JPH10140180A - 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品 - Google Patents
油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品Info
- Publication number
- JPH10140180A JPH10140180A JP8307002A JP30700296A JPH10140180A JP H10140180 A JPH10140180 A JP H10140180A JP 8307002 A JP8307002 A JP 8307002A JP 30700296 A JP30700296 A JP 30700296A JP H10140180 A JPH10140180 A JP H10140180A
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- food
- fat
- solid fat
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- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 カレールー、ハヤシルー、シチュールー等と
して供される固形油脂食品にあって、ブルーミング耐性
に優れ、つまり長期間にわたりその表面の光沢を保ち、
商品価値を維持させることのできる食用固形油脂の結晶
調整剤、及びその固形油脂食品を提供する。 【解決手段】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成
分とすることを特徴とする食用固形油脂の結晶調整剤、
及びそれを用いた固形油脂食品。本発明の食用固形油脂
の結晶調整剤を、固形油脂食品に添加することにより、
ブルーミング耐性に優れ、長期間にわたりその表面の光
沢を保つことができる固形油脂食品を製造することが可
能となる。
して供される固形油脂食品にあって、ブルーミング耐性
に優れ、つまり長期間にわたりその表面の光沢を保ち、
商品価値を維持させることのできる食用固形油脂の結晶
調整剤、及びその固形油脂食品を提供する。 【解決手段】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成
分とすることを特徴とする食用固形油脂の結晶調整剤、
及びそれを用いた固形油脂食品。本発明の食用固形油脂
の結晶調整剤を、固形油脂食品に添加することにより、
ブルーミング耐性に優れ、長期間にわたりその表面の光
沢を保つことができる固形油脂食品を製造することが可
能となる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形油脂食品の表
面の光沢を経時的に維持し、色、艶が良好なカレール
ー、ハヤシルー、又はシチュールーなどの固形油脂食品
を製造することを目的とする食用固形油脂の結晶調整
剤、及びその特徴を有した固形油脂食品に関するもので
あり、更に詳しくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
有効成分とすることを特徴とする食用固形油脂の結晶調
整剤、及びそれを用いた固形油脂食品に関するものであ
る。
面の光沢を経時的に維持し、色、艶が良好なカレール
ー、ハヤシルー、又はシチュールーなどの固形油脂食品
を製造することを目的とする食用固形油脂の結晶調整
剤、及びその特徴を有した固形油脂食品に関するもので
あり、更に詳しくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
有効成分とすることを特徴とする食用固形油脂の結晶調
整剤、及びそれを用いた固形油脂食品に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】固形油脂食品は従来からの種々の物が開
発され、商品化されている。中でも、カレールー、ハヤ
シルー、シチュールー等は家庭においても頻繁に使用さ
れている。しかし、これらの固形油脂食品は本来、経時
的に表面の光沢が失われ、即ちブルーミングを起こす特
性があり、商品イメージを損ねることなどから、このよ
うな点を改良した固形油脂食品が要求されている。
発され、商品化されている。中でも、カレールー、ハヤ
シルー、シチュールー等は家庭においても頻繁に使用さ
れている。しかし、これらの固形油脂食品は本来、経時
的に表面の光沢が失われ、即ちブルーミングを起こす特
性があり、商品イメージを損ねることなどから、このよ
うな点を改良した固形油脂食品が要求されている。
【０００３】これら固形油脂食品の表面の光沢を維持す
るために、シュガーエステルを始めとする各種乳化剤の
添加による方法が試されてきたが、顕著な効果は発現さ
れていない。又、油脂の融点や油脂の添加量を上げる方
法があるが、固形油脂食品としての商品設計をする上
で、種々制約されるのが現状である。
るために、シュガーエステルを始めとする各種乳化剤の
添加による方法が試されてきたが、顕著な効果は発現さ
れていない。又、油脂の融点や油脂の添加量を上げる方
法があるが、固形油脂食品としての商品設計をする上
で、種々制約されるのが現状である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を解決する為、表面の光沢、色や艶の良好なブル
ーミング耐性に優れた固形油脂食品を経時的に維持する
ような食用固形油脂の結晶調整剤、及びその特徴を有す
る固形油脂食品を提案することである。
問題点を解決する為、表面の光沢、色や艶の良好なブル
ーミング耐性に優れた固形油脂食品を経時的に維持する
ような食用固形油脂の結晶調整剤、及びその特徴を有す
る固形油脂食品を提案することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点である固形油脂食品の品質改善に鋭意検討を重ねた
結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルに固形油脂食品の
品質改良効果があることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを必須成分とする、ブルーミング耐性にすぐれ、
長期間にわたって固形油脂食品の表面光沢を維持するよ
うな、食用固形油脂の結晶調整剤、及びその特徴を有す
る固形油脂食品に関するものである。
題点である固形油脂食品の品質改善に鋭意検討を重ねた
結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルに固形油脂食品の
品質改良効果があることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを必須成分とする、ブルーミング耐性にすぐれ、
長期間にわたって固形油脂食品の表面光沢を維持するよ
うな、食用固形油脂の結晶調整剤、及びその特徴を有す
る固形油脂食品に関するものである。
【０００６】本発明の食用固形油脂の結晶調整剤である
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの平均重
合度が４〜10であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルに
おける構成脂肪酸がステアリン酸、ベヘニン酸のうち１
種、又は２種の混合物で、その合計量が60％以上であ
り、脂肪酸のエステル化率が65％以上であるものが適し
ている。グリセリンの平均重合度が３以下であったり、
構成脂肪酸のうち、ステアリン酸及びベヘニン酸以外の
脂肪酸の合計が40％を越えていたり、又はそのエステル
化率が65％を越えない場合には、ブルーミング耐性を有
効に維持することができない。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの平均重
合度が４〜10であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルに
おける構成脂肪酸がステアリン酸、ベヘニン酸のうち１
種、又は２種の混合物で、その合計量が60％以上であ
り、脂肪酸のエステル化率が65％以上であるものが適し
ている。グリセリンの平均重合度が３以下であったり、
構成脂肪酸のうち、ステアリン酸及びベヘニン酸以外の
脂肪酸の合計が40％を越えていたり、又はそのエステル
化率が65％を越えない場合には、ブルーミング耐性を有
効に維持することができない。
【０００７】本発明の食用固形油脂の結晶調整剤である
グリセリン脂肪酸エステルは固形油脂食品に対して0.01
〜10重量％、好ましくは 0.1〜３重量％添加することが
望ましい。乳化剤の添加量が0.01重量％以下ではブルー
ミング耐性を維持することができず、10重量％以上では
乳化剤の味が出現し、風味上好ましくない。又、上記配
合を満たしている限り、他の食品用乳化剤（例えば、そ
の他グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エスエ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エスエル、レシチン等）と併用しても構わない。
グリセリン脂肪酸エステルは固形油脂食品に対して0.01
〜10重量％、好ましくは 0.1〜３重量％添加することが
望ましい。乳化剤の添加量が0.01重量％以下ではブルー
ミング耐性を維持することができず、10重量％以上では
乳化剤の味が出現し、風味上好ましくない。又、上記配
合を満たしている限り、他の食品用乳化剤（例えば、そ
の他グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エスエ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エスエル、レシチン等）と併用しても構わない。
【０００８】本発明における食用固形油脂の結晶調整剤
は、主としてカレールー、ハヤシルー、シチュールーな
どの固形油脂食品を対象とするものであるが、食用油脂
としては、食用牛脂、豚脂や大豆油、綿実油、パーム
油、ヤシ油等の動植物性油脂、及びそれらの分別油、エ
ステル交換油、硬化油等を１種又は２種以上混合したも
のの食用油脂が使用できる。、また、固形油脂食品は食
用油脂の他、小麦粉、澱粉などの粉体食材、砂糖、塩等
の調味料から構成され、これに必須成分からなる乳化剤
や香辛料を添加し、更に必要に応じて蛋白質、ビタミン
類等や他の添加剤を加えてなるものである。以下、本発
明について実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明す
る。
は、主としてカレールー、ハヤシルー、シチュールーな
どの固形油脂食品を対象とするものであるが、食用油脂
としては、食用牛脂、豚脂や大豆油、綿実油、パーム
油、ヤシ油等の動植物性油脂、及びそれらの分別油、エ
ステル交換油、硬化油等を１種又は２種以上混合したも
のの食用油脂が使用できる。、また、固形油脂食品は食
用油脂の他、小麦粉、澱粉などの粉体食材、砂糖、塩等
の調味料から構成され、これに必須成分からなる乳化剤
や香辛料を添加し、更に必要に応じて蛋白質、ビタミン
類等や他の添加剤を加えてなるものである。以下、本発
明について実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明す
る。
【０００９】
【実施例】実施例１〜２，及び比較例１〜４ 下記に示す配合割合からなる諸材料を使用して、常法に
よりカレールーを製造した。
よりカレールーを製造した。
【００１０】
【表１】
【００１１】実施例１ 平均重合度 ４ エステル化率 90％以上 ベヘニン酸 85％以上実施例２ 平均重合度 10 エステル化率 70％以上 ステアリン酸 70％以上比較例１ 乳化剤なし比較例２ シュガーエステル比較例３ 平均重合度 ６ エステル化率 20％以下 ラウリン酸 90％以上比較例４ 平均重合度 ６ エステル化率 60％以下 ステアリン酸 70％以上
【００１２】各実施例１，２及び比較例１〜４により製
造したカレールーをそれぞれシャーレに充填し、40℃の
条件下で２週間保存後、15℃で保管した。その結果を表
２に示した。
造したカレールーをそれぞれシャーレに充填し、40℃の
条件下で２週間保存後、15℃で保管した。その結果を表
２に示した。
【００１３】
【表２】
【００１４】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係わる食用
固形油脂の結晶調整剤を固形油脂食品に添加することに
よって、長期間にわたりその表面の光沢を有し、ブルー
ミング耐性に優れた固形油脂食品を製造することが可能
となる。
固形油脂の結晶調整剤を固形油脂食品に添加することに
よって、長期間にわたりその表面の光沢を有し、ブルー
ミング耐性に優れた固形油脂食品を製造することが可能
となる。
Claims (5)
- 【請求項１】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成
分とすることを特徴とする食用固形油脂の結晶調整剤。 - 【請求項２】 ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけ
る、グリセリンの平均重合度が４〜10であることを特徴
とする請求項１記載の食用固形油脂の結晶調整剤。 - 【請求項３】 ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける
構成脂肪酸が、ステアリン酸、ベヘニン酸のうちの１
種、又は２種の混合物で、その合計量が60％以上であ
り、脂肪酸のエステル化率が65％以上であることを特徴
とする請求項１または２記載の食用固形油脂の結晶調整
剤。 - 【請求項４】 固形油脂食品に対して、ポリグリセリン
脂肪酸エステルを0.01〜10重量％、好ましくは 0.1〜３
重量％含有することを特徴とする固形油脂食品。 - 【請求項５】 対象の固形油脂食品がカレールー、ハヤ
シルー、又はシチュールーであり、主成分の食用油脂、
粉体食材、調味料のほかに、必要に応じて蛋白質、ビタ
ミン類等を含有するものであることを特徴とする請求項
４記載の固形油脂食品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8307002A JPH10140180A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8307002A JPH10140180A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10140180A true JPH10140180A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17963840
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8307002A Withdrawn JPH10140180A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10140180A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001069912A (ja) * | 1999-08-31 | 2001-03-21 | Mitsubishi-Kagaku Foods Corp | 油脂の増粘剤および増粘油脂組成物 |
| JP2003219844A (ja) * | 2002-01-31 | 2003-08-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品 |
| JP2003277787A (ja) * | 2002-03-27 | 2003-10-02 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂組成物の製造方法 |
| JP2005054092A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 油脂の染み出し抑制剤 |
| JP2007325540A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Riken Vitamin Co Ltd | 油脂含有即席加工食品 |
| JP2010252758A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Mitsubishi-Kagaku Foods Corp | 食品組成物 |
| KR101159890B1 (ko) | 2008-12-22 | 2012-06-25 | 주식회사 삼양웰푸드 | 분말 유지 조성물 |
| JPWO2020218315A1 (ja) * | 2019-04-25 | 2021-12-09 | 阪本薬品工業株式会社 | 油脂の結晶化促進剤 |
| WO2024022134A1 (en) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | Cargill, Incorporated | Frying oil |
-
1996
- 1996-11-01 JP JP8307002A patent/JPH10140180A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001069912A (ja) * | 1999-08-31 | 2001-03-21 | Mitsubishi-Kagaku Foods Corp | 油脂の増粘剤および増粘油脂組成物 |
| JP2003219844A (ja) * | 2002-01-31 | 2003-08-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品 |
| JP2003277787A (ja) * | 2002-03-27 | 2003-10-02 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂組成物の製造方法 |
| JP2005054092A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 油脂の染み出し抑制剤 |
| JP2007325540A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Riken Vitamin Co Ltd | 油脂含有即席加工食品 |
| KR101159890B1 (ko) | 2008-12-22 | 2012-06-25 | 주식회사 삼양웰푸드 | 분말 유지 조성물 |
| JP2010252758A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Mitsubishi-Kagaku Foods Corp | 食品組成物 |
| JPWO2020218315A1 (ja) * | 2019-04-25 | 2021-12-09 | 阪本薬品工業株式会社 | 油脂の結晶化促進剤 |
| WO2024022134A1 (en) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | Cargill, Incorporated | Frying oil |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040106 |