JPH10143139A - 鍵盤楽器 - Google Patents

鍵盤楽器

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JPH10143139A
JPH10143139A JP8299014A JP29901496A JPH10143139A JP H10143139 A JPH10143139 A JP H10143139A JP 8299014 A JP8299014 A JP 8299014A JP 29901496 A JP29901496 A JP 29901496A JP H10143139 A JPH10143139 A JP H10143139A
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JP
Japan
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hammer
key
layer
sound
shelf
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JP8299014A
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Masahiro Wada
雅博 和田
Atsushi Matsumura
篤 松村
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 棚板から発生する押鍵時の打撃音を抑制し、
かつ適切に制御する。 【解決手段】 棚板2を表層材40,芯材41,表層材
42の3層構造とし、芯材41と表層材42は接着剤4
3で貼り合わせる。また、表層材40と芯材41とを両
面粘着シート44で貼り合わせることにより、表層材4
0と芯材41との間に粘弾層を介在させる。粘弾層の内
部摩擦損失が増大することにより棚板2からの打撃音が
抑制されるとともに、粘弾層の厚さや数を適宜に調整す
ることで、打撃音を制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍵盤楽器に係り、
特に押鍵によって棚板から発生する打撃音を制御した
り、ハンマの当接音を抑制したりする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】アコースティックピアノの鍵は、棚板上
に設けた筬に立設したバランスピンを介して回動可能に
支持されており、押鍵して鍵が回動するに伴い、ハンマ
アクション機構がハンマを回動させ、ハンマが打弦して
演奏音が発生する構造となっている。ここで、押鍵によ
る打撃音が棚板から発生し、その打撃音も、ピアノの演
奏音を構成する重要な要素であることが知られている。
その棚板は、従来では1枚のムクの木材あるいは複数の
木材を積層させた集成材により形成されている。
【0003】一方、近年では電子鍵盤楽器の普及がめざ
ましく、その中には、押鍵に対応して電子音を発生させ
たり、楽音信号を記録したりする電子ピアノがある。こ
のような電子ピアノにおいては、アコースティックピア
ノと同様の鍵タッチ感を演奏者に与えるように、アコー
スティックピアノ同様のハンマアクション機構およびハ
ンマを鍵に連結させたものが供給されている。このアク
ション付き電子ピアノの場合、押鍵に伴いハンマアクシ
ョン機構が作動してハンマが回動し、ハンマは動作エン
ド付近でストッパに当接して停止させられるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者のアコースティッ
クピアノの場合、押鍵による打撃音は打弦音にマスキン
グされ、通常の演奏では、演奏者あるいはリスナーにと
って耳障りになることはない。また、その打撃音も、ピ
アノの演奏音を構成する重要な要素である。しかし、電
子楽器の音源データを生成するため、アコースティック
ピアノの発生音を録音する際に、この棚板の打撃音が同
時に録音されてしまうと、電子鍵盤楽器の演奏音をスピ
ーカで聴くときに、録音された打撃音と電子鍵盤楽器の
押鍵による棚板の打撃音が同時に発生するため、結果と
してピアノ構成音のバランスがくずれ、ときには耳障り
になることがある。
【0005】一方、後者の電子ピアノの場合において
は、演奏音を演奏者がヘッドフォンで聴いて、外部に演
奏音を放音させない消音演奏を行う場合や、ボリューム
を絞ることで減音量演奏する場合がある。ヘッドフォン
使用の場合、打弦音に相当する演奏音が外に聞こえない
が、棚板の打撃音がマスキングされず、周囲の部外者に
聞こえる。また、ボリュームを絞った場合、棚板の打撃
音が演奏者あるいはリスナーにとって耳障りになる。ま
た、ハンマがストッパに当接する時に発生する音は極力
抑えられなければならない。ストッパは、通常、ハンマ
の上方に配設されている奥框付木にフェルト等のクッシ
ョン材を貼って構成されており、ハンマがクッション材
に当接するようになっているが、その際の奥框付木の振
動が音響として放射されてしまうという問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、棚板から発生する音を適切に制御できたり、ハン
マによるストッパの当接音を十分に抑制できる構造の鍵
盤楽器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、回動可能に鍵を支持す
る棚板を備えた鍵盤楽器において、前記棚板は複数の層
材が積層されてなり、かつこれら層材間の境界の少なく
とも1つに、粘弾層が介在されていることを特徴として
いる。この構成によれば、押鍵により棚板に伝わった振
動すなわち打撃音は、粘弾層によって十分に消音され
る。すなわち、棚板の層材が振動すると、その振動すな
わち微小な変形が粘弾層に伝わる。速度の小さい変位に
対して粘弾層は緩やかに元に戻る挙動を示すが、音響振
動はきわめて速いので粘弾層はそれに追従して自然な場
合と比べるときわめて速く元に戻される。すると、粘弾
層において振動エネルギーが熱エネルギーに変換されて
内部摩擦損失が増大し、振動減衰特性が上がる。その結
果、棚板からの音響放射が抑制されるとともに、粘弾層
の数や厚さを適宜に調整することにより、打撃音を適切
に制御できる。その上、粘弾層は安価に形成できるの
で、コストの上昇が抑えられる。
【0008】上記構成において、前記層材の境界を押鍵
方向にほぼ直交する方向に延在させると好ましい。この
場合、打撃音の抑制効果が高まるので粘弾層の数や厚さ
を減じることができ、コストの低減が促進される。
【0009】また、本発明は、押鍵動作に伴ってハンマ
が回動するとともに、このハンマの回動動作を、動作エ
ンド付近で規制するストッパが設けられた鍵盤楽器にお
いて、前記ストッパは、複数の層材が積層されてなり、
かつこれら層材間の境界の少なくとも1つに、粘弾層が
介在されていることを特徴としている。この構成によれ
ば、押鍵によりハンマがストッパに当接することによっ
て発生する振動すなわち音響は、上記の場合と同様に粘
弾層によって十分に消音される。
【0010】上記構成において、前記層材の境界を、前
記ハンマの回動方向にほぼ直交する方向に延在させると
好ましい。この場合、ハンマのストッパに対する当接音
の抑制効果が高まるので粘弾層の数や厚さを減じること
ができ、コストの低減が促進される。
【0011】なお、基材の両面に前記粘弾層を構成する
粘着剤が設けられた両面粘着シートを前記層材間の境界
に介在させると好ましい。これによれば、前記粘弾層を
層材間の境界に容易に介在させることが可能である。さ
らに、前記基材が粘着剤を含浸可能な材料からなると、
粘弾層の実質的な厚さを増大することができて、さらに
好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の全体構成 以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明す
る。図1は本実施形態に係る電子ピアノの主要部、すな
わち棚板から上の部分の断面を示しており、まず、同図
を参照してピアノの構成を説明する。
【0013】図1の符号1は鍵を示しており、演奏者
は、鍵1の、図における右側の前端部を押鍵して演奏す
る。符号2はほぼ水平に設けられた棚板を示しており、
棚板2の上には、筬前3a、筬中3b、筬後3cを連結
した枠状の筬3が配置されている。アコースティックの
グランドピアノでは、ソフトペダルを演奏者が踏むと、
筬3が棚板2の上を横方向(図の紙面垂直方向)に移動
するようになされているが、電子ピアノでは、ソフトペ
ダルの踏み込み動作は、電気的に検出するので、かかる
移動は不要とされているため、筬3は棚板2にネジ(図
示せず)で固定されている。鍵1には、筬3の筬中3b
に立設されたバランスピン4が貫通しており。バランス
ピン4を中心にして鍵1は回動自在に支持されている。
このようにして、複数の鍵1が図面の垂直方向である左
右方向に並設され、鍵盤が構成されている。
【0014】演奏音である電子音は、鍵1の動作に基づ
いて押鍵動作を検出するキーセンサ50と、後述するハ
ンマシャンク32の動作に基づいてハンマ33の回動動
作を検出するハンマセンサ60からの信号が、図示せぬ
音源に入力されて発生するようになっている。
【0015】キーセンサ50は、棚板2における鍵1の
前端部に対向する位置に設けられている。このキーセン
サ50は、検出素子としてたとえば光センサが採用され
ており、鍵1の下面に取り付けられたシャッタ51によ
って変化させられる光量に基づいて、その検出信号が音
源に入力される。
【0016】この電子ピアノは、押鍵により電子音が発
生する構成であるが、アコースティックピアノ独特の鍵
タッチ感を演奏者に与えるように、アコースティックピ
アノと同様のハンマアクション機構20が設けられてい
る。以下に、このハンマアクション機構20を説明す
る。
【0017】図1の符号21,22は、ピアノの横方向
に沿って延在して水平に設けられた固定部材であるサポ
ートレールおよびシャンクレールを示す。サポートレー
ル21の後端部には、鍵1に沿って配設されたウイペン
23の後端部が回動自在にピン結合されている。ウイペ
ン23の自由端部である前端部には、ジャック大25a
とジャック小25bとからなるほぼL字状のジャック2
5が、その屈曲部近傍部分において回動自在にピン結合
されている。ウイペン23は、長手方向の中央やや前方
よりの部分が、キャプスタン26を介して鍵1に支持さ
れ、鍵1が押下されると上方に突き上げられるようにな
っている。
【0018】ウイペン23の中央部には上方に延びる支
柱27が固定されており、この支柱27の上端部には、
レペティションレバー28の中間部が回動自在にピン結
合されている。レペティションレバー28の前端部に
は、上下方向に貫通する長孔28aがレペティションレ
バー28の長手方向に沿って形成されており、この長孔
28aに、前記ジャック大25aの上端部が挿通されて
いる。
【0019】前記シャンクレール22の上面にはシャン
クフレンジ30が固定されており、このシャンクフレン
ジ30にはハンマ31が回動自在にピン結合されてい
る。ハンマ31は、ハンマシャンク32の先端にハンマ
ヘッド33が固定されてなるもので、ハンマシャンク3
2の基端部が、シャンクフレンジ30に回動自在にピン
結合されている。ハンマシャンク32の、シャンクフレ
ンジ30へのピン結合部のやや後方部分に当たる下面に
は、水平方向を軸とするローラ34が装着されている。
このローラ34の下面は、ジャック大25aの上端面と
の間に僅かな隙間があいた状態でレペティションレバー
28の上面に当接している。また、シャンクレール22
には、シャンクレール22に沿ってレギュレーティング
レール35が固定されている。このレギュレーティング
レール35には、上下方向に位置調整可能とされたレギ
ュレーティングボタン36が設けられている。また、鍵
1の最後端部には、ハンマヘッド33へ向かって延びる
バックチェック37が取り付けられている。
【0020】上記ハンマアクション機構20の作用は以
下の通りである。鍵1が押下されると、鍵1に対応する
ウイペン23がキャプスタン26により突き上げられ、
図1において反時計回りに回動する。すると、ジャック
大25aがローラ34を突き上げてハンマシャンク32
を時計回りの方向に回動させ、ハンマヘッド33が反時
計回りに回動する。
【0021】これにより、アコースティックピアノの場
合には、鍵1の上方に設けられた弦5(仮想線で示す)
を打撃し、その鍵1に応じた楽音が発生する。しかし、
本実施形態に係る電子ピアノでは、消音演奏のために弦
5が設けられておらず、押鍵によりハンマアクション機
構20を介して回動したハンマ33は、仮想弦付近にお
いて、ストッパ70に当接して停止させられるようにな
っている。ストッパ70については、後述する。
【0022】このようにハンマヘッド33が回動する
際、ハンマヘッド33がストッパ77に当接する手前で
ジャック小25bが反時計回りに回動することにより、
ジャック大25aの上端部が前方に移動してローラ34
と離れ、また、ジャック小25bの先端がレギュレーテ
ィングボタン36の下面に当接する。ハンマヘッド33
は、ストッパ70に当接した後、ストッパ70の反発力
と自重により下方に回動し、バックチェック37で受け
られ静止する。
【0023】次に、鍵1が離されると、ウイペン23が
時計回りに、ハンマシャンク32が反時計回りに、それ
ぞれ回動する。これに伴って、ジャック小25bがレギ
ュレーティングボタン36から徐々に離れ、ジャック大
25aが反時計方向に回転し、ローラ34の真下へ移動
して再び当接し、押鍵前の初期状態に戻る。
【0024】上記のハンマシャンク32の挙動は、ハン
マセンサ60によって検出される。ハンマセンサ60
は、ハンマシャンク32の基端部上方において、シャン
クレール22に固定されたステー68上に配設、固定さ
れている。このハンマセンサ60は、キーセンサ50と
同様の光センサであり、ハンマシャンク32におけるロ
ーラ34のやや後側に取り付けられたシャッタ61を検
知することにより、ハンマシャンク32の動作を検出す
る。ハンマセンサ60の検出信号も、音源に入力され
る。これにより、キーセンサ50単独による楽音の制御
に比べて、実際の押鍵に近い楽音の制御が可能になって
いる。
【0025】2.棚板の構造 次に、本発明に係る棚板2の構造について説明する。棚
板2は、表層材(単板または層材)40、芯材(単板ま
たは層材)41、表層材(単板または層材)42を厚さ
方向、すなわち押鍵方向に直交する方向に3枚積層して
なる集成構造となっている。そして、図2に示すよう
に、表層材42と芯材41とは接着剤43で貼り合わさ
れ、芯材41と表層材40は、両面粘着シート44によ
って貼り合わされている。
【0026】両面粘着シート44は、シート状の基材の
両面に粘弾層となる粘着剤を設けたものである。基材と
しては、布、紙、ビニルなどの樹脂、ゴム、または発泡
樹脂、発泡ゴムを使用することができる。なお、基材が
粘着剤を含浸可能な材料からなると、粘着剤からなる粘
弾層の実質的な厚さを増大することができて好ましい。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤あるいはゴ
ム系粘着剤等が素材とされるが、耐用寿命の観点からは
アクリル系が好ましい。具体的には、両面粘着シート4
4は、例えば、不織布にアクリル系粘着剤を含浸させた
ものが好適であり、例えば、日東電工社製:No.50
7(厚さ0、3mm)が使用できる。
【0027】両面粘着シート44に用いられる粘着剤
は、塗布後に硬化する接着剤とは異なり粘性抵抗が高
く、流体のような粘性とバネのような弾性を合わせ持つ
力学的挙動を示す。すなわち、芯材41と表層材40と
の間の境界には、両面粘着シート44の両面に設けられ
た粘弾層が介在されている。
【0028】上記構成のピアノによれば、押鍵により棚
板2に伝わった振動すなわち打撃音は、両面粘着シート
44に含浸された粘弾層およびその両面にある粘弾層に
よって十分に消音される。その消音原理は、次の通りで
ある。棚板2の表層材40、芯材41、表層材42が振
動すると、その振動すなわち微小な変形が両面粘着シー
ト44に伝わる。速度の小さい変位に対しては、粘弾層
は緩やかに元に戻る挙動を示すが、実際の音響振動はき
わめて速いので、粘弾層はそれに追従して自然な場合と
比べるときわめて速く元に戻される。すると、粘弾層に
おいて、振動エネルギーが熱エネルギーに変換されて内
部摩擦損失が増大し、振動減衰特性が上がる。その結
果、棚板2からの音響放射が抑制される。また、両面粘
着シート44の数や厚さを適宜に調整することにより、
打撃音を適切に制御できる。例えば、芯材41と表層材
42も両面粘着シート44で貼り合わせるなどである。
【0029】このように両面粘着シート44を使用しう
ることによって、粘弾層を板材の間に容易に介在させる
ことが可能である。その上、両面粘着シート44は安価
に入手できるので、コストの上昇が抑えられる。
【0030】なお、上記実施形態の場合、両面粘着シー
ト44は表層材40と芯材41との間に介在されている
が、芯材41を薄くし表層材40を厚くすることによっ
て、両面粘着シート44を厚さ方向の中央部に介在させ
ると、相対的に高周波数域の消音性能が上がる。また、
芯材41を厚くし表層材40を薄くすることによって、
両面粘着シート44を表層に近い箇所に介在させると、
相対的に低周波数域の消音性能が上がる特性を示す。こ
れによって、打撃音の抑制周波数特性をコントロール
し、聴感上、好ましい抑制効果を得ることができる。
【0031】このように板材40,41,42を厚さ方
向に積層させ、かつその間に両面粘着シート44を介在
させると打撃音の抑制効果が高まり、このため、両面粘
着シート44の数や厚さを減じることができることから
コストの低減が促進される。
【0032】3.ハンマのストッパの構造 さて、押鍵時のハンマアクション機構20の動作により
回動したハンマ33は、動作エンド付近において、スト
ッパ70に当接して停止させられるようになっている。
ストッパ70は、奥框付木71およびこの奥框付木71
の下面に貼られたフェルト等のクッション材72から構
成されている。奥框付木71は、上層(単板または層
材)80、中層(単板または層材)81、下層(単板ま
たは層材)82を厚さ方向、すなわちハンマ33の回動
方向に直交する方向に3枚積層してなる集成構造となっ
ている。そして、中層81と下層82とは接着剤43で
貼り合わされ、上層80と中層81とが、上記第1の実
施形態と同様の両面粘着シート44によって貼り合わさ
れている。
【0033】上記第2の実施形態の場合、押鍵によりハ
ンマ33がストッパ70のクッション材72に当接する
ことによって、ストッパ70の奥框付木71から発生す
る振動すなわち音響は、第1の実施形態と同様に両面粘
着シート44によって十分に消音されるので、消音演奏
にきわめて有利である。
【0034】4.本発明の変形例および他の適用例 本発明は上記各実施形態の構成に限定されるものではな
く、たとえば次のような変形あるいは適用が可能であ
る。両面粘着シートを貼る板材の表面に予め薄い樹脂皮
膜(例えばポリウレタン系プライマ)を形成しておき、
この樹脂皮膜に両面粘着シートを接合させる。こうする
ことにより、接合強度が向上するので好ましい。粘弾層
の介在箇所は、板材間の境界のうちの1箇所でよいし、
すべての境界に介在させてもよい。また、奥框付木に対
しクッション材と両面粘着シートで接着させてもよい。
板材は、上記の実施形態では厚さ方向に積層されている
が、前後あるいは左右方向に積層した構造でもよい。上
記の実施形態は、電子ピアノに係るものであるが、例え
ば、既存のアコースティックピアノに後からストッパ7
0を設けた消音機能付きピアノのストッパ70について
本発明を適用することも可能であるし、電子音源を録音
するためのアコースティックピアノの棚板について本発
明を適用することも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、棚板への打撃音が有効
に抑制されるとともに、粘弾層の数や厚さを適宜に調整
することにより、打撃音を適切に制御できる。その上、
粘弾層は安価に形成できるので、コストの上昇が抑えら
れる。また、本発明によれば、押鍵によりハンマがスト
ッパに当接することによって発生する振動すなわち音響
は、上記の場合と同様に粘弾層によって十分に消音され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電子ピアノの主要部
の断面図である。
【図2】 同ピアノの棚板の一部断面図である。
【図3】 同ピアノのハンマのストッパの一部断面図で
ある。
【符号の説明】
1…鍵、2…棚板、33…ハンマ、40…表層材(単板
または層材)、41…芯材(単板または層材)、42…
表層材(単板または層材)、80…上層(単板または層
材)、81…中層(単板または層材)、82…下層(単
板または層材)、44…両面粘着シート、70…ストッ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動可能に鍵を支持する棚板を備えた鍵
    盤楽器において、 前記棚板は、複数の層材が積層されてなり、かつこれら
    層材間の境界の少なくとも1つに、粘弾層が介在されて
    いることを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 【請求項2】 前記層材の境界は、押鍵方向にほぼ直交
    する方向に延在させられていることを特徴とする請求項
    1に記載の鍵盤楽器。
  3. 【請求項3】 押鍵動作に伴ってハンマが回動するとと
    もに、このハンマの回動動作を、動作エンド付近で規制
    するストッパが設けられた鍵盤楽器において、 前記ストッパは、複数の層材が積層されてなり、かつこ
    れら層材間の境界の少なくとも1つに、粘弾層が介在さ
    れていることを特徴とする鍵盤楽器。
  4. 【請求項4】 前記層材の境界は、前記ハンマの回動方
    向にほぼ直交する方向に延在させられていることを特徴
    とする請求項3に記載の鍵盤楽器。
  5. 【請求項5】 基材の両面に前記粘弾層を構成する粘着
    剤が設けられた両面粘着シートが前記層材間の境界に介
    在されていることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の鍵盤楽器。
  6. 【請求項6】 前記基材が粘着剤を含浸可能な材料から
    なることを特徴とする請求項5に記載の鍵盤楽器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010013505A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 国立大学法人東京大学 木質材料
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CN111108548A (zh) * 2017-10-04 2020-05-05 雅马哈株式会社 电子乐器

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