JP3747418B2 - ルアー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルアー、特に、魚釣りに用いられる中空構造のルアーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラックバスやシーバス等の肉食性の魚類を釣るためにルアーがよく使用される。この種のルアーにおいて金属製のルアーが知られている。金属製のルアーは、プラスチック製のものに比べて一般に重いため、キャスティング時に狙ったポイントにルアーを投げ込みやすい。しかし、金属製のルアーは比重が大きいので水中に沈みやすく、水底の障害物回りを狙うためのメタルジグ型にもっぱら用いられている。
【0003】
この種の金属製のルアーにおいて、形状を魚体に似せたプラグ型のものが知られている(実開平6−64458号)。このルアーは、金属製の中実のルアー本体の頭部の貫通孔に、ルアー本体に用いられる金属より密度が高い金属塊を嵌合したものである。この金属製ルアーでは、頭部が尾部に比べて重くなるように重量配分するために、金属塊を頭部の貫通孔に嵌合している。これにより、水中でもよく動くようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、ルアー本体が中実のため比重がプラスチック製に比べて大きくなる。このため、外形が大きくなるとそれにつれて重さが飛躍的に重くなる。このため外形の大きさが小さいものに限定され、シーバスのように大きな魚に適応しずらい。また、比重が大きいため、用途もプラグ型においてバイブレーションやクランクベイトに限定され、ミノーやトップウォータには使用しずらい。
【0005】
また、ルアー本体が中実の場合、重さの割りに形が小さくなり、重量配分に工夫を凝らしてもやはり動きが水流の変化に対して小さくなる。
【0006】
本発明の目的は、外形の大きさや用途が限定されにくい金属製のルアーを提供することにある。本発明の別の目的は、水流の変化に対する動きが大きい金属製のルアーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るルアーは、魚釣りに用いられるルアーであって、本体と複数の係止部とバランス部材とを備えている。本体は、鍛造により内部全体が中空に形成され、内部空間に貫通する逃がし孔を外殻部に有する流線形状の金属製のものである。係止部は、本体の縁部に設けられ、釣り針及び釣り糸を係止するものである。バランス部材は、逃がし孔に止着されている。
【0008】
このルアーでは、本体が中空のため、中実の本体に比べて全体の比重が小さくなる。このため、中実のものに比べて外形の大きさや用途が限定されにくい。また、内部に重りを配置したり外部に重りを配置したり肉厚を変化させることで簡単かつ自由に重量配分の適正化を図ることができ、水流の変化に対して動きを大きくすることができる。また、バランス部材を設けることで、重量配分の適正化を容易に実現できる。
【0009】
発明2に係るルアーは、発明1に記載のルアーにおいて、本体は、頭部上面から胴部上面に斜めに延びる平坦な水受け部を有している。この場合には、余分なリップを設けることなく水流の変化に対して水中での左右の動きが生じやすくなり、かつキャスティング時に空気抵抗が少なくなりより遠投しやすくなる。
【0010】
発明3に係るルアーは、発明1に記載のルアーにおいて、逃がし孔は本体の頭部に設けられ、バランス部材は頭部に止着されたリップである。この場合には、前側への重心の配置と、リップによる水流への最適な対応とを同時に実現でき、水中での左右の動きがより大きくなる。
【0011】
発明4に係るルアーは、発明1に記載のルアーにおいて、逃がし孔は本体の尾部に設けられ、バランス部材は尾部に設けられた釣り針係止部材である。この場合には、後側への重心の配置と、釣り針の係止とを同時に実現でき、キャスティング時の飛行距離をより大きくできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1において、本発明の一実施形態によるバイブレーション型のルアー1は、小魚等の魚体に似せた流線形状のルアー本体2と、ルアー本体2の頭部に装着されたバランスプラグ13とを有している。
【0013】
ルアー本体2はアルミニウム製であり、内部に空洞3を有する中空体である。ルアー本体2は、内部に氷や砂等の圧縮しにくい固体を詰めた有底円筒状のアルミニウム筒を用意し、それを魚体に似せた空間を形成し得る2つ割りの金型に入れて鍛造することで一体成形で得られる。ルアー本体2の表面には魚に似せた模様が塗装により描かれている。
【0014】
ルアー本体2の頭部上面から胴部上面には、斜めに延びる平坦な水受け部9が設けられている。この水受け部9は、ルアー1が水中で水流の抵抗を受けて小魚が左右に尾を振って泳ぐように見せるために設けられている。ルアー本体2の水受け部9より後方の上部中央と下面前部及び尾部には、それぞれアイ(止め輪)4,5,6が取り付けられている。アイ4は、重心のほぼ真上に位置しており、ここに釣り糸(図示せず)がループノット等の結び方で直接結束される。ここに釣り糸を結束すると、ルアー1は、水中で水受け部9の作用により頭部をやや沈ませた前傾姿勢を維持する。アイ5,6には、スプリットリング10,11を介してフック(釣り針)7,8が装着されている。
【0015】
ルアー本体2の外殻部において頭部には、逃がし孔12が形成されている。この逃がし孔12は、氷等の固体を充填して鍛造等の成形工程で中空体を製造する際に、充填物を逃がすために必要な孔である。この逃がし孔12に、バランスプラグ13が装着されている。このバランスプラグ13は、逃がし孔10を封止するとともにルアー本体2の重量配分(バランス)を適正化するために設けられている。バランスプラグ13は、たとえば真鍮(黄銅)や鉛等のアルミニウムより比重が大きい金属の塊である。このバランスプラグ13により、ルアー本体2の重心は中心より前側に位置することになる。
【0016】
このようなルアー1では、ルアー本体2が中空体であるため、中実のものに比べて内部に空洞3がある分だけ全体の比重が小さくなる。このため、中実のものに比べて外形の大きさや用途が限定されにくい。また、逃がし孔12にアルミニウムより比重が大きいバランスプラグ13を装着することで簡単かつ自由に重量配分の適正化を図ることができ、水流の変化に対して動きを大きくすることができる。
【0017】
また、水受け部9を設けることで、余分なリップを設けることなく水流の変化に対して水中での左右の動きが生じやすくなり、かつキャスティング時に空気抵抗が少なくなりより遠投しやすくなる。さらに、バランス調整を行う場合には、種々の重さのバランスプラグ13を用意し、適当なバランスプラグ13に交換するだけでよい。
【0018】
実施形態2
図2において、本発明の別の実施形態によるクランクベイト型のルアー1aは、小魚等の魚体に似せた形状のルアー本体2aを有している。ルアー本体2aは、ルアー本体2と同様にアルミニウム製であり、内部に空洞3aを有する中空体であり前記同様な製法で製造される。
【0019】
ルアー本体2aの外殻部において頭部には、比較的大径の逃がし孔12aが形成されている。この逃がし孔12aには、前記同様にバランスプラグ13aが装着されている。このバランスプラグ13aは、魚の口部を構成するような形状である。バランスプラグ13aの下前部には斜め下方に突出するリップ14が形成されている。また、バランスプラグ13aの後部には、筒状の重り収納空間15が形成されている。この重り収納空間15には、音出し用の2つの球状の重り16,16が移動自在に収納されている。
【0020】
バランスプラグ13aは、逃がし孔12aを封止するとともにルアー本体2の重量配分を適正化しかつリップ14が水流の抵抗を受けることによりルアー1を小魚が泳ぐのと同様に左右に尾部を振るようにするために設けられている。バランスプラグ13aは、たとえば真鍮(黄銅)や鉛等のアルミニウムより比重が大きい金属製の部材である。このバランスプラグ13aにより、ルアー本体2aの重心は前記同様に中心より前側に位置することになる。
【0021】
このような構成のクランクベイト型のルアー1aも前記同様にルアー本体2aが中空体であるため、中実のものに比べて内部に空洞3aがある分だけ全体の比重が小さくなる。このため、中実のものに比べて外形の大きさや用途が限定されにくい。また、逃がし孔12aにアルミニウムより比重が大きいバランスプラグ13aを装着することで、簡単かつ自由に重量配分の適正化を図ることができる。また、バランスプラグ13aにリップ14を設けることで水流の変化に対して水中での左右の動きがより生じやすくなる。さらに重り16が移動することでルアー1aの水中での動きがよりシャープになる。また、バランスプラグ13aを交換するだけでバランス調整を行えるとともに、リップ14が破損してもバランスプラグ13aを交換するだけでよい。
【0022】
〔他の実施形態〕
(a) 逃がし孔を尾部に形成した場合には、尾部のフック係止用のアイを装着したバランスプラグを逃がし孔に装着してもよい。この場合には、重心を後よりに配置でき、ペンシルベイト等のルアーに最適である。
(b) 本発明は、プラグ型のルアーに限定されずスピナーベイトやメタルジグ等の他のルアーにも適用できる。
(c) ルアー本体の構造は、鍛造による一体成形構造に限定されるものではなく、2つ割りの1対の半割り部材を溶接又は接着により貼り合わせた構造でもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係るルアーでは、本体が中空のため、中実の本体に比べて全体の比重が小さくなる。このため、中実のものに比べて外形の大きさや用途が限定されにくい。また、内部に重りを配置したり外部に重りを配置したり肉厚を変化させることで簡単かつ自由に重量配分の適正化を図ることができ、水流の変化に対して動きを大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるルアーの側面図。
【図2】 別の実施形態の図1に相当する図。
【符号の説明】
1,1a ルアー
2,2a ルアー本体
3,3a 空洞
4,4a,5,5a,6,6a アイ
9 水受け部
7,7a,8,8a 釣り針
12,12a 逃がし孔
13,13a バランスプラグ
14 リップ
Claims (4)
- 魚釣りに用いられるルアーであって、
鍛造により内部全体が中空に形成され、内部空間に貫通する逃がし孔を外殻部に有する流線形状の金属製の本体と、
前記本体の縁部に設けられ、釣り針及び釣り糸を係止する複数の係止部と、
前記逃がし孔に止着されたバランス部材と、
を備えたルアー。 - 前記本体は、頭部上面から胴部上面に斜めに延びる平坦な水受け部を有している、
請求項1に記載のルアー。 - 前記逃がし孔は前記本体の頭部に設けられ、前記バランス部材は前記頭部に止着されたリップである、
請求項1に記載のルアー。 - 前記逃がし孔は前記本体の尾部に設けられ、前記バランス部材は前記尾部に設けられた釣り針係止部材である、
請求項1に記載のルアー。
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JP06276896A JP3747418B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | ルアー |
Publications (2)
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JPH09248094A JPH09248094A (ja) | 1997-09-22 |
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Family Applications (1)
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JP06276896A Expired - Lifetime JP3747418B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | ルアー |
Country Status (1)
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