JP3862327B2 - カーボンブラック成型体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンブラック成型体に関する。
【0002】
【従来技術】
現在、ファーネス法により製造されたカーボンブラック(以下、「ファーネスブラック」という。)が、カーボンブラック市場における主流として流通している。
カーボンブラックは歴史的にはランプブラック、サーマルブラックが存在したが、現在では市場の製品のほぼ大部分が、1942年にフィリップスが開発したファーネス法、すなわち1300℃以上に加熱した炉内に、原料油を噴霧してカーボンブラックを得る方法によるものとなっている。これは、その収率の高さ等の生産性に優れると同時に、ファーネスブラックの特性、特にその粒子径及びストラクチャーの小さいものを得ることができ、インク、塗料の黒色度を高め優れた性能を発揮することができることに起因していると考えられる。
【発明が解決しようとする課題】
一方、上述のファーネスブラックは、その小粒子径、小ストラクチャー及び表面吸着物質が少ないことに起因し、ビヒクルへの分散が困難となる傾向にある。
更に小粒子径であり嵩密度が低いために、発塵性、汚染性等の問題があり、使用・輸送に際して環境上の問題も大きい。すなわち、ファーネス法で製造されたカーボンブラックは、通常、製造直後の嵩密度が0.1g/cc前後という極めて低い値を示す。この低い嵩密度の値が起因して、包装袋のコスト、、倉庫での保管費用、トラック・貨車、船舶での輸送コストが高く、流通・使用時の発塵も多く、環境を汚染しやすい。
【0003】
かかる問題を解決するために、通常、ビーズ品と呼ばれる乾式造粒品や湿式造粒品が用いられている。ビーズ品は嵩密度が0.3〜0.5g/ccと未処理のカーボンブラックに比較してかなり嵩密度が高い。しかし、計量時における粉塵発生の抑制や輸送時の造粒物の粉化の抑制は充分とは言えない。
また、造粒によって塗料やインクの原料であるワニスや樹脂といったビヒクルへの分散性が悪くなり、ビーズ品は使用できない場合がある。これに関して本発明者らの知見によれば、ビース品はその造粒過程において、長いストラクチャー構造を有するカーボンブラック粒子が相互に絡まりながら造粒されるため、分散性が劣るものとなることも考えられる。
このように、カーボンブラック、特に小粒径とすることができるファーネスブラックのハンドリング性すなわち取り扱い時の容易さと、ビヒクルへの分散性は、二律背反関係にあり、ハンドリング性と分散性とを同時に解決することは、極めて困難であると考えられてきた。例えば、カーボンブラック協会編「カーボンブラック便覧<第三版>」(P.563)には、『汚染が少なくハンドリング性の優れるカーボンブラック、インキの生産や品質を更に向上させる為の易分散性カーボンブラックの開発が大きなニーズとなって来るものと考えられる。カーボンブラックのハンドリング性と分散性は二率背反関係にあり、界面化学やレオロジー、カーボンブラック形態や包装、出荷形態等の垣根を越えた改善が必要である。』と記載されていることからも判るように、カーボンブラック業界において、ハンドリング性と分散性を同時に解決することは極めて困難であると広く認識されており、従来から様々な提案がなされているが、この2つの問題を同時に解決した例は無い。
【0004】
ファーネスブラック登場以前に存在したランプブラック等のカーボンブラックについては、例えばイギリス特許551,862号(1941年出願)ではランプブラックをプレス脱気して嵩密度を向上し、ハンドリング性を向上することが試みられており、イギリス特許618,955号(1946年出願)では、イギリス特許551,862号におけるプレス脱気を行うための装置が提案されている。
【0005】
また、ドイツ特許1302382号(1966年出願)では、プレスにより密度を高くする装置により0.160〜0.480g/ccのランプブラック成形体を得たと記載されている。
【0006】
また、ファーネスブラックについても、例えば特開平3ー259962号公報ではカーボンブラックの水スラリーを吸引濾過後ブロックのまま乾燥して、ブロックの表面にカゼイン・デンプン・ポリビニルアルコール水溶液と、スチレン・ブタジエンラテックスまたはアクリル系ラテックスを塗布することによりハンドリング性を向上することを試みている。しかし、この方法では超微粉であるカーボンブラックのスラリーを作製し、更にこのスラリーを濾過、乾燥する必要があり、多大な労力及びコストを要する。しかも得られるブロックは、分散性が大きく低下することが考えられる。
【0007】
また、特開平6−122111号公報ではカーボンブラック粉体を密閉型成形容器に仕込み、減圧処理した後、該容器内の圧力を常圧に復元することにより成形体を得ている。しかし、減圧により加えられる成形圧力は大気圧(約1.03kg/cm2)以下であり、輸送コストや倉庫費用を小さくするほど嵩密度を大きくすることはできない。
また、得られる成形体表面には大きな凹凸が発生することが判った。これは、嵩高い粉であるカーボンブラックを気圧差により圧密するため、仕込んだカーボンブラックの一部が吹き飛んだりするためではないかと考えられる。
このため、輸送中の粉化や破損が発生し、ハンドリング性(コンパクト性)と分散性を同時に解決してはいない。
このように、ファーネスブラックについては、従来一般的に認識されていたハンドリング性と分散性の二律背反関係を解決し、これらを同時に満足する技術は未だ見出されず、依然として粉末状、又は粒状の製品が流通し、粉塵等上述の問題を解決することはできなかった。すなわち、貯蔵・輸送コスト、ハンドリング・環境の向上を図ることによってカーボンブラックを塗料、インキ、樹脂着色やゴム補強用等各用途に使用した際の基本特性を損なったのでは、製品として満足されるべきものとは認められず、市場に受け入れられることはできない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、カーボンブラックを加圧成型してなる成型体の密度である成型密度、粒子径、DBP吸油量を特定の関係に制御することにより、嵩密度の向上及び分散性を同時に満足しうるという驚くべき知見を得、本発明に達した。更に、意外なことに、この成型体は、原料であるカーボンブラック粉末(ルース品)よりも、塗料等とした際の漆黒度を向上させることができることをも見出した。すなわち、本発明は、密度ρ(g/cc)が、ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+0.516以上、ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+1.173以下(ただしカーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径をD(nm)、DBP吸油量をL(ml/100g)とする)で表されるカーボンブラック加圧成型体であって、カーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径が15nm以上24nm以下であり、DBP吸油量が53〜113ml/100gであることを特徴とするカーボンブラック加圧成型体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明で使用するカーボンブラックは、ファーネス法で製造したカーボンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。これらのうち特に、ファールス法で製造したファーネスブラックを用いた場合、その分散性の保持に極めて顕著な効果を発揮する。更に、漆黒度向上の効果も大きなものとなる。また、これらの方法により製造したカーボンブラックを各種の酸化剤等で後処理したものを使用することもできる。カーボンブラックの粒子径は、1524nmであり、このような小粒子径の範囲で分散性、ハンドリング性向上の効果が高く、また漆黒度の向上にも高い効果を発揮する。かかる範囲の微細な粒子径を有するカーボンブラックは、カーボンブラック同士の凝集性が強く、インク、塗料、着色樹脂、ゴム等を製造する際に分散が特に困難であった。これらの分散が困難なカーボンブラック程、本技術の利点が大いに発揮できるという利点も挙げられる。
【0010】
本発明においては、これらカーボンブラックを加圧して成型する。この際使用する型としては、成型時の印加圧力に耐えうる強度を有していれば如何なる材質の型を用いてもよい。例えば金属製の型としてはSUS304、SUS316等のステンレス製金型、タングステンカーバイド等の超鋼等が使用できる。又、樹脂製型としては、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン(FEP)等のフッ素樹脂(商標:「テフロン」)製型、ナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネイト、フェノール樹脂等のプラスチック類、更に複合材料としてCFRP、GFRP等のFRP、セラミックス製型としては、アルミナ、ジルコニア、ムライト等が使用挙げられる。
型の大きさは制限されないが、実用的には1cc以上、好ましくは100cc以上のものが挙げられる。1cc未満では輸送が煩雑となるためである。また、必要に応じて、大型の成型体を作製し、これを適当な大きさに切断し、その集合体として輸送・使用してもよい。
【0011】
加圧に使用するプレス機としては、油圧機械式プレス機、油圧ハンドプレス機、機械式プレス機、エアーシリンダー式プレス機等、加圧成型できるものであれば如何なるプレス成型機でもよい。
【0012】
型の形状も特に制限されず、所望の成型体の形状にしたがって、三角形あるいはその他の多角形の断面を有する柱状体、特に立方体あるいは直方体の成型体とすることができ、取り扱いの点からも好適である。
【0013】
カーボンブラックを上述の型に入れ、加圧することにより成型する。この際、得られる成型体の密度を以下の特定値とする。
すなわち、密度ρ(g/cc)を、
ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+0.516
以上、
ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+1.173
以下、とする。
より好ましくは、
ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+0.543
以上、
ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+1.072
以下、がよい。
上記の各式において、D(nm)はカーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径、L(ml/100g)とする)はDBP吸油量である。
【0014】
ここで、DBP吸油量は、JIS K6221−1982に準拠した方法で測定した値である。
また、カーボンブラックの粒子径は、以下に示す方法による測定値である。カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHzの超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支持膜に固定する。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算する。この操作を約1500回にわたって実施し、それらの値の算術平均により求める。
密度を上記の範囲とすることにより、ビヒクルへの分散性等カーボンブラックの基本特性を損なうことなく、取り扱い性に優れた成型体とすることができる。
更に、インキ、塗料等に用いた際の漆黒度が原料粉末に比べ、向上させることができるという、意外な効果をも発揮する。これらの効果は、上記のより好ましい範囲として記載した範囲において、特に顕著に発現される。
【0015】
なお、本発明のカーボンブラック成型体は、粉化率が40%以下、より好ましくは20%以下としたものが特に好ましい。噴火率としては、後述する実施例に記載した測定方法で求めることができる。粉化率を40%以下とすることにより、輸送中に成型体に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を防止でき、ハンドリング性が特に優れたものとなる。
また、原料である粉状カーボンブラツクの嵩密度とカーボンブラツク成型体の嵩密度との比(以下、「嵩密度比」ともいう。)が2.5倍以上8倍以下、より好ましくは3倍以上7倍以下とするのが良い。この嵩密度比が2.5よりも低い場合、成型体のコンパクト性が低下する傾向にある。一方、嵩密度比が8を超えると、分散性が低下する傾向にある。嵩密度比が2.5以上8以下とすれば、コンパクト性と分散性とが同時に極めて好ましい範囲で満足される。
加圧成型時の圧力(成型圧力)は、2Kgf/cm2以上500Kgf/cm2以下、より好ましくは5Kgf/cm2 以上400Kgf/cm2以下とするのがよい。成型圧力が2Kgf/cm2を下回ると、コンパクト性が低下、粉化率が増加する傾向にある。
一方、成型圧力が500Kgf/cm2 よりも高い場合、通常のインクや塗料等の製造時に使用される分散機では、分散性が十分でないことがある。一方、これ以上圧力を高くしてもコンパクト性向上の効果は殆ど得ることができない。このため、インク、塗料、着色樹脂、ゴム等を工業的に製造する際に使用するカーボンブラック成型体としては、2Kgf/cm2以上500Kgf/cm2 以下で加圧成型するのが適当である。
カーボンブラック成型体の形状は特に制限されないが、多角形の断面を有する柱状体、より好ましくは直方体或いは立方体が良い。これらの形状の成型体はカーボンブラックを輸送するトラックや貨車或いは倉庫が一般的に直方体であり、これらの空間を隙間無く充填できるためである。これにより輸送コストや倉庫保管費用を効率的に削減できる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【実施例】
カーボンブラックとして表1に示すものを用い、プレス機として王子機械工業株式会社製37ton4本柱単動油圧プレス(ラム直径152.4mm)を用い、金型はSUS304製金型(内法70mm×70mm、高さ40mm、三菱化成エンジニアリング社製)を用いてカーボンブラックを加圧成型した。
【0016】
【表1】
Figure 0003862327
【0017】
インク製造時のカーボンブラックの分散性を試験するインク篩残率の測定方法を以下に示す。約1.8リットルのステンレス容器(直径11cm、高さ18.5cm)に480gのレダクタス#220(共石製)と120gのカーボンブラック成型体あるいはカーボンブラック造粒品を加えた。TKオートホモミキサーSL10A(特殊理化工業製)にセットした攪拌翼(4枚羽根、羽根の直径4.5cm)をステンレス容器の底面より2cm上方に挿入した。攪拌翼を5000r.p.m.で1時間攪拌した。この中から50gを分取し325メッシュ(目開き;46μm)のステンレス製篩で濾過した。濾過後、金網面に約200ccの軽油を振りかけて洗浄した。この篩を150℃に設定した乾燥機に1時間入れ乾燥した。乾燥機から取り出し、冷却後、篩の重量を測定した。予め測定しておいた篩の重量を差し引いて篩上に残ったカーボンブラックの重量(Ag)を測定し、次の式より篩い残率を計算した。
篩い残率(%)=(A×600/(50×120))×100
【0018】
密度の測定に際しては、直方体の縦と横と厚さをノギスにて測定し、その値から成型体の体積(cc)を算出した。また、電子式直読型上皿天秤にて成型体の重量(g)を測定した。成型体の重量と体積から成型体の密度(g/cc)を算出した。
【0019】
粉化率の測定方法を以下に記載する。カーボンブラック加圧成型体を25±1g(W)0.01g迄精秤し、JIS K−6221に準拠した直径200mm、目開き1mmの篩んい入れる。この篩に受け皿と蓋を取り付け、JIS Kー6221に準拠した振とう機で20秒間打撃を与えながら振とうする。振とう機から受け皿を取り外し、受け皿中のカーボンブラックの重量を0.01g迄精秤し、これを振とう後の重量(WR)とし、次式によって粉化率を算出した。
粉化率(%) = (WR/W)×100
(比較例 )
実施例で用いた同一銘柄の粉状品及び造粒品を用いて、実施例に記載した嵩 密度の測定、インク篩残、粉化率の測定を実施した。
また、#45(三菱化学(株)製カーボンブラック)と#990(三菱化学(株)製カーボンブラック)に関しては、特開平6−122111号に記載されている 減圧・復圧品を作製し比較例に記載した。
(結果の判定基準)
表2から表7に実施例及び比較例の測定結果及びこれらの結果から判断したコンパクト性及び分散性、更にコンパクト性と分散性等を総合的に判断した総合判定結果を示した。
ここで、コンパクト性の判断基準としては、
粉状品程度の嵩密度を ×
粉状品よりも高く造粒品以下の嵩密度を △
造粒品よりも高い嵩密度のものを ○
とした。
また、分散性の判断基準としては
造粒品程度以下の分散性のものを ×
造粒品よりも若干分散性が優れているものを △
造粒品よりも分散性が優れているものを ○
とした。
更に、総合判定の基準としては、
コンパクト性或いは分散性の何れかが×であるものを ×
コンパクト性、分散性更に使用した感触が優れているものを ○
コンパクト性、分散性、使用した感触が特に優れたものを ◎
とした。
【0020】
【表2】
Figure 0003862327
【0021】
【表3】
Figure 0003862327
【0022】
【表4】
Figure 0003862327
【0023】
【表5】
Figure 0003862327
【0024】
【表6】
Figure 0003862327
【0025】
【表7】
Figure 0003862327
【0026】
(結果の考察)
(1) 実施例1−2と比較例1−9を比較すると、嵩密度が0.562g/ccと0.488g/ccであり実施例1−2の嵩密度が比較例1−9の嵩密度よりも高くなっているにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例1−2では11.0%、比較例1−9では78% となっており、実施例1−2の成型体は、成型前の分散性を保っている。
実施例1−8と比較例1−9を比較すると、嵩密度が1.050g/ccと0.488g/ccであり、実施例1−8において約2倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例1−2では74.0%、比較例1−9では78.0% となっており、実施例1−8は比較例1−9と同等レベル以上の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックが得られることが判る。
【0027】
(2) 実施例2−2と比較例2−9を比較すると、嵩密度が0.385g/ccと0.393g/ccであり実施例2−2の嵩密度が比較例2−9の嵩密度と同程度であるにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例2−2では0.7%、比較例2−9では100% となっており、実施例2−2の成型体は成型前の分散性を保っている。
実施例2−7と比較例2−9を比較すると、嵩密度が0.850g/ccと0.393g/ccであり、約2.2倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例2−7では98.0%、比較例2−9では100% となっており、実施例2−7は比較例2−9と同等レベル以上の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
【0028】
(3) 実施例3−2と比較例3−10を比較すると、嵩密度が0.240g/ccと0.303g/ccであり実施例3−2の嵩密度が比較例3−10の嵩密度と同程度であるにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例3−2では0.25%、比較例3−10では84.5% となっており、実施例3−2の成型体は成型前と同程度の分散性を保っている。
実施例3−9と比較例3−10を比較すると、嵩密度が0.750g/ccと0.303g/ccであり、実施例3−9約2.5倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例3−9では77.0%、比較例3−10では84.5% となっており、実施例3−9は比較例3−10と同等レベル以上の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
【0029】
(4) 実施例4−2と比較例4−9を比較すると、嵩密度が0.433g/ccと0.497ccであり実施例4−2の嵩密度が比較例4−9の嵩密度と同程度であるにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例4ー2では0.3%、比較例4−9では100% となっており、実施例4−2の成型体は成型前と同程度の分散性を保っている。
実施例4−8と比較例4−9を比較すると、嵩密度が0.990g/ccと0.497g/ccであり、実施例4−8では約2倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例4−8では99.0%、比較例4−9では100% となっており、実施例4−8は比較例4−9と同等レベル以上の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
【0030】
(5) 実施例5−2と比較例5−7を比較すると、嵩密度が0.522g/ccと0.517g/ccであり実施例5ー2の嵩密度が比較例5−7の嵩密度よりも高くなっているにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例5−2では0.5%、比較例5−7では80% となっており、実施例5−2の成型体は成型前の分散性を保っている。
実施例5−7と比較例5−8を比較すると、嵩密度が0.945g/ccと0.517g/ccであり、実施例5−7では約1.8倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例5−7では79.5%、比較例5−8では80.0% となっており、実施例5−7は比較例5−8と同等レベル以上の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
【0031】
(6) 実施例6−2と比較例6−9を比較すると、嵩密度が0.345g/ccと0.364g/ccであり実施例6−2の嵩密度が比較例6−9の嵩密度と同程度であるにも係わらず、分散性のファクターであるインク篩残は実施例6−2では0.50%、比較例4−9では56.7% となっており、実施例6−2の成型体は成型前と同程度の分散性を保っている。
実施例6−7と比較例6−8を比較すると、嵩密度が0.804g/ccと0.364g/ccであり、実施例6−7では約2.2倍の嵩密度アップを達成しているが、分散性のファクターであるインク篩残は実施例6−7では28.1%、比較例6−8では56.7% となっており、実施例6−7は比較例6−8の約半分の分散性を示している。このことから判るように、本発明により従来二律背反関係にあると考えられていたコンパクト性(ハンドリング性)及び分散性の両方の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
【発明の効果】
本発明により、カーボンブラックの基本特性を損なうことなく、コンパクト性に優れ、取り扱いに適したカーボンブラック加圧成型体を得る。

Claims (8)

  1. 密度ρ(g/cc)が、
    ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+0.516
    以上、
    ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+1.173
    以下(ただしカーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径をD(nm)、DBP吸油量をL(ml/100g)とする)で表されるカーボンブラック加圧成型体であって、カーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径が15nm以上24nm以下であり、DBP吸油量が53〜113ml/100gであることを特徴とするカーボンブラック加圧成型体。
  2. 密度ρ(g/cc)が、
    ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+0.543
    以上、
    ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+1.072
    以下(ただしカーボンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径をD(nm)、DBP吸油量をL(ml/100g)とする)で表される請求項1記載のカーボンブラック加圧成型体。
  3. カーボンブラックがファーネス法により得られたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のカーボンブラック加圧成型体。
  4. 粉化率が40%以下である請求項1〜のいずれかにカーボンブラック加圧成型体。
  5. カーボンブラック加圧成型体の嵩密度が原料カーボンブラックの嵩密度の2.5倍以上8倍以下である請求項1〜のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成型体。
  6. カーボンブラック加圧成型時の圧力が、2Kgf/cm2以上、500Kgf/cm2以下である請求項1〜のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成型体。
  7. 形状が三角形あるいはその他の多角形の断面を有する柱状体である請求項1〜のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成型体。
  8. 成型体の形状が立方体あるいは直方体である請求項記載のカーボンブラック加圧成型体。
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