JPH10129723A - 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法 - Google Patents

包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10129723A
JPH10129723A JP29015396A JP29015396A JPH10129723A JP H10129723 A JPH10129723 A JP H10129723A JP 29015396 A JP29015396 A JP 29015396A JP 29015396 A JP29015396 A JP 29015396A JP H10129723 A JPH10129723 A JP H10129723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
resin
molded article
pressure
molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29015396A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Ikeda
道弘 池田
Shiyuuhei Taohata
修平 垰畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP29015396A priority Critical patent/JPH10129723A/ja
Priority to MYPI9705093 priority patent/MY133570A/en
Priority to US08/960,321 priority patent/US6019829A/en
Priority to TW86116063A priority patent/TW510915B/zh
Priority to EP97118978A priority patent/EP0839875B1/en
Priority to CA002219635A priority patent/CA2219635A1/en
Priority to DE69730397T priority patent/DE69730397T2/de
Priority to KR1019970057318A priority patent/KR100494215B1/ko
Priority to CN97121291A priority patent/CN1103801C/zh
Publication of JPH10129723A publication Critical patent/JPH10129723A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】カーボンブラックの基本特性を損なうことな
く、コンパクト性に優れ、取り扱いに適したカーボンブ
ラック加圧成型体を得る。 【解決手段】 熱収縮性の材質で包装されたカーボンブ
ラック加圧成型体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規且つ有用な形
態であり各種の用途に汎用的に使用することができるカ
ーボンブラックに関する。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは黒色顔料として代表的
なものであり、その他にもゴム組成物における補強材料
等、様々な用途に使用されている。ところで現在、ファ
ーネス法により製造されたカーボンブラック(以下、
「ファーネスブラック」という。)が、カーボンブラッ
ク市場における主流として流通している。
【0003】カーボンブラックは歴史的にはランプブラ
ック、サーマルブラックが存在したが、現在では市場の
製品のほぼ大部分が、1942年にフィリップスが開発
したファーネス法、すなわち1300℃以上に加熱した
炉内に、原料油を噴霧してカーボンブラックを得る方法
によるものとなっている。これは、その収率の高さ等の
生産性に優れると同時に、ファーネスブラックの特性、
特にその粒子径及びストラクチャーの小さいものを得る
ことができ、インク、塗料の黒色度を高め優れた性能を
発揮することができることに起因していると考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、上述のファーネ
スブラックは、その小粒子径、小ストラクチャー及び表
面吸着物質が少ないことに起因し、ビヒクルへの分散が
困難となる傾向にある。更に小粒子径であり嵩密度が低
いために、発塵性、汚染性等の問題があり、使用・輸送
に際して環境上の問題も大きい。すなわち、ファーネス
法で製造されたカーボンブラックは、通常、製造直後の
嵩密度が0.1g/cc前後という極めて低い値を示
す。この低い嵩密度の値が起因して、包装袋のコスト、
倉庫での保管費用、トラック・貨車、船舶での輸送コス
トが高く、流通・使用時の発塵も多く、環境を汚染しや
すい。
【0005】かかる問題を解決するために、通常、ビー
ズ品と呼ばれる乾式造粒品や湿式造粒品が用いられてい
る。ビーズ品は嵩密度が0.3〜0.5g/ccと未処
理のカーボンブラックに比較してかなり嵩密度が高い。
しかし、計量時における粉塵発生の抑制や輸送時の造粒
物の粉化の抑制は充分とは言えない。また、造粒によっ
て塗料やインクの原料であるワニスや樹脂といったビヒ
クルへの分散性が悪くなり、ビーズ品は使用できない場
合がある。これに関して本発明者らの知見によれば、ビ
ース品はその造粒過程において、長いストラクチャー構
造を有するカーボンブラック粒子が相互に絡まりながら
造粒されるため、分散性が劣るものとなることも考えら
れる。このように、カーボンブラック、特に小粒径とす
ることができるファーネスブラックのハンドリング性す
なわち取り扱い時の容易さと、ビヒクルへの分散性は、
二律背反関係にあり、ハンドリング性と分散性とを同時
に解決することは、極めて困難であると考えられてき
た。例えば、カーボンブラック協会編「カーボンブラッ
ク便覧<第三版>」(P.563)には、『汚染が少な
くハンドリング性の優れるカーボンブラック、インキの
生産や品質を更に向上させる為の易分散性カーボンブラ
ックの開発が大きなニーズとなって来るものと考えられ
る。カーボンブラックのハンドリング性と分散性は二率
背反関係にあり、界面化学やレオロジー、カーボンブラ
ック形態や包装、出荷形態等の垣根を越えた改善が必要
である。』と記載されていることからも判るように、カ
ーボンブラック業界において、ハンドリング性と分散性
を同時に解決することは極めて困難であると広く認識さ
れており、従来から様々な提案がなされているが、この
2つの問題を同時に解決した例は無い。
【0006】一方、一般的に嵩高い粉体を、嵩密度を向
上させて粉塵飛散、輸送・貯蔵コストの低減を図るため
に粉体を包袋に充填して脱気、加圧を行うことが従来よ
り試みられている(特公昭55−44784号公報、特
公昭55−41269号公報、特開昭54−44995
号公報、特開昭54−146198号公報、特開平3−
199272号公報)。しかしながら、この場合、使用
時に包袋を開ければ、粉体の状態でむき出しになるた
め、粉塵発生を防ぐことはできない。特にファーネス法
で得られるファーネスブラックを始めとするカーボンブ
ラックのように嵩高く飛散しやすい粉体では、粉塵発生
による汚染が大きいことは上述のとおりでありこれらの
従来技術では解決策とはならない。また、上述したよう
にカーボンブラックでは分散性とハンドリング性とを同
時に解決することは極めて困難であると考えられてきた
ため、上記技術においてカーボンブラックが固化するま
で加圧することはむしろ望まれてはいなかったと考えら
れる。
【0007】ファーネスブラック登場以前に存在したラ
ンプブラック等のカーボンブラックについては、例えば
イギリス特許551,862号(1941年出願)では
ランプブラック等をプレス脱気して嵩密度を向上し、ハ
ンドリング性を向上することが試みられており、イギリ
ス特許618,955号(1946年出願)では、イギ
リス特許551,862号におけるプレス脱気を行うた
めの装置が提案されている。
【0008】また、ドイツ特許1302382号(19
66年出願)では、プレスにより密度を高くする装置に
より0.160〜0.480g/ccのランプブラック
成形体を得たと記載されている。また、ファーネスブラ
ックについても、例えば特開平3−259962号公報
ではカーボンブラックの水スラリーを吸引濾過後ブロッ
クのまま乾燥して、ブロックの表面にカゼイン・デンプ
ン・ポリビニルアルコール水溶液と、スチレン・ブタジ
エンラテックスまたはアクリル系ラテックスを塗布する
ことによりハンドリング性を向上することを試みてい
る。しかし、この方法では超微粉であるカーボンブラッ
クのスラリーを作製し、更にこのスラリーを濾過、乾燥
する必要があり、多大な労力及びコストを要する。しか
も得られるブロックは、分散性が大きく低下することが
考えられる。
【0009】また、特開平6−122111号公報では
カーボンブラック粉体を密閉型成形容器に仕込み、減圧
処理した後、該容器内の圧力を常圧に復元することによ
り成形体を得ている。しかし、減圧により加えられる成
形圧力は大気圧(約1.03kg/cm2)以下であ
り、輸送コストや倉庫費用を小さくするほど嵩密度を大
きくすることはできない。
【0010】また、得られる成形体表面には大きな凹凸
が発生することが判った。これは、嵩高い粉であるカー
ボンブラックを気圧差により圧密するため、仕込んだカ
ーボンブラックの一部が吹き飛んだりするためではない
かと考えられる。このため、輸送中の粉化や破損が発生
し、ハンドリング性(コンパクト性)と分散性を同時に
解決してはいない。このように、ファーネスブラックに
ついては、従来一般的に認識されていたハンドリング性
と分散性の二律背反関係を解決し、これらを同時に満足
する技術は未だ見出されず、依然として粉末状、又は粒
状の製品が流通し、粉塵等上述の問題を解決することは
できなかった。すなわち、貯蔵・輸送コスト、ハンドリ
ング・環境の向上を図ることによってカーボンブラック
を塗料、インキ、樹脂着色やゴム補強用等各用途に使用
した際の基本特性を損なったのでは、製品として満足さ
れるべきものとは認められず、市場に受け入れられるこ
とはできない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、カーボンブ
ラックを加圧成型して成型体とし、これを包装して包装
された成型体とすることによって、上述したように従来
二律背反と認識されてきたハンドリング性及びビヒクル
への分散性を同時に解決する、すなわちハンドリング性
を大きく向上するとともに分散性も十分なものとするこ
とができることを見出した。すなわち、本発明は、包装
を有するカーボンブラック加圧成型体に存する。
【0012】本発明は又、輸送・貯蔵コストを大幅に低
減すると同時に輸送時・使用時の環境汚染問題を解決す
る画期的なものである。更に、本発明によりカーボンブ
ラックを顔料として用いた際の黒色度が向上するという
効果も発揮される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で使用するカーボンブラックは、ファーネ
ス法で製造したカーボンブラック、アセチレンブラック
等各種のカーボンブラックが挙げられる。これらのうち
特に、ファーネス法で製造したファーネスブラックを用
いた場合、その分散性の保持に極めて顕著な効果を発揮
する。更に、漆黒度向上の効果も大きなものとなる。
【0014】また、これらのカーボンブラックを各種の
酸化剤等で後処理したものを使用することもできる。カ
ーボンブラックの粒子径は、特に制限されないが、特に
1〜60nm、更に1〜50nmの小粒子径の範囲で分
散性、ハンドリング性向上の効果が高く、また漆黒度の
向上にも高い効果を発揮する。
【0015】かかる範囲の微細な粒子径を有するカーボ
ンブラックは、カーボンブラック同士の凝集性が強く、
インク、塗料、着色樹脂、ゴム等を製造する際に分散が
特に困難であった。これらの分散が困難なカーボンブラ
ック程、本技術の利点が大いに発揮できるという利点も
挙げられる。本発明においては、これらカーボンブラッ
クを加圧して成型した加圧成型体とする。この際使用す
る型としては、成型時の印加圧力に耐えうる強度を有し
ていれば如何なる材質の型を用いてもよい。例えば金属
製の型としてはSUS304、SUS316等のステン
レス製金型、炭素鋼製金型、タングステンカーバイド等
の超鋼等が使用できる。又、樹脂製型としては、ポリ四
フッ化エチレン(PTFE)(商標:「テフロン」)、
ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリ四フッ
化エチレン・六フッ化プロピレン(FEP)等のフッ素
系樹脂製型、ナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネイ
ト、フェノール樹脂等のプラスチック類、更に複合材料
としてCFRP、GFRP等のFRP、セラミックス製
型としては、アルミナ、ジルコニア、ムライト等が使用
挙げられる。
【0016】型の大きさは制限されないが、実用的には
1cc以上、好ましくは100cc以上のものが挙げら
れる。1cc未満では輸送が煩雑となるためである。ま
た、必要に応じて、大型の成型体を作製し、これを適当
な大きさに切断し、その集合体として輸送・使用しても
よい。得られる成型体が1cc以上となるべく成型する
のが好ましい。なお、目的、使用状況に応じた成型体の
形状とするべく、各種形状の型を用いることができる。
例えば、大量を積載するのに適した角柱状の他、転がり
性、使用時の釜への投入の容易さを考慮した円柱状、ビ
ヒクルへの分散性を考慮して孔、切れ目等を入れてあっ
てもよい。
【0017】カーボンブラック成型体の形状を多角形の
断面を有する柱状体、特に直方体或いは立方体とすれ
ば、カーボンブラックを輸送するトラックや貨車或いは
倉庫が一般的に直方体であることから、これらの空間を
隙間無くカーボンブラック成型体で充填できるため、輸
送コストや倉庫保管費用の削減には特に好ましい。加圧
に使用するプレス機としては、油圧機械式プレス機、油
圧ハンドプレス機、機械式プレス機、エアーシリンダー
式プレス機等、加圧成型できるものであれば如何なるプ
レス成型機でもよい。
【0018】カーボンブラックを上述の型に入れ、加圧
することにより成型する。この際、得られる成型体の密
度を以下の範囲とするのが望ましい。すなわち、密度ρ
(g/cc)を、 ρ=8.190×10ー3Dー3.824×10ー3L+
0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
1.173 以下、とする。より好ましくは、 ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+
0.543 以上、 ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+
1.072 以下、がよい。なお、成型体の密度とは、成型体の質量
を体積で割って得た値である。
【0019】上記の各式において、D(nm)はカーボ
ンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径、L(m
l/100g)とする)はDBP吸油量である。ここ
で、DBP吸油量は、JIS K6221−1982に
準拠した方法で測定した値である。また、カーボンブラ
ックの粒子径は、以下に示す方法による測定値である。
カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHz
の超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支
持膜に固定する。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影
し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算
する。この操作を約1500回にわたって実施し、それ
らの値の算術平均により求める。
【0020】密度を上記の範囲とすることにより、ビヒ
クルへの分散性等カーボンブラックの基本特性を損なう
ことなく、取り扱い性の特に優れたものとすることがで
きる。更に、インキ、塗料等に用いた際の漆黒度が原料
粉末に比べ、向上させることができるという、意外な効
果をも発揮する。これらの効果は、上記のより好ましい
範囲として記載した範囲において、特に顕著に発現され
る。
【0021】なお、本発明のカーボンブラック成型体
は、粉化率が40%以下、より好ましくは20%以下と
したものが特に好ましい。粉化率としては、カーボンブ
ラック加圧成型体を25±1g(W)迄精秤し、JIS
K−6221に準拠した直径200mm、目開き1m
mの篩に入れる。この篩に受け皿と蓋を取り付け、JI
S K−6221に準拠した振とう機で20秒間打撃を
与えながら振とうする。振とう機から受け皿を取り外
し、受け皿中のカーボンブラックの重量を0.01g迄
精秤し、これを振とう後の重量(WR)とし、次式によっ
て求めた値である。 粉化率(%) = (WR/W)×100 粉化率を40%以下とすることにより、輸送中に成型体
に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を防止でき、ハ
ンドリング性が特に優れたものとなる。
【0022】また、原料である粉状カーボンブラツクの
嵩密度とカーボンブラツク成型体の密度との比(以下、
「嵩密度比」ともいう。)が2.5〜8倍、より好まし
くは3〜7倍とするのが良い。この嵩密度比が2.5よ
りも低い場合、成型体のコンパクト性が低下する傾向に
ある。一方、嵩密度比が8を超えると、分散性が低下す
る傾向にある。嵩密度比が2.5〜8とすれば、コンパ
クト性と分散性とが同時に極めて好ましい範囲で満足さ
れる。
【0023】加圧成型時の圧力(成型圧力)は、2〜5
00Kgf/cm2 、より好ましくは5〜400Kgf/cm2とす
るのがよい。成型圧力が2Kgf/cm2を下回ると、コンパ
クト性が低下、粉化率が増加する傾向にある。一方、成
型圧力が500Kgf/cm2 よりも高い場合、通常のインク
や塗料等の製造時に使用される分散機では、分散性が十
分でないことがある。一方、これ以上圧力を高くしても
コンパクト性向上の効果は殆ど得ることができない。こ
のため、インク、塗料、着色樹脂、ゴム等を工業的に製
造する際に使用するカーボンブラック成型体としては、
2〜500Kgf/cm2 で加圧成型するのが適当である。
【0024】なお、加圧成型に際しては、予めカーボン
ブラック粒子間の気体を減圧チャンバーを用いて脱気し
た後、加圧成型する態様を採ることもできる。例えば図
1に示す装置を用いて説明すると、以下の如き方法を採
ることができる。まず、図1に本発明に用いることので
きる成型機及び一連の成型操作(充填・真空脱気・加圧
・終了)を示す。ここで図1中、1は油圧シリンダ
(上)、2はシリンダー、3は真空チャンバー、4は上
パンチ、5は下パンチ、6はダイ、7は油圧シリンダ
(下)である。図1に示すように、摺動可能なシリンダ
ーとピストンとを有する型に、成型しようとする原料で
あるカーボンブラック粉末を充填する。シリンダー上部
にセットした真空チャンバー内及びシリンダー内はガス
ケット材によりその外部と実質的に遮断される。次に、
真空チャンバーに接続した真空ポンプを機動させて真空
状態を保持したまま、ピストンを下降させシリンダー内
のカーボンブラックを加圧成型する。その後、真空ポン
プの運転を停止し、チャンバー及びシリンダー内の雰囲
気圧力を大気圧に戻す。その後、真空チャンバーとピス
トンを上昇させてカーボンブラック成型体を取り出すこ
とにより、減圧チャンバーによるカーボンブラック粒子
間の気体の脱気及びこれに引き続くカーボンブラックの
加圧成型を行うことができる。
【0025】この際、減圧時の圧力は、0.01〜50
0Torrで行うのが好ましい。500Torr以下に
おいて、粒子間の脱気が非常に容易であり、一方0.0
1Torr以下としても格別の優位性を示すことなく、
高真空にする煩雑性が増すのみであるためである。本発
明においては、こうして得られたカーボンブラック成型
体を包装することにより、容易に包装されたカーボンブ
ラック成型体を得る。
【0026】ここで包装とはカーボンブラック成型体を
樹脂フィルム、紙、箱等で覆うことをいうが、必ずしも
密閉していなくともよい。特にカーボンブラック成型体
の表面の保護、形状の維持を重要視する等の要求には、
予め成型体を熱収縮性の材質で覆っておき、加熱して包
装を密着させることもできるが、通常は、熱収縮しない
材質で包装しても構わない。用途によっては多孔質状の
材質、布等で包装してもよい。
【0027】こうしてカーボンブラック成型体を包装す
ることにより、環境汚染性を防止したり、輸送時のハン
ドリング性を向上させたりすることができる。包装に用
いる材料は特に制限されず、例えばポリスチレン。アル
キド樹脂類としては脂肪酸変性アルキド樹脂、ロジン変
性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド樹脂、脱水ヒマ
シ油変性アルキド樹脂、大豆油変性アルキド樹脂、フタ
ル酸樹脂、スチレン化アルキド樹脂等が使用できる。ア
ミノーアルキド樹としては脂尿素ーメラミン樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が使用で
きる。ポリエステル樹脂。エポキシ樹脂類としては、エ
ポキシーフェノール樹脂、エポキシーアミノ樹脂、エポ
キシーアミン樹脂、エポキシーアミド樹脂、エポキシ樹
脂エステル、エポキシーイソシアネート樹脂等が使用で
きる。ポリウレタン樹脂。シリコーン樹脂類としてはア
ルキド変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹
脂、フェノール変性シリコーン樹脂等が使用できる。キ
シレン樹脂類としてはメタキシレンーホルムアルデヒド
樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ロジン変性フェノ
ール樹脂、脂肪酸変性フェノール樹脂、100%フェノ
ール樹脂、変性フェノール樹脂、フェノール樹脂等が使
用できる。アクリル樹脂類としてはニトロセルロース変
性アクリル樹脂、セルロースアセテートブチレート変性
アクリル樹脂、アルキド変性アクリル樹脂、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリリル、ポリアクリロニトリルエステ
ル、スチレン、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル
酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリリロニト
リルが使用できる。酢酸ビニル樹脂。塩化ビニル樹脂。
ポリオレフィン類としては、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、低
分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレン
ホモポリマータイプ等のポリエチレン、塩素化ポリプロ
ピレン、低分子ポリプロピレン等のポリプロピレン等が
使用できる。ウレタン樹脂。塩化ビニル。ブチラール樹
脂。塩化ビニリデン樹脂。ラテックス類としては、天然
ゴム、SBRゴム、ブチルゴム、クロロプレン、ネオプ
レン、塩酸ゴム、環化ゴム等が使用できる。ロジン樹脂
としてはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、
ロジン変性マレイン酸樹脂、スチレン変性マレイン酸樹
脂、等が使用できる。セルロース類としては、アルカリ
セルロース、セルロースエステル、アエルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースザ
ンテート、セルロースニトレート、セルロースエーテ
ル、カルボキシメチルセルロール、セルロースエーテル
エステル、メチルセルロース、エチルセルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシポロピルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、再生セルロー
ス、セルロイド、ニトロセルロース等が使用できる。ポ
リビニルエステル類としてはポリビニルアルコール、ポ
リケイ皮酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ポリビニルステアレート、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルピロリドン等が使用
できる。ポリビニルエーテル類としてはポリイソブチル
ビニルエーテル、ポリメチルビニルエーテル等が使用で
きる。ポリスルホン類としてはポリエーテルスルホン、
ポリスルホンアミド等のポリスルホンが使用できる。フ
ッ素樹脂としては、FEP、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリフッ化ビニル等が使用できる。ポリアミド
としては、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロン66等の脂
肪族ポリアミドやポリフェニレンテレフタルアミド、ポ
リフェニレンテレフタルアミド等、ポリアミドイミド、
ポリアミド酸等が使用できる。アミノ樹脂としてはアニ
リン樹脂、尿素樹脂、ポリスルホンアミド、メラニン樹
脂等が使用できる。アリル樹脂としてはCRー39、フ
タル酸ジアリル樹脂等が使用できる。フェノール樹脂と
してはノボラック樹脂、レソルシノール樹脂等が使用で
きる。その他ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ABS樹脂、アイオノマー、塩素化ポリエー
テル、クマロンーインデン樹脂、ポリフェニレンオキサ
イド、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルスチレ
ン、ポリメチレン、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹
脂ポリビニルステアレート、アラビアガム、コパールガ
ム、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹
脂、ブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、石
油樹脂、ギルソナイト、変性アルキド樹脂、セラック、
ダンマル、でんぷん、糖類、液晶ポリマー等が使用でき
る。水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキサイド、デキストリン、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリアクリルアミド、ゼラチン、キトサン、カ
ゼイン、コラーゲン、卵白、海藻、カラギーナン、アル
ギン酸ナトリウム、寒天、キサンタンガム、プルラン等
が使用できる。
【0028】共重合体としては例えば以下の樹脂が使用
できる。低分子量ポリエチレン/アクリル酸コポリマー
タイプ、低分子量ポリエチレン/酢酸ビニルコポリマー
タイプ、エチレン/酢酸ビニル共重合体、メチルビニル
エーテル/マレイン酸共重合体、エチレン/エチルアク
リレート共重合体、エチレン/メタクリル酸ランダム重
合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/エチ
レンアクリレート共重合体、エチレン/塩化ビニル共重
合体、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢
酸ビニル/塩化ビニルグラフト樹脂、エチレン/ビニル
アルコール共重合体、カルボキシビニルコポリマー、ポ
リアセタール、N−ビニルピロリドン/ビニルアセテー
ト共重合体、メチルビニルエーテル/ビニルアセテート
共重合体等が使用できる。
【0029】その他写真フィルムの裏打紙、感光材料包
装紙、黒色ラシャ紙等の黒色紙を製造する場合には、カ
ーボンブラック成型体を紙で包装することもできる。包
装は、必ずしも密閉していなくともよいことは上述の通
りであり、包装の態様は使用目的、作業環境等に応じ
て、適宜選択すればよい。包装方法も特に限定されな
い。例えば縦ピロー包装、横ピロー包装、上包み包装、
真空包装、カートン包装、ブリスター包装、スキンパッ
カー等が使用できる。
【0030】こうしてカーボンブラック成型体を包装す
ることにより、カーボンブラックを使用する際に発生す
る発塵による環境汚染を防止する効果が得られる。例え
ば、適当な材質を包装材料として選択して被覆すれば、
カーボンブラックを使用する際に包装材料を剥がさずに
使用でき、環境汚染に対してきわめて有効な防止策とな
る。また、カーボンブラック成型体が輸送中に破損する
ことを防止することもできる。
【0031】本発明の包装されたカーボンブラック加圧
成型体は、ハンドリング性、環境汚染防止効果が特に優
れている。例えば、インク、塗料、樹脂やゴムに溶解ま
たは混和する材料を用いて包装せれば、そのまま製品を
製造する釜に投入することができ、使用時の粉塵発生を
ほぼゼロにすることができる。また、カーボンブラック
の部分の密度が十分に大きく、輸送・貯蔵コスト削減の
効果が著しいと同時に、粒子間の脱気が十分に行われて
いるので、ビヒクルへの分散性が特に優れている。例え
ば包袋に粉体を充填して脱気する方法では十分に粒子間
の空気を抜き、更に成型体を形成するほどにカーボンブ
ラック粒子同士を結合させるのは困難であり、たとえ包
袋ごと加圧してもカーボンブラックを成型体とするに至
るのは容易ではないため、従来より包装を有するカーボ
ンブラック成型体、就中良好な特性を発現するものは存
在しなかったのである。これに対して本発明の包装され
たカーボンブラック加圧成型体は、上述の方法により容
易に製造することができるのである。
【0032】以下に、本発明を実施例により更に詳細に
説明する。 (実施例1) (1)成型体の作製 油研株式会社製炭素鋼金型(内法150mm×150mm、
高さ360mm)に三菱化学(株)製カーボンブラック
「#45」(粒子径24nm、DBP吸油量53cc/100
gカーボンブラック、嵩密度0.218g/cc)を1Kg
入れ、油研株式会社製20ton油圧プレスにセットし
た。成型圧力40kgf/cm2で加圧成型し、成型密
度を測定した所0.761g/ccであった。 (2)包装体の作製 厚さ30μmのエンボス加工した日合フィルム株式会社
製ポリビニルアルコールフィルム(「ハイセロンH」)
をセットした湖北精工株式会社製オーバーラップ機(型
式;「KW201型」)に上記記載のカーボンブラック
成型体をセットし包装を実施した。包装方法としては、
キャラメル包装とし、フィルム同士の張り合わせは、日
本合成株式会社製ポリビニルアルコール専用接着剤
(「ニチボン」)にて接着した。図2に得られたカーボ
ンブラックのキャラメル包装体を示す。 (3)結果 カーボンブラック成型体はその形状を保ったまま、その
外部に密着した状態でポリビニルアルコールフィルムで
包装する事が出来た。カーボンブラックは袋から漏れる
事無く、周囲の環境汚染は発生しなかった。 (実施例2) (1)成型体の作製 油研株式会社製炭素鋼金型(内法150mm×150mm、
高さ360mm)に三菱化学(株)製カーボンブラック
「#45」(粒子径24nm、DBP吸油量53cc/100
gカーボンブラック、嵩密度0.218g/cc)を1Kg
入れ、油研株式会社製20ton油圧プレスにセットし
た。成型圧力40kgf/cm2で加圧成型し、成型密
度を測定した所0.761g/ccであった。 2)ピロー包装体の作製 厚さ30μmのエンボス加工した日合フィルム株式会社
製ポリビニルアルコールフィルム(「ハイセロンH」)
をセットした共和機械製ユニバーサルシーラー(型式;
「T−600」)に上記記載のカーボンブラック成型体
をセットし180℃で2秒間熱溶断3方シールを実施し
てカーボンブラック成型体のピロー包装を実施した。図
3にカーボンブラックのピロー包装体を示す。 (3)結果 カーボンブラック成型体はその形状を保ったまま、ポリ
ビニルアルコールフィルムで包装する事が出来た。カー
ボンブラックは袋から漏れる事無く、周囲の環境汚染は
発生しなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明により、カーボンブラックの基本
特性を損なうことなく、コンパクト性に優れ、環境汚染
の防止に優れたカーボンブラック加圧成型体を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる成型機及び一連の
成型操作を示す図
【図2】カーボンブラックのキャラメル包装体を示す図
【図3】カーボンブラックのピロー包装体を示す図
【符号の説明】
1 油圧シリンダ(上) 2 シリンダー 3 真空チャンバー 4 上パンチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包装されたカーボンブラック加圧成型体。
  2. 【請求項2】カーボンブラック加圧成型体が、カーボン
    ブラックを型に入れて2〜500kgf/cm2で加圧
    成型してなることを特徴とする請求項1に記載のカーボ
    ンブラック加圧成型体。
  3. 【請求項3】カーボンブラック加圧成型体が、ファーネ
    ス法で得られたファーネスブラックを加圧成型してなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の包装されたカ
    ーボンブラック加圧成型体。
  4. 【請求項4】カーボンブラック加圧成型体の密度ρ(g
    /cc)が、 ρ=8.190×10ー3Dー3.824×10ー3L+
    0.516 以上、 ρ=3.265×10ー3Dー3.334×10ー3L+
    1.173 である請求項1〜3のいずれかに記載の包装されたカー
    ボンブラック成型体。
  5. 【請求項5】包装が熱収縮しない材質であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンブラッ
    ク加圧成型体。
  6. 【請求項6】カーボンブラックを加圧成型し、得られた
    カーボンブラック加圧成型体を包装することを特徴とす
    る包装されたカーボンブラック加圧成型体の製造方法。
JP29015396A 1996-10-31 1996-10-31 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法 Pending JPH10129723A (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29015396A JPH10129723A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
MYPI9705093 MY133570A (en) 1996-10-31 1997-10-28 Carbon black aggregate
US08/960,321 US6019829A (en) 1996-10-31 1997-10-29 Carbon black aggregate
TW86116063A TW510915B (en) 1996-10-31 1997-10-29 Carbon black aggregate
EP97118978A EP0839875B1 (en) 1996-10-31 1997-10-30 Carbon black aggregate
CA002219635A CA2219635A1 (en) 1996-10-31 1997-10-30 Carbon black aggregate
DE69730397T DE69730397T2 (de) 1996-10-31 1997-10-30 Russaggregat
KR1019970057318A KR100494215B1 (ko) 1996-10-31 1997-10-31 카본블랙응집물
CN97121291A CN1103801C (zh) 1996-10-31 1997-10-31 炭黑团聚物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29015396A JPH10129723A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10129723A true JPH10129723A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17752460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29015396A Pending JPH10129723A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10129723A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0839875B1 (en) Carbon black aggregate
JPH10129723A (ja) 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
JP3325862B2 (ja) 高分散性高含気性固体用の柔軟な大型容器及びその充填法
JPH10130531A (ja) 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
JPH10129719A (ja) 包装されたカーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
JPH10140051A (ja) 塗料用顔料及びその製造方法並びにこれを用いた塗料の製造方法
JPH10251542A (ja) 包装されたカーボンブラック成型体及びその製造方法
JPH10130530A (ja) カーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
JPH10130529A (ja) カーボンブラック加圧成型体及びその製造方法
JP3862327B2 (ja) カーボンブラック成型体
JPH10140038A (ja) インク用顔料及びその製造方法並びにこれを用いたインクの製造方法
JPH10140039A (ja) ゴム配合用カーボンブラック成型体及びカーボンブラック含有ゴム組成物
JPH10140040A (ja) 樹脂組成物用顔料及びその製造方法並びにこれを用いた樹脂組成物
CA2569061C (en) Containers for granular or pulverulent material
JPH10140036A (ja) カーボンブラック成型体及びその製造方法
JPH10140041A (ja) 包装されたカーボンブラック成型体及びその製造方法
JPH10251538A (ja) カーボンブラック成型体
JPH10251541A (ja) カーボンブラック成型体
JPH10249828A (ja) 加圧成型用パンチ及びこれを用いたカーボンブラック成型体の製造方法
JPH10251544A (ja) カーボンブラック成型体
JPH10265699A (ja) 防湿性効果を有するカーボンブラック集合体
NL8803192A (nl) Werkwijze voor het vullen van silovoertuigen.
KR100494215B1 (ko) 카본블랙응집물
JPH10258396A (ja) 粉体成型機及びこれを用いたカーボンブラック成型体の製造方法
JPH10251545A (ja) カーボンブラック成型体の投入方法