JPH10147967A - 温水洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄初期の冷水及び高温水の局部への噴出を
防止する。 【解決手段】 送水手段１と、高温の温水を貯蔵する温
水タンク２と、送水手段１により送水された冷水と同送
水手段１により送水された温水タンク２からの高温水を
混合する混合弁３と、混合弁３から供給される温水によ
り発生する水圧により洗浄水を噴出するノズル４と、ノ
ズル４への洗浄水の供給路を開閉する電磁弁５と、混合
弁３から出水される温水の温度検出手段３０を備え、さ
らに噴出初期、電磁弁５を開放にしてノズル４が突出し
ない水量レベルで洗浄水を排水し、一定時間ｔ１が経過
し、同時に温度検出手段３０の検出温度が所定の温度Ｔ
１以下になっているときに、設定水量を人体局部に噴出
するように制御した温水洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、局部洗浄機能を備
えた温水洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】小形、低価格、快適性の向上、噴出湯温
の温度調整を容易にするという目的で、高温水と冷水を
ミキシングし、適温の温水を噴出する混合弁方式の温水
洗浄装置が発明されている。この構成の温水洗浄装置で
は、待機中に温水タンクの高温水（約６０℃）が漏洩ま
たは熱伝達により他の水路系の水も高温にしてしまい、
噴出初期にこの高温水が噴出して人体に当たり、不快の
みならず、火傷の危険があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の混合弁を用いた
温水洗浄装置では、温水タンク内でヒータにより冷水を
加熱して高温水（約６０℃）を作成するが、この加熱時
の水の熱膨張や、高温水からの熱伝達により、混合弁、
冷水配管側などに高温水が循環している。この状態で洗
浄を行うと、混合弁から出る水が高温になるため、この
高温水が洗浄初期に人体に噴出し、不快のみならず火傷
の危険があった。

【０００４】この問題を回避するために、噴出初期ノズ
ルが突出しない流量レベルで洗浄水を排水した後、設定
水量に送水手段を制御してノズルを突出させ、洗浄水を
人体局部に噴出する方法があるが、この方法では、高温
水が排水されるのに十分な時間をかけて排水する必要が
あるため、使用者の操作後、実際に局部洗浄されるまで
の時間が長いため大変使い勝手の悪いものであった。ま
た、混合弁が故障した場合の高温水が噴出して人体に当
たることに対しての保護が施されていなかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ため、本発明では、水量制御機構を備えた送水手段と、
高温の温水を貯蔵する温水タンクと、送水手段により送
水された冷水と同送水手段により送水された温水タンク
からの高温水を混合する混合弁と、混合弁から供給され
る温水により発生する水圧により洗浄水を噴出するノズ
ルと、ノズルへの洗浄水の供給路を開閉する電磁弁と、
混合弁から出水される温水の温度を検出する温度検出手
段とを備えた温水洗浄装置としたものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明は噴出初期、電磁弁を開放
にしてノズルが突出しない水量レベルで洗浄水をノズル
より排水し、一定時間ｔ１が経過し、同時に温度検出手
段の検出温度が所定の温度Ｔ１以下になっているとき
に、設定水量をノズルより人体局部に噴出するように制
御するものである。

【０００７】また、噴出初期、電磁弁を開放にしてノズ
ルが突出しない水量レベルで洗浄水を排水し、ｔ１より
も長い一定時間ｔ２経過後、温度検出手段の検出温度が
所定の温度Ｔ１以下にならないときに、送水手段を停止
し、電磁弁を閉止して噴出を中止するように制御してい
る。

【０００８】また、人体局部に噴出中、温度検出手段の
検出温度が所定の温度Ｔ１以上になったときに、送水手
段を停止し、電磁弁を閉止して噴出を中止するように制
御している。

【０００９】さらに、２個のノズルと、２個の電磁弁を
備え、噴出初期、電磁弁を両方開放にしてノズルが突出
しない水量レベルで洗浄水を排水し、一定時間ｔ１が経
過し、同時に温度検出手段の検出温度が所定の温度Ｔ１
以下になっているときに、一方の電磁弁を閉止し、設定
水量を人体局部に噴出するように制御している。

【００１０】また、２個のノズルと、２個の電磁弁を備
え、噴出初期、電磁弁を両方開放にしてノズルが突出し
ない水量レベルで洗浄水を排水し、ｔ１よりも長い一定
時間ｔ２経過後、温度検出手段の検出温度が所定の温度
Ｔ１以下にならないときに、送水手段を停止し、電磁弁
を閉止して噴出を中止するように制御している。

【００１１】そして、排水後の噴出時に、一定時間ｔ３
の遅延後設定水量を人体局部に噴出するように制御して
いる。

【００１２】前記した構成により、使用者の洗浄操作
時、初期高温水が短時間で排水されるため、高温水が使
用者の局部に当たることが無く、操作時、実際に洗浄さ
れるまでの時間を短くすることができる。

【００１３】さらに、混合弁の故障等で、初期高温水が
続いた場合などにおいては噴出動作が中止されるため、
高温水が人体に当たるという危険がない。

【００１４】また、噴出中に混合弁の故障等が発生して
混合弁から高温水が出た場合においてもすぐに噴出が中
止されるために、高温水が人体に当たるという危険がな
い。

【００１５】そして、初期高温水を２個のノズルで排出
するため、初期高温水をさらに短時間で排水され、操作
時実際に洗浄されるまでの時間をさらに短縮される。

【００１６】また、操作時の洗浄までの時間短縮と、高
温水噴出防止を行うとともに、さらに初期高温水の排出
を確実に行うことができる。

【００１７】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。

【００１８】図１に温水洗浄装置の水路系の構成を示す
概略説明図を示す。

【００１９】すなわち、ポンプまたは水量調整弁等の水
量制御機構を備えた送水手段１と、ヒータ２８により加
熱された高温の温水を貯蔵する温水タンク２と、前記送
水手段１により送水された冷水と同送水手段１により送
水された温水タンク２からの高温水を混合する混合弁３
と、混合弁３から供給される温水により発生する水圧に
より洗浄水を噴出するノズル４、すなわちおしり用ノズ
ル４ａ、ビデ用ノズル４ｂと、個々のノズル４への洗浄
水の供給路を開閉する電磁弁５、すなわち２個の電磁弁
５ａ、５ｂと、混合弁３と電磁弁５ａ、５ｂの間の水路
の水温を検出するサーミスタ等の温度検出手段３０を備
えている。２６ａ〜２６ｅは各水路を示す。２８は温水
タンク２の水を加熱するヒータ、２９はヒータ２８の通
電、送水手段１の水量制御、電磁弁５ａ、５ｂの開閉を
行う制御部である。６、７は分岐部である。

【００２０】本発明のノズル４のノズル収納時の構成図
を図２、ノズル突出時の構成図を図３に示す。１４はシ
リンダ１６内部に摺動可能に配置されたノズル本体であ
り、先端部に噴出口２７、鍔状部位に切り欠き状に設け
られた排出口２４、後端部に入水口１５、噴出時の水路
となる噴出水路２１を備えている。ノズル本体１４と温
水洗浄装置本体に固定されているシリンダ１６内部の先
端との間にノズル本体１４をシリンダ１６内部に収納す
る方向に付勢するばね１７を備えている。１８はシリン
ダ１６の後端部を密閉する如く取り付けた蓋であり、ノ
ズル本体１４を適宜位置に止めるストッパ１９、ノズル
本体１４の噴出水路２１に嵌入するノズルガイド２０を
備えている。また、ノズルガイド２０の先端には段差２
２が設けられている。また、シリンダ１６には、電磁弁
５から送水された水が導入される送水口２５、先端には
切り欠き状に設けられた排水口２３を備えている。送水
口２５から水が供給されると、水量により下記の動作を
する。

【００２１】（１）供給水の水量レベルが高いとき（ノ
ズル突出水量レベル以上のとき） 供給水により発生する水圧により、ノズル本体１４をバ
ネ１７に抗して突出させる。突出途中においては、送水
口２５から流入した水は送水口２５、排出口２４、排水
口２３を経由して便器に排水され、噴出水路２１はノズ
ルガイド２０により閉止されているため、噴出口２７か
らは噴出しない。完全に突出すると、図３の状態となり
送水口２５から流入した水は送水口２５、段差２２、入
水口１５、噴出水路２１、噴出口２７を経由して噴出
し、局部洗浄が可能となる。このとき排出口２４が閉止
されるため、排水は停止する。

【００２２】（２）供給水の流量レベルが低いとき（ノ
ズル突出水量レベル以下のとき） 供給水により発生する水圧が低いため、ノズル本体１４
をバネ１７に抗して突出させることができない。送水口
２５から流入した水は送水口２５、排出口２４、排水口
２３を経由して便器に排水され、噴出水路２１はノズル
ガイド２０により閉止されているため、噴出口２７から
は噴出しない。

【００２３】本発明の温水洗浄装置の便器への設置例を
図４に示す。８は温水洗浄装置本体であり、温水タン
ク、ノズル等の水路系部品を納めた部分は使用者が着座
時の背中の位置に配置され、操作部９が右側に配置され
ている。図４では、噴出時のおしりノズル４ａが突出し
た状態を示している。

【００２４】操作部９の操作パネルの実施例を図５に示
す。１０ａ、１０ｂはそれぞれおしりまたはビデを洗浄
するときに操作するスイッチ、１１は洗浄を停止するス
イッチ、１２ａ、１２ｂは洗浄時の噴出流量を設定する
スイッチ、１３は水量設定表示部である。

【００２５】図６に本発明の実施例のおしり洗浄操作時
のフローチャートを示す。この図６により本発明の作用
を説明する。

【００２６】本装置の待機中、温水タンク２にはヒータ
２８により加温された高温水（例えば６０℃）が貯蔵さ
れている。使用者が用便後に局部を洗浄するため図５操
作部９の例えばおしりスイッチ１０ａを押すと、電磁弁
５ａ、５ｂを両方開放にし、送水手段１を動作させてノ
ズル４が突出しない水量レベルＱ５で一定時間ｔ１の
間、洗浄水を排水する。この時間ｔ１は初期冷水と高温
水を排水するのに必要な時間を設定しているが、電磁弁
５を２個開放時のノズル４が突出しない水量レベルＱ５
は電磁弁５を１個開放時の水量レベルの約２倍の水量と
なるため、ｔ１は短時間でよい。このとき、ノズル４
ａ、４ｂに流入した水はそれぞれの排水口２３から便器
に排水される。

【００２７】操作後時間ｔ１が経過したとき、温度検出
手段３０の検出温度がＴ１以下の場合には、次に、時間
ｔ３の遅延時間の間、排水処理を継続して、温度検出手
段３０とノズル４ａ間に一部残されている可能性のある
冷水あるいは高温水を確実に排水した後、電磁弁５ｂを
閉じ、使用者の設定した水量（Ｑ１〜Ｑ４）が送水され
ノズル４ａが突出する。このときノズル４ａの噴出口２
７より温水が噴出し局部洗浄が行われる。

【００２８】操作後時間ｔ１が経過したとき、温度検出
手段３０の検出温度がＴ１以上の場合には、時間ｔ２ま
でに検出温度がＴ１以下に下がると、時間ｔ３の遅延を
経て噴出処理に移行し、Ｔ１に下がらない場合には噴出
を停止して、操作パネル等の表示部を異常警告状態とす
る。

【００２９】噴出処理中に、検出温度がＴ１以上となっ
たときには、直ちに異常処理に移行し、Ｔ１以下の場合
は停止スイッチ１１を押されるか、噴出時間（通常約１
分）が経過するまで噴出が継続する。

【００３０】また図７に噴出初期の温度検出手段３０の
検出温度の変化を示す。長時間使用しない場合には、シ
リンダ１６内部、水路２６ａ、２６ｂの滞留水はほぼ室
温まで冷えている。一方、水路２６ｄ、２６ｅは温水タ
ンク２の高温水の熱膨張や熱伝達により高温の水が滞留
している。噴出すると、送水手段１により水路２６ａ、
２６ｂ、２６ｃの水が順次押し出されたのち、冷水水路
２６ｄ、高温水路２６ｅの水を混合した水がノズル４よ
り排出される。このため検出手段３０の検出温度は、図
７のように、噴出すると初期は水路２６ｃの室温に近い
滞留水が流入し、続いて水路２６ｄ、２６ｅの混合した
温水が流入するが、水路２６ｄに滞留していた水の温度
が高いため、この温水が排出するまでの間は混合した場
合でも混合弁３からは高温のお湯が出力される。続いて
水路２６ｄに冷水が入り、適温の温水が混合弁３から出
力され、温度検出手段３０に流入する。時間ｔ１では、
初期冷水と高温水が順次、開放している電磁弁５ａ、５
ｂを通過してノズル４ａ、４ｂの両方から便器に排水さ
れる。時間ｔ１経過後、時間ｔ３の遅延後、一方の電磁
弁５ｂが閉じ、使用者が予め設定していた水量が送水さ
れ、開放側のノズル４ａを突出させ、噴出口２７より適
温の温水が噴出し、局部洗浄が行われる。

【００３１】以上の作用により、洗浄操作時の初期冷水
及び高温水は、通常は短い時間ｔ１で排水が行われ、初
期滞留高温水が多い場合には、ｔ１を最大ｔ２まで延長
して排水される。また、混合弁故障等により、高温水を
継続して検出した場合には、停止し、高温水がノズルよ
り噴出することがない。

【００３２】

【発明の効果】以上本発明によれば、使用者の操作時
に、初期の高温水が噴出することなく便器に排水され、
操作後短時間で適温の温水が噴出し、火傷の危険が無く
安全で、かつ操作性が良く、快適であるという効果を有
する。さらに、混合弁が故障した場合などにおいても、
高温水が噴出して人体に当たるという危険が無く安全性
が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す温水洗浄装置の水路系
の構成を示す概略説明図である。

【図２】同ノズルの構成図（ノズル収納時）である。

【図３】同ノズルの構成図（ノズル突出時）である。

【図４】同装置の便器への設置例図である。

【図５】同操作パネルの上面図である。

【図６】同おしり洗浄操作時のフローチャートである。

【図７】同噴出初期の温度検出手段の検出温度の変化図
である。

【符号の説明】

１ 送水手段 ２ 温水タンク ３ 混合弁 ４ ノズル ５ 電磁弁 ２９ 制御部 ３０ 温度検出手段

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水量制御機構を備えた送水手段（１）
   と、高温の温水を貯蔵する温水タンク（２）と、送水手
   段（１）により送水された冷水と同送水手段（１）によ
   り送水された温水タンク（２）からの高温水を混合する
   混合弁（３）と、混合弁（３）から供給される温水によ
   り発生する水圧により洗浄水を噴出するノズル（４）
   と、ノズル（４）への洗浄水の供給路を開閉する電磁弁
   （５）と、混合弁（３）から出水される温水の温度を検
   出する温度検出手段（３０）とを備え、さらに、噴出初
   期、電磁弁（５）を開放にしてノズル（４）が突出しな
   い水量レベルで洗浄水を排水し、一定時間ｔ１が経過
   し、同時に温度検出手段（３０）の検出温度が所定の温
   度Ｔ１以下になっているときに、設定水量をノズル
   （４）より人体局部に噴出するように制御した温水洗浄
   装置。
2. 【請求項２】 噴出初期、電磁弁（５）を開放にしてノ
   ズル（４）が突出しない水量レベルで洗浄水を排水し、
   ｔ１よりも長い一定時間ｔ２経過後、温度検出手段（３
   ０）の検出温度が所定の温度Ｔ１以下にならないとき
   に、送水手段（１）を停止し、電磁弁（５）を閉止して
   噴出を中止するように制御した請求項１記載の温水洗浄
   装置。
3. 【請求項３】 人体局部に噴出中、温度検出手段（３
   ０）の検出温度が所定の温度Ｔ１以上になったときに、
   送水手段（１）を停止し、電磁弁（５）を閉止して噴出
   を中止するように制御した請求項１記載の温水洗浄装
   置。
4. 【請求項４】 ２個のノズル（４ａ）、（４ｂ）と、２
   個の電磁弁（５ａ）、（５ｂ）を備え、噴出初期、電磁
   弁（５ａ）、（５ｂ）を両方開放にしてノズルが突出し
   ない水量レベルで洗浄水を排水し、一定時間ｔ１が経過
   し、同時に温度検出手段（３０）の検出温度が所定の温
   度Ｔ１以下になっているときに、一方の電磁弁を閉止
   し、設定水量を人体局部に噴出するように制御した請求
   項１記載の温水洗浄装置。
5. 【請求項５】 ２個のノズル（４ａ）、（４ｂ）と、２
   個の電磁弁（５ａ）、（５ｂ）を備え、噴出初期、電磁
   弁（５ａ）、（５ｂ）を両方開放にしてノズルが突出し
   ない水量レベルで洗浄水を排水し、ｔ１よりも長い一定
   時間ｔ２経過後、温度検出手段（３０）の検出温度が所
   定の温度Ｔ１以下にならないときに、送水手段を停止
   し、電磁弁（５ａ）、（５ｂ）を閉止して噴出を中止す
   るように制御した請求項１記載の温水洗浄装置。
6. 【請求項６】 排水後の噴出時に、一定時間ｔ３の遅延
   後設定水量を人体局部に噴出するように制御した請求項
   １記載の温水洗浄装置。