JPH10148383A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】サーモオン・オフもしくは冷房・暖房運転に拘
らず外気を１００％導入した場合に、対象となる空間・
室内へ供給する空気温度変化を抑えることにより、室内
の急激な温度変化を防ぐ。 【解決手段】吹出空気温度ｔ_S と室温設定値ｔ_RSを比較
演算し、この結果と吹出・室温温度差設定値ｔ_DSと比較
し条件を満たした場合、吹出空気温度ｔ_S を室温設定値
ｔ_RSに室温補正設定値ｔ_RMS を加・減算した新たな設定
値へ近づけるべくダンパ機構９を開閉制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術は、特許第1885471 号にて公
示されているように、室内ユニットの室内送風機の通風
路にダンパ装置を設けてあり、室内環気と外気導入を可
能とした空気調和機において、室内環気と外気との混合
によるものであり、外気を100％導入した場合について
考慮されていなかった。現在、建築物も密閉化が進んで
おり、室内へ新鮮空気である外気を強制的に取り込む必
要が生まれてきている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】室内ユニットの室内送
風機の通風路にダンパ装置を設けて室内環気と外気導入
を可能とした空気調和機で、外気を１００％導入した時
に、室温が室温設定値に近づくもしくは、室温設定値以
下になった冷房運転の場合、室外機内に納めている圧縮
機が停止し、冷凍サイクルが停止した状態で、室内機の
吹出空気温度は、外気温度に近づいていく。これによ
り、室温が上昇し、再び圧縮機が稼働することとなり、
これを繰り返すため、室内温度の変動が大きくなるた
め、室内にいる人間に不快感を与えることとなる。

【０００４】同様に、外気導入１００％とした時に、室
温が室温設定値に近づく、もしくは、室温設定値以上に
なった暖房運転の場合、同様圧縮機が停止し、冷凍サイ
クルが停止した状態において、室内機の吹出空気温度
は、外気温度に近づいていくため、室温は下降し、再び
圧縮機が稼働することとなり、これを繰り返すため、室
内温度の変動が大きくなるため、室内にいる人間に不快
感を与えることとなる。

【０００５】また、外気導入を１００％とした時に、室
内へ導入する外気温度が高い条件の冷房運転時に室温が
室温設定値に達することができずに、室内にいる人間に
不快感を与えることとなる。

【０００６】更に、室内へ導入する外気温度が低い条件
の暖房運転時に、室温が室温設定値に達することができ
ずに、室内にいる人間に不快感を与えることとなる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】外気を１００％導入した
空気調和機において、室温が室温設定値に近づくもしく
は、室温設定値以下になった冷房運転の場合、圧縮機が
停止し、室温が上昇し、室内にいる人間に不快感を与え
ることを防ぐために、圧縮機が停止した冷房サーモオフ
時に、ある一定時間経過後に吹出空気温度と室内設定値
を比較演算し、これがある設定値を越える場合は、吹出
空気温度を室温設定値に補正値を加えた新たな設定値へ
近づけるように、室内環気と外気を導入できるように設
けた室内送風機の通風路に設けてあるダンパの開閉制御
を周期的に実施することにより、外気に一部室内環気を
混合させ室内へ供給する。これにより、室温の急激な変
動を抑制することを可能にする。

【０００８】室温が室温設定値に近づく、もしくは、室
温設定値以上になった外気１００％導入暖房運転の場
合、圧縮機が停止し、室温が下降し、室内にいる人間に
不快感を与えることを防ぐために、前述同様、ある一定
時間経過後に吹出空気温度と室内設定値を比較演算し、
これがある設定値を越える場合は、吹出空気温度を室温
設定値から補正値を引いた新たな設定値へ近づけるよう
にダンパの開閉制御を周期的に実施することにより、外
気に一部室内環気を混合させ室内へ供給する。これによ
り、室温の急激な変動を抑制することを可能とする。

【０００９】外気導入１００％の冷房運転で、外気温度
が高いために室温が室温設定値に達することができない
のを防ぐために、外気温度が、設定可能な外気導入限界
温度よりも高い場合、吹出空気温度がある設定吹出温度
に近づくようにダンパの開閉制御を周期的に実施するこ
とにより、外気に一部室内環気を混合させ室内へ供給す
る。これにより、室温が室温設定値に達し、快適な空調
空間を保つことができる。

【００１０】また、外気温度が低い外気１００％導入暖
房運転でも同様に、外気温度が設定可能な外気導入限界
温度よりも低い場合、吹出空気温度がある設定吹出温度
に近づくようにダンパの開閉制御を周期的に実施するこ
とにより、外気に一部室内環気を混合させ室内へ供給す
る。これにより、室温が室温設定値に達し、快適な空調
空間を保つことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図１，図
２に示す。

【００１２】図１は、本発明を空冷スプリット形空調機
に適用した場合の全体システム例であり、配管１６によ
り接続して冷凍サイクルを形成する圧縮機１，凝縮器
２，室外送風機３および室外送風機モータ３ａより成る
室外ユニット４は室外に設置されている。冷凍サイクル
の減圧装置５，蒸発器６，室内送風機７，室内送風機モ
ータ７ａ，外気ダクト１７と環気ダクト１８の交点に設
けられているダンパ装置８とダンパ機構９、および電源
に接続されている制御装置１０より成る室内ユニット１
５は、室内への吹出ダクト１９，室内よりの環気ダクト
１８および室外空気を取り込む外気ダクト１７に接続さ
れている。また、外気ダクト１７内に取付けた、外気温
度センサ１１，室内ユニット１５の吹出口部に取付けた
吹出温度センサ１３，室内２０に取付けた室内温度セン
サ１２，室内２０に設置してある遠隔操作装置１４，外
気ダクト１７と環気ダクト１８の交点に設けられている
ダンパ装置８，室内送風機モータ７ａ，室外ユニット４
内の圧縮機１および室外送風機モータ３ａはそれぞれ制
御装置１０に接続されている。

【００１３】制御装置１０には、圧縮機１，室外送風機
モータ３ａ，ダンパ機構９，室内送風機モータ７ａを制
御する制御部以外に、吹出空気温度と室温設定値との大
小を周期的に比較する比較手段、この比較手段の出力に
基づいて、室温設定値に補正を加える修正手段が設けら
れている。

【００１４】なお、ダンパ装置８が正転するとダンパ機
構９は矢印Ａ方向に回転してより多くの外気を取り込む
と同時に室内よりの環気量を少なくし、逆転するとダン
パ機構９は矢印Ｂ方向に回転して外気取り込み量を少な
くすると共に室内よりの環気量が多くなるように構成さ
れている。

【００１５】図２に操作回路を示す。

【００１６】制御装置１０は、入力として遠隔操作装置
１４から、起動・停止スイッチ14ａ，風量切換スイッチ
１４ｂ，冷暖房切換スイッチ１４ｃ，外気導入スイッチ
14ｄおよび室温設定装置１４ｅなどの各設定状態、外気
温度センサ１１，吹出温度センサ１３，室内温度センサ
１２、および吹出・室温温度差設定装置２１ａ，室温補
正値設定装置２１ｂ、および外気導入限界温度設定装置
２１ｃの各設定状態を取り込み比較演算した後、その結
果を出力できるように接続されている。室内送風機モー
タ運転用リレーの急風用２２ａ，強風用２２ｂ，弱風用
２２ｃの接点は並列とし、圧縮機１と室外送風機モータ
３ａを同時に駆動させる圧縮機用リレー２２ｄ，ダンパ
正回転用リレー２２ｅおよびダンパ逆回転用リレー２２
ｆを接点信号として発し、前記各モータの運転を制御す
る。

【００１７】図３は、この空調機をマイコンで制御する
場合のブロック制御図を示し、外気導入ＡＦ，室温
ｔ_RM、外気温度ｔ_Oおよび吹出空気温度ｔ_Sを入力する入
力回路２３と、室温設定値ｔ_RS，吹出・室温温度差設定
値ｔ_DS，室温補正設定値ｔ_RMS,外気導入限界温度設定値
ｔ_OLおよび設定吹出温度ｔ_SSを記憶する記憶回路２４
と、吹出空気温度ｔ_S と室温設定値ｔ_RSを比較演算し
て、その結果が吹出・室温温度差設定値ｔ_DSを超える場
合は、吹出空気温度ｔ_S を室温設定値ｔ_RSに室温補正設
定値ｔ_RMS を加算もしくは減算した新たな設定値へ近づ
けるようにダンパ機構９の開閉制御を行う演算処理装置
２５，制御回路２６を設けている。また、演算処理装置
２５および制御回路２６は冷房時に外気温度ｔ_O と外
気導入限界温度設定値ｔ_OLを比較演算し、外気温度ｔ_O
が高い場合は、吹出空気温度ｔ_Sが設定吹出温度ｔ_SSに
近づくようにダンパ機構９の開閉制御を行い、暖房時
に外気温度ｔ_Oと外気導入限界温度設定値ｔ_OLを比較演
算し、外気温度ｔ_Oが低い場合は、吹出空気温度ｔ_S が
設定吹出温度ｔ_SSに近づくようにダンパ機構９の開閉制
御を行う場合も兼ねている。

【００１８】図４は、冷房サーモオフ時に遠隔操作装置
１４から外気導入スイッチ１４ｄが設定された場合のタ
イミングチャートを示す。

【００１９】(ａ)点は、サーモオフ状態となり、圧縮機
が停止する。すると、吹出空気温度は徐々に上昇する。
ここで、遠隔操作装置から外気導入スイッチが設定され
る（(ｂ)点）と、ダンパ装置が正転し、外気導入１００
％となる。すると、吹出空気温度が急上昇し、これに従
って、室内温度も上昇する。そこで吹出空気温度と室温
設定値とを比較演算し、その結果が吹出・室温温度差設
定値を超した場合((ｃ)点)、吹出空気温度を室温設定値
に室温補正設定値を加算した新たな設定値に近づけるよ
うにダンパの開閉制御を周期的に行うことにより、吹出
空気温度の急激な上昇を避けることができ、室温を急上
昇させることはない。

【００２０】図５は、暖房サーモオフ時に遠隔操作装置
１４から外気導入スイッチ１４ｄが設定された場合のタ
イミングチャートを示す。

【００２１】(ｄ)点はサーモオフ状態になり、圧縮機が
停止する。すると、吹出空気温度は徐々に下降する。こ
こで、遠隔操作装置から外気導入スイッチが設定される
（(ｅ)点）と、ダンパが正転し、外気導入１００％状態
となり、吹出空気温度が急激に下降し、これに従い室内
温度も下降する。そこで、吹出空気温度と室温設定値と
を比較演算しその結果が、吹出・室温温度差設定値を下
回った場合((ｆ)点）、吹出空気温度を室温設定値から
室温補正設定値を引いた新たな設定値に近づけるように
ダンパの開閉制御を周期的に行うことにより、吹出空気
温度の急激な下降を避けることができ、室温を急降下さ
せることはない。

【００２２】図６は、冷房サーモオン時に遠隔操作装置
１４から外気導入スイッチ１４ｄが設定された場合のタ
イミングチャートを示す。

【００２３】サーモオン状態で、外気温度が外気導入限
界温度設定値より高い場合に、遠隔操作装置から外気導
入スイッチが設定される（(ａ)点）と、ダンパが正転
し、外気導入１００％状態となる。ここで、室内ユニッ
ト吹込温度が上昇することにより、吹出空気温度も上昇
する。そこで、予め設定してある設定吹出温度に吹出空
気温度が近づくようにダンパの開閉制御を周期的に実施
し、室内環気を一部導入することにより、安定した調和
空気を室内へ供給することができる。

【００２４】図７は、暖房サーモオン時に遠隔操作装置
から外気導入スイッチが設定された場合（(ｂ)点）であ
り、かつ、外気温度が外気導入限界温度設定値より低い
場合、ダンパは正転し、外気導入１００％状態となる。
ここで、室内ユニット吸込温度が下降することにより、
吹出空気温度も下降する。そこで、予め設定してある設
定吹出温度に吹出空気温度が近づくようにダンパの開閉
制御を周期的に実施し、室内環気を一部導入することに
より、安定した調和空気を室内へ供給することができ
る。

【００２５】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成・制御する
ため、冷房・暖房時のサーモオン・オフに拘らず、外気
導入１００％とした時の、室内へ供給する吹出空気温度
の急激な変動を小さくすることができる。

【００２６】これにより、室内の快適性を確保すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を空冷スプリット形空調機に適用した場
合の全体システム例の系統図。

【図２】このシステムの操作回路図。

【図３】このシステムをマイコンにて制御する場合のブ
ロック制御回路図。

【図４】請求項１記載の発明を実施したタイミングチャ
ート。

【図５】請求項２記載の発明を実施したタイミングチャ
ート。

【図６】請求項３記載の発明を実施したタイミングチャ
ート。

【図７】請求項４記載の発明を実施したタイミングチャ
ート。

【符号の説明】

８…ダンパ装置、９…ダンパ機構、１０…制御装置、１
１…外気温度センサ、１２…室内温度センサ、１３…吹
出温度センサ、１４…遠隔操作装置、１４ｄ…外気導入
スイッチ、１５…室内ユニット、１７…外気ダクト、１
８…環気ダクト、１９…吹出ダクト、２０…室内。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機，凝縮機および空外送風機からなる
   室外ユニットと、蒸発器，減圧装置および室内送風機か
   らなる室内ユニットを配管により接続して冷凍サイクル
   を形成し、前記室内ユニットの室内送風機の通風路にダ
   ンパ装置を設けて空内環気と外気を導入可能とした空気
   調和機において、遠隔操作により、外気１００％導入を
   設定した条件下において、 室温を所定値に維持するための冷房サーモがオフの間
   は、ある一定時間後に吹出空気温度と室温設定値を比較
   し、ある設定値を越える場合は、吹出空気温度を室温設
   定値に補正値が加えた新たな設定値へ近づけるようにダ
   ンパの開閉制御を周期的に行うことを特徴とする空気調
   和機。