JPH10139840A - 水分散型樹脂組成物 - Google Patents

水分散型樹脂組成物

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JPH10139840A
JPH10139840A JP31269696A JP31269696A JPH10139840A JP H10139840 A JPH10139840 A JP H10139840A JP 31269696 A JP31269696 A JP 31269696A JP 31269696 A JP31269696 A JP 31269696A JP H10139840 A JPH10139840 A JP H10139840A
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JP
Japan
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resin
water
resin composition
acrylate
meth
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Withdrawn
Application number
JP31269696A
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English (en)
Inventor
Akira Matsumura
明 松村
Akinao Ooshita
彰尚 大下
Tetsuo Sato
哲郎 佐藤
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温施工性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚
染性が同時に優れるを外装塗料等の用途に有用な水分散
型樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 水酸基及びカルボキシル基を含有するの
アクリル系樹脂(A)に不飽和基を有するイソシアネー
ト化合物を付加させた酸価50〜300mgKOH/g
の樹脂(B)を塩基性化合物で中和して得られた樹脂
(C)の存在下、水媒体中で重合性不飽和単量体(D)
を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性、耐薬品
性、低温施工安定性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚染
性に同時に優れる水分散型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機溶剤型樹脂は、耐候性に
優れ、作業性も良好なことから塗料、接着剤、バインダ
ー用等の樹脂として大量に屋外用に使用されているが、
言うまでもなく、該樹脂は実際の作業に際しトルエンや
キシレンを主成分とする有機溶剤を多量に使用し大気に
放散するために、人体への安全・害毒や大気汚染・環境
問題などの面から問題視されてきている。かかる有機溶
剤に関して、世界的なレベルの揮発性有機物質(VO
C)規制として、1992年5月の「VOCによる広範
囲の越境大気汚染にかかわる国連議定書」がある。VO
C排出削減目標の国際的な合意は、2000年までに1
988年をベンチマークとして、その値の30%削減量
にするというものである。VOCの規制は、今のところ
法的に拘束されるものではないが、有機物質の放出が大
気を汚染することは事実であり、その影響は、いろいろ
な面で人間の健康に悪影響を及ぼすのも確かである。我
が国においては、有機溶剤型塗料中のトルエンやキシレ
ンが、1993年6月の中央公害対策審議会において、
悪臭物質に追加指定され、地方自治体条例によって悪臭
防止法の規制対象(実際の規制は各自治体の条例制定
後)となってからは、特に当該有害有機溶剤の使用量を
できる限り減らしたもの、或いは全く使用していないも
のが望まれてきている。
【0003】上記規制の対策の一つとして、トルエンや
キシレン等の有害有機溶剤をほとんど含まない水系のエ
マルジョン系樹脂を用いる方法がある。該エマルジョン
系樹脂は、媒体である水の中に、0.3〜5μm前後の
微小樹脂粒子が乳化剤、保護コロイド等によって分散さ
れたものであり、水の蒸発と共に起こる毛細管圧によっ
て、樹脂粒子同士が融着して造膜するものである。この
ため有機溶剤型樹脂と比較した場合、樹脂の分子同士の
絡み合いが不均一になったり、樹脂の粒子同士が融着し
た界面付近や空隙には親水性の乳化剤や保護コロイドが
残存し、耐水性、耐久性が劣る等の問題がある。又、そ
の他の問題としては、乳化剤として使用する界面活性剤
の界面又は表面へのブリード移行による密着性、接着性
の低下や光沢不良や含有する乳化剤や保護コロイドの排
水時の汚染問題等多々ある。
【0004】最近、かかる水系のエマルジョン系樹脂の
問題点を改良するために、吸着作用だけの乳化剤や保護
コロイドを使用せずに、反応性乳化剤、樹脂系分散剤等
を使用した、いわゆる「ソープフリーエマルジョン系樹
脂」が提案されており、貯蔵安定性向上を目的として、
特開昭49−107089号公報には、酸価40〜20
0mgKOH/gのカルボン酸含有重合体を塩基で部分
中和し、水を加えて得られる水性分散体(固形分5〜3
0%)の存在下に95〜70重量%のアクリル系重合体
を重合させる方法が記載され、かかるカルボン酸含有重
合体には若干の不飽和基を含有してもよい旨も記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が不飽和基の含有も含めて上記方法を詳細に検討し皮
膜化及び塗料化したところ、かかる方法より得られた、
水分散液の安定性、塗装作業性、塗膜物性は優れるもの
の、実際の使用にさいしては、耐水性、耐候性、耐薬品
性は未だに不十分であり、密着性、耐薬品性、低温施工
安定性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚染性を同時に兼
ね備えないことが判明し、特に、外装用の塗料とした時
は、顕著であり、上記性能を同時に兼ね備えている樹脂
が期待されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る問題を解決するために、各種アクリル系樹脂系分散剤
を使用した水分散型樹脂組成物について鋭意研究を重ね
た結果、水酸基及びカルボキシル基を含有するアクリル
系樹脂(A)に不飽和基を有するイソシアネート化合物
を付加させた酸価50〜300mgKOH/gの樹脂
(B)を塩基性化合物で中和して得られた樹脂(C)の
存在下において、水媒体中で重合性不飽和単量体(D)
を重合させてなる水分散型樹脂組成物が上記課題を解決
することを見いだし本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に用いる水酸基及びカルボキシル基を含
有するアクリル系樹脂(A)とは、アクリル系樹脂骨格
に、水酸基とカルボキシル基が各1個以上導入されてい
るアクリル系樹脂であればよく、その製造法は特には限
定されず、水酸基含有アクリル系単量体と、カルボキ
シル基含有単量体等を共重合させる方法、グリシジル
基含有モノマーを共重合しておき、重合後多塩基酸を付
加させる方法等が挙げられるが、製造が簡略である点で
の方法が好ましく該方法について具体的に説明する。
【0008】水酸基含有アクリル系単量体とは、単量体
中に、水酸基を1個以上含有するものであれば特には限
定されないが、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、エチルカルビトールアクリレート、トリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ
(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォス
フェート、4−ブチルヒドロキシアクリレート、カプロ
ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール(#200、#400、#600)ジアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、アリルアルコール等が挙げら
れるが、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等が用いられる。
【0009】カルボキシル基含有単量体とは、単量体中
に、カルボキシル基を1個以上含有するものであれば特
には限定されないが、具体的には、(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、フマール酸、(無水)マレイン酸、イ
タコン酸、シトラコン酸等が挙げられるが、好ましくは
(メタ)アクリル酸、フマール酸等が用いられる。
【0010】水酸基含有アクリル系単量体及びカルボキ
シル基含有単量体を、水酸基含有アクリル系単量体/カ
ルボキシル基含有単量体(重量比)=1〜15、好まし
くは2〜10で共重合させ、水酸基及びカルボキシル基
を含有するアクリル系樹脂(A)が得られるわけである
が、かかる反応は非水系で行われ、該反応は、アゾビス
イソブチロニトリル、アルキルパーオキサイド、t−ブ
チルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イソブチルパー
オキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−
トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト等の有機過酸化物等の触媒とともに通常50〜150
℃、好ましくは60〜140℃で4〜10時間、好まし
くは、5〜8時間で反応が行なわれ、得られた樹脂は酸
価が60〜330mgKOH/g、好ましくは、90〜
180mgKOH/gになるように、水酸基含有アクリ
ル系単量体及びカルボキシル基含有単量体、その他の単
量体を選択して用いる。
【0011】上記共重合の際には、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ス
チレン、バーサチック酸ビニルエステル等の脂肪酸エス
テル等の他のモノマーを全体に対して、35〜90重量
%程度併用する。
【0012】次いで上記の水酸基及びカルボキシル基を
含有するアクリル系樹脂(A)に、不飽和基を有するイ
ソシアネート化合物を付加反応させて酸価が50〜30
0mgKOH/gの樹脂(B)を得るわけであるが、該
不飽和基をもつイソシアネート化合物は、イソシアネー
ト化合物に不飽和基を導入して生成されるもので、該イ
ソシアネート化合物としては、水添化ジフェニルメタン
ジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂肪族系イソ
シアネート化合物、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリ
イソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネ
ート化合物あるいはイソシアネート化合物の3量体化合
物等が用いられるが、好ましくは、トリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等が用いられる。
【0013】不飽和基を導入する方法としては、上記の
イソシアネート化合物に不飽和基を有する単量体、例え
ば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート等のアクリル単量体や、アリルア
ルコールを反応させて、残存イソシアネート基を1分子
中に1個以上、好ましくは1〜1.05個含有させる。
【0014】水酸基及びカルボキシル基を含有するアク
リル系樹脂(A)と不飽和基をもつイソシアネート化合
物を反応させる方法としては、(A)の水酸基当量/不
飽和基をもつイソシアネート化合物のイソシアネート当
量=1〜10の当量比で、50〜90℃、3〜20時間
で残存イソシアネート基が0.1〜0.5モル%、好ま
しくは0.1〜0.2モル%になるまで反応させる。
【0015】かかる反応は非水系で行われ、該反応は、
ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテー
ト、ジブチルチンジメルカプチド、ジブチルチンジチオ
カルボキシレート、ジブチルチンジアレエート、フェニ
ル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸塩、ジメチルエタノ
ールアミン等の存在化ともに通常50〜90℃、好まし
くは60〜80℃で3〜20時間、好ましくは、4〜8
時間で反応が行なわれる。
【0016】かかる付加反応により得られる樹脂(B)
の数量平均分子量は、5000〜50000とすること
が好ましいく、更に好ましくは10000〜30000
である。尚、分子量が5000未満の時は得られる水分
散型樹脂組成物の諸物性が低下し、50000を越える
時は高粘度化し反応時の希釈剤が多くなり不経済であ
る。
【0017】本発明ではかかる樹脂(B)の酸価が、5
0〜300mgKOH/gであることが必要で、好まし
くは100〜200mgKOH/gである。かかる酸価
が50mgKOH/g未満の時は塩基性水溶液に対する
溶解度がし、300mgKOH/gを越える時は最終樹
脂の耐水性が低下し不適である。
【0018】かくして、水酸基及びカルボキシル基を含
有するアクリル系樹脂(A)の水酸基に不飽和基を有す
るイソシアネート基が付加反応することにより、アクリ
ル系樹脂にウレタン結合を介して不飽和基が導入される
と共に、カルボキシル基がそのまま残存するアクリル樹
脂が得られるわけであるが、本発明では、該カルボキシ
ル基を塩基性化合物で中和する必要がある。
【0019】該塩基性化合物としてはアンモニア、N,
N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モルフォリン、2−ジメチルアミノ−2
−メチル−1−プロパノール、モノイソプロパノールア
ミン、モノエタノールアミン、N,N−ジチチルエタノ
ールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ル、N−メチルジエタノール、ジイソプロパノールアミ
ン、N−エチル−ジエタノールアミン、トリイソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、好
ましくはアンモニア、ジエチルアミンが用いられる。該
塩基性化合物は1〜50重量%の水溶液として用いるこ
とが好ましく、その際の添加量としては、カルボキシル
基を中和するのに必要な90〜110当量%を添加し
て、25〜75℃、1〜3時間程度撹拌して中和する。
該中和はpHが6〜10、好ましくは7.5〜9になる
まで行う。pHが6未満あるいは10を越えると、溶液
粘度が高くなり、溶液安定性が低下するので好ましくな
い。
【0020】本発明は上記の如く塩基性化合物で中和し
て得られた樹脂(C)の存在下、水媒体中で重合性不飽
和単量体(D)を重合させて水分散型樹脂組成物を得る
ことを最大の特徴とするもので、その重合方法について
以下に詳細に述べる。
【0021】かかる樹脂組成物を得るにあたり、重合は
通常水系にて行なわれる。重合系のおける樹脂(C)の
添加量は特に限定されないが、好ましくは樹脂(C)と
重合性不飽和単量体(D)の合計量に対して5〜70重
量%、更に好ましくは30〜50重量%である。添加量
が5重量%未満では製造効率が悪くなる傾向があり、7
0重量%を越えると重合系が高粘度となる傾向がある。
【0022】該重合性不飽和単量体(D)としては、ス
チレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イ
ソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレー
ト、酢酸ビニル、t−デカン酸ビニル、トリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、
8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−
ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ビニルトルエ
ン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸ジアルキル
エステル、フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジ
アルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、
マレイン酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、ア
クリルクロライド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、
アクリルアミド、アセトアセチル化(メタ)アクリレー
ト、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメ
チルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシペンチルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシル
トリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタ
デシルトリメトキシシラン等が挙げられ、好ましくはメ
チルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレートメチル(メタ)アクリレート、スチ
レン、酢酸ビニル等が用いられる。
【0023】該重合開始剤としては、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アルキルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロ
パーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イ
ソブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソ
ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等があげられ
る。
【0024】重合は公知の方法で行うことができ特に限
定されないが、重合性不飽和単量体(D)の0.3〜5
重量%、好ましくは0.5〜3重量%の重合開始剤を加
えて製造する。
【0025】仕込み方法としては、樹脂(C)及び水媒
体中に重合性不飽和単量体(D)、重合開始剤を一括に
あるいは、分割に仕込んでだり、重合性不飽和単量体
(D)に樹脂(C)、重合開始剤を一括にあるいは、分
割に仕込でもよい。
【0026】重合時の反応温度としては、通常5〜90
℃、好ましくは50〜85℃の範囲内の温度を用いるの
が適当であり、通常1〜24時間、好ましくは5〜10
時間で反応が終了する。該重合において、樹脂系分散剤
中にカルボン酸塩を導入しているために、界面活性剤は
通常不要であり、従って重合後の水分散型樹脂組成物中
に界面活性剤を含有しないので、耐久性と排水の面にお
いて良好という作用・効果が付随する。
【0027】尚、該重合は通常水系で行うのが好まし
く、樹脂(C)に若干トルエン等の溶剤が含まれる場合
は、該溶剤は留去するのが好ましく、該留去にあたって
は50〜200Torr、40〜60℃の減圧条件下で
行われる。該留去の際に水や塩基性化合物が共沸するの
で、留去した場合は、その水溶液を分離し、還元し、樹
脂(C)の添加量を上記の規定値に調整するのが好まし
い。またイソプロピルアルコールやアセトン等の有機溶
剤を、本発明の効果を失わない程度の若干量を存在させ
てもよいし、又、その他の分散安定剤やレオロジーコン
トロール剤の如き添加剤や、リン酸塩等のpH緩衝剤を
併用しても良い。
【0028】かくして水に不溶性の芯粒子樹脂部分の外
周にアクリル系樹脂を樹脂系分散剤として結合させた本
発明の水分散型樹脂組成物の粒子体が得られ、かかる水
分散型樹脂組成物の粒子体の粒子径は特には限定されな
いが、得られた粒子径が0.01〜0.3μmの超微粒
子の場合には、透明性に優れ、樹脂分に富み、光沢性、
乾燥性に秀でて、塗膜、被塗材に対する密着性、耐薬品
性、低温施工安定性、耐水性、耐候性、耐汚染性に同時
に特に優れる水分散型樹脂組成物、いわゆる「ウオータ
ーボーン」が得られる。粒子径の調整は、樹脂系分散剤
の濃度、分散剤中のスルホン酸基の濃度、触媒濃度や樹
脂組成物重合時の撹拌条件等により行われ、粒子径がこ
の範囲より小さくなると諸物性は向上の傾向はあるも樹
脂組成物の製造に特別な配慮が必要で工業的採算がとれ
なくなり、他方粒子径がこの範囲より大きくなると貯蔵
中に粒子が膨潤又は凝集したりするので好ましくない。
【0029】本発明の水分散型樹脂組成物は、溶剤/可
塑剤のような造膜助剤、各種消泡剤、変性セルロース等
の増粘剤、顔料分散剤やレベリング剤とともに、チタン
白、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、酸化鉄
等の着色顔料や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸バリウム、各種シリカ、タルク、マイカ、クレー等
の体質顔料、ガラス繊維、充填剤などが加えられ、地球
環境に良好な塗料、接着剤、シーリング剤や各種バイン
ダーとして用いられ、特に、塗料、更には外装用塗料に
使用された時、本発明の効果を顕著に発揮できる。又、
該水分散型樹脂組成物に、種々の水系樹脂、例えば水系
アクリル樹脂、水系エポキシ樹脂等とブレンドすること
で、これらの樹脂の密着性、耐候性を更に向上すること
もできる。
【0030】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。
尚、以下の記述で「%」、「部」とあるのは「重量%」、
「重量部」である。 実施例1 撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフラ
スコに、トルエン500g、メチルメタクリレート15
0g、2−エチルヘキシルアクリレート200g、アク
リル酸100g、2−ヒドロキシエチルアクリレート5
0g、アゾビスイソブチロニトリル10gを80℃で3
時間滴下し、同温度でさらに3時間反応させ樹脂(A−
1)を得た。別に撹拌装置、還流用コンデンサー及び温
度計の付いたフラスコにトリレンジイソシアネート〔コ
ロネート−80(日本ポリウレタン社製)〕595gを
入れ50℃に保ちながら2−エチルヘキシルアクリレー
ト405gを滴下し同じ温度でイソシアネート基濃度が
15%になるまで反応し、中間体αを得た。
【0031】(A−1)全量に中間体α30g及びジブ
チルチンラウレート0.5gを加えて50℃でイソシア
ネート基の濃度が0.1%になるまで反応して、酸価1
51mgKOH/g、数平均分子量11000の樹脂
(B−1)を得た。次いでN,N−ジメチルエタノール
アミン120g及び水1140gを加えて乳濁液とし
て、減圧下50℃でトルエンを蒸発除去し、一部付随し
た分の、水とN,N−ジメチルエタノールアミンを追加
添加してpH8.5の樹脂(C−1)の水溶液〔樹脂
(C−1)30%含有〕を得た。該水溶液400g及び
水170gを撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計
の付いたフラスコに仕込み、これに対しメチルメタクリ
レート72g、スチレン54g、2−エチルヘキシルア
クリレート54g、アゾビスイソブチロニトリル1.8
gを均一に混合したもの〔樹脂(C−1)の添加量が樹
脂(C−1)と重合性不飽和単量体(D)の合計量に対
して40%〕を、窒素気流下に75〜80℃に内温をた
もちながら、3時間で滴下し更に3時間反応を続け終了
して本発明の水分散性樹脂組成物を得た。得られた水分
散性樹脂組成物は澄んだ半透明であり、粒子体の粒子径
を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機DLS−700
で測定した結果0.085μmであった。
【0032】次に得られた水分散型樹脂組成物100部
に対して、水を用い希釈し、撹拌・混合後、塗膜厚が3
0μm〜40μm(乾燥後)になるように、スレート板
(ウレタン系シーラ下地処理有り、JIS F5403
規定)にスプレー塗装し、評価試験板とし、また同様
にブリキ板にもスプレー塗装し、評価試験板とした。
【0033】また得られた水分散型樹脂組成物100部
に対して、顔料としてチタン白タイペークR−930
(石原産業(株)製)50部、ヘキサメタリン酸ソーダ
(1%水溶液)1部を混練し塗料とし、水を用い希釈
し、撹拌・混合後、塗膜厚が45μm〜55μm(乾燥
後)になるように、スレート板(ウレタン系シーラ下地
処理有り、JIS F5403規定)にスプレー塗装
し、評価試験板とし、また同様にブリキ板にもスプレ
ー塗装し、評価試験板とした。
【0034】上記評価試験板、を塗装直後に20℃
65%RHで60分放置した後に、以下の性能試験を行
った。 (低温施工安定性)−5℃で16時間放置した後に、塗
面の樹脂組成物が凍結やヒビ・フクレ等の異常がないか
調べた。 (臭気感応試験)塗面より発する臭気を調べた。
【0035】また評価試験板、、、に対して、
20℃55%RHの条件で1週間放置し、以下の性能試
験を行った。 (光沢性)評価試験板、にて、日本電色製のVG−
1D光沢計で60゜反射率(%)を測定した。 (耐水性)評価試験板、にて、20℃の水道水に1
68時間浸漬後の塗面の光沢を、日本電色製のVG−1
0光沢計で測定し、ブランクとの光沢保持率(%)を求
めた。 (耐アルカリ性)評価試験板、にて、5%NaOH
水溶液(20℃)に72時間浸漬後の塗面状態により調
べた。 (耐酸性)評価試験板、にて、5%HCl水溶液
(20℃)に72時間浸漬後の塗面状態により調べた。 (耐候性)評価試験板、にて、サンシャインウエザ
ーメーターを用いて、塗面状態を経時的に調べ、日本電
色製のVG−1D光沢計測定の60°鏡面光沢の保持率
が80(%)以下になるまでの時間(hr)を調べた。
500時間以上を良好とし、500時間未満は不良とし
た。
【0036】(温冷繰り返し試験)評価試験板、に
て、20℃の水に18時間浸漬し、次いで−40℃3時
間、次いで60℃3時間を1サイクルとした操作を10
サイクル繰り返した後の塗面に、ワレ、ハガレ等の異常
発生が認められないかを調べた。 (密着性)評価試験板、にて、塗膜表面の塗膜に2
mmのクロスカット後、セロテープにて、JIS K5
400の碁盤目試験を行い、剥離残数を数えた。 (耐汚染性)評価試験板、にて、南向き45°傾斜
で屋外暴露(大阪府茨木市)を3ヵ月間行った後、付着
した汚れの付いたままの評価試験板と屋外暴露を行って
ないブランクの評価試験板との色差ΔEを日本電色製の
Σ−90にて測定して塗面の汚れ状態を調べた。ΔEが
1.0以下のものを良好として、1.0未満は不良とし
た。
【0037】実施例2 実施例1と同様の装置を用いて、トルエン500g、ス
チレン150g、2−エチルヘキシルアクリレート20
0g、マレイン酸モノメチルエーテル100g、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート50g、アゾビスイソブチ
ロニトリル10gを用いて同様に実施して樹脂(A−
2)を得た。別に実施例1と同様のフラスコにイソホロ
ンジイソシアネート657gを入れ50℃に保ちながら
2−エチルヘキシルアクリレート343gを滴下し同じ
温度でイソシアネート基濃度が13%になるまで反応さ
せて、中間体βを得た。(A−2)全量に中間体β32
gを加えて50℃でイソシアネート基濃度が0.1%に
なるまで反応して酸価125mgKOH/g、数平均分
子量15000の樹脂(B−2)を得た。次いでN,N
−ジメチルエタノールアミン99g及び水1165gを
加えて乳濁液として、減圧下50℃でトルエンを蒸発除
去し、一部付随した分の、水とN,N−ジメチルエタノ
ールアミンを追加添加してpH8.5の樹脂(C−2)
の水溶液〔樹脂(C−2)30%含有〕を得た。該水溶
液400g、水170g及び過硫酸カリウム1.8gを
実施例1と同様のフラスコに仕込み、均一に混合した
後、メチルメタクリレート45g、酢酸ビニル105
g、2−エチルヘキシルアクリレート27g、Veov
a10(シェル化学製)3gを均一に混合したもの〔樹
脂(C−2)の添加量が、樹脂(C−2)と重合性不飽
和単量体(D)の合計に対して40%〕を、窒素気流下
に75〜80℃に内温をたもちながら、3時間で滴下し
更に3時間反応を続け終了し、水分散性樹脂組成物を得
た。得られた水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であ
り、粒子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測
定機DLS−700で測定した結果0.085μmであ
った。得られた水分散性樹脂組成物を実施例1と同様に
評価試験板に塗装し、同様に評価した。
【0038】実施例3 実施例1において、N,N−ジメチルエタノール120
gに替えて、トリエチルアミン115.4gを用いた以
外は同様に操作し水分散性樹脂組成物を得た。得られた
水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であり、粒子体の粒
子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機DLS−7
00で測定した結果0.090μmであった。得られた
水分散性樹脂組成物を実施例1と同様に評価試験板に塗
装し、実施例1と同様に評価した。
【0039】実施例4 実施例1と同様にして(C−1)の水溶液〔樹脂(C−
1)30%含有〕を得、該水溶液600g及び水30g
を撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフ
ラスコに仕込み、これに対しメチルメタクリレート48
g、スチレン36g、2−エチルヘキシルアクリレート
36g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを均一に
混合したもの〔樹脂(C−1)の添加量が、樹脂(C−
1)と重合性不飽和単量体(D)の合計に対して60
%〕した以外は同様に操作し水分散性樹脂組成物を得
た。得られた水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であ
り、粒子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測
定機DLS−700で測定した結果0.095μmであ
った。得られた水分散性樹脂組成物を実施例1と同様に
評価試験板に塗装し、実施例1と同様に評価した。実施
例1と同様に評価した。
【0040】実施例5 実施例1と同様にして(C−1)の水溶液〔樹脂(C−
1)30%含有〕を得、該水溶液100g及び水380
gを撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いた
フラスコに仕込み、これに対しメチルメタクリレート1
08g、スチレン81g、2−エチルヘキシルアクリレ
ート81g、アゾビスイソブチロニトリル2.7gを均
一に混合したもの〔樹脂(C−1)の添加量が、樹脂
(C−1)と重合性不飽和単量体の合計に対して10
%〕した以外は同様に操作し水分散性樹脂組成物を得、
実施例1と同様に評価した。得られた水分散性樹脂組成
物は澄んだ半透明であり、粒子体の粒子径を大塚電子製
レーザー光散乱粒径測定機DLS−700で測定した結
果0.070μmであった。得られた水分散性樹脂組成
物を実施例1と同様に評価試験板に塗装し、実施例1と
同様に評価した。実施例1と同様に評価した。
【0041】比較例1 水600gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
1.2gを加えて均一溶液にした、これに実施例1と同
じ装置を用い、メチルメタアクリレート160g、スチ
レン120g、2−エチルヘキシルアクリレート120
g、過硫酸カリウム1.2gを加えて撹拌して分散液と
した。この内の20%をコンデンサー、温度計、撹拌翼
を備えたフラスコに仕込み、窒素気流下に77℃の内温
に保ち、30分後に、残りの80%を2時間かけて滴下
し、更に1時間反応を続け終了し水分散型樹脂組成物を
得た。得られた水分散性樹脂組成物は不透明であり、粒
子体の粒子径は0.29μmであった。実施例1と同様
に評価試験板に塗装し、実施例1と同様に評価を行っ
た。
【0042】比較例2 実施例1と同様の装置を用い、実施例1の初期の仕込み
をトルエン500g、メチルメタクリレート200g、
2−エチルヘキシルアクリレート200g、アクリル酸
100g、2−ヒドロキシエチルアクリレート50g、
アゾビスイソブチロニトリル10gに代えて同様に実施
して樹脂(A−3)を得た。得られた樹脂(A−3)は
酸価155mgKOH/g、数平均分子量10000で
あった。次いで(A−3)全量にN,N−ジメチルエタ
ノールアミン148g及び水1042gを加えて実施例
1と同様にトルエンを除去しpH8.6の樹脂(C−
3)の水溶液〔樹脂(C−3)30%含有〕を得た。該
水溶液400g及び水170gを実施例1と同様のフラ
スコに仕込み、これに対しメチルメタクリレート72
g、スチレン54g、2−エチルヘキシルアクリレート
54g、アゾビスイソブチロニトリル1.8gを均一に
混合したもの〔樹脂(C−3)添加量が、樹脂(C−
3)と重合性不飽和単量体(D)の合計に対して40.
0%〕を、窒素気流下に75〜80℃に内温をたもちな
がら、3時間で滴下し更に3時間反応を続け終了し、水
分散性樹脂組成物を得た。得られた水分散性樹脂組成物
は澄んだ半透明であり、粒子体の粒子径を大塚電子製レ
ーザー光散乱粒径測定機DLS−700で測定した結果
0.085μmであった。得られた水分散性樹脂組成物
を実施例1と同様に評価試験板に塗装し、同様に評価し
た。
【0043】比較例3 実施例1と同様の装置を用い、実施例1の最初の仕込み
をトルエン500g、メチルメタクリレート230g、
2−エチルヘキシルアクリレート200g、アクリル酸
20g、2−ヒドロキシエチルアクリレート50g、ア
ゾイソブチロニトリル10gに代えた以外は実施例1と
同様に実施して酸価28.9mgKOH/g、数平均分
子量12000の樹脂(B−2)を得た。次いでN,N
−ジメチルエタノールアミン24.8g及び水1235
gを加えて乳濁液として、減圧下50℃でトルエンを蒸
発除去したところ、高粘度となり、撹拌が不能で、目的
の樹脂はえられなかった。以下の評価はしなかった。
【0044】比較例4 実施例1と同様の装置を用い、実施例1の最初の仕込み
をトルエン500g、メチルメタクリレート230g、
2−エチルヘキシルアクリレート160g、アクリル酸
240g、2−ヒドロキシエチルアクリレート50g、
アゾイソブチロニトリル10gに代えた以外は実施例1
と同様に実施して酸価346mgKOH/g、数平均分
子量11000の樹脂(B−2)を得た。以降は実施例
1と同様に操作し水分散性樹脂組成物を得た。得られた
水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であり、粒子体の粒
子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機DLS−7
00で測定した結果0.11μmであった。得られた水
分散性樹脂組成物を実施例1と同様に評価試験板に塗装
し、実施例1と同様に評価した。実施例と比較例の評価
結果を表1〜3に示した。
【0045】
【表1】 評価項目 試験板 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 低温施工 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 安定性 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 臭気感 臭気無し 臭気無し 臭気無し 臭気無し 臭気無し 応試験 臭気無し 臭気無し 臭気無し 臭気無し 臭気無し 光沢性 80 82 80 78 85 (%) 78 78 78 77 80 耐水性 92 93 91 92 90 (%) 92 93 91 93 92 耐アル 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し カリ性 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 耐酸性 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 耐候性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 温冷繰り 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 返し試験 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 異常無し 密着性 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 25/25 耐汚染性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好
【0046】
【表2】 尚比較例3では樹脂(C)が得られなかったので、水分
散型樹脂組成物の評価はできなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明は、水酸基及びカルボキシル基を
含有するのアクリル系樹脂(A)に不飽和基を有するイ
ソシアネート化合物を付加させた酸価50〜300mg
KOH/gの樹脂(B)を塩基性化合物で中和して得ら
れた樹脂(C)の存在下、水媒体中で重合性不飽和単量
体(D)を重合させてなる水分散型樹脂組成物であるた
め、密着性、耐薬品性、低温施工安定性、光沢性、耐水
性、耐候性、耐汚染性を同時に兼ね備え、溶剤を含有し
ていないため、地球環境に良好で、塗料、接着剤、シー
リング剤や各種バインダーに有用である樹脂組成物を提
供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】不飽和基をもつイソシアネート化合物は、
上記のイソシアネート化合物に不飽和基と水酸基を有す
る単量体を反応させて得られる。例えば、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート等の水酸基含有アクリル単量体や、アリルアルコ
ールを上記のイソシアネート化合物に反応させて、残存
イソシアネート基を1分子中に1個以上、好ましくは1
〜1.05個含有させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】かかる樹脂組成物を得るにあたり、重合は
通常水系にて行なわれる。重合系における樹脂(C)の
添加量は特に限定されないが、好ましくは樹脂(C)と
重合性不飽和単量体(D)の合計量に対して5〜70重
量%、更に好ましくは30〜50重量%である。添加量
が5重量%未満では製造効率が悪くなる傾向があり、7
0重量%を越えると重合系が高粘度となる傾向がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。
尚、以下の記述で「%」、「部」とあるのは「重量%」、
「重量部」である。 実施例1 撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフラ
スコに、トルエン500g、メチルメタクリレート15
0g、2−エチルヘキシルアクリレート200g、アク
リル酸100g、2−ヒドロキシエチルアクリレート5
0g、アゾビスイソブチロニトリル10gを80℃で3
時間滴下し、同温度でさらに3時間反応させ樹脂(A−
1)を得た。別に撹拌装置、還流用コンデンサー及び温
度計の付いたフラスコにトリレンジイソシアネート〔コ
ロネート−80(日本ポリウレタン社製)〕595gを
入れ50℃に保ちながら2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート405gを滴下し同じ温度でイソシアネート基濃度
が15%になるまで反応し、中間体αを得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】実施例2 実施例1と同様の装置を用いて、トルエン500g、ス
チレン150g、2−エチルヘキシルアクリレート20
0g、マレイン酸モノメチルエーテル100g、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート50g、アゾビスイソブチ
ロニトリル10gを用いて同様に実施して樹脂(A−
2)を得た。別に実施例1と同様のフラスコにイソホロ
ンジイソシアネート657gを入れ50℃に保ちながら
2−ヒドロキシエチルアクリレート343gを滴下し同
じ温度でイソシアネート基濃度が13%になるまで反応
させて、中間体βを得た。(A−2)全量に中間体β3
2gを加えて50℃でイソシアネート基濃度が0.1%
になるまで反応して酸価125mgKOH/g、数平均
分子量15000の樹脂(B−2)を得た。次いでN,
N−ジメチルエタノールアミン99g及び水1165g
を加えて乳濁液として、減圧下50℃でトルエンを蒸発
除去し、一部付随した分の、水とN,N−ジメチルエタ
ノールアミンを追加添加してpH8.5の樹脂(C−
2)の水溶液〔樹脂(C−2)30%含有〕を得た。該
水溶液400g、水170g及び過硫酸カリウム1.8
gを実施例1と同様のフラスコに仕込み、均一に混合し
た後、メチルメタクリレート45g、酢酸ビニル105
g、2−エチルヘキシルアクリレート27g、Veov
a10(シェル化学製)3gを均一に混合したもの〔樹
脂(C−2)の添加量が、樹脂(C−2)と重合性不飽
和単量体(D)の合計に対して40%〕を、窒素気流下
に75〜80℃に内温をたもちながら、3時間で滴下し
更に3時間反応を続け終了し、水分散性樹脂組成物を得
た。得られた水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であ
り、粒子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測
定機DLS−700で測定した結果0.085μmであ
った。得られた水分散性樹脂組成物を実施例1と同様に
評価試験板に塗装し、同様に評価した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基及びカルボキシル基を含有するア
    クリル系樹脂(A)に不飽和基を有するイソシアネート
    化合物を付加させた酸価50〜300mgKOH/gの
    樹脂(B)を塩基性化合物で中和して得られた樹脂
    (C)の存在下、水媒体中で重合性不飽和単量体(D)
    を重合させてなることを特徴とする水分散型樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 樹脂(C)の添加量が、樹脂(C)と重
    合性不飽和単量体(D)の合計量に対して5〜70重量
    %であることを特徴とする請求項1記載の水分散型樹脂
    組成物
  3. 【請求項3】 重合体の粒子径が0.01〜0.3μm
    であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の水分
    散型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 塗料に用いることを特徴とする請求項1
    〜3いずれか記載の水分散型樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255204A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Toyo Ink Mfg Co Ltd ポリマーエマルジョン含有水性塗料

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