JPH1170869A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

Info

Publication number
JPH1170869A
JPH1170869A JP24941697A JP24941697A JPH1170869A JP H1170869 A JPH1170869 A JP H1170869A JP 24941697 A JP24941697 A JP 24941697A JP 24941697 A JP24941697 A JP 24941697A JP H1170869 A JPH1170869 A JP H1170869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
master cylinder
brake fluid
wheel
vehicle
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24941697A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Toutsu
憲司 十津
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Norio Yamazaki
憲雄 山崎
Satoshi Yokoyama
敏 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP24941697A priority Critical patent/JPH1170869A/ja
Publication of JPH1170869A publication Critical patent/JPH1170869A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制
御装置において、マスタシリンダに対する負荷を監視
し、適切に液圧制御を行なう。 【解決手段】 液圧ポンプHPによってマスタシリンダ
MCのブレーキ液をモジュレータMDを介してホイール
シリンダWfrに吐出すると共に、ホイールシリンダの
ブレーキ液をモジュレータを介してリザーバRSに貯蔵
するブレーキ液圧制御装置BCを備え、リザーバと液圧
ポンプの吸込側との間に逆止弁CVを介装する。更に、
常開の第1の開閉弁SCと常閉の第2の開閉弁SIを設
け、第1の開閉弁に並列にリリーフ弁RVを設ける。そ
して、ペダル操作量検出手段SDが検出したブレーキペ
ダルBPの操作量が所定の操作量以下であるときに、戻
し液量推定手段RFが推定したマスタシリンダへのブレ
ーキ液の戻し量の累積値が所定値以上となると、警報手
段WAによって警報を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回時等に
おいて、ブレーキペダルの操作の有無には無関係に各車
輪に対して制動力を付与することにより、過度のオーバ
ーステア及び過度のアンダーステアを抑制制御する制動
操舵制御を含み、種々の制御を行なう車両の運動制御装
置に関し、特に、液圧ポンプによってマスタシリンダの
ブレーキ液をモジュレータを介してホイールシリンダに
吐出すると共に、ホイールシリンダのブレーキ液をモジ
ュレータを介してリザーバに貯蔵するブレーキ液圧制御
装置を備えた車両の運動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】近時、車両の運動特性、特に旋回特性を
制御する手段として、制動力の左右差制御により旋回モ
ーメントを直接制御する手段が注目され、実用に供され
つつある。例えば、特開平2−70561号公報には、
車両の横力の影響を補償する制動制御手段により車両の
安定性を維持する運動制御装置が提案されている。同装
置においては、実ヨーレイトと目標ヨーレイトの比較結
果に応じて制動制御手段により車両に対する制動力を制
御するように構成されており、例えばコーナリング時の
車両の運動に対しても確実に安定性を維持することがで
きる。これにより、ブレーキペダルの操作の有無には無
関係に各車輪に対して制動力が付与され、所謂制動操舵
制御によって、オーバーステア抑制制御及びアンダース
テア抑制制御が行なわれる。
【0003】また、特開平5−116609号公報に
は、「2つのブレーキ回路と、ABS弁による車輪の個
々の制御を備えたABSと、制御の際に排出されたブレ
ーキ流体をブレーキ回路に戻すためのブレーキ回路毎の
自給式ポンプと、ASRの場合に戻しポンプをブレーキ
圧力の供給のために利用するブレーキASRとを含む全
輪駆動車両用ブレーキ圧力制御装置」に関し、「ASR
運転中でもブレーキがかけられるようにすること」を目
的とした装置が開示されている(括弧内の用語及び表現
は同公報をそのまま引用)。そして、同公報の図1に記
載の実施態様に関し、「ASRの場合のために切替弁3
及び負荷弁14が設けられており、該負荷弁14は主ブ
レーキシリンダ(6内)とポンプ入口との間の接続配管
内に設けられている。逆止弁はこの配管を貯蔵室9から
切り離している」と記載され、「2つの前輪のうち車輪
1が滑り回転傾向を示したとき、同時に弁3および14
が切り替えられかつポンプ10が起動する」と記載され
ている(括弧内の用語及び表現は同公報をそのまま引
用)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前掲の特開平5−11
6609号公報には、切替弁3及び負荷弁14として一
対の2ポート2位置の電磁開閉弁が配設され、これらの
開閉弁は同時に切り替えられるように構成されている。
同公報の図1に開示されたブレーキ圧力制御装置におい
て、切替弁3及び負荷弁14がオン状態でABS入口弁
4がオン状態のときに戻しポンプ10が起動すると、圧
力制限弁16を介してマスタシリンダにブレーキ液が戻
されることになる。このとき、ブレーキペダルが操作状
態にあると、マスタシリンダに戻されるブレーキ液によ
ってブレーキペダルに対し逆方向に圧力が加わることに
なるが、マスタシリンダの作動状態によってはマスタシ
リンダに対する負荷が大となる場合があり得る。
【0005】上記のようなブレーキ圧力制御装置に供さ
れるマスタシリンダとして、例えば図12に示すものが
普及しており、シリンダの壁面に形成されたブレーキ液
導入用のポート21,22を介して各圧力室C1,C2
と低圧リザーバ1とが連通するように構成されている。
このマスタシリンダにおいては、ブレーキペダルの操作
量が少ないときに、即ちマスタピストン23,24のカ
ップシールがポート21,22を通過した直後の状態
で、前述のようにマスタシリンダに戻されるブレーキ液
によって逆方向の圧力が付与されると、カップシールに
対する負荷が大となる。このような状態となるのは極め
て特殊の場合ではあるが、これを回避することが望まし
い。
【0006】そこで、本発明は、液圧ポンプによってマ
スタシリンダのブレーキ液をモジュレータを介してホイ
ールシリンダに吐出すると共に、ホイールシリンダのブ
レーキ液をモジュレータを介してリザーバに貯蔵するブ
レーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制御装置におい
て、ブレーキペダルの操作量が少ないときに液圧ポンプ
によってマスタシリンダにブレーキ液が戻される状態を
判別することによって、マスタシリンダに対する負荷を
監視し、適切に液圧制御を行なうようにすることを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載のように、車両の前方及
び後方の各車輪に対し少くともブレーキペダルの操作に
応じて制動力を付与するブレーキ液圧制御装置と、前記
車両の運動状態を判定する車両状態判定手段と、前記ブ
レーキペダルの操作の有無には無関係に前記車両状態判
定手段の判定結果に基づき前記ブレーキ液圧制御装置を
制御し、前記車両の各車輪に制動力を付与する運動制御
手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記ブレ
ーキ液圧制御装置が、前記車両の各車輪に装着し制動力
を付与するホイールシリンダと、前記ブレーキペダルの
操作に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリンダ液圧を
出力するマスタシリンダと、該マスタシリンダと前記ホ
イールシリンダとの間に介装し前記運動制御手段の出力
に応じて前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整す
るモジュレータと、該モジュレータを介して前記ホイー
ルシリンダに対し昇圧したブレーキ液を吐出する液圧ポ
ンプと、前記モジュレータを介して前記ホイールシリン
ダから排出したブレーキ液を貯蔵するリザーバと、前記
マスタシリンダと前記モジュレータとを連通接続する液
圧路を開閉する常開の第1の開閉弁と、前記マスタシリ
ンダと前記液圧ポンプの吸込側とを連通接続する液圧路
を開閉する常閉の第2の開閉弁と、前記第1の開閉弁に
対して並列に設け、前記マスタシリンダから前記モジュ
レータ方向のブレーキ液の流れを制限し、前記モジュレ
ータ側のブレーキ液圧が前記マスタシリンダ側のブレー
キ液圧に対し所定の差圧以上となったときに前記マスタ
シリンダ方向へのブレーキ液の流れを許容するリリーフ
弁と、前記モジュレータを前記リザーバに連通接続する
接続点と前記第2の開閉弁を前記液圧ポンプの吸込側に
連通接続する接続点との間に介装し、前記液圧ポンプ方
向へのブレーキ液の流れを許容し逆方向の流れを制限す
る逆止弁とを備えて成り、前記ブレーキペダルの操作量
を検出するペダル操作量検出手段と、前記液圧ポンプか
ら前記マスタシリンダへのブレーキ液の戻し量を推定す
る戻し液量推定手段と、前記ブレーキペダルの操作時に
前記ペダル操作量検出手段が検出した前記ブレーキペダ
ルの操作量が所定の操作量以下であるときに、前記戻し
液量推定手段が推定した前記マスタシリンダへのブレー
キ液の戻し量の累積値が所定値以上となると警報を行な
う警報手段を具備することとしたものである。
【0008】尚、運動制御手段としては、少くとも車両
状態判定手段の判定結果に基づいて車両の各車輪に対す
る目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定手段
と、車両の各車輪の実スリップ率を測定するスリップ率
測定手段と、目標スリップ率と実スリップ率との偏差を
演算するスリップ率偏差演算手段を具備したものとし、
ブレーキ液圧制御装置を前記偏差に応じて制御するよう
に構成することができる。車両状態判定手段は、例えば
各車輪の車輪速度、車輪加速度、車体横加速度、ヨーレ
イト等を検出し、これらの検出結果に基づいて演算した
推定車体速度、車体横すべり角等に基づき、車両の運動
状態を判定するように構成し、過度のオーバーステア及
び過度のアンダーステアの発生を判定することができ
る。
【0009】前記戻し液量推定手段は、請求項2に記載
のように、前記液圧ポンプの吐出量を検出する吐出量検
出手段と、前記モジュレータに供給されるブレーキ液の
液量を推定する供給量推定手段とを備え、前記吐出量検
出手段が検出した吐出量から前記供給量推定手段が推定
した供給量を差し引いた値を前記マスタシリンダへのブ
レーキ液の戻し量とするように構成するとよい。
【0010】更に、請求項3に記載のように、前記ブレ
ーキペダルが操作されたときにオンとなるブレーキスイ
ッチを備え、前記ペダル操作量検出手段が、前記ブレー
キペダルのストロークを検出するストローク検出手段を
備え、前記警報手段が、前記戻し液量推定手段が推定し
た前記マスタシリンダへのブレーキ液の戻し量の累積値
を演算する累積値演算手段と、前記マスタシリンダに対
する負荷に応じて所定の基準値を設定し、前記累積値演
算手段が演算した累積値を前記基準値と大小比較する判
定手段とを備え、前記ブレーキスイッチがオン状態で前
記ストローク検出手段の検出ストロークが所定のストロ
ーク以下であり、且つ前記累積値演算手段が演算した累
積値が前記基準値より大となったときに、前記マスタシ
リンダに対する負荷に応じた警報を行なうように構成す
るとよい。尚、ストローク検出手段としてはブレーキペ
ダルのストロークを直接測定し得るストロークセンサを
用いてもよいが、車輪速度から推定車体速度を求め、こ
の推定車体速度に基づきブレーキペダルのストロークを
推定するように構成することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は本発明の運動制御装
置の一実施形態の概要を示すもので、車両前方及び後方
の各車輪FR,FL,RR,RLに対し少くともブレー
キペダルBPの操作に応じて制動力を付与するブレーキ
液圧制御装置BCと、車両の運動状態を判定する車両状
態判定手段DRと、ブレーキペダルBPの操作の有無に
は無関係に車両状態判定手段DRの判定結果に基づきブ
レーキ液圧制御装置BCを制御し、車両の各車輪に制動
力を付与する運動制御手段MAを備えている。
【0012】そして、ブレーキ液圧制御装置BCは、車
両の各車輪に装着し制動力を付与するホイールシリンダ
Wfrと、ブレーキペダルBPの操作に応じてブレーキ
液を昇圧しマスタシリンダ液圧を出力するマスタシリン
ダMCと、このマスタシリンダMCとホイールシリンダ
Wfrとの間に介装し運動制御手段MAの出力に応じて
急増圧、パルス増圧、パルス減圧、急減圧及び保持の液
圧制御モードを選択してホイールシリンダWfrのブレ
ーキ液圧を調整するモジュレータMDと、このモジュレ
ータMDを介してホイールシリンダWfrに対し昇圧し
たブレーキ液を吐出する液圧ポンプHPと、モジュレー
タMDを介してホイールシリンダWfrから排出したブ
レーキ液を貯蔵するリザーバRSと、マスタシリンダM
CとモジュレータMDとを連通接続する液圧路を開閉す
る常開の第1の開閉弁SCと、マスタシリンダMCと液
圧ポンプHPの吸込側とを連通接続する液圧路を開閉す
る常閉の第2の開閉弁SIを備えている。
【0013】また、第1の開閉弁SCに対して並列に、
マスタシリンダMCからモジュレータMD方向のブレー
キ液の流れを制限し、モジュレータMD側のブレーキ液
圧がマスタシリンダMC側のブレーキ液圧に対し所定の
差圧以上となったときにマスタシリンダMC方向へのブ
レーキ液の流れを許容するリリーフ弁RVが設けられ、
モジュレータMDをリザーバRSに連通接続する接続点
と第2の開閉弁SIを液圧ポンプHPの吸込側に連通接
続する接続点との間に、液圧ポンプHP方向へのブレー
キ液の流れを許容し逆方向の流れを制限する逆止弁CV
が介装されている。
【0014】更に、ブレーキペダルBPの操作量を検出
するペダル操作量検出手段SDと、液圧ポンプHPから
マスタシリンダMCへのブレーキ液の戻し量を推定する
戻し液量推定手段RFを具備しており、警報手段WAに
よって、ペダル操作量検出手段SDが検出したブレーキ
ペダルBPの操作量が所定の操作量以下であるときに、
戻し液量推定手段RFが推定したマスタシリンダMCへ
のブレーキ液の戻し量の累積値が所定値以上となると警
報を行なうように構成されている。以下、図2以降の図
面を参照して詳細に説明する。
【0015】図2は本実施形態の全体構成を示すもので
あり、エンジンEGはスロットル制御装置TH及び燃料
噴射装置FIを備えた内燃機関で、スロットル制御装置
THにおいてはアクセルペダルAPの操作に応じてメイ
ンスロットルバルブMTのメインスロットル開度が制御
される。また、電子制御装置ECUの出力に応じて、ス
ロットル制御装置THのサブスロットルバルブSTが駆
動されサブスロットル開度が制御されると共に、燃料噴
射装置FIが駆動され燃料噴射量が制御されるように構
成されている。本実施形態のエンジンEGは変速制御装
置GS及びディファレンシャルギヤDFを介して車両後
方の車輪RL,RRに連結されており、所謂後輪駆動方
式が構成されているが、本発明における駆動方式をこれ
に限定するものではない。
【0016】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置BCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では所謂X配管が構成されているが、前後配管とし
てもよい。
【0017】車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度
センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検
出する横加速度センサYG及び車両のヨーレイトを検出
するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接
続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両
重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速
度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨー
レイトγとして電子制御装置ECUに出力される。
【0018】尚、従動輪側の左右の車輪(本実施形態で
は車両前方の車輪FL,FR)の車輪速度差Vfd(=V
wfr −Vwfl )に基づき実ヨーレイトγを推定すること
ができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出
出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省
略することができる。更に、車輪RL,RR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これに
よれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示
せず)によって車輪RL,RRの舵角を制御することも
できる。
【0019】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置BCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいて
は、メモリROMは図4乃至図7に示したフローチャー
トを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロ
セシングユニットCPUは図示しないイグニッションス
イッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メ
モリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データ
を一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎
に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイク
ロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続するこ
ととしてもよい。
【0020】次に、本実施形態のブレーキ液圧制御装置
BCは、図3に示すように、ブレーキペダルBPの操作
に応じてバキュームブースタVBを介してマスタシリン
ダMCが倍圧駆動され、低圧リザーバLRS内のブレー
キ液が昇圧されて車輪FR,RL側及び車輪FL,RR
側の液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように
構成されている。マスタシリンダMCはタンデム型のマ
スタシリンダで、二つの圧力室が夫々各ブレーキ液圧系
統に接続されている。即ち、第1の圧力室MCaは車輪
FR,RL側のブレーキ液圧系統に連通接続され、第2
の圧力室MCbは車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統
に連通接続される。
【0021】本実施形態の車輪FR,RL側のブレーキ
液圧系統においては、第1の圧力室MCaは主液圧路M
F及びその分岐液圧路MFr,MFlを介して夫々ホイ
ールシリンダWfr,Wrlに接続されている。主液圧
路MFには常開の第1の開閉弁SC1(所謂カットオフ
弁として機能するもので、以下、単に開閉弁SC1とい
う)が介装されている。また、第1の圧力室MCaは補
助液圧路MFcを介して後述する逆止弁CV5,CV6
の間に接続されている。補助液圧路MFcには常閉の第
2の開閉弁SI1(以下、単に開閉弁SI1という)が
介装されている。これらの開閉弁は何れも2ポート2位
置の電磁開閉弁で構成されている。分岐液圧路MFr,
MFlには夫々、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁P
C1及びPC2(以下、単に開閉弁PC1,PC2とい
う)が介装されている。また、これらと並列に夫々逆止
弁CV1,CV2が介装されている。
【0022】逆止弁CV1,CV2は、マスタシリンダ
MC方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシリン
ダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを制限する
もので、これらの逆止弁CV1,CV2及び第1の位置
(図示の状態)の開閉弁SC1を介してホイールシリン
ダWfr,Wrl内のブレーキ液がマスタシリンダMC
ひいては低圧リザーバLRSに戻されるように構成され
ている。而して、ブレーキペダルBPが解放されたとき
に、ホイールシリンダWfr,Wrl内の液圧はマスタ
シリンダMC側の液圧低下に迅速に追従し得る。また、
ホイールシリンダWfr,Wrlに連通接続される排出
側の分岐液圧路RFr,RFlに、夫々常閉型の2ポー
ト2位置電磁開閉弁PC5,PC6(以下、単に開閉弁
PC5,PC6という)が介装されており、分岐液圧路
RFr,RFlが合流した排出液圧路RFはリザーバR
S1に接続されている。
【0023】車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統にお
いては、上記開閉弁PC1,PC2,PC5,PC6に
よって本発明にいうモジュレータが構成されている。ま
た、開閉弁PC1,PC2の上流側で分岐液圧路MF
r,MFlに連通接続する液圧路MFpに、液圧ポンプ
HP1が介装され、その吸込側には逆止弁CV5,CV
6を介してリザーバRS1が接続されている。また、液
圧ポンプHP1の吐出側は、逆止弁CV7を介して夫々
開閉弁PC1,PC2に接続されている。液圧ポンプH
P1は、液圧ポンプHP2と共に一つの電動モータMに
よって駆動され、吸込側からブレーキ液を導入し所定の
圧力に昇圧して吐出側から出力するように構成されてい
る。リザーバRS1は、マスタシリンダMCの低圧リザ
ーバLRSとは独立して設けられるもので、アキュムレ
ータということもでき、ピストンとスプリングを備え、
後述する種々の制御に必要な容量のブレーキ液を貯蔵し
得るように構成されている。
【0024】マスタシリンダMCは液圧路MFcを介し
て液圧ポンプHP1の吸込側の逆止弁CV5と逆止弁C
V6との間に連通接続されている。逆止弁CV5はリザ
ーバRS1へのブレーキ液の流れを阻止し、逆方向の流
れを許容するものである。また、逆止弁CV6,CV7
は液圧ポンプHP1を介して吐出されるブレーキ液の流
れを一定方向に規制するもので、通常は液圧ポンプHP
1内に一体的に構成されている。而して、開閉弁SI1
は、図3に示す常態の閉位置でマスタシリンダMCと液
圧ポンプHP1の吸込側との連通が遮断され、開位置で
マスタシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸込側が連通
するように切り換えられる。
【0025】更に、開閉弁SC1に並列に、マスタシリ
ンダMCから開閉弁PC1,PC2方向へのブレーキ液
の流れを制限し、開閉弁PC1,PC2側のブレーキ液
圧がマスタシリンダMC側のブレーキ液圧に対し所定の
差圧以上大となったときにマスタシリンダMC方向への
ブレーキ液の流れを許容するリリーフ弁RV1と、ホイ
ールシリンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れ
を許容し逆方向の流れを禁止する逆止弁AV1が介装さ
れている。リリーフ弁RV1は、液圧ポンプHP1から
吐出される加圧ブレーキ液がマスタシリンダMCの出力
液圧より所定の差圧以上大となったときに、マスタシリ
ンダMCを介して低圧リザーバLRSにブレーキ液を還
流するもので、これにより液圧ポンプHP1の吐出ブレ
ーキ液が所定の圧力に調圧される。また、液圧ポンプH
P1の吐出側にダンパDP1が配設され、後輪側のホイ
ールシリンダWrlに至る液圧路にプロポーショニング
バルブPV1が介装されている。尚、マスタシリンダM
Cと前輪側のホイールシリンダWfrとの間には、常閉
型の2ポート2位置電磁開閉弁SF1及び逆止弁AV3
が設けられており、ホイールシリンダWfrの自動加圧
中にブレーキペダルBPが操作されたときに前輪側に制
動力を付与し得るように構成されている。
【0026】車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統にお
いても同様に、リザーバRS2、ダンパDP2及びプロ
ポーショニングバルブPV2をはじめ、常開型の2ポー
ト2位置電磁開閉弁SC2(第1の開閉弁)、常閉型の
2ポート2位置電磁開閉弁SI2(第2の開閉弁),S
F2,PC7,PC8、常開型の2ポート2位置電磁開
閉弁PC3,PC4、逆止弁CV3,CV4,CV8乃
至CV10、リリーフ弁RV2並びに逆止弁AV2,A
V4が配設されている。液圧ポンプHP2は、電動モー
タMによって液圧ポンプHP1と共に駆動され、電動モ
ータMの起動後は両液圧ポンプHP1,HP2は連続し
て駆動される。尚、後述のフローチャートにおいては、
二つのブレーキ液圧系統に供される開閉弁等を代表して
表すときには符号(*)を用いる。
【0027】上記の構成になる実施形態の作用を説明す
ると、通常のブレーキ作動時においては、各電磁弁は図
3に示す常態位置にあり、電動モータMは停止してい
る。この状態でブレーキペダルBPが踏み込まれると、
マスタシリンダMCの第1及び第2の圧力室MCa,M
Cbから、マスタシリンダ液圧が夫々車輪FR,RL側
及び車輪FL,RR側の液圧系統に出力され、開閉弁S
C1,SC2並びに開閉弁PC1乃至PC8を介して、
ホイールシリンダWfr,Wrl,Wfl,Wrrに供
給される。車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側のブ
レーキ液圧系統は同様の構成であるので、以下、代表し
て車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統について説明す
る。
【0028】ブレーキ作動中にアンチスキッド制御に移
行し、例えば車輪FR側がロック傾向にあると判定され
ると、開閉弁SC1は開位置のままで、開閉弁PC1が
閉位置とされると共に、開閉弁PC5が開位置とされ
る。而して、ホイールシリンダWfrは開閉弁PC5を
介してリザーバRS1に連通し、ホイールシリンダWf
r内のブレーキ液がリザーバRS1内に流出し減圧され
る。
【0029】ホイールシリンダWfrがパルス増圧モー
ドとなると、開閉弁PC5が閉位置とされると共に開閉
弁PC1が開位置とされ、マスタシリンダMCからマス
タシリンダ液圧が開位置の開閉弁PC1を介してホイー
ルシリンダWfrに供給される。そして、開閉弁PC1
が断続制御され、ホイールシリンダWfr内のブレーキ
液は増圧と保持が繰り返されてパルス的に増大し、緩や
かに増圧される。ホイールシリンダWfrに対し急増圧
モードが設定されたときには、開閉弁PC2,PC5が
閉位置とされた後、開閉弁PC1が開位置とされ、マス
タシリンダMCからマスタシリンダ液圧が供給される。
そして、ブレーキペダルBPが解放され、ホイールシリ
ンダWfrの液圧よりマスタシリンダ液圧の方が小さく
なると、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液が逆止
弁CV1及び開位置の開閉弁SC1を介してマスタシリ
ンダMC、ひいては低圧リザーバLRSに戻る。このよ
うにして、車輪毎に独立した制動力制御が行なわれる。
【0030】そして、トラクション制御に移行し、例え
ば車輪RLの加速スリップ防止制御が行なわれる場合に
は、開閉弁SC1が閉位置に切り換えられると共に、開
閉弁SI1が開位置に切り換えられ、ホイールシリンダ
Wfrに接続された開閉弁PC1が閉位置とされ、開閉
弁PC2が開位置とされる。この状態で、電動モータM
によって液圧ポンプHP1が駆動されると、非作動状態
のマスタシリンダMC、開位置の開閉弁SI1を介して
低圧リザーバLRSからブレーキ液が吸引され、駆動輪
側のホイールシリンダWrlに加圧ブレーキ液が供給さ
れる。尚、開閉弁PC2が閉位置とされれば、ホイール
シリンダWrlの液圧が保持される。而して、ブレーキ
ペダルBPが非操作状態であっても、例えば車輪RLの
加速スリップ防止制御時には、車輪RLの加速スリップ
状態に応じて開閉弁PC2,PC6の断続制御により、
ホイールシリンダWrlに対し、パルス増圧、パルス減
圧及び保持の何れかの液圧制御モードが設定される。こ
れにより、車輪RLに制動力が付与されて回転駆動力が
制限され、加速スリップが防止され、適切にトラクショ
ン制御を行なうことができる。
【0031】更に、車両の制動操舵制御時においては、
例えば過度のオーバーステアを防止する場合には、これ
に対抗するモーメントを発生させる必要があり、この場
合には或る一つの車輪のみに関し制動力を付与すると効
果的である。即ち、車輪FR,RL側のブレーキ液圧系
統においては、制動操舵制御時に開閉弁SC1が閉位置
に切換えられると共に、開閉弁SI1が開位置に切換え
られ、電動モータMが駆動され、液圧ポンプHP1から
ブレーキ液が吐出される。そして、開閉弁PC1,PC
2,PC5,PC6が適宜開閉制御され、ホイールシリ
ンダWfr,Wrlの液圧がパルス増圧、減圧又は保持
され、車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統も含め、前
後の車輪間の制動力配分が車両のコーストレース性を維
持し得るように制御される。
【0032】上記開閉弁SC1,SC2並びに開閉弁P
C1乃至PC8は前述の電子制御装置ECUによって駆
動制御され、アンチスキッド制御のみならず、制動操舵
制御を初めとする各種制御が行なわれる。例えば、車両
が旋回運動中において、過度のオーバーステアと判定さ
れたときには、例えば旋回外側の前輪に制動力が付与さ
れ、車両に対し外向きのヨーモーメント、即ち車両を旋
回外側に向けるヨーモーメントが生ずるように制御され
る。これをオーバーステア抑制制御と呼び、安定性制御
とも呼ばれる。また、車両が旋回運動中に過度のアンダ
ーステアと判定されたときには、本実施形態のように後
輪駆動車の場合、旋回外側の前輪及び後二輪に制動力が
付与され、車両に対し内向きのヨーモーメント、即ち車
両を旋回内側に向けるヨーモーメントが生ずるように制
御される。これはアンダーステア抑制制御と呼び、コー
ストレース性制御とも呼ばれる。そして、オーバーステ
ア抑制制御とアンダーステア抑制制御は制動操舵制御と
総称される。
【0033】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図4乃至図7等
のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始す
る。図4は車両の運動制御作動を示すもので、先ずステ
ップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化さ
れ、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102
において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号
が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出信
号(舵角δf )、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実
ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号(即
ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれる。
【0034】続いてステップ103に進み、各車輪の車
輪速度Vw** (**は各車輪FR等を表す)が演算されると
共に、これらが微分され各車輪の車輪加速度DVw** が
求められる。続いて、ステップ104において各車輪の
車輪速度Vw** の最大値が車両重心位置での推定車体速
度Vsoとして演算される(Vso=MAX( Vw**))。ま
た、各車輪の車輪速度Vw** に基づき各車輪毎に推定車
体速度Vso**が求められ、必要に応じ、車両旋回時の内
外輪差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われ
る。更に、推定車体速度Vsoが微分され、車両重心位置
での推定車体加速度DVsoが演算される。そして、ステ
ップ105において、上記ステップ103及び104で
求められた各車輪の車輪速度Vw** と推定車体速度Vso
**(あるいは、正規化推定車体速度)に基づき各車輪の
実スリップ率Sa** がSa** =(Vso**−Vw** )/V
so**として求められる。次に、ステップ106おいて、
車両重心位置での推定車体加速度DVsoと横加速度セン
サYGの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、路面摩擦
係数μが近似的に(DVso2 +Gya2)1/2 として求めら
れる。更に、路面摩擦係数を検出する手段として、直接
路面摩擦係数を検出するセンサ等、種々の手段を用いる
ことができる。
【0035】続いて、ステップ107にて車体横すべり
角速度Dβが演算されると共に、ステップ108にて車
体横すべり角βが演算される。この車体横すべり角β
は、車両の進行方向に対する車体のすべりを角度で表し
たもので、次のように演算し推定することができる。即
ち、車体横すべり角速度Dβは車体横すべり角βの微分
値dβ/dtであり、ステップ107にてDβ=Gy /
Vso−γとして求めることができ、これをステップ10
8にて積分しβ=∫(Gy /Vso−γ)dtとして車体
横すべり角βを求めることができる。尚、Gy は車両の
横加速度、Vsoは車両重心位置での推定車体速度、γは
ヨーレイトを表す。あるいは、進行方向の車速Vx とこ
れに垂直な横方向の車速Vy の比に基づき、β=tan
-1(Vy /Vx )として求めることもできる。
【0036】そして、ステップ109に進み制動操舵制
御モードとされ、後述するように制動操舵制御に供する
目標スリップ率が設定され、後述のステップ117の液
圧サーボ制御により、車両の運転状態に応じてブレーキ
液圧制御装置BCが制御され各車輪に対する制動力が制
御される。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モ
ードにおける制御に対し重畳される。この後ステップ1
10に進み、アンチスキッド制御開始条件を充足してい
るか否かが判定され、開始条件を充足し制動操舵時にア
ンチスキッド制御開始と判定されると、初期特定制御は
直ちに終了しステップ111にて制動操舵制御及びアン
チスキッド制御の両制御を行なうための制御モードに設
定される。
【0037】ステップ110にてアンチスキッド制御開
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ112に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ113に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
114に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ115にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ116にて制動操舵
制御開始条件を充足しているか否かが判定される。制動
操舵制御開始と判定されるとステップ117に進み制動
操舵制御のみを行なう制御モードに設定される。そし
て、これらの制御モードに基づきステップ118にて液
圧サーボ制御が行なわれ、更にステップ119にて後述
のマスタシリンダ負荷検査が行なわれた後ステップ10
2に戻る。ステップ116において制動操舵制御開始条
件も充足していないと判定されると、ステップ120に
て全ての電磁弁のソレノイドがオフとされた後ステップ
102に戻る。尚、ステップ111,113,115,
117に基づき、必要に応じ、車両の運転状態に応じて
スロットル制御装置THのサブスロットル開度が調整さ
れエンジンEGの出力が低減され、駆動力が制限され
る。
【0038】尚、上記アンチスキッド制御モードにおい
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
ラクション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0039】図5は図4のステップ109における制動
操舵制御に供する目標スリップ率の設定の具体的処理内
容を示すもので、制動操舵制御にはオーバーステア抑制
制御及びアンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関
しオーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑
制制御に応じた目標スリップ率が設定される。先ず、ス
テップ201,202においてオーバーステア抑制制御
及びアンダーステア抑制制御の開始・終了判定が行なわ
れる。
【0040】ステップ201で行なわれるオーバーステ
ア抑制制御の開始・終了判定は、図8に斜線で示す制御
領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時
における車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβの
値に応じて制御領域に入ればオーバーステア抑制制御が
開始され、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制御
が終了とされ、図8に矢印の曲線で示したように制御さ
れる。また、後述するように、図8に二点鎖線で示した
境界から制御領域側に外れるに従って制御量が大となる
ように各車輪の制動力が制御される。
【0041】一方、ステップ202で行なわれるアンダ
ーステア抑制制御の開始・終了判定は、図9に斜線で示
す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、
判定時において目標横加速度Gytに対する実横加速度G
yaの変化に応じて、一点鎖線で示す理想状態から外れて
制御領域に入ればアンダーステア抑制制御が開始され、
制御領域を脱すればアンダーステア抑制制御が終了とさ
れ、図9に矢印の曲線で示したように制御される。
【0042】続いて、ステップ203にてオーバーステ
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのままメ
インルーチンに戻る。ステップ204にてアンダーステ
ア抑制制御と判定されたときにはステップ205に進
み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダーステア
抑制制御用に設定される。ステップ203にてオーバー
ステア抑制制御と判定されると、ステップ206に進み
アンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダース
テア抑制制御でなければステップ207において各車輪
の目標スリップ率は後述するオーバーステア抑制制御用
に設定される。また、ステップ206でアンダーステア
抑制制御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制
制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれること
になり、ステップ208にて同時制御用の目標スリップ
率が設定される。
【0043】ステップ207におけるオーバーステア抑
制制御用の目標スリップ率の設定には、車体横すべり角
βと車体横すべり角速度Dβが用いられる。また、ステ
ップ205におけるアンダーステア抑制制御における目
標スリップ率の設定には、目標横加速度Gytと実横加速
度Gyaとの差が用いられる。この目標横加速度GytはG
yt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められる。ここで、
γ(θf)はγ(θf)={θf/( N・L)}・Vso
/(1+Kh ・Vso2 )として求められ、Khはスタビ
リティファクタ、Nはステアリングギヤレシオ、Lはホ
イールベースを表す。
【0044】ステップ205における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回外
側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の後輪がSturi
に設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては "t"は「目標」を表し、後述の「実測」を表す
"a"と対比される。 "u"は「アンダーステア抑制制御」
を表し、 "r"は「後輪」を表し、 "o"は「外側」を、 "
i"は「内側」を夫々表す。
【0045】ステップ207における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回外
側の後輪がSteroに設定され、旋回内側の後輪がSteri
に設定される。ここで、 "e"は「オーバーステア抑制制
御」を表す。そして、ステップ208においては、各車
輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定
され、旋回外側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の
後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア
抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれる
ときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の
目標スリップ率と同様に設定され、後輪は何れもアンダ
ーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され
る。尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、後輪駆動
車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御
とされている。
【0046】オーバーステア抑制制御に供する旋回外側
前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K
2 ・Dβとして設定され、旋回外側後輪の目標スリップ
率SteroはStero=K3 ・β+K4 ・Dβとして設定さ
れ、目標スリップ率SteriはSteri=K5 ・β+K6 ・
Dβとして設定される。ここで、K1 乃至K6 は定数
で、旋回外側の車輪に対する目標スリップ率Stefo及び
Steroは、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を
行なう値に設定される。これに対し、旋回内側の車輪に
対する目標スリップ率Steriは、減圧方向(制動力を低
減する方向)の制御を行なう値に設定される。
【0047】一方、アンダーステア抑制制御に供する目
標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの
偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、
旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StefoはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Sturo及びSturiは夫々K8 ・ΔG
y 及びK9 ・ΔGy に設定され、定数K8 ,K9 は何れ
も加圧方向の制御を行なう値に設定される。
【0048】図6は図4のステップ118で行なわれる
液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各車輪につい
てホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制御が行な
われる。先ず、前述のステップ205,207又は20
8にて設定された目標スリップ率St** がステップ30
1にて読み出され、これらがそのまま各車輪の目標スリ
ップ率St** として読み出される。
【0049】続いてステップ302において、各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ303にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
ステップ302においては、各車輪の目標スリップ率S
t** と実スリップ率Sa** の差が演算されスリップ率偏
差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St** −Sa*
*)。また、ステップ303においては車両重心位置で
の推定車体加速度DVsoと制御対象の車輪における車輪
加速度DVw** の差が演算され、車体加速度偏差ΔDV
so**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率S
a** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制
御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異
なるが、これらについては説明を省略する。
【0050】続いて、ステップ304に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ306にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Ka を下回るときにはステップ305にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次にステップ307乃至310において、スリップ
率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値Kc
以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb に
設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定された
後、ステップ311に進む。
【0051】ステップ311においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図11に実線で示すように設定される。また、ス
テップ312において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図11に破線で示すよう
に一定の値である。
【0052】この後、ステップ313に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図10に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
0においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ313にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
【0053】ステップ313にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ314において増減圧補償処理が行われる。例えば急
減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、急
増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モードの
持続時間に基づいて決定される。そして、ステップ31
5にて上記液圧制御モード及び増減圧補償処理に応じ
て、ブレーキ液圧制御装置BCを構成する各電磁弁のソ
レノイドが駆動され、各車輪の制動力が制御される。
【0054】以上のように、本実施形態においては、ブ
レーキペダルBPの操作の有無には無関係に各車輪に対
し制動力が付与され、オーバーステア抑制制御及び/又
はアンダーステア抑制制御の制動操舵制御が行なわれ
る。尚、上記の実施形態ではスリップ率によって制御す
ることとしているが、オーバーステア抑制制御及びアン
ダーステア抑制制御の制御目標としてはスリップ率のほ
か、各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧等、各車
輪に付与される制動力に対応する目標値であればどのよ
うな値を用いてもよい。
【0055】次に、図4のステップ119において行な
われるマスタシリンダ負荷検査の処理について、図7の
フローチャートを参照して説明する。尚、以下において
は、図2の左側のブレーキ液圧系統について説明する
が、右側のブレーキ液圧系統についても同様に演算され
る。先ず、ステップ401において、リザーバRS1内
に残留するブレーキ液の量が以下の演算処理によって推
定される。リザーバRS1内のブレーキ液の量に対応す
るリザーバRS1のピストンのストロークSr(i) が、
Sr(i) =Kfd・Tfr(i) +Krd・Trl(i) +Sr(i-
1) −K1(i)・Kpとして求められる。但し、Kfdは前
輪側の係数、Krdは後輪側の係数、Tfr(i)は車輪FR
における減圧時間、Trl(i) は車輪RLにおける減圧時
間、K1(i)はポンプ吐出係数、Kpはポンプ吐出量を夫
々表し、(i) は今回の値、(i-1) は前回の値を表す。
【0056】続いて、ステップ402において液圧ポン
プHP1によるマスタシリンダMCへのブレーキ液の戻
し量Qm(i) が推定される。本実施形態では、先ず液圧
ポンプHP1から吐出(出力)される液量Qp(i) がQ
p(i) =K2 ・Kpとして求められる。但し、係数K2
はSr(i) >Krのとき(Krは定数)、もしくは開閉
弁SI1がオンのときに「1」とされ、それ以外は
「0」とされる。
【0057】そして、マスタシリンダMCへのブレーキ
液の戻し量Qm(i) が、Qm(i) =Qp(i) −Kfh・K
fp(i) −Krh・Krp(i) として求められる。この演算式
において、Qp(i) は液圧ポンプHP1から吐出される
液量で、Kfh・Kfp(i) は車輪FR側に供給される液
量、Krh・Krp(i) は車輪RL側に供給される液量であ
る(但し、Kfhは前輪側の吐出係数、Krhは後輪側の吐
出係数を表し、開閉弁PC1,PC2がオン(閉位置)
のときには「0」とされる)。つまり、液圧ポンプHP
1から吐出される液量Qp(i) から、車輪FR側及び車
輪RL側に供給される液量を差し引いた値が、マスタシ
リンダMCへのブレーキ液の戻し量Qm(i) と推定され
る。
【0058】更に、ステップ403においてブレーキペ
ダルBPのストロークが検出される。本実施形態ではス
トロークセンサ(図示せず)を用いブレーキペダルBP
のストロークを直接測定することとしているが、例えば
車両の車輪速度から推定車体速度を求め、この推定車体
速度に基づきブレーキペダルBPのストロークを推定演
算することもできる。
【0059】そして、ステップ404に進み、ブレーキ
スイッチBSがオン状態か否かが判定される。ブレーキ
ペダルBPが操作され、ブレーキスイッチBSがオン状
態となっている場合には、ステップ405に進み、ブレ
ーキペダルBPのストロークSpが所定値Ksと比較さ
れる。ここでブレーキペダルBPの操作量が少なくスト
ロークSpが所定値Ks以下と判定されると、ステップ
406に進み、マスタシリンダMCへのブレーキ液の戻
し量Qm(i) の累積値Tm(i) (=ΣQm(i))が演算
される。尚、ステップ404及びステップ405で否と
判定されたときには、そのままステップ407に進む。
【0060】この累積値Tm(i) は、予め設定された種
々の基準値と大小比較され(ステップ407)、比較結
果に応じてステップ408乃至410の処理が行なわれ
る。例えば、累積値Tm(i) が基準値T1を超えたとき
にはステップ408にて通常の車両メインテナンス時期
に「取替え」が勧告され、累積値Tm(i) が基準値T2
(>T1)を超えたときにはステップ409に進み、そ
の時点で警報が出される。更に、累積値Tm(i) が基準
値T3(>T2)を超えたときにはステップ410に進
み、その他の処理(例えば車両停止)が行なわれる。
尚、これらの警報手段は一例であって、種々の警報手段
を適用することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、液圧ポンプによってマス
タシリンダのブレーキ液をモジュレータを介してホイー
ルシリンダに吐出すると共に、ホイールシリンダのブレ
ーキ液をモジュレータを介してリザーバに貯蔵するブレ
ーキ液圧制御装置を備えた車両の運動制御装置におい
て、ブレーキペダルの操作時にペダル操作量検出手段に
よって検出されたブレーキペダルの操作量が所定の操作
量以下であるときに、戻し液量推定手段にて推定された
マスタシリンダへのブレーキ液の戻し量の累積値が所定
値以上となると警報が行なわれるように構成されている
ので、ブレーキペダルの操作量が少ないときに液圧ポン
プによってマスタシリンダにブレーキ液が戻される状態
を確実に判別することができ、従ってマスタシリンダに
対する負荷を監視し、適切に液圧制御を行なうことがで
きる。
【0062】前記戻し液量推定手段が請求項2に記載の
ように構成されている場合には、マスタシリンダへのブ
レーキ液の戻し量を、容易且つ確実に推定することがで
きる。
【0063】また、前記警報手段が請求項3に記載のよ
うに構成されている場合には、マスタシリンダに対する
負荷に応じた警報を適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の運動制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の運動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制御
装置を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の運動制御の
全体を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における制動操舵制御に供
する目標スリップ率設定の処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の
処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるマスタシリンダ負
荷検査の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるオーバーステア抑
制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態におけるアンダーステア抑
制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態においてブレーキ液圧制
御に供するパラメータと液圧制御モードとの関係を示す
グラフである。
【図11】本発明の一実施形態における車体横すべり角
とパラメータ演算用のゲインとの関係を示すグラフであ
る。
【図12】一般的なマスタシリンダの断面図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル BS ブレーキスイッチ MC マスタシリンダ M 電動モータ HP1,HP2 液圧ポンプ RS1,RS2 リザーバ Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ WS1〜WS4 車輪速度センサ FR,FL,RR,RL 車輪 BC ブレーキ液圧制御装置 SC1,SC2 第1の開閉弁 SI1,SI2 第2の開閉弁 PC1〜PC8 開閉弁 EG エンジン YS ヨーレイトセンサ YG 横加速度センサ ECU 電子制御装置
フロントページの続き (72)発明者 横山 敏 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前方及び後方の各車輪に対し少く
    ともブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブ
    レーキ液圧制御装置と、前記車両の運動状態を判定する
    車両状態判定手段と、前記ブレーキペダルの操作の有無
    には無関係に前記車両状態判定手段の判定結果に基づき
    前記ブレーキ液圧制御装置を制御し、前記車両の各車輪
    に制動力を付与する運動制御手段とを備えた車両の運動
    制御装置において、前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
    車両の各車輪に装着し制動力を付与するホイールシリン
    ダと、前記ブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液を
    昇圧しマスタシリンダ液圧を出力するマスタシリンダ
    と、該マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に
    介装し前記運動制御手段の出力に応じて前記ホイールシ
    リンダのブレーキ液圧を調整するモジュレータと、該モ
    ジュレータを介して前記ホイールシリンダに対し昇圧し
    たブレーキ液を吐出する液圧ポンプと、前記モジュレー
    タを介して前記ホイールシリンダから排出したブレーキ
    液を貯蔵するリザーバと、前記マスタシリンダと前記モ
    ジュレータとを連通接続する液圧路を開閉する常開の第
    1の開閉弁と、前記マスタシリンダと前記液圧ポンプの
    吸込側とを連通接続する液圧路を開閉する常閉の第2の
    開閉弁と、前記第1の開閉弁に対して並列に設け、前記
    マスタシリンダから前記モジュレータ方向のブレーキ液
    の流れを制限し、前記モジュレータ側のブレーキ液圧が
    前記マスタシリンダ側のブレーキ液圧に対し所定の差圧
    以上となったときに前記マスタシリンダ方向へのブレー
    キ液の流れを許容するリリーフ弁と、前記モジュレータ
    を前記リザーバに連通接続する接続点と前記第2の開閉
    弁を前記液圧ポンプの吸込側に連通接続する接続点との
    間に介装し、前記液圧ポンプ方向へのブレーキ液の流れ
    を許容し逆方向の流れを制限する逆止弁とを備えて成
    り、前記ブレーキペダルの操作量を検出するペダル操作
    量検出手段と、前記液圧ポンプから前記マスタシリンダ
    へのブレーキ液の戻し量を推定する戻し液量推定手段
    と、前記ブレーキペダルの操作時に前記ペダル操作量検
    出手段が検出した前記ブレーキペダルの操作量が所定の
    操作量以下であるときに、前記戻し液量推定手段が推定
    した前記マスタシリンダへのブレーキ液の戻し量の累積
    値が所定値以上となると警報を行なう警報手段を具備し
    たことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記戻し液量推定手段が、前記液圧ポン
    プの吐出量を検出する吐出量検出手段と、前記モジュレ
    ータに供給されるブレーキ液の液量を推定する供給量推
    定手段とを備え、前記吐出量検出手段が検出した吐出量
    から前記供給量推定手段が推定した供給量を差し引いた
    値を前記マスタシリンダへのブレーキ液の戻し量とする
    ように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の
    運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキペダルが操作されたときに
    オンとなるブレーキスイッチを備え、前記ペダル操作量
    検出手段が、前記ブレーキペダルのストロークを検出す
    るストローク検出手段を備え、前記警報手段が、前記戻
    し液量推定手段が推定した前記マスタシリンダへのブレ
    ーキ液の戻し量の累積値を演算する累積値演算手段と、
    前記マスタシリンダに対する負荷に応じて所定の基準値
    を設定し、前記累積値演算手段が演算した累積値を前記
    基準値と大小比較する判定手段とを備え、前記ブレーキ
    スイッチがオン状態で前記ストローク検出手段の検出ス
    トロークが所定のストローク以下であり、且つ前記累積
    値演算手段が演算した累積値が前記基準値より大となっ
    たときに、前記マスタシリンダに対する負荷に応じた警
    報を行なうように構成したことを特徴とする請求項1記
    載の車両の運動制御装置。
JP24941697A 1997-08-28 1997-08-28 車両の運動制御装置 Pending JPH1170869A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24941697A JPH1170869A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 車両の運動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24941697A JPH1170869A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 車両の運動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1170869A true JPH1170869A (ja) 1999-03-16

Family

ID=17192660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24941697A Pending JPH1170869A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 車両の運動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1170869A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102874246A (zh) * 2011-07-15 2013-01-16 北汽福田汽车股份有限公司 汽车用制动气泵气压监测系统及方法
JP2014040159A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Hitachi Automotive Systems Ltd ブレーキ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102874246A (zh) * 2011-07-15 2013-01-16 北汽福田汽车股份有限公司 汽车用制动气泵气压监测系统及方法
JP2014040159A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Hitachi Automotive Systems Ltd ブレーキ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3496515B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP2000135974A (ja) 車両の運動制御装置
JP3812017B2 (ja) 車両の運動制御装置
JPH11189138A (ja) 車両の制動制御装置
US6961649B2 (en) Vehicle motion control apparatus
US6106080A (en) Brake control system for a vehicle
US6120113A (en) Hydraulic braking system for an automotive vehicle
JP3726455B2 (ja) 車両の制動制御装置
US7246864B2 (en) Vehicle motion control apparatus
US7213892B2 (en) Vehicle motion control apparatus
US6206490B1 (en) Brake control system for a vehicle
JP3885361B2 (ja) 車両の制動制御装置
JPH11310121A (ja) 車両の制動制御装置
JP2002356120A (ja) 車両の運動制御装置
JPH1170869A (ja) 車両の運動制御装置
JP2000185635A (ja) 車両の制動制御装置
JPH11208434A (ja) 車両の制動制御装置
JP3627328B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP3915249B2 (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JP3885362B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP4075124B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP2000233732A (ja) 車両の運動制御装置
JP4096390B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP4366814B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP4192344B2 (ja) 車両の運動制御装置