JPH10128388A - セレン含有排水の処理方法および処理装置 - Google Patents

セレン含有排水の処理方法および処理装置

Info

Publication number
JPH10128388A
JPH10128388A JP29983996A JP29983996A JPH10128388A JP H10128388 A JPH10128388 A JP H10128388A JP 29983996 A JP29983996 A JP 29983996A JP 29983996 A JP29983996 A JP 29983996A JP H10128388 A JPH10128388 A JP H10128388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
selenium
tank
treated water
fluidized bed
bacteria
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29983996A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Owada
稔 大和田
Hiroyuki Kakegawa
浩之 掛川
Koichiro Maeda
幸一郎 前田
Shigeo Nakahata
繁夫 中畑
Toshiaki Nakazawa
俊明 中沢
Noritoshi Deguchi
文紀 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DENPATSU KANKYO RYOKKA CENTER KK
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Original Assignee
DENPATSU KANKYO RYOKKA CENTER KK
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DENPATSU KANKYO RYOKKA CENTER KK, Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd filed Critical DENPATSU KANKYO RYOKKA CENTER KK
Priority to JP29983996A priority Critical patent/JPH10128388A/ja
Publication of JPH10128388A publication Critical patent/JPH10128388A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物学的作用を利用することによりセレンを
除去することができ、また同時にチッ素化合物の除去も
可能なセレン含有排水の処理方法およびその装置を提供
すること。 【解決手段】 セレン酸還元能を有するセレン酸還元
菌、脱窒菌および/または硫酸(塩)還元菌を高濃度に
保持する微生物粒子を充填し、かつ粒子流動化手段を具
備した嫌気性の流動床式反応槽に、セレン化合物含有排
水を供給し、微生物粒子を流動化させながら、セレンを
生物学的に還元処理し、流動床式反応槽から排出された
処理水中の還元セレンを凝集槽で凝集剤により凝集さ
せ、凝集汚泥を沈澱槽で沈降分離し清澄な処理水を得る
もので、必要に応じて、この清澄な処理水を、さらに、
好気性の硝化槽で硝化処理し、かつ硝化槽の処理水の少
なくとも一部を流動床式反応槽に循環してチッ素酸化物
を脱窒処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレンを含有する
排水から、セレンを除去する処理方法および処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】発電所排水、特に石炭火力発電所排水
や、金属精錬所排水などには、セレンが+6価のセレン
酸や+4価の亜セレン酸などのセレン化合物(以下「セ
レン」ともいう)として溶解しており、従来から、その
除去処理が行われている。ところで、近時、セレンの毒
性に鑑みて、排水基準が0.1mg/リットル以下に強
化されたため、より一層の除去処理が必要となってい
る。
【0003】従来の排水中のセレンの除去方法として
は、化学的、電気化学的な還元によって、溶解するセレ
ン酸や亜セレン酸を金属として析出させ、分離除去する
方法が行われている。しかしながら、セレン酸イオン
は、化学的活性が低く、水溶液中では、電気的にも、還
元剤との反応でも、還元し難い。また、セレン酸や亜セ
レン酸を金属水酸化物や硫化物による吸着共沈除去方法
も行われているが、セレン酸イオンは吸着し難く除去率
が悪い。さらに、イオン交換樹脂による吸着除去方法も
あるが、共存陰イオンとの選択性がないため、共存イオ
ン濃度の影響を受ける。さらに、セレンをバリウムによ
る難溶性沈澱として除去する方法もあるが、硫酸イオン
が多量に存在する場合には、バリウムを多量に必要とす
る。
【0004】このように、従来のセレンの除去方法にあ
っては、化学的、物理的方法では、いずれも除去効率が
低く、また共存イオンの影響を受けやすいため、薬品経
費も嵩み、さらにセレンを含有する排水には、同時にア
ンモニアを含有する排水も多く、富栄養化による流域水
の水質悪化を防止する観点から、アンモニアなどのチッ
素化合物を除去する装置も別に必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、生物学的作用を利用
することにより、上記問題を解消して、確実にセレンを
除去することができ、また同時にチッ素化合物の除去も
可能なセレン含有排水の処理方法およびその装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セレン酸還元
能を有するセレン酸還元菌、脱窒菌および/または硫酸
(塩)還元菌を高濃度に保持する微生物粒子を充填し、
かつ粒子流動化手段を具備した嫌気性の流動床式反応槽
に、セレン含有排水を供給し、微生物粒子を流動化させ
ながら、セレンを生物学的に還元処理し、流動床式反応
槽から排出された処理水中の還元セレンを凝集槽で凝集
剤により凝集させ、凝集汚泥を沈澱槽で沈降分離し清澄
な処理水を得ることを特徴とするセレン含有排水の処理
方法が提供される。なお、本発明の処理方法において、
沈澱槽で沈降分離して得られたセレンを含有しない清澄
な処理水中にアンモニアなどのチッ素化合物が多く含ま
れている場合には、この処理水を、さらに、好気性の硝
化槽で硝化処理し、かつ硝化槽の混合液の少なくとも一
部を流動床式反応槽に循環してチッ素酸化物を脱窒処理
することが好ましい。
【0007】また、本発明は、セレン酸還元能を有する
セレン酸還元菌、脱窒菌および/または硫酸(塩)還元
菌を保持する微生物粒子を充填し、かつ粒子流動化手段
を具備した嫌気性の流動床式反応槽と、流動床式反応槽
から排出された処理水を凝集剤により凝集して還元セレ
ンを凝集させる凝集槽と、凝集汚泥を沈降分離する沈澱
槽を備えたことを特徴とするセレン含有排水の処理装置
が提供される。なお、本発明の処理装置において、沈澱
槽で沈降分離して得られたセレンを含有しない清澄な処
理水中にアンモニアなどのチッ素化合物が多く含まれて
いる場合には、さらに、この処理水を硝化処理する好気
性の硝化槽と、硝化槽の混合液を流動床式反応槽に循環
する混合液循環流路を、さらに設けることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、上記セレン酸還
元能を有するセレン酸還元菌、脱窒菌および/または硫
酸(塩)還元菌を高濃度に保持する微生物粒子として
は、増殖によって自己造粒した脱窒菌および硫酸(塩)
還元菌の自己造粒グラニュール、活性炭や合成樹脂など
の担体粒子に脱窒菌および硫酸(塩)還元菌が着床増殖
した微生物粒子、さらにはポリエチレングリコールやポ
リビニルアルコールなどに上記の菌が包括固定化した微
生物粒子などがを用いることができるが、増殖に伴って
自己造粒した脱窒菌および硫酸(塩)還元菌の自己造粒
グラニュールが、菌体の高濃度化、安定化などの観点か
ら好ましい。なお、セレン酸還元能を有するセレン酸還
元菌は、嫌気下において硫酸(塩)を還元し硫化水素を
生成する硫酸(塩)還元菌と呼ばれる細菌群中に存在す
ると考えられている。従って、嫌気条件下において必ず
といっていいほど存在し得る硫酸(塩)還元菌を利用す
れば、セレン酸などの還元除去が行われることになる。
【0009】また、好適なグラニュールを短期間に製造
するには、まず、食品排水のメタン発酵処理に使用され
ているUASB処理装置(上向流嫌気性スラッジブラン
ケット処理装置)のメタン菌グラニュールを種菌として
充填し、栄養源としてメタノールやアンモニアまたは硝
酸を添加し、排水を一定期間流通させて訓養することに
より、メタン菌グラニュールの表面に脱窒菌や硫酸
(塩)還元菌を増殖させ、徐々に脱窒菌や硫酸(塩)還
元菌のグラニュールを形成させるとともに、別途、スク
リーニング培養したセレン酸還元菌を添加するのが、定
常運転までの期間を短縮できるとともに、安定な微生物
粒子が作られるため好ましい。
【0010】上記微生物粒子を流動化するための粒子流
動手段としては、適宜形状の攪拌機、被処理水であるセ
レン含有排水を上向流通させて充填した微生物粒子を浮
動させる手段、あるいはエアリフト管を配設して循環流
動させる手段などが挙げられる。また、凝集槽で用いら
れる凝集剤としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸ア
ルミニウムなどが挙げられる。
【0011】排水中に含有されるセレンとしては、溶解
度の高い+4価の亜セレン酸や+6価のセレン酸であ
り、これらを除去するには、還元して水に不溶の金属セ
レン単体あるいは−2価のセレン化合物として析出させ
て分離除去するのが好ましい。
【0012】セレン化合物の性状は、イオウ化合物の性
状と似通っているが、セレン酸などは、水溶液中で電気
的にも、また還元剤との反応でも還元し難い。しかしな
がら、イオウ化合物の性状と似通っていることにより、
セレン酸還元菌、脱窒菌、および硫酸(塩)還元菌など
で容易に還元することが可能である。
【0013】セレン含有排水を流動床式反応槽に供給
し、セレン酸還元能を有するセレン酸還元菌、または脱
窒菌や硫酸(塩)還元菌を高濃度に保持する微生物粒子
を流動化させながら、嫌気性で処理することにより、下
記の反応が生物学的に起こされ、溶解する+4価の亜セ
レン酸や+6価のセレン酸が生物学的に還元されて、不
溶の金属セレン単体、あるいは−2価のセレン化合物と
して析出し、同時に一部は、微生物体に摂取され、汚泥
とともに除去される。
【0014】セレン化合物の還元; SeO4 2-+8H→SeO3 2-+H2 O+6H+ SeO4 2-+8H→Se-2+H2 O+2OH- +2H+ SeO4 2-+8H→Se-2+4H2 O SeO3 2-+6H→Se-2+3H2 O Se-2+M →MSe (ここで、Mは、アルミニウムやマグネシウムなどの金
属を示す。)
【0015】なお、セレン酸を含有する排水は、同時に
硫酸(塩)を高濃度に含有する場合が多く、この場合に
は、硫酸(塩)が還元されて硫化水素を発生するため、
この硫酸(塩)の還元を抑制する方法として、硝酸を添
加することもあるが、排水中のチッ素化合物を硝化処理
してチッ素酸化物を生成し、混合液を反応槽に循環する
ことにより、脱窒処理するとともに硫化水素の発生を抑
制することができる。
【0016】反応槽でセレンを生物学的に還元処理され
た処理水は、凝集槽で塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸ア
ルミニウムなどの凝集剤を添加することにより、還元セ
レン(金属セレン単体、あるいは−2価のセレン化合
物)が凝集して粗粒化され、あるいは凝集剤に吸着さ
れ、金属塩汚泥として沈澱槽で沈降分離され、系外に排
出されることにより、セレンを含有しない清澄な処理水
が得られる。
【0017】沈澱槽で沈降分離して得られたセレンを含
有しない清澄な処理水は、アンモニアなどのチッ素化合
物が少ない場合にはそのまま放流されるが、被処理水で
あるセレン含有排水中にチッ素化合物を多く含有してい
たり、または反応槽での微生物育成用の栄養源としてチ
ッ素化合物を添加した場合には、富栄養化による流域水
の水質悪化を来す恐れがあるため、下記の脱窒処理を行
って放流される。
【0018】すなわち、沈澱槽から排出された上記清澄
な処理水は、好気性に維持された硝化槽で、初期の排水
中に含有されていたアンモニアまたは栄養源として添加
されたアンモニアなどのチッ素化合物は、生物学的に酸
化されて硝酸や亜硝酸などのチッ素酸化物に硝化処理さ
れる。硝化されて生成した硝酸や亜硝酸を含有した硝化
槽の混合液を、嫌気性の上記流動床式反応槽に循環する
ことにより、チッ素酸化物が生物学的に還元され、チッ
素として排出され、脱窒処理される。なお、上記の反応
は、下記のとおりである。
【0019】硝化反応(硝化槽); NH4 + +3/2O2 →NO2 - +H2 O+2H+ NH4 + +2O2 →NO3 - +H2 O+2H+ 脱窒反応(流動床式反応槽); 2NO2 - +6H+ →N2 +2H2 O+2OH- 2NO3 - +10H+ →N2 +4H2 O+2OH-
【0020】以下、本発明の処理装置について、図面を
用いて説明する。図1は、硝化脱窒工程を設けない一実
施の形態の概略系統図、図2は硝化脱窒工程を設けた一
実施の形態の概略系統図である。なお、両図において、
相当する部材については、同一の符号を用いた。
【0021】図1において、符号1はセレン酸還元能を
有するセレン酸還元菌、または脱窒菌や硫酸(塩)還元
菌を高濃度に保持する微生物粒子7が充填され、粒子流
動化手段である攪拌機4を具備した密閉構造で嫌気性の
流動床式反応槽である。
【0022】また、符号2は、流動床式反応槽1から排
出された処理水に凝集剤を凝集剤配管24から添加し
て、還元セレンを凝集剤で凝集させて処理する凝集槽
で、凝集剤と被処理水を均一攪拌するための攪拌機5を
具備している。さらに、符号3は、凝集汚泥を沈降分離
する沈澱槽で、沈澱汚泥をかき寄せる汚泥かき寄せ機6
を具備している。
【0023】一方、図2において、符号8は、沈澱槽3
から排出された清澄な処理水を硝化処理する好気性の硝
化槽で、底部に酸素含有ガスを供給する散気装置9を具
備している。
【0024】上記の処理装置を用いて、セレン含有排水
(被処理水)を処理する作用について説明する。まず、
セレン酸還元能を有するセレン酸還元菌、または脱窒菌
や硫酸(塩)還元菌を高濃度に保持する微生物粒子7を
充填し、嫌気性に維持された流動床式反応槽1に、被処
理水を被処理水供給管11から供給し、微生物粒子7を
流動化手段4により流動化させながら処理することによ
り、溶解する+4価の亜セレン酸や+6価のセレン酸が
生物学的に還元されて、不溶の金属セレン単体あるいは
−2価のセレン化合物として析出する。
【0025】なお、流動床式反応槽1の運転条件として
は、pH7.0〜8.5、温度15〜40℃、MLSS
10,000〜20,000mg/リットルが好まし
く、また微生物育成用の栄養源としては、メタノール、
アンモニア、硝酸塩、リン化合物などを栄養源供給管1
2から添加するのが好ましい。また、過剰に増殖した微
生物粒子7などは、粒子抜き出し管13から系外に排出
する。
【0026】セレンが生物学的に還元析出された流動床
式反応槽1から排出された処理水を、処理水供給管14
から凝集槽2に供給し、塩化鉄や硫酸アルミニウムなど
の凝集剤を凝集剤配管24から添加して攪拌機5で均一
攪拌することにより、還元セレンが凝集して粗粒化およ
び/または凝集剤に吸着され、金属塩汚泥として沈降分
離される。
【0027】凝集した汚泥を、汚泥供給管15から沈澱
槽3に供給して沈降分離し、上澄み液として清澄な処理
水を得て、アンモニアなどのチッ素化合物が少ない場合
には、そのまま上澄み液排出管16から放流され、沈降
した汚泥は、汚泥かき寄せ機6でかき寄せられて、底部
の汚泥排出管17から排出され、図示しない脱水機など
の処理装置で処理される。
【0028】ところで、始めの被処理水中にアンモニア
が多く含有されていたり、または反応槽1での微生物育
成用の栄養源としてチッ素化合物を添加した場合などに
は、セレンを除去した清澄な処理水は、上澄み液排出管
16から硝化槽8に供給され(図2参照)、好気性に維
持された硝化槽8で、散気装置9から供給する酸素含有
ガスでアンモニアを生物学的に酸化し、硝酸や亜硝酸な
どのチッ素酸化物に硝化処理し、処理水は、処理水排出
管18から沈降分離槽19に供給される。沈降分離槽1
9は、処理水中の汚泥(硝化菌)を分離する分離槽であ
り、余剰汚泥をかき寄せる汚泥かき寄せ機20を具備し
ており、余剰汚泥は、余剰汚泥排出管22から排出さ
れ、図示しない脱水機などの処理装置で処理されるると
ももに、一部が汚泥循環管23から硝化槽8に循環され
るようになっている。
【0029】一方、硝化されて生成した硝酸や亜硝酸を
含有した沈降分離槽19の処理水の一部は、処理水排出
管21から放流される。また、この処理水の一部を、混
合液循環流路10により、嫌気性の流動床式反応槽1に
循環することにより、チッ素酸化物が生物学的に還元さ
れ、チッ素として排出され、脱窒処理される。循環脱窒
するために循環される量は、約250〜350%が好ま
しい。
【0030】なお、硝化槽8の運転条件としては、pH
6〜7、温度15〜40℃、MLSS3,000〜6,
000mg/リットルが好ましく、また散気装置9から
供給する酸素含有ガス(例えば、空気)の供給量は、槽
内の溶存酸素濃度が1〜5mg/リットルとなるのに必
要な量である。
【0031】
【実施例】以下、石炭火力発電所から排出されたセレン
を含有する排脱排水について、本発明の処理方法および
装置を用いてテストした実施例について述べる。
【0032】実施例1〔硝化脱窒工程を用いないで処理
した場合(図1)〕 被処理排水の性状は、pH;6.3、COD;15mg
/リットル、SS;5mg/リットル、SeO4 2- ;1
0mg−Se/リットル、SO4 2- ;4,800mg/
リットルであった。また、流動床式反応槽の運転条件
は、pH;7.6、温度;28℃、MLSS;16,5
00mg/リットルで処理した。なお、使用した微生物
粒子としては、食品排水のメタン発酵処理に使用されて
いるUASB処理装置のメタン菌グラニュールを種菌と
して充填し、栄養源としてメタノールを1,300mg
/リットル、硝酸を150mg−N/リットル添加し
て、排水を一定期間流通させて訓養することにより、メ
タン菌グラニュールの表面に、脱窒菌や硫酸(塩)還元
菌を増殖させ、徐々に脱窒菌や硫酸(塩)還元菌のグラ
ニュールを形成させた自己造粒グラニュールを用いた。
【0033】反応槽から排出された処理水を凝集槽に供
給して塩化第二鉄の凝集剤を1,500mg/リットル
添加して凝集させ、凝集した汚泥を沈澱槽に供給して沈
降分離し、上澄み液を清澄な処理水として、その性状を
測定した。その結果、この清澄な処理水は、pH;7.
1、COD;13mg/リットル、SS;8mg/リッ
トル、SeO4 2- ;0.08mg−Se/リットルであ
り、セレンを極めて微量まで除去することができた。
【0034】実施例2〔硝化脱窒工程を用いて処理した
場合(図2)〕 被処理排水の性状は、pH;6.3、COD;15mg
/リットル、SS;5mg/リットル、SeO4 2- ;1
0mg−Se/リットル、SO4 2- ;4,800mg/
リットルであった。また、流動床式反応槽の運転条件
は、pH;7.8、温度;27℃、MLSS;15,6
00mg/リットルで処理した。なお、使用した微生物
粒子としては、食品排水のメタン発酵処理に使用されて
いるUASB処理装置のメタン菌グラニュールを種菌と
して充填し、栄養源としてメタノールを1,500mg
/リットル、アンモニアを200mg−N/リットル添
加して、排水を一定期間流通させて訓養することによ
り、メタン菌グラニュールの表面に、脱窒菌や硫酸
(塩)還元菌を増殖させ、徐々に脱窒菌や硫酸(塩)還
元菌のグラニュールを形成させた自己造粒グラニュール
を用いた。反応槽から排出された処理水を凝集槽に供給
して塩化第二鉄の凝集剤を1,500mg/リットル添
加して凝集させ、凝集した汚泥を沈澱槽に供給して沈降
分離し、上澄み液を清澄な処理水として得た。
【0035】この清澄な処理水を、さらに好気性に維持
された硝化槽に供給した。この硝化槽の運転条件は、p
H;6.9、温度;26℃、MLSS;4,300mg
/リットルで、また空気を散気してアンモニアを生物学
的に酸化し、硝化されて生成した硝酸や亜硝酸を含有し
た硝化槽の混合液を、嫌気性の流動床式反応槽に循環し
て処理した。硝化槽から排出された処理水の性状を測定
した結果、pH;7.1、COD;12mg/リット
ル、SS;9mg/リットル、SeO4 2- ;0.08m
g−Se/リットル、アンモニア;15mg−N/リッ
トルであり、セレンが極めて微量なまでに除去でき、ア
ンモニアも充分低くすることができた。
【0036】
【発明の効果】本発明の生物学的作用を利用するセレン
含有排水の処理方法および装置によれば、化学的、物理
的方法のみによるセレンの除去では、セレン除去率に限
界があり、強化されたセレンの排出基準に適合する処理
水を得るのが困難であったり、または経費が嵩むという
従来の問題が解消され、低廉で確実にセレンを除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であり、硝化脱窒工程を
設けない一実施の形態の概略系統図である。
【図2】本発明の他の実施の形態であり、硝化脱窒工程
を設けた一実施の形態の概略系統図である。
【符号の説明】
1;流動床式反応槽 2;凝集槽 3;沈澱槽 4;攪拌機 5;攪拌機 6;汚泥かき寄せ機 7;微生物粒子 8;硝化槽 10;混合液循環流路
フロントページの続き (72)発明者 前田 幸一郎 東京都千代田区九段北4丁目2番5号 株 式会社電発環境緑化センター内 (72)発明者 中畑 繁夫 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号 三 菱化工機株式会社内 (72)発明者 中沢 俊明 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号 三 菱化工機株式会社内 (72)発明者 出口 文紀 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号 三 菱化工機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン酸還元能を有するセレン酸還元
    菌、脱窒菌および/または硫酸(塩)還元菌を高濃度に
    保持する微生物粒子を充填し、かつ粒子流動化手段を具
    備した嫌気性の流動床式反応槽に、セレン含有排水を供
    給し、微生物粒子を流動化させながら、セレンを生物学
    的に還元処理し、流動床式反応槽から排出された処理水
    中の還元セレンを凝集槽で凝集剤により凝集させ、凝集
    汚泥を沈澱槽で沈降分離し清澄な処理水を得ることを特
    徴とするセレン含有排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 沈澱槽から排出された清澄な処理水を、
    さらに、好気性の硝化槽で硝化処理し、かつ硝化槽の混
    合液の少なくとも一部を流動床式反応槽に循環してチッ
    素酸化物を脱窒処理する工程を加えた請求項1記載のセ
    レン含有排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 微生物粒子が増殖に伴って自己造粒した
    脱窒菌および/または硫酸(塩)還元菌のグラニュール
    である請求項1または2記載のセレン含有排水の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 セレン酸還元能を有するセレン酸還元
    菌、脱窒菌および/または硫酸(塩)還元菌を高濃度に
    保持する微生物粒子を充填し、かつ粒子流動化手段を具
    備した嫌気性の流動床式反応槽と、流動床式反応槽から
    排出された処理水を凝集剤により凝集して還元セレンを
    凝集させる凝集槽と、凝集汚泥を沈降分離する沈澱槽を
    備えたことを特徴とするセレン含有排水の処理装置。
  5. 【請求項5】 沈澱槽から排出された清澄な処理水を硝
    化処理する好気性の硝化槽と、硝化槽の混合液を流動床
    式反応槽に循環する混合液循環流路をさらに設けた請求
    項4記載のセレン含有排水の処理装置。
  6. 【請求項6】 微生物粒子が増殖に伴って自己造粒した
    脱窒菌および/または硫酸(塩)還元菌のグラニュール
    である請求項4または5記載のセレン含有排水の処理装
    置。
JP29983996A 1996-10-25 1996-10-25 セレン含有排水の処理方法および処理装置 Withdrawn JPH10128388A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29983996A JPH10128388A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 セレン含有排水の処理方法および処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29983996A JPH10128388A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 セレン含有排水の処理方法および処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10128388A true JPH10128388A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17877558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29983996A Withdrawn JPH10128388A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 セレン含有排水の処理方法および処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10128388A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100331943B1 (ko) * 1999-06-21 2002-04-10 김재모 수처리 시스템 및 이를 이용한 수처리 방법
CN104386881A (zh) * 2014-11-26 2015-03-04 深圳能源资源综合开发有限公司 一种煤化工生产废水处理及高倍回用工艺及其专用系统
CN104556540A (zh) * 2013-10-22 2015-04-29 中国石油化工股份有限公司 一种含硒废水的处理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100331943B1 (ko) * 1999-06-21 2002-04-10 김재모 수처리 시스템 및 이를 이용한 수처리 방법
CN104556540A (zh) * 2013-10-22 2015-04-29 中国石油化工股份有限公司 一种含硒废水的处理方法
CN104386881A (zh) * 2014-11-26 2015-03-04 深圳能源资源综合开发有限公司 一种煤化工生产废水处理及高倍回用工艺及其专用系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001037467A (ja) アンモニア及びリン含有廃水処理方法及びその装置
Maree et al. An integrated process for biological treatment of sulfate-containing industrial effluents
JP4649911B2 (ja) 有機物及び窒素含有排水の処理方法
JP4104845B2 (ja) リン・アンモニア含有水の処理方法及び装置
JP4872171B2 (ja) 生物脱窒装置
WO2012040943A1 (zh) 一种同步去除饮用水中重金属和硝酸盐的方法及其装置
JP2009066505A (ja) 好気性グラニュールの形成方法、水処理方法及び水処理装置
CN112573652A (zh) 一种硫自养反硝化脱氮反应装置
Kalyuzhnyi et al. Integrated mechanical, biological and physico-chemical treatment of liquid manure streams
JP2006205097A (ja) 排水の生物学的処理方法
JP3358348B2 (ja) 嫌気性処理法
JP2716348B2 (ja) 下水返流水の処理方法
JP3811522B2 (ja) 火力発電所排水の処理方法
JP3958900B2 (ja) 排水からの窒素の除去方法
JP3202510B2 (ja) 窒素及びフッ素含有排水の処理装置
JP3799557B2 (ja) 廃水処理方法
JP4104311B2 (ja) 廃水からの窒素の除去方法
JP3856218B2 (ja) 活性汚泥処理装置の立ち上げ方法
JP2007117948A (ja) 高濃度有機性廃液の処理方法及び装置
JPH10128388A (ja) セレン含有排水の処理方法および処理装置
JP2001252686A (ja) 有機性排水の嫌気性処理方法
JP3799634B2 (ja) セレン含有水の処理方法
JP3769772B2 (ja) セレン含有水の処理方法
KR100314745B1 (ko) 질소폐수처리방법
JP4382167B2 (ja) 火力発電所排水の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040106