JPH10128468A - ヘミング構造及びヘミング加工方法 - Google Patents
ヘミング構造及びヘミング加工方法Info
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- JPH10128468A JPH10128468A JP28051296A JP28051296A JPH10128468A JP H10128468 A JPH10128468 A JP H10128468A JP 28051296 A JP28051296 A JP 28051296A JP 28051296 A JP28051296 A JP 28051296A JP H10128468 A JPH10128468 A JP H10128468A
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- Japan
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- outer panel
- inner panel
- hemming
- panel
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- Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
- Body Structure For Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ヘミング部におけるナイフエッジをなくし、
充填剤の塗布工程を廃止でき、かつ、ヘミング加工時に
シール部材がヘミング部から外部にはみ出さないヘミン
グ構造及びヘミング加工法を提供すること。 【解決手段】 フランジ部1aを有するアウターパネル
1の縁部に、シール部材3を介して、インナーパネルの
フランジ部2aを重合し、アウターパネルのフランジ部
1aを、インナーパネルのフランジ部2aに折り重ね接
合するヘミング構造において、アウターパネルのフラン
ジ部1a先端を予め折り返し形成した折り返し部1bを
設けている。
充填剤の塗布工程を廃止でき、かつ、ヘミング加工時に
シール部材がヘミング部から外部にはみ出さないヘミン
グ構造及びヘミング加工法を提供すること。 【解決手段】 フランジ部1aを有するアウターパネル
1の縁部に、シール部材3を介して、インナーパネルの
フランジ部2aを重合し、アウターパネルのフランジ部
1aを、インナーパネルのフランジ部2aに折り重ね接
合するヘミング構造において、アウターパネルのフラン
ジ部1a先端を予め折り返し形成した折り返し部1bを
設けている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フランジ部を有す
るアウターパネルの縁部に、シール部材を介して、イン
ナーパネルのフランジ部を重合し、前記アウターパネル
のフランジ部を、前記インナーパネルのフランジ部に折
り重ねて接合するヘミング構造と、ヘミング加工方法に
関するものである。
るアウターパネルの縁部に、シール部材を介して、イン
ナーパネルのフランジ部を重合し、前記アウターパネル
のフランジ部を、前記インナーパネルのフランジ部に折
り重ねて接合するヘミング構造と、ヘミング加工方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の車体を構成する部
品、例えばボンネットフード、ドア、及びバックドア等
においては、その端末をヘミング構造として、内外面よ
り腐食防止及び接着のために、板合わせ部へシール部材
及びシーラー等の充填剤を塗布し、その上から塗装して
いる(図4参照)。
品、例えばボンネットフード、ドア、及びバックドア等
においては、その端末をヘミング構造として、内外面よ
り腐食防止及び接着のために、板合わせ部へシール部材
及びシーラー等の充填剤を塗布し、その上から塗装して
いる(図4参照)。
【0003】図3、図4を参照して、このヘミング構造
及びその加工方法について説明する。図3はシーラー等
の充填剤を塗布せずに、塗装した場合のヘミング構造部
の断面図を示し、図4はシーラー等の充填剤を塗布し
て、塗装した場合のヘミング構造部の断面図を示す。実
際には、図4に示すように充填剤を塗布している。
及びその加工方法について説明する。図3はシーラー等
の充填剤を塗布せずに、塗装した場合のヘミング構造部
の断面図を示し、図4はシーラー等の充填剤を塗布し
て、塗装した場合のヘミング構造部の断面図を示す。実
際には、図4に示すように充填剤を塗布している。
【0004】まず、フランジ部11aを有するアウター
パネル11の本体部11cの内側に、熱硬化性のシール
部材3を塗布して、その上にインナーパネル12のフラ
ンジ部12aを重合する。次に、アウターパネル11の
フランジ部11aを、インナーパネル12のフランジ部
12aに面接触するまで折り曲げる。このとき、アウタ
ーパネル11の本体部11cとインナーパネル12のフ
ランジ部12aとの間に挟まれたシール部材3は、その
位置からはみ出して、インナーパネル12のフランジ部
12aの上面とアウターパネル11のフランジ部11a
との間に回り込む。
パネル11の本体部11cの内側に、熱硬化性のシール
部材3を塗布して、その上にインナーパネル12のフラ
ンジ部12aを重合する。次に、アウターパネル11の
フランジ部11aを、インナーパネル12のフランジ部
12aに面接触するまで折り曲げる。このとき、アウタ
ーパネル11の本体部11cとインナーパネル12のフ
ランジ部12aとの間に挟まれたシール部材3は、その
位置からはみ出して、インナーパネル12のフランジ部
12aの上面とアウターパネル11のフランジ部11a
との間に回り込む。
【0005】そして、アウターパネル11とインナーパ
ネル12のヘミング部をスポット溶接によって仮接合さ
せ、その後、シール部材の熱硬化により接合して、アウ
ターパネル11の端部を覆うようにシーラー等の充填剤
5を塗布して、その上から塗装被膜4を付着させてい
る。充填剤5を塗布するのは、アウターパネル11の端
部が塗装面に露出しており、その部分がナイフエッジ状
になっているから塗装被膜4が付着しないので、充填剤
5の塗布によりエッジ処理を行い、塗装被膜4が付着す
るようにするためである。プレス成形工程では、アウタ
ーパネル11の端部のエッジ処理ができないので、この
ようにエッジ処理して、確実に塗装被膜4を付着させ防
錆処理を行なっている。
ネル12のヘミング部をスポット溶接によって仮接合さ
せ、その後、シール部材の熱硬化により接合して、アウ
ターパネル11の端部を覆うようにシーラー等の充填剤
5を塗布して、その上から塗装被膜4を付着させてい
る。充填剤5を塗布するのは、アウターパネル11の端
部が塗装面に露出しており、その部分がナイフエッジ状
になっているから塗装被膜4が付着しないので、充填剤
5の塗布によりエッジ処理を行い、塗装被膜4が付着す
るようにするためである。プレス成形工程では、アウタ
ーパネル11の端部のエッジ処理ができないので、この
ようにエッジ処理して、確実に塗装被膜4を付着させ防
錆処理を行なっている。
【0006】また、前記したはみ出したシール部材は、
溶接の妨げ、あるいは塗装の妨げになる。そこで、この
シール部材のはみ出しを防止するためのヘミング構造
が、特開平8−155564号公報に記載されている。
このヘミング構造の断面図を図5に示す。図5に示すよ
うに、シール部材3を溜める空間Sが設けられている点
がこの発明の特徴である。すなわち、インナーパネル2
2の縁部を一部分だけ二重に折り返すことによって、ヘ
ミング加工中にアウターパネル21とインナーパネル2
2の縁部との間に空間Sを形成するとともに障壁を設け
ている。この空間Sと障壁によって、ヘミング加工中に
アウターパネルの本体部21cとインナーパネル22の
縁部との間から押し出されたシール部材3は空間Sに導
かれる。従って、シール部材3がアウターパネルのフラ
ンジ部21aとインナーパネルの二重に折り返された縁
部22bとの間に回り込まなくなるので、ヘミング部か
らはみ出すことがなくなる。
溶接の妨げ、あるいは塗装の妨げになる。そこで、この
シール部材のはみ出しを防止するためのヘミング構造
が、特開平8−155564号公報に記載されている。
このヘミング構造の断面図を図5に示す。図5に示すよ
うに、シール部材3を溜める空間Sが設けられている点
がこの発明の特徴である。すなわち、インナーパネル2
2の縁部を一部分だけ二重に折り返すことによって、ヘ
ミング加工中にアウターパネル21とインナーパネル2
2の縁部との間に空間Sを形成するとともに障壁を設け
ている。この空間Sと障壁によって、ヘミング加工中に
アウターパネルの本体部21cとインナーパネル22の
縁部との間から押し出されたシール部材3は空間Sに導
かれる。従って、シール部材3がアウターパネルのフラ
ンジ部21aとインナーパネルの二重に折り返された縁
部22bとの間に回り込まなくなるので、ヘミング部か
らはみ出すことがなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−155564号公報記載のヘミング構造を含め、従
来のヘミング構造では、アウターパネル11あるいは2
1の端部が外部に露出している。このアウターパネルの
端部はナイフエッジ状になっているため、この部分に塗
装被膜4が付着しないという問題があった。すなわち、
一部でも塗装被膜4が付着しないとそこから錆が発生し
てしまい、完全な防錆処理ができないという問題があっ
た。従って、上述した通り従来は、このエッジ部を覆う
ようにシーラー等の充填剤5を塗布するという工程を設
けて、充填剤5を塗布しエッジ処理を行い、その上から
塗装被膜4を付着させて防錆処理を行なっていた。
8−155564号公報記載のヘミング構造を含め、従
来のヘミング構造では、アウターパネル11あるいは2
1の端部が外部に露出している。このアウターパネルの
端部はナイフエッジ状になっているため、この部分に塗
装被膜4が付着しないという問題があった。すなわち、
一部でも塗装被膜4が付着しないとそこから錆が発生し
てしまい、完全な防錆処理ができないという問題があっ
た。従って、上述した通り従来は、このエッジ部を覆う
ようにシーラー等の充填剤5を塗布するという工程を設
けて、充填剤5を塗布しエッジ処理を行い、その上から
塗装被膜4を付着させて防錆処理を行なっていた。
【0008】そこで本発明は、上記問題点を解決するた
めになされたものであり、ヘミング部におけるナイフエ
ッジをなくし、充填剤の塗布工程を廃止でき、かつ、ヘ
ミング加工時にシール部材がヘミング部から外部にはみ
出さないヘミング構造及びヘミング加工法を提供するこ
とを目的とする。
めになされたものであり、ヘミング部におけるナイフエ
ッジをなくし、充填剤の塗布工程を廃止でき、かつ、ヘ
ミング加工時にシール部材がヘミング部から外部にはみ
出さないヘミング構造及びヘミング加工法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために請求項1の発明によれば、フランジ部を有する
アウターパネルの縁部に、シール部材を介して、インナ
ーパネルのフランジ部を重合し、前記アウターパネルの
フランジ部を、前記インナーパネルのフランジ部に折り
重ね接合するヘミング構造において、前記アウターパネ
ルのフランジ部先端を予め折り返し形成した折り返し部
を設け、前記アウターパネルとインナーパネルとのヘミ
ング加工時に、前記折り返し部が前記インナーパネルに
面接触するまで折り曲げられていることを特徴とする。
ここで、前記折り返し部と前記インナーパネルの面接触
する部分の間にシール部材を装着しても同じである。
るために請求項1の発明によれば、フランジ部を有する
アウターパネルの縁部に、シール部材を介して、インナ
ーパネルのフランジ部を重合し、前記アウターパネルの
フランジ部を、前記インナーパネルのフランジ部に折り
重ね接合するヘミング構造において、前記アウターパネ
ルのフランジ部先端を予め折り返し形成した折り返し部
を設け、前記アウターパネルとインナーパネルとのヘミ
ング加工時に、前記折り返し部が前記インナーパネルに
面接触するまで折り曲げられていることを特徴とする。
ここで、前記折り返し部と前記インナーパネルの面接触
する部分の間にシール部材を装着しても同じである。
【0010】アウターパネルに折り返し部を形成したこ
とにより、アウターパネルの端部がヘミング部の内側に
存在するので、ヘミング部にナイフエッジをなくすこと
ができる。よって、シーラー等の充填剤を塗布しなくて
も、塗装被膜を付着させることが可能となる。従って、
シーラー等の充填剤塗布を廃止できるので、それに伴っ
て充填剤塗布工程を廃止できるため、生産ラインの短縮
により生産性の向上及びコストダウンを図ることができ
る。
とにより、アウターパネルの端部がヘミング部の内側に
存在するので、ヘミング部にナイフエッジをなくすこと
ができる。よって、シーラー等の充填剤を塗布しなくて
も、塗装被膜を付着させることが可能となる。従って、
シーラー等の充填剤塗布を廃止できるので、それに伴っ
て充填剤塗布工程を廃止できるため、生産ラインの短縮
により生産性の向上及びコストダウンを図ることができ
る。
【0011】さらに、折り返し部が障壁となり、シール
部材がアウターパネルのフランジ部とインナーパネルの
縁部との間に回り込まなくなり、ヘミング部から外部に
はみ出すことがなくなる。よって、溶接の妨げとなって
いたシール部材がなくなるので、良好な接続状態でアウ
ターパネルとインナーパネルとが溶接される。また、塗
装面が綺麗な状態を保っているので、塗装後の見栄えが
良好である。
部材がアウターパネルのフランジ部とインナーパネルの
縁部との間に回り込まなくなり、ヘミング部から外部に
はみ出すことがなくなる。よって、溶接の妨げとなって
いたシール部材がなくなるので、良好な接続状態でアウ
ターパネルとインナーパネルとが溶接される。また、塗
装面が綺麗な状態を保っているので、塗装後の見栄えが
良好である。
【0012】請求項2の発明によれば、上記問題点を解
決するために、フランジ部を有するアウターパネルの縁
部に、シール部材を塗布し、その塗布面上にインナーパ
ネルのフランジ部を重合して、前記アウターパネルのフ
ランジ部を前記インナーパネルのフランジ部に面接触す
るまで折り返し、前記アウターパネルとインナーパネル
とを接合するヘミング加工方法において、前記アウター
パネルの縁部に前記インナーパネルのフランジ部を重合
する前に、前記アウターパネルのフランジ部先端を折り
返して折り返し部を形成する工程を有することを特徴と
する。ここで、前記折り返し部と前記インナーパネルの
面接触する部分の間にシール部材を装着しても同じであ
る。
決するために、フランジ部を有するアウターパネルの縁
部に、シール部材を塗布し、その塗布面上にインナーパ
ネルのフランジ部を重合して、前記アウターパネルのフ
ランジ部を前記インナーパネルのフランジ部に面接触す
るまで折り返し、前記アウターパネルとインナーパネル
とを接合するヘミング加工方法において、前記アウター
パネルの縁部に前記インナーパネルのフランジ部を重合
する前に、前記アウターパネルのフランジ部先端を折り
返して折り返し部を形成する工程を有することを特徴と
する。ここで、前記折り返し部と前記インナーパネルの
面接触する部分の間にシール部材を装着しても同じであ
る。
【0013】アウターパネルの縁部にインナーパネルの
フランジ部を重合する前に、アウターパネルのフランジ
部先端を折り返して折り返し部を形成する工程を有する
ことにより、請求項1の発明と同様の効果を得ることが
できる。
フランジ部を重合する前に、アウターパネルのフランジ
部先端を折り返して折り返し部を形成する工程を有する
ことにより、請求項1の発明と同様の効果を得ることが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係る
ヘミング構造を図1に、ヘミング加工方法における各工
程を図2に示す。また、このヘミング構造は、自動車の
車両構成部品であるボンネットフード、ドア等のアウタ
ーパネルとインナーパネルとの接合部において適用して
いる。これら車両構成部品は、車両の剛性を持たせるた
めの重要な部品であり、必然的に、その接合部において
良好な接合状態を維持することが必要である。さらに、
外部に露呈するところであるから、見栄えよく、かつ確
実に防錆処理を施すことが必要である。
図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係る
ヘミング構造を図1に、ヘミング加工方法における各工
程を図2に示す。また、このヘミング構造は、自動車の
車両構成部品であるボンネットフード、ドア等のアウタ
ーパネルとインナーパネルとの接合部において適用して
いる。これら車両構成部品は、車両の剛性を持たせるた
めの重要な部品であり、必然的に、その接合部において
良好な接合状態を維持することが必要である。さらに、
外部に露呈するところであるから、見栄えよく、かつ確
実に防錆処理を施すことが必要である。
【0015】最初に、ヘミング加工方法について、図2
を参照して説明する。まず、図2(A)に示すアウター
パネル1の縁部が90度折り曲げられ(図2(B)参
照)、さらに、その部分が90度折り曲げられて、折り
返し部1bが成形される(図2(C)参照)。次に、折
り返し部1bから所定の長さLのところで、90度折り
曲げられフランジ部1aが成形される(図2(D)参
照)。そして、アウターパネルの本体部1cにシール部
材3が塗布され、その上に、予め所定の角度θで折り曲
げられ、フランジ部2aが絞り成形されたインナーパネ
ル2を重合する(図2(E)参照)。最後に、アウター
パネル1の折り返し部1bをインナーパネルのフランジ
部2aに面接触するまで折り曲げ、押圧する(図2
(F)参照)。このようにして、ヘミング加工が行なわ
れる。そして、面接触している部分がスポット溶接によ
って仮接合されて、その後、シール部材の熱硬化により
アウターパネル1とインナーパネル2とが接合される。
を参照して説明する。まず、図2(A)に示すアウター
パネル1の縁部が90度折り曲げられ(図2(B)参
照)、さらに、その部分が90度折り曲げられて、折り
返し部1bが成形される(図2(C)参照)。次に、折
り返し部1bから所定の長さLのところで、90度折り
曲げられフランジ部1aが成形される(図2(D)参
照)。そして、アウターパネルの本体部1cにシール部
材3が塗布され、その上に、予め所定の角度θで折り曲
げられ、フランジ部2aが絞り成形されたインナーパネ
ル2を重合する(図2(E)参照)。最後に、アウター
パネル1の折り返し部1bをインナーパネルのフランジ
部2aに面接触するまで折り曲げ、押圧する(図2
(F)参照)。このようにして、ヘミング加工が行なわ
れる。そして、面接触している部分がスポット溶接によ
って仮接合されて、その後、シール部材の熱硬化により
アウターパネル1とインナーパネル2とが接合される。
【0016】ここで、図1に示すように、折り返し部1
bが障壁となり、ヘミング加工時にシール部材3がアウ
ターパネル1の折り返し部1bとインナーパネルのフラ
ンジ部2aとの間に回り込まなくなる。よって、アウタ
ーパネル1とインナーパネル2が直接的に面接触するた
め、良好な接続状態で確実に溶接を行なうことができ
る。
bが障壁となり、ヘミング加工時にシール部材3がアウ
ターパネル1の折り返し部1bとインナーパネルのフラ
ンジ部2aとの間に回り込まなくなる。よって、アウタ
ーパネル1とインナーパネル2が直接的に面接触するた
め、良好な接続状態で確実に溶接を行なうことができ
る。
【0017】アウターパネル1とインナーパネル2を溶
接した後、従来は、シーラー等の充填剤を塗布してい
る。これは、アウターパネルの端部が塗装面に露出して
いて、この部分がナイフエッジ状になっているので、こ
の部分に塗装被膜が付かないため、これを防止し確実に
塗装被膜を付着させるためである。そして、充填剤を塗
布した部材は、塗装工程にて塗装を施している。
接した後、従来は、シーラー等の充填剤を塗布してい
る。これは、アウターパネルの端部が塗装面に露出して
いて、この部分がナイフエッジ状になっているので、こ
の部分に塗装被膜が付かないため、これを防止し確実に
塗装被膜を付着させるためである。そして、充填剤を塗
布した部材は、塗装工程にて塗装を施している。
【0018】しかし、本発明のヘミング構造では、図1
に示すように、アウターパネル1の端部がヘミング部の
内側に存在するために、従来のように、塗装面にナイフ
エッジ状の部位が存在しない。よって、充填剤5を塗布
することなく、そのまま塗装工程にて塗装を施しても、
塗装被膜4を付着させることができる。従って、充填剤
5の塗布が不要になり、その工程を廃止できるので、生
産ラインを短くすることができ、生産性向上と生産コス
トの低減を図ることができる。
に示すように、アウターパネル1の端部がヘミング部の
内側に存在するために、従来のように、塗装面にナイフ
エッジ状の部位が存在しない。よって、充填剤5を塗布
することなく、そのまま塗装工程にて塗装を施しても、
塗装被膜4を付着させることができる。従って、充填剤
5の塗布が不要になり、その工程を廃止できるので、生
産ラインを短くすることができ、生産性向上と生産コス
トの低減を図ることができる。
【0019】塗装工程においては、例えば、自動車のド
アの場合には、エレクトリックデップ電気泳動塗装(以
下、ED塗装と略記する)、中塗り、上塗りの塗装工程
によって塗装されている。ED塗装は、防錆処理を施す
塗装である。また、各塗装被膜の厚さは、ED塗装が1
5〜20μm、中塗りが35〜40μm、上塗りが40
μmである。これらの塗装被膜により、パネルの酸化を
防ぎ、錆の発生を防止している。
アの場合には、エレクトリックデップ電気泳動塗装(以
下、ED塗装と略記する)、中塗り、上塗りの塗装工程
によって塗装されている。ED塗装は、防錆処理を施す
塗装である。また、各塗装被膜の厚さは、ED塗装が1
5〜20μm、中塗りが35〜40μm、上塗りが40
μmである。これらの塗装被膜により、パネルの酸化を
防ぎ、錆の発生を防止している。
【0020】ここでも前記の通り、図1に示すように、
折り返し部1bが障壁となり、ヘミング加工時にシール
部材3がアウターパネル1の折り返し部1bとインナー
パネルのフランジ部2aとの間に回り込まなくなるの
で、ヘミング部の外面、すなわち塗装面にもシール部材
3がはみ出さず、塗装面は綺麗な状態を保っているた
め、綺麗に塗装することができ、塗装後の見栄えが良好
となる。
折り返し部1bが障壁となり、ヘミング加工時にシール
部材3がアウターパネル1の折り返し部1bとインナー
パネルのフランジ部2aとの間に回り込まなくなるの
で、ヘミング部の外面、すなわち塗装面にもシール部材
3がはみ出さず、塗装面は綺麗な状態を保っているた
め、綺麗に塗装することができ、塗装後の見栄えが良好
となる。
【0021】以上説明した通り本発明のヘミング構造に
よれば、アウターパネル1に折り返し部1bを形成した
ことにより、ヘミング部にナイフエッジをなくすことが
できる。よって、シーラー等の充填剤5を塗布しないで
も、塗装被膜4を付着させることが可能となる。従っ
て、シーラー等の充填剤塗布を廃止できるので、それに
伴って充填剤塗布工程を廃止できるため、生産ラインの
短縮により生産性の向上及びコストダウンを図ることが
できる。
よれば、アウターパネル1に折り返し部1bを形成した
ことにより、ヘミング部にナイフエッジをなくすことが
できる。よって、シーラー等の充填剤5を塗布しないで
も、塗装被膜4を付着させることが可能となる。従っ
て、シーラー等の充填剤塗布を廃止できるので、それに
伴って充填剤塗布工程を廃止できるため、生産ラインの
短縮により生産性の向上及びコストダウンを図ることが
できる。
【0022】さらに、折り返し部1bが障壁となり、シ
ール部材3がアウターパネル1の折り返し部1bとイン
ナーパネルのフランジ部2aとの間に回り込まなくな
り、ヘミング部から外部にはみ出すことがなくなる。よ
って、溶接の妨げとなっていたシール部材3がなくなる
ので、良好な接続状態でアウターパネル1とインナーパ
ネル2とが溶接される。また、塗装面が綺麗な状態を保
っているので、綺麗に塗装を施すことができ、塗装後の
見栄えが良好となる。
ール部材3がアウターパネル1の折り返し部1bとイン
ナーパネルのフランジ部2aとの間に回り込まなくな
り、ヘミング部から外部にはみ出すことがなくなる。よ
って、溶接の妨げとなっていたシール部材3がなくなる
ので、良好な接続状態でアウターパネル1とインナーパ
ネル2とが溶接される。また、塗装面が綺麗な状態を保
っているので、綺麗に塗装を施すことができ、塗装後の
見栄えが良好となる。
【0023】以上本発明の実施の形態について説明した
が、本発明は上記実施の形態に限ることなく、色々な応
用が可能である。すなわち、例えば本実施例では、自動
車の車両構成部品について例示したが、その他の部品に
も適用できることはもちろんである。また、折り返し部
の形状においても、本実施の形態に限らず種々の設計変
更することが可能である。
が、本発明は上記実施の形態に限ることなく、色々な応
用が可能である。すなわち、例えば本実施例では、自動
車の車両構成部品について例示したが、その他の部品に
も適用できることはもちろんである。また、折り返し部
の形状においても、本実施の形態に限らず種々の設計変
更することが可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明のヘミング構造によれば、フラン
ジ部を有するアウターパネルの縁部に、シール部材を介
して、インナーパネルのフランジ部を重合し、前記アウ
ターパネルのフランジ部を、前記インナーパネルのフラ
ンジ部に折り重ね接合するヘミング構造において、前記
アウターパネルのフランジ部先端を予め折り返し形成し
た折り返し部を設けたことにより、ヘミング部にナイフ
エッジをなくすことができる。よって、シーラー等の充
填剤を塗布しないでも、塗装被膜を付けることが可能と
なる。従って、シーラー等の充填剤塗布を廃止できるの
で、それに伴って充填剤塗布工程を廃止できるため、生
産ラインの短縮により生産性の向上及びコストダウンを
図ることができる。
ジ部を有するアウターパネルの縁部に、シール部材を介
して、インナーパネルのフランジ部を重合し、前記アウ
ターパネルのフランジ部を、前記インナーパネルのフラ
ンジ部に折り重ね接合するヘミング構造において、前記
アウターパネルのフランジ部先端を予め折り返し形成し
た折り返し部を設けたことにより、ヘミング部にナイフ
エッジをなくすことができる。よって、シーラー等の充
填剤を塗布しないでも、塗装被膜を付けることが可能と
なる。従って、シーラー等の充填剤塗布を廃止できるの
で、それに伴って充填剤塗布工程を廃止できるため、生
産ラインの短縮により生産性の向上及びコストダウンを
図ることができる。
【0025】さらに、折り返し部が障壁となり、シール
部材がアウターパネルのフランジ部とインナーパネルの
縁部との間に回り込まなくなり、ヘミング部から外部に
はみ出すことがなくなる。よって、溶接の妨げとなって
いたシール部材がなくなるので、良好な接続状態でアウ
ターパネルとインナーパネルとが溶接される。また、塗
装面が綺麗な状態を保っているので、綺麗に塗装を施す
ことができ、塗装後の見栄えが良好である。
部材がアウターパネルのフランジ部とインナーパネルの
縁部との間に回り込まなくなり、ヘミング部から外部に
はみ出すことがなくなる。よって、溶接の妨げとなって
いたシール部材がなくなるので、良好な接続状態でアウ
ターパネルとインナーパネルとが溶接される。また、塗
装面が綺麗な状態を保っているので、綺麗に塗装を施す
ことができ、塗装後の見栄えが良好である。
【図1】本発明の実施の形態に係るヘミング構造を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るヘミング加工方法の
各工程を示した断面図である。
各工程を示した断面図である。
【図3】従来のヘミング構造を示す断面図であり、充填
剤を塗布せずに塗装を行なった場合を示す。
剤を塗布せずに塗装を行なった場合を示す。
【図4】従来のヘミング構造を示す断面図である。
【図5】他の従来のヘミング構造を示す断面図である。
1 アウターパネル 1a アウターパネルのフランジ部 1b 折り返し部 1c アウターパネルの本体部 2 インナーパネル 2a インナーパネルのフランジ部 3 シール部材 4 塗装被膜 5 充填剤
Claims (2)
- 【請求項1】 フランジ部を有するアウターパネルの縁
部に、シール部材を介して、インナーパネルのフランジ
部を重合し、前記アウターパネルのフランジ部を、前記
インナーパネルのフランジ部に折り重ね接合するヘミン
グ構造において、 前記アウターパネルのフランジ部先端を予め折り返し形
成した折り返し部を設け、前記アウターパネルとインナ
ーパネルとのヘミング加工時に、前記折り返し部が前記
インナーパネルに面接触するまで折り曲げられているこ
とを特徴とするヘミング構造。 - 【請求項2】 フランジ部を有するアウターパネルの縁
部に、シール部材を塗布し、その塗布面上にインナーパ
ネルのフランジ部を重合して、前記アウターパネルのフ
ランジ部を前記インナーパネルのフランジ部に面接触す
るまで折り返し、前記アウターパネルとインナーパネル
とを接合するヘミング加工方法において、 前記アウターパネルの縁部に前記インナーパネルのフラ
ンジ部を重合する前に、前記アウターパネルのフランジ
部先端を折り返して折り返し部を形成する工程を有する
ことを特徴とするヘミング加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28051296A JPH10128468A (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | ヘミング構造及びヘミング加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28051296A JPH10128468A (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | ヘミング構造及びヘミング加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10128468A true JPH10128468A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17626137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28051296A Pending JPH10128468A (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | ヘミング構造及びヘミング加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10128468A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019081402A (ja) * | 2017-10-27 | 2019-05-30 | シロキ工業株式会社 | 車両用ドアサッシュ |
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-
1996
- 1996-10-23 JP JP28051296A patent/JPH10128468A/ja active Pending
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