JPH10129440A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

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JPH10129440A
JPH10129440A JP30408296A JP30408296A JPH10129440A JP H10129440 A JPH10129440 A JP H10129440A JP 30408296 A JP30408296 A JP 30408296A JP 30408296 A JP30408296 A JP 30408296A JP H10129440 A JPH10129440 A JP H10129440A
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JP
Japan
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vehicle
reservoir
wheel
master cylinder
brake fluid
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Application number
JP30408296A
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English (en)
Inventor
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Kenji Toutsu
憲司 十津
Yoshiyuki Yasui
由行 安井
Masanobu Fukami
昌伸 深見
Norio Yamazaki
憲雄 山崎
Fujio Uno
冨士夫 宇野
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制
御装置において、リザーバ内のブレーキ液をポンプによ
って適宜排出し、確実に液圧制御を行なう。 【解決手段】 液圧ポンプHPによってマスタシリンダ
MCのブレーキ液をモジュレータMDを介してホイール
シリンダWCに吐出すると共に、ホイールシリンダWC
のブレーキ液をモジュレータMDを介してリザーバRS
に貯蔵するブレーキ液圧制御装置BCを備え、リザーバ
RSと液圧ポンプHPの吸込側との間に逆止弁CVを介
装する。更に、切換弁STを設け、車両の運動制御時に
は第2の位置に切換え、マスタシリンダとモジュレータ
との連通を遮断し、液圧ポンプの吸込側をマスタシリン
ダに連通する。リザーバ内の液量が所定量を超えたとき
には、切換弁を第1の位置に切換え、液圧ポンプの吸込
側とマスタシリンダとの連通を遮断し、リザーバ内のブ
レーキ液を液圧ポンプによって排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回時等に
おいて、ブレーキペダルの操作に起因した制動状態にあ
るか否かに拘らず各車輪に対して制動力を付与すること
により、過度のオーバーステア及び過度のアンダーステ
アを抑制制御する制動操舵制御を含み、種々の制御を行
なう車両の運動制御装置に関し、特に、液圧ポンプによ
ってマスタシリンダのブレーキ液をモジュレータを介し
てホイールシリンダに吐出すると共に、ホイールシリン
ダのブレーキ液をモジュレータを介してリザーバに貯蔵
するブレーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制御装置
に係る。
【0002】
【従来の技術】近時、車両の運動特性、特に旋回特性を
制御する手段として、制動力の左右差制御により旋回モ
ーメントを直接制御する手段が注目され、実用に供され
つつある。例えば、特開平2−70561号公報には、
車両の横力の影響を補償する制動制御手段により車両の
安定性を維持する運動制御装置が提案されている。同装
置においては、実ヨーレイトと目標ヨーレイトの比較結
果に応じて制動制御手段により車両に対する制動力を制
御するように構成されており、例えばコーナリング時の
車両の運動に対しても確実に安定性を維持することがで
きる。これにより、ブレーキペダルの操作に起因した制
動状態にあるか否かに拘らず各車輪に対して制動力が付
与され、所謂制動操舵制御によって、オーバーステア抑
制制御及びアンダーステア抑制制御が行なわれる。
【0003】ところで、ブレーキペダルの非操作時に加
速スリップが生じたとき、駆動輪に対する制動力を制御
するトラクション(TRC)制御装置が知られており、
例えば特開昭64−74153号公報にこれに供する液
圧制御装置が開示されている。そして、同公報の第3図
には、ホールド回路のABS回路に一個のTRC切替弁
を接続した例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭64−74
153号公報の第3図に記載の液圧制御装置は、ブレー
キペダルが非操作時にABS回路が制御されるものであ
るが、これを更にブレーキペダルの操作時にもABS回
路を制御可能に構成することとすれば、前述の制動操舵
制御が可能となり、ひいては車両の運動制御が可能とな
る。
【0005】然し乍ら、同公報第3図に記載の液圧制御
装置によって車両の運動制御を行なう場合には、ブレー
キペダルを操作した状態で制動操舵制御を継続すると、
リザーバ内にブレーキ液が貯蔵されるものの、ブレーキ
ペダル操作時の液圧上昇によりリザーバ内のブレーキ液
が排出されないまま満杯となる。このため、アンチキッ
ド(ABS)制御に移行したときに所定の減圧作動を行
なうことが困難となるおそれがある。
【0006】また、リザーバ内に貯蔵されたブレーキ液
を検出するセンサを設け、このセンサによって所定量を
超えるブレーキ液がリザーバ内に残留しているか否かを
判定することも可能であるが、この種のセンサは高価で
あるので、全ての制御の基本となる車輪速度を検出する
車輪速度センサは必須であるとしても、上記のセンサを
設けることなく所期の機能を確保し得るようにすること
が望ましい。
【0007】そこで、本発明は液圧ポンプによってマス
タシリンダのブレーキ液をモジュレータを介してホイー
ルシリンダに吐出すると共に、ホイールシリンダのブレ
ーキ液をモジュレータを介してリザーバに貯蔵するブレ
ーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制御装置におい
て、リザーバ内に貯蔵したブレーキ液を液圧ポンプによ
って適宜排出し、確実に液圧制御を行ない得るようにす
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載し、図1に構成の概要を
示したように、車両前方及び後方の各車輪FR,FL,
RR,RLに対し少くともブレーキペダルBPの操作に
応じて制動力を付与するブレーキ液圧制御装置BCと、
車両の運動状態を判定する車両状態判定手段DRと、ブ
レーキペダルBPの操作に起因した制動状態にあるか否
かに拘らず車両状態判定手段DRの判定結果に基づきブ
レーキ液圧制御装置BCを制御し、車両の各車輪に制動
力を付与する運動制御手段MAを備えている。そして、
ブレーキ液圧制御装置BCは、車両の各車輪に装着し制
動力を付与するホイールシリンダWfrと、ブレーキペ
ダルBPの操作に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリ
ンダ液圧を出力するマスタシリンダMCと、このマスタ
シリンダMCとホイールシリンダWfrとの間に介装し
運動制御手段MAの出力に応じてブレーキ液圧を調整す
るモジュレータMDと、モジュレータMDを介してホイ
ールシリンダWfrに対し昇圧したブレーキ液を吐出す
る液圧ポンプHPと、モジュレータMDを介してホイー
ルシリンダWfrから排出したブレーキ液を貯蔵するリ
ザーバRSと、マスタシリンダMCとモジュレータMD
との間に介装し、両者間を連通接続しマスタシリンダM
Cと液圧ポンプHPの吸込側との連通を遮断する第1の
位置と、マスタシリンダMCと液圧ポンプHPの吸込側
を連通接続しマスタシリンダMCとモジュレータMDと
の連通を遮断する第2の位置に切換える切換弁STと、
モジュレータMDをリザーバRSに連通接続する接続点
と切換弁STを液圧ポンプHPの吸込側に連通接続する
接続点との間に介装し、液圧ポンプHP方向へのブレー
キ液の流れを許容し逆方向の流れを制限する逆止弁CV
とを備えて成り、リザーバRSに貯蔵した液量が所定量
を超えたか否かを判定する液量判定手段FDと、この液
量判定手段FDにてリザーバRSに貯蔵した液量が所定
量を超えたと判定したときには切換弁STを第1の位置
に切換える切換手段CHとを具備することとしたもので
ある。
【0009】尚、運動制御手段MAとしては、少くとも
車両状態判定手段DRの判定結果に基づいて車両の各車
輪に対する目標スリップ率を設定する目標スリップ率設
定手段と、車両の各車輪の実スリップ率を測定するスリ
ップ率測定手段と、目標スリップ率と実スリップ率との
偏差を演算するスリップ率偏差演算手段を具備したもの
とし、ブレーキ液圧制御装置BCを前記偏差に応じて制
御するように構成することができる。車両状態判定手段
DRは、例えば各車輪の車輪速度、車輪加速度、車体横
加速度、ヨーレイト等を検出し、これらの検出結果に基
づいて演算した推定車体速度、車体横すべり角等に基づ
き、車両の運動状態を判定するように構成し、過度のオ
ーバーステア及び過度のアンダーステアの発生を判定す
ることができる。
【0010】あるいは、請求項2に記載のように、上記
切換弁STに代えて、マスタシリンダMCとモジュレー
タMDとを連通接続する液圧路を開閉する常開の第1の
開閉弁(図示せず)と、マスタシリンダMCと液圧ポン
プHPの吸込側とを連通接続する液圧路を開閉する常閉
の第2の開閉弁(図示せず)を設け、上記切換手段CH
に代えて、液量判定手段FDにてリザーバRSに貯蔵し
た液量が所定量を超えたと判定したときには少なくとも
第2の開閉弁を閉位置とする開閉手段(図示せず)を設
けることとしてもよい。上記に加え、開閉手段によって
第2の開閉弁を閉位置とした後も、依然リザーバRS内
の液量が所定量を超えていると判定したときには、開閉
手段によって第1の開閉弁を開位置とするように構成す
ることもできる。
【0011】上記液量判定手段FDは、車両状態判定手
段DR及び運動制御手段MAの出力に基づきリザーバR
Sに貯蔵した液量を推定する液量推定手段FEと、車両
状態判定手段DR及び運動制御手段MAの出力に基づき
リザーバRSに貯蔵した液量が所定量に達したことを推
定する満杯推定手段FFの少くとも何れか一方を備えた
ものとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図2は本発明の運動制御装
置の一実施形態を示すもので、本実施形態のエンジンE
Gはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを備
えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいてはア
クセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバル
ブMTのメインスロットル開度が制御される。また、電
子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装置
THのサブスロットルバルブSHが駆動されサブスロッ
トル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆動
され燃料噴射量が制御されるように構成されている。本
実施形態のエンジンEGは変速制御装置GS及びディフ
ァレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪RL,R
Rに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されてい
るが、本発明における駆動方式をこれに限定するもので
はない。
【0013】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置BCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では所謂X配管が構成されているが、前後配管とし
てもよい。
【0014】車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度
センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検
出する横加速度センサYG及び車両のヨーレイトを検出
するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接
続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両
重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速
度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨー
レイトγとして電子制御装置ECUに出力される。
【0015】尚、従動輪側の左右の車輪(本実施形態で
は車両前方の車輪FL,FR)の車輪速度差Vfd(=V
wfr −Vwfl )に基づき実ヨーレイトγを推定すること
ができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出
出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省
略することができる。更に、車輪RL,RR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これに
よれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示
せず)によって車輪RL,RRの舵角を制御することも
できる。
【0016】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置BCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいて
は、メモリROMは図5乃至図8に示したフローチャー
トを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロ
セシングユニットCPUは図示しないイグニッションス
イッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メ
モリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データ
を一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎
に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイク
ロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続するこ
ととしてもよい。
【0017】次に、本実施形態のブレーキ液圧制御装置
BCは、図3に示すように、ブレーキペダルBPの操作
に応じてバキュームブースタVBを介してマスタシリン
ダMCが倍圧駆動され、低圧リザーバLRS内のブレー
キ液が昇圧されて車輪FR,RL側及び車輪FL,RR
側の液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように
構成されている。マスタシリンダMCはタンデム型のマ
スタシリンダで、二つの圧力室が夫々各ブレーキ液圧系
統に接続されている。即ち、第1の圧力室MCaは車輪
FR,RL側のブレーキ液圧系統に連通接続され、第2
の圧力室MCbは車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統
に連通接続される。
【0018】一対のホイールシリンダWfr,Wrl側
のブレーキ液圧系統においては、第1の圧力室MCaは
主液圧路MF及びその分岐液圧路MFr,MFlを介し
て夫々ホイールシリンダWfr,Wrlに接続されてい
る。主液圧路MFには3ポート2位置電磁切換弁ST1
(以下、単に切換弁ST1という)が介装されている。
分岐液圧路MFr,MFlには夫々、常開型の2ポート
2位置電磁開閉弁PC1及びPC2(以下、単に開閉弁
PC1,PC2という)が介装されている。また、これ
らと並列に夫々逆止弁CV1,CV2が介装されてい
る。
【0019】逆止弁CV1,CV2は、マスタシリンダ
MC方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシリン
ダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを制限する
もので、これらの逆止弁CV1,CV2及び第1の位置
(図示の状態)の切換弁ST1を介してホイールシリン
ダWfr,Wrl内のブレーキ液がマスタシリンダMC
ひいては低圧リザーバLRSに戻されるように構成され
ている。而して、ブレーキペダルBPが解放されたとき
に、ホイールシリンダWfr,Wrl内の液圧はマスタ
シリンダMC側の液圧低下に迅速に追従し得る。また、
ホイールシリンダWfr,Wrlに連通接続される排出
側の分岐液圧路RFr,RFlに、夫々常閉型の2ポー
ト2位置電磁開閉弁PC5,PC6(以下、単に開閉弁
PC5,PC6という)が介装されており、分岐液圧路
RFr,RFlが合流した排出液圧路RFはリザーバR
S1に接続されている。
【0020】本実施形態の車輪FR,RL側のブレーキ
液圧系統においては、上記開閉弁PC1,PC2,PC
5,PC6によって本発明にいうモジュレータが構成さ
れている。また、開閉弁PC1,PC2の上流側で分岐
液圧路MFr,MFlに連通接続する液圧路MFpに、
液圧ポンプHP1が介装され、その吸込側には逆止弁C
V5,CV6を介してリザーバRS1が接続されてい
る。また、液圧ポンプHP1の吐出側は、逆止弁CV7
を介して夫々開閉弁PC1,PC2に接続されている。
液圧ポンプHP1は、液圧ポンプHP2と共に一つの電
動モータMによって駆動され、吸込側からブレーキ液を
導入し所定の圧力に昇圧して吐出側から出力するように
構成されている。リザーバRS1は、マスタシリンダM
Cの低圧リザーバLRSとは独立して設けられるもの
で、アキュムレータということもでき、ピストンとスプ
リングを備え、後述する種々の制御に必要な容量のブレ
ーキ液を貯蔵し得るように構成されている。
【0021】そして、切換弁ST1の三つのポートのう
ち第1ポートはマスタシリンダMCに接続され、第2ポ
ートは開閉弁PC1,PC2に接続され、第3ポートは
液圧路MFcを介して、液圧ポンプHP1の吸込側の逆
止弁CV5と逆止弁CV6との間に連通接続されてい
る。逆止弁CV5はリザーバRS1へのブレーキ液の流
れを阻止し、逆方向の流れを許容するものである。ま
た、逆止弁CV6,CV7は液圧ポンプHP1を介して
吐出されるブレーキ液の流れを一定方向に規制するもの
である。而して、切換弁ST1は、図3に示す常態の第
1の位置で第1ポートと第2ポートが連通して(第3ポ
ートは遮断)マスタシリンダMCと開閉弁PC1,PC
2が連通し、第2の位置で第1ポートと第3ポートが連
通して(第2ポートは遮断)マスタシリンダMCと液圧
ポンプHP1の吸込側が連通するように切り換えられ
る。
【0022】更に、切換弁ST1に並列に、マスタシリ
ンダMC方向へのブレーキ液の流れを許容し逆方向の流
れを制限するリリーフ弁RV1と、ホイールシリンダW
fr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを許容し逆方向
の流れを制限するリリーフ弁AV1が介装されている。
リリーフ弁RV1は、液圧ポンプHP1から吐出される
加圧ブレーキ液が所定の圧力以上となったときに、マス
タシリンダMCを介して低圧リザーバLRSにブレーキ
液を還流するもので、これにより液圧ポンプHP1の吐
出ブレーキ液が所定の圧力に調圧される。
【0023】車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統にお
いても同様に、切換弁ST2をはじめ、常開型の2ポー
ト2位置電磁開閉弁PC3,PC4、常閉型の2ポート
2位置電磁弁PC7,PC8、逆止弁CV3,CV4、
並びにリリーフ弁RV2,AV2が配設されている。液
圧ポンプHP2は、電動モータMによって液圧ポンプH
P1と共に駆動され、電動モータMの起動後は両液圧ポ
ンプHP1,HP2は連続して駆動される。
【0024】上記の構成になる実施形態の作用を説明す
ると、通常のブレーキ作動時においては、各電磁弁は図
3に示す常態位置にあり、電動モータMは停止してい
る。この状態でブレーキペダルBPが踏み込まれると、
マスタシリンダMCの第1及び第2の圧力室MCa,M
Cbから、マスタシリンダ液圧が夫々車輪FR,RL側
及び車輪FL,RR側の液圧系統に出力され、切換弁S
T1,ST2並びに開閉弁PC1乃至PC8を介して、
ホイールシリンダWfr乃至Wrlに供給される。車輪
FR,RL側及び車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統
は同様の構成であるので、以下、代表して車輪FR,R
L側のブレーキ液圧系統について説明する。
【0025】ブレーキ作動中にアンチスキッド制御に移
行し、例えば車輪FR側がロック傾向にあると判定され
ると、切換弁ST1は第1の位置のままで、開閉弁PC
1が閉位置とされると共に、開閉弁PC5が開位置とさ
れる。而して、ホイールシリンダWfrは開閉弁PC5
を介してリザーバRS1に連通し、ホイールシリンダW
fr内のブレーキ液がリザーバRS1内に流出し減圧さ
れる。
【0026】ホイールシリンダWfrが緩増圧モードと
なると、開閉弁PC5が閉位置とされると共に開閉弁P
C1が開位置とされ、マスタシリンダMCからマスタシ
リンダ液圧が開位置の開閉弁PC1を介してホイールシ
リンダWfrに供給される。そして、開閉弁PC1が断
続制御され、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液は
増圧と保持が繰り返されてパルス的に増大し、緩やかに
増圧される。ホイールシリンダWfrに対し急増圧モー
ドが設定されたときには、開閉弁PC2,PC5が閉位
置とされた後、開閉弁PC1が開位置とされ、マスタシ
リンダMCからマスタシリンダ液圧が供給される。そし
て、ブレーキペダルBPが解放され、ホイールシリンダ
Wfrの液圧よりマスタシリンダ液圧の方が小さくなる
と、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液が逆止弁C
V1及び第1の位置の切換弁ST1を介してマスタシリ
ンダMC、ひいては低圧リザーバLRSに戻る。このよ
うにして、車輪毎に独立した制動力制御が行なわれる。
【0027】そして、トラクション制御に移行し、例え
ば車輪RLの加速スリップ防止制御が行なわれる場合に
は、切換弁ST1が第2の位置に切り換えられると共
に、ホイールシリンダWfrに接続された開閉弁PC1
が閉位置とされ、開閉弁PC2が開位置とされる。この
状態で、電動モータMによって液圧ポンプHP1が駆動
されると、非作動状態のマスタシリンダMC、第2の位
置の切換弁ST1を介して低圧リザーバLRSからブレ
ーキ液が吸引され、駆動輪側のホイールシリンダWrl
に加圧ブレーキ液が供給される。尚、開閉弁PC2が閉
位置とされれば、ホイールシリンダWrlの液圧が保持
される。而して、ブレーキペダルBPが非操作状態であ
っても、例えば車輪RLの加速スリップ防止制御時に
は、車輪RLの加速スリップ状態に応じて開閉弁PC
2,PC6の断続制御により、ホイールシリンダWrl
に対し、緩増圧、減圧及び保持の何れかの液圧制御モー
ドが設定される。これにより、車輪RLに制動力が付与
されて回転駆動力が制限され、加速スリップが防止さ
れ、適切にトラクション制御を行なうことができる。
【0028】更に、車両の制動操舵制御時においては、
例えば過度のオーバーステアを防止する場合には、これ
に対抗するモーメントを発生させる必要があり、この場
合には或る一つの車輪のみに関し制動力を付与すると効
果的である。即ち、車輪FR,RL側のブレーキ液圧系
統においては、制動操舵制御時に切換弁ST1が第2の
位置に切換えられると共に、電動モータMが駆動され、
液圧ポンプHP1からブレーキ液が吐出される。そし
て、開閉弁PC1,PC2,PC5,PC6が適宜開閉
制御され、ホイールシリンダWfr,Wrlの液圧が緩
増圧、減圧又は保持され、車輪FL,RR側のブレーキ
液圧系統も含め、前後の車輪間の制動力配分が車両のコ
ーストレース性を維持し得るように制御される。
【0029】上記切換弁ST1,ST2並びに開閉弁P
C1乃至PC8は前述の電子制御装置ECUによって駆
動制御され、アンチスキッド制御のみならず、制動操舵
制御を初めとする各種制御が行なわれる。例えば、車両
が旋回運動中において、過度のオーバーステアと判定さ
れたときには、例えば旋回外側の前輪に制動力が付与さ
れ、車両に対し外向きのヨーモーメント、即ち車両を旋
回外側に向けるヨーモーメントが生ずるように制御され
る。これをオーバーステア抑制制御と呼び、安定性制御
とも呼ばれる。また、車両が旋回運動中に過度のアンダ
ーステアと判定されたときには、本実施形態のように後
輪駆動車の場合、旋回外側の前輪及び後二輪に制動力が
付与され、車両に対し内向きのヨーモーメント、即ち車
両を旋回内側に向けるヨーモーメントが生ずるように制
御される。これはアンダーステア抑制制御と呼び、コー
ストレース性制御とも呼ばれる。そして、オーバーステ
ア抑制制御とアンダーステア抑制制御は制動操舵制御と
総称される。
【0030】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図4乃至図12
等のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始
する。図4は車両の運動制御作動を示すもので、先ずス
テップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化
され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ10
2において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信
号が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出
信号(舵角δf)、ヨーレイトセンサYSの検出信号
(実ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号
(即ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれ
る。
【0031】続いてステップ103に進み、各車輪の車
輪速度Vw** (**は各車輪FR等を表す)が演算されると
共に、これらが微分され各車輪の車輪加速度DVw** が
求められる。続いて、ステップ104において各車輪の
車輪速度Vw** の最大値が車両重心位置での推定車体速
度Vsoとして演算される(Vso=MAX( Vw**))。ま
た、各車輪の車輪速度Vw** に基づき各車輪毎に推定車
体速度Vso**が求められ、必要に応じ、車両旋回時の内
外輪差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われ
る。更に、推定車体速度Vsoが微分され、車両重心位置
での推定車体加速度DVsoが演算される。そして、ステ
ップ105において、上記ステップ103及び104で
求められた各車輪の車輪速度Vw** と推定車体速度Vso
**(あるいは、正規化推定車体速度)に基づき各車輪の
実スリップ率Sa** がSa** =(Vso**−Vw** )/V
so**として求められる。次に、ステップ106おいて、
車両重心位置での推定車体加速度DVsoと横加速度セン
サYGの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、路面摩擦
係数μが近似的に(DVso2 +Gya2)1/2 として求めら
れる。更に、路面摩擦係数を検出する手段として、直接
路面摩擦係数を検出するセンサ等、種々の手段を用いる
ことができる。
【0032】続いて、ステップ107にて車体横すべり
角速度Dβが演算されると共に、ステップ108にて車
体横すべり角βが演算される。この車体横すべり角β
は、車両の進行方向に対する車体のすべりを角度で表し
たもので、次のように演算し推定することができる。即
ち、車体横すべり角速度Dβは車体横すべり角βの微分
値dβ/dtであり、ステップ107にてDβ=Gy /
Vso−γとして求めることができ、これをステップ10
8にて積分しβ=∫(Gy /Vso−γ)dtとして車体
横すべり角βを求めることができる。尚、Gy は車両の
横加速度、Vsoは車両重心位置での推定車体速度、γは
ヨーレイトを表す。あるいは、進行方向の車速Vx とこ
れに垂直な横方向の車速Vy の比に基づき、β=tan
-1(Vy /Vx )として求めることもできる。
【0033】そして、ステップ109に進み制動操舵制
御モードとされ、後述するように制動操舵制御に供する
目標スリップ率が設定され、後述のステップ117の液
圧サーボ制御により、車両の運転状態に応じてブレーキ
液圧制御装置PCが制御され各車輪に対する制動力が制
御される。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モ
ードにおける制御に対し重畳される。この後ステップ1
10に進み、アンチスキッド制御開始条件を充足してい
るか否かが判定され、開始条件を充足し制動操舵時にア
ンチスキッド制御開始と判定されると、初期特定制御は
直ちに終了しステップ111にて制動操舵制御及びアン
チスキッド制御の両制御を行なうための制御モードに設
定される。
【0034】ステップ110にてアンチスキッド制御開
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ112に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ113に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
114に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ115にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ116にて制動操舵
制御開始条件を充足しているか否かが判定される。制動
操舵制御開始と判定されるとステップ117に進み制動
操舵制御のみを行なう制御モードに設定される。そし
て、これらの制御モードに基づきステップ118にて液
圧サーボ制御が行なわれ、ステップ119にて後述のリ
ザーバ処理が行なわれた後ステップ102に戻る。ステ
ップ116において制動操舵制御開始条件も充足してい
ないと判定されると、ステップ120にて全ての電磁弁
のソレノイドがオフとされた後ステップ102に戻る。
尚、ステップ111,113,115,117に基づ
き、必要に応じ、車両の運転状態に応じてスロットル制
御装置THのサブスロットル開度が調整されエンジンE
Gの出力が低減され、駆動力が制限される。
【0035】尚、上記アンチスキッド制御モードにおい
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
ラクション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0036】図5は図4のステップ109における制動
操舵制御に供する目標スリップ率の設定の具体的処理内
容を示すもので、制動操舵制御にはオーバーステア抑制
制御及びアンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関
しオーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑
制制御に応じた目標スリップ率が設定される。先ず、ス
テップ201,202においてオーバーステア抑制制御
及びアンダーステア抑制制御の開始・終了判定が行なわ
れる。
【0037】ステップ201で行なわれるオーバーステ
ア抑制制御の開始・終了判定は、図13に斜線で示す制
御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定
時における車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβ
の値に応じて制御領域に入ればオーバーステア抑制制御
が開始され、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制
御が終了とされ、図13に矢印の曲線で示したように制
御される。また、後述するように、図13に二点鎖線で
示した境界から制御領域側に外れるに従って制御量が大
となるように各車輪の制動力が制御される。
【0038】一方、ステップ202で行なわれるアンダ
ーステア抑制制御の開始・終了判定は、図14に斜線で
示す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即
ち、判定時において目標横加速度Gytに対する実横加速
度Gyaの変化に応じて、一点鎖線で示す理想状態から外
れて制御領域に入ればアンダーステア抑制制御が開始さ
れ、制御領域を脱すればアンダーステア抑制制御が終了
とされ、図14に矢印の曲線で示したように制御され
る。
【0039】続いて、ステップ203にてオーバーステ
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのままメ
インルーチンに戻る。ステップ204にてアンダーステ
ア抑制制御と判定されたときにはステップ205に進
み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダーステア
抑制制御用に設定される。ステップ203にてオーバー
ステア抑制制御と判定されると、ステップ206に進み
アンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダース
テア抑制制御でなければステップ207において各車輪
の目標スリップ率は後述するオーバーステア抑制制御用
に設定される。また、ステップ206でアンダーステア
抑制制御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制
制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれること
になり、ステップ208にて同時制御用の目標スリップ
率が設定される。
【0040】ステップ207におけるオーバーステア抑
制制御用の目標スリップ率の設定には、車体横すべり角
βと車体横すべり角速度Dβが用いられる。また、アン
ダーステア抑制制御における目標スリップ率の設定に
は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaとの差が用いら
れる。この目標横加速度GytはGyt=γ(θf)・Vso
に基づいて求められる。ここで、γ(θf)はγ(θ
f)={θf/( N・L)}・Vso/(1+Kh ・Vso
2 )として求められ、Kh はスタビリティファクタ、N
はステアリングギヤレシオ、Lはホイールベースを表
す。
【0041】ステップ205における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回外
側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の後輪がSturi
に設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては "t"は「目標」を表し、後述の「実測」を表す
"a"と対比される。 "u"は「アンダーステア抑制制御」
を表し、 "r"は「後輪」を表し、 "o"は「外側」を、 "
i"は「内側」を夫々表す。
【0042】ステップ207における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回外
側の後輪がSteroに設定され、旋回内側の後輪がSteri
に設定される。ここで、 "e"は「オーバーステア抑制制
御」を表す。そして、ステップ208においては、各車
輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定
され、旋回外側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の
後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア
抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれる
ときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の
目標スリップ率と同様に設定され、後輪は何れもアンダ
ーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され
る。尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、後輪駆動
車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御
とされている。
【0043】オーバーステア抑制制御に供する旋回外側
前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K
2 ・Dβとして設定され、旋回外側後輪の目標スリップ
率SteroはStero=K3 ・β+K4 ・Dβとして設定さ
れ、目標スリップ率SteriはSteri=K5 ・β+K6 ・
Dβとして設定される。ここで、K1 乃至K6 は定数
で、旋回外側の車輪に対する目標スリップ率Stefo及び
Steroは、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を
行なう値に設定される。これに対し、旋回内側の車輪に
対する目標スリップ率Steriは、減圧方向(制動力を低
減する方向)の制御を行なう値に設定される。
【0044】一方、アンダーステア抑制制御に供する目
標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの
偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、
旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StefoはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Sturo及びSturiは夫々K8 ・ΔG
y 及びK9 ・ΔGy に設定され、定数K8 ,K9 は何れ
も加圧方向の制御を行なう値に設定される。
【0045】図6は図4のステップ117で行なわれる
液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各車輪につい
てホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制御が行な
われる。先ず、前述のステップ205,207又は20
8にて設定された目標スリップ率St** がステップ30
1にて読み出され、これらがそのまま各車輪の目標スリ
ップ率St** として読み出される。
【0046】続いてステップ302において、各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ303にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
ステップ302においては、各車輪の目標スリップ率S
t** と実スリップ率Sa** の差が演算されスリップ率偏
差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St** −Sa*
*)。また、ステップ303においては車両重心位置で
の推定車体加速度DVsoと制御対象の車輪における車輪
加速度DVw** の差が演算され、車体加速度偏差ΔDV
so**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率S
a** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制
御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異
なるが、これらについては説明を省略する。
【0047】続いて、ステップ304に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ306にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Ka を下回るときにはステップ305にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次にステップ307乃至310において、スリップ
率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値Kc
以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb に
設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定された
後、ステップ311に進む。
【0048】ステップ311においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図16に実線で示すように設定される。また、ス
テップ312において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図16に破線で示すよう
に一定の値である。
【0049】この後、ステップ313に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図15に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
5においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ313にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
【0050】ステップ313にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ314において増減圧補償処理が行われる。例えば急
減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、急
増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モードの
持続時間に基づいて決定される。そして、ステップ31
5にて上記液圧制御モード及び増減圧補償処理に応じ
て、ブレーキ液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソ
レノイドが駆動され、各車輪の制動力が制御される。
【0051】以上のように、本実施形態においては、ブ
レーキペダルBPの操作に起因した制動状態にあるか否
かに拘らず各車輪に対し制動力が付与され、オーバース
テア抑制制御及び/又はアンダーステア抑制制御の制動
操舵制御が行なわれる。尚、上記の実施形態ではスリッ
プ率によって制御することとしているが、オーバーステ
ア抑制制御及びアンダーステア抑制制御の制御目標とし
てはスリップ率のほか、各車輪のホイールシリンダのブ
レーキ液圧等、各車輪に付与される制動力に対応する目
標値であればどのような値を用いてもよい。
【0052】次に、図4のステップ118において行な
われるリザーバ処理について、図7乃至図12を参照し
て説明する。このリザーバ処理は、図7に示すようにス
テップ401にてリザーバ液量推定が行なわれると共
に、ステップ402にてリザーバフル推定が行なわれ、
これらの推定結果に基づきステップ403にてリザーバ
排出処理が行なわれる。尚、リザーバ液量推定とリザー
バフル推定の何れか一方のみを行なうこととしてもよ
い。本実施形態のようにリザーバ液量推定とリザーバフ
ル推定の両方を行なう場合には、夫々の判定結果(後述
するリザーバフルフラグの状態)の論理積に基づいてリ
ザーバ排出処理を行なうこととしても、あるいは夫々の
判定結果の論理和に基づいてリザーバ排出処理を行なう
こととしてもよい。
【0053】先ず、リザーバ液量推定について図8を参
照して説明すると、ステップ501ではマスタシリンダ
液圧Pm が推定される。具体的には、Pm =Ka ・DV
soとして車体加速度DVsoに比例する値として求められ
る(Ka は定数)。あるいは、ブレーキペダルBPのス
トロークセンサ(図示せず)が設けられておれば、マス
タシリンダ液圧Pm がPm =Ks ・St としてブレーキ
ペダルBPのストローク量St に比例する値として求め
られる(Ks は定数)。尚、マスタシリンダ液圧センサ
(図示せず)が設けられておれば、当然乍ら検出値Pm
がそのまま用いられる。続いて、ステップ502ではホ
イールシリンダ液圧Pw が推定されるが、これについて
は図9を参照して後述する。そして、ステップ503に
おいてマスタシリンダ液圧Pm 及びホイールシリンダ液
圧Pw に基づきリザーバ液量Vrが演算される(この詳
細については図10を参照して後述する)。
【0054】上記のリザーバ液量Vr は、ステップ50
4においてリザーバ容量Kv と比較される。即ち、リザ
ーバ容量Kv を超えていると判定されると、ステップ5
05に進みリザーバRS1又はRS2(以下、これらを
代表してRSで表す)が満杯であることを示すフラグ、
即ちリザーバフルフラグがセット(1)され、リザーバ
液量Vr がリザーバ容量Kv 以下と判定されると、ステ
ップ506に進みリザーバフルフラグがリセット(0)
される。
【0055】上記ステップ502において行なわれるホ
イールシリンダ液圧推定は、図9に示すように、先ずス
テップ601にて制動操舵制御中か否かが判定され、制
御中であればステップ602に進み、図17及び図18
のマップMAP1,MAP2に基づいて求められた値が
加算され、今回のホイールシリンダ液圧の推定値Pw(n)
とされる。尚、(n) は制御サイクルの今回の推定値を表
し、(n-1) は前回の推定値を表す。ステップ602にお
いて、マップMAP1は増圧モード時の開閉弁による実
増圧時間Δtupと、前回のホイールシリンダ液圧Pw(n-
1)と、今回のマスタシリンダ液圧Pm(n)に基づき例えば
図17に示すように設定される。また、マップMAP2
は減圧モード時の開閉弁による実減圧時間Δtdnと前回
のホイールシリンダ液圧Pw(n-1)に基づき例えば図18
に示すように設定される。一方、ステップ601にて制
動操舵制御中でないと判定されたときには、ステップ6
03に進み、マスタシリンダ液圧Pm(n)がそのままホイ
ールシリンダ液圧Pw(n)とされる。尚、実増圧時間Δt
upは、増圧モードとなって開閉弁が開位置にある実時間
をカウンタによって求めることができ、実減圧時間Δt
dnについても同様である。
【0056】図8のステップ503において行なわれる
リザーバ液量演算は、図10に示すように行なわれる。
先ず、ステップ701において、液圧ポンプHP(HP
1,HP2を代表)が作動中で、切換弁ST(ST1,
ST2を代表)がオンとされて第2の位置にあって、マ
スタシリンダ液圧Pm(n)が所定値Kp を下回っていると
きにはステップ702に進み、そうでなければステップ
703に進む。このステップ703においては、更に液
圧ポンプHPが作動中で、切換弁STがオフとされて第
1の位置にあるか否かが判定され、そうであればステッ
プ704に進み、そうでなければステップ705に進
む。
【0057】ステップ702においては、前回のリザー
バ液量の推定値Vr(n-1)に、図19及び図20のマップ
MAP3,MAP4に基づいて求められた値が加算さ
れ、今回のリザーバ液量の推定値Vr(n)とされる。尚、
マップMAP3は実減圧時間Δtdnと、今回のホイール
シリンダ液圧Pw(n)に基づき、図19に示すように設定
される。また、マップMAP4は実増圧時間Δtupと今
回のホイールシリンダ液圧Pw(n)に基づき図20に示す
ように設定される。また、ステップ704においては、
前回のリザーバ液量の推定値Vr(n-1)に、図19及び図
21のマップMAP3,MAP5に基づいて求められた
値が加算され、今回のリザーバ液量の推定値Vr(n)とさ
れる。マップMAP5は実増圧時間Δtupと今回のマス
タシリンダ液圧Pm(n)に基づき図21に示すように設定
される。更に、ステップ705においては、前回のリザ
ーバ液量の推定値Vr(n-1)に、図19のマップMAP3
に基づいて求められた値が加算され、今回のリザーバ液
量の推定値Vr(n)とされる。そして、ステップ706に
おいて、実減圧時間Δtdn及び実増圧時間Δtupがクリ
ア(0)されて図8のルーチンに戻る。
【0058】図11は、図7のステップ402において
行なわれるリザーバフル推定、即ちリザーバRS(RS
1,RS2を代表)が満杯になったことを車輪速度の変
化に基づいて間接的に推定する処理を示すものである。
先ず、ステップ801においては減圧モード中か否かが
判定され、減圧モード中であればステップ802にて車
輪加速度DVw**が所定加速度Kv と比較され、これを
下回っておればリザーバRSが満杯になったと推定さ
れ、ステップ804においてリザーバフルフラグがセッ
ト(1)される。
【0059】ステップ801において減圧モード中でな
いと判定されたとき、及びステップ802において車輪
加速度DVw**が所定速度Kv 以上と判定されたときに
は、ステップ803に進み、切換弁ST(ST1,ST
2を代表)がオンとされて第2の位置にあって、ブレー
キペダルBPが操作されてブレーキスイッチBSがオン
とされ、且つ減圧モード時間が所定時間Tdを超えてい
ると判定されたときには、ステップ804に進みリザー
バフルフラグがセットされ、そうでなければステップ8
05に進み、リザーバフルフラグがリセット(0)され
る。
【0060】図12は、図7のステップ403において
行なわれるリザーバ排出処理を示すもので、制動操舵制
御中は切換弁ST1,ST2はオンとされ、夫々第2の
位置となっている。この状態において、先ずステップ9
01にて排出処理時間tr が0か否かが判定され、0で
あればステップ902に進み、0でなければステップ9
04に進む。この排出処理時間tr はシステム全体の初
期化(ステップ101)時にクリア(0)される。従っ
て、初期化直後はステップ902に進むことになる。ス
テップ902においては、リザーバフルフラグがセット
されているか否かが判定され、セットされていなければ
そのまま図7のルーチンに戻るが、セットされておれば
ステップ903にて排出処理時間tr が所定時間troに
設定される。尚、この所定時間troはリザーバRS内の
ブレーキ液を液圧ポンプHPによって排出するのに必要
とする時間で、予め設定されている。
【0061】続いて、ステップ904において切換弁S
Tがオフとされて第1の位置に戻され、液圧ポンプHP
の吸込側とマスタシリンダMCとの連通が遮断されると
共に、液圧ポンプHPの吐出側がマスタシリンダMCと
連通する。これにより、リザーバRS内のブレーキ液が
液圧ポンプHPによって汲み上げられ、マスタシリンダ
MCを介して低圧リザーバLRSに戻される。そして、
ステップ905にて排出処理時間tr が所定時間(Δ
t)ディクリメントされて図7のルーチンひいては図4
のメインルーチンに戻る。而して、制動操舵制御後には
リザーバRS内にブレーキ液が必要以上に残留すること
なく、アンチスキッド制御に移行後も円滑にブレーキ液
圧制御を行なうことができる。
【0062】図22及び図23は本発明の他の実施形態
に係るもので、図3に示した実施形態の切換弁ST1に
代えて常開の第1の開閉弁SC1と常閉の第2の開閉弁
SC2を設け、切換弁ST2に代えて常開の第1の開閉
弁SC3と常閉の第2の開閉弁SC4を設けたものであ
る。これらの開閉弁は何れも2ポート2位置の電磁開閉
弁で構成されている。その他の構成は図3の実施形態と
同様であるので説明を省略する。図22に示す実施形態
においては、例えば第1の開閉弁SC1と第2の開閉弁
SC2を同時に開閉駆動することにより図3の切換弁S
T1と同等の作動を行なうことができる。また、図23
に示すように第1の開閉弁SC1と第2の開閉弁SC2
を個別に開閉駆動することにより、特有な作動を行なう
ことができる。
【0063】図23は、図22の実施形態において行な
われるリザーバ排出処理を示すもので、制動操舵制御中
は開閉弁SC1乃至SC4は全てオンとされ、各開閉弁
は図22の開閉位置と逆の位置となっている。この状態
において、先ずステップ1001において第2の排出処
理時間tr2が0か否かが判定され、0であればステップ
1002に進み、0でなければステップ1010にジャ
ンプする。ステップ1002においては第1の排出処理
時間tr1が0か否かが判定され、0であればステップ1
003に進み、0でなければステップ1005に進む。
これらの第1及び第2の排出処理時間tr1,tr2はシス
テム全体の初期化(ステップ101)時にクリア(0)
される。ステップ1003においては、リザーバフルフ
ラグがセットされているか否かが判定され、セットされ
ていなければそのまま元のルーチンに戻るが、セットさ
れておればステップ1004にて第1の排出処理時間t
r1が所定時間tr1o に設定される。尚、この所定時間t
r1o は、マスタシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸込
側との連通を遮断した状態でリザーバRS1内のブレー
キ液を液圧ポンプHP1によって排出するのに必要とす
る時間で、予め設定されている。
【0064】続いて、ステップ1005において第2の
開閉弁SC2がオフとされて閉位置に戻され、液圧ポン
プHP1の吸込側とマスタシリンダMCとの連通が遮断
される。これにより、リザーバRS1内のブレーキ液が
液圧ポンプHP1によってホイールシリンダWfr,W
rl側に戻される。そして、ステップ1006にて第1
の排出処理時間tr1が所定時間(Δt)ディクリメント
されてステップ1007に進む。ステップ1007にお
いては第1の排出処理時間tr1が0となったか否かが判
定され、0でなければ元のルーチンに戻され、0となれ
ばステップ1008に進む。
【0065】ステップ1008においては、再度リザー
バフルフラグがセットされているか否かが判定され、セ
ットされていなければそのまま元のルーチンに戻るが、
依然セットされた状態にあればステップ1009にて第
2の排出処理時間tr2が所定時間tr2o に設定される。
尚、この所定時間tr2o は、マスタシリンダMCと液圧
ポンプHP1の吸込側との連通を遮断し、且つ液圧ポン
プHP1の吐出側をマスタシリンダMCに連通した状態
で、液圧ポンプHP1によってリザーバRS1内のブレ
ーキ液を排出するのに必要とする時間で、予め設定され
ている。続いてステップ1010に進み、第1の開閉弁
SC1及び第2の開閉弁SC2がオフとされて夫々開位
置及び閉位置に戻される。そして、ステップ1011に
て第2の排出処理時間tr2が所定時間(Δt)ディクリ
メントされて元のルーチンに戻る。以上のように、本実
施形態ではリザーバ排出処理を2段階に分けて行なうこ
とができる。
【0066】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の運動制御
装置においては、液圧ポンプによってマスタシリンダの
ブレーキ液をモジュレータを介してホイールシリンダに
吐出すると共に、ホイールシリンダのブレーキ液をモジ
ュレータを介してリザーバに貯蔵するブレーキ液圧制御
装置を備え、リザーバに貯蔵した液量が所定量を超えた
と液量判定手段が判定したときには、切換手段によって
切換弁を第1の位置に切換え、液圧ポンプの吸込側とマ
スタシリンダとの連通を遮断すると共に、液圧ポンプの
吐出側をマスタシリンダに連通することとしており、リ
ザーバ内に貯蔵されるブレーキ液は、満杯になる前に液
圧ポンプによって適宜排出されるので、確実に液圧制御
を行なうことができる。
【0067】請求項2に記載のように、上記切換弁に代
えて、マスタシリンダとモジュレータとを連通接続する
液圧路を開閉する常開の第1の開閉弁と、マスタシリン
ダと液圧ポンプの吸込側とを連通接続する液圧路を開閉
する常閉の第2の開閉弁を設け、上記切換手段に代え
て、液量判定手段にてリザーバに貯蔵した液量が所定量
を超えたと判定したときには少なくとも第2の開閉弁を
閉位置とする開閉手段を設けることとすれば、リザーバ
内に貯蔵されるブレーキ液を、リザーバが満杯になる前
に液圧ポンプによって適宜排出できる。
【0068】前記液量判定手段を、請求項3に記載の液
量推定手段と満杯推定手段の少くとも何れか一方を備え
たものとすれば、新たに液量検出用のセンサを設けるこ
となく、リザーバに貯蔵した液量が所定量を超えたか否
かを判定することができるので、安価な装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の運動制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の運動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制御
装置を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の運動制御の
全体を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における制動操舵制御に供
する目標スリップ率設定の処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の
処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるリザーバ処理を示
すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるリザーバ液量推定
の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態におけるホイールシリンダ
液圧推定の処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態におけるリザーバ液量の
演算処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態におけるリザーバフル推
定の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態におけるリザーバ排出処
理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態におけるオーバーステア
抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図14】本発明の一実施形態におけるアンダーステア
抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図15】本発明の一実施形態においてブレーキ液圧制
御に供するパラメータと液圧制御モードとの関係を示す
グラフである。
【図16】本発明の一実施形態における車体横すべり角
とパラメータ演算用のゲインとの関係を示すグラフであ
る。
【図17】本発明の一実施形態においてホイールシリン
ダ液圧の推定に供するマップを表すグラフである。
【図18】本発明の一実施形態においてホイールシリン
ダ液圧の推定に供するマップを表すグラフである。
【図19】本発明の一実施形態においてリザーバ液量の
推定に供するマップを表すグラフである。
【図20】本発明の一実施形態においてリザーバ液量の
推定に供するマップを表すグラフである。
【図21】本発明の一実施形態においてリザーバ液量の
推定に供するマップを表すグラフである。
【図22】本発明の他の実施形態におけるブレーキ液圧
制御装置を示す構成図である。
【図23】本発明の他の実施形態におけるリザーバ排出
処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル BS ブレーキスイッチ MC マスタシリンダ M 電動モータ HP1,HP2 液圧ポンプ RS1,RS2 リザーバ Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ WS1〜WS4 車輪速度センサ FR,FL,RR,RL 車輪 PC ブレーキ液圧制御装置 ST1,ST2 切換弁 SC1,SC3 第1の開閉弁 SC2,SC4 第2の開閉弁 PC1〜PC8 開閉弁 EG エンジン YS ヨーレイトセンサ YG 横加速度センサ CMP マイクロコンピュータ ECU 電子制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深見 昌伸 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 山崎 憲雄 愛知県刈谷市昭和町2丁目3番地 アイシ ン・ニューハード株式会社内 (72)発明者 宇野 冨士夫 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前方及び後方の各車輪に対し少く
    ともブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブ
    レーキ液圧制御装置と、前記車両の運動状態を判定する
    車両状態判定手段と、前記ブレーキペダルの操作に起因
    した制動状態にあるか否かに拘らず前記車両状態判定手
    段の判定結果に基づき前記ブレーキ液圧制御装置を制御
    し、前記車両の各車輪に制動力を付与する運動制御手段
    とを備えた車両の運動制御装置において、前記ブレーキ
    液圧制御装置が、前記車両の各車輪に装着し制動力を付
    与するホイールシリンダと、前記ブレーキペダルの操作
    に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリンダ液圧を出力
    するマスタシリンダと、該マスタシリンダと前記ホイー
    ルシリンダとの間に介装し前記運動制御手段の出力に応
    じてブレーキ液圧を調整するモジュレータと、該モジュ
    レータを介して前記ホイールシリンダに対し昇圧したブ
    レーキ液を吐出する液圧ポンプと、前記モジュレータを
    介して前記ホイールシリンダから排出したブレーキ液を
    貯蔵するリザーバと、前記マスタシリンダと前記モジュ
    レータとの間に介装し、両者間を連通接続し前記マスタ
    シリンダと前記液圧ポンプの吸込側との連通を遮断する
    第1の位置と、前記マスタシリンダと前記液圧ポンプの
    吸込側を連通接続し前記マスタシリンダと前記モジュレ
    ータとの連通を遮断する第2の位置に切換える切換弁
    と、前記モジュレータを前記リザーバに連通接続する接
    続点と前記切換弁を前記液圧ポンプの吸込側に連通接続
    する接続点との間に介装し、前記液圧ポンプ方向へのブ
    レーキ液の流れを許容し逆方向の流れを制限する逆止弁
    とを備えて成り、前記リザーバに貯蔵した液量が所定量
    を超えたか否かを判定する液量判定手段と、該液量判定
    手段にて前記リザーバに貯蔵した液量が所定量を超えた
    と判定したときには前記切換弁を第1の位置に切換える
    切換手段とを具備したことを特徴とする車両の運動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 車両の前方及び後方の各車輪に対し少く
    ともブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブ
    レーキ液圧制御装置と、前記車両の運動状態を判定する
    車両状態判定手段と、前記ブレーキペダルの操作に起因
    した制動状態にあるか否かに拘らず前記車両状態判定手
    段の判定結果に基づき前記ブレーキ液圧制御装置を制御
    し、前記車両の各車輪に制動力を付与する運動制御手段
    とを備えた車両の運動制御装置において、前記ブレーキ
    液圧制御装置が、前記車両の各車輪に装着し制動力を付
    与するホイールシリンダと、前記ブレーキペダルの操作
    に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリンダ液圧を出力
    するマスタシリンダと、該マスタシリンダと前記ホイー
    ルシリンダとの間に介装し前記運動制御手段の出力に応
    じてブレーキ液圧を調整するモジュレータと、該モジュ
    レータを介して前記ホイールシリンダに対し昇圧したブ
    レーキ液を吐出する液圧ポンプと、前記モジュレータを
    介して前記ホイールシリンダから排出したブレーキ液を
    貯蔵するリザーバと、前記マスタシリンダと前記モジュ
    レータとを連通接続する液圧路を開閉する常開の第1の
    開閉弁と、前記マスタシリンダと前記液圧ポンプの吸込
    側とを連通接続する液圧路を開閉する常閉の第2の開閉
    弁と、前記モジュレータを前記リザーバに連通接続する
    接続点と前記切換弁を前記液圧ポンプの吸込側に連通接
    続する接続点との間に介装し、前記液圧ポンプ方向への
    ブレーキ液の流れを許容し逆方向の流れを制限する逆止
    弁とを備えて成り、前記リザーバに貯蔵した液量が所定
    量を超えたか否かを判定する液量判定手段と、該液量判
    定手段にて前記リザーバに貯蔵した液量が所定量を超え
    たと判定したときには少なくとも前記第2の開閉弁を閉
    位置とする開閉手段とを具備したことを特徴とする車両
    の運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記液量判定手段が、前記車両状態判定
    手段及び前記運動制御手段の出力に基づき前記リザーバ
    に貯蔵した液量を推定する液量推定手段と、前記車両状
    態判定手段及び前記運動制御手段の出力に基づき前記リ
    ザーバに貯蔵した液量が所定量に達したことを推定する
    満杯推定手段の少くとも何れか一方を備えたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の車両の運動制御装置。
JP30408296A 1996-10-29 1996-10-29 車両の運動制御装置 Pending JPH10129440A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101842608A (zh) * 2007-08-31 2010-09-22 雷诺股份公司 用于确定由汽车的离合器传输的扭矩的一种映射的装置和方法以及用于装备有这种装置的汽车的坡启动辅助系统
CN104428181A (zh) * 2012-06-06 2015-03-18 日立汽车系统株式会社 制动装置

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