JPH1014170A - フリクション機構およびフリクション機構付き小型モータ - Google Patents

フリクション機構およびフリクション機構付き小型モータ

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JPH1014170A
JPH1014170A JP17852696A JP17852696A JPH1014170A JP H1014170 A JPH1014170 A JP H1014170A JP 17852696 A JP17852696 A JP 17852696A JP 17852696 A JP17852696 A JP 17852696A JP H1014170 A JPH1014170 A JP H1014170A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリクショントルクのバラツキを押さえ、安
定したフリクショントルクを得ることおよびフリクショ
ン作動に対する耐久性の向上を図ること。 【解決手段】 出力軸5を樹脂によりギヤ付き出力軸と
して一体成形により形成すると共に、出力軸5を除く歯
車伝達機構4のたとえば2番車16にフリクション機構
を設ける。そして、このフリクション機構は、中心軸部
から外径方向に延出するとともに、中心軸部に対し、す
き間613を保ちながら平行かつ軸方向に伸びた複数の
弾性軸部を有する第1の回転部材61と、弾性軸部が嵌
合する嵌入孔を有する第2の回転部材62と、すき間6
13に挿入され弾性軸部を径方向に押し広げるリング状
の付勢部材63とからなり、付勢部材63の押し広げ力
によって、第1の回転部材61と第2の回転部材62と
の間に摩擦係合力を得るようにする。なお、この構成の
他に、第1および第2の回転部材の間にラチェット係合
力を得るような構成としても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエアコンデ
ィショナの空気吹き出し口のルーバを駆動するギヤ付き
ステッピングモータ等の歯車伝達機構に用いられるフリ
クション機構およびそのフリクション機構が設けられた
フリクション機構付き小型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ギヤ付き小型モータでは、ギ
ヤ輪列内の歯車を保護するため、図15に示すように、
出力軸31の部分にフリクション機構を設けている。こ
のフリクション機構は、SUS等からなる金属軸32
と、プレート33と、歯車部材34と、板バネ35と、
ブッシュ36とから構成されている。そして、金属軸3
2に係合したプレート33と板バネ35との間に歯車部
材34を挟み込み、金属軸32とフリクション係合させ
ている。これにより、人間が故意にルーバ等を操作する
ことによる外部の強い力が金属軸32に伝わっても、金
属軸32のみが回転し歯車部材34に伝わらないように
し、その歯車部材34の歯車部34aやその後のギヤ輪
列内の歯車を保護するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
出力軸31は、部品点数が多く、組み立て効率が悪くな
っている。また、出力軸31の部分は最もトルクの大き
い部分であり、板バネ35も弾性力の強いものが必要と
なり、プレート33も大型のものが必要となっている。
このため、部品が大型化となる一方、板バネ35による
フリクショントルクの調整が困難となり、フリクション
トルクのバラツキも大きくなり易くなっている。
【0004】このように、フリクショントルクのバラツ
キが大きいと、フリクション機構が正常に働かないこと
もあるため、外部から必要以上に強い力が金属軸32に
伝わったとき、その力が歯車部材34およびギヤ輪列に
も伝わり、歯車部34aやギヤ輪列内の歯車が欠けるこ
とになる。この結果、小型モータの回転力が金属軸32
に伝わらなくなり、この金属軸32の回転を受けて駆動
されるエアコンディショナーのルーバ等が動作しなくな
ることが生じている。
【0005】本発明は、フリクショントルクのバラツキ
を押さえ、安定したフリクショントルクを得ることがで
き、しかも、フリクション作動に対する耐久性の向上を
図ることができるフリクション機構およびフリクション
機構付き小型モータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載のフリクション機構では、中心軸部か
ら外径方向に延出するとともに、中心軸部に対し、すき
間を保ちながら平行かつ軸方向に伸びた複数の弾性軸部
を有する第1の回転部材と、弾性軸部が嵌合する嵌入孔
を有する第2の回転部材と、すき間に挿入され弾性軸部
を径方向に押し広げるリング状の付勢部材とからなり、
付勢部材の押し広げ力によって、第1の回転部材と第2
の回転部材との間に摩擦係合力を得るようにしている。
【0007】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のフリクション機構において、弾性軸部の先端に第
2の回転部材に係止する係止爪を設けるとともに、付勢
部材を金属製でかつC字形のワッシャとし、第1の回転
部材の中心軸の外周と、第2の回転部材の外周にそれぞ
れ歯車部を設けている。
【0008】また、請求項3記載のフリクション機構で
は、中心軸部およびその中心軸部の先端から外径方向に
伸びる係合突起を有する第1の回転部材と、係合突起が
軸方向に貫通可能な切り込み部を外周に有する軸部貫通
孔および係合突起と係合する係合部および軸方向端面に
設けられたラチェット突起を有し、第1の回転部材の回
転とともに回転する円板と、中心軸部が貫通する軸部貫
通孔およびラチェット突起が係脱する係合部を有する第
2の回転部材と、第1の回転部材と第2の回転部材との
間に設けられ両部材を軸方向に引き離す付勢力を有する
付勢部材とからなり、第1および第2の回転部材の間に
ラチェット係合力を得るようにしている。
【0009】また、請求項4記載の発明では、請求項3
記載のフリクション機構において、係合部を貫通孔と
し、第1の回転部材の中心軸部の外周と第2の回転部材
の外周にそれぞれ歯車部を設けている。
【0010】また、請求項5記載の発明では、ロータの
回転を減速ギヤ輪列を介して出力軸に伝達するように構
成してなるフリクション機構付き小型モータにおいて、
出力軸を樹脂によりギヤ付き出力軸として一体成形によ
り形成すると共に、出力軸を除く減速ギヤ輪列中にフリ
クション機構を設け、このフリクション機構は、中心軸
部から外径方向に延出するとともに、中心軸部に対し、
すき間を保ちながら平行かつ軸方向に伸びた複数の弾性
軸部を有する第1の回転部材と、弾性軸部が嵌合する嵌
入孔を有する第2の回転部材と、すき間に挿入され弾性
軸部を径方向に押し広げるリング状の付勢部材とからな
り、付勢部材の押し広げ力によって、第1の回転部材と
第2の回転部材との間に摩擦係合力を得るようにしてい
る。
【0011】また、請求項6記載の発明では、請求項5
記載のフリクション機構付き小型モータにおいて、出力
軸の回転をエアコンディショナーのルーバ駆動に連結し
ている。
【0012】また、請求項7記載の発明では、ロータの
回転を減速ギヤ輪列を介して出力軸に伝達するように構
成してなるフリクション機構付き小型モータにおいて、
出力軸を樹脂によりギヤ付き出力軸として一体成形によ
り形成すると共に、出力軸を除く減速ギヤ輪列中にフリ
クション機構を設け、このフリクション機構は、中心軸
部およびその中心軸部の先端から外径方向に伸びる係合
突起を有する第1の回転部材と、係合突起が軸方向に貫
通可能な切り込み部を外周に有する軸部貫通孔および係
合突起と係合する係合部および軸方向端面に設けられた
ラチェット突起を有し、第1の回転部材の回転とともに
回転する円板と、中心軸部が貫通する軸部貫通孔および
ラチェット突起が係脱する係合部を有する第2の回転部
材と、第1の回転部材と第2の回転部材との間に設けら
れ両部材を軸方向に引き離す付勢力を有する付勢部材と
からなり、第1および第2の回転部材の間にラチェット
係合力を得るようにしている。
【0013】また、請求項8記載の発明では、請求項7
記載のフリクション機構付き小型モータにおいて、出力
軸の回転をエアコンディショナのルーバ駆動に連結して
いる。
【0014】本発明におけるフリクション機構は、たと
えば、エアコンディショナやヒータのルーバ駆動系にお
けるロータと出力軸の間に介在される歯車伝達機構(減
速ギヤ輪列)に用いられる。たとえば、ルーバを人が無
理に動作させる等をして出力軸に外部からの大きな負荷
が加わると、その負荷は出力軸を回転させ、減速ギヤ輪
列に伝わる。このとき、ロータにはステータとのリラク
タンストルクによる位置保持力が働くため、減速ギヤ輪
列の歯車に過負荷が加わり、歯車の欠け等が生ずる危険
がある。しかし、出力軸を除く歯車伝達機構中にフリク
ション機構を設けることにより、そのフリクション機構
部分で外部負荷の伝達は切断され、各歯車に過負荷が加
わることはない。
【0015】本発明のフリクション機構は、各請求項に
記載された構造とすることにより、フリクショントルク
のバラツキを押さえ、安定したフリクショントルクを得
ることができ、しかも、フリクション作動に対する耐久
性の向上を図ることができる。
【0016】また、このようなフリクション機構を有し
た小型モータは、安定したフリクショントルクを得るこ
とができ、しかも、フリクション作動に対する耐久性に
優れたものとなるため、エアコンディショナやヒータの
ルーバ駆動に用いた場合、ルーバを人が必要以上の力で
動作させても歯車の欠け等の発生を未然に防止でき、駆
動系の故障を少なくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1から図
14に基づいて説明する。
【0018】まず、本発明のフリクション機構が適用さ
れたギヤ付き小型モータの構成を図1により説明する。
このギヤ付き小型モータ1は、ステータ部2と、ロータ
部3と、減速ギヤ輪列となる歯車伝達機構4と、出力軸
5と、端子部6とから構成されるステッピングモータと
なっている。そして、ステータ部2と歯車伝達機構4と
は、軸方向に隣接して配置される。
【0019】ステータ部2は、2つのステータの先端部
が交互に入り組むことによって円形状に配置される極歯
7と、この極歯7と軸方向に並んで配置される同様な極
歯8と、極歯7の外周に巻回されるコイル9と、極歯8
の外周に巻回されるコイル10と、ステータを兼ねる円
筒状ケース11と、ステータを兼ねるモータ上ケース1
2とから構成されている。なお、コイル9は、コイルボ
ビン9aを介して、極歯7に巻回され、コイル10は、
コイルボビン10aを介して極歯8に巻回されている。
【0020】ロータ部3は、ロータ軸13と、このロー
タ軸13に回転可能に支持されマグネット14aを有す
るロータ14とから構成される。なお、先に述べたステ
ータ部2とこのロータ部3は、共に従来公知のステッピ
ングモータのステータ部とロータ部の構成と同様となっ
ている。
【0021】歯車伝達機構4は、図2に示されるよう
に、ロータ軸14に形成されるピニオン14bと、この
ピニオン14bに噛み合う1番車15と、この1番車1
5と噛み合う2番車16と、この2番車16と噛み合う
3番車17と、この3番車17と噛み合う4番車18
と、この4番車18と噛み合うように出力軸5に設けら
れた歯車5aとからなる。なお、この歯車伝達機構4
は、減速機構となっており、各歯車14b,15,1
6,17,18,5aは、それぞれ減速して回転を伝達
する構成となっている。
【0022】この歯車伝達機構4は、図3の展開図に示
すように、1番車15、2番車16、3番車17、4番
車18が、モータ上ケース12に隣接して配設される合
成樹脂製の中地板19に固定された歯車支持軸151,
161,171,181に回転自在に支持されている。
そして、2番車16にフリクション機構を保有してい
る。この2番車16の矢示Aで示す方向から見た平面図
を図7に、分解斜視図を図8にそれぞれ示す。なお、こ
のフリクション機構については、後に詳細に説明する。
【0023】中地板19は、図9から図11に示すよう
に、ロータ軸13を通すため中央に設けられた円形孔1
9aと、その円形孔19aを囲む幅が厚くなっている円
形台部19bと、2本の支柱部19c,19cと、ステ
ータとの位置決め用の嵌合突起19d,19dとを一体
に有している。
【0024】そして、円形台部19bが、ロータ部3を
囲むステータの中央部分の円形状の孔に嵌ると共に、嵌
合突起19d,19dがステータ側に設けられた嵌合孔
(図示省略)に嵌まることにより中地板19を位置決め
保持している。この円形台部19bは、歯車支持軸15
1,161,171,181の一部にかかり、それらの
ロータ部3側への抜けを防止していると共にその幅が厚
いことによって保持力を高めている。また、出力軸の一
端5bにも円形台部19bの一部がかかるように形成さ
れており、その一端5bがロータ部3側に抜けるのを防
止している。
【0025】また、出力軸5は、SUS等の鉄より軽い
樹脂製でなり、歯車5aが一体成形で形成されている。
そして、この出力軸5の一端5bは、中地板19に設け
られた出力軸支持部19eに回転自在に支持されてい
る。また、出力軸5の中央は、平板状ケース20(図1
参照)のしぼり加工により形成された支持円筒部に回転
自在に支持されている。出力軸5の他端5cは、中央に
比べ若干細径とされ、他の機器、例えば、エアコンのル
ーバ駆動機構等(図示せず)に係合している。
【0026】端子部6は、図1に示すように、2つのコ
イル9,10の中間に配置される端子ピン21と、この
端子ピン21を挿通して固着するホルダー部材22と、
このホルダー部材22に保持される回路基板23と、こ
の回路基板23に電気的接続するコネクタハウジング2
4と、これらの部材を覆うカバー25とから構成されて
いる。
【0027】ここで端子ピン21は、図1および図4に
示すように、2つのコイルボビン9a,10aのピン固
定部9b,10bに各3つ挿通固定されている。このピ
ン固定部9b、10bは、互いに対向する部分を波状と
し、それぞれの出っ張り部分を相手の凹部に嵌合させる
ことにより、全体として直方体状となっている。また、
各ピン固定部9b,10bには、ホルダー部材22の位
置決め穴22aに嵌合する位置決めピン9c,10cが
それぞれ設けられている。そして、ピン固定部9b,1
0bの形状は、180度回転対称になっており、各コイ
ルボビン9a,10aは全く同一形状となっている。な
お、固定された端子ピン21が一直線上ではなく、ジグ
ザグ状に配置させたのは、端子ピン21の電気的絶縁距
離を長くするためである。
【0028】ホルダー部材22は、図6に示すように、
コイルボビン9a,10aの位置決めピン9c,10c
(図4参照)が嵌合する2つの位置決め穴22aと、端
子ピン21が挿通するジグザグ状に配置された挿通部2
2bと、回路基板23を当接保持する回路基板保持部2
2cと、コネクタハウジング24を取り付ける取付部2
2dとを有している。なお、回路基板保持部22は、ホ
ルダー部材22の一面と、その面側に設けられたブリッ
ジ状でかつ側面断面図でくさび状のブリッジ部22eと
で、回路基板23を保持する構造となっている。また、
取付部22dは、ピン挿入孔22fと、くさび状のブリ
ッジ部22eの上部と、コネクタハウジング24を取り
付ける際のガイドとなるガイド部22gから構成されて
いる。なお、ホルダー部材22には、中地板19の突起
19bが嵌合し、このホルダー部材22の位置決めをす
る位置決め孔22hが設けられている。
【0029】回路基板23は、長方形状の平板とされ、
ホルダー部材22と当接しない面に回路パターン26が
形成される片面基板となっている。そして、この回路基
板23は一端側に端子ピン21が挿通されるジグザグ状
に配置された挿通孔23aを有し、他端側には、コネク
タハウジング24の接続端子27が半田付けされる回路
パターン26の接続部26aを有している。そして、回
路パターン26は、図5に示すように挿通孔23aと接
続部26aをつなぐようなパターンとなっているが、図
5で左端の挿通孔23aだけは、右端の挿通孔23aに
つながれ、電力供給の際の共通端子、すなわちグランド
となるように形成されている。なお、このグランド端子
となる部分としては、中央の2つの挿通孔23aとして
も良く、状況に合わせ適宜変更できる。
【0030】コネクタハウジング24は、回路基板23
と接続する接続端子27と、ホルダー部材22のピン挿
通孔22fに入り、このコネクタハウジングの位置決め
をする係合ピン24aと、コネクタ(図示省略)の受け
入れ空間となる嵌合部24bとを有している。なお、こ
の実施の形態で示すコネクタハウジング24は、市販の
いわゆる面実装タイプのものを採用している。
【0031】カバー25は、回路基板23から突出した
端子ピン21を覆うピンカバー部25aと、コネクタハ
ウジング24を覆うと共にコネクタを挿入できる開口部
25bを有するハウジングカバー部25cとを備えてい
る。そして、円筒状ケース11の切り欠き部11aに嵌
合すると共に、平板状ケース20に係合し、ステッピン
グモータ1から外れないようにされている。
【0032】次に本発明のフリクション機構の第1の実
施の形態について図3,図7および図8を参照しながら
説明する。図8は、図3におけるフリクション機構(2
番車16の部分)を分解して示す斜視図であり、図3,
図7および図8において同一部分には同一符号が付され
ている。なお、図3においては、フリクション機構部分
が複雑になるのを防ぐため、主要な構成物のみに符号を
付すことにする。
【0033】このフリクション機構は、大きく分ける
と、第1の回転部材61、第2の回転部材62、第1の
回転部材61に装着され、第1の回転部材61を第2の
回転部材62に対して圧接力を与える付勢部材としての
C字形状をしたワッシャ63から構成される。
【0034】第1の回転部材61は、中心軸部611か
ら外径方向に延出した鍔部612を有し、この鍔部61
2の端部より第2の回転部材62を支持するための支持
部610を残して少し内側から中心軸部611に対し所
定のすき間613を保ちながら、中心軸部611と平行
で、かつ軸方向に伸びた複数(ここでは3つ)の弾性軸
部614、615、616を有している。そして、中心
軸部611の先端部には外形方向にわずかに突出したワ
ッシャ脱落防止用の突起部617が設けられている。ま
た、弾性軸部614、615、616の先端部には第2
の回転部材62に係止するための係止爪614a,61
5a,616aが設けられ、さらに、中心軸部611の
下端部付近には、図3で示した3番車17に噛み合う歯
車部618が設けられ、これらが一体成形された構造と
なっている。
【0035】また、第1の回転部材31のすき間31a
に装着されるワッシャ63は、C字形をなしており、外
方向から内側中心方向への力を与えると、それに反発す
る(外側に押し広げる)力を有するものである。なお、
このワッシャ63を第1の回転部材61の中心軸部61
1と弾性軸部614、615、616のすき間613に
装着する際、ワッシャ63の内径は中心軸部611の突
起部617を含めた外形より大きい状態(弾性軸部61
4、615、616を押し広げるような状態)で装着さ
れるので、中心軸部611の先端に設けられた突起部6
17によって装着が阻害されることはない。
【0036】また、第2の回転部材62は、第1の回転
部材61の弾性軸部614、615、616が嵌合する
嵌入孔621を有するとともに、その嵌入孔621の軸
方向上端縁部には弾性軸部614、615、616の係
止爪614a,615a,616aが係止される棚状の
係止部622が設けられている。そして、さらに、第2
の回転部材62の外周部には、図3で示した1番車15
に噛み合う歯車部623が設けられ、これらが一体成形
された構造となっている。
【0037】そして、第1の回転部材61(ワッシャ6
3が装着された状態)を第2の回転部材62に装着する
際は、第1の回転部材61の弾性軸部614、615、
616を第2の回転部材62の嵌入孔621に嵌入する
が、このとき、弾性軸部614、615、616をワッ
シャ33の押し広げ力に抗して内側にすぼめるようにし
て第2の回転部材62の嵌入孔621に嵌入する。
【0038】このようにして、弾性軸部614、61
5、616が嵌入孔621に嵌入され、弾性軸部61
4、615、616の先端に設けられた係止爪614
a、615a、616aが嵌入孔621から突出する
と、ワッシャ63の押し広げ力によって、係止爪614
a、615a、616aが第2の回転部材32の係止部
622に係止される、これにより、弾性軸部614、6
15、616をすぼめない限り、第1の回転部材61を
第2の回転部材62から軸方向に引き抜くことはできな
い。
【0039】このようにして、第1の回転部材61が第
2の回転部材62に装着されるが、両者はワッシャ63
の押し広げ力によって、弾性軸部614、615、61
6と第2の回転部材62の嵌入孔621の面とがワッシ
ャ63の押し広げ力によって圧接された状態となってお
り、両者の摩擦係合力によって、通常では第1の回転部
材と第2の回転部材は一体となって回転するようになっ
ている。
【0040】そして、このようなフリクション機構を有
した2番車16を図3に示すように、歯車伝達機構4の
中に組み込むことにより、ロータ14の回転力を1番車
を介して2番車16が受け、このとき、2番車16を構
成する第2の回転部材62がその回転力を受ける。その
際、第2の回転部材62と第1の回転部材61とは、ワ
ッシャ63の押し広げ力により、弾性軸部614、61
5、616と第2の回転部材62の嵌入孔621の面と
の間の摩擦係合力によって一体となって回転するため、
第2の回転部材62の回転力はそのまま第1の回転部材
61に伝えられる。したがって、通常の状態ではロータ
14の回転力は1番車15から2番車16、3番車17
というように伝達され、出力軸5を回転させる。
【0041】このように構成されるステッピングモータ
1の動作は、次のとおりである。
【0042】コネクタハウジング24に外部よりコネク
タ(図示省略)が入れられ、電気接続がされる。そし
て、そのコネクタとコネクタハウジング24の接続端子
27を経由して電力がコイル9,10に供給されると、
ステータ部2のステータと、ロータ14のマグネット1
4aとの間に磁気的な相互作用が働き、ロータ14が回
転する。すると、その回転は、ピニオン14bを含む歯
車伝達機構4を介して減速されながら出力軸5に伝えら
れる。そして、この出力軸5の回転により外部機器、例
えばエアコンディショナやヒータのルーバの開閉動作を
行わせる。
【0043】なお、外部から出力軸5に強い力が加わっ
た場合、例えばエアコンのルーバを人が強い力で動作さ
せるような場合、出力軸5の回転は、ロータ14側へ伝
えられていく。しかし、ステータ部2とマグネット14
aとの間のリラクタンストルクによりロータ14には、
その位置を保持しようとする力が働き、ロータ14は余
程大きな力でないと回転を開始しない。このため、フリ
クション機構がないと歯車伝達機構は、そのいずれかの
歯車部分で、歯の折れ等が生じ動作不良となってしま
う。しかし、本発明では、歯車伝達機構4の内部にフリ
クション機構があるため、そのような動作不良を未然に
防止できる。
【0044】本発明の実施の形態では、歯車伝達機構4
の2番車16に図3、図7および図8に示すような構造
のフリクション機構を設けているため、例えばエアコン
のルーバを人が強い力で動作させた場合、ルーバの動作
が出力軸5に伝わり、出力軸5が回転し、その回転力
は、4番車18、3番車17、2番車16というように
伝達されて行くが、ロータ14には伝わらない。すなわ
ち、3番車の回転力は2番車16の第1の回転部材61
に設けられた歯車部618に伝達されると、第1の回転
部材61に回転力が働く。しかし、このとき、第2の回
転部材62は、ステータ部2とマグネット14aとの間
のリラクタンストルクにより殆ど動かない状態となって
いるため、第1の回転部材61に設けられた弾性部材6
14、615、616が第2の回転部材62の嵌入孔の
面を摺動することで第1の回転部材61のみが回転す
る。これにより、歯車伝達機構4に無理な力が加わるの
を防ぐことができ、歯の損傷を防止できる。
【0045】また、この第1の実施の形態によるフリク
ション機構を構成する部材は、第1の回転部材61、第
2の回転部材62、ワッシャ63の計3点で構成される
ため、部品点数が削減され、組み立て効率がアップす
る。しかも、このフリクション機構は、第1の回転部材
61にワッシャ63を装着したのち、この第1の回転部
材61を第2の回転部材62に嵌入する構造となってい
るので組み立てが極めて簡単で、製造効率の向上が図
れ、しかも、安定したフリクショントルクが得られる。
さらに、第1の回転部材61に装着されるワッシャ63
は外側ラジアル方向に広がろうとする力を有するもので
あり、回転中心軸に対して締め付け力を与えないので、
第1の回転部材61の回転に影響を与えることがない。
【0046】なお、この実施の形態では、2番車16に
フリクション機構を持たせた例を示したが、これに限ら
れることなく、1番車15や3番車17等の他の歯車部
分に設けても良い。ただし、ロータ14に近い1番車1
5や2番車16などの回転トルクの小さい部分に設ける
ことにより、ワッシャ63の押し広げ力や弾性軸部61
4,615,616の弾性力をそれほど大きなものとす
る必要がないという利点が得られ、また、2番車16や
3番車17というように出力軸15に近い歯車に設ける
ことにより、フリクション設定範囲の余裕度が増え調整
しやすいなどの利点があるため、これらを考慮して最適
な歯車に設けるようにすればよい。
【0047】さらに、このようなフリクション機構が設
けられたモータの出力軸5は歯車5aを一体成形したも
のとなっているので、組み付けが簡単で製造効率がアッ
プすると共に低コストでかつ壊れにくく、長寿命のもの
となり、従来のSUS等の金属軸を有するものに比べ軽
量となり、この小型モータが取り付けられる機器の軽量
化に寄与する。
【0048】また、この第1の実施の形態では、端子ピ
ン21がコイル9,10の中央に配置され、接続端子2
7が歯車伝達機構4に対してラジアル方向に隣接して配
置されるため、回路基板23の一端側に端子ピン21
を、他端側に接続端子27を配設できるようになる。こ
のため、半田付け作業は、同方向から行えるようになる
と共に、フレキシブル基板等の特殊な基板を用いる必要
がなくなる。
【0049】また、ホルダー部材22のコネクタハウジ
ング24を取り付ける部分が端子ピン21側にくるほど
厚くなるくさび状のブリッジ部22eとなっているの
で、コネクタハウジング24を取り付けると、その接続
端子27は、回路基板23に自然と当接すると共に、コ
ネクタハウジング24やコネクタを取り付ける際、端子
ピン21にぶつかったり、引っかかったりすることが生
じない。
【0050】以上説明した第1の実施の形態では、フリ
クション機構を図3、図7および図8に示したような構
造としたが、このような構造に限らず以下に説明するよ
うな構造としてもよい。これを第2の実施の形態として
以下に説明する。この第2の実施の形態では、主として
フリクション機構のみを説明し、このフリクション機構
が適用されたモータの構成については、第1の実施の形
態で詳細に説明したのでその説明は省略する。
【0051】図12はこの第2の実施の形態によるフリ
クション機構を有した歯車伝達機構4の展開図であり、
図3と同一部分には同一符号が付されている。この第2
の実施の形態においても、2番車16にフリクション機
構を保有している。この第2の実施の形態によるフリク
ション機構(2番車16の部分)の矢示Aから見た平面
図を図13に、分解して示す斜視図を図14にそれぞれ
示す。以下、図12から図14を参照しながら説明す
る。なお、図12から図14において同一部分には同一
符号が付されている。また、図12においては、フリク
ション機構部部分の図が複雑になるのを防ぐため、主要
な構成物のみに符号を付すことにする。
【0052】この第2の実施の形態におけるフリクショ
ン機構は、大きく分けると、3番車17との間で相互に
回転力を伝達しあう第1の回転部材71と、1番車15
との間で相互に回転力を伝達しあう第2の回転部材72
と、これら第1の回転部材71と第2の回転部材72と
の間に介在される円板73と、第1の回転部材71と第
2の回転部材72との間に設けられ、両者を引き離す付
勢力を与える付勢部材としてのコイルバネ74とにより
構成され、以下、その構造について詳細に説明する。
【0053】第1の回転部材71は、中心軸部711の
先端から外径方向に伸びる複数(この実施の形態では3
個)の係合突起712,713,714を有するととも
に、その後端には3番車17に噛み合う歯車部715を
有し、これらが一体成形されたものとなっている。
【0054】円板73は第1の回転部材71の中心軸部
711に設けられたそれぞれの係合突起712,71
3,714が軸方向に通過可能な形状の切り込み部73
1a,731b,731cを有する軸部通過孔732
と、前記係合突起712,713,714と係合する係
合凹部733a,733b,733cおよび軸方向端面
に所定間隔で円形配列された複数のラチェット突起73
4aを有し、これらが一体成形されたものとなってい
る。
【0055】第2の回転部材72は、第1の回転部材7
1の係合突起712,713,714が軸方向に通過可
能な形状の切り込み部721a,721b,721cを
有する軸部貫通孔722および円板73のラチェット突
起734aが係脱する係合部として、この実施の形態で
は、複数の係合孔723aをラチェット突起734aと
同数だけ有するとともに、外周部には1番車15に噛み
合う歯車部724を有し、これらが一体成形で形成され
たものとなっている。
【0056】また、コイルバネ74は第1の回転部材7
1の中心軸部711がコイルバネの中空部を貫くように
装着される。
【0057】以上のようなそれぞれの構成部材を用いて
フリクション機構を構成するためには、まず、第1の回
転部材71の中心軸部711にコイルバネ74を装着
し、コイルバネ74の伸張力に抗するように押圧力を与
えながら、第1の回転部材71の中心軸部711を第2
の回転部材72の軸部貫通孔722に挿入する。このと
き、中心軸部711の先端には係合突起部712,71
3,714があるため、その係合突起部712,71
3,714が軸部貫通孔722に設けられた切り込み部
721a,721b,721cを通過するように挿入す
る。
【0058】次に、第2の回転部材72を貫通した第1
の回転部材71の中心軸部711の先端を、円板73の
軸部貫通孔732に挿入する。このとき、前記同様、中
心軸部711の係合突起部712,713,714が軸
部貫通孔732に設けられた切り込み部731a,73
1b,731cを通過するように挿入する。
【0059】このように、第1の回転部材71の中心軸
部711の先端が、第2の回転部材72および円板73
を貫通した状態で、円板73をそのラチェット突起73
4aが第2の回転部材72の係合孔723aに係合する
ように重ね合わせながら、第1の回転部材71を少し回
す。すると、その係合突起部712,713,714が
円板73の軸部貫通孔732に設けられた切り込み部7
31a,731b,731cから外れ、第1の回転部材
71の押圧力を解除しながらさらに回すと、円板73の
軸方向端面に設けられた係合凹部733a,733b,
733cの部分で、コイルバネ74の伸張力により係合
突起部712,713,714がその係合凹部733
a,733b,733cに落ち込んで係合し、第1の回
転部材71と円板73は、第1の回転部材71の回転に
対して円板73も共に回転する状態となる。
【0060】以上で組立は終了したことになるが、この
状態では、第1の回転部材71と第2の回転部材72の
間に介在されたコイルバネ74の伸張力により、第1の
回転部材71と第2の回転部材72を引き離そうとする
力が働き、円板73、第2の回転部材72、第1の回転
部材71はそれぞれが離脱しない状態となる。
【0061】そして、このようなフリクション機構を有
した2番車を図12に示すように、歯車伝達機構4の中
に組み込むことにより、ロータ14の回転力を1番車1
5を介して2番車16が受け、このとき、2番車16を
構成する第2の回転部材72がその回転力を受ける、そ
の際、円板73と第2の回転部材72とはラチェット係
合しているため、第2の回転部材72の回転力はそのま
ま第1の回転部材71に伝えられる。したがって、通常
の状態では、ロータ14の回転力は1番車15から2番
車16、3番車17というように伝達され、出力軸5を
回転させる。
【0062】これに対して、外部から出力軸5に強い力
が加わった場合、例えばエアコンのルーバを人が強い力
で動作させるような場合、出力軸5の回転は、ロータ1
4側へ伝えられていく。このとき、ステータ部2とマグ
ネット14aとの間のリラクタンストルクによりロータ
14には、その位置を保持しようとする力が働き、ロー
タ14は余程大きな力でないと回転を開始しない。
【0063】本発明の第2の実施の形態では、歯車伝達
機構4の2番車16に図13、図14に示すような構造
のフリクション機構を設けているため、例えばエアコン
のルーバを人が強い力で動作させた場合、ルーバの動作
が出力軸5に伝わり、出力軸5が回転し、その回転力
は、4番車18、3番車17、2番車16というように
伝達されて行くが、ロータ14には伝わらない。すなわ
ち、3番車17の回転力が2番車16の第1の回転部材
71に設けられた歯車部715に伝達されると、第1の
回転部材71に回転しようとする力が働く。しかし、こ
のとき、第2の回転部材72は、ステータ部2とマグネ
ット14aとの間のリラクタンストルクにより殆ど動か
ない状態となっているため、第1の回転部材71と共に
回転しようとする円板73は、そのラチェット突起73
4aが第2の回転部材72に設けられた係合孔723a
から外れて、この円板73と第1の回転部材71のみが
回転する。これにより、歯車伝達機構4に無理な力が加
わるのを防ぐことができ、歯の損傷を防止できる。
【0064】また、このフリクション機構を構成する部
材は、第1の回転部材71、第2の回転部材72、円板
73、コイルバネ74の計4点で構成されるため、部品
点数で少なくて済み、組み立て効率の向上が図れ、しか
も、安定したフリクショントルクが得られる。
【0065】なお、この第2の実施の形態では、2番車
16にフリクション機構を持たせた例を示したが、これ
に限られることなく、1番車15や3番車17等の他の
歯車部分に設けても良い。ただし、ロータ14に近い1
番車15や2番車16などの回転トルクの小さい部分に
設けることにより、コイルバネ74の伸長力をそれほ大
きなものとする必要がないという利点が得られ、また、
出力軸5に近い歯車に設けることにより、フリクション
設定範囲の余裕度が増え調整しやすいなどの利点がある
ため、これらを考慮して最適な歯車に設けるようにすれ
ばよい。
【0066】また、以上説明したそれぞれの実施の形態
では、ステッピングモータの例を示したが、本発明は、
AC同期モータやファンモータ等他の各種の小型モータ
に適用できる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、中心軸部から外径方向に延出するとともに、中心
軸部に対し、すき間を保ちながら平行かつ軸方向に伸び
た複数の弾性軸部を有する第1の回転部材と、弾性軸部
が嵌合する嵌入孔を有する第2の回転部材と、すき間に
挿入され弾性軸部を径方向に押し広げるリング状の付勢
部材とからなり、付勢部材の押し広げ力によって、第1
の回転部材と第2の回転部材との間に摩擦係合力を得る
ようにした構造としたので、フリクショントルクのバラ
ツキを押さえ、安定したフリクショントルクを得ること
ができ、しかも、フリクション作動に対する耐久性の向
上を図ることができる。
【0068】また、付勢部材を金属製でかつC字形のワ
ッシャとすることで、組立を簡単なものとすることがで
き、しかもそのワッシャの押し広げ力を利用しているの
で、ワッシャが装着される第1の回転部材の中心軸を締
め付けることがないので、第1の回転部材の回転を阻害
するおそれがない。
【0069】また、請求項3記載の発明は、中心軸部お
よびその中心軸部の先端から外径方向に伸びる係合突起
を有する第1の回転部材と、係合突起が軸方向に貫通可
能な通過孔外周に有する軸部通過孔および係合突起と係
合する係合部および外周部の軸方向端面に設けられたラ
チェット突起を有する円板と、中心軸部が貫通する軸貫
通孔およびラチェット突起が係脱する係合凹部を有する
第2の回転部材と、第1の回転部材と第2の回転部材と
の間に設けられ両部材を軸方向に引き離す付勢力を有す
る付勢部材とからなり、両部材の間にラチェット係合力
を得るようにした構造としたので、請求項1記載の発明
同様、フリクショントルクのバラツキを押さえ、安定し
たフリクショントルクを得ることができ、しかも、フリ
クション作動に対する耐久性の向上を図ることができ
る。
【0070】また、ラチェット突起が係合する係合凹部
を貫通孔とすることで、製造を容易なものとし、ラチェ
ット突起との係合を確実なものとすることができる。
【0071】また、請求項5および7記載の発明では、
ロータの回転を減速ギヤ輪列を介して出力軸に伝達する
ように構成してなるフリクション機構付き小型モータに
おいて、出力軸を樹脂によりギヤ付き出力軸として一体
成形により形成すると共に、出力軸を除く減速ギヤ輪列
中に請求項1や請求項2記載のフリクション機構を設け
たので、出力軸を樹脂によりギヤも付いた一体成形され
た出力軸とすることにより、出力軸の組み付けが簡単で
製造効率がアップし、しかも、SUSなどの金属よりも
軽い樹脂を使うことにより小型モータの重量も低減で
き、取り付けられる機器の軽量化に貢献できるものとな
る。また、そのフリクション機構は、フリクショントル
クのバラツキを押さえ、安定したフリクショントルクを
得ることができ、しかも、フリクション作動に対する耐
久性の向上を図ることができる。そして、このフリクシ
ョン機構を、外部負荷を直接受ける出力軸の部分ではな
く、その後の減速ギヤ輪列中に設けているので、フリク
ション機構を小型化でき、モータを小型化できる。加え
て、外部負荷は、増速されて伝わるため、ロータに近い
程、そのトルクは小さくなり、制御しやすいものとな
る。このため、歯車の欠け等の発生が減少し、故障が生
じにくい小型モータとなる。
【0072】加えて、請求項6および8記載の発明で
は、請求項5および7記載のギヤ付き小型モータの出力
軸の回転をエアコンディショナのルーバ駆動に利用して
いるので、人が度々ルーバを動かしても減速ギヤ輪列は
破損せず故障が少ないルーバ駆動を提供することができ
る。また、出力軸は樹脂により構成しているので、ルー
バを外す等して出力軸が露出し、人が手で触ったとして
も、漏電により感電するというような危険もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるギヤ付き小型モータ
の側面断面図(コネクタハウジングを除く)である。
【図2】図1のギヤ付き小型モータの歯車伝達機構を示
す平面図である。
【図3】図2の歯車伝達機構の側面展開図であり、本発
明の第1の実施の形態によるフリクション機構を2番車
に設けた例を示す側面展開図である。
【図4】図1のギヤ付き小型モータの端子部を説明する
ための図で、ホルダー部材を配置する以前の状態を示す
図である。
【図5】図1のギヤ付き小型モータの端子部を説明する
ための図で、ホルダー部材、回路基板、コネクタハウジ
ングを取り付けた状態を示す図である。
【図6】図1のギヤ付き小型モータに使用されるホルダ
ー部材を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、
(C)は側面図、(D)は(A)のD−D断面図であ
る。
【図7】図3で示した本発明の第1の実施の形態による
フリクション機構部分を矢示A方向から見た部分平面図
である。
【図8】図3で示した本発明の第1の実施の形態による
フリクション機構を分解して示す斜視図である。
【図9】図1のギヤ付き小型モータの中地板部分の平面
図である。
【図10】図9の矢示X方向から見た側面図である。
【図11】図9の中地板の底面図である。
【図12】図2の歯車伝達機構の側面展開図であり、本
発明の第2の実施の形態によるフリクション機構を2番
車に設けた例を示す側面展開図である。
【図13】図12で示した本発明の第2の実施の形態に
よるフリクション機構部分を矢示A方向から見た部分平
面図である。
【図14】図12で示した本発明の第2の実施の形態に
よるフリクション機構を分解して示す斜視図である。
【図15】従来のギヤ付き小型モータに使用されている
出力軸(フリクション機構を含む)を示す図である。
【符号の説明】
1 ギヤ付き小型モータ 2 ステータ部 3 ロータ部 4 歯車伝達機構(減速ギヤ輪列) 5 出力軸 6 端子部 7,8 極歯 9,10 コイル 14 ロータ 15 1番車 16 2番車 17 3番車 18 4番車 61 第1の実施の形態における第1の回転部材 62 第1の実施の形態における第2の回転部材 63 ワッシャ(付勢部材) 71 第2の実施の形態における第1の回転部材 72 第2の実施の形態における第2の回転部材 73 円板 74 コイルバネ(付勢部材) 734a ラチェット突起

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸部から外径方向に延出するととも
    に、上記中心軸部に対し、すき間を保ちながら平行かつ
    軸方向に伸びた複数の弾性軸部を有する第1の回転部材
    と、上記弾性軸部が嵌合する嵌入孔を有する第2の回転
    部材と、上記すき間に挿入され上記弾性軸部を径方向に
    押し広げるリング状の付勢部材とからなり、上記付勢部
    材の押し広げ力によって、上記第1の回転部材と上記第
    2の回転部材との間に摩擦係合力を得るようにしたこと
    を特徴とするフリクション機構。
  2. 【請求項2】 前記弾性軸部の先端に前記第2の回転部
    材に係止する係止爪を設けるとともに、前記付勢部材を
    金属製でかつC字形のワッシャとし、前記第1の回転部
    材の前記中心軸の外周と、前記第2の回転部材の外周に
    それぞれ歯車部を設けたことを特徴とする請求項1記載
    のフリクション機構。
  3. 【請求項3】 中心軸部およびその中心軸部の先端から
    外径方向に伸びる係合突起を有する第1の回転部材と、
    上記係合突起が軸方向に貫通可能な切り込み部を外周に
    有する軸部貫通孔および上記係合突起と係合する係合部
    および軸方向端面に設けられたラチェット突起を有し、
    上記第1の回転部材の回転とともに回転する円板と、上
    記中心軸部が貫通する軸部貫通孔および上記ラチェット
    突起が係脱する係合部を有する第2の回転部材と、上記
    第1の回転部材と上記第2の回転部材との間に設けられ
    両部材を軸方向に引き離す付勢力を有する付勢部材とか
    らなり、上記第1、第2の回転部材の間にラチェット係
    合力を得るようにしたことを特徴とするフリクション機
    構。
  4. 【請求項4】 前記係合部を貫通孔とし、前記第1の回
    転部材の中心軸部の外周と前記第2の回転部材の外周に
    それぞれ歯車部を設けたことを特徴とする請求項3記載
    のフリクション機構。
  5. 【請求項5】 ロータの回転を減速ギヤ輪列を介して出
    力軸に伝達するように構成してなるフリクション機構付
    き小型モータにおいて、上記出力軸を樹脂によりギヤ付
    き出力軸として一体成形により形成すると共に、上記出
    力軸を除く上記減速ギヤ輪列中にフリクション機構を設
    け、このフリクション機構は、中心軸部から外径方向に
    延出するとともに、上記中心軸部に対し、すき間を保ち
    ながら平行かつ軸方向に伸びた複数の弾性軸部を有する
    第1の回転部材と、上記弾性軸部が嵌合する嵌入孔を有
    する第2の回転部材と、上記すき間に挿入され上記弾性
    軸部を径方向に押し広げるリング状の付勢部材とからな
    り、上記付勢部材の押し広げ力によって、上記第1の回
    転部材と上記第2の回転部材との間に摩擦係合力を得る
    ようにしたことを特徴とするフリクション機構付き小型
    モータ。
  6. 【請求項6】 前記出力軸の回転をエアコンディショナ
    ーのルーバ駆動に連結したことを特徴とする請求項5記
    載のフリクション機構付き小型モータ。
  7. 【請求項7】 ロータの回転を減速ギヤ輪列を介して出
    力軸に伝達するように構成してなるフリクション機構付
    き小型モータにおいて、 上記出力軸を樹脂によりギヤ付き出力軸として一体成形
    により形成すると共に、上記出力軸を除く上記減速ギヤ
    輪列中にフリクション機構を設け、このフリクション機
    構は、中心軸部およびその中心軸部の先端から外径方向
    に伸びる係合突起を有する第1の回転部材と、上記係合
    突起が軸方向に貫通可能な切り込み部を外周に有する軸
    部貫通孔および上記係合突起と係合する係合部および軸
    方向端面に設けられたラチェット突起を有し、上記第1
    の回転部材の回転とともに回転する円板と、上記中心軸
    部が貫通する軸部貫通孔および上記ラチェット突起が係
    脱する係合部を有する第2の回転部材と、上記第1の回
    転部材と上記第2の回転部材との間に設けられ両部材を
    軸方向に引き離す付勢力を有する付勢部材とからなり、
    上記第1、第2の回転部材の間にラチェット係合力を得
    るようにしたことを特徴とするフリクション機構付き小
    型モータ。
  8. 【請求項8】 前記出力軸の回転をエアコンディショナ
    ーのルーバ駆動に連結したことを特徴とする請求項7記
    載のフリクション機構付き小型モータ。
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