JPH10123585A - カメラ用シャッタ - Google Patents

カメラ用シャッタ

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JPH10123585A
JPH10123585A JP27229596A JP27229596A JPH10123585A JP H10123585 A JPH10123585 A JP H10123585A JP 27229596 A JP27229596 A JP 27229596A JP 27229596 A JP27229596 A JP 27229596A JP H10123585 A JPH10123585 A JP H10123585A
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Kiyoshi Toma
清 當摩
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信義 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形状記憶合金を駆動源としてシャッタのセット
を行うようにした小型化に適するカメラ用シャッタを提
供すること。 【解決手段】ワイヤ状の形状記憶合金10,11は、夫
々、電圧の印加を断たれると短くなり、先羽根用駆動ば
ね8と後羽根用駆動ばね9に抗して、先羽根用駆動部材
2と後羽根用駆動部材3を、セット位置へ作動させるよ
うになっている。そして、撮影に際しては、電磁石2
0,21が鉄片部材4,5を吸着保持した段階で、形状
記憶合金10,11の両端に電圧を印加し、それらが伸
長することによって、各駆動部材2,3を露光作動可能
状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セット作動を電動
で行うようにした小型化に適するカメラ用シャッタに関
する。
【0002】
【従来の技術】最近は、カメラの小型化と電動化に対す
る要請が一段と大きくなり、それに応えるべく種々の提
案が行われ且つ実施されている。そのうち、電動化に関
しては、フィルムの巻き上げ作動をモータによって自動
的に行うようになったほか、撮影レンズもモータによっ
て動かし、焦点調節を自動的に行うようになってきた。
また、シャッタ装置についても電動化が進められ、その
セット作動は、上記したフィルムの巻き上げ作動に連動
し、同一のモータによって行われるのが普通になってき
た。また、シャッタ装置のレリーズ作動についても、カ
メラのレリーズボタンを押した後、自動焦点調節が終了
した信号によって、電磁石やプランジャを働かせて行う
ようにしたものが実施されている。
【0003】また、シャッタ装置には、フォーカルプレ
ンシャッタとレンズシャッタとがあり、フォーカルプレ
ンシャッタは、一般に、露光作動時に、先羽根が露光用
開口を開き、後羽根が露光用開口を閉じるようになって
いるが、レンズシャッタにも同じように機能する先羽根
と後羽根とを備えたものがある。このように先羽根と後
羽根とを備えたシャッタ装置を電動でセットする場合に
は、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材との両方に関
係するセット部材を設け、そのセット部材を、フィルム
の巻き上げに連動して初期位置からセット位置まで作動
させることにより、上記の各駆動部材をセット位置へ作
動させるようにしているのが普通である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように小型化に対する要求も極めて強いものがあり、
特にIX240カートリッジフィルム(アドバンストフ
ォトシステムフィルム)の出現によって一段と拍車がか
かってきた。ところが、そのような要求に応えて小型化
する場合には、上記した電動装置の駆動源として用いら
れているモータ,電磁石,プランジャ等を如何に小型化
してスペース効率を良くするかが大きなポイントになる
が、それらの電磁部品は、小型化するには限度があり、
また、ある程度以上に小型化しようとすると、かえって
コストが高くなるという問題点がある。
【0005】また、シャッタ装置のセットを、フィルム
の巻き上げ用モータに連動させて行うようにする場合、
機械的な連動機構が必要であるため、スペース上の問題
は勿論のこととして、カメラ内におけるシャッタ装置の
配置関係に制約を受けてしまうという問題点がある。更
に、上記したセット部材は、先羽根用駆動部材と後羽根
用駆動部材との両方をセットする必要があるので、シャ
ッタ装置内における配置が自ずから決定されてしまい、
また、このようなセット部材は比較的大きな部品である
ことから、全体の小型化を図る場合のネックとなってい
た。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、上
記した電磁部品やセット部材を設ける必要がなく、形状
記憶合金をセット作動の駆動源として用いることにより
カメラの小型化が図れるようにしたカメラ用シャッタを
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明におけるカメラ用シャッタは、露光用開口
部を有する地板と、往復作動が可能であって露光作動時
に先羽根用駆動ばねによってセット位置から作動され先
羽根に前記露光用開口部を開かせる先羽根用駆動部材
と、電圧の印加が断たれたとき前記先羽根用駆動部材を
前記先羽根用駆動ばねに抗してセット位置に作動させレ
リーズの初期段階において電圧が印加されたとき前記先
羽根用駆動部材を露光作動可能状態とする第1形状記憶
合金と、レリーズの初期段階で前記先羽根用駆動部材を
セット位置で吸引保持し露光時間制御回路からの信号に
応じて該保持力を解除する先羽根用電磁石と、往復作動
が可能であって露光作動時に後羽根用駆動ばねによって
セット位置から作動され後羽根に前記露光用開口部を閉
じさせる後羽根用駆動部材と、電圧の印加が断たれたと
き前記後羽根用駆動部材を前記後羽根用駆動ばねに抗し
てセット位置に作動させレリーズの初期段階において電
圧が印加されたとき前記後羽根用駆動部材を露光作動可
能状態とするる第2形状記憶合金と、レリーズの初期段
階で前記後羽根用駆動部材をセット位置で吸引保持し露
光時間制御回路からの信号に応じて該保持力を解除する
後羽根用電磁石とを備えている。
【0008】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、好ましくは、前記第1形状記憶合金に対する電圧の
印加が断たれてから所定時間後に前記第2形状記憶合金
に対する電圧の印加が断たれるようにする。また、本発
明のカメラ用シャッタにおいては、好ましくは、前記第
1形状記憶合金と前記第2形状記憶合金のうち少なくと
も一方は、その一端が前記地板に取り付けられ、他端が
前記駆動部材の一方に取り付けられているようにする。
また、本発明のカメラ用シャッタにおいては、好ましく
は、前記第1形状記憶合金と前記第2形状記憶合金のう
ち少なくとも一方は、その両端が前記地板に取り付けら
れ、その両端間が前記駆動部材の一方に掛けられている
ようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図3
に示した実施例で説明する。また、実施例に示した一部
の構成について二つの変形例を図4及び図5を用いて説
明する。尚、図1は実施例の撮影終了直後におけるセッ
ト前状態を示す平面図であり、図2はセット後の状態を
示す平面図である。図3は実施例の作動を説明するため
のタイミングチャートである。また、図4及び図5は各
々実施例の一部の変形例を説明するための部分側面図で
ある。
【0010】先ず、実施例の構成から説明するが、本実
施例は、本発明をフォーカルプレンシャッタに適用した
ものである。合成樹脂製のシャッタ地板1には、周知の
ように略中央部に露光用開口部1aが形成されている
が、図面上では、その左方の一部だけが示されている。
このシャッタ地板1の背面側には、周知のように、所定
の間隔を空けて、図示していない中間板とカバー板が順
に取り付けられている。中間板とカバー板にも上記開口
部1aと類似の形状の開口部が形成されており、それら
の三つの開口部の合成によってシャッタ装置としての露
光用開口が決められている。そして、本実施例の場合に
は、シャッタ地板1と中間板の間には先羽根が配置さ
れ、中間板とカバー板の間には後羽根が配置されてい
る。
【0011】このシャッタ地板1の表面側には軸1b,
1cが立設されている。これらの軸1b,1cはシャッ
タ地板1の背面側にも突き出ていて、その部分は細く形
成されている。周知であるため図示していないが、本実
施例における先羽根及び後羽根は、夫々、シャッタ地板
1の背面側に枢着された二つのアームに複数の分割羽根
を枢支した構成をしていて、夫々の一方のアーム(以
下、主アームという)は、軸1bと軸1cに枢着されて
いる。また、シャッタ地板1には、貫通した円弧状の孔
1d,1eが形成されている。
【0012】シャッタ地板1の表面側において、軸1
b,1cには、合成樹脂製の先羽根用駆動部材2,後羽
根用駆動部材3が回転可能に取り付けられている。これ
らの駆動部材2,3には、夫々、作動ピン2a,3a、
取付部2b,3bが設けられている。このうち作動ピン
2a,3aは、円弧状の孔1d,1eを貫通して、先羽
根及び後羽根の各主アームに形成された孔に嵌合してい
る。そのため、先羽根用駆動部材2が反時計方向へ回転
したときには、作動ピン2aは主アームを反時計方向へ
作動させて分割羽根を展開させ、逆に時計方向へ回転し
たときには、作動ピン2aは主アームを時計方向へ作動
させて分割羽根を重畳させるようになっている。他方、
後羽根用駆動部材3が反時計方向へ回転したときには、
作動ピン3aは主アームを反時計方向へ作動させて分割
羽根を重畳させ、作動ピン3aが主アームを時計方向へ
作動させたときには分割羽根を展開させるようになって
いる。
【0013】また、各駆動部材2,3の取付部2b,3
bは、図1において手前側に隆起したようにして形成さ
れており、夫々、鉄片部材4,5を取り付けているが、
その具体的な取り付け構成を明示するために、図1及び
図2においてはその部分を断面で示してある。鉄片部材
4,5は、電磁石に吸着される鉄片部4a,5aと、該
取付部2b,3bに形成された孔に緩く嵌合している軸
部4b,5bと、更には鍔部4c,5cとで構成されて
おり、該軸部4b,5bの軸方向へ移動し得るようにな
っている。そして、該鉄片部4a,5aと該取付部2
b,3bとの間には圧縮ばね6,7が介在しており、該
鍔部4c,5cが取付部2b,3bに接触するように付
勢している。また、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動
部材3は、夫々、先羽根用駆動ばね8と後羽根用駆動ば
ね9によって時計方向へ回転するように付勢されてお
り、各駆動ばね8,9の一端は上記した取付部2b,3
bの根元に掛けられ、他端はシャッタ地板1に設けられ
たばね掛け1f,1gに掛けられている。
【0014】更に、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動
部材3には、夫々、ワイヤ状の形状記憶合金10,11
の一端が取り付けられており、それらの他端はシャッタ
地板1に取り付けられている。夫々の取り付け方は同じ
であって、夫々の端部を止め具12,13、及び14,
15に巻き込むようにしてかしめ止めし、それらの止め
具12,13,14,15をビス16,17,18,1
9によって固定している。これらの形状記憶合金10,
11は、その両端に電圧を印加すると、その長さが伸長
し、冷却すると元へ戻る性質を有している。従って、図
示していないが、本実施例においては、リード線が形状
記憶合金10,11と一緒に止め具12,13,14,
15にかしめ止めされている。そして、形状記憶合金1
0の伸縮は、シャッタ地板1に設けられた柱1h,ばね
掛け1fをガイドとして行われ、形状記憶合金11の伸
縮は、シャッタ地板1に設けられた柱1i,1jをガイ
ドとして行われる。尚、柱1iの先端が後羽根用駆動部
材3に接することのないように両者間に所定の空間が設
けられていることは言うまでもない。
【0015】周知であるため図示していないが、シャッ
タ地板1の表面側には、該シャッタ地板1と平行になる
ようにして取付け板(上地板と称されることもある)が
取り付けられている。そして、その下面、即ちシャッタ
地板1側の面には先羽根用電磁石20と後羽根用電磁石
21とが取り付けられている。そのため、図1及び図2
には、それらの電磁石20,21を一点鎖線で示してあ
る。本実施例における電磁石20,21は、鉄芯部材2
0a,21aが、夫々二つの磁極部で鉄片部材4,5を
吸着するようにするためにU字形をしており、各々一方
の磁極部にコイル20b,21bを巻回した構成をして
いる。しかしながら、鉄芯部材20a,21aは、各々
の二つの磁極部が、シャッタ地板1に対して垂直となる
ように配置されているので、図面上には各々一方の磁極
部だけが見えている。
【0016】次に、図3も参照しながら本実施例の作動
を説明する。図1は、撮影終了直後の状態を示してい
る。従って、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3
とは、各駆動ばね8,9によって露光作動を完了した状
態にあり、撮影者は、未だカメラのレリーズボタンを押
したままの状態である。この状態においては、図示して
いない先羽根の各分割羽根は重畳して露光用開口部1a
の下方位置に格納されており、後羽根の分割羽根は展開
して露光用開口部1aを覆っている。また、形状記憶合
金10,11(図3においてはSMA1,SMA2)に
は夫々通電されており、夫々伸長状態となっている。
尚、このように形状記憶合金10,11が伸長した状態
においては、形状記憶合金10,11が柱1h,1i,
1j及びばね掛け1fから外れる可能性もあるが、その
心配がある場合には、例えば柱1h,1i,1jやばね
掛け1fを予め太めにし、その横腹に貫通孔を形成し、
形状記憶合金10,11をそれらの孔に通しておくよう
にすれば問題ない。
【0017】このような状態において、レリーズボタン
の押下げ力を解除すると、電源スイッチSWがオフにな
り、一方では、先ず形状記憶合金10に対する通電が断
たれ、所定の遅延時間後に形状記憶合金11に対する通
電が断たれる。他方、電源スイッチSWがオフになる
と、その信号でフィルムの巻上げ用のモータMoに電力
が供給され、フィルムの巻上げ作動が行われる。そのた
め、形状記憶合金10に対する通電が断たれると、該形
状記憶合金10は収縮して短くなり、先羽根用駆動部材
2を先羽根用駆動ばね8に抗して反時計方向へ回転させ
る。そして、周知のように、先羽根のスリット形成羽根
が後羽根のスリット形成羽根に一部重なった段階で、形
状記憶合金11に対する通電も断たれ、後羽根用駆動部
材3も後羽根用駆動ばね9に抗して反時計方向へ回転さ
れる。
【0018】その後、先羽根と後羽根は、先羽根用駆動
部材2と後羽根用駆動部材3によって同時に作動されて
行き、先羽根は分割羽根を展開させて露光用開口部1a
を覆い、後羽根は分割羽根を重畳させて露光用開口部1
aの上方に格納される。図2はそのようにして行われた
シャッタのセット状態を示しており、この状態において
は、圧縮ばね6,7が圧縮され、鉄片部材4,5の鉄片
部4a,5aが鉄芯部材20a,21aに接触している
ことになる。そして、この状態は、次の撮影まで、形状
記憶合金10,11のみによって保たれるので、従来の
ように、各駆動部材2,3をセット位置に保持するのに
役立っていたセット部材や係止部材が不必要となってい
る。他方、この状態に達するのと前後して、フィルムの
巻上げも終了し、周知のようにしてモータMoが自動的
に停止する。尚、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部
材3のセット作動は、形状記憶合金10,11の収縮時
の長さに依存して停止するようにしても差し支えない
が、実際には、夫々にストッパを設け、該ストッパに当
接して停止するようにするのが好ましい。
【0019】次に、レリーズ作動について説明する。カ
メラのレリーズボタンを押すと、その初期段階で電源ス
イッチSWが閉じ、測光回路と測距回路が働くと共に先
羽根用電磁石20と後羽根用電磁石21の両コイル20
b,21bに通電され、鉄芯部材20a,21aが励磁
される。そのため、各鉄片部材4,5の、鉄片部4a,
5aは鉄芯部材20a,21aに磁気的に吸着保持され
る。また、その保持力が充分得られた段階で、二つの形
状記憶合金10,11(図3におけるSMA1,SMA
2)に通電される。従って、各形状記憶合金10,11
は伸長し、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3
を、露光作動の可能状態とする。
【0020】尚、この状態においては、各形状記憶合金
10,11は弛むことになるが、その問題を解決する一
つの方法としては、図2に一点鎖線で示すように、シャ
ッタ地板1の軸1k,1mにテンショナー22,23を
回転可能に取り付けることが考えられる。このテンショ
ナー22,23は、ばね24,25によって付勢されて
いるので、形状記憶合金10,11が伸長すると回転
し、ピン22a,23aによって形状記憶合金10,1
1を押し、常に緊張状態を保つことになる。また、その
他の方法としては、シャッタ地板1の表面に溝を形成
し、形状記憶合金10,11をその溝の中に配置し、弛
んだときに溝の外に出ないようにすることも考えられ
る。
【0021】このような状態において、撮影者は、周知
の表示装置によって撮影条件の適否等を確認することが
できる。そして、もしも撮影を止めたい場合には、レリ
ーズボタンの押し下げを解除すると、先ず、形状記憶合
金10,11への通電が断たれて短くなり、上記したテ
ンショナー22,23を設けている場合には、それらを
ばね24,25に抗して回転させる。そして、次に、コ
イル20b,21bに対する通電を断つことになる。他
方、この段階で撮影を行うと判断した場合には、更にレ
リーズボタンを押すことになる。そうすると、測距結果
に基づいてレンズの繰り出し作動が行われ、その作動停
止信号に連動して露光時間制御回路が働くようになる。
【0022】露光時間制御回路は、先ず、先羽根用電磁
石20のコイル20bに対する通電を断つ。それによっ
て、先羽根用駆動部材2は、先羽根用駆動ばね8の強い
力によって時計方向へ急速に回転し、作動ピン2aによ
って先羽根の主アームを時計方向へ作動させる。そのた
め、先羽根を構成する複数の分割羽根は下方へ重畳され
てゆき、露光用開口部1aを開いていく。他方、この過
程において、先羽根用駆動部材2は、形状記憶合金10
を引っ張るので、上記したテンショナー22を設けてい
る場合には、ばね24に抗して回転させることになる。
そして、先羽根が露光用開口部1aを開き終わった直後
に、作動ピン2aが孔1dの下端縁に衝突し、図示して
いない手段によってバウンドを防止されて停止する。
【0023】先羽根用電磁石20のコイル20aに対す
る通電が断たれてから、測光結果に対応した所定時間後
に、後羽根用電磁石21のコイル21bに対する通電が
断たれる。そのため、後羽根用駆動ばね9の強い付勢力
によって、後羽根用駆動部材3が時計方向へ急速に回転
し、作動ピン3aが、後羽根の主アームを時計方向へ作
動させる。その結果、後羽根を構成する複数の分割羽根
は下方へ展開されてゆき、露光用開口部1aを閉じてい
く。その間、後羽根用駆動部材3は、形状記憶合金11
を引っ張るので、上記の場合と同様に、テンショナー2
3を設けている場合には、ばね25に抗して回転させる
ことになる。そして、後羽根が露光用開口部1aを閉じ
終わった直後に、作動ピン3aが孔1eの下端縁に衝突
し、停止する。そのときの状態が、図1に示した状態で
ある。
【0024】次に、上記の実施例における一部の変形例
を図4及び図5を用いて説明する。上記の実施例におい
ては、形状記憶合金10の一端はシャッタ地板1に取り
付けられ、他端は先羽根用駆動部材2に取り付けられて
いる。しかし、このように構成すると、先羽根用駆動部
材2に取り付けられた端部は、常に先羽根用駆動部材2
と共に作動することになる。従って、止め具12にリー
ド線を取り付け電気的に接続するようにした場合には、
リード線がその都度振り回されることになる。狭いカメ
ラ内においてこのような動きをさせることは好ましいこ
とではなく、断線や漏電の原因にもなりかねない。そこ
で、図4及び図5には、夫々、形状記憶合金10の両端
ともシャッタ地板1に取り付け、先羽根用駆動部材2に
は、その中間部を掛け渡すだけにした場合の例を示して
いる。
【0025】先ず、図4に示した変形例は、実施例にお
ける先羽根用駆動部材2に、シャッタ地板1の表面に向
けて円柱形の軸部2cを設けたものである。この軸部2
cには径方向に貫通した孔2dが形成され、両方の出口
には面取り部が形成されている。そして、形状記憶合金
10は、その孔2dに挿通されている。また、図5に示
した変形例は、図4に示した変形例と同様に、先羽根用
駆動部材2に、シャッタ地板1の表面に向けて円柱形の
軸部2eを設けているが、その円周部には環状溝2fが
形成され、そこに形状記憶合金10の略中間部が掛けら
れている。尚、これらのような形状記憶合金の掛け渡し
方は、形状記憶合金11についても採用できることは言
うまでもない。
【0026】また、上記の実施例においては、各形状記
憶合金をワイヤ状のものとして説明したが、帯状の形状
記憶合金であっても差し支えない。また、上記の実施例
は、本発明をフォーカルプレンシャッタに適用した場合
の実施例であるが、本発明は、先羽根即ち開き用の羽根
と、後羽根即ち閉じ用の羽根とを、個別に設けているタ
イプのレンズシャッタにも適用できることは言うまでも
ない。但し、その場合には、セット作動のとき、先に、
後羽根用駆動部材がセットされ、露光用開口を後羽根に
よって閉じてから、先羽根用駆動部材のセット作動を開
始させる必要がある。また、その場合、各羽根は、夫々
1枚であってもよいし複数枚であっても構わない。
【0027】
【発明の効果】上記のように、本発明は、シャッタ装置
を電動でセットするのに、従来のようにフィルム巻き上
げ装置に連動させず、形状記憶合金によって行うように
したので、フィルム巻き上げ装置との機械的連動機構が
不要となり、且つ、従来、先羽根駆動部材と後羽根駆動
部材とを同時にセットするために必要だったセット部材
が不要になり、また、カメラの不使用時において先羽根
駆動部材と後羽根駆動部材とをセット状態に保つための
部材も特に設ける必要がないので、スペース的に非常に
有利となり、シャッタ装置、ひいてはカメラの小型化に
極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の平面図であり、撮影終了直後
におけるセット前状態を示している。
【図2】本発明の実施例の平面図であり、セット後の状
態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例の作動を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図4】本発明の実施例における一部の変形例を示す部
分側面図である。
【図5】本発明の実施例における一部の他の変形例を示
す部分側面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a 露光用開口部 1b,1c,1k,1m 軸 1d,1e,2d 孔 1f,1g ばね掛け 1h,1i,1j 柱 2 先羽根用駆動部材 2a,3a 作動ピン 2b,3b 取付部 2c,2e,4b,5b 軸部 2f 環状溝 3 後羽根用駆動部材 4,5 鉄片部材 4a,5a 鉄片部 4c,5c 鍔部 6,7 圧縮ばね 8 先羽根用駆動ばね 9 後羽根用駆動ばね 10,11 形状記憶合金 12,13,14,15 止め具 16,17,18,19 ビス 20 先羽根用電磁石 20a,21a 鉄芯部材 20b,21b コイル 21 後羽根用電磁石 22,23 テンショナー 22a,23a ピン 24,25 ばね

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用開口部を有する地板と、往復作動
    が可能であって露光作動時に先羽根用駆動ばねによって
    セット位置から作動され先羽根に前記露光用開口部を開
    かせる先羽根用駆動部材と、電圧の印加が断たれたとき
    前記先羽根用駆動部材を前記先羽根用駆動ばねに抗して
    セット位置に作動させレリーズの初期段階において電圧
    が印加されたとき前記先羽根用駆動部材を露光作動可能
    状態とする第1形状記憶合金と、レリーズの初期段階で
    前記先羽根用駆動部材をセット位置で吸引保持し露光時
    間制御回路からの信号に応じて該保持力を解除する先羽
    根用電磁石と、往復作動が可能であって露光作動時に後
    羽根用駆動ばねによってセット位置から作動され後羽根
    に前記露光用開口部を閉じさせる後羽根用駆動部材と、
    電圧の印加が断たれたとき前記後羽根用駆動部材を前記
    後羽根用駆動ばねに抗してセット位置に作動させレリー
    ズの初期段階において電圧が印加されたとき前記後羽根
    用駆動部材を露光作動可能状態とするる第2形状記憶合
    金と、レリーズの初期段階で前記後羽根用駆動部材をセ
    ット位置で吸引保持し露光時間制御回路からの信号に応
    じて該保持力を解除する後羽根用電磁石とを備えている
    ことを特徴とするカメラ用シャッタ。
  2. 【請求項2】 前記第1形状記憶合金に対する電圧の印
    加が断たれてから所定時間後に前記第2形状記憶合金に
    対する電圧の印加が断たれるようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記第1形状記憶合金と前記第2形状記
    憶合金のうち少なくとも一方は、その一端が前記地板に
    取り付けられ、他端が前記駆動部材の一方に取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメ
    ラ用シャッタ。
  4. 【請求項4】 前記第1形状記憶合金と前記第2形状記
    憶合金のうち少なくとも一方は、その両端が前記地板に
    取り付けられ、その両端間が前記駆動部材の一方に掛け
    られていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカ
    メラ用シャッタ。
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CN114712203A (zh) * 2022-03-23 2022-07-08 湖南声海电子有限公司 按摩装置

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