JPH10251541A - カーボンブラック成型体 - Google Patents

カーボンブラック成型体

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JPH10251541A
JPH10251541A JP9056004A JP5600497A JPH10251541A JP H10251541 A JPH10251541 A JP H10251541A JP 9056004 A JP9056004 A JP 9056004A JP 5600497 A JP5600497 A JP 5600497A JP H10251541 A JPH10251541 A JP H10251541A
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JP
Japan
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carbon black
molded body
molded product
pressure
press
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JP9056004A
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Tadashi Hashiguchi
正 橋口
Michihiro Ikeda
道弘 池田
Takaharu Yamamoto
隆晴 山本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂,ゴム,インキ,塗料,乾電池等、カーボ
ンブラックを用いる全ての用途に好適に用いることので
きる包装されたカーボンブラックを提供する。 【解決手段】 球状又は円柱状であることを特徴とする
カーボンブラック成型体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規且つ有用な形
態であり各種の用途に汎用的に使用することができるカ
ーボンブラックに関する。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは黒色顔料として代表的
なものであり、その他にもゴム組成物における補強材料
等、様々な用途に使用されている。ところで現在、ファ
ーネス法により製造されたカーボンブラック(以下、
「ファーネスブラック」という。)が、カーボンブラッ
ク市場における主流として流通している。カーボンブラ
ックは歴史的にはランプブラック、サーマルブラックが
存在したが、現在では市場の製品のほぼ大部分が、19
42年にフィリップスが開発したファーネス法、すなわ
ち1300℃以上に加熱した炉内に、原料油を噴霧して
カーボンブラックを得る方法によるものとなっている。
これは、その収率の高さ等の生産性に優れると同時に、
ファーネスブラックの特性、特にその粒子径及びストラ
クチャーの小さいものを得ることができ、インク、塗料
の黒色度を高め優れた性能を発揮することができること
に起因していると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、上述のファーネ
スブラックは、その小粒子径、小ストラクチャー及び表
面吸着物質が少ないことに起因し、ビヒクルへの分散が
困難となる傾向にある。更に小粒子径であり嵩密度が低
いために、発塵性、汚染性等の問題があり、使用・輸送
に際して環境上の問題も大きい。すなわち、ファーネス
法で製造されたカーボンブラックは、通常、製造直後の
嵩密度が0.1g/cc前後という極めて低い値を示
す。この低い嵩密度の値が起因して、包装袋のコスト、
倉庫での保管費用、トラック・貨車、船舶での輸送コス
トが高く、流通・使用時の発塵も多く、環境を汚染しや
すい。
【0004】かかる問題を解決するために、通常、ビー
ズ品と呼ばれる乾式造粒品や湿式造粒品が用いられてい
る。ビーズ品は嵩密度が0.3〜0.5g/ccと未処
理のカーボンブラックに比較してかなり嵩密度が高い。
しかし、計量時における粉塵発生の抑制や輸送時の造粒
物の粉化の抑制は充分とは言えない。また、造粒によっ
て塗料やインクの原料であるワニスや樹脂といったビヒ
クルへの分散性が悪くなり、ビーズ品は使用できない場
合がある。これに関して本発明者らの知見によれば、ビ
ース品はその造粒過程において、長いストラクチャー構
造を有するカーボンブラック粒子が相互に絡まりながら
造粒されるため、分散性が劣るものとなることも考えら
れる。
【0005】このように、カーボンブラック、特に小粒
径とすることができるファーネスブラックのハンドリン
グ性すなわち取り扱い時の容易さと、ビヒクルへの分散
性は、二律背反関係にあり、ハンドリング性と分散性と
を同時に解決することは、極めて困難であると考えられ
てきた。例えば、カーボンブラック協会編「カーボンブ
ラック便覧<第三版>」(P.563)には、『汚染が
少なくハンドリング性の優れるカーボンブラック、イン
キの生産や品質を更に向上させる為の易分散性カーボン
ブラックの開発が大きなニーズとなって来るものと考え
られる。カーボンブラックのハンドリング性と分散性は
二律背反関係にあり、界面化学やレオロジー、カーボン
ブラック形態や包装、出荷形態等の垣根を越えた改善が
必要である。』と記載されていることからも判るよう
に、カーボンブラック業界において、ハンドリング性と
分散性を同時に解決することは極めて困難であると広く
認識されており、従来から様々な提案がなされている
が、この2つの問題を同時に解決した例は無い。
【0006】一方、一般的に嵩高い粉体を、嵩密度を向
上させて粉塵飛散、輸送・貯蔵コストの低減を図るため
に粉体を包袋に充填して脱気、加圧を行うことが従来よ
り試みられている(特公昭55−44784号公報、特
公昭55−41269号公報、特開昭54−44995
号公報、特開昭54−146198号公報、特開平3−
199272号公報)。しかしながら、この場合、使用
時に包袋を開ければ、粉体の状態でむき出しになるた
め、粉塵発生を防ぐことはできない。特にファーネス法
で得られるファーネスブラックを始めとするカーボンブ
ラックのように嵩高く飛散しやすい粉体では、粉塵発生
による汚染が大きいことは上述のとおりでありこれらの
従来技術では解決策とはならない。また、上述したよう
にカーボンブラックでは分散性とハンドリング性とを同
時に解決することは極めて困難であると考えられてきた
ため、上記技術においてカーボンブラックが固化するま
で加圧することはむしろ望まれてはいなかったと考えら
れる。
【0007】ファーネスブラック登場以前に存在したラ
ンプブラック等のカーボンブラックについては、例えば
イギリス特許551,862号(1941年出願)では
ランプブラック等をプレス脱気して嵩密度を向上し、ハ
ンドリング性を向上することが試みられており、イギリ
ス特許618,955号(1946年出願)では、イギ
リス特許551,862号におけるプレス脱気を行うた
めの装置が提案されている。また、ドイツ特許1302
382号(1966年出願)では、プレスにより密度を
高くする装置により0.160〜0.480g/ccの
ランプブラック成形体を得たと記載されている。
【0008】また、ファーネスブラックについても、例
えば特開平3−259962号公報ではカーボンブラッ
クの水スラリーを吸引濾過後ブロックのまま乾燥して、
ブロックの表面にカゼイン・デンプン・ポリビニルアル
コール水溶液と、スチレン・ブタジエンラテックスまた
はアクリル系ラテックスを塗布することによりハンドリ
ング性を向上することを試みている。しかし、この方法
では超微粉であるカーボンブラックのスラリーを作製
し、更にこのスラリーを濾過、乾燥する必要があり、多
大な労力及びコストを要する。しかも得られるブロック
は、分散性が大きく低下することが考えられる。
【0009】また、特開平6−122111号公報では
カーボンブラック粉体を密閉型成形容器に仕込み、減圧
処理した後、該容器内の圧力を常圧に復圧することによ
り成形体を得ている。しかし、減圧により加えられる成
形圧力は大気圧(約1.03kg/cm2)以下であり、
輸送コストや倉庫費用を小さくするほど嵩密度を大きく
することはできない。また、得られる成形体表面には大
きな凹凸が発生することが判った。これは、嵩高い粉で
あるカーボンブラックを気圧差により圧密するため、仕
込んだカーボンブラックの一部が吹き飛んだりするため
ではないかと考えられる。このため、輸送中の粉化や破
損が発生し、ハンドリング性(コンパクト性)と分散性
を同時に解決してはいない。
【0010】このように、ファーネスブラックについて
は、従来一般的に認識されていたハンドリング性と分散
性の二律背反関係を解決し、これらを同時に満足する技
術は未だ見出されず、依然として粉末状、又は粒状の製
品が流通し、粉塵等上述の問題を解決することはできな
かった。すなわち、貯蔵・輸送コスト、ハンドリング・
環境の向上を図ることによってカーボンブラックを塗
料、インキ、樹脂着色やゴム補強用等各用途に使用した
際の基本特性を損なったのでは、製品として満足される
べきものとは認められず、市場に受け入れられることは
できない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、カーボンブ
ラックを加圧成型して成型体とすることにより、上述し
たように従来二律背反と認識されてきたハンドリング性
及びビヒクルへの分散性を同時に解決する、すなわちハ
ンドリング性を大きく向上するとともに分散性も十分な
ものとすることができることを見出した。このように従
来の常識に反してハンドリング性を向上しても、分散性
が損なわれず優れた特性を発揮する機構は十分には明ら
かではないが、おそらく加圧により一定形状を有する成
型体としたことにより、ハンドリング性が向上するとと
同時にカーボンブラックが加圧により成型体となってい
るため成型体を構成するカーボンブラック粒子間の気体
が均一に脱気されてカーボンブラック粒子同士が実質的
に密度ムラなく均一に集合して存在するため、ビヒクル
への分散性も向上しているものと推測される。本発明者
らはここで更に、カーボンブラックの使用に際して作業
性を向上させるため、成型体の形状につき鋭意検討を続
けた。その結果、特定形状の成型体とすることにより、
カーボンブラックの運搬やホッパーや槽への投入に優れ
たものとすることができることを見いだし、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、(1)球状又は円柱状で
あることを特徴とするカーボンブラック成型体、(2)
8面以上の多角形体であるカーボンブラック成型体、
(3)5以上の角を有する多角形を底面とする角柱であ
ることを特徴とするカーボンブラック成型体、に存す
る。
【0012】このように、カーボンブラック成型体の形
状を特定のものとすることにより、球状又は円柱状ある
いは8面以上より好ましくは12面以上のの多面体又は
5角形以上より好ましくは6角形以上の角柱とする事に
よって、転がり特性を向上させ、ホッパー排出や槽への
投入を容易にすることができる。更に適度な長さを持つ
正6角柱では、保管、輸送時に成型体の嵩密度をほぼ1
00%利用でき、更に転がり特性に優れる。本発明は
又、輸送・貯蔵コストを大幅に低減すると同時に輸送時
・使用時の操作性を大幅に向上する画期的なものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で使用するカーボンブラックは、ファーネ
ス法で製造したカーボンブラック、アセチレンブラック
等各種のカーボンブラックが挙げられる。これらのうち
特に、ファーネス法で製造したファーネスブラックを用
いた場合、その分散性の保持に極めて顕著な効果を発揮
する。更に、漆黒度向上の効果も大きなものとなる。ま
た、これらのカーボンブラックを各種の酸化剤等で後処
理したものを使用することもできる。
【0014】カーボンブラックの粒子径は、特に制限さ
れないが、特に1〜60nm、更に1〜50nmの小粒
子径の範囲で分散性、ハンドリング性向上の効果が高
く、また漆黒度の向上にも高い効果を発揮する。かかる
範囲の微細な粒子径を有するカーボンブラックは、カー
ボンブラック同士の凝集性が強く、インク、塗料、着色
樹脂、ゴム等を製造する際に分散が特に困難であった。
これらの分散が困難なカーボンブラック程、本技術の利
点が大いに発揮できる。
【0015】本発明においては、これらカーボンブラッ
クを加圧して成型した加圧成型体とする。この際使用す
る型としては、成型時の印加圧力に耐えうる強度を有し
ていれば如何なる材質の型を用いてもよい。例えば金属
製の型としてはSUS304、SUS316等のステン
レス製金型、タングステンカーバイド等の超鋼等が使用
できる。又、樹脂製型としては、ポリ四フッ化エチレン
(PTFE)(商標:「テフロン」)、ポリ三フッ化塩
化エチレン(PCTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六
フッ化プロピレン(FEP)等のフッ素系樹脂製型、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリカーボネイト、フェノール
樹脂等のプラスチック類、更に複合材料としてCFR
P、GFRP等のFRP、セラミックス製型としては、
アルミナ、ジルコニア、ムライト等が使用挙げられる。
【0016】型の大きさは制限されないが、実用的には
1cc以上、好ましくは100cc以上のものが挙げら
れる。1cc未満では輸送が煩雑となるためである。な
お、目的、使用状況に応じた成型体とするべく、識別性
を考慮した刻印、ビヒクルへの分散性を考慮して孔、計
量ハンドリング性を考慮した切れ目等を入れてあっても
よい。加圧に使用するプレス機としては、油圧機械式プ
レス機、油圧ハンドプレス機、機械式プレス機、エアー
シリンダー式プレス機等、加圧成型できるものであれば
如何なるプレス成型機でもよい。
【0017】カーボンブラックを上述の型に入れ、加圧
することにより成型する。この際、得られる成型体の密
度を以下の範囲とするのが望ましい。すなわち、密度ρ
(g/cc)を、
【式2】ρ=8.190×10-3D−3.824×10
-3L+0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
1.173 以下、とする。より好ましくは、
【式3】ρ=8.686×10-3D−4.031×10
-3L+0.543 以上、 ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+
1.072 以下、がよい。なお、成型体の密度とは、成型体の質量
を体積で割って得た値である。
【0018】上記の各式において、D(nm)はカーボ
ンブラックの電子顕尾鏡による算術平均粒子径、L(m
l/100g)とする)はDBP吸油量である。ここ
で、DBP吸油量は、JIS K6221−1982に
準拠した方法で測定した値である。また、カーボンブラ
ックの粒子径は、以下に示す方法による測定値である。
カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHz
の超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支
持膜に固定する。これを透過型電子顕尾鏡で写真撮影
し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算
する。この操作を約1500回にわたって実施し、それ
らの値の算術平均により求める。
【0019】密度を上記の範囲とすることにより、ビヒ
クルへの分散性等カーボンブラックの基本特性を損なう
ことなく、取り扱い性の特に優れたものとすることがで
きる。更に、インキ、塗料等に用いた際の漆黒度が原料
粉末に比べ、向上させることができるという、意外な効
果をも発揮する。これらの効果は、上記のより好ましい
範囲として記載した範囲において、特に顕著に発現され
る。
【0020】なお、本発明のカーボンブラック成型体
は、粉化率が40%以下、より好ましくは20%以下と
したものが特に好ましい。粉化率としては、カーボンブ
ラック加圧成型体を25±1g(W)迄精秤し、JIS
K−6221に準拠した直径200mm、目開き1m
mの篩に入れる。この篩に受け皿と蓋を取り付け、JI
S K−6221に準拠した振とう機で20秒間打撃を
与えながら振とうする。振とう機から受け皿を取り外
し、受け皿中のカーボンブラックの重量を0.01g迄
精秤し、これを振とう後の重量(WR)とし、次式によっ
て求めた値である。
【式4】粉化率(%) = (WR/W)×100
【0021】粉化率を40%以下とすることにより、輸
送中に成型体に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を
防止でき、ハンドリング性が特に優れたものとなる。ま
た、原料である粉状カーボンブラツクの嵩密度とカーボ
ンブラツク成型体の密度との比(以下、「嵩密度比」と
もいう。)が2.5〜8倍、より好ましくは3〜7倍と
するのが良い。この嵩密度比が2.5よりも低い場合、
成型体のコンパクト性が低下する傾向にある。一方、嵩
密度比が8を超えると、分散性が低下する傾向にある。
嵩密度比が2.5〜8とすれば、コンパクト性と分散性
とが同時に極めて好ましい範囲で満足される。
【0022】加圧成型時の圧力(成型圧力)は、2〜5
00Kgf/cm2、より好ましくは5〜400Kgf/cm2とする
のがよい。成型圧力が2Kgf/cm2を下回ると、コンパク
ト性が低下、粉化率が増加する傾向にある。一方、成型
圧力が500Kgf/cm2よりも高い場合、通常のインクや
塗料等の製造時に使用される分散機では、分散性が十分
でないことがある。一方、これ以上圧力を高くしてもコ
ンパクト性向上の効果は殆ど得ることができない。この
ため、インク、塗料、着色樹脂、ゴム等を工業的に製造
する際に使用するカーボンブラック成型体としては、2
〜500Kgf/cm2で加圧成型するのが適当である。
【0023】なお、加圧成型に際しては、予めカーボン
ブラック粒子間の気体を減圧チャンバーを用いて脱気し
た後、加圧成型する方式を採ることもできる。摺動可能
なシリンダーとピストンとを有する型に、成型しようと
する原料であるカーボンブラック粉末を充填する。シリ
ンダー上部にセットした真空チャンバー内及びシリンダ
ー内はガスケット材によりその外部と実質的に遮断され
る。次に、真空チャンバーに接続した真空ポンプを機動
させて真空状態を保持したまま、ピストンを下降させシ
リンダー内のカーボンブラックを加圧成型する。その
後、真空ポンプの運転を停止し、チャンバー及びシリン
ダー内の雰囲気圧力を大気圧に戻す。その後、真空チャ
ンバーとピストンを上昇させてカーボンブラック成型体
を取り出すことにより、減圧チャンバーによるカーボン
ブラック粒子間の気体の脱気及びこれに引き続くカーボ
ンブラックの加圧成型を行うことができる。
【0024】この際、減圧時の圧力は、0.01〜50
0Torrで行うのが好ましい。500Torr以下に
おいて、粒子間の脱気が非常に容易であり、一方0.0
1Torr以下としても格別の優位性を示すことなく、
高真空にする煩雑性が増すのみであるためである。
【0025】本発明は、こうして得るカーボンブラック
成型体の形状に関わる。すなわち、成型体を球状、円柱
状、あるいは8面以上の多角形体、あるいは5以上の角
を有する多角形を底面とする多角柱状とするのである。
多角柱状としては、特に底面が正6角形である角柱とす
るのが、転がり性に優れ運搬が容易であると同時に多数
積層した際の安定性が良くスペースを効率的に使用する
ことができるので好ましい。もちろん、転がり性向上効
果を重視する場合は底面の角の数が7以上の角柱として
も差し支えない。カーボンブラック成型体を、これら本
発明における各種の形状とすることにより、運搬、使用
時のホッパー、槽等への投入が容易となる。もちろん、
本発明のカーボンブラック成型体が十分な強度を有して
いるので、これら各種の形状とすることにより、転がし
たり、放ったり、多数積み重ねたりすることができるの
である。すなわち、カーボンブラックを通常のハンドリ
ングや積層によっては割れたり欠けたりして破損し周囲
を汚染することなく、また各種所望の形状を容易に形成
し維持できる一方で、各種のカーボンブラック含有組成
物の調製に際しては、通常の混合手段により容易に分
散、混合しうるという優れた特性を有する成型体を形成
させることにより、カーボンブラックを用いたあらゆる
場面での操作性を格段に向上させることができるのであ
る。
【0026】なお、このような形状を形成する手段も特
に制限されない。1つの手段としては、一旦上述のカー
ボンブラック成型体を形成し、これをカッター刃等で彫
る、ドリルで掘る、特に円柱状の物に有効であるバイト
切削などの手段で形状を変化させる、等の手段によるこ
とができる。上述のカーボンブラック成型体は取り扱い
に際して十分な強度を有しているのでハンドリング性に
優れ、粉立ちを防止できるものであるが、このように比
較的簡単な手段でその形状を変化させることもできるた
めである。あるいは、予め、所定の形状を有する型を用
いて、カーボンブラックを加圧成型してもよい。以下、
本発明を実施例により、更に具体的に説明する。
【0027】実施例1 (1)正6角形角柱状成型体の作製 油研株式会社製炭素鋼金型(内法150mm×150mm、
高さ360mm)に、予め図1に示す様な正6角形角柱状
成型体が加圧成型できる型を設置した。1凹部深さは4
6mm、2凹部幅は75mm。これに三菱化学(株)製
カーボンブラック「MA7」(嵩密度0.22g/cc)
を1400g入れ、油研株式会社製20ton油圧プレ
スにセットした。成型圧力44kgf/cm2で加圧成
型し、図2に示すような1厚さ92mm、2辺長さ75
mm、成型密度0.63g/ccの正6角形角柱状成成型
体を得た。 (2)正6角形角柱状成型体の転がり性 得られた成型体をポリエステルフェルトで覆った40゜
の角度を付けた板の上に設置すると2m以上転がり落ち
ることが確認された。
【0028】比較例1 実施例1で平板の型を用いて作製した長方体カーボンブ
ラック成型体から、実施例1と同様にポリエステルフェ
ルトで覆った40゜の角度を付けた板の上に設置したと
ころ、滑り落ちなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明により、カーボンブラックの基本
特性を損なうことなく、コンパクト性に優れ、、原料投
入の容易性に優れるカーボンブラック加圧成型体を得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた正6角形角柱状成型体作製用
金型を示す図
【図2】実施例1で得られた正6角形角柱状成型体を示
す図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球状又は円柱状であることを特徴とするカ
    ーボンブラック成型体。
  2. 【請求項2】8面以上の多角形体であるカーボンブラッ
    ク成型体。
  3. 【請求項3】5以上の角を有する多角形を底面とする角
    柱であることを特徴とするカーボンブラック成型体。
  4. 【請求項4】底面を正6角形とする角柱である請求項3
    記載のカーボンブラック成型体。
  5. 【請求項5】カーボンブラック成型体が、カーボンブラ
    ックを型に入れて2〜500kgf/cm2で加圧成型
    してなる請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンブラ
    ック成型体。
  6. 【請求項6】カーボンブラック成型体が、ファーネス法
    で得られたファーネスブラックを加圧成型してなること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカーボン
    ブラック加圧成型体。
  7. 【請求項7】カーボンブラック成型体の密度ρ(g/c
    c)が、 【式1】ρ=8.190×10-3D−3.824×10
    -3L+0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
    1.173 である請求項1〜6のいずれかに記載のカーボンブラッ
    ク成型体。
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