JPH10141245A - ギアポンプ - Google Patents

ギアポンプ

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JPH10141245A
JPH10141245A JP29132996A JP29132996A JPH10141245A JP H10141245 A JPH10141245 A JP H10141245A JP 29132996 A JP29132996 A JP 29132996A JP 29132996 A JP29132996 A JP 29132996A JP H10141245 A JPH10141245 A JP H10141245A
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JP
Japan
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gear
bush
film
chamber
bushes
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Pending
Application number
JP29132996A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Obata
佳史 小幡
Yoshiaki Hamazaki
善明 浜崎
Toshio Iida
俊雄 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ギアポンプにおいて、高温時の効率低下を防止
でき且つ耐久性に優れ、軽量であること。 【解決手段】ギア室14を区画する一対のサイドプレート
12,12 に設けた支持孔31,41 にブッシュ18,18 を嵌め入
れ、ブッシュ18,18 を介して、駆動ギア3 および従動ギ
ア4 の支軸30,40 を支持する。サイドプレート12とブッ
シュ18とを同系のアルミニウム合金製とし、両者の嵌合
隙間からの熱膨張差に起因して作動油の漏れが増大する
ことを防止した。ブッシュ18の表面に硬化処理膜を形成
し、耐摩耗性を高めた。硬化処理膜としては、ニッケル
−リンの金属マトリックス中に炭化ケイ素の微粒子を分
散共析させた複合ニッケルメッキ皮膜が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は互いに噛み合う一対
のギアの回転によりポンプ作用をなすギアポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ギアポンプは、簡単な構造でありながら容量を大き
くできることから、種々の産業分野に用いられている。
この種のギアポンプの構造としては、ハウジング内部の
空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせてギア室を区
画し、このギア室の内部に互いに噛み合う一対のギアを
収容して、各ギアの支軸を各サイドプレートに形成した
支持孔によって嵌合支持すると共に、上記ギア室の内部
に両ギアの噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室およ
び吐出室を形成したタイプのものが一般的である。
【0003】そして、上記のハウジングやサイドプレー
トには、加工性および軽量化のためにアルミニウム合金
が使用される一方、各歯車には耐摩耗性が要求されるの
で鋳鉄等の鉄系の材料が使用されることが一般化してい
る。しかしながら、ギアの支軸をアルミニウム合金製の
サイドプレートの支持孔によって直接支持した場合、支
持孔の摩耗が激しく耐久性が悪くなる。
【0004】そこで、鉄製のブッシュを上記アルミニウ
ム製のサイドプレートの支持孔に嵌め入れて、ブッシュ
を介してギアの支軸を支持することが考えられる。しか
し、この場合、高温時において、互いに異種材質である
ブッシュとサイドプレートの熱膨張の差によって両者の
嵌合隙間が拡がり、この嵌合隙間を通しての作動油の漏
れが増大する結果、ポンプ効率が低下するという新たな
問題がある。
【0005】そこで、本発明の課題は、高温時の効率低
下を防止できしかも耐久性に優れた軽量のギアポンプを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載のギアポンプは、ハウジング内部の空
洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせてギア室を区画
し、このギア室の内部に、互いに噛み合う一対のギアを
収容すると共に両ギアの噛み合い位置を挟んで作動流体
の吸込室および吐出室を形成したギアポンプにおいて、
各ギアの支軸を、各サイドプレートの支持孔に嵌め入れ
たブッシュを介して支持しており、上記サイドプレート
とブッシュは同系のアルミニウム合金からなり、ブッシ
ュの少なくとも内周面には、硬化処理膜が形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0007】この構成では、サイドプレートとブッシュ
を同系材質としたので、両者が略等しい熱膨張を呈する
結果、高温時の熱膨張差に起因したポンプ効率の低下を
防止できる。また、ブッシュの内周面に硬化処理膜を形
成してあるので、耐摩耗性を向上できる。さらに、サイ
ドプレートおよびブッシュがアルミニウム合金製なの
で、軽量化を達成できる。
【0008】ここで、アルミニウム合金としては、JI
S−H−4040材やAC2A材、A2014材などが
あり、同系とは互いの熱膨張率が略等しい材質を意味す
る。また、硬化処理膜とは、窒化処理、ホウ化処理、
浸炭処理等の拡散浸透処理、PVD、CVD、溶射処
理のようなセラミック硬質被覆コーティング処理、およ
びニッケルメッキ、クロムメッキ等のメッキ処理の何
れかの表面処理が施された膜を意味する。硬化処理膜形
成の前処理として、フッ素ガス雰囲気中で生成したフッ
化膜を除去することにより、母材としてのアルミニウム
合金の表面を浄化および活性化させることが、母材と硬
化処理膜との間に強い密着性が得られる点で好ましい。
【0009】また、請求項2のように、硬化処理膜が、
硬質微粒子を複合共析させた複合ニッケルメッキ皮膜を
含む場合には、高い硬度を達成して優れた耐摩耗性を得
ることができる。ここで、複合ニッケルメッキ皮膜とし
ては、ニッケル−ホウ素あるいはニッケル−リンの金属
マトリックス中に、不溶性の硬質微粒子を複合共析させ
たものがある。不溶性の硬質微粒子としては、炭化ケイ
素の他、二酸化ケイ素、二酸化アルミニウム、二酸化セ
リウム、炭化タングステン、炭化チタン、窒化ホウ素、
窒化ケイ素があり、これらを1種または2種以上用いる
ことができる。さらに、固体潤滑性微粒子として、PT
FE(ポリテトラフルオロエチレン)、黒鉛、フッ化黒
鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステンまたは窒化
ホウ素を1種又は2種以上複合共析させても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態を添付
図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態
に係るギアポンプの断面図であり、図2は図1のII−II
線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。こ
れらの図を参照して、本ギアポンプは、その中央部を貫
通する長円形断面の空洞を有する本体筒10の両側を、
これの全面を覆う態様にねじ止めされた一対の蓋板11
により塞いで構成されたハウジング1を備えている。こ
のハウジング1の内部には、前記空洞部の両側から嵌挿
されたアルミニウム合金製の一対のサイドプレート12
同士の間にギア室14が区画されており、このギア室1
4内には、互いに対をなす駆動ギア3と従動ギア4が配
置されている。13は蓋板11とサイドプレート12と
の間に介在してギア室14を密封するためのOリングで
ある。
【0011】駆動ギア3および従動ギアの支軸30,4
0は、長円形断面を有するギア室14の両側の半円部の
軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設され
ている。すなわち、各サイドプレート12にそれぞれ一
対形成された支持孔31,41にそれぞれアルミニウム
合金製のブッシュ18が嵌め入れられ、支軸30,40
は、各ブッシュを介して各支持孔31,41により両持
ち支持されている。
【0012】一対の支持孔31によってブッシュ18を
介して支持された一方の支軸30は、一方の蓋板11を
貫通して外部に延長され、この延長端に伝達される図示
しないモータからの駆動力により回転駆動される駆動軸
を構成している。また、支軸30には、ギア室14の内
部において駆動ギア3が一体回転可能に装着されてい
る。支軸30が蓋板11を貫通する部分にはオイルシー
ル17が配置されている。
【0013】また、一対の支持孔41によってブッシュ
18を介して支持された他方の支軸40は、各サイドプ
レート12の支持孔41内に軸端を有する従動軸を構成
している。支軸40には、ギア室14の内部において従
動ギア4が装着されている。従動ギア4の支軸40への
装着では、軸回りの回転を拘束しても良いし軸回りの回
転を許容しても良い。従動ギア4は両支軸30,40の
軸心を含む平面内において駆動ギア3と噛み合い、支軸
30により駆動される駆動ギア3の回転に伴って、支軸
40と共に(或いは支軸40の回転を伴わずに)従動回
転するようにしてある。
【0014】図2には、駆動ギア3およびこれに連動す
る従動ギア4の回転方向が矢符により示してあり、両ギ
ア3,4の噛み合い位置を挟んだ両側には、前記回転方
向側に吸込口室5が、反回転方向側に吐出室6が形成さ
れている。これら吸込室5および吐出室6は、本体筒1
0の対応位置に開口する吸込口15および吐出口16を
介して、ハウジング1外の図示しない吸込先および吐出
先にそれぞれ接続されるようにしてある。
【0015】このような構成により、吸込口15を経て
吸込室5に導入される作動流体は、該吸込室5に臨む駆
動ギア3および従動ギア4の歯間に受け入れられ、両ギ
ア3,4の回転により、それぞれの歯間の本体筒10の
内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室6に
送り出される。吐出室6への送り出しを終えた駆動ギア
3と従動ギア4とは、両ギア3,4の噛み合い位置を経
て吸込室5側に向き、該吸込室5内の作動流体を再度受
け入れて吐出室6側へ送り出す作用をなす。
【0016】上記のサイドプレート12とブッシュ18
は同系のアルミニウム合金からなり、同系とは熱膨張係
数が略等しいことを意味する。また、ブッシュ18の内
周面18a(軸受面)には硬化処理膜が形成されてい
る。ブッシュ18の外周面に硬化処理膜が形成されてい
ないので圧入代を高くとった場合の膜の欠けや剥離を防
止できる。この硬化処理膜は、ギア3,4の側面との摺
接による摩耗防止のためにブッシュ18のギア側端面1
8bに硬化処理膜を形成しても良い。特に、サイドプレ
ート12の反ギア側側面に吐出室5側からの高圧を導い
て背圧を負荷する場合、ブッシュ18のギア側端面18
bがギア3,4の側面に強く摺接するので、ブッシュ1
8の端面の摩耗も問題となる。これに対して、ギア側端
面18bに硬化処理膜を形成していれば、耐摩耗性を向
上できる。さらに、図4に示すように、サイドプレート
12の反ギア側の支持孔31,41に大径段部100を
形成して、そこにブッシュ18を圧入嵌合しても良い。
この場合にはブッシュ18のギア側端面18bがギアに
直接摺接しないので、この部分の硬化処理膜を省略でき
る。なお、ブッシュ18の表面全体に硬化処理膜を形成
しても良い。
【0017】この硬化処理膜としては、素材の表面にフ
ッ化膜を形成した後、これを除去することで、表面を浄
化および活性化させる前処理を行い、その後、拡散浸透
処理、セラミック硬質被覆コーティング処理およびメッ
キ処理の何れかの表面硬化処理を行う。拡散浸透処理と
しては、窒化処理、ホウ化処理、浸炭処理等があり、セ
ラミック硬質被覆コーティング処理としては、PVD、
CVD、溶射処理等があり、メッキ処理としては、ニッ
ケルメッキ、クロムメッキ等がある。
【0018】上記の前処理によって、母材としてのアル
ミニウム合金の表面を浄化および活性化させることがで
き、その結果、母材と硬化処理膜との間に強い密着性を
得ることができる。特に好ましい硬化処理膜としては、
硬質微粒子を複合共析させた複合ニッケルメッキ皮膜が
ある。この場合、高い硬度を達成して優れた耐摩耗性を
得ることができるので、ポンプの耐久性を格段に向上で
きる。ここで、複合ニッケルメッキ皮膜としては、ニッ
ケル−ホウ素あるいはニッケル−リンの金属マトリック
ス中に、不溶性の硬質微粒子を複合共析させたものがあ
る。不溶性の硬質微粒子としては、炭化ケイ素の他、二
酸化ケイ素、二酸化アルミニウム、二酸化セリウム、炭
化タングステン、炭化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ素
があり、これらを1種または2種以上用いることができ
る。さらに、固体潤滑性微粒子として、PTFE、黒
鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ンまたは窒化ホウ素を1種又は2種以上複合共析させて
も良い。また、複合ニッケルメッキ皮膜の厚みとしては
10〜50μmの範囲が好ましく、その中でも20〜3
0μmの範囲がより好ましい。複合ニッケルメッキ皮膜
の表面硬度としては、Hv750〜1100(ビッカー
ス硬度)の範囲が好ましい。
【0019】本実施形態では、サイドプレート12とブ
ッシュ18を略等しい熱膨張を呈する同系のアルミニウ
ム合金としたので、高温時に両者12,18の嵌合隙間
から作動流体の漏れが増大するといったことがなく、高
温時のポンプ効率を高く維持でき、しかも軽量化を達成
できる。また、ブッシュ18の内周面に硬化処理膜を形
成してあるので、アルミニウム合金製でありながら耐摩
耗性を向上でき、優れた耐久性を達成できる。
【0020】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すこと
ができる。
【0021】
【実施例】アルミニウム合金材としてA2014を用
い、その表面に下記の硬化処理膜を生成した実施例1〜
4を作成し、表面硬度(ビッカース硬度)を測定すると
共に、プレッシャーショックの摩耗試験を実施したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。なお、各実施例の硬化処理
の前処理として、アルミニウム合金材の表面にフッ化膜
を生成した後、これを除去する処理を行った。
【0022】実施例1 ニッケル−リンの金属マトリックス中に硬質微粒子とし
て炭化ケイ素を複合共析させた無電解複合ニッケルメッ
キ皮膜を、アルミニウム合金材の表面に20μmの厚み
で形成した。実施例2 ニッケル−ホウ素の金属マトリックス中に硬質微粒子と
して炭化ケイ素を複合共析させた無電解複合ニッケルメ
ッキ皮膜を、アルミニウム合金材の表面に20μmの厚
みで形成した。
【0023】実施例3 アルミニウム合金材の表面に、ガス窒化処理膜からなる
硬化処理膜を10μmの厚みで形成した。実施例4 アルミニウム合金材の表面に、PVD法を用いて窒化ケ
イ素コーティング皮膜からなる硬化処理膜を10μmの
厚みで形成した。
【0024】実施例5 ニッケル−リンの金属マトリックス中に固体潤滑性微粒
子としてPTFEA分散させた無電解ニッケルメッキ皮
膜を、アルミニウム合金材の表面に20μmの厚みで形
成した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、各実施例とも高い硬度
と優れた耐久性を実現できた。
【0027】
【発明の効果】本発明では、サイドプレートとブッシュ
を略等しい熱膨張を呈する同系のアルミニウム合金とし
たので、高温時に両者の嵌合隙間から作動流体の漏れが
増大するといったことがない結果、高温時のポンプ効率
を高く維持でき、しかも軽量化を達成できる。また、ブ
ッシュの内周面に硬化処理膜を形成してあるので、アル
ミニウム合金製でありながら耐摩耗性を向上でき、優れ
た耐久性を達成できる。
【0028】また、上記硬化処理膜が、硬質微粒子を複
合共析させた複合ニッケルメッキ皮膜を含む場合には、
より高い耐摩耗性を達成でき、耐久性を格段に向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のギアポンプの断面図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図であり、ハッチン
グを省略してある。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】サイドプレートの支軸を受ける部分の変更形態
の断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 3 駆動ギア 4 従動ギア 5 吸込室 6 吐出室 12 サイドプレート 14 ギア室 18 ブッシュ 18a 内周面 18b ギア側端面 30,40 支軸 31,41 支持孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレ
    ートを嵌め合わせてギア室を区画し、このギア室の内部
    に、互いに噛み合う一対のギアを収容すると共に両ギア
    の噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室および吐出室
    を形成したギアポンプにおいて、 各ギアの支軸を、各サイドプレートの支持孔に嵌め入れ
    たブッシュを介して支持しており、 上記サイドプレートとブッシュは同系のアルミニウム合
    金からなり、ブッシュの少なくとも内周面には、硬化処
    理膜が形成されていることを特徴とするギアポンプ。
  2. 【請求項2】上記硬化処理膜は、硬質微粒子を複合共析
    させた複合ニッケルメッキ皮膜を含むことを特徴とする
    請求項1記載のギアポンプ。
JP29132996A 1996-11-01 1996-11-01 ギアポンプ Pending JPH10141245A (ja)

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