JPH101471A - N−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類の結晶およびその製造方法 - Google Patents

N−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類の結晶およびその製造方法

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JPH101471A
JPH101471A JP8152464A JP15246496A JPH101471A JP H101471 A JPH101471 A JP H101471A JP 8152464 A JP8152464 A JP 8152464A JP 15246496 A JP15246496 A JP 15246496A JP H101471 A JPH101471 A JP H101471A
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ethyl
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隆 岡添
Yoshitomi Morisawa
義富 森澤
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Asahi Glass Co Ltd
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    • C07D215/18Halogen atoms or nitro radicals

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】医薬として有用なN−[(キノリン−2−イ
ル)フェニル]スルホンアミド類(またはその塩)の物
理的安定性を高める。 【解決手段】N−{2−{6−[(2−エチル−5,7
−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−
3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}ト
リフルオロメタンスルホンアミドなどの標記化合物(ま
たはその塩)の結晶をアルコール類含有可溶性溶媒を用
いて製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高血圧治療剤とし
て有望なアンジオテンシンII拮抗剤である、N−[(キ
ノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類または
その塩の結晶およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の血圧は、交感神経系や昇圧系と降
圧系のバランスなどで調節されている。昇圧系に関与す
るものとしてレニン−アンジオテンシン系がある。レニ
ンはアンジオテンシノーゲンに作用してアンジオテンシ
ンIを生成する。アンジオテンシンIはさらにアンジオ
テンシン変換酵素により、アンジオテンシンIIに変換さ
れる。アンジオテンシンIIは強い血管収縮作用を有する
とともに、副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を
促し、血圧の上昇をもたらす。アンジオテンシンIIは細
胞膜上のアンジオテンシンII受容体を介して作用するの
で、その拮抗薬はアンジオテンシン変換酵素阻害剤と同
様アンジオテンシンIIによって引き起こされる高血圧症
の治療薬として使用できる。
【0003】経口投与可能な非ペプチド性アンジオテン
シンII拮抗剤が種々知られている(たとえば、特開昭56
-71074、特表平3-501020、WO9319060 など)。本発明者
らは、アンジオテンシンII拮抗作用を有し、経口投与で
有効である非ぺプチド性化合物を鋭意探索した。その結
果、新規なキノリン誘導体が有効であることを見いだし
た(特開平6-16659 、特開平6-80664 参照)。なかでも
N−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミ
ド類およびその塩は体内における吸収性がきわめて優れ
ており、高血圧治療剤として有望である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】N−[(キノリン−2
−イル)フェニル]スルホンアミド類およびその塩の製
造に関して、本発明者らは従来、(キノリン−2−イ
ル)アニリン類を塩素系溶媒中で塩基の存在下にトリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物と反応させ、後処理後、
酢酸エチル−クロロホルムを溶離液とするシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィによって精製し、目的物を含む溶
液を特に結晶化操作を行うことなく濃縮乾固することに
よって得ていた。
【0005】この方法で得られた目的物の固体は本来ア
モルファス(非晶質)状の固体であるはずであったが、
X線回折のパターンから、かなりの結晶性を有すること
が分かった。また、このようにして得られた固体には、
クロロホルムが多く残留していた。一方、目的物を含む
溶液をスプレードライした場合でも、完全なアモルファ
ス状固体にはならず、若干の結晶性を有する固体であっ
た。スプレードライ法で得られた固体を、温度、湿度な
どの条件を変えて安定性試験を行ったところ、条件によ
ってはさらに結晶化が進行することが分かった。すなわ
ち、このアモルファス状固体は固体状態としての安定性
が高くないことが分かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高血圧治療剤
として有望である、N−[(キノリン−2−イル)フェ
ニル]スルホンアミド類およびその塩の結晶、およびそ
の結晶の製造方法にかかわる下記発明である。本発明の
結晶は、高純度でありかつ結晶状態の安定性がきわめて
高い。また、本発明の方法はこの結晶を効率的にかつ容
易に製造する方法である。
【0007】下記式(1)で表されるN−[(キノリン
−2−イル)フェニル]スルホンアミド類またはその塩
の結晶。下記式(1)で表されるN−[(キノリン−2
−イル)フェニル]スルホンアミド類またはその塩の結
晶を、アルコール類を含む可溶性溶媒溶液からの結晶化
によって製造することを特徴とする、N−[(キノリン
−2−イル)フェニル]スルホンアミド類またはその塩
の結晶を製造する方法。
【0008】
【化3】
【0009】ただし、 R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R
10:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アル
キル基、シクロ低級アルキル基、アリール基、アルアル
キル基、アルコキシ基、または−Cm2m+1を表す。 R2 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シク
ロ低級アルキル基、アリール基、アルアルキル基、アル
コキシ基、−Cn2n+1、または−CH2 Q(Qはハロ
ゲン原子または−NH−基を有する有機化合物からその
窒素原子に結合した水素原子を除いた1価の有機基)を
表す。 Y:Cx2x+1、またはアリール基を表す。 m、n、x:それぞれ独立に1〜6の整数を表す。
【0010】
【発明の実施の形態】上記式(1)で表されるN−
[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類
は基本的に公知であり、前記したように本発明者らの発
明にかかわる特開平6-16659 および特開平6-80664 に記
載されている。以下まずこの上記式(1)で表される化
合物について説明する。
【0011】本明細書の以上の説明および以下の説明に
おいて、有機基が「低級」とは炭素原子1〜6個を意味
する。「低級アルキル基」の適当な例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基などが挙げられる。「アルケニル基」としては低級
アルケニル基が好ましく、さらに炭素数が2〜4のアル
ケニル基が好ましい。その適当な例としては、ビニル
基、アリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基など
が挙げられる。「シクロ低級アルキル基」とは環の炭素
数が3〜6のシクロアルキル基を意味し、その適当な例
としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0012】また、「ハロゲン原子」とは、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。「ハ
ロ低級アルキル基」の適当な例としては、クロロメチル
基、2−クロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、
3−トリフルオロメチルプロピル基などが挙げられる。
「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基をいい、
フェニル基やその誘導体が好ましい。その適当な例とし
ては、フェニル基、トリル基、p−ハロフェニル基など
が挙げられる。「アルアルキル基」とはアリール基置換
アルキル基をいい、アルキル基の炭素数は4以下が好ま
しい。その適当な例としては、ベンジル基、ベンズヒド
リル基、トリチル基、フェネチル基などが挙げられる。
【0013】また、「アルコキシ基」としては低級アル
コキシ基が好ましく、特に炭素数4以下のアルコキシ基
が好ましい。その適当な例としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
「アルコキシ低級アルキル基」としては、低級アルコキ
シ基を有する低級アルキル基が好ましい。そのその適当
な例としては、メトキシエチル基、3−メトキシプロピ
ル基、2−エトキシエチル基などが挙げられる。「アル
キルチオ基」としては、低級のアルキルチオ基が好まし
く、その適当な例としては、メチルチオ基、エチルチオ
基、ブチルチオ基などが挙げられる。
【0014】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、それぞ
れ独立に水素原子、低級アルキル基、またはアリール基
であることが好ましく、さらに水素原子であるか炭素数
4以下の低級アルキル基であることが好ましい。加え
て、R2 は−CH2 Qであることが好ましい。それと同
時に、R6 、R7 、R8 、R9 は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、または低級アルキル基であること
が好ましい。ハロゲン原子としては塩素原子またはフッ
素原子が好ましい。
【0015】R2 は、水素原子、メチル基、または−C
2 Qであることがより好ましく、特に−CH2 Qであ
ることが好ましい。すなわち、医薬として好ましい生理
活性を有する化合物であるために、R2 は前記公報記載
のイミダゾール環またはイミダゾピリジン環などを有す
る−CH2 Qであることが特に好ましい。その場合R2
を除くR1 〜R5 は水素原子であることが好ましい。
【0016】R6 、R7 、R8 、R9 は、すべて水素原
子であるか、またはそのうちの少なくとも1つがハロゲ
ン原子(特に塩素原子)であり他が水素原子であること
が好ましい。
【0017】Qは、−NH−基を有する有機化合物から
その窒素原子に結合した水素原子を除いた1価の有機基
を表す。この−NH−基を有する有機化合物は複素環系
化合物(−NH−基の窒素原子が環を構成する)が好ま
しく、この複素環系化合物は縮合複素環系化合物であっ
てもよい。また、この−NH−基を有する有機化合物
は、1級または2級のアミノ基を少なくとも1個有する
脂肪族アミン化合物、脂環族アミン化合物、または芳香
族アミン化合物であってもよい。
【0018】好ましいQは、前記公報記載のような置換
基を有するイミダゾール系化合物残基(複素環を構成す
る窒素原子に結合した水素原子を除いた基)や置換基を
有するイミダゾピリジン系化合物残基(複素環を構成す
る窒素原子に結合した水素原子を除いた基)などの複素
環系化合物の残基である。すなわち、Qとしては、たと
えば下記式(2)で表される置換基を有する1H−イミ
ダゾール−1−イル基がより好ましく、また下記式
(3)で表される置換基を有する3H−イミダゾ[4,
5−b]ピリジン−3−イル基がより好ましい。
【0019】
【化4】
【0020】上記式(2)、(3)において、R11〜R
16はそれぞれ下記のものを表す。 R11、R14:それぞれ独立して、低級アルキル基、ハロ
低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アルコキシ低級アルキル基、または
アルキルチオ基。 R12、R13:両者は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、Ci
2i+1−、−(CH2p20、−(CH2r CO
21、または、−(CH2t NR22COR23。 R15、R16:両者は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、ハロ低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アル
ケニル基、アルコキシ基、Cj2j+1−、−(CH2
q24、または、−(CH2s COR25
【0021】なお、上記R20〜R25およびi〜tは以下
のものを表す。 R20、R24:それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはア
ルコキシ基。 R21、R25:それぞれ独立して、水素原子、低級アルキ
ル基、またはアルコキシ基。 R22:水素原子または低級アルキル基。 R23:水素原子、低級アルキル基、またはアルコキシ
基。 i、j:それぞれ独立して、1〜6の整数。 p、q:それぞれ独立して、1〜4の整数。 r、s:それぞれ独立して、0〜4の整数。 t:0〜4の整数。
【0022】より好ましくは、R11、R14はそれぞれ独
立して低級アルキル基であり、R12は塩素原子であり、
13は−(CH2p20(この場合R20はヒドロキシ
基でpは1)または−(CH2r COR21(この場合
21は水素原子または低級アルコキシ基でrは0または
1)であり、R15、R16は両者は同一でも異なっていて
もよく、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル
基、−(CH2q24(この場合R24はヒドロキシ基
でqは1)または−(CH2s COR25(この場合R
25は水素原子または低級アルコキシ基でsは0または
1)である。
【0023】前記式(1)で表される化合物において、
YはCx2x+1、またはアリール基を表す。Yとしては
xが1〜4のものまたはフェニル基が好ましく、トリフ
ルオロメチル基が最も好ましい。なお、−Cm2m+1
よび−Cn2n+1におけるm、nはそれぞれ1〜4が好
ましく、特にそれぞれ1が好ましい。
【0024】N−[(キノリン−2−イル)フェニル]
スルホンアミド類の塩としては、この化合物と無機酸ま
たは有機酸との付加塩がある。これらの酸としては医薬
として許容される酸が用いられる。具体的な塩として
は、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、
シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フ
マル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、酢酸
塩、トリフルオロ酢酸塩、種々のアミノ酸との塩などが
ある。
【0025】本発明におけるN−[(キノリン−2−イ
ル)フェニル]スルホンアミド類は、特に限定されない
が、通常下記式(4)で表される(キノリン−2−イ
ル)アニリン類を溶媒中で塩基の存在下にY−SO3
で表されるスルホン酸やその反応性誘導体と反応させる
ことによって得られる。
【0026】
【化5】
【0027】そのスルホン酸の反応性誘導体としては、
たとえば酸無水物や酸ハロゲン化物などがある。特に、
トリフルオロメタンスルホン酸無水物などの酸無水物が
好ましい。反応溶媒としては、反応原料や生成物を溶解
しうる溶媒が用いられるが、特にジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒が
適当である。また、塩基としては、トリエチルアミン、
ピリジンなどの有機塩基が好ましい。
【0028】本発明におけるN−[(キノリン−2−イ
ル)フェニル]スルホンアミド類としては、N−{2−
{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミ
ダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノ
リン−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスルホ
ンアミドが最も好ましい化合物である。
【0029】N−{2−{6−[(2−エチル−5,7
−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−
3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}ト
リフルオロメタンスルホンアミドは、上記のように2−
{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミ
ダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノ
リン−2−イル}アニリンに溶媒中で塩基の存在下にト
リフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させることに
より得られる。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の
量は上記アニリンに対して0.5〜10倍当量が適当で
あり、好ましくは1〜2倍当量である。上記のように溶
媒としては塩素系溶媒が好ましく、塩基としては有機塩
基が好ましい。塩基の量は、トリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物に対して1〜5倍当量が好ましい。反応温度
は、−78〜+30℃が適当であり、好ましくは−20
〜+20℃である。反応時間は0.1〜10時間が適当
であり、好ましくは0.5〜5時間である。
【0030】本発明の結晶の製造方法は、アルコール類
を含む可溶性溶媒に溶解したN−[(キノリン−2−イ
ル)フェニル]スルホンアミド類(またはその塩)の粗
製物から、アルコール類を含む可溶性溶媒を用いてN−
[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類
(またはその塩)を結晶化させることを特徴とする。粗
製物とは目的とする生成物が充分に精製されていないも
のをいう。たとえば、上記反応で生成した反応生成物を
含む溶液、その溶液を濃縮したもの、その溶液を乾固し
たもの、または溶液状もしくは固体状の反応生成物を洗
浄等で部分精製したもの、などがある。また本発明にお
ける結晶化は、いったん生成した結晶を精製などの目的
で再度結晶化(再結晶化)することも意味する。
【0031】N−[(キノリン−2−イル)フェニル]
スルホンアミド類(またはその塩)は難溶解性の化合物
であり、単独でこれを充分に溶解しうる汎用溶媒として
は塩素系溶媒だけである。この化合物を充分に溶解しう
るその他の溶媒としては、アルコール類と炭化水素系溶
媒やエステル系溶媒などとの混合溶媒がある。また塩化
水素などを含有するアルコール類もこの化合物を溶解し
うる。したがって、結晶化に使用する溶媒としてはこれ
らの可溶性溶媒を使用できるが、医学的に許容されやす
い可溶性溶媒が好ましいことより、最終的に使用する溶
媒としては塩素系溶媒を含まない溶媒が好ましい。
【0032】アルコール類と併用して可溶性溶媒とする
ことのできる溶媒としては、特に限定されないが、塩素
系溶媒、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶
媒などがある。特に、ジクロロメタン、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、トルエンな
どの炭化水素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒
が好ましい。これら溶媒は反応溶媒として用いられたも
のであってもよい。
【0033】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどの炭素
数1〜4のアルカノールが好ましく、エタノールが最も
好ましい。アルコール類を含む可溶性溶媒における、他
の溶媒に対するアルコール類の量は、特に限定されない
が、0.1〜20倍容量が適当であり、特に0.2〜2
倍容量が好ましい。
【0034】また、塩化水素などのハロゲン化水素また
は前記したその他の酸をアルコール類と併用して、この
酸含有アルコール類を結晶製造用の可溶性溶媒として用
いることもできる。酸含有アルコール類を用いることに
より、N−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホ
ンアミド類からその塩が生成する。たとえば、塩化水素
含有アルコール類にN−[(キノリン−2−イル)フェ
ニル]スルホンアミド類を溶解し結晶化することによ
り、N−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホン
アミド類の塩酸塩の結晶が得られる。なお、結晶化の方
法自体は公知の方法を使用できる。
【0035】溶媒から生成した結晶を分離し、乾燥して
残留溶媒を除去することにより、目的とする粉末状の結
晶が得られる。乾燥は60℃以上で減圧下に行うことが
好ましい。本発明の方法で得られる結晶は従来法と比べ
て高純度でかつきわめて安定である。
【0036】場合により再結晶を行ってより精製度の高
い結晶を製造することもできる。再結晶化に用いる溶媒
としては医学的に許容されやすい溶媒として塩素系溶媒
以外の溶媒を用いることが好ましい。アルコール類以外
の溶媒としてはたとえば酢酸エチルなどのエステル系溶
媒やトルエンなどの炭化水素系溶媒などが好ましい。こ
の溶媒とアルコール類との混合溶媒に上記結晶を溶解し
て再結晶を行う。また、塩化水素/アルコール類混合物
を再結晶溶媒として用い、再結晶化を行うこともでき
る。最も好ましい再結晶溶媒は酢酸エチル/エタノール
混合溶媒である。
【0037】好ましい具体的な結晶の製造方法として
は、以下の方法がある。塩素系溶媒中で塩基の存在下に
2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−
イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]
キノリン−2−イル}アニリンにトリフルオロメタンス
ルホン酸無水物を反応させて、N−{2−{6−[(2
−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5
−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンアミドを製
造する。次にこの生成物を含む塩素系溶媒溶液から不溶
解物、副生物、不純物などを除去する後処理を行って、
生成物を含む塩素系溶媒溶液を得る。その後この塩素系
溶媒溶液にアルコール類を加え、必要により濃縮を行
い、得られた塩素系溶媒/アルコール類混合溶媒中より
目的生成物の結晶を析出させる。生成した結晶を塩素系
溶媒/アルコール類混合溶媒から分離し、本発明の結晶
を得る。
【0038】上記後処理としては、濾過などによる不溶
解物の分離、水等の水性媒体で洗浄する水溶性の副生物
や不純物の除去、などを適宜行う処理が挙げられる。好
ましくは、希酸(たとえば希酢酸)を加えて水層を分離
した後、有機層を水やアルカリ水溶液(たとえば飽和重
曹水)で洗浄する後処理を行う。
【0039】本発明のN−[(キノリン−2−イル)フ
ェニル]スルホンアミド類(またはその塩)の結晶と
は、その化合物の実質的にすべてが結晶状態にあるもの
をいう。化合物の「実質的にすべて」が結晶状態にある
とは、通常の取扱いにおいてそれ以上結晶化が進行せ
ず、医薬用の化合物として結晶の物理的安定性が満たさ
れている状態にあることをいう。
【0040】N−{2−{6−[(2−エチル−5,7
−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−
3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}ト
リフルオロメタンスルホンアミド(またはその塩)の結
晶について、上記意味を以下に説明する。
【0041】酢酸エチル−エタノール系から得られた結
晶のX線回折スペクトルを図1に、下記表1にX線回折
特性(回折パターン)を示す。また、トルエン−エタノ
ールから得られた結晶のX線回折スペクトルを図2に示
す。これらはそのスペクトルから、本質的に同一の結晶
形を有する。
【0042】塩化水素−エタノールから得られた塩酸塩
の結晶のX線回折スペクトルを図3に示す。この結晶
は、上記酢酸エチル−エタノール系またはトルエン−エ
タノール系から得られたものとはX線回折スペクトルが
異なり、結晶形が異なることが分かる。これら図1〜3
に示した結晶は、高温、多湿等の条件下においてもその
結晶形に変化はなく、安定性が高い。一方、スプレード
ライにより得られた固体のX線回折スペクトルを図4に
示す。スプレードライでは本来アモルファス状固体が得
られるはずであるが、図4より得られた固体は完全なア
モルファス状ではなく、若干結晶性を有していることが
分かる。また、このものは保存条件によってはさらに結
晶化が進行する。すなわち、このアモルファス状態は安
定性が高くない。
【0043】なお、X線解析は以下の装置を用いて行っ
た。 装置:理学電機製ロータフレックスRU−200 測定条件:管球;Cu、管電圧;50kV、管電流;2
00mA、サンプリング幅;0.010°、走査速度;
0.500°/分、走査軸;2θ/θ、発散スリット;
1°、散乱スリット;1°、受光スリット;0.30m
m。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0046】[参考例1] 粗製のN−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフル
オロメタンスルホンアミドのクロロホルム溶液の調製。
【0047】2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}アニリン(8.73g, 2
1.4mmol) 、トリエチルアミン(6.0ml, 42.8mmol) 、ク
ロロホルム(87ml)を混合して撹拌し、氷浴で冷やしなが
ら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.6ml, 21.4
mmol) のクロロホルム(36ml)溶液を50分間かけて滴下し
た。10分間撹拌した後氷冷下、2M酢酸(123ml) を滴下
した。分液し、有機層をイオン交換水(123ml) で2回、
2%重曹水(123ml) で1回、イオン交換水(123ml) で1
回洗浄して、粗製のN−{2−{6−[(2−エチル−
5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリ
ジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニ
ル}トリフルオロメタンスルホンアミドのクロロホルム
溶液を得た。
【0048】[参考例2] 粗製のN−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフル
オロメタンスルホンアミドのジクロロメタン溶液の調
製。
【0049】2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}アニリン(2.92g, 7.
17mmol) 、トリエチルアミン(2.0ml, 14.3mmol) 、ジク
ロロメタン(15ml)を混合して撹拌し、氷浴で冷やしなが
ら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.2ml, 7.17
mmol) のジクロロメタン(12ml)溶液を15分間かけて滴下
した。室温にして1時間後に、再び氷冷して、ジクロロ
メタン(15ml)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物
(0.6ml, 3.59mmol) のジクロロメタン(6ml) 溶液を滴下
した。室温にして30分間撹拌した後氷冷して、2M酢
酸(30ml)を加えた。分液し、有機層をイオン交換水(30m
l)で2回洗浄して、粗製のN−{2−{6−[(2−エ
チル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−
b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンアミドのジ
クロロメタン溶液を得た。
【0050】[実施例1] N−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメ
タンスルホンアミドの結晶の製造。
【0051】参考例1で得た粗製のN−{2−{6−
[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン
−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンア
ミドのクロロホルム溶液にエタノール60mlを加えて浴温
90〜115 ℃に加熱し、176ml を留去した。0℃に一晩静
置し、析出した結晶を濾取した。エタノール(10ml)で3
回洗浄した後、減圧下に乾燥した。得られた結晶8.48g
のうち8.36g をとり、酢酸エチル(425ml) 、エタノール
(175ml) を加えて加熱し、325ml を留去した。室温に静
置し、析出した結晶を濾取した。エタノール(10ml)で3
回洗浄した後、減圧下に乾燥して結晶を6.36g 得た。こ
の再結晶操作をもう一度行い、N−{2−{6−[(2
−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5
−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンアミドの黄
色結晶5.52g を得た。この結晶のX線回折スペクトルを
図1に示す。融点252.0 ℃。
【0052】1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm) :8.22
(d,J=9.2Hz,1H);7.99-8.05(m,3H);7.84(d,J=8.0Hz,1H);
7.69(dd,J=8.6,1.4Hz,1H);7.48(t,J=7.2Hz,1H);7.43(s,
1H);7.29(t,J=8.0Hz,1H);6.94(s,1H);5.67(s,2H);2.82
(q,J=7.6Hz,2H);2.67(s,3H);2.60(s,3H);1.34(t,J=7.6H
z,3H).19 F-NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm) :-77.183.
【0053】ガスクロマトグラフィ(カラム:PEG 6000
20% Gasport AS 60/80,ジーエルサイエンス製ガラス
カラム 3mm内径× 3m )、キャリアガス:ヘリウム、カ
ラム温度:80〜160 ℃(昇温)、検出:FID)により
残留溶媒量を測定した。その結果、クロロホルムは0.01
wt%以下、酢酸エチルは0.07wt%、エタノールは0.04wt
%であった。
【0054】[実施例2] N−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメ
タンスルホンアミドの結晶の製造。
【0055】参考例2で得た粗製のN−{2−{6−
[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン
−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンア
ミドのジクロロメタン溶液にエタノール(15ml)を加え
てエバポレーターで濃縮し、40mlを留去した。析出した
固体を濾取し、エタノール(5ml) で3回洗浄した。減圧
下に乾燥してN−{2−{6−[(2−エチル−5,7
−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−
3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}ト
リフルオロメタンスルホンアミドを 2.05g得た。このう
ち0.500gをとり、エタノール(7.5ml) 、酢酸エチル(20m
l)を加えて加熱し、21.5mlを留去した。0℃に静置し、
析出した結晶を濾取し、エタノール(2.5ml) で2回洗浄
した後、減圧下に乾燥して、N−{2−{6−[(2−
エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−
b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンアミドの結
晶(0.415g)を得た。
【0056】[実施例3] N−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメ
タンスルホンアミドの結晶の製造。
【0057】実施例2で得た 2.05gのN−{2−{6−
[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン
−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンア
ミドのうち0.500gをとり、トルエン(5ml) 、エタノール
(20ml)を加えて加熱し、16mlを留去した。0℃に冷却し
て析出した結晶を濾取し、エタノール(2.5ml) で2回洗
浄した後、減圧下に乾燥して、N−{2−{6−[(2
−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5
−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンアミドの結
晶(0.418g)を得た。この結晶のX線回折スペクトルを図
2に示す。
【0058】[実施例4] N−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメ
タンスルホンアミド塩酸塩の結晶の製造。
【0059】実施例2で得た 2.05gのN−{2−{6−
[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン
−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスルホンア
ミドのうち0.500gをとり、エタノール(3.0ml) と塩化水
素のエタノール溶液(22wt%, 0.215ml)を加えて加熱して
溶解し、0℃に冷却して析出した結晶を濾取し、エタノ
ール(1.25ml)で4回洗浄した後、減圧下に乾燥して、N
−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3
H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチ
ル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメタ
ンスルホンアミド塩酸塩の結晶(0.376g)を得た。この結
晶のX線回折スペクトルを図3に示す。
【0060】1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm) :8.28
(d,J=9.2Hz,1H);8.10(dd,J=8.4,8.4Hz,2H);8.01(d,J=7.
6Hz,1H);7.84(d,J=8.0Hz,1H);7.73(d,J=8.0Hz,1H);7.50
(s,1H);7.49(d,J=8.0Hz,1H);7.32(dd,J=7.2,7.6Hz,1H);
7.21(s,1H);5.85(s,2H);3.28(m,2H);2.88(s,3H);2.69
(s,3H);1.49(t,J=7.6Hz,3H) .19 F-NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm) :-77.121.
【0061】[参考例3] 従来法でのN−{2−{6−[(2−エチル−5,7−
ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3
−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}トリ
フルオロメタンスルホンアミドの製造。
【0062】2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}アニリン(5.4g, 13.
3mmol)、トリエチルアミン(27.7ml, 199mmol) 、ジクロ
ロメタン(200ml) を混合して撹拌し、-78 ℃で冷やしな
がら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.46ml,2
6.5mmol)を滴下した。室温にして1時間後に、2M酢酸
(130ml) を加えた。分液し、有機層をイオン交換水(100
ml) で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、
濃縮した。トルエン−酢酸エチルを溶離液とするシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィで2回精製したが、純度が
上がらなかった。クロロホルム−酢酸エチルを溶離液と
して3回精製し、 100℃で一晩減圧乾燥して、N−{2
−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イ
ミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キ
ノリン−2−イル}フェニル}トリフルオロメタンスル
ホンアミドを1.3g得た。実施例1と同じガスクロマトグ
ラフィにより残留溶媒量を測定した結果、クロロホルム
が 1.4%検出された。
【0063】[参考例4] スプレードライ法でのN−{2−{6−[(2−エチル
−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピ
リジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェ
ニル}トリフルオロメタンスルホンアミドの製造。
【0064】実施例1と同様の方法で酢酸エチル−エタ
ノールから得られた結晶2.5gに、クロロホルム(150ml)
、エタノール(100ml) を加えて溶かし、スプレードラ
イした。このもののX線回折スペクトルを図4に示す。
【0065】
【発明の効果】本発明のN−[(キノリン−2−イル)
フェニル]スルホンアミド類およびその塩の結晶はきわ
めて安定である。また、本発明の製造方法によって、高
純度のN−[(キノリン−2−イル)フェニル]スルホ
ンアミド類およびその塩の結晶を効率的に、かつ容易に
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた結晶のX線回折スペクト
ル。
【図2】実施例3で得られた結晶のX線回折スペクト
ル。
【図3】実施例4で得られた結晶のX線回折スペクト
ル。
【図4】参考例4で得られたもののX線回折スペクト
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 471/04 107 C07D 471/04 107Z // A61K 31/47 ABU A61K 31/47 ABU

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるN−[(キノリン
    −2−イル)フェニル]スルホンアミド類またはその塩
    の結晶。 【化1】 ただし、 R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R
    10:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アル
    キル基、シクロ低級アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、アルコキシ基、または−Cm2m+1を表す。 R2 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シク
    ロ低級アルキル基、アリール基、アルアルキル基、アル
    コキシ基、−Cn2n+1、または−CH2 Q(Qはハロ
    ゲン原子または−NH−基を有する有機化合物からその
    窒素原子に結合した水素原子を除いた1価の有機基)を
    表す。 Y:Cx2x+1、またはアリール基を表す。 m、n、x:それぞれ独立に1〜6の整数を表す。
  2. 【請求項2】N−{2−{6−[(2−エチル−5,7
    −ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−
    3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}ト
    リフルオロメタンスルホンアミドまたはその塩の結晶。
  3. 【請求項3】表1記載のX線回折特性を示す結晶構造を
    有するN−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
    チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
    ル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフル
    オロメタンスルホンアミドの結晶。
  4. 【請求項4】下記式(1)で表されるN−[(キノリン
    −2−イル)フェニル]スルホンアミド類またはその塩
    の結晶を、アルコール類を含む可溶性溶媒溶液からの結
    晶化によって製造することを特徴とする、N−[(キノ
    リン−2−イル)フェニル]スルホンアミド類またはそ
    の塩の結晶を製造する方法。 【化2】 ただし、 R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R
    10:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アル
    キル基、シクロ低級アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、アルコキシ基、または−Cm2m+1を表す。 R2 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シク
    ロ低級アルキル基、アリール基、アルアルキル基、アル
    コキシ基、−Cn2n+1、または−CH2 Q(Qはハロ
    ゲン原子または−NH−基を有する有機化合物からその
    窒素原子に結合した水素原子を除いた1価の有機基)を
    表す。 Y:Cx2x+1、またはアリール基を表す。 m、n、x:それぞれ独立に1〜6の整数を表す。
  5. 【請求項5】N−[(キノリン−2−イル)フェニル]
    スルホンアミド類またはその塩の粗製物の塩素系溶媒溶
    液にアルコール類を加えて結晶を析出させ、得られた結
    晶をアルコール類を含む可溶性溶媒溶液から再結晶化す
    る、請求項4の方法。
  6. 【請求項6】N−[(キノリン−2−イル)フェニル]
    スルホンアミド類が、N−{2−{6−[(2−エチル
    −5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピ
    リジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェ
    ニル}トリフルオロメタンスルホンアミドである請求項
    4または5の方法。
  7. 【請求項7】アルコール類がエタノールである、請求項
    4、5または6の方法。
  8. 【請求項8】塩素系溶媒がジクロロメタンまたはクロロ
    ホルムである、請求項5または6の方法。
  9. 【請求項9】アルコール類を含む可溶性溶媒が、アルコ
    ール類と酢酸エチルまたはトルエンとの混合溶媒であ
    る、請求項4、5または6の方法。
  10. 【請求項10】N−{2−{6−[(2−エチル−5,
    7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
    −3−イル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}
    トリフルオロメタンスルホンアミドの粗製物のジクロロ
    メタン溶液またはクロロホルム溶液にエタノールを加え
    て結晶を析出させ、得られた結晶を酢酸エチル−エタノ
    ール混合溶媒またはトルエン−エタノール混合溶媒に溶
    解し、その混合溶媒溶液から再結晶化することを特徴と
    する、N−{2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメ
    チル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
    ル)メチル]キノリン−2−イル}フェニル}トリフル
    オロメタンスルホンアミドの結晶を製造する方法。
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