JPH10136836A

JPH10136836A - ルアー

Info

Publication number: JPH10136836A
Application number: JP29262896A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Mashino; 勉真篠
Original assignee: Daiwa Seiko Co Ltd
Current assignee: Globeride Inc
Priority date: 1996-11-05
Filing date: 1996-11-05
Publication date: 1998-05-26
Anticipated expiration: 2016-11-05
Also published as: JP3296406B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明はルアーに関し、ルアーアクションの
改善を図り、同時にルアー本体の小型化を図ってキャス
ティング時の空気抵抗の軽減を図ったルアーを提供する
ことを目的とする。【解決手段】請求項１に係るルアーは、左右一対のル
アー外表体を貼り合わせてなるルアー本体を、比重１．
０未満の合成樹脂で成形したことを特徴とする。そし
て、請求項２に係る発明は、請求項１記載のルアーに於
て、ルアー本体内に空洞を前後方向に設け、当該空洞内
に移動錘を空洞に沿って移動自在に収容したことを特徴
とし、請求項３及び請求項４に係る発明は、請求項１又
は請求項２記載のルアーに於て、合成樹脂が、夫々、ポ
リメチルペンテン，ポリプロピレンであることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主としてルアーア
クションの改善を図ったルアーに関する。

【０００２】

【従来の技術】実公昭５５−３１８８９号公報又は実開
昭６０−１７９１７０号公報等に開示されるように、従
来、ルアーはルアー本体がバルサ材等の木材や硬質の合
成樹脂によって魚形状に成形されており、当該ルアー本
体の表面に魚模様を施し、その内部にバランス調整用の
錘を装着すると共に、ルアー本体の尾びれ部や腹部に釣
針を夫々装着してルアーが構成されている。

【０００３】そして、合成樹脂製のルアー本体は、左右
一対のルアー外表体を貼り合わせて形成されており、内
部に空洞を設けて構造自体に浮力を持たせると共に、当
該空洞内に鋼球からなる移動錘を前後方向へ移動自在に
収容して、キャスティング時に於ける飛距離の確保が図
られている。そして、一般にルアー本体の口部にはリッ
プ（抵抗板）が設けられており、水の抵抗をこのリップ
に作用させることで、ルアーに実物の魚泳に似せたルア
ーアクション（疑似動作）を行わせるようになってい
る。

【０００４】而して、バルサ材等の木材は適度な浮力を
有するため、古くからルアー本体の材料として広く用い
られてきたが、この種のルアー本体は使用中に水が浸透
して浮力が変化したり長期に亘る使用で劣化してしまう
虞があった。然も、木材は品質の安定性の点で同一性
質，同一形状のものが作りにくく、又、移動錘等の機能
を付加しにくい等の不具合があった。

【０００５】そこで、昨今では、斯かるバルサ材等の木
材に代えて、硬質の合成樹脂で成形したルアーが広く普
及しており、特にＡＢＳ（アクリルニトリルブタジエ
ンスチレン）樹脂は、塗装や接着が容易であることか
らルアー本体の材料として広く使用されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述したよ
うに合成樹脂製のルアー本体は内部に空洞を設けて構造
自体に浮力を持たせなければならず、然も、左右一対の
ルアー外表体の接合部の強度を確保するために広い接合
面を要することもあって、ルアー本体の小型化を図るこ
とができないのが実情であった。

【０００７】そのため、空洞内に移動錘を収容してキャ
スティング時の飛距離を確保する構造となっているもの
の、大型化したルアー本体はキャスティング時に空気抵
抗を受けてしまい、十分な飛距離を確保する上でルアー
本体の小型化が望まれている。然も、ＡＢＳ樹脂は比重
が１．０１〜１．２と水よりも重いため、ＡＢＳ樹脂製
のルアー本体は重量が周縁部に偏り、その結果、水の抵
抗を受けても重心を支点としたルアー本体の動きが鈍
く、ルアーアクションが小さいといった欠点があった。

【０００８】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、ルアーアクションの改善を図り、同時にルアー本体
の小型化を図ってキャスティング時の空気抵抗の軽減を
図ったルアーを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係るルアーは、バランス調整用の錘を備
えるルアー本体を、比重１．０未満の硬質の合成樹脂で
成形したことを特徴とする。又、請求項２に係る発明
は、請求項１記載のルアーに於て、ルアー本体を左右一
対のルアー外表体を貼り合わせて成形し、当該ルアー本
体内に空洞を前後方向に設けると共に、当該空洞内に移
動錘を空洞に沿って移動自在に収容したことを特徴とし
ている。

【００１０】そして、請求項３及び請求項４に係る発明
は、請求項１又は請求項２記載のルアーに於て、合成樹
脂が、夫々、ポリメチルペンテン，ポリプロピレンであ
ることを特徴とする。

【００１１】（作用）而して、請求項１に係る発明によ
れば、ルアー本体を比重１．０未満の硬質の合成樹脂で
成形したので、従来の合成樹脂製のルアー本体の如く浮
力を得るための空洞を設ける必要がない。

【００１２】そのため、ルアー本体が従来に比し小型化
でき、斯様にルアー本体が小型化されると、キャスティ
ング時に少ない空気抵抗でルアーは飛んでいくこととな
る。そして、ルアー本体が水より比重の軽い合成樹脂で
成形されているため、ＡＢＳ樹脂で成形された従来のル
アー本体に比し水の影響を受け易く、この結果、ルアー
は従来に比し大きなルアーアクションで魚を誘うことと
なる。

【００１３】又、請求項２に係る発明によれば、キャス
ティング時にその慣性で移動錘が空洞の後端側に位置し
た状態となり、ルアーは従来に比し少ない空気抵抗と移
動錘の推進力で遠くへ飛んでいくこととなる。

【００１４】そして、請求項３及び請求項４に係る発明
によれば、請求項１に係る発明の合成樹脂としてポリメ
チルペンテンやポリプロピレンを用いたので、請求項１
に係る発明と同様の作用を奏することとなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。

【００１６】図１乃至図３は請求項１乃至請求項３に係
るルアーの一実施形態を示し、図１に於て、１は硬質の
合成樹脂からなる左右一対のルアー外表体３，５を接合
して成形されたルアー本体で、従来のルアー本体と同
様、当該ルアー本体１は魚形状に成形されて、その表面
に図示しない魚模様が施されている。そして、ルアー外
表体３，５の口部には、夫々、半割れリップ７ａ，７ｂ
が一体成形されており、両ルアー外表体３，５を接合し
てルアー本体１の口部にリップ７が形成されているが、
本実施形態に係るルアー外表体３，５はポリメチルペン
テンで成形されている。

【００１７】このポリメチルペンテンは、４−メチルペ
ンテン−１をベースとするポリオレフィンであって、比
重が０．８３〜０．８４と熱可塑性樹脂の中で最も軽
く、流動性に優れ射出成形が容易で、今日、医療器具や
理化学実験器具等に広く使用されている。そして、両ル
アー外表体３，５は、超音波溶着によって接合されてい
る。

【００１８】又、図１及び図２に示すようにルアー外表
体３の接合面には、ダルマピン９，１１，１３を係止す
る係止ピン１５，１７，１９が突設され、一方、ルアー
外表体５の接合面には、各係止ピン１５，１７，１９に
対応して係止凹部２１，２３，２５が形成されており、
超音波溶着による接合に当たり、これらを夫々係合する
ことで両ルアー外表体３，５が一体に取り付くようにな
っている。

【００１９】そして、ルアー本体１の口部に位置するダ
ルマピン９にリング２７を介して道糸２９が止着され、
又、ルアー本体１の腹部と尾びれ部に位置するダルマピ
ン１１，１３に、夫々、リング２７を介して釣針３１が
止着されている。又、図１乃至図３に示すようにルアー
本体１内には、腹部から尾びれ部に亘って空洞３３がル
アー本体１の前後方向に設けられており、当該空洞３３
内に硬炭素鋼（比重５）からなる球状の移動錘３５が空
洞３３に沿って移動自在に収容されている。

【００２０】而して、既述したように、従来、合成樹脂
製のルアー本体は内部に空洞を設けて構造自体に浮力を
持たせなければならず、そのため、ルアー本体の外形形
状が大型化していた。然し、本実施形態ではルアー本体
１を水より比重の軽いポリメチルペンテンで成形したた
め、上記空洞３３は浮力を得る程に容量を大きくとる必
要がなく、従来の合成樹脂製のルアー本体に比し容量の
少ない空洞３３で足りる。

【００２１】そこで、空洞３３は移動錘３５がルアー本
体１の前後方向に移動し得る程度の大きさに成形され、
この結果、本実施形態は、従来に比しルアー本体１の小
型化が図られている。そして、上記ルアー本体１と移動
錘３５の重量の合計値が、従来のルアー本体と移動錘の
重量の合計値となるように、移動錘３５は従来の移動錘
と同一の外形寸法を維持しつつ、重量のみが従来に比し
重くなっている。

【００２２】そして、図２及び図３に示すように空洞３
３内の下面は、ルアー外表体３，５に突設した略弧状の
リブ３７ａ，３７ｂによって通路３９が形成され、この
通路３９は中間が高く、前側と後側が低く形成されてい
る。そして、上記空洞３３の側面に、通路３９に沿って
移動錘３５の左右のブレを防止する案内片４１ａ，４１
ｂが設けられている。

【００２３】尚、図２に示すように上記空洞３３と仕切
壁４３を隔ててルアー本体１の頭部側にも空洞４５が設
けられており、当該空洞４５内に球状のバランス調整用
（前側重心用）の錘４７が係止片４９によって一定の位
置に保持されている。

【００２４】本実施形態に係るルアー５１はこのように
構成されているから、当該ルアー５１を用いて釣りを行
う際に、図示しない竿先のガイドよりわずかに釣糸を繰
り出した状態でルアー５１を垂下したキャスティング体
制に入ると、移動錘３５は図２の実線で示す空洞３３の
後端側に移動する。そして、ルアー５１が投げられる
と、その慣性で移動錘３５が空洞３３の後端側に位置し
た状態でルアー５１は尾びれ部側を先頭に飛んで行く
が、上述したように本実施形態に係るルアー５１はルア
ー本体１が従来に比し小型化され、然も、移動錘３５は
従来より重量が重たいため、従来に比べ少ない空気抵抗
と大きな推進力でルアー５１は遠くへ飛んでいくことと
なる。そして、着水後に、従来と同様、ルアー５１を始
めに強く動かして移動錘３５を空洞３３の前側へ強制的
に移動させるか、或るいはルアー５１を泳動させると、
リップ７と錘４７の作用でルアー５１が振動し乍ら口部
側を下に向けるため、この作用で移動錘３５が空洞３３
の前側へ移動する。

【００２５】そして、リップ７と錘３５，４７の作用
で、ルアー７１は口部側を下に向け乍ら泳動するが、ル
アー本体１が水より比重の軽いポリメチルペンテンで成
形されているため、ＡＢＳ樹脂で成形された従来のルア
ー本体に比し水の影響を受け易く、この結果、ルアー本
体１は従来に比し大きなルアーアクションで魚を誘うこ
ととなる。

【００２６】このように、本実施形態は、ルアー本体１
をポリメチルペンテンで成形したので、従来の合成樹脂
製のルアー本体の如く浮力を得るための空洞を設ける必
要がない。従って、本実施形態によれば、ルアー本体１
の外形形状が小型化し、然も、従来に比し重量の重い移
動錘３５を用いているため、従来に比べ少ない空気抵抗
と大きな推進力が得られてルアーの遠投飛距離が伸びる
こととなった。

【００２７】又、上述したように、本実施形態はルアー
本体１をポリメチルペンテンで成形したため、ＡＢＳ樹
脂等の合成樹脂製のルアーに比しルアー本体１が水の影
響を受け易くなってルアーアクションが大きくなった。
更に又、本実施形態にあっても、従来の合成樹脂製のル
アーと同様、耐久性，量産性が良好であることは勿論、
上述したように浮力を得る程の大きな空洞を設ける必要
がないため、その分、ルアー外表体３，５を肉厚に成形
でき、この結果、広い接合面を得ることが可能となって
接合強度が向上し、内部に水が浸入することもない利点
を有する。

【００２８】尚、水より比重の軽い合成樹脂として、ポ
リメチルペンテンの他にポリプロピレン（比重０．９）
が存在する。そこで、図示しないが上記ルアー外表体
３，５をポリプロピレンで成形した請求項１，２及び請
求項４の一実施形態に係るルアーによっても、上記実施
形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。

【００２９】又、移動錘３５の材質としては、上述した
硬炭素鋼の他、真鍮（比重７．５）やタングステン鋼
（比重１８．５）があり、これらの材料を用いること
で、移動錘３５の外形寸法を変更することなく重量のみ
の調節が可能である。ところで、上記実施形態のルアー
５１に代え、図４及び図５に示す請求項１及び請求項３
又は請求項１及び請求項４の一実施形態に係るルアー５
３のように、左右一対のルアー外表体５５，５７からな
るルアー本体５９をポリメチルペンテンやポリプロピレ
ンで中実に成形して、ルアー外表体５５の接合面にダル
マピン９，１１，１３を係止する係止ピン１５，１７，
１９を一体成形すると共に、これらに対応してルアー外
表体５７の接合面に係止凹部２１，２３，２５を形成し
て、ルアー本体５９内の所定位置にバランス調整用の錘
４７を埋設してもよい。

【００３０】而して、本実施形態によっても、ルアー本
体５９を小型軽量化できるため、従来に比し遠投時の空
気抵抗を減少させることが可能となるし、又、ルアーア
クションを大きくすることも可能である。

【００３１】更に又、ルアー本体を左右一対のルアー外
表体で成形した上記各実施形態に代え、図示しないが請
求項１及び請求項３又は請求項１及び請求項４に係る他
の実施形態として、ポリメチルペンテンやポリプロピレ
ンを用いてルアー本体を中実に一体成形することも可能
である。而して、このルアー本体の製造方法としては、
金型内にバランス調整用の錘やダルマピン（ダルマピン
に代え、釣針止着部材として線材を用いるときには当該
線材）を固定した後、金型にポリメチルペンテンやポリ
プロピレンを流し込んで中実なルアー本体を一体成形し
たり、或いは錘を固定した金型内にこれらの樹脂を流し
込んで中実なルアー本体を一体成形した後、道糸止着部
材と釣針止着部材をルアー本体の所定位置に後付けする
方法が提案される。

【００３２】そして、これらの各実施形態によっても、
既述した各実施形態と同様、ルアー本体を小型軽量化で
きるため、従来に比し遠投時の空気抵抗を減少させるこ
とが可能となるし、ルアーアクションを大きくすること
も可能である。又、移動錘を装着しないこれら各実施形
態のルアーにあっては、必要に応じ、遠投時に推進力を
得るための錘を尾びれ部に適宜装着したり、或いはルア
ー本体の製造時に斯かる錘をルアー本体内の所定箇所に
埋設してもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係るルア
ーによれば、ルアー本体の小型軽量化が可能となって、
従来に比し遠投飛距離が伸び、又、ルアーアクションが
大きくなって釣果が向上することとなった。そして、請
求項２に係るルアーでは、移動錘によって遠投時に大き
な推進力が得られるため、更に長い遠投飛距離を得るこ
とが可能である。

【００３４】然も、斯様に移動錘を装着するルアーで
は、従来に比し浮力を得る程の大きな空洞をルアー本体
に設けて移動錘を装着する必要がないため、その分、ル
アー外表体を肉厚に成形でき、この結果、広い接合面を
得ることが可能となって接合強度が向上し、内部に水が
浸入することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１乃至請求項３の一実施形態に係るルア
ーの一部切欠き平面図である。

【図２】一方のルアー外表体の内側側面図である。

【図３】図１のIII−III線断面図である。

【図４】請求項１及び請求項３又は請求項１及び請求項
４の一実施形態に係るルアーの平面図である。

【図５】一方のルアー外表体の内側側面図である。

【符号の説明】

１，５９ルアー本体３，５，５５，５７ルアー外表体７リップ２９道糸３１釣針３３空洞３５移動錘５１，５３ルアー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】バランス調整用の錘を備えるルアー本体
を、比重１．０未満の硬質の合成樹脂で成形したことを
特徴とするルアー。
【請求項２】ルアー本体を左右一対のルアー外表体を
貼り合わせて成形し、当該ルアー本体内に空洞を前後方
向に設けると共に、空洞内に移動錘を当該空洞に沿って
移動自在に収容したことを特徴とする請求項１記載のル
アー。
【請求項３】合成樹脂は、ポリメチルペンテンである
ことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のルアー。
【請求項４】合成樹脂は、ポリプロピレンであること
を特徴とする請求項１又は請求項２記載のルアー。