JPH10140746A - 瓦葺き施工方法及び施工用部品 - Google Patents

瓦葺き施工方法及び施工用部品

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JPH10140746A
JPH10140746A JP29509896A JP29509896A JPH10140746A JP H10140746 A JPH10140746 A JP H10140746A JP 29509896 A JP29509896 A JP 29509896A JP 29509896 A JP29509896 A JP 29509896A JP H10140746 A JPH10140746 A JP H10140746A
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JP
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tile
roof
construction
base plate
fixed
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JP29509896A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakagawa
茂 中川
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Original Assignee
Individual
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業に熟練が必要となり、作業効率が悪い等
の従来の土葺施工方法の課題を解決するとともに、自然
換気ができ瓦を強固に固定できる瓦葺き施工方法を提供
し、同時に軽量で作業の便宜を図れる施工用部品を提供
する。 【解決手段】 土の代替として台板104及び水止め板
108を使用するようにして、土を全く使用しないで、
のし瓦102及び冠瓦130を施工固定できるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屋根上に瓦を配列固
定していく瓦葺き施工方法及びその瓦葺き施工方法の実
施に直接使用する施工用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、風雨から家屋を守るために、
又は化粧材として、家屋等の屋根には、瓦が葺かれてい
る。従来から、この瓦葺き作業においては、瓦を固定す
るため、或いは空隙を埋めるために、土を用いた土葺施
工方法が採用されている。例えば、桟瓦の場合には、同
種類の桟瓦が配列されて土によって固定されることによ
り、瓦配列群が形成されている。
【0003】ここで、このような配列群同志が寄せ合わ
せられた寄せ棟部1を図23に示す。この寄せ棟部1
は、桟瓦2を配列施工して成る瓦配列群3と桟瓦4を配
列施工して成る瓦配列群5とが寄せ合わせられる部分で
ある。この寄せ棟部1には、家屋内に雨等が入り込むの
を防止するために、瓦配列群3及び瓦配列群5の上に棟
瓦6が複数枚施工され、他の瓦配列群8が構成されてい
る。
【0004】ここで、同図(b)に示すように、瓦配列
群3又は4と他の瓦配列群8との間には、空隙7が生じ
る。このため、従来は、雨等がこの空隙7から入り込む
のを防止するために、練り合わせた土を空隙7に埋め込
んで密封する土葺施工方法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような土
葺施工方法によれば、土を埋め込む作業が必要となるた
め、熟練者でなければ困難であった。このため、最近で
は土葺施工方法のできる作業者が不足し、人件費も増大
する等の課題が生じていた。また、土葺施工方法によれ
ば、土が乾燥して凝固するのを待たなければならず、瓦
葺き作業に時間がかかるという課題もあった。また、従
来の土葺施工方法によれば、土の重量が嵩むため、屋根
への負荷が大きいという課題もあった。また、従来の土
葺施工方法によれば、瓦の下の空隙等を土で密封してし
まうため、自然換気の面で課題が残っていた。さらに、
耐震、耐風及び耐久性を向上させる必要もある。
【0006】そこで、本発明者は、このような課題を解
決するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る瓦葺き施工
方法の要旨とするところは、屋根の上に台板を固定し、
該台板の上に釘、接着シート又は接着剤によってのし瓦
等の瓦を固定し、該瓦の上に更に台板を固定するように
して、台板及び瓦を交互に順次上方向へ固定していく瓦
葺き施工方法において、最下部に固定する台板の下部の
空隙を板状の施工用部品によって覆うことにある。
【0008】このような瓦葺き施工方法は、従来の土の
代替として台板を使用し、この台板及び瓦を交互に順次
上方向へ固定していく瓦葺き施工方法である。また、従
来の土の代替として板状の施工用部品を使用し、最下部
に固定するのし瓦等の瓦と、その下に既に施工されてい
る平瓦等との間の空隙を、板状の施工用部品によって覆
って、水等の侵入を防止するようにする瓦葺き施工方法
である。
【0009】このような瓦葺き施工方法は、台板の上
に、瓦を釘、接着シート又は接着剤によって接着固定し
ていくことにより、瓦の施工が可能である。このように
台板を使用するため、従来の土葺施工方法と異なり土を
全く使用しない施工方法であり、熟練者でない作業者で
も容易に施工することが可能となる。また、従来の土葺
施工方法と異なり、土が乾燥して凝固するのを待つ必要
がなくなる。また、本発明の施工用部品は、土と異なり
風圧に強い、防水性が高いため雨漏れが少なくなる、小
さい部品であり専用保管庫が不要になる等の利点もあ
る。また、従来の土葺施工方法と異なり土を全く使用し
ない施工方法であるため、屋根に負荷される荷重が少な
くなる。また、土によって空隙を密封しないため、自然
換気がなされる。さらに、瓦の固定状態も、従来の土葺
施工方法に比して、より強固なものとなる。
【0010】また、本発明に係る瓦葺き施工方法の要旨
とするところは、前記瓦葺き施工方法において、細棒状
の脚部が上方向へ向けられつつ板状の頭部が屋根上に密
着固定された施工用部品の脚部を前記台板に貫通しつ
つ、該台板を固定していくことにある。
【0011】このような瓦葺き施工方法は、前記施工用
部品の脚部を台板の孔又は切欠き等に貫通しつつ、台板
を固定し、この台板に、のし瓦を固定し、台板及び瓦を
交互に順次上方向へ固定していく瓦葺き施工方法であ
る。この固定具の頭部は釘等によって屋根に固定可能で
あるため、強力棟を屋根に打ち込んでおき、この強力棟
に土を介して、のし瓦を固定する従来の施工方法と異な
り、土が溶けて、のし瓦の固定状態が不安定になること
はない。また、本発明者によって案出された特願平6−
288785の締結治具と比しても、屋根の桟木から棟
木まで貫通させて比較的太い締結治具を打ち込む必要は
なく、細い釘を打ち込んでおくだけで施工用部品を屋根
上に固定することが可能である。
【0012】次に、本発明に係る施工用部品の要旨とす
るところは、板状の頭部と細棒状の脚部とからなり、該
脚部を上方向へ向けつつ頭部を屋根上に密着固定し得る
ことにある。
【0013】このような施工用部品は、板状の頭部を屋
根上に密着させて固定するため、固定状態が強固であ
る。また、釘等によって板状の頭部を屋根上に固定する
ため、固定作業が容易である。
【0014】また、本発明に係る瓦葺施工方法の要旨と
するところは、略同種類の瓦を配列施工して一の瓦配列
群を形成し、該一の瓦配列群の上に略同種類の瓦を該一
の瓦配列群に対して斜め方向に配列施工して他の瓦配列
群を形成する瓦葺き施工方法において、前記一の瓦配列
群上面の凹凸に対応可能な板状の施工用部品によって前
記空隙を覆うことにある。
【0015】このような瓦葺き施工方法は、一の瓦配列
群の上面の凹凸に対応しつつ空隙に板状の施工用部品を
固定して覆うことが可能となる。この水止め方法によっ
て一の瓦配列群の上面の凹凸に対応しつつ空隙を覆うこ
とが可能となるため、一の瓦配列群と他の瓦配列群との
間に生じる種々の形態の空隙に対応して、その空隙を覆
っていくことが可能となる。
【0016】また、本発明の施工用部品の要旨とすると
ころは、略同種類の瓦を配列施工して成る一の瓦配列群
と、該一の瓦配列群の上に配列施工された他の瓦配列群
との間に生じる空隙を、該他の瓦配列群の側部に沿って
覆って防水するための板状の施工用部品において、前記
一の瓦配列群と前記他の瓦配列群とが斜め方向に交差
し、該一の瓦配列群上面の凹凸に対応して前記空隙を覆
うことにある。
【0017】このような施工用部品は、接着剤、釘又は
接着テープ等によって、一の瓦配列群と他の瓦配列群と
の間に生じている空隙に固定される。施工用部品が空隙
に固定されることにより、空隙が施工用部品によって密
封される。空隙が施工用部品によって密封されることに
より、雨が空隙内から家屋内へ入り込むことが防止され
る。なお、施工用部品は、一本の施工用部品によって空
隙の全体に渡って覆っても良く、又はより短い複数本の
施工用部品を接続して覆っても良い。
【0018】また、本発明の施工用部品は、一の瓦配列
群と、その上に配列施工された他の瓦配列群とが斜め方
向に交差する場合であっても、一の瓦配列群の上面の凹
凸に対応しつつ空隙を覆うことが可能となる。一の瓦配
列群の上面の凹凸に対応しつつ空隙を覆うことが可能と
なるため、一の瓦配列群と他の瓦配列群との間に生じる
種々の形態の空隙に対応して、その空隙を覆っていくこ
とが可能となる。例えば、寄せ棟部においては、桟瓦か
ら成る一の瓦配列群同志が寄せ合わせられ、その寄せ合
わせた継ぎ目に沿って棟瓦から成る他の瓦配列群が施工
され、一の瓦配列群と他の瓦配列群との間に空隙が生じ
ることとなるが、一の瓦配列群の上面の凹凸に対応しつ
つこの空隙を覆うことが可能となる。
【0019】また、本発明に係る施工用部品の要旨とす
るところは、前記施工用部品において、弾性を有する発
砲樹脂から成ることにある。
【0020】ここで、発砲樹脂の原料は、弾性及び防水
性を有するものであれば、ポリエチレン、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリビ
ニルホルマール、酢酸繊維素、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂又はシリコン樹脂
等、特に限定されない。また、発砲樹脂は連続発砲のも
のでも、独立発砲のものでも良いが、独立発砲のものが
防水性が高いため、より好ましいと思われる。
【0021】このような施工用部品は、弾性を有する発
砲樹脂から成るため、ある程度弾性的に湾曲させたり伸
縮したりして、他の瓦配列群の上面に対応させつつ、空
隙に固定していくことが可能となる。また、発砲樹脂か
ら成るため、軽量であり作業が容易である、家屋にかか
る荷重が少なくて済む等の利点もある。
【0022】
【実施の形態】次に、本発明に係る瓦葺き施工方法及び
施工用部品の実施の形態について、図面に基づいて詳し
く説明する。
【0023】図1及び図2は、本発明に係る瓦葺き施工
方法を示す図である。この瓦葺き施工方法は、棟部の施
工方法において、屋根100上に配列された平瓦101
の上方向に、のし瓦102を複数枚重ね合わせつつ屋根
100に固定する瓦葺き施工方法であり、屋根100の
上に台板(施工用部品)104aを固定し、台板104
aの上に両面テープ(接着シート)105aによっての
し瓦102aを固定し、のし瓦102aの上に更に台板
(施工用部品)104bを固定するようにして、台板1
04及びのし瓦102を交互に順次上方向へ固定してい
く瓦葺き施工方法である。また、この瓦葺き施工方法
は、最下部に位置するのし瓦102aの下部の空隙10
6を面戸板(施工用部品)108によって覆うことも特
徴としている。また、上下方向に脚部116が延びるパ
ッキン付き金具(施工用部品)110を台板104の中
央部の孔112に貫通しつつ、台板104を固定してい
くことも特徴としている。
【0024】ここで、台板104の材質は、特に限定さ
れないが、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリビニルホルマー
ル、酢酸繊維素、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ユリア樹脂又はシリコン樹脂等の発泡樹脂で
あることが望ましい。また、面戸板108の材質は、発
砲樹脂、ゴム、繊維等、特に限定はされないが、耐水性
の高い材質であることが望ましい。例えば、発砲ポリエ
チレン等が望ましい。
【0025】この本発明の瓦葺き施工方法は、まず、パ
ッキン付き金具110が、その細棒状の脚部116を上
方向に向けた状態で、屋根100の頂上に釘114によ
って固定される。このパッキン付き金具110の個数は
特に限定されないが、台板104a一枚あたり3個程度
固定することが強度上好ましい。次に、このパッキン付
き金具110を覆うようにして、屋根100の頂上付近
にも平瓦101が配列固定される。
【0026】屋根100の頂上付近に平瓦101が配列
固定されると、台板104aの側端部の真下に相当する
位置に平瓦101の上面に帯状部材26が接着固定され
る。ここで、帯状部材26は、図4に示すように巻かれ
たものを適当な長さに切り、フィルム118を剥がして
接着剤の塗布された面を表出させることにより、その接
着面を平瓦101の上に接着できるようにされている。
なお、帯状部材26の材質は、発砲樹脂、ゴム、繊維
等、特に限定はされないが、耐水性の高い材質であるこ
とが望ましい。
【0027】次に、台板104aが、その孔112aに
パッキン付き金具110の脚部116を貫通させられつ
つ、帯状部材26の上に載置され、留め具122aが脚
部116に係止されて固定される。その後、面戸板10
8が帯状部材26に接するようにして釘120によって
台板104aの側面に固定される。なお、面戸板108
は釘120によって固定されるため、帯状部材26は特
に使用しなくても良い。帯状部材26を使用しない方
が、自然換気という面からは好ましい。ここで、面戸板
108の上部が台板104aより上へはみ出した場合に
は、はみ出た部分がカッターナイフ等によって切り取ら
れる。次に、台板104aの上面に両面テープ105a
が貼着され、両面テープ105aの上に、のし瓦102
aが接着され、さらに略鉛直方向にのし瓦102aから
台板104aへ釘が打たれて固定される。なお、この釘
の材質はステンレスであるが、鉄等以外の腐食し難い材
質であれば、特に限定されることはない。
【0028】のし瓦102aの上には、台板104bが
孔112bに脚部116を貫通させられつつ載置され、
脚部116に留め具122bが係止されて固定される。
この台板104b上面には、両面テープ105bが貼着
され、両面テープ105bの上に、のし瓦102bが接
着され、さらに略鉛直方向にのし瓦102bから台板1
04bへ釘が打たれて固定される。
【0029】のし瓦102bの上には、更に、台板10
4cが載置される。ここで、パッキン付き金具110の
脚部116の上部に設けられている孔126にはワイヤ
ー128が通されて結び付けられ、このワイヤー128
が台板104c上に置かれた鉄筋124cに結び付けら
れることにより、台板104cが固定される。この台板
104cの上面には、両面テープ105cが貼着され、
両面テープ105cの上に、のし瓦102cが接着さ
れ、さらに略鉛直方向にのし瓦102cから台板104
cへ釘が打たれて固定される。のし瓦102cの上には
台板104dが載置され、台板104cと同様に、鉄筋
124cにワイヤー128が結び付けられることにより
固定される。次に、台板104dの上には、冠瓦130
が載置され、ワイヤー128が冠瓦130の孔132に
結び付けられて、冠瓦130が固定される。
【0030】このようにして、台板104及びのし瓦1
02が交互に順次上方向へ固定されていき、棟部の瓦の
施工が完了する。なお、台板104及びのし瓦102の
数量は特に限定されず、外観や強度上の要望等に対応し
て変えても良い。また、ワイヤー128の材質は特に限
定されないが、耐久性や取り扱い易さの面から、銅線で
あることが望ましい。また、両面テープ105の代替と
して接着剤を使用しても良い。
【0031】このような本発明の瓦葺き施工方法によれ
ば、台板104の上に、のし瓦102を両面テープ10
5によって接着固定していくことにより、瓦の施工がで
きる。このため、従来の土葺施工方法と異なり、熟練者
でなくとも容易に施工することができる。また、土が乾
燥して凝固するのを待つ必要がなく、施工の効率化を図
ることができる。
【0032】また、従来の土葺施工方法と異なり土を全
く使用せず、土の代替として発泡樹脂製の台板104を
使用するため、屋根に負荷される荷重が少なくなる。こ
のため、家屋構造の強度も向上させることができる。ま
た、土によって空隙を密封しないため、自然換気がなさ
れる。このため、屋根部だけでなく家屋全体の自然換気
を図り、家屋の快適性を向上させることもできる。さら
に、台板104を使用することによって、のし瓦102
を固定するため、のし瓦102の固定状態も、従来の土
葺施工方法に比して、より強固なものとなる。例えば、
耐風性能試験として、のし瓦102の水平方向の引っ張
り荷重試験を行った結果、耐荷重の平均値は、840k
gf/mmであった。また、耐荷重の測定値の分布にお
いて、95%信頼信頼区間における下限値は486kg
f/mmであった。これらの測定値は、平成5年10月
5日建設省告示第1929号において公募された建設省
技術評価制度「中層建築物の耐風型勾配屋根」の要求す
る固定性能値である450kgf/mm(風速に換算し
て84m/s)よりも高い値である。
【0033】また、本発明の瓦葺き施工方法によれば、
最下部の台板104aと平瓦101との間の空隙106
を面戸板108によって覆うことができる。このため、
土によって覆う場合と異なり、土が溶けて密封状態が損
なわれることがなくなる。また、熟練者でなくとも、容
易に密封作業を行うことができる。
【0034】また、本発明の4葺き施工方法によれば、
パッキン付き金具110の脚部116を台板104の孔
112に貫通しつつ、台板104を固定し、この台板1
04に、のし瓦102を固定していくことができる。こ
のため、強力棟を屋根に打ち込んでおき、この強力棟に
土を介して、のし瓦を固定する従来の施工方法と異な
り、土が溶けて、のし瓦の固定状態が不安定になること
はなく、のし瓦を強固に固定することができる。また、
本発明者によって案出された特願平6−288785の
締結治具と比しても、屋根の桟木から棟木まで貫通させ
て比較的太い締結治具を打ち込む必要はなく、細い釘1
14を打ち込んでおくだけで屋根上に固定することがで
きる。このため、桟木及び棟木にかかる負担が少なくな
り、作業も容易になる。
【0035】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明に係る瓦葺き施工方法及び施工用部品はそ
の他の形態でも実施し得るものである。
【0036】例えば、上述の瓦葺き施工方法に使用する
帯状部材26は、図5に示す帯状部材134であっても
良い。この帯状部材134は、2枚のフィルム136及
び138を剥がすことにより、2面を接着面とすること
ができる。このため、平瓦101及び面戸板108の両
方に接着させることができる。このため、面戸板108
が帯状部材からずれることはなく、空隙106の密封を
より確実に行うことができる。
【0037】また、パッキン付き金具110の代替とし
て、図6に示す釘117を使用しても良い。この釘11
7は、屋根110に打ち込むとともに、結び付けられた
銅線119を鉄筋124に連結することにより、台板1
04等を固定できるように構成されている。このような
釘117を使用してもパッキン付き金具110を使用し
た場合と略同様の効果を生じることができる。
【0038】また、本発明の瓦葺き施工方法及び面戸板
は、図7及び図8に示すような瓦葺き施工方法及び面戸
板(施工用部品)148であっても良い。この瓦葺き施
工方法は、平行壁149の際部の施工方法において、ア
スファルト製の屋根140上に配列された平瓦141の
上方向に、のし瓦142を複数枚重ね合わせつつ屋根1
40に固定する瓦葺き施工方法であり、屋根140の上
に台板(施工用部品)144aを固定し、台板144a
の上に両面テープ(接着シート)145aによって、の
し瓦142aを接着し、略鉛直方向に釘を打つことによ
り固定し、のし瓦142aの上に更に台板(施工用部
品)144bを固定するようにして、台板144a、の
し瓦142a、台板144b、及びのし瓦142bを順
次上方向へ固定していく瓦葺き施工方法である。また、
この瓦葺き施工方法は、最下部に位置するのし瓦142
aの下部の空隙146を面戸板148によって覆うこと
も特徴としている。
【0039】ここで、この瓦葺き施工方法におけるのし
瓦142の固定方法は、図1及び図2に示す瓦葺き施工
方法におけるのし瓦102の固定方法と略同一である。
但し、平行壁149の際部の施工であるため、最上部に
は水を流して落とすための水切り板150及び鉄板15
2が取り付けられる。このような瓦葺き施工方法によっ
ても、従来の土葺施工方法と異なり、熟練者でなくとも
容易に施工することができる。また、土が乾燥して凝固
するのを待つ必要がなく、施工の効率化を図ることがで
きる。また、のし瓦142を強固かつ安定させて固定で
きるとともに、最下部に位置するのし瓦142aの下部
に生じる空隙を確実に密封できる。
【0040】また、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用
部品は、図9及び図11に示すような瓦葺き施工方法及
び面戸板(施工用部品)168であっても良い。この瓦
葺き施工方法は、壁に沿って水が流れ落ちるような流れ
壁169の際部の施工方法において、アスファルト製の
屋根160の上に台板(施工用部品)164aを固定
し、台板164aの上に両面テープ(接着シート)16
5aによってのし瓦162aを接着し、略鉛直方向に釘
を打つことにより固定し、のし瓦162aの上に更に台
板(施工用部品)164bを固定するようにして、台板
164a、のし瓦162a、台板164b、及びのし瓦
162bを順次上方向へ固定していく瓦葺き施工方法で
ある。また、この瓦葺き施工方法は、最下部に位置する
のし瓦162aの下部の空隙166を面戸板168によ
って覆うことも特徴としている。なお、この面戸板16
8は、図10に示すように、複数の瓦161に相当する
ように、複数の段を備えて構成されている。
【0041】ここで、この瓦葺き施工方法の手順は、図
7及び図8に示す瓦葺き施工方法の手順と略同一であ
る。なお、最上部には水を流して落とすための水切り板
170及び鉄板172が取り付けられる。但し、流れ壁
169に沿って水が流れるため、防水のためのシートが
アスファルト製の屋根160の上に敷かれる。また、瓦
161同志は、側端部付近同志を重ね合わせつつ屋根1
60上に並べる場合に限定されず、側端部同志を接続さ
せつつ並べても良い。このような瓦葺き施工方法によっ
ても、熟練者でなくとも容易に施工することができ、ま
た、土が乾燥して凝固するのを待つ必要がない。また、
のし瓦162を強固かつ安定させて固定できるととも
に、最下部に位置するのし瓦162aの下部に生じる空
隙を確実に密封できる。
【0042】次に、本発明の面戸板(施工用部品)は、
上述のような棟部等の場所に使用する場合には限定され
ず、軒先部に使用しても良い。例えば、図12に示すよ
うに、軒瓦174とアスファルト製の屋根176との間
の空隙178を面戸板(施工用部品)180によって覆
っても良い。なお、面戸板180は、図13に示すよう
に、複数の瓦174に対応できるように構成されてい
る。
【0043】ここで、屋根部材として、アスファルト製
のものを示したが、このアスファルト製の屋根は、その
他の場所でも使用されているものである。例えば、図1
4に示すように、ケラバ部においてもアスファルト製の
屋根182が使用されることがある。また、図15に示
すように、谷取合い部においても、アスファルト製の屋
根184が使用されることがあり、この場合には、屋根
184の上にシート186が敷かれる。
【0044】次に、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用
部品は、図16及び図17に示すような施工方法及び面
戸板(施工用部品)であっても良い。この面戸板(施工
用部品)10は、寄せ棟部11において、桟瓦12を配
列施工して成る一の瓦配列群14とその上に棟瓦16を
配列施工して成る他の瓦配列群18との間に生じる空隙
20を他の瓦配列群18に沿って覆って、又は桟瓦22
を配列施工して成る一の瓦配列群24と他の瓦配列群1
8との間に生じる空隙28を他の瓦配列群18の側部に
沿って覆うための面戸板であり、一の瓦配列群14又は
24と他の瓦配列群18とが斜め方向に交差し、他の瓦
配列群18上面の凹凸に対応して空隙20及び28を覆
うことを特徴とする面戸板である。
【0045】なお、この面戸板10の材質は、発砲樹
脂、ゴム、繊維等、特に限定はされないが、耐水性の高
い材質であることが望ましい。例えば、発砲ポリエチレ
ン等が望ましい。また、この面戸板10を他の瓦配列群
18の側部に沿って固定するために、面戸板10の下部
付近に固定しておく帯状部材26の材質も同様に、発砲
樹脂、ゴム、繊維等、特に限定はされないが、耐水性の
高い材質であることが望ましい。
【0046】このような面戸板10を使用した施工方法
は、まず、屋根13の頂上から略鉛直下方向に、銅線1
5を取り付けた釘17が打ち込まれる。次に、台板19
が桟瓦12及び桟瓦22の上に載置され、鉄筋21が台
板19上面の溝23内に沿って置かれ、鉄筋21に銅線
15が結び付けられる。台板19の側面には、面戸板1
0が接着されて釘によって固定される。ここで、面戸板
10の上端部が台板19の側面より上へはみ出る場合に
は、カッター等によってはみ出した部分が切断される。
次に、棟瓦16が台板19を覆うようにして載置され、
この棟瓦16の上に更に鉄筋29が置かれ、鉄筋21に
銅線15が結び付けられる。このようにして、棟瓦16
を固定する施工が行われる。
【0047】なお、台板19は、図18に示すように、
溝23を備えているが、図19に示すような溝を備えな
い台板27であっても良い。また、台板19の長さは、
凹部25が6個となる程度であるが、特に限定はされな
い。
【0048】このような面戸板10によれば、面戸板1
0を台板19へ固定することにより、空隙20及び28
を覆うことができる。このため、土葺施工方法によって
土を空隙20及び28へ埋め込む必要がなくなる。この
ため、熟練者でなくとも容易に空隙20及び28を覆う
作業を行える。また、土の練り合わせて持ち運んだり、
土が凝固するのを待ったりする必要がなく、作業の工期
を短縮することができる。さらに、土を練り合わせる場
所も不要となる。
【0049】また、面戸板10によれば、軽いため作業
が容易である、土と異なり風圧に強い、軽量であるため
家屋が地震に強くなる、耐水性が高く雨漏れが少なくな
る、土を練り合わせる必要がないため水を節約できると
ともに人件費を節約できる、小さい部品であり専用保管
庫が不要になる等の効果をも生じる。
【0050】次に、このような面戸板10によれば、一
の瓦配列群14又は24と、その上に配列施工された他
の瓦配列群18とが斜め方向に交差する場合であって
も、一の瓦配列群14又は24の上面の凹凸に対応しつ
つ空隙20及び28を覆うことができる。このため、一
の瓦配列群と他の瓦配列群との間に生じる種々の空隙に
対応して、その空隙を覆うことができる。
【0051】また、このような面戸板10を使用して空
隙20及び28を密封方法によれば、一の瓦配列群14
又は24の上面の凹凸に対応しつつ空隙20及び28に
面戸板10を接着して覆うことができる。このため、一
の瓦配列群と他の瓦配列群との間に生じる種々の空隙に
対応して、面戸板10を使用してその空隙を覆うことが
できる。
【0052】次に、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用
部品は、図20に示すような瓦葺き施工方法及び面戸板
(施工用部品)68であっても良い。この面戸板68
は、台板79との接触面からその裏側まで貫通する孔7
0と、桟瓦22との接触面からコの字状に貫通する孔7
2とを備えて構成されている。なお、孔70及び72の
形状及び寸法は特に限定されないが、接着剤を注入する
ための孔であるため、接着剤を充填できる程度であるこ
とが望ましい。
【0053】このような面戸板68は、まず、図20
(a)に示すように、その下面が桟瓦22の上面に当て
られつつ、その側面上部付近が台板79の側面29に当
てられて保持される。このように保持された状態で、面
戸板68から台板79へ略水平方向に釘77が打ち込ま
れる。更に、接着剤容器74の先端が孔70に当てら
れ、接着剤容器74が圧縮される。接着剤容器74が圧
縮されることにより、接着剤76が孔70内に注入され
る。接着剤76が孔70内に注入されて充填させられる
と、同様にして接着剤76が孔72内にも注入されて充
填させられる。接着剤76が孔70内に充填させられる
ことにより、図20(b)に示すように、接着剤76は
棟瓦16の側面29に接触し、接着剤76が孔72内に
充填させられることにより接着剤76は桟瓦22の上面
に接触することとなる。このような状態で乾燥させられ
ることにより、面戸板68が棟瓦16及び桟瓦22に固
定させられることとなる。なお、この接着剤74による
接着方法の他の施工方法は、図14に示す施工方法と同
様である。また、接着材76によらなくとも、釘77の
みによって面戸板68を台板79へ固定しても良い。但
し、釘77は最低限、使用する方が望ましい。
【0054】また、本発明に係る施工用部品を使用する
瓦は、上述の桟瓦12又は22のように曲面状の上面を
有するものに限定されず、平面状の上面を有するもので
あっても良い。図21に示す面戸板(施工用部品)78
は、桟瓦80の平面状の上面に対応しつつ棟瓦との空隙
を密封できる面戸板であり、下部の段が直線によって構
成されている。
【0055】また、本発明に係る施工用部品は、図22
に示すような面戸板(施工用部品)82であっても良
い。この面戸板82は、桟瓦の一枚分に対応できる程度
の長さに構成されており、複数枚連結して使用するよう
に構成されている。この面戸板82は、桟瓦の一枚ずつ
に対応して固定していくため、各瓦の厚さが多少異なっ
ていても、面戸板82同志をその高さ方向でずらすこと
ができ、面戸板82と桟瓦との間に空隙が生じてしまう
ことがない。
【0056】以上、本発明に係る瓦葺き施工方法及び施
工用部品の実施例について、図面に基づいて種々説明し
たが、図示したものに限定されることはない。
【0057】例えば、面戸板は、下面が桟瓦の上面に対
応するように斜め方向の面となるように構成された面戸
板であっても良い。このような面戸板によれば、側面の
上部付近を棟瓦の側面へ、下面を桟瓦の上面へ、それぞ
れ固定させて、空隙を覆うことができる。このため、帯
状部材を使用することなく、より容易に空隙を覆うこと
ができる。
【0058】また、下面が桟瓦の上面に対応するように
斜め方向に構成されているとともに、上面が棟瓦の下端
を嵌合し得る凹部を備えて構成された面戸板であっても
良い。このような面戸板によれば、棟瓦の下端を凹部に
嵌合しつつ、下部付近を桟瓦の上面に接着することによ
り、空隙に固定して覆うことができる。このため、面戸
板を棟瓦へ、より容易かつ強固に固定することが可能と
なる。
【0059】また、下面が桟瓦の上面に対応するように
斜め方向に構成されているとともに、上面が棟瓦の下面
に対応するように斜め方向に構成された面戸板であって
も良い。このような面戸板は、桟瓦の上面に帯状部材
が、棟瓦の下面に帯状部材がそれぞれ付着されて固定さ
れた後、面戸板が、棟瓦の下面及び帯状部材、並びに桟
瓦の上面及び帯状部材に接着されて固定される。このよ
うな面戸板及び面戸板を用いた水止め方法によれば、面
戸板が棟瓦の裏側に隠れるため、外観上好ましい。ま
た、一旦帯状部材を付着しておいた後、面戸板を接着す
るため、面戸板の固定が容易である。
【0060】また、棟瓦の下面及び桟瓦の上面に予め付
着してある嵌合部材に嵌合して固定できるように構成し
た面戸板であっても良い。なお、嵌合部材の嵌合凹部又
は面戸板に接着剤を塗布しておいた後、面戸板を嵌合し
て固定することが強度上好ましい。
【0061】次に、本発明の面戸板(施工用部品)を取
り付ける棟瓦は、上述の形態のものには限定されず、最
下部に面戸板を嵌合するための嵌合部を備えた棟瓦であ
っても良い。このような棟瓦を製造して使用することに
より、面戸板(施工用部品)を嵌合部に嵌合しつつ容易
に接着して固定することが可能となる。なお、棟瓦は、
製造の容易性を考慮すると、樹脂等から製造することが
望ましい。
【0062】また、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用
部品を使用する建築物は家屋に限定されることはなく、
寺院、店舗、講堂等であっても良い。また、本発明の瓦
葺き施工方法及び施工用部品を使用する屋根の形式は、
切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根、半切妻屋根等、特に
限定はされない。また、本発明の施工用部品は瓦に使用
することに限定されず、樹脂等からなる屋根部材に使用
しても良い。また、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用
部品を使用して施工する瓦の形状は特に限定されない。
例えば、冠瓦の場合、上述のような略半円形断面を有す
るものに限定されず、三角形断面を有するものや、その
他の矩形断面を有するものであっても良い。また、洋風
瓦において、本発明の瓦葺き施工方法及び施工用部品を
使用しても良い。また、一の瓦配列群及び他の瓦配列群
は桟瓦や棟瓦に限定されず、のし瓦等であっても良い。
【0063】また、面戸板(施工用部品)の固定方法
は、上述のように釘や接着剤を用いて行う方法に限定さ
れず、接着テープを用いて行う方法であっても良い。ま
た、一の瓦配列群と他の瓦配列群との交差角度は特に限
定されることはない。
【0064】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を
加えた態様で実施できるものである。
【0065】
【発明の効果】本発明の瓦葺き施工方法によれば、台板
の上に、のし瓦等の瓦を釘、接着シート又は接着剤によ
って接着固定していくことにより、土を全く使用しない
で瓦の施工ができる。このため、従来の土葺施工方法と
異なり、熟練者でなくとも容易に施工することができ
る。また、土が乾燥して凝固するのを待つ必要がなく、
施工の効率化を図ることができる。
【0066】また、従来の土葺施工方法と異なり土を全
く使用しないため、屋根に負荷される荷重が少なくな
る。このため、家屋構造の強度も向上させることができ
る。また、土によって空隙を密封しないため、自然換気
を行うことが可能となる。このため、屋根部だけでなく
家屋全体の自然換気を図り、家屋の快適性を向上させる
こともできる。さらに、台板を使用することによって、
瓦を固定する施工方法であるため、瓦の固定状態が、従
来の土葺施工方法に比して、より強固なものとなる。
【0067】また、本発明の瓦葺き施工方法によれば、
最下部の台板とその下の平瓦等との間の空隙を板状の施
工用部品によって覆うことができる。このため、土によ
って覆う場合と異なり、土が溶けて密封状態が損なわれ
ることがなくなる。また、熟練者でなくとも、容易に密
封作業を行うことができる。
【0068】また、細棒状の脚部が上方向へ向けられつ
つ板状の頭部が屋根上に密着固定された施工用部品の脚
部を台板に貫通しつつ、台板を固定していくことを特徴
とする前記瓦葺き施工方法によれば、この施工用部品の
脚部を台板の孔等に貫通しつつ、台板を固定し、この台
板に、のし瓦を固定していくことができる。このため、
強力棟を屋根に打ち込んでおき、この強力棟に土を介し
て、のし瓦を固定する従来の施工方法と異なり、土が溶
けて、のし瓦の固定状態が不安定になることはなく、の
し瓦を強固に固定することができる。また、本発明者に
よって案出された特願平6−288785の締結治具と
比しても、屋根の桟木から棟木まで貫通させて比較的太
い締結治具を打ち込む必要はなく、細い釘等を打ち込ん
でおくだけで屋根上に固定することができる。このた
め、桟木及び棟木にかかる負担が少なくなり、作業も容
易になる。
【0069】また、板状の頭部と細棒状の脚部とからな
り、脚部を上方向へ向けつつ頭部を屋根上に密着固定し
得ることを特徴とする本発明の施工用部品によれば、板
状の頭部を屋根上に密着させて固定できるため、強固に
固定することができる。このため、この脚部に固定する
台板及び台板に固定する瓦の固定状態を強固かつ安定な
ものとすることができる。また、比較的細い釘等によっ
て板状の頭部を屋根上に固定することができる。このた
め、固定作業に大きな力が必要となることはなく、固定
作業が容易である。
【0070】次に、略同種類の瓦を配列施工して一の瓦
配列群を形成し、一の瓦配列群の上に略同種類の瓦を一
の瓦配列群に対して斜め方向に配列施工して他の瓦配列
群を形成する瓦葺き施工方法において、一の瓦配列群上
面の凹凸に対応可能な板状の施工用部品によって空隙を
覆うことを特徴とする本発明の瓦葺き施工方法によれ
ば、一の瓦配列群の上面の凹凸に対応しつつ空隙に板状
の施工用部品を接着して覆うことができる。このため、
一の瓦配列群と他の瓦配列群との間に生じる種々の空隙
に対応しながら、施工用部品を使用してその空隙を覆っ
ていくことができる。
【0071】また、略同種類の瓦を配列施工して成る一
の瓦配列群と、一の瓦配列群の上に配列施工された他の
瓦配列群との間に生じる空隙を、他の瓦配列群の側部に
沿って覆って防水するための板状の施工用部品におい
て、一の瓦配列群と前記他の瓦配列群とが斜め方向に交
差し、一の瓦配列群上面の凹凸に対応して空隙を覆うこ
とを特徴とする本発明の施工用部品によれば、一の瓦配
列群と、その上に配列施工された他の瓦配列群とが斜め
方向に交差する場合であっても、一の瓦配列群の上面の
凹凸に対応しつつ空隙を覆うことができる。このため、
一の瓦配列群と他の瓦配列群との間に生じる種々の形態
の空隙に対応して、その空隙を覆うことができ、防水を
確実に行えるとともに、汎用性を高くすることができ
る。
【0072】また、弾性を有する発砲樹脂から成ること
を特徴とする前記施工用部品によれば、弾性を有する発
砲樹脂から成るため、ある程度弾性的に湾曲させたり伸
縮したりして、一の瓦配列群の上面に対応させつつ、空
隙に固定していくことができる。このため、固定作業を
容易に行うことができる。また、ある程度の瓦の歪み等
に対応しつつ空隙を覆っていくことができる。また、発
砲樹脂から成るため、軽量であり、家屋にかかる荷重が
少なくて済み、家屋の耐震性を強くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る瓦葺き施工方法及び施工用部品の
実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す瓦葺き施工方法及び施工用部品を示
す正面図である。
【図3】図1に示す施工用部品を示す斜視図である。
【図4】図1に示す帯状部材を示す斜視図である。
【図5】帯状部材の他の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明に係る瓦葺き施工方法及び施工用部品の
他の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る瓦葺き施工方法及び施工用部品の
更に他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示す瓦葺き施工方法及び施工用部品を示
す正面図である。
【図9】本発明に係る瓦葺き施工方法及び施工用部品の
更に他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】図9に示す施工用部品を示す斜視図である。
【図11】図9に示す瓦葺き施工方法及び施工用部品を
示す正面図である。
【図12】本発明に係る施工用部品の更に他の実施の形
態を示す側面図である。
【図13】図12に示した施工用部品を示す斜視図であ
る。
【図14】図12で示した施工用部品の他の実施の形態
を示す正面図である。
【図15】本発明に係る施工用部品の更に他の実施の形
態を示す側面図である。
【図16】本発明に係る施工用部品の実施の形態を示す
図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は使用状態
を示す平面図である。
【図17】図16に示す施工用部品の使用状態を示すA
−A線切断部断面端面図である。
【図18】図16に示す施工用部品を示す斜視図であ
る。
【図19】図16に示す施工用部品の他の実施の形態を
示す斜視図である。
【図20】本発明に係る施工用部品の更に他の実施の形
態を示す図であり、同図(a)は接着剤注入時の状態を
示す断面端面図、同図(b)は接着剤注入後の状態を示
す断面端面である。
【図21】本発明に係る施工用部品の更に他の実施の形
態を示す側面図である。
【図22】本発明に係る施工用部品の更に他の実施の形
態を示す斜視図である。
【図23】従来の軒瓦の使用状態を示す図であり、同図
(a)は平面図、同図(b)は側面図である。
【符号の説明】
100,140,160;屋根 101,141,161;平瓦 102a,102b,102c,142a,142b,
162a,162b;のし瓦 104a,104b,104c,144a,144b,
164a,164b;台板(施工用部品) 105a,105b,105c,145a,145b,
165a,165b;両面テープ(接着シート) 106,146,166,20,28;空隙 108,148,168,180,10,68,78,
82;面戸板(施工用部品) 110;頭部 116;パッキン付き金具(施工用部品) 130;冠瓦 11;寄せ棟部 12,22,45,80;桟瓦 14,24;一の瓦配列群 16;棟瓦 18;他の瓦配列群

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根の上に台板を固定し、該台板の上に
    釘、接着シート又は接着剤によってのし瓦等の瓦を固定
    し、該瓦の上に更に台板を固定するようにして、台板及
    び瓦を交互に順次上方向へ固定していく瓦葺き施工方法
    において、 最下部に固定する台板の下部の空隙を板状の施工用部品
    によって覆うことを特徴とする瓦葺き施工方法。
  2. 【請求項2】 細棒状の脚部が上方向へ向けられつつ板
    状の頭部が屋根上に密着固定された施工用部品の脚部を
    前記台板に貫通しつつ、該台板を固定していくことを特
    徴とする請求項1に記載する瓦葺き施工方法。
  3. 【請求項3】 板状の頭部と細棒状の脚部とからなり、
    該脚部を上方向へ向けつつ頭部を屋根上に密着固定し得
    ることを特徴とする施工用部品。
  4. 【請求項4】 略同種類の瓦を配列施工して一の瓦配列
    群を形成し、該一の瓦配列群の上に略同種類の瓦を該一
    の瓦配列群に対して斜め方向に配列施工して他の瓦配列
    群を形成する瓦葺き施工方法において、 前記一の瓦配列群上面の凹凸に対応可能な板状の施工用
    部品によって前記空隙を覆うことを特徴とする瓦葺き施
    工方法。
  5. 【請求項5】 略同種類の瓦を配列施工して成る一の瓦
    配列群と、該一の瓦配列群の上に配列施工された他の瓦
    配列群との間に生じる空隙を、該他の瓦配列群の側部に
    沿って密封して防水するための板状の施工用部品におい
    て、 前記一の瓦配列群と前記他の瓦配列群とが斜め方向に交
    差し、該一の瓦配列群上面の凹凸に対応して前記空隙を
    覆うことを特徴とする施工用部品。
  6. 【請求項6】 弾性を有する発砲樹脂から成ることを特
    徴とする請求項5に記載する施工用部品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016084590A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 株式会社トーコー 瓦用片流れ換気棟

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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