーＢ１、Ｂ２を
順次格納する（図４（Ｆ）〜（Ｈ））。

【００３０】これによりバッファ回路７は、順次逆転再
生の順序で、ＧＯＰの各ピクチャーを出力すると共に、
出力の完了した領域に、デコーダ６より出力されるピク
チャーを入力し、この処理を繰り返して逆転再生してな
るディジタルビデオ信号ＤＶ１を出力する（図５（Ｉ）
〜（Ｌ）及び図６（Ｍ）〜（Ｏ））。

【００３１】図７は、このバッファ回路７に対するディ
ジタルビデオ信号ＤＶ２の供給と出力との関係を示す略
線図である。上述したディジタルビデオ信号Ｄ３の入出
力により、このバッファ回路７は、逆転再生開始が指示
されると、内部に保持したＧＯＰｎのピクチャーを順次
出力し、この間、直前のＧＯＰｎ−１について、ピクチ
ャーＩ３からピクチャーＰ１５まで格納し、その後この
格納したＧＯＰｎ−１のピクチャーＢ３〜Ｐ１５を逆転
再生の順序で出力する。

【００３２】さらにこのＧＯＰｎ−１のピクチャーＩ３
〜Ｐ１５の格納が完了すると、続いて復号対象に設定さ
れる直前のＧＯＰｎ−２について、ピクチャーＩ３から
ピクチャーＰ１５までを格納する。さらにバッファ回路
７は、続くＧＯＰｎ−１のピクチャーＢ１及びＢ２を格
納し、この格納したピクチャーを逆転再生の順序で出力
する。これによりバッファ回路７は、１６フレーム分の
記憶容量を有効に利用して、逆転再生の順序で、順次ピ
クチャーを出力するようになされている。

【００３３】システム制御回路４は、マイクロコンピュ
ータにより構成され、外部機器からの制御コマンドに応
動して、データ圧縮回路３より出力される符号化データ
Ｄ１をハードディスク装置２の所定領域に順次記録す
る。また外部機器より再生のコマンドが入力されると、
ハードディスク装置２を読み出しの動作モードに切り換
え、このコマンドにより指定される領域より符号化デー
タＤ２を再生する。

【００３４】このときシステム制御回路４は、図８に示
す処理手順を実行して全体の動作を制御する。すなわち
システム制御回路４は、ステップＳＰ１からステップＳ
Ｐ２に移り、ハードディスク装置２を読み出しのモード
に設定し、外部機器より指示された範囲で、記録順に順
次ＧＯＰが連続するように、ハードディスク装置２に記
録された符号化データＤ２を再生する。さらにシステム
制御回路４は、データ伸長回路５の動作を通常の再生モ
ードに設定し、デコーダ６により順次再生される符号化
データＤ２を復号してディジタルビデオ信号ＤＶ２を出
力する。またバッファ回路７に１ＧＯＰ分のディジタル
ビデオ信号ＤＶ２を保持し、逆転再生への切り換えに備
える。

【００３５】続いてシステム制御回路４は、ステップＳ
Ｐ３に移り、ここで外部機器より逆転再生が指示された
か否か判断し、否定結果が得られると、ステップＳＰ２
に戻る。

【００３６】これに対して逆転再生が指示されると、シ
ステム制御回路４は、ステップＳＰ４に移り、逆転再生
が指示された時点でバッファ回路７より出力されている
ピクチャーより（ＧＯＰｎでなる）、時間軸を逆上るよ
うにこのバッファ回路７に保持されたピクチャーを順次
出力する。

【００３７】同時に、システム制御回路４は、ハードデ
ィスク装置２より読み出すＧＯＰの順序を切り換え、現
在バッファ回路７に保持されているＧＯＰｎから１ＧＯ
Ｐだけ時間軸を逆上ったＧＯＰｎ−１を復号対象に設定
し、復号対象のＧＯＰｎ−１のＩピクチャーＩ３から最
後のＰピクチャーＰ１５まで再生する。これによりシス
テム制御回路４は、ＧＯＰｎ−１のＩピクチャーＩ３〜
ＰピクチャーＰ１５までをデコーダ６で復号し、その結
果得られるディジタルビデオ信号Ｄ２をバッファ回路７
の空き領域に格納する。

【００３８】このようにしてＧＯＰｎについてディジタ
ルビデオ信号ＤＶ２の出力を完了すると、システム制御
回路４は、ステップＳＰ５に移り、バッファ回路７に格
納したＧＯＰｎ−１のピクチャーについて逆転再生によ
る出力を開始する。さらにシステム制御回路４は、ＧＯ
Ｐｎ−１から１ＧＯＰだけ時間軸を逆上ったＧＯＰｎ−
２を復号対象に設定し、この復号対象のＧＯＰｎ−２の
ＩピクチャーＩ３から続くＧＯＰｎ−１のＢピクチャー
Ｂ２まで再生する。これによりシステム制御回路４は、
ＧＯＰｎ−２のピクチャーＩ３〜Ｐ１５、ＧＯＰｎ−１
のピクチャーＢ１、Ｂ２をデコーダ６で復号し、その結
果得られるディジタルビデオ信号Ｄ２をバッファ回路７
の空き領域に格納する。

【００３９】この状態でＧＯＰｎ−１についてディジタ
ルビデオ信号ＤＶ２の出力を完了すると、システム制御
回路４は、ステップＳＰ６に移り、バッファ回路７に格
納したＧＯＰｎ−２のピクチャーについて逆転再生によ
る出力を開始する。さらにシステム制御回路４は、ＧＯ
Ｐｎ−２から１ＧＯＰだけ時間軸を逆上ったＧＯＰｎ−
３を復号対象に設定し、この復号対象のＧＯＰｎ−３の
ＩピクチャーＩ３から続くＧＯＰｎ−２のＢピクチャー
Ｂ２まで再生する。これによりシステム制御回路４は、
ＧＯＰｎ−３のピクチャーＩ３〜Ｐ１５、ＧＯＰｎ−２
のピクチャーＢ１、Ｂ２をデコーダ６で復号し、その結
果得られるディジタルビデオ信号Ｄ２をバッファ回路７
の空き領域に格納する。

【００４０】システム制御回路４は、このようにして逆
転再生の処理を開始すると、順次時間軸を逆上るよう
に、復号対象のＧＯＰを設定して同様の処理手順を繰り
返し、外部機器より動作の停止が指示されると、ステッ
プＳＰ７に移ってこの処理手順を終了する。

【００４１】以上の構成において、順次入力されるディ
ジタルビデオ信号ＤＶ１は、データ圧縮回路３におい
て、ＭＰＥＧ方式によりデータ圧縮処理され、これによ
りＧＯＰ単位で区切られてＩピクチャー、Ｐピクチャ
ー、Ｂピクチャーが設定されて符号化データＤ１に変換
され、この符号化データＤ１がハードディスク装置２に
記録される。

【００４２】このようにハードディスク装置２に記録さ
れた符号化データＤ２は、通常の再生時、記録順にハー
ドディスク装置２より再生されてデコーダ６に供給さ
れ、ここでディジタルビデオ信号ＤＶ２に復号される。
記録再生装置１では、このディジタルビデオ信号ＤＶ２
が外部機器に出力され、このとき１ＧＯＰ分のディジタ
ルビデオ信号ＤＶ２がバッファ回路７に保持される。

【００４３】この状態で逆転再生が指示されると、シス
テム制御回路４によりハードディスク装置２、バッファ
回路７の動作が切り換えられ、時間軸を逆上るようにピ
クチャーの配列が逆転されて、バッファ回路７に保持さ
れたピクチャーがそれまで外部機器に出力していたピク
チャーより順次出力される。このピクチャーの１ＧＯＰ
ｎ分の出力が完了するまでの期間の間、直前のＧＯＰｎ
−１が復号対象に設定されて、このＧＯＰｎ−１のＩピ
クチャーＩ３より最後のピクチャーＰ１５までが再生復
号され、その結果得られるディジタルビデオ信号Ｄ３が
バッファ回路７に格納される（図２、図３、図７）。

【００４４】このバッファ回路７に格納されたＧＯＰｎ
−１のＩピクチャーＩ３より最後のピクチャーＰ１５ま
でのディジタルビデオ信号ＤＶ２は、時間軸を逆上るよ
うにピクチャーの配列が逆転されて、外部機器に出力さ
れる。このＧＯＰｎ−１のＩピクチャーＩ３より最後の
ピクチャーＰ１５までのディジタルビデオ信号ＤＶ１の
出力が完了するまでの期間の間、さらに直前のＧＯＰｎ
−２が復号対象に設定されて、このＧＯＰｎ−２のＩピ
クチャーＩ３より続くＧＯＰｎ−１のＩピクチャーＩ３
の直前のＢピクチャーＢ２までが再生復号され、その結
果得られるディジタルビデオ信号Ｄ３がバッファ回路７
に格納される（図２、図３、図４、図７）。

【００４５】これによりＧＯＰｎ、ＧＯＰｎ−１に続い
て、ＧＯＰｎ−２のディジタルビデオ信号ＤＶ１が、逆
転再生の順序で出力され、この処理が繰り返されて、ハ
ードディスク装置２に記録されたディジタルビデオ信号
が逆転再生されて出力される。このときＧＯＰｎ−１の
第１及び第２ピクチャーＢ１及びＢ２においては、復号
対象を直前のＧＯＰｎ−２に設定して、このＧＯＰｎ−
２のＩピクチャーＩ３より続くＧＯＰのＩピクチャーＩ
３の直前のＢピクチャーＢ２までの再生復号により正し
い復号結果が得られ、この正しい復号結果がバッファ回
路７を介して出力される。

【００４６】これにより記録再生装置１では、予測フレ
ームと対応するフレームとが連続するＧＯＰに跨がって
設定されている場合でも、バッファ回路７の容量を１Ｇ
ＯＰ分＋１フレーム分の容量に設定して、逆転再生する
ことができるようになされている。

【００４７】以上の構成によれば、順次時間軸を逆上る
ように復号対象のＧＯＰを設定して、この復号対象のＧ
ＯＰのＩピクチャーから続くＧＯＰのＩピクチャーの直
前までを順次再生復号し、復号した前記ピクチャーを、
ＧＯＰを単位にして、時間軸を逆上る順序で配列して連
続的に出力することにより、デコーダ６より出力される
ディジタルビデオ信号Ｄ２を１ＧＯＰ分＋１フレーム分
のフレームメモリを介して出力するだけの簡易な構成
で、データ圧縮して記録したビデオ信号を逆転再生する
ことができる。

【００４８】またこのときバッファ回路７においては、
単にピクチャーを単位にして記録領域を切り換えるだけ
の簡易なアドレス制御により、ピクチャーを配列するこ
とができ、その分アドレス制御を簡略化することができ
る。

【００４９】なお上述の実施の形態においては、復号対
象のＧＯＰを、１ＧＯＰ単位で設定する場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、バッファ回路７の容量
を充分に確保することができる場合、必要に応じて復号
対象のＧＯＰを、複数ＧＯＰ単位で設定してもよい。す
なわち、例えば復号対象のＧＯＰを２ＧＯＰに設定する
場合、ＧＯＰｎ−１とＧＯＰｎとを復号対象に設定し、
ＧＯＰｎ−１のＩピクチャーから復号対象に続くＧＯＰ
ｎ＋１のＩピクチャーの直前のピクチャーまでを再生復
号する。さらに続く処理においては、ＧＯＰｎ−３とＧ
ＯＰｎ−２とを復号対象に設定し、ＧＯＰｎ−３のＩピ
クチャーから復号対象に続くＧＯＰｎ−１のＩピクチャ
ーの直前のピクチャーまでを再生復号する。このように
しても同様に簡易なアドレス制御により逆転再生したデ
ィジタルビデオ信号ＤＶ２を出力することがでる。

【００５０】また上述の実施の形態においては、復号し
たディジタルビデオ信号Ｄ３については、全てのピクチ
ャーを出力する場合、すなわち通常の再生速度に対し
て、いわゆる−１倍速によりディジタルビデオ信号ＤＶ
１を逆転再生する場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、バッファ回路７より間欠的にピクチャーを選
択して出力することにより、種々の倍速逆転再生に広く
適用することができる。

【００５１】さらに上述の実施の形態においては、１の
処理系統により逆転再生する場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、複数系統の処理系統により再生結
果を処理するようにしてもよい。なおこの場合、時間軸
を逆上るように設定した復号対象のＧＯＰを、複数の処
理系統に順次循環的に割り当てると共に、復号結果を１
系統に纏めて出力することにより逆転再生することがで
き、再生速度に比して処理系統の処理時間を充分に確保
することが困難な場合に適用して、確実にディジタルビ
デオ信号ＤＶ１を復号することができる。

【００５２】さらに上述の実施の形態においては、ハー
ドディスク装置に記録したディジタルビデオ信号を再生
する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光
ディスク、磁気テープ等、種々の記録媒体に記録したデ
ィジタルビデオ信号を再生する場合に広くて適用するこ
とができる。

【００５３】また上述の実施の形態においては、ＭＰＥ
Ｇ方式によりディジタルビデオ信号をデータ圧縮する場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、ＭＰＥＧ
方式に適用されるディスクリートコサイン変換処理に代
えてハール変換等を適用してデータ圧縮する場合等、フ
レーム間、フレーム内符号化処理によりビデオ信号をデ
ータ圧縮する場合に広く適用することができる。

【００５４】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、時間軸を
逆上るように順次復号対象のブロックを設定すると共
に、この復号対象のブロックにおけるフレーム内符号化
処理されたピクチャーから、続くブロックにおけるフレ
ーム内符号化処理されたピクチャーの直前のピクチャー
までを再生して復号し、復号したピクチャーをブロック
を単位にして配列し直すことにより、簡易な構成で、デ
ータ圧縮して記録したビデオ信号を逆転再生できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る記録再生装置を示す
ブロック図である。

【図２】図１の記録再生装置におけるハードディスク装
置の動作の説明に供するタイムチャートである。

【図３】図１の記録再生装置における逆転再生の動作の
説明に供するタイムチャートである。

【図４】図３の続きを示すタイムチャートである。

【図５】図４の続きを示すタイムチャートである。

【図６】図５の続きを示すタイムチャートである。

【図７】図３〜図４に対応してバッファ回路の入出力の
説明に供する特性曲線図である。

【図８】図１の記録再生装置におけるシステム制御回路
４の処理手順を示すフローチャートである。

【図９】ＧＯＰの構成を示す略線図である。

【符号の説明】

１……記録再生装置、２……ハードディスク装置、３…
…データ圧縮回路、４……システム制御回路、５……デ
ータ伸長回路、６……デコーダ、７……バッファ回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データ圧縮されて所定の記録媒体に記録
   されたビデオ信号を再生する映像信号再生装置におい
   て、 前記ビデオ信号は、 所定のブロック単位で、フレーム間符号化処理及びフレ
   ーム内符号化処理が所定の順序で割り当てられてデータ
   圧縮され、 連続するブロックに、フレーム間符号化処理の基準のピ
   クチャーと、対応する符号化処理のピクチャーとがそれ
   ぞれ設定され、 前記映像信号再生装置は、 時間軸を逆上るように、前記ブロックを順次復号対象に
   設定し、 前記記録媒体に記録された順序で、前記復号対象のブロ
   ックにおけるフレーム内符号化処理されたピクチャーか
   ら、続くブロックにおけるフレーム内符号化処理された
   ピクチャーの直前のピクチャーまでを復号可能に、前記
   記録媒体より順次再生する再生手段と、 前記再生手段より再生されたピクチャーを順次復号する
   復号手段と、 前記復号手段で復号されたピクチャーを取り込み、各ブ
   ロックを単位にして、時間軸を逆上る順序で前記ピクチ
   ャーを連続して、又は間欠的に出力するバッファ回路と
   を備えることを特徴とする映像信号再生装置。
2. 【請求項２】 データ圧縮されて所定の記録媒体に記録
   されたビデオ信号を再生する映像信号の再生方法におい
   て、 前記ビデオ信号は、 所定のブロック単位で、フレーム間符号化処理及びフレ
   ーム内符号化処理が所定の順序で割り当てられてデータ
   圧縮され、 連続するブロックに、フレーム間符号化処理の基準のピ
   クチャーと、対応する符号化処理のピクチャーとがそれ
   ぞれ設定され、 前記映像信号の再生方法は、 時間軸を逆上るように、前記ブロックを順次復号対象に
   設定し、 前記記録媒体に記録された順序で、前記復号対象のブロ
   ックにおけるフレーム内符号化処理されたピクチャーか
   ら、続くブロックにおけるフレーム内符号化処理された
   ピクチャーの直前のピクチャーまでを、順次再生して復
   号し、 復号した前記ピクチャーを、前記ブロックを単位にし
   て、時間軸を逆上る順序で配列して、連続的に又は間欠
   的に出力することを特徴とする映像信号の再生方法。