JPH10140051A - 塗料用顔料及びその製造方法並びにこれを用いた塗料の製造方法 - Google Patents

塗料用顔料及びその製造方法並びにこれを用いた塗料の製造方法

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JPH10140051A
JPH10140051A JP8295308A JP29530896A JPH10140051A JP H10140051 A JPH10140051 A JP H10140051A JP 8295308 A JP8295308 A JP 8295308A JP 29530896 A JP29530896 A JP 29530896A JP H10140051 A JPH10140051 A JP H10140051A
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carbon black
paint
pigment
coating
resin
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JP8295308A
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Michihiro Ikeda
道弘 池田
Tadashi Hashiguchi
正 橋口
Yutaka Fukuyama
裕 福山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/44Carbon
    • C09C1/48Carbon black
    • C09C1/56Treatment of carbon black ; Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/60Particles characterised by their size
    • C01P2004/64Nanometer sized, i.e. from 1-100 nanometer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/19Oil-absorption capacity, e.g. DBP values

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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料用顔料の基本特性を損なうことなく、コン
パクト性に優れ、取り扱いに適した塗料用顔料を得る。 【解決手段】 被覆されたカーボンブラック加圧成型体
からなる塗料用顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
からなる塗料用顔料、及びこれを顔料として用いた塗料
の製造方法に関する。カーボンブラックを型に充填し、
特定の圧力で加圧成型して得られた成型体を顔料として
用いて塗料を製造することにより、得られた塗料は黒色
度、光沢、着色力を大幅に向上することができる。ま
た、該顔料は、輸送・貯蔵コストが大幅に削減でき、し
かも使用時の環境汚染を大きく低減できるものである。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックを使用した黒色塗料の応
用特性として、黒色度、色調、粘度・流動性、分散性等
がある。黒色塗料はこれらの特性をバランス良く具備し
たものでなければならない。これらの性質の中で黒色度
は特に重要である。例えばカーボンブラック便覧には、
『カーボンブラックが黒色顔料として塗料に使用される
限り、最も重要な特性はその色に有り、塗膜の黒みが深
く漆黒感のあるものが望ましい。』(カーボンブラック
便覧第3版 P.580 カーボンブラック協会発行)と記
載されている。このように、黒色度の改良は重要であ
り、従来より様々な試みが行われている。例えばカーボ
ンブラックの粒子径を小さくしたり、凝集体を小さくす
る(低ストラクチャー・低DBP吸油量化)といったカ
ーボンブラック自体の構造を制御する試みがある。しか
し、『粒子径が20nmよりも小さくなれば着色力(白
色顔料にカーボンブラックを混ぜて、これを黒くする能
力をいい、できるだけ少量で着色できるものが望まし
い)が低下する』(カーボンブラック便覧第3版 P.58
2 カーボンブラック協会発行)とされている。また、
カーボンブラックのpHを低くしたり、カーボンブラッ
クの表面に付着した揮発成分を多くするといったカーボ
ンブラックの表面性状を調整する試みもある。
【0003】一般的にカーボンブラックの造粒品やフレ
ーク品が未造粒品に比べて黒色度が高くなることは従来
より知られていたが、その造粒の度合い、例えば粒子の
密度や硬さ等を制御する技術は存在せず、またこれらの
ファクターと塗料化して発現される黒色度等特性との関
係も明らかではなかった。一方、カーボンブラックの使
用全般に関する問題点として、カーボンブラックの嵩密
度が低いことから輸送・貯蔵に要する経費が高くなるこ
と、及びカーボンブラックの取扱いに際して発生する粉
塵による環境汚染が非常に大きな問題であった。これに
対し従来より、カーボンブラックを造粒して、顆粒状
(フレーク状を含む)とすることにより嵩密度を上げて
対処することが試みられている。しかしながら、例えば
一般的な造粒方法である乾式造粒、あるいは湿式造粒に
より得られる造粒品は嵩密度が0.3〜0.5cc/g
と未処理のカーボンブラックに比較すればかなり嵩密度
が高いものの、輸送・使用時等の粉化、粉塵発生の抑制
は未だ十分とは言えない。しかも、造粒によって塗料使
用した際にビヒクルであるワニス・樹脂等への分散性が
低下するため造粒品は使用できない場合がある。これに
関して本発明者らの知見によれば、造粒品はその造粒工
程において、長いストラクチャーが相互に絡まりながら
造粒されるため、分散性が劣るものとなることも考えら
れる。ローラーコンパクタ等によりカーボンブラックを
圧縮して得られるフレーク状の造粒品においても、使用
時等の粉化、粉立ちの抑制は十分ではなく、またカーボ
ンブラック造粒物間の空隙が40〜50%程度残留する
ことは避けられず、造粒物自体の密度を高くしても見か
けの嵩密度を上げることは困難であった。
【0004】このように、カーボンブラック、特に小粒
径とすることができるファーネスブラックのハンドリン
グ性すなわち取り扱いの容易さと、ビヒクルへの分散性
は、二律背反関係にあり、ハンドリング性と分散性とを
同時に解決することは、極めて困難であると考えられて
きた。例えば、カーボンブラック協会編「カーボンブラ
ック便覧<第三版>」(P.563)には、『汚染が少
なくハンドリング性の優れるカーボンブラック、インキ
の生産や品質を更に向上させる為の易分散性カーボンブ
ラックの開発が大きなニーズとなって来るものと考えら
れる。カーボンブラックのハンドリング性と分散性は二
律背反関係にあり、界面化学やレオロジー、カーボンブ
ラック形態や包装、出荷形態等の垣根を越えた改善が必
要である。』と記載されていることからも判るように、
カーボンブラック業界において、ハンドリング性と分散
性を同時に解決することは極めて困難であると広く認識
されており、従来から様々な提案がなされているが、こ
の2つの問題を同時に解決した例は無い。
【0005】以上説明したように、顔料であるカーボン
ブラック自体のハンドリング性及び塗料として用いた際
のビヒクルへの分散性を同時に満足することは、極めて
困難であると考えられてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねたところ、カーボンブラック
を加圧して成型して得られた加圧成型体を包装して塗料
用顔料として用いることにより、得られる塗料における
黒色度、光沢等の特性が向上し、しかも顔料であるカー
ボンブラックの加圧成型も高価な処理も必要とせず上記
ハンドリング性及び分散性を同時に解決すること、また
かかる顔料は汎用性が高く、使用も容易であること、特
にカーボンブラック成型体を塗料に混和する材料にて被
覆することにより、カーボンブラック使用において問題
となっている環境汚染の問題も解決できることを見出
し、本発明に到達した。即ち本発明は、被覆されたカー
ボンブラック加圧成型体からなる塗料用顔料、及びかか
る顔料を用いることを特徴とする塗料の製造方法に存す
る。
【0007】更に、本発明の塗料用顔料であるカーボン
ブラック加圧成型体を従来より使用されてきた製品形態
である未造粒品や乾式造粒品、湿式造粒品、油添加造粒
品等を用いて製造し、その成型体の密度を成型前の嵩密
度の約1.8〜3.2倍とした場合でも、分散性や光沢
が低下しないことをも、本発明者らの更なる検討により
明らかとなった。従って、分散性等を犠牲とすることな
く嵩密度を十分に上げることができるので、顔料である
カーボンブラックの輸送・貯蔵等に要する経費が大幅に
削減できる。また、顔料であるカーボンブラックの取扱
い時の粉化、粉塵発生を防止でき、環境汚染の問題も解
決できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明においては、カーボンブラックを加圧成型
して加圧成型体とする。加圧成型に供されるカーボンブ
ラックとしては、従来より顔料用として用いられている
ものを制限なく使用することができ、例えばファーネス
法で製造したカーボンブラック、アセチレンブラック、
ランプブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラッ
ク、等が挙げられる。これら種々のカーボンブラックを
目的とする塗料の特性に応じて適宜選択すれば良い。例
えば導電性塗料を目的とする場合はケッチェンブラック
が好適に用いられる。
【0009】なお上記の各カーボンブラックのうち特
に、ファーネス法で製造したファーネスブラックを用い
た場合、その分散性の保持に極めて顕著な効果を発揮す
る。更に、得られる塗料の黒色度、光沢向上の効果も大
きなものとなる。また、これら各種のカーボンブラック
を各種の酸化剤等で後処理したものを使用することもで
きる。これら各種のカーボンブラックの粉末状、顆粒状
のものを特に制限なく使用することができる。この場合
の顆粒状のものとしては、通常の湿式造粒、乾式造粒で
得られる造粒物の他、例えば特開平2−142858号
公報、特開平3−193129号公報に記載されている
ようにローラーコンパクタ等を用いて得られるフレーク
状カーボンブラックでもよい。
【0010】カーボンブラックの粒子径は、特に制限さ
れないが、特に1〜60nm、就中1〜50nmの小粒
子径の範囲で分散性、ハンドリング性向上の効果が高
く、また塗料の黒色度、光沢の向上にも高い効果を発揮
する。かかる範囲の微細な粒子径を有するカーボンブラ
ックは、カーボンブラック同士の凝集性が強く、塗料を
製造する際に分散が特に困難であった。これらの分散が
困難なカーボンブラック程、本技術の利点が大いに発揮
できるという利点も挙げられる。カーボンブラックの基
本特性、特に粒子径とDBP吸油量の選択は、目的とす
る塗料の特性に応じて適宜選択すればよく、一般に粒子
径1〜80nm、DBP吸油量40〜150ml/10
0g程度である。高黒度を要する塗料を目的とする場合
には粒子径10〜20nm、DBP吸収油量40〜12
0ml/100gが適当である。汎用の黒色塗料には粒
子径20〜30nm、DBP吸油量50〜150ml/
100gが適当である。また、本発明の塗料用顔料は黒
色塗料以外にもいわゆる調色用途にも勿論用いることが
でき、この場合には粒子径30〜80nm、DBP吸油
量50〜150ml/100g程度が適当である。
【0011】本発明においては、これらカーボンブラッ
クを加圧して成型する。この際使用する型としては、成
型時の印加圧力に耐えうる強度を有していれば如何なる
材質の型でもよい。例えば金属製の型としてはSUS3
04、SUS316等のステンレス製金型、炭素鋼製金
型、タングステンカーバイド等の超鋼等が使用できる。
又、樹脂製型としては、ポリ四フッ化エチレン(PTF
E)(商標:「テフロン」)、ポリ三フッ化塩化エチレ
ン(PCTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プ
ロピレン(FEP)等のフッ素系樹脂製型、ナイロン、
ポリエチレン、ポリカーボネイト、フェノール樹脂等の
プラスチック類、更に複合材料としてCFRP、GFR
P等のFRP、セラミックス製型としては、アルミナ、
ジルコニア、ムライト等が使用挙げられる。成型に用い
る型を、摺動可能なものとすることにより、加圧成型を
容易に行うことができる。
【0012】型の大きさは制限されないが、実用的には
1cc以上、好ましくは100cc以上のものが挙げら
れる。1cc未満では輸送が煩雑となるためである。ま
た、必要に応じて、大型の成型体を作製し、これを適当
な大きさに切断し、その集合体として輸送・使用しても
よい。得られる成型体が1cc以上となるべく成型する
のが好ましい。なお、目的、使用状況に応じた成型体の
形状とするべく、各種形状の型を用いることができる。
例えば、大量を積載するのに適した角柱状の他、転がり
性、使用時の釜への投入の容易さを考慮した円柱状、ビ
ヒクルへの分散性を考慮して孔、切れ目等を入れてあっ
てもよい。
【0013】カーボンブラック成型体の形状を多角形の
断面を有する柱状体、特に直方体或いは立方体とすれ
ば、カーボンブラックを輸送するトラックや貨車或いは
倉庫が一般的に直方体であることから、これらの空間を
隙間無くカーボンブラック成型体で充填できるため、輸
送コストや倉庫保管費用の削減には特に好ましい。加圧
に使用するプレス機としては、油圧機械式プレス機、油
圧ハンドプレス機、機械式プレス機、エアーシリンダー
式プレス機等、加圧成型できるものであれば如何なるプ
レス成型機でもよい。
【0014】カーボンブラックを上述の型に入れ、加圧
することにより成型する。加圧成型時の圧力(成型圧
力)は、1〜500Kgf/cm2 、好ましくは2〜500Kg
f/cm2、特に好ましくは5〜400Kgf/cm2とするのがよ
い。成型圧力が1Kgf/cm2を下回ると、コンパクト性が
低下、粉化率が増加する傾向にある。一方、成型圧力が
500Kgf/cm2よりも高い場合、通常の塗料等の製造時
に使用される分散機では、分散性が十分でないことがあ
る。一方、これ以上圧力を高くしてもコンパクト性向上
の効果は殆ど得ることができない。このため、塗料を工
業的に製造する際に顔料として使用するカーボンブラッ
ク成型体としては、1〜500Kgf/cm2 で加圧成型する
のが適当である。なお、加圧成型に際しては、予めカー
ボンブラック粒子間の気体を減圧チャンバーを用いて脱
気した後、加圧成型する態様を採ることもできる。例え
ば図1に示す装置を用いて説明すると、以下の如き方法
を採ることができる。
【0015】まず、図1に本発明に用いることのできる
成型機及び一連の成型操作(充填・真空脱気・加圧・終
了)を示す。ここで図1中、1は油圧シリンダ(上)、
2はシリンダー、3は真空チャンバー、4は上パンチ、
5は下パンチ、6はダイ、7は油圧シリンダ(下)であ
る。図1に示すように、摺動可能なシリンダーとピスト
ンとを有する型に、成型しようとする原料であるカーボ
ンブラック粉末を充填する。シリンダー上部にセットし
た真空チャンバー内及びシリンダー内はガスケット材に
よりその外部と実質的に遮断される。次に、真空チャン
バーに接続した真空ポンプを機動させて真空状態を保持
したまま、ピストンを下降させシリンダー内のカーボン
ブラックを加圧成型する。その後、真空ポンプの運転を
停止し、チャンバー及びシリンダー内の雰囲気圧力を大
気圧に戻す。その後、真空チャンバーとピストンを上昇
させてカーボンブラック成型体を取り出すことにより、
減圧チャンバーによるカーボンブラック粒子間の気体の
脱気及びこれに引き続くカーボンブラックの加圧成型を
行うことができる。
【0016】この際、減圧時の圧力は、0.01〜50
0Torrで行うのが好ましい。500Torr以下に
おいて、粒子間の脱気が非常に容易であり、一方0.0
1Torr以下としても格別の優位性を示すことなく、
高真空にする煩雑性が増すのみであるためである。得ら
れる成型体の密度を、用いるカーボンブラックのDBP
吸油量及び粒子径に対して以下の関係にある範囲とする
のが望ましい。
【0017】すなわち、密度ρ(g/cc)を、 ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+
0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
1.173 以下、とするのがよい。
【0018】より好ましくは、 ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+
0.543 以上、 ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+
1.072 以下、が特によい。
【0019】上記の各式において、D(nm)はカーボ
ンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径、L(m
l/100g)とする)はDBP吸油量である。ここ
で、DBP吸油量は、JIS K6221−1982に
準拠した方法で測定した値である。また、カーボンブラ
ックの粒子径は、以下に示す方法による測定値である。
カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHz
の超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支
持膜に固定する。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影
し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算
する。この操作を約1500回にわたって実施し、それ
らの値の算術平均により求める。
【0020】密度を上記の範囲とした場合、ビヒクルへ
の分散性等カーボンブラックの基本特性を損なうことな
く、取り扱い性に優れた成型体とすることができる。更
に、塗料等に用いた際の漆黒度が原料粉末に比べ、向上
させることができるという、意外な効果をも発揮する。
これらの効果は、上記のより好ましい範囲として記載し
た範囲において、特に顕著に発現される。すなわち、密
度が上記範囲より小さい場合にはハンドリング性、粉立
ち防止効果がに劣る傾向にある。一方、密度が上記範囲
より大きい場合には、ハンドリング性、粉立ち防止効果
が更に向上する割合は少なく、またビヒクルへの分散性
も低下する傾向にある。
【0021】なお、本発明の塗料用顔料であるカーボン
ブラック成型体は、粉化率が40%以下、より好ましく
は20%以下としたものが特に好ましい。粉化率は、以
下に説明する測定方法で求めるものである。すなわち、
カーボンブラック加圧成型体を25±1g(W)迄精秤
し、JISK−6221に準拠した直径200mm、目
開き1mmの篩に入れる。この篩に受け皿と蓋を取り付
け、JIS K−6221に準拠した振とう機で20秒
間打撃を与えながら振とうする。振とう機から受け皿を
取り外し、受け皿中のカーボンブラックの重量を0.0
1g迄精秤し、これを振とう後の重量(WR)とし、次式
によって求めた値である。 粉化率(%) = (WR/W)×100 粉化率を40%以下とすることにより、輸送中に成型体
に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を防止でき、ハ
ンドリング性が特に優れたものとなる。
【0022】また、加圧成型に供される粉状又は顆粒状
カーボンブラツクの嵩密度とカーボンブラツク成型体の
密度との比(以下、「嵩密度比」ともいう。)が2.5
〜8倍、より好ましくは3〜7倍とするのが良い。この
嵩密度比が2.5よりも低い場合、成型体のコンパクト
性が低下する傾向にある。また、成型体の強度も劣るこ
とがある。一方、嵩密度比が8を超えると、分散性が低
下する傾向にある。嵩密度比が2.5以上8以下とすれ
ば、コンパクト性とワニスへの分散性とが同時に極めて
好ましい範囲で満足される。
【0023】こうして得られたカーボンブラック加圧成
型体をさらに被覆することにより、本発明の塗料用顔料
とする。上述のカーボンブラック加圧成型体は、ビヒク
ルへの分散性等カーボンブラックの基本特性を保持し、
更に塗料化した際の黒色度が向上したものとすることが
できると同時に、ハンドリング性が極めて優れ、取り扱
いに際しても実質的に粉立ちの問題がなく、更にコンテ
ナ等に充填して積載しても崩壊することなくその形状を
保持しうる程の十分な強度を有するものである。このた
め、かかるカーボンブラック加圧成型体に以下に説明す
る被覆を設けるのは容易であり、得られた被覆を有する
塗料用顔料は取り扱い性に特に優れる。
【0024】ここで被覆としては特に限定されず、カー
ボンブラック成型体表面に何らかの覆いが存在し、成型
体を外部と遮断していればよい。被覆の程度も限定され
ず、使用・輸送・貯蔵環境により適宜選択することがで
きる。例えば各種の膜形成樹脂、紙等を用いた被覆が代
表的であるがこれらに限定されず、各種の材質、例えば
多孔質体等でもよく、成型体の全表面を覆う必要はな
く、また成型体に密着している必要もない。
【0025】被覆を形成する手段も特に制限されない。
シート状の材質での包装・樹脂組成物等硬化性液状物で
のコーティングが代表的であるがこれらに制限されるも
のではない。包装の形態としても特に限定されず、例え
ば熱収縮性の材料で包装し、加熱してなるシュリンク包
装、あるいは真空包装の他、成型体を硬化性の液状物で
コーティングして成型体表面に被膜を形成し、これを包
装とすることもできる。シュリンク包装してもよい。
【0026】包装は、必ずしも密閉していなくともよ
い。使用目的、作業環境等に応じて、適宜選択すればよ
い。包装方法も特に限定されない。例えば縦ピロー包
装、横ピロー包装、上包み包装、真空包装、カートン包
装、ブリスター包装、スキンパッカー、シュリンク包装
等が使用できる。これらのうち特に真空包装、シュリン
ク包装あるいは膜形成性を有する硬化性液状物でのコー
ティングにより、実質的にカーボンブラック成型体に密
着させた被覆を形成するのが、成型体の表面からの酸化
等品質劣化防止、強度向上、ハンドリング性、輸送・貯
蔵費用削減の効果が大きく、しかも被覆の形成が容易で
ある。
【0027】こうしてカーボンブラック成型体に被覆を
設けることにより、カーボンブラックを使用する際に発
生する発塵による環境汚染を防止する効果が得られる。
本発明ではカーボンブラック成型体が十分な強度を有し
ていることから、これを被覆するにも様々な手段を採る
ことができる。しかも得られた被覆されたカーボンブラ
ック成型体も更に十分な強度を有し、型崩れすることも
ない。被覆を、カーボンブラック成型体に密着させて形
成されることも容易であるし、被覆の厚さもまた、任意
に調整できる。このため被覆材料を適宜選択することに
より強度を向上したり、衝撃を吸収しやすいものとする
こともでき、カーボンブラック成型体が輸送中に破損す
ることを防止する効果も大きい。
【0028】特に、適当な材質を被覆材料として選択し
て被覆することにより、カーボンブラックを使用する際
に被覆を剥がさずに使用でき、環境汚染に対してきわめ
て有効な防止策となる。例えば塗料のビヒクルに溶解す
る材料である溶解性材料で被覆すれば、包装を解く必要
なくそのままビヒクルに投入することができる。ここで
ビヒクルへ「溶解」するとは、固形分を全く残さない状
態まで完全に溶解するものに限られず、得られるインク
の特性に悪影響を与えない程度にまで均一に混合しうる
ものであればよく、また一旦溶解した成分が析出してい
ても、得られるインクの特性に悪影響を与えない程度に
まで均一な状態となるものであればよい。
【0029】この場合、例えばポリスチレン。脂肪酸変
性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変
性アルキド樹脂、脱水ヒマシ油変性アルキド樹脂、大豆
油変性アルキド樹脂、フタル酸樹脂、スチレン化アルキ
ド樹脂等のアルキド樹脂類。脂尿素ーメラミン樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミ
ノーアルキド樹脂。ポリエステル樹脂、エポキシーフェ
ノール樹脂、エポキシーアミノ樹脂、エポキシーアミン
樹脂、エポキシーアミド樹脂、エポキシ樹脂エステル、
エポキシーイソシアネート樹脂等のエポキシ樹脂類。ポ
リウレタン樹脂、アルキド変性シリコーン樹脂、エポキ
シ変性シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂
等のシリコーン樹脂類。メタキシレンーホルムアルデヒ
ド樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ロジン変性フェ
ノール樹脂、脂肪酸変性フェノール樹脂、100%フェ
ノール樹脂、変性フェノール樹脂、フェノール樹脂等の
キシレン樹脂類。ニトロセルロース変性アクリル樹脂、
セルロースアセテートブチレート変性アクリル樹脂、ア
ルキド変性アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニト
リリル、ポリアクリロニトリルエステル、スチレン、ポ
リメタクリルアミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリメタクリリロニトリル等のアクリル
樹脂類。酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ
エチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、高分子量ポ
リエチレン、低分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、低分子
量ポリエチレンホモポリマータイプ等のポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、低分子ポリプロピレン等のポリ
プロピレン等のポリオレフィン類。ウレタン樹脂、ポリ
塩化ビニル、ブチラール樹ルゴム、クロロプレン、ネオ
プレン、塩酸ゴム、環化ゴム等のラテックス類。ガムロ
ジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、スチレン変性マレイン酸樹脂等のロジン樹
脂類。アルカリセルロース、セルロースエステル、アエ
ルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースザンテート、セルロースニトレート、セ
ルロースエーテル、カルボキシメチルセルロール、セル
ロースエーテルエステル、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシポロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、再生セルロース、セルロイド、ニトロセルロース等
のセルロース類。ポリビニルアルコール、ポリケイ皮酸
ビニル、ポリ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリビ
ニルステアレート、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルピロリドン等のポリビニルエス
テル類。ポリイソブチルビニルエーテル、ポリメチルビ
ニルエーテル等のポリビニルエーテル類。ポリエーテル
スルホン、ポリスルホンアミド等のポリスルホンのポリ
スルホン類。FEP、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂類。ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン66等の脂肪族ポリアミドやポリ
フェニレンテレフタルアミド、ポリフェニレンテレフタ
ルアミド等のポリアミドイミド類。ポリアミド酸等のポ
リアミド類。アニリン樹脂、尿素樹脂、ポリスルホンア
ミド、メラニン樹脂等のアミノ樹脂類。CRー39、フ
タル酸ジアリル樹脂等のアリル樹脂類。ノボラック樹
脂、レソルシノール樹脂等のフェノール樹脂類。ポリア
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹
脂、アイオノマー、塩素化ポリエーテル、クマロンーイ
ンデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレン
テレフタレート、ポリメチルスチレン、ポリメチレン、
不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂ポリビニルステア
レート、アラビアガム、コパールガム、ジアリルフタレ
ート樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ブタジエン樹
脂、ポリブチレンテレフタレート、石油樹脂、ギルソナ
イト、変性アルキド樹脂、セラック、ダンマル、でんぷ
ん、糖類、液晶ポリマー、ポリアセタール。ポリビニル
アルコール、ポリエチレンオキサイド、デキストリン、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等の水
溶性樹脂。ゼラチン、キトサン、カゼイン、コラーゲ
ン、卵白、海藻、カラギーナン、アルギン酸ナトリウ
ム、寒天、キサンタンガム、プルラン等。低分子量ポリ
エチレン/アクリル酸コポリマータイプ、低分子量ポリ
エチレン/酢酸ビニルコポリマータイプ、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル/マレイン酸
共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エ
チレン/メタクリル酸ランダム重合体、エチレン/アク
リル酸共重合体、エチレン/エチレンアクリレート共重
合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、塩化ビニルー酢
酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル
グラフト樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合体、
カルボキシビニルコポリマー、N−ビニルピロリドン/
ビニルアセテート共重合体、メチルビニルエーテル/ビ
ニルアセテート共重合体等の共重合体が挙げられる。
【0030】こうして得られる本発明の塗料用顔料は、
ハンドリング性、環境汚染防止効果が特に優れている。
例えば、そのままビヒクルに投入すれば、使用時の粉塵
発生をほぼゼロにすることができることは上述のとおり
である。また、カーボンブラックの部分の密度が十分に
大きく、輸送・貯蔵コスト削減の効果が著しいと同時
に、粒子間の脱気が十分に行われているので、ビヒクル
への分散性が特に優れている。例えば包袋に粉体を充填
して脱気する方法では十分に粒子間の空気を抜き、更に
成型体を形成するほどにカーボンブラック粒子同士を結
合させるのは困難であり、たとえ包袋ごと加圧してもカ
ーボンブラックを成型体とするに至るのは容易ではない
ため、従来より包装を有するカーボンブラック成型体、
就中良好な特性を発現するものは存在しなかったのであ
る。これに対して本発明の被覆されたカーボンブラック
加圧成型体からなる塗料用顔料は、上述の方法により容
易に製造することができるのである。
【0031】以上説明した被覆されたカーボンブラック
加圧成型体を、顔料として用いて塗料を製造する。塗料
の製造は、顔料として上記カーボンブラック加圧成型体
を用いる以外は、公知の方法を採用することができる。
ここで使用されるワニス(ビヒクル)も塗料用に使用さ
れるものであれば特に限定されず用いることができる。
例えば、油性塗料として乾性油、改良乾性油、天然樹
脂、ビチューメンが挙げられる。酒精塗料としてセラッ
ク、セルロース誘導体塗料としてニトロセルロース、ア
セチルセルロース、アクリル樹脂、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、樹脂変性フェノールホルムアルデヒド樹
脂が挙げられる。合成樹脂塗料として酸化型油変性アル
キド樹脂、変性アルキド樹脂、ブチル化アミノアルキド
樹脂、アミノアルキド樹脂ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ゴム、スチレン・ブタジエン樹脂、熱硬化性
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポ
リイソシアネート樹脂、シリコーンとアルキド樹脂、チ
タン酸ブチル等が、合成樹脂エマルジョンペイントとし
てポリ酢酸ビニル、ポリスチレン・ブタジエン、ポリア
クリル化合物が、水性焼付塗料としてフェノールアルデ
ヒド初期重合物、エーテル化メラニン樹脂、アミン中和
アルキド樹脂が、水性塗料としてタンパク質・でんぷん
・アルギン酸塩・ポリビニルアルコール、パルボキシメ
チルセルロースが挙げられる。漆等には、天然高級フェ
ノール、天然フェノールアルデヒド樹脂が使用できる。
【0032】溶剤も限定なく公知のものを使用すること
ができ、例えばトルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、水が挙げられる。その
他、各種の添加剤を使用することもできる。これら各成
分の配合割合も公知技術を適用すればよく、具体的には
通常、ワニス(不揮発成分)20〜40%、添加剤数
%、カーボンブラック0.5〜5%程度が適当である。
【0033】目的とする塗料も特に限定されず、例えば
塗膜主要素別分類として油ペイント、油エナメル、フェ
ノール樹脂またはマレイン酸樹脂、アルキド樹脂塗料、
アミノアルキド樹脂塗料、尿素樹脂塗料、酒精塗料、ラ
ッカー、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリエス
テル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗
料、シリコーン樹脂塗料、エマルジョン樹脂塗料、水溶
性樹脂塗料が挙げられる。
【0034】こうして得られる塗料の用途も限定されな
いが、例えば磁気テープのバックコートとして使用する
こともできる。この場合、顔料であるカーボンブラック
には導電性、遮光性、凹凸付与等の特性も要求される
が、要求される特性に応じてカーボンブラックを適宜選
択すればよい。また、ワニスとしてはウレタン系のもの
が特に好適に使用される。
【0035】本発明の塗料用顔料であるカーボンブラッ
ク成型体のビヒクルへの分散方法も特に限定されず、成
型に使用した型から取り出したままの大きさで使用して
も、混練機の投入口の大きさ以下とするために直径0.
1mm〜1cm程度に解砕したものを混練機に投入して
もよい。解砕したものを用いても、黒色度、光沢向上の
効果は発揮することができる。
【0036】ここで解砕方法も特に限定されないが、例
えば、カッティングミル、ロータリークラッシャー、剪
断ロールミル等の剪断粉砕型粉砕機を使用すれば、粉砕
時に粒子の密度が圧密されることがないので、好適であ
る。なお、本発明の塗料用顔料は被覆の材質を適宜選択
して被覆を取り除くことなくビヒクルへの分散を行うこ
とができ、これにより作業環境向上、操作効率の向上が
大きいことは上述のとおりであるが、被覆を取り除いて
用いることも勿論可能である。この場合、作業工程は増
えるものの被覆材質の選択の幅は広がることになる。
【0037】本発明の塗料用顔料により黒色度等の特性
が向上する機構は明らかではないが、以下のことが推定
される。すなわちカーボンブラックがワニスに分散する
機構として、『空気・顔料界面→顔料・分散媒界面とい
う固体−気体界面から固体−液体界面への置換工程であ
り、得られた固体−液体分散系では顔料と分散媒の界面
での相互作用と顔料固体表面の性質がその主役を果たす
ものである』(「最新顔料応用技術」(株式会社CMC
発行)、137頁より)と考えられていることから、本
発明の塗料用顔料においてはカーボンブラック粒子間の
空気が加圧成型により脱気されているので、固体−気体
界面から固体−液体界面の置換が容易に行われているこ
とも推測される。いずれにしても、本発明の塗料用顔料
を用いることにより、顔料であるカーボンブラックのハ
ンドリング性向上、取扱い時の粉塵等による環境汚染防
止、更には貯蔵・輸送コスト低減という効果と同時に、
得られる塗料における分散性、黒色度、光沢性も大幅に
向上するという、極めて画期的な効果を達成することが
できる。次に、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0038】(実施例1) (1) 成型体の作製 油研株式会社製炭素鋼金型(内法350mm×350mm、
高さ500mm)に三菱化学(株)製カーボンブラック
「#2650」(粒子径13nm、DBP吸油量73cc
/100gカーボンブラック、嵩密度0.077g/cc)を2
Kg入れ、油研株式会社製20ton油圧プレスにセッ
トした。成型圧力2.0〓f/cm2で加圧成型し、成
型密度を測定した所0.266g/ccであった。 (2) 熱収縮包装体の作製 厚さ16μmの2軸延伸したポリスチレンフィルムをセ
ットした共和機械製ユニバーサルシーラー(型式;「T
−600」)に上記記載のカーボンブラック成型体から
切り出したカーボンブラック成型体3gをセットし18
0℃で2秒間熱溶断シールを実施して製袋した。このカ
ーボンブラック成型体を入れたポリスチレンフィルムを
150℃に設定した共和機械製ウニバーサルシュリンク
トンネル(型式;「NS−450」)に入れ、10秒間
で熱収縮させた。
【0039】(3) 塗料の作製 140ccのマヨネーズ瓶に直径2.5〜3.5mmの東
京ガラス(株)製ガラスビーズを90g入れた。メラミ
ンアルキド樹脂ワニス(「アミラック1026」関西ペ
イント(株)製)を16gとアミラックシンナー10g
(関西ペイント(株)製)と上記の包装したカーボンブ
ラック成型体を入れた。このマヨネーズ瓶をレッドデビ
ル(株)製シングルタイプペイントシェイカー「RC−
5000A」にセットして15分間振とうした。この黒
色ワニスを室温まで冷却した後、(株)上島製作所製グ
ラインドゲージ(型式:「R1110」)で0〜50μ
mの範囲の未分散塊カーボンブラックの大きさを測定し
た。グラインドゲージの測定結果は7μmであった。更
にこのマヨネーズ瓶に「アミラック1026クリアー」
を50g入れペイントシェイカーで10分間混合し黒色
塗料を作製した。
【0040】(4) 黒色度評価 黒色塗料の一部を分取して(約1cc)、富士フィルム
(株)製PETフィルム(「トランシーG」 厚さ18
0μm)に乗せ、東洋精機(株)製バーコーター(「N
o.24番」)で展色した。この展色したPETフィルム
を120℃に設定した池田理化(株)製通風乾燥機
(「Automatic Drying Oven SS-200N」)に20分間入
れ焼き付けを実施した。この焼き付けした黒色塗膜のL
値を日本電色(株)製色差計(「Spectro Color Meter
SE-2000」)で測定した。L値は4.78であった。表
2に結果を記載した。
【0041】(比較例1)実施例1で使用したカーボン
ブラック成型体の代わりに、三菱化学(株)製カーボン
ブラックパウダー「#2650」を使用した以外は実施
例1と全く同じ操作を実施した。グラインドゲージの測
定値は8.0μm、黒色塗料のL値は4.83であっ
た。カーボンブラックパウダーは所定量を計量する際に
周囲に飛散し、周囲の環境を汚した。
【0042】(比較例2)カーボンブラック成型体を包
装する事無く使用する以外は実施例1と全く同様の操作
をおこなった。その結果、作製した塗料の黒色度即ち、
色差計のL値は4.79であった。カーボンブラック成
型体は原料パウダーと比較して粉立ちは大幅に低下した
ものの、実施例1で使用した包装されたカーボンブラッ
ク成型体と比較して、環境汚染対策には劣っていた。表
1に結果を記載した。
【0043】
【表1】 表1 実施例及び比較例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ カーボンブラック 塗料黒色度 環境汚染 ──────────────────────────────────── 実施例1 包装されたカーボンブラック成型体 4.78 無し 比較例1 カーボンブラックパウダー 4.83 汚染大 比較例2 カーボンブラック成型体 4.79 汚染小 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0044】
【発明の効果】特定のカーボンブラック成型体からなる
本発明の塗料用顔料を用いて塗料を製造すれば、特殊な
処理や高価な機械を要することなく塗料の黒色度を黒く
する事が出来る。更に、塗料用顔料である加圧成型体を
成すカーボンブラックは従来品である粉末状カーボンブ
ラックあるいはカーボンブラック造粒品に比べて密度が
大幅に高いため、輸送・貯蔵コストを大幅に削減でき、
また使用時の環境汚染問題も解決することができる。特
に塗料に溶解する材料にてカーボンブラック成型体を被
覆しているので、カーボンブラックを用いて塗料を製造
する際に包装材料を剥がす事無くインクを製造する釜に
投入できるので粉塵汚染をゼロとすることができ、作業
環境が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる成型機及び一連の
成型操作を示す図
【符号の説明】
1 油圧シリンダ(上) 2 シリンダー 3 真空チャンバー 4 上パンチ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆されたカーボンブラック加圧成型体か
    らなる塗料用顔料。
  2. 【請求項2】被覆が熱収縮性材料からなる請求項1記載
    の塗料用顔料。
  3. 【請求項3】被覆が塗料に溶解する材料からなる請求項
    1又は2記載の塗料用顔料。
  4. 【請求項4】粉末状及び/又は顆粒状カーボンブラック
    を2〜500kgf/cm2で加圧成型してなる請求項
    1〜3のいずれかに記載の塗料用顔料。
  5. 【請求項5】密度ρ(g/cc)が、 ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+
    0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
    1.173 以下(ただしカーボンブラックの電子顕微鏡による算術
    平均粒子径をD(nm)、DBP吸油量をL(ml/1
    00g)とする)で表される請求項1〜4のいずれかに
    記載の塗料用顔料。
  6. 【請求項6】密度ρ(g/cc)が、 ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+
    0.543 以上、 ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+
    1.072 以下(ただしカーボンブラックの電子顕微鏡による算術
    平均粒子径をD(nm)、DBP吸油量をL(ml/1
    00g)とする)で表される請求項5記載の塗料用顔
    料。
  7. 【請求項7】カーボンブラックがファーネス法により得
    られたものである請求項1〜6のいずれかに記載の塗料
    用顔料。
  8. 【請求項8】カーボンブラックのDBP吸油量が40〜
    150ml/100g、粒子径が1〜80nmである請
    求項1〜7のいずれかに記載の塗料用顔料。
  9. 【請求項9】カーボンブラックの粒子径が1〜60nm
    である請求項1〜8のいずれかに記載の塗料用顔料。
  10. 【請求項10】粉化率が40%以下である請求項1〜9
    のいずれかに記載の塗料用顔料。
  11. 【請求項11】加圧成型して得られた成型体の密度が原
    料カーボンブラックの嵩密度の2.5以上8倍以下であ
    る請求項1〜10のいずれかに記載の塗料用顔料。
  12. 【請求項12】加圧成型して得られた成型体の形状が三
    角形あるいはその他の多角形の断面を有する柱状体であ
    る請求項1〜11のいずれかに記載の塗料用顔料。
  13. 【請求項13】加圧成型して得られた成型体の形状が立
    方体あるいは直方体である請求項12記載の塗料用顔
    料。
  14. 【請求項14】加圧成型して得られた成型体の密度が0.
    2〜1.2g/ccである請求項1〜13のいずれかに記載の
    塗料用顔料。
  15. 【請求項15】カーボンブラックの加圧成型に、摺動可
    能な型を用いて得られたものである請求項1〜14のい
    ずれかに記載の塗料用顔料。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれかに記載の塗料
    用顔料を顔料として用いることを特徴とする塗料の製造
    方法。
  17. 【請求項17】塗料が、磁気テープのバックコートとし
    て用いられるものである請求項16記載の塗料の製造方
    法。
  18. 【請求項18】カーボンブラックを2〜500Kgf/
    cm2で加圧成型し、更に包装することを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載の塗料用顔料の製造方
    法。
  19. 【請求項19】摺動可能な型を用いてカーボンブラック
    を加圧成型することを特徴とする請求項18記載の塗料
    用顔料の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11349311A (ja) * 1998-06-04 1999-12-21 Mitsubishi Chemical Corp カーボンブラック
JP2002292798A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法

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