JPH083496Y2 - 温水洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は便座に着座した便器使用者の臀部に温水を噴
出して該臀部の洗浄を行なうための温水洗浄装置に関す
る。詳しくは、本考案は湯と水とをミキシングバルブに
て混合して所定温度の混合水とし、この混合水を温水タ
ンクを介して洗浄ノズルに供給するようにした温水洗浄
装置において、長時間にわたって適温の温水が噴出され
るよう改良された温水洗浄装置に関する。

［従来の技術］ この種の従来の温水洗浄装置の構成について第３図を
参照して説明する。

第３図において、建築物の壁内から引き回出された給
湯配管１と給水配管２とがストレーナ3,4及び逆止弁5,6
を介してミキシングバルブ７に接続されている。このミ
キシングバルブ７は、その内部に感温エレメントを備え
たサーモスタットミキシングバルブであり、該感温エレ
メントが伸縮することにより、目標とする温度の混合水
となるように温水の混合割合が自動的に調整される。

ミキシングバルブ７の混合水流出口は配管7a,8,8Aを
介してシャワーノズル（第１のノズル）10の給湯口14に
接続されると共に、配管7a,9,9Aを介してチャームノズ
ル（第２のノズル）11の給湯口15に接続されている。シ
ャワーノズル10は男女兼用の洗浄ノズルであり、チャー
ムノズル11は女性専用の洗浄ノズルである。これら配管
8,9の途中にはそれぞれ操作バルブ12,13が設けられてい
る。配管8,9はそれぞれヒータ8h,9h付きの温水タンク8
T,9Tに接続されており、ミキシングバルブ７のから送ら
れてきた温水を一時的に貯留し、かつこれを適温に保持
するようにしている。

前記操作バルブ12,13よりも下流側の配管8,9から別の
配管8a,9aが分岐しており、これら配管8a,9aはシャワー
ノズル10とチャームノズル11の後端開口16,17に接続さ
れている。さらに、これら配管8a,9aからは配管8b,9bが
分岐しており、これら配管8b,9bの先端開口はシャワー
ノズル10,チャームノズル11の先端部分において開口し
ている。

なお、シャワーノズル10とチャームノズル11とは、そ
れぞれシリンダ18,19から突出自在なノズル本体20,21
と、該ノズル本体20,21をシリンダ18,19内に後退する方
向に付勢するリターンスプリング22,23と、ノズル本体2
0,21に設けられた連通孔24,25等を備えて構成されてい
る。

このように構成された温水洗浄装置において、シャワ
ー操作バルブ12を開弁させると、給湯管１及び給水管２
からの湯及び水はそれぞれミキシングバルブ７内に流れ
込んで混合される。適温となった混合水は配管8,8A及び
その途中の温水タンク8Tを経てシャワーノズル10に送ら
れる。この場合、まず配管8aから後端開口16に給水圧が
伝達され、ノズル本体20がシリンダ18から突出される。

ノズル本体20が所定位置まで前進すると、ノズル本体
20の内部が連通孔24を介して給湯口14と連通し、配管8A
内の混合水がノズル本体20内に流れ込み、該ノズル本体
20の先端から人体臀部に向けて噴出される。なお、混合
水の一部は配管8bの先端から放出され、ノズル本体20の
外周面の洗浄が行なわれる。

シャワー操作バルブ12を閉弁操作すると、ノズル本体
20からの温水噴出が停止されると共に、リターンスプリ
ング22の付勢力によりノズル本体20がシリンダ18内に後
退する。この際、シリンダ18内に残留していた水はノズ
ル本体20に押されて配管8a,8bを通って該配管8bの先端
から放出される。

チャーム操作バルブ13が開弁操作された場合も、同様
にノズル本体21が前進し、連通孔25が給湯口15と一致す
るとノズル本体21の先端から混合水の噴出が行なわれ
る。チャーム操作バルブ13を閉弁すると、ノズル本体21
からの温水の噴出が停止されると共に、ノズル本体21が
シリンダ19内に後退する。

上記従来の温水洗浄装置において、温水タンク8T,9T
を設置しているのは、洗浄初期〜中期にかけての噴出水
温度を適温にするためである。即ち、温水タンク8T,9T
が無いとすると、操作バルブ12,13を開弁させると、ま
ず配管8,8A,9,9Aやミキシングバルブ７内に残留してお
り、それ故に該ミキシングバルブ７から目標混合水温度
よりも低温の水がシャワーノズル10、チャームノズル11
に供給される。このため、便器使用者の臀部に低温水が
かけられることになり、使用者が驚くなど使用感に劣る
ものとなっていた。

上記の如く温水タンク8T,9Tを設けるとこのような低
温水の噴出を減少することができる。

第２図は第３図に示した温水洗浄装置において洗浄を
開始してからのノズルからの噴出水温の経時変化図であ
る。

は初期冷水域であり、配管8A,9Aやノズル本体20,21内
の少量の残留水が噴出される時期である。

は温水タンク8T,9T内の温水がノズル10,11から噴出さ
れる時期であり、温水が噴出される。なお、この場合最
初にミキシングバルブ７内に残留していた水（放冷水）
が温水タンク8T,9T内に導入されることから、噴出水温
は徐々に低下する（の時期）。その後、ミキシングバ
ルブ７内で新しく混合された温水が温水タンク8T,9Tに
流入するので、噴出水温は次第に上昇する（の時
期）。

［考案が解決しようとする課題］ 上記の如く、温水タンク8T,9Tを設けると、洗浄開始
直後（第２図のの時期）に噴出される初期冷水量は微
量である。ところが、の如く噴出水温が低い時期があ
る。

温水タンク8T,9Tの容積を大きくすれば、ミキシング
バルブ７内に残留していた放冷水が流入したとしても、
の時期の温度低下は微かなものとなるが、温水のケー
シング（外殻）の大きさには制限があり、温水タンクの
容積にも自ずと上限が生じる。

このようなことから、従来の温水洗浄装置にあって
は、上記第２図のの時期におけるある程度の噴出水温
の低下は避けられなかった。

［課題を解決するための手段］ 本考案の温水洗浄装置は、シャワー、チャーム共用の
温水タンクを設置して第１及び第２のノズルの双方に該
温水タンクから温水供給するよう構成し、かつ一方のノ
ズルに温水タンクから給湯しているときには他方のノズ
ルへの給湯をパイロット弁で阻止するよう構成したもの
である。

即ち、本考案は建築物に設けられた給湯配管及び給水
配管に接続され、所望温度の混合温水を供給するミキシ
ングバルブと、該ミキシングバルブの温水取出口に対し
て第１の給湯管及び第２の給湯管を介して温水受入可能
に接続されたヒータ付き温水タンクと、該温水タンクか
ら第１の出湯管を介して温水の供給を受ける第１の洗浄
ノズルと、該温水タンクから第２の出湯管を介して温水
の供給を受ける第２の洗浄ノズルと、前記第１及び第２
の給湯管にそれぞれ設けられた、流路開閉用操作バルブ
並びに該操作バルブよりも下流側の逆止弁と、前記第１
及び第２の出湯管にそれぞれ設けられた流路開閉用パイ
ロット弁と、前記第１の給湯管の操作バルブと逆止弁と
の間から分岐し、第２の出湯管のパイロット弁に管制水
圧を伝達する第１の管制配管と、前記第２の給湯管の操
作バルブと逆止弁との間から分岐し、第１の出湯管のパ
イロット弁に管制水圧を伝達する第２の管制配管とを備
えてなる。

［作用］ かかる本考案の温水洗浄装置においては、第１の操作
バルブを開くと、ミキシングバルブからの水が温水タン
クに流れ込み、第１の出湯管から第１のノズルに向って
温水タンク内の水が供給される。この場合、第１の給湯
管内の水圧が第１の管制配管を介して第２の出湯管のパ
イロット弁に伝達され、該パイロット弁を閉弁させる。
このため、温水タンク内の温水は第２の給湯管へは流れ
ず、専ら第１の給湯管にのみ流れる。

同様にして第２の操作バルブを開くと第２のノズルの
みから温水が噴出される。

本考案の温水洗浄装置においては、共用の温水タンク
から第１及び第２のノズルへ給湯するようにしているか
ら、温水タンクの実質的な容積を従来に比べ倍加させる
ことができる。このため、前記第２図のの時期におけ
る噴出水温低下がきわめて小さくなり、しかもこの低温
水噴出期間（時間）も短かくなる。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る温水洗浄装置の構成を
示す系統図である。

第１図において、建築物躯体の壁面から引き出された
給湯配管１及び給水配管２がストレーナ3,4及び逆止弁
5,6を介してミキシングバルブ７に接続されている。ミ
キシングバルブ７の混合温水の流出口には配管31が接続
されている。この配管31は給湯管32,33に分岐してお
り、これら給湯管32,33は温水タンク34に温水供給可能
に接続されている。34hは温水タンク34に設けられたヒ
ータである。

給湯管32にはシャワー操作バルブ12と、該バルブ12よ
りも下流側の逆止弁35がそれぞれ設けられている。ま
た、給湯管33にはチャーム操作バルブ13と、それよりも
下流側の逆止弁36が設けられている。

温水タンク34からは２本の出湯管37,38が引き出され
ており、一方の出湯管37はシャワーノズル10の給湯口14
に接続されている。また、他方の出湯管38はチャームノ
ズル11の給湯口15に接続されている。これら給湯管37,3
8の途中にはパイロット弁39,40が設けられている。

前記給湯管33のチャーム操作バルブ13と逆止弁36の間
からは管制配管41が分岐しており、この管制配管41はパ
イロット弁39のパイロットポートに接続されている。ま
た、前記給湯管32の操作バルブ12と逆止弁35との間から
は管制配管42が分岐されており、該管制配管42はパイロ
ット弁40のパイロットポートに接続されている。

給湯管32,33のうち操作バルブ12,13と逆止弁35,36の
間からは、配管8a,9aが分岐しており、これら配管8a,9a
は第３図の従来例と同様にシャワーノズル10及びチャー
ムノズル11の後端開口16,17に接続されている。また、
この配管8a,9aからは別の配管8b,9bが分岐し、ノズル本
体20,21に水を注ぎ掛るよう構成されている。ノズル10,
11の構成は第３図のものと同様であり、同一部分に同一
符号を付してその説明を省略する。

このように構成された温水洗浄装置において、シャワ
ー操作バルブ12を開くと、ミキシングバルブ７からの温
水が配管31、給湯管32を経て温水タンク34内に流れ込
む。そして、この場合は一方の出湯管37のみを介して該
温水タンク34内の温水が流出し、シャワーノズル10のみ
から温水が噴出される。すなわち、操作バルブ12を開く
と、給湯管32内の圧力が管制配管42を介してパイロット
弁40のパイロットポートに与えられる。これにより、パ
イロット弁40が閉弁し、出湯管38の流水が阻止される。
このため、温水タンク34内の温水はシャワーノズル10に
のみ供給され、人体臀部のシャワー洗浄が行われる。な
お、この場合逆止弁36が設けられているので、温水タン
ク34内の水圧は管制配管41へは伝えられず、従って、パ
イロット弁39は開弁状態を維持する。

シャワー操作バルブ12を閉じると、シャワーノズル10
からの温水噴出が停止される。また、管制配管42内の水
圧が低下することにより、パイロット弁40は開弁状態に
復帰する。

チャーム操作バルブ13を開くと、ミキシングバルブ７
内の温水は給湯管33を経て温水タンク34に流れ込む。そ
して、この場合は出湯管38のみから出湯され、チャーム
ノズル11のみから温水が人体臀部に向けて噴出される。
すなわち、この場合は管制配管41を介して給湯管33内の
水圧がパイロット弁39に伝達され、該パイロット弁39が
閉弁され、温水タンク34内の温水は出湯管38にのみ流れ
る。なお、前記と同様に、逆止弁35が設けられているか
ら、温水タンク34内の水圧は管制配管42には伝達され
ず、パイロット弁40は開弁状態を維持する。

チャーム操作バルブ13を閉じると、チャームノズル11
からの温水噴出が停止されると共に、パイロット弁39が
開弁状態に復帰する。

なお、操作バルブ12又は13を開くと、配管8a又は9aを
介して水圧がノズル10又は11に伝達され、ノズル本体20
又は21が前進し、連通孔24又は25と給湯口14又は15とが
連通状態となり、温水噴出が行われるのは前記第３図の
ものと同様である。

上記説明から明らかなとおり、本実施例にあってはシ
ャワーノズル10及びチャームノズル11に対し共用の温水
タンク34から温水を供給するようにしている。従って、
従来に比べ温水タンクの容積を倍増させても同一の温水
洗浄装置ケーシング内に該温水タンクを設置することが
できる。このように温水タンク容量を増大させることに
より、第３図に示したの時期における噴出水温の低下
の度合が極めて小さなものとなり、低温水噴出時間帯の
長さも著しく短くなる。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案の温水洗浄装置によると、洗浄中
における噴出水温の低下及びその期間が極めてわずかで
あり、極めて快適な臀部洗浄を行なうことが可能とされ
る。また、本考案によると温水洗浄装置のケーシングの
大きさを増大させることが不要であり、温水洗浄装置の
設置スペースは拡張する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る温水洗浄装置の系統図、
第２図は水温の経時変化、第３図は従来の温水洗浄装置
の系統図である。 １……給湯管、２……給水管、3,4……ストレーナ、5,6
……逆止弁、７……ミキシングバルブ、8,9……配管、1
0……シャワーノズル、11……チャームノズル、20,21…
…ノズル本体、32,33……給湯管、34……温水タンク、3
5,36……逆止弁、37,38……出湯管、39,40……パイロッ
ト弁、41,42……管制配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建築物に設けられた給湯配管及び給水配管
   に接続され、所望温度の混合温水を供給するミキシング
   バルブと、 該ミキシングバルブの温水取出口に対して第１の給湯管
   及び第２の給湯管を介して温水受入可能に接続されたヒ
   ータ付き温水タンクと、 該温水タンクから第１の出湯管を介して温水の供給を受
   ける第１の洗浄ノズルと、 該温水タンクから第２の出湯管を介して温水の供給を受
   ける第２の洗浄ノズルと、 前記第１及び第２の給湯管にそれぞれ設けられた、流路
   開閉用操作バルブ並びに該操作バルブよりも下流側の逆
   止弁と、 前記第１及び第２の出湯管にそれぞれ設けられた流路開
   閉用パイロット弁と、 前記第１の給湯管の操作バルブと逆止弁との間から分岐
   し、第２の出湯管のパイロット弁に管制水圧を伝達する
   第１の管制配管と、 前記第２の給湯管の操作バルブと逆止弁との間から分岐
   し、第１の出湯管のパイロット弁に管制水圧を伝達する
   第２の管制配管と、 を備えてなる温水洗浄装置。