JPH10130201A - アクティベータプロテイン−1阻害物質 - Google Patents
アクティベータプロテイン−1阻害物質Info
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- JPH10130201A JPH10130201A JP8285008A JP28500896A JPH10130201A JP H10130201 A JPH10130201 A JP H10130201A JP 8285008 A JP8285008 A JP 8285008A JP 28500896 A JP28500896 A JP 28500896A JP H10130201 A JPH10130201 A JP H10130201A
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Abstract
ン−1(Activator Protein-1、AP-1) 阻害活性を有する
新規化合物を提供することにある。 【解決手段】 放線菌培養物を原料として、AP-1阻害物
質をスクリーニングした結果、式(1)で表される新規
アントラキノン化合物、その塩又はその水和物を見いだ
した。本化合物はAP-1依存性のコラゲナーゼ及びオルニ
チンデカルボキシラーゼ産生を抑制し、抗乾癬剤及び抗
リウマチ剤として期待される。 【化1】 (式中、R1 およびR3 は水酸基又はメトキシ基、R2
はカルボキシル基又はカルボキシメチル基を示す。)
Description
ータプロテイン−1(Activator Protein-1、以下AP-1と
略記する)の阻害活性を有する新規アントラキノン化合
物に関するものであり、医療の分野で利用できる。
と、 DNA複製、核分裂、細胞分裂が起こるが、G0期から
S期への移行には数多くの遺伝子の発現が必要であり、
特に細胞刺激後数分以内に前初期遺伝子群の転写が一過
性に活性化される。この遺伝子群の中には、プロトオン
コジーンのc-Fos 、 c-Junタンパク質があるが、これら
のタンパク質はAP-1という複合体を形成しある種の遺伝
子の発現を調節したり、また細胞の増殖の制御に関わる
転写因子として知られている(Angel P. et al., Bioch
im. Biophys. Acta., 1072, 129. 1991 )。
いう配列を認識して結合し転写因子としての機能を発揮
する。このような配列を遺伝子上に有するものとして
は、コラゲナーゼ、ストロメリシン、メタロチオネイ
ン、インターロイキン-2などのタンパク質やSV40、ポリ
オーマウイルスなどのウイルスが知られている(Angel
P.et al., Cell., 49, 729. 1987)。
れらの遺伝子産物は、炎症や自己免疫疾患の進展、悪化
に関与し、またウイルス性疾患の進展そのものに寄与す
るのではないかと予想し、AP-1の活性を抑制することが
できればこれらの疾患の治療剤として期待されうると考
えた。これまでに、AP-1の活性を抑制するものとして
は、グルココルチコイドと(Jonat. C , et al., Cel
l., 62, 1189. 1990)とレチノイド誘導体(Fanjul A.,
et al., Nature, 372, 107. 1994)が知られている。
これらの物質は、それぞれの受容体と複合体を形成しこ
れがAP-1と会合することによりAP-1の遺伝子への結合を
抑制していることがその作用機構であると考えられてい
る。しかしながら、これらの物質は、本来生体内のホル
モンやビタミンの誘導体であり、過剰に投与した場合な
どの副作用が大きな問題となっている。このように、生
体成分以外の物質でAP-1の活性を抑制する物質は未だに
ないのが現状である。
菌培養物から得られるAP-1阻害活性を有する新規化合物
を提供することにある。
からは、各種の抗菌、抗真菌活性物質をはじめ、動物細
胞の情報伝達やタンパク質、糖質、脂質等の代謝、合成
及び輸送などに関わる複雑な過程を阻害、調節する物質
が数多く見いだされている。
AP-1とDNA の直接結合の阻害物質を発見することを目指
し、放線菌培養物を鋭意スクリーニングした結果、該転
写因子阻害活性を有する新規化合物を見いだし本発明を
完成するに至った。すなわち本発明は、一般式(1)
キシ基、R2 はカルボキシル基又はカルボキシメチル基
を示す。)で表されるアントラキノン化合物、その生理
的に認容性の塩又はその水和物、該アントラキノン化合
物、その生理的に認容性の塩又はその水和物を有効成分
とする医薬組成物、及び該アントラキノン化合物、その
生理的に認容性の塩又は水和物の製造方法に関する。
することにより、AP-1認識配列を有するDNA の転写を阻
害する。従ってAP-1認識配列を有する遺伝子であれば、
その遺伝子に対応するタンパク質の発現を有効に阻害す
ることが可能である。コラゲナーゼ、ストロメリシン、
メタロチオネイン、インターロイキン-1、インターロイ
キン-2、インターロイキン-6、インターロイキン-8、イ
ンターロイキン-2受容体などのタンパク質やSV40、ポリ
オーマウイルスなどのウイルスの遺伝子発現を抑制する
ことにより、これらが関連する疾患を予防、治療するこ
とができる。
マチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、ベーチェット
病、結節性動脈周囲炎、潰瘍性大腸炎、活動性慢性肝
炎、糸球体腎炎などをはじめとする各種自己免疫疾患、
変形性関節炎、痛風、アテローム硬化症、乾癬、アトピ
ー性皮膚炎、肉芽腫を伴う肺疾患、各種脳炎などの炎症
状態が基本になっている各種難治性疾患、エンドトキシ
ンショック、敗血症、炎症性大腸炎、糖尿病、急性骨髄
芽球性白血病、肺炎、心臓移植、脳脊髄炎、食欲不振、
急性肝炎、慢性肝炎、薬物中毒性肝障害、アルコール性
肝炎、ウイルス性肝炎、黄疸、肝硬変、肝不全、心房粘
液腫、キャッスルマン症候群、多発性骨髄腫、レンネル
トTリンパ腫、メサンギウム腎炎、癌、癌の転移、エイ
ズなどの治療及び予防に効果を示すことが期待される。
特にAP-1阻害化合物が乾癬治療剤、抗炎症剤として有効
であることを本発明者らが初めて見いだしたものであ
る。
が選ばれるが、代表的な菌株として、四国山地の土壌よ
り分離された放線菌で、本発明者らが、 Mer-K1115菌株
と番号を付した菌株が好ましい。この Mer-K1115菌株の
菌学的性状は次の通りである。
lexuous)の気菌糸を伸長する。成熟した気菌糸の先に50
個以上の球〜楕円形の胞子からなる胞子鎖を形成する。
胞子の大きさは 0.5〜0.7 × 1.0〜1.2 ミクロンくらい
で、胞子の表面は平滑状(smooth)を示す。菌糸の一部に
結節あるいは胞子嚢とみられる直径3ミクロン程度の球
状の構造もみられるが、その実体は不明である。
・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモ
ニー・マニュアル(Container Corporation ofAmerica
のColor Harmony Manual) の( )内に示す符号で表示す
る。 1)イースト・麦芽寒天培地 生育は良好で、気菌糸もよく発達する。気菌糸の色は白
色であるが、そのうえに灰色がかった褐色(5fe) の胞子
を産生する。培養裏面は焦げ茶色である。焦げ茶色の溶
解性色素を大量に産生する。 2)オートミール寒天培地 生育は良好で、気菌糸もよく発達する。培養裏面は茶色
となり、溶解性色素は産生しない。 3)チロシン寒天培地 成育は良好であるが、気菌糸はつけない。培地中にメラ
ニン性色素を生成する。
え生育を見た。 1)Lーアラビノース + 2)D−キシロース ± 3)D−グルコース + 4)D−フラクトース + 5)シュークロース + 6)イノシトール + 7)Lーラムノース + 8)ラフィノース + 9)D−マンニトール + +は同化する、±はわずかに同化する。
ラフィーによって分析したところ、本菌の細胞壁成分の
ジアミノピメリン酸(diamino pimeric acid)の異性体型
はLLー型であり、糖成分として、ガラクトース、グル
コース、マンノース、リボースが検出された。
セス(Streptomyces)属の菌であることは明確であり、イ
ンターナショナル・ジャーナル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー、18巻、2号、1968(Internation
al Journal of Systematic Bacteriology,vol.18,No.2,
1968) でインターナショナル・ストレプトミセス・プロ
ジェクト(International Streptomyces Project)が承認
したストレプトミセス(Streptomyces)属株の記載性状と
比較したところ、ストレプトミセス・グリセオルビジノ
サス(Streptomyces grioseorubiginosus) の記載とは、
本菌がキシロースをやや資化するのに対しストレプトミ
セス・グリセオルビジノサスが良く資化する点、及び本
菌の培養裏面ならびに培地中の溶解性色素が 0.05N HCl
の添加で変色しないのに対しストレプトミセス・グリセ
オルビジノサスのそれは変色する点をのぞけばほぼ一致
する。本発明者は本菌をストレプトミセス・グリセオル
ビジノサス・エムイーアール・ケイ1115(Streptomyces
griseorubiginosus Mer-K1115)として工業技術院生命工
学工業技術研究所にFERM P-15036の番号で寄託してい
る。
ステルや、増殖因子、サイトカイン、紫外線などによ
り、細胞の情報伝達機構を介して活性化されて DNAに結
合する。本発明者らは、AP-1活性抑制化合物のスクリー
ニングとして、活性化したAP-1を含むホルボールエステ
ルで処理した細胞から核の抽出物と、AP-1認識配列を含
む二重鎖オリゴヌクレオチドとの直接結合反応に対する
影響を、ゲルシフトアッセイ法を用いて検討することが
できる(Meyer M. et al.,EMBO J.,12,2005,1993)。
媒分画、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ゲル濾過ク
ロマトグラフィーなど通常使用されている公知の方法を
適宜組み合わせることにより精製することができる。
く、医薬として有用である。本発明化合物は経口的、局
所的、静注的、筋注的もしくは皮下注的に投与する事が
できるが経口投与が好ましい。投与量は 0.1〜100mg/k
g、好ましくは 0.5〜20mg/kg である。製剤の形として
は、錠剤、カプセル剤、粉剤、座剤などが使用でき、こ
れら製剤の担体としては薬学的に許容される賦形剤、崩
壊剤、滑沢剤、分散剤など通常の医薬品に使用されてい
るものを用いることができる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
耳ずつ4本の50mlの種培地(グリセリン2%、グルコー
ス2%、大豆粉2%、酵母エキス 0.5%、塩化マンガン
0.0005%、硫酸亜鉛0.0005%、加熱殺菌前にpH7.4 に調
整)を入れた500ml容のエルレンマイヤーフラスコに接種
し、28℃で3日間回転振盪培養を行った。この種培養液
を1mlずつ80本の50mlの本培養培地(馬鈴薯でんぷん2
%、グルコース2%、大豆粉2%、酵母エキス 0.5%、
塩化ナトリウム0.25%、炭酸カルシウム0.32%、硫酸銅
0.0005%、塩化マンガン0.0005%、硫酸亜鉛0.0005%、
加熱殺菌前にpH7.4 に調整)を入れた 500ml容のエルレ
ンマイヤーフラスコに接種して、28℃で5日間回転振盪
培養を行った。
製 実施例1により得られた培養液 4.2リットルに1-ブタノ
ール3リットルを加え、1時間攪拌後遠心分離し、1-ブ
タノール層を得た。1-ブタノール層を減圧下で0.5リッ
トルに濃縮し、水で膨潤したダイヤイオンHP-20(三菱化
成社製)0.2リットル及び脱イオン水 0.5リットルを加え
さらに濃縮し、1-ブタノールを完全に留去した。残った
HP-20樹脂を内径50mmのカラムに充填し、20%メタノー
ル水 1.3リットルで活性成分を溶出させた。溶出液
は減圧下濃縮乾固し、150mg の残査を得た。この
残査を少量のジメチルスルホキシドに溶解し、予めアセ
トニトリルー10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)
=3:7 の混合溶媒で緩衝化しておいたYMC-GEL ODS-AM 1
20-S50(ワイエムシー社製)のカラム(内径30mm, 長さ
500mm)に付し、同じ組成の混合溶媒 1.2リットル、さら
に7:13の組成の混合溶媒 1.6リットルで洗浄した。続い
て、AP-1阻害活性をモニターしながら2:3 の混合溶媒で
溶出し、AP-1阻害活性を示す画分を集めた。集めた画分
はアセトニトリルを減圧下留去し、1-ブタノールで抽出
した。1-ブタノール層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃
縮乾固し、残査を凍結乾燥してAP-1阻害活性を示す新規
アントラキノン化合物の純粋な黄橙色粉末25mgを得た。
記の通りであり、その構造は一般式(1)において、R
1 及びR3 が水酸基、R2 がカルボキシル基で示され
る。 (1)色及び性状:黄橙色柱状晶 (2)融点:225〜258℃ (3)分子量:326[FAB-MS:m/z327(M+H)+] (4)分子式:C18H14O6 (5)紫外吸収スペクトル:中性、酸性及びアルカリ性
メタノール中でのスペクトルを図1に示す。 λmax MeOH nm( ε):220(29,000), 282(29,200),
388(sh.,6,600), 411(7,600),430(sh.,6,100) λmax 0.01N NaOH-MeOH nm(ε):252(20,900), 321(2
7,000), 388(4,800), 501(6,400) (6)赤外吸収スペクトル:臭化カリウム中での拡散反
射法によるスペクトルを図2に示す。
チルスルホキシド中でのスペクトルを図3及び表1に示
す。 (8)13C核磁気共鳴スペクトル:重ジメチルスルホキ
シド中でのスペクトルを図4及び表1に示す。
おいて、R1=R3=OH、R2=COOCH3]の調製 実施例2で得られたアントラキノン化合物5mgを10%塩
酸含有メタノール試薬0.5ml に溶解し、封管中6時間 1
00℃に加熱した。反応液を減圧下濃縮乾固した後、残渣
を凍結乾燥してモノメチル体の黄色粉末5mg を得た。
(3H,t,J=7.2Hz), 1.56(2H,m), 2.96(2H,m), 3.85(3H,
s),7.61(1H,dd,J=8 & 1Hz), 7.63(1H,dd,J=8 & 1Hz),
7.64(1H,s),7.72(1H,br.t,J=8Hz), 12.86(1H,s) 実施例5 ジメチル体[一般式(1)において、R1=OH,
R2=COOCH3,R3=OCH3で示される化合物]の調製 実施例2で得られたアントラキノン化合物5mg をベンゼ
ン 0.5mlの混合溶媒に溶解し、少量のトリメチルシリル
ジアゾメタン試薬(10%含有ヘキサン溶液)を加え、室
温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮乾固した後、
残渣を凍結乾燥してモノメチル体の黄色粉末5.2mg を得
た。
ppm):1.07(3H,t,J=7.2Hz), 1.64(2H,m), 3.08(2H,m),
3.97(3H,s), 4.02(3H,s),7.31(1H,dd,J=8 & 1Hz), 7.62
(1H,br.t,J=8Hz), 7.77(1H,br.d,J=8Hz),12.97(1H,s) 実施例6 トリメチル体[一般式(1)において、R1=R
3=OCH3,R2=COOCH3で示される化合物]の調製 実施例2で得られたアントラキノン化合物5mg をジメチ
ルホルムアミド 0.5mlに溶解し、フッ化セシウム20mgを
加え攪拌した。この溶液にヨウ化メチル0.1mlで2回洗
浄した後、酢酸エチルを減圧下留去した。残渣をセファ
デックスLH20(ファルマシア社製)のカラム(内径20m
m、長さ430mm)に付しメタノールで溶出した。トリメチ
ル体を含む溶出画分を集め濃縮乾固し、残渣を凍結乾燥
してトリメチル体の黄色粉末 4.8mgを得た。
(3H,t,J=7.2Hz), 1.69(2H,m), 3.01(2H,m), 3.96(3H,
s), 3.98(3H,s),4.02(3H,s), 7.32(1H,dd,J=8 & 1Hz),
7.63(1H,br.t,J=8Hz), 7.63(1H,s),7.84(1H,dd,J=8 & 1
Hz) 実施例7 AP-1とオリゴヌクレオチドの結合反応に対す
る作用 転写因子AP-1を含む核抽出物を常法に従って、発癌プロ
モーターのホルボールエステルで処理したヒトT細胞株
のジャーカット細胞から調製した(Dignam J.D., et a
l. Nucleic Acids Res., 11: 1475. 1983)。AP-1結合配
列(5'-TGAGTCA-3')を含む二重鎖オリゴヌクレオチドを
作製し、a-[32P]dCTP を用いてクレノウフラグメントに
て放射標識した。5mgの核抽出物と0.1 ngの放射標識AP
-1二重鎖オリゴヌクレオチド(70,000cpm /0.1ng)を結合
反応液(10mM トリス緩衝液 pH7.9, 40mM塩化ナトリウ
ム, 10%グリセロール, 1mM EDTA,5mM塩化マグネシウ
ム,3 mg/ml ポリデオキシイノシン酸-デオキシシチジル
酸, 1mMジチオスレイトール)中で、サンプル存在下ま
たは非存在下、4℃、30分間反応させた。放射標識オリ
ゴヌクレオチド-AP-1 複合体と遊離の放射標識オリゴヌ
クレオチドを分離するために、5%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を行った。ゲルを乾燥後、イメージプレー
トと6時間コンタクトさせた。このイメージプレート
を、 BAS2000イメージアナライザーにて解析し、放射標
識オリゴヌクレオチド-AP-1 複合体の黒化度を定量して
結合反応の指標とした。サンプル非存在下で得られる放
射標識オリゴヌクレオチド-AP-1 複合体の結合を 100%
として、サンプル存在下で得られる結合を算出した。サ
ンプル存在下における放射標識オリゴヌクレオチド-AP-
1 複合体の形成に対する作用を表2に示した。
キン-1刺激によるコラゲナーゼ産生に対する作用 ラット滑膜細胞は、4週令のルイス系雄ラットより採取
した(Hashida R. etal., Biomedical Res, 3, 506. 19
82 )。細胞は 10% FBSを含むダルベッコ改変イーグル
培地 (D-MEM-10 % FBS) で培養し、2回継代後、液体窒
素中に凍結保存した。実験一週間前に細胞を解凍し、実
験3〜4日前にトリプシン処理し 96 well plateに2-4
×103 cells / 100 ml /wellの密度で細胞を播いた。実
験当日に培地を新しい D-MEM-10 % FBS 100 mlに交換し
た。サンプルは実験当日にジメチルスルホキサイド (DM
SO) で溶かし、最終濃度で 0.1 % DMSO になるように培
地中に加えた。ラットリコンビナント インターロイキ
ン-1 aを最終濃度 10ng/mlで加え、37℃、5 % CO2 イン
キュベーター中で48時間培養した。細胞毒性はMTTを用
いた発色法を用いて判定した。培養後、上清中のコラゲ
ナーゼを測定した。上清 25 mlに、B液(0.1M Tris-HC
l (pH 7.5)(含NaCl、CaCl2 、NaN3))を25ml、1/2 濃度
のB液で0.5 mg/ml に調製したトリプシンを25ml加え、
25℃の水槽で10分間インキュベーションし、潜在型のコ
ラゲナーゼを活性型に変換した。その後、 1/2濃度のB
液で1.5 mg/ml に調製した大豆トリプシンインヒビター
を25ml加え、25℃の水槽で10分間インキュベーション
し、トリプシンの活性をブロックした。氷冷下、100ml
の FITC 標識コラーゲン(50mg)加え、よく混和し、35℃
の水槽で180 分間インキュベーションし、活性化したコ
ラゲナーゼでFITC標識コラーゲンを分解させた。これに
80 mM オルト-フェナントロリン/50%エタノール溶液を
5ml加えてさらに35℃の水槽で60分間インキュベーショ
ンしコラゲナーゼを不活化した。氷冷後、70%エタノー
ル(含Tris-HCl Buffer 、NaCl)を200 ml加え、よく混
和し、3,000rpm、20分間、2回遠心をして未分解のコラ
ーゲンを沈殿させた。上清の200ml を96ウェルアッセイ
プレート(コーニング)に採取し、サイトフルオロII
(パーセプティブバイオシステムズ)を使い、励起波長
は485 nm、測定波長は 530nmで蛍光強度を測定した。1
unitを1分間あたり1mgのコラーゲンを分解する酵素活
性として示した。サンプル存在下におけるラット滑膜細
胞のIL-1刺激によるコラゲナーゼ産生に対する作用を表
3に示した。この結果、本発明化合物は抗リウマチ剤と
して期待される。
リステートアセテート塗布によるオルニチンデカルボキ
シラーゼの活性化及び炎症反応に対する作用 実験は、 Brienらの方法に従って行った(Brien, T. G.
O. et al., Cancer Res., 35, 1662. 1975)。9週齢
の雌性SKH/hr-1マウスの背部皮膚、約6cm2 に、17nmol
のホルボールミリステートアセテートと1, 3, 10mmolの
サンプルを含む200ml のアセトン溶液を均一に塗布し
た。 4.5時間後にマウスをエーテル麻酔にて屠殺して、
このアセトン溶液を塗布した皮膚組織を摘出した。皮膚
組織の重量を測定し、炎症反応の指標として測定した。
この皮膚組織を、55℃, 30秒間処理した後、氷冷して表
皮を剥離した。この表皮に、0.4 mMピリドキサル 5-リ
ン酸と5mMジチオスレイトールを含んだ50mMリン酸緩衝
液(pH 7.2)を1ml加えてホモジナイズし、4 ℃, 30,0
00 gで30分間遠心して上清を得た。上清のオルニチンデ
カルボキシラーゼ(ODC)は、L-[1-14C] オルニチンから
の14CO2 の放出を指標に測定した。1 mMのL-オルニチン
と0.5 mCi のL-[1-14C] オルニチンを含む50mlの上記の
リン酸緩衝液と、150ml のNCS 可溶化剤を含むGF/Cフィ
ルターを入れたバイアルに、100ml のホモジネート上清
を加えてあるチューブを素早く入れて密封した。このバ
イアルを、37℃, 1 時間反応させた後、300mlの2 M ク
エン酸溶液を加えて、さらに1時間反応させた。この反
応で放出された14CO2 は、バイアル中にセットしておい
た NCS可溶化剤を含むGF/Cフィルターに捕捉される。チ
ューブを取り出した後に液体シンチレーターを加え、バ
イアル中の放射活性を液体シンチレーションカウンター
を用いて測定した。また、別に測定しておいたホモジネ
ート上清中のタンパク質濃度を用いて、タンパク質あた
りの14CO2 放出量を算出してODC 活性とした。ホルボー
ルミリステートアセテートによるオルニチンデカルボキ
シラーゼの活性化と炎症反応に対する作用を表4に示
す。この結果、本発明化合物は抗乾癬剤として期待され
る。
アルカリ性メタノール中での紫外吸収スペクトルであ
る。
での拡散反射法による赤外吸収スペクトルである。
ホキシド中での1H核磁気共鳴スペクトルである。
ホキシド中での13C核磁気共鳴スペクトルである。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(1)で表される化合物、その塩
又はその水和物。 【化1】 (式中、R1 およびR3 は水酸基又はメトキシ基、R2
はカルボキシル基又はカルボキシメチル基を示す。) - 【請求項2】 R1 およびR3 が水酸基、R2 がカルボ
キシル基である請求項1に記載の化合物、その塩又はそ
の水和物。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の化合物、その塩
又はその水和物を有効成分とする医薬組成物。 - 【請求項4】 乾癬治療剤又は抗リウマチ剤である、請
求項3に記載の医薬組成物。 - 【請求項5】 APー1(アクティベータプロテイン−
1)の阻害活性を有する化合物を有効成分とする乾癬治
療剤又は抗リウマチ剤。 - 【請求項6】 放線菌培養物より精製分取することを含
む請求項1又は2に記載の化合物、その塩又はその水和
物の製造方法。 - 【請求項7】 放線菌がストレプトミセス・グリセオル
ビジノサス・エムイーアール・ケイ1115(Streptomyces
griseorubiginosus Mer-K1115)である請求項6に記載の
製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28500896A JP3966567B2 (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | アクティベータプロテイン−1阻害物質 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP28500896A JP3966567B2 (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | アクティベータプロテイン−1阻害物質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130201A true JPH10130201A (ja) | 1998-05-19 |
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