JP3944408B2 - ギヤードモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ部と、モータ部の回転力を出力するためのギヤ列からなるギヤ部とを備えたギヤードモータに関するもので、特に、出力部に過大な負荷がかかったときにギヤ部およびモータ部を保護するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータとステータとを有してなるモータ部と、モータ部の回転力を出力するためのギヤ列からなるギヤ部とを備えたギヤードモータがある。上記ギヤ部のギヤ列は減速ギヤ列になっており、したがって、ギヤードモータは、回転速度は遅くても、ある程度の大きな回転力が必要なものの駆動源として用いられている。例えば、エアコンの風向きを変える羽根の駆動源、あるいは、ダンパー機構の駆動源などとして用いられている。
【0003】
ギヤードモータのギヤ部には過大な力がかかることがある。例えば、駆動対象に無理な外力が加わると、上記ギヤ部にも過大な力がかかる。この過大な力がどこにも逃げることなく直接的にギヤ部にかかるものとすれば、ギヤ列のどこかが破損するおそれがある。そこで、従来のギヤードモータには、過大な力がかかった場合に、この過大な力を逃がす仕組みをギヤ部に設けたものがある。以下、そのような従来のギヤードモータの例について説明する。
【0004】
図5において、有底円筒形のモータケース10内には、ステータとロータを有してなるモータ部が構成されていて、モータ部の出力軸が上記モータケース10の一端から突出し、この出力軸に小径ギヤ54が形成されている。モータケース10の上記一端側には、上記ギヤ54を始めとして、複数のギヤを有してなる減速ギヤ列が組み込まれている。この減速ギヤ列はギヤ部を構成していて、出力軸64から回転力が取り出されるようになっている。
【0005】
上記減速ギヤ列は、上記小径ギヤ54、一体に形成された大径ギヤ55と小径ギヤ56、同軸上に配置された大径ギヤ57と小径ギヤ58、一体に形成された大径ギヤ59と小径ギヤ60、一体に形成された大径ギヤ61と小径ギヤ62、出力軸64に一体に形成された大径ギヤ63を有してなる。上記ギヤ54、55が噛み合い、ギヤ56と57が噛み合い、ギヤ58と59が噛み合い、ギヤ60と61が噛み合い、ギヤ62と63が噛み合っている。このようにして、モータ部と減速ギヤ列からなるギヤ部とを有するギヤードモータが構成されている。
【0006】
上記ギヤードモータによって駆動対象を駆動しているとき、外力が加わるなどしてギヤ列に無理な力がかかると、前述のような問題が生じるので、減速ギヤ列の一部に無理な力を逃がすための仕組みが組み込まれている。前記大径ギヤ57と小径ギヤ58がそれである。以下、その構成を具体的に説明する。
【0007】
図6、図7において、小径ギヤ58は、ギヤ形成部に続く大径部を一体に有していて、この大径部の外周面に相対回転可能に大径ギヤ57が嵌められている。大径ギヤ57と小径ギヤ58は適宜の位置ずれ防止構造により軸方向にはずれないようになっている。小径ギヤ58は、大径ギヤ57が嵌まる部分の半径方向内側において円形の溝582が軸方向に向かって形成されることにより周壁581を有し、この周壁581の外周面側に大径ギヤ57が嵌まっている。ただし、周壁581は周方向の2箇所が切り欠かれることによってある程度の弾性力が付与されている。
【0008】
そして、上記溝582には、その深さ方向の比較的浅い位置に、部分リング状のワイヤースプリング30が挿入されている。ワイヤースプリング30は、リングの一部が切り欠かれた形をしていて、自然状態では図6(a)に示すように切り欠き部分の開き角度がほぼ60°になる。このワイヤースプリング30を、外径が小さくなるように圧縮した状態で上記溝582に嵌め、ワイヤースプリング30の拡開力で小径ギヤ58の周壁581を半径方向外側に押し広げる向きに付勢し、小径ギヤ58と大径ギヤ57とが摩擦力で一体に回転するようになっている。
【0009】
通常の動作時は、上記のように小径ギヤ58と大径ギヤ57とが摩擦力で一体回転することにより、モータ部の回転力を出力部に伝達し、駆動対象を駆動する。ここで、駆動対象に無理な外力がかかったとすると、前記ギヤ列に過大な力がかかる。この力が、小径ギヤ58と大径ギヤ57との摩擦力を越えると、小径ギヤ58と大径ギヤ57とが滑り、ここにおいて過大な力が逃がされる。このようにして、無理な外力によるギヤ列の破損が防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のギヤードモータによれば、無理な外力がかかった場合に、ギヤ列やモータを保護することができる。
しかしながら、無理な外力を逃がす構成が、小径ギヤ58、これと相対回転する大径ギヤ57、そして小径ギヤ58と大径ギヤ57とを摩擦力で一体回転させるワイヤースプリング30の3部品が必要であり、部品数が多いという難点があるとともに、摩擦トルクを管理するポイントが3部品にまたがっているため管理が難しいという難点がある。また、小径ギヤ58、大径ギヤ57、ワイヤースプリング30は、小さな部品である上にグリスを塗布する必要があり、組立作業およびグリス塗布作業が難しいという難点もある。
【0011】
本発明は以上のような従来技術に鑑みてなされたもので、部品数が少なく簡単な構成で無理な外力を逃がすことができ、これによって摩擦トルクの管理を容易にすることができるギヤードモータを提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、組立作業性を改善し、無理な外力を逃がすための構成を容易に組み込むことができるギヤードモータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、モータ部と、モータ部の回転力を出力するためのギヤ列からなるギヤ部とを備えたギヤードモータであって、ギヤ部を構成するギヤのうち出力部のギヤを除く任意のギヤは、支軸に対して移動可能であるとともに支軸に対し中立位置を保つように保持された可動ギヤであり、この可動ギヤは、支軸の外径よりも大きい内径の軸孔を有することにより支軸に対して径方向に移動可能になっていて、上記支軸の外周面と上記軸孔の内周面との間に、可動ギヤが上記支軸に対し中立位置を保つように付勢部材が介在し、上記可動ギヤはまた、小径部に小径ギヤが形成されるとともに大径部に大径ギヤが形成された段付円筒状であって、上記小径ギヤおよび大径ギヤは隣り合うギヤに噛み合い、上記付勢部材は、軸方向の2箇所に、互いに離間して設けられ、上記可動ギヤは、出力部にかかる負荷トルクが所定の大きさ以下であるときは中立位置を保って隣り合うギヤと噛み合い、上記負荷トルクが所定の大きさ以上になると支軸に対して移動し隣り合うギヤとの噛み合いが外れて回転力の伝達が解除されることを特徴とする。
通常は可動ギヤが中立位置を保持して隣接するギヤに回転力を伝達する。過大な外力がかかると、可動ギヤが支軸に対して移動して中立位置からずれ、隣り合うギヤとの噛み合いが外れて回転力の伝達が解除され、ギヤ列とモータが保護される。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、付勢部材は、可動ギヤの内周面に周方向に等間隔に配置された複数の弾性材からなり、この複数の弾性材が支軸の周面を挟み込むことにより可動ギヤを中立位置に保持することを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項または記載の発明において、弾性材は、板ばねまたは線状のバネからなることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるギヤードモータの実施形態について説明する。なお、図5に示す従来例の構成部分と同じ構成部分には同じ符号が付されている。
図1ないし図3において、有底円筒形のモータケース10内には、ステータコア12、ボビン16、巻線24からなる一組のステータと、ステータコア18、ボビン22、巻線26からなるもう一組のステータとが軸方向に重ねて嵌め込まれ、固定されている。各ステータコア12、18は外周側が先端になるように直角に折り曲げられて複数の極歯14、20を有している。極歯14、20は、同径の仮想円筒上に位置していている。ボビン16、22は、それぞれ上記極歯14、20の外周側に嵌められていて、各ボビン16、22には巻線24、26が巻き回されている。
【0017】
仮想円筒上に位置している上記極歯14、20の内周側には、モータ軸50、ロータ芯材48、ロータマグネット52を有してなるロータが配置されている。上記モータ軸50は、モータケース10の底部中心に形成された受孔と、モータケース10の開放端に被せられた端板46の受部とによって支持されている。モータ軸50の外周にはロータ芯材48が回転可能に嵌められ、ロータ芯材48の外周にはロータマグネット52が一体に嵌められている。ロータマグネット52は周方向に一定間隔でN極とS極に着磁されている。ロータマグネット52の外周面は、上記極歯14、極歯20の内周面と適宜の間隙をおいて対向している。
【0018】
この実施形態にかかるモータはステッピングモータの例であって、巻線24、26に供給する電源の極性を切り替えることにより、上記極歯14、20の極性が切り替わり、これとともにロータマグネット52が磁気吸引反発力によって周方向に付勢され、ロータマグネット52を含むロータが回転駆動される。
【0019】
上記ボビン16、ボビン22はそれぞれ外周部に端子部94を有していて、これらの端子部94には金属ピン82が打ち込まれた形で一体に設けられている。各金属ピン82の一部はモータの半径方向外側に向かって突出している。各金属ピン82の上記突出部分には、巻線24、巻線26の巻き始めまたは巻き終わり端部が巻きつけられている。上記モータケース10の外周側の一部は、上記金属ピン82と対応する部分において切除され、この切除部分にコネクタ部90が設けられている。コネクタ部90は、フレキシブル回路基板80とコネクタ本体86と端子部材88とを主体としてなる。コネクタ本体86は外部コネクタを受け入れる穴を有する有底の部材であって、底部を上向きにした形で、かつ、側面と上記金属ピン82の先端面との間に適宜の間隙をおいてモータケース10に固定されている。
【0020】
上記端子部材88は、コネクタ本体86の底部を貫通して固定されている。上記フレキシブル回路基板80は、コネクタ本体86の底部外側とコネクタ本体86の側部外側に沿って配置されるとともに、折り返されて上記金属ピン82の位置にまで及んでいる。フレキシブル回路基板80の一端部は端子部材88の一端部によって貫かれ、フレキシブル回路基板80の所定の回路パターンと端子部材88とが半田付け等によって電気的に接続されている。フレキシブル回路基板80の他端部は各金属ピン82によって貫かれ、フレキシブル回路基板80の所定の回路パターンと金属ピン82および巻線24、巻線26の巻き始めと巻終わりが半田付け等によって電気的に接続されている。コネクタ部90には図示されない外部コネクタが嵌められ、外部コネクタの電気接点と端子部材88とが電気的に接続され、巻線24、巻線26に外部から給電されるようになっている。コネクタ部90はモータケース10の外側に張り出し、コネクタ部90の上方が開放しているので、この開放部分にカバー92が嵌められている。
【0021】
ここまで説明した構成部分は、ロータ芯材48、ロータマグネット52を有してなるロータと、ステータコア12、18、ボビン16、22、巻線24、26を有してなるステータとを有してなるモータ部を構成している。
【0022】
モータケース10の内部には、コア12、コア18や巻線24、巻線26を含むステータの上に地板44が配置され、この地板44と間隔をおいて、前述の端板46が固定されている。地板44と端板46との間には4個の支持軸65が固定され、各支持軸65によってギヤが回転可能に支持されている。これらのギヤは順に噛み合ってギヤ列を構成し、出力軸62から回転力が取り出されるようになっている。上記ギヤ列は、前記ロータ芯材48の一端部外周に形成された小径ギヤ54、一体に形成された大径ギヤ55と小径ギヤ56、一体に形成された大径ギヤ57と小径ギヤ58、一体に形成された大径ギヤ59と小径ギヤ60、一体に形成された大径ギヤ61と小径ギヤ62、上記出力軸64に一体に形成された大径ギヤ63からなる。これらのギヤは、モータ部の回転力をギヤ54、55、56、57、58、59、60、61、62、63の順に出力軸64に伝達する減速ギヤ列を構成している。このように、この実施形態はギヤードモータを構成している。
【0023】
既に説明したように、出力軸64によって駆動される駆動対象に無理な外力がかかると、上記減速ギヤ列に過大な力がかかり、減速ギヤ列およびモータにダメージを与えるので、過大な力を逃がすために、一体に形成されているギヤ57、58を可動ギヤ35としている。図4に可動ギヤ35の構成を示す。図4(b)に示すように、小径部と大径部とを有してなる段付き円筒状の部材の上記小径部に小径ギヤ58が形成され、上記大径部に大径ギヤ57が形成されている。可動ギヤ35は、前述の支持軸65によって回転自在に支持されるが、軸孔33の内径は支持軸65の外径よりもかなり大きいものであって、軸孔33の内径と支持軸65の外径との間に生じている空間の範囲内で、支持軸65に対して可動ギヤ35が半径方向に移動可能になっている。
【0024】
上記支持軸65の外周面と可動ギヤ35の軸孔33の内周面との間には、可動ギヤ35が支持軸65に対し中立位置を保つように付勢部材37が介在している。付勢部材37は、可動ギヤ35の軸孔33の内周面に周方向に等間隔に配置された複数の(図示の例では3個の)弾性材からなる。この複数の弾性材は板ばねからなり、一端部が可動ギヤ35に固定されて片持ち状に支持されている。各弾性材の自由端は内方に向かって斜めに延び出て、可動ギヤ35の中心点を囲む三角形の空間を形成している。この三角形の空間に支持軸65が挿入され、3個の板ばねが支持軸65の周面を3点で挟み込み、これにより、可動ギヤ35を中立位置に保持している。3個の板ばねからなる上記付勢部材37は、軸方向の2箇所に、より具体的には軸方向の両端部に、互いに離間して設けられている。
【0025】
以上説明した実施形態において、駆動部材から減速ギヤ列に負荷トルクがかかると、可動ギヤ35をギヤ列から外方に押し出す向きの力が作用する。この負荷トルクが所定の大きさ以下であれば、可動ギヤ35を構成するギヤ57、58は隣接するギヤ56、59と噛み合っている。しかし、上記負荷トルクが所定の大きさ以上になると、可動ギヤ35は付勢部材37の付勢力に抗して支持軸65に対し半径方向に移動し、可動ギヤ35に一部を構成するギヤ57およびギヤ58は、隣り合うギヤ56および59との噛み合いが外れ、回転力の伝達が解除される。このようにして、過大な外力が加わると、可動ギヤ35において外力が逃がされ、減速ギヤ列およびモータにダメージが加わることを防止することができる。
【0026】
上記実施例によれば、過大な外力が加わった場合に、これを逃がすための構成を、大径ギヤ57と小径ギヤ58が一体に形成されてなる可動ギヤ35の軸孔33に付勢部材37を設けるだけで実現することができ、部品数が少ないという利点があるとともに、摩擦トルクを管理するポイントも少なく、管理が易しいという利点がある。また、組立作業も易しいという利点もある。
【0027】
なお、付勢部材37は、これを線状のバネで構成してもよい。減速ギヤ列を構成する各ギヤは、これを樹脂の一体成形品とすることができる。そして、付勢部材37を板ばねあるいは線状のバネで構成する場合、可動ギヤ35の樹脂成形時に、板ばねあるいは線状のバネをインサート成形してもよい。あるいは、可動ギヤ35の軸孔33側に溝を形成し、この溝に板ばねあるいは線状のバネの一端部を嵌め込んで片持ち的に固定するようにしてもよい。
【0028】
過大な力を逃がすための可動ギヤを配置する位置は、ギヤ部を構成する減速ギヤ列のギヤのうち、出力部のギヤ63を除いて任意のギヤでよい。例えば、可動ギヤは半径方向に移動する必要があるため、移動できる空間的余裕のあるギヤである必要がある。ただ、駆動対象に加わる過大な外力を伝達するギヤ数をできるだけ少なくすることが望ましいので、できるだけ出力軸に近いギヤ、例えば、図示の実施形態では、ギヤ61、62を可動ギヤにするのが望ましい。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、ギヤ部を構成するギヤのうち出力部のギヤを除く任意のギヤを、支軸に対して移動可能にするとともに支軸に対し中立位置を保つように保持した可動ギヤとし、この可動ギヤは、支軸の外径よりも大きい内径の軸孔を有することにより支軸に対して径方向に移動可能とし、上記支軸の外周面と上記軸孔の内周面との間に、可動ギヤが上記支軸に対し中立位置を保つように付勢部材を介在させ、上記可動ギヤはまた、小径部に小径ギヤを形成するとともに大径部に大径ギヤを形成した段付円筒状にし、上記小径ギヤおよび大径ギヤは隣り合うギヤに噛み合わせ、上記付勢部材は、軸方向の2箇所に、互いに離間して設け、上記可動ギヤは、出力部にかかる負荷トルクが所定の大きさ以下であるときは中立位置を保って隣り合うギヤと噛み合い、負荷トルクが所定の大きさ以上になると支軸に対して移動し隣り合うギヤとの噛み合いが外れて回転力の伝達が解除されるようにした。そのため、本発明によれば、無理な外力がかかった場合にギヤ列やモータを保護するための構成を、任意のギヤを可動ギヤとするのみで実現することができる。これによって、部品数が少ないという利点があるとともに、摩擦トルクを管理するポイントも少なく、管理が易しいという利点がある。また、組立作業も易しいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるギヤードモータの実施形態のギヤ部を示す平面図である。
【図2】上記実施形態の縦断面図である。
【図3】上記実施形態のギヤ部の展開縦断面図である。
【図4】上記実施形態中の可動ギヤを示す(a)は平面図、(b)は(a)中の線B−Bに沿う断面図である。
【図5】従来のギヤードモータのギヤ部の例を示す平面図である。
【図6】上記従来例中の一つのギヤ組を示す(a)底面図、(b)は(a)中の線B−Bに沿う断面図である。
【図7】上記ギヤ組を構成する一つのギヤの底面図である。
【符号の説明】
35 可動ギヤ
33 軸孔
37 付勢部材
65 支軸

Claims (3)

  1. モータ部と、モータ部の回転力を出力するためのギヤ列からなるギヤ部とを備えたギヤードモータであって、
    上記ギヤ部を構成するギヤのうち出力部のギヤを除く任意のギヤは、支軸に対して移動可能であるとともに上記支軸に対し中立位置を保つように保持された可動ギヤであり、
    上記可動ギヤは、支軸の外径よりも大きい内径の軸孔を有することにより支軸に対して径方向に移動可能になっていて、上記支軸の外周面と上記軸孔の内周面との間に、可動ギヤが上記支軸に対し中立位置を保つように付勢部材が介在し、
    上記可動ギヤはまた、小径部に小径ギヤが形成されるとともに大径部に大径ギヤが形成された段付円筒状であって、上記小径ギヤおよび大径ギヤは隣り合うギヤに噛み合い、
    上記付勢部材は、軸方向の2箇所に、互いに離間して設けられ、
    上記可動ギヤは、上記出力部にかかる負荷トルクが所定の大きさ以下であるときは中立位置を保って隣り合うギヤと噛み合い、上記負荷トルクが所定の大きさ以上になると支軸に対して移動し隣り合うギヤとの噛み合いが外れて回転力の伝達が解除されることを特徴とするギヤードモータ。
  2. 付勢部材は、可動ギヤの内周面に周方向に等間隔に配置された複数の弾性材からなり、この複数の弾性材が支軸の周面を挟み込むことにより可動ギヤを中立位置に保持する請求項1記載のギヤードモータ。
  3. 弾性材は、板ばねまたは線状のバネからなる請求項1または2記載のギヤードモータ。
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