JP2000081649A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ

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JP2000081649A
JP2000081649A JP10251554A JP25155498A JP2000081649A JP 2000081649 A JP2000081649 A JP 2000081649A JP 10251554 A JP10251554 A JP 10251554A JP 25155498 A JP25155498 A JP 25155498A JP 2000081649 A JP2000081649 A JP 2000081649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動部材を露光作動開始位置で確実に保持させ
ることの可能な消費電力の少ないダイレクトタイプのカ
メラ用フォーカルプレンシャッタを提供すること。 【解決手段】セット部材25は、先羽根用駆動部材14
と後羽根用駆動部材19を、夫々の駆動ばねの付勢力に
抗してセット位置に保持している。制動部材24は、セ
ット部材25とは個別に回転可能であり、ばねによる反
時計方向への回転を、ピン1iに阻止されている。制動
部材24の腕部24a,24bは弾性を有していて、摺
接部24a1 ,24b1 を各駆動部材14,19の摺接
面14e,19eに圧接させている。この圧接力は、レ
リーズ時にセット部材25が時計方向へ回転し、取付部
14c,19cが鉄片部材17,22の頭部17c,2
2cに当接した後、ピン25fが制動部材24を回転さ
せて解かれるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影に際して、先
羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二
つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリ
ットにより感光面の露光を行うようにしたカメラ用のフ
ォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フォーカルプレンシャッタにお
ける先羽根群と後羽根群は、夫々、先羽根用駆動部材と
後羽根用駆動部材によって作動され、また、それらの駆
動部材は、通常、露光作動に際して、先羽根用駆動ばね
と後羽根用駆動ばねの付勢力によって回転されるように
なっている。更に、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部
材は、撮影に際しては、露光作動開始位置に保持されて
おり、露光制御回路が、先羽根用電磁石と後羽根用電磁
石を所定の時間間隔で制御することによって、順に露光
作動を開始されるようになっている。また、シャッタの
セットは、フィルムの巻き上げに連動して、セット部材
が、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材を、先羽根用
駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して、セット
位置まで回転させるようにしている。
【0003】ところで、各駆動部材を、上記のように露
光作動開始位置に保持しておくための構成として、係止
タイプと称されているものと、ダイレクトタイプと称さ
れているものが知られている。本発明は、それらのう
ち、ダイレクトタイプを採用したフォーカルプレンシャ
ッタに関するものである。周知のように、そのダイレク
トタイプの構成は、各駆動部材に鉄片部材を取り付けて
おき、露光作動の直前においては、各電磁石が、夫々の
鉄片部材を吸着することによって、各駆動部材を露光作
動開始位置に保持するようにしたものである。そのた
め、構成部品が少なく、シャッタユニットをコンパクト
化し易いという特徴があるが、製作するに当たっては、
いろいろな問題点がある。そのため、構成上で種々の対
策手段が講じられている。
【0004】先ず、セット部材が二つの駆動部材をセッ
トするとき、二つの鉄片部材を、二つの電磁石に全く同
時に接触させるようにすることは、製作上困難である。
そのため、鉄片部材は、駆動部材に固定されておらず、
通常はばねを介在させて取り付けられている。そして、
セット部材は、二つの鉄片部材を二つの電磁石に順に接
触させた後、しばらくしてから停止されるようになって
いる。また、電磁石への通電は撮影の直前に行われるの
で、セット後、セット部材を直ちにセット前の位置(以
下、初期位置という)へ復帰させてしまうわけにはいか
ない。そのため、次の撮影が行われるまで、セット部材
をセット位置に留めておくようにしている。従って、こ
のセット状態においては、二つの駆動部材は、露光作動
開始位置にあるわけではなく、夫々の鉄片部材との間に
介在させたばねを緊張させ、また、夫々の駆動ばねをオ
ーバーチャージさせた位置で停止している。
【0005】そして、撮影に際しては、先ず、二つの電
磁石に通電し、夫々の鉄片部材が吸着された後、セット
部材を初期位置に復帰させるようにしているが、そのと
き、二つの駆動部材は、夫々、オーバーチャージされて
いる駆動ばねの付勢力と、鉄片部材との間に介在し上記
のようにして緊張されているばねの付勢力との両方によ
り、セット位置から僅かに回転され、電磁石に吸着され
ている鉄片部材によってその回転を阻止されることによ
り、露光作動開始位置で停止されるようになっている。
そして、二つの駆動部材が露光作動開始位置で停止し、
セット部材が初期位置に復帰した後、露光制御回路から
の信号によって、二つの電磁石に対する通電が順に断た
れ、各駆動部材が所定の時間間隔で露光作動を開始する
ようになっている。
【0006】しかるに、上記のようにして、夫々の駆動
部材が、セット位置から露光作動開始位置まで回転した
とき、鉄片部材に対して瞬間的に大きな衝撃力が作用す
る。そのため、電磁石の吸着力が、単に、露光作動開始
位置において駆動ばねの付勢力に抗して駆動部材を保持
しておけるだけの力に設定してあると、駆動部材は、露
光作動開始位置で停止されず、露光制御回路からの信号
を待たずに、直ちに露光作動を行ってしまうようにな
る。従って、上記のような衝撃力に確実に耐え得るよう
にするため、従来は電磁石に対して可成り大きな電力を
供給し、大きな吸着力が得られるようにしていた。
【0007】しかしながら、最近のカメラにおいては電
動化が著しく進んでおり、消費電力を如何に少なくする
かが大きな課題となっている。そのため、ダイレクトタ
イプのフォーカルプレンシャッタにおいては、電磁石の
消費電力を従来より少なくしても、上記のような事態の
発生を確実に防止することのできる機構の実現が望まれ
ている。そこで、これまでにも、その点についての幾つ
かの提案がなされているが、その主なものとしては、特
開平9−304807号公報,特開平9−304808
号公報,特開平10−48699号公報に記載されたも
のがある。
【0008】そのうち、特開平9−304807号公報
に記載されているものは、駆動部材が露光作動開始位置
で停止するまで、鉄片部材を電磁石に押し付けておくた
めに、弾性部を有する押圧部材を設けておき、セット部
材の初期位置への復帰作動に連動して、その押し付けを
解くようにしたものである。また、特開平9−3048
08号公報に記載されているものは、押さえばねと称さ
れる部材を設け、駆動部材が露光作動開始位置で停止す
るまでの間、鉄片部材を電磁石に押し付けておくように
作用させたものであって、その押さえばねは、駆動部材
と鉄片部材の間に介在させている従来のばねを変形させ
て兼用するようにしたものである。更に、特開平10−
48699号公報に記載されているものは、セット部材
の初期位置への復帰作動に制動を与え、駆動部材が露光
作動開始位置に達するまで、セット部材が駆動部材を抑
止しているようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
うち、特開平9−304807号公報に記載されたもの
は、衝撃力を小さくするという考え方よりは、むしろ、
衝撃力が生じてもそれによって鉄片部材が電磁石から離
脱しないように、言わば電磁石の吸着力を補うという考
え方に立つものである。しかも、その吸着力を補うため
に設けられた押圧部材を、駆動部材が露光作動を開始す
る前に、鉄片部材の離脱方向に逃がすようにしているた
め、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両方に対し
てこのような構成を採用しようとすると、狭いスペース
内に設置する構成としては、必ずしも有利ではない。
【0010】また、特開平9−304808号公報に記
載されているものは、露光作動開始位置に達するまでの
間、鉄片部材が押さえばねによって電磁石に押されてい
るようにしたものである。従って、上記の特開平9−3
04807号公報に記載されたものと、考え方の基本は
変わらない。但し、構成部品点数が少なく、狭いスペー
ス内に設置する構成としては優れている。しかしなが
ら、実施する場合には、押さえばねの形状が非常に複雑
であって加工が難しく、また、その組み付け作業が可成
り面倒になることから、製作上においては必ずしも好適
な構成とはいえない。
【0011】更に、特開平10−48699号公報に記
載されたものは、初期位置への復帰過程にあるセット部
材が駆動部材を抑止していて、駆動部材を、露光作動開
始位置に達するまで、ゆっくりと作動させるようにした
ものであるから、衝撃力を小さくさせることが可能とな
り、また、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両方
の衝撃力を小さくさせるための構成として見るべきもの
がある。更に、セット部材の遅延機構が必要であるとは
いうものの、比較的簡単な構成の遅延機構も開示されて
いる。しかしながら、セット部材の復帰作動を、特別な
遅延機構を設けて制動するものであるため、初期位置へ
の復帰が従来よりも大幅に遅れることになり、シャッタ
チャンスを逸してしまうことがあるという機能上の問題
点を生じさせてしまう。
【0012】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的とするところは、
設置スペースが小さくて済み、製作が容易であって、ま
た他のシャッタ機能にも影響を及ぼすことのない実施上
有利な構成によって、レリーズ時において露光作動開始
位置に達するまで、駆動部材に直接制動力を与え、露光
作動開始開始位置に達したときの衝撃力を小さくするよ
うにしたダイレクトタイプのカメラ用フォーカルプレン
シャッタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、
通電時には夫々の鉄芯に吸着力を付与されている二つの
電磁石と、レリーズ時に夫々の駆動ばねの付勢力によっ
て先ずセット位置から露光作動開始位置まで作動され前
記各電磁石への通電が断たれたとき更に同方向に作動さ
れて先羽根群及び後羽根群に露光走行を行わせる先羽根
用駆動部材及び後羽根用駆動部材と、前記各駆動部材に
相対位置関係を変え得るようにして取り付けられ前記各
鉄芯に吸着されているとき前記各駆動部材が前記露光作
動開始位置に保持され得るようにした二つの鉄片部材
と、前記各駆動部材と前記各鉄片部材の間に介在しセッ
ト時において前記各鉄片部材が前記各鉄芯に接触してか
ら緊張され前記相対位置関係が変わり得るようにする二
つのばねと、セット時には初期位置から始動し前記各鉄
片部材が前記各鉄芯に接触した後も前記各駆動ばねを緊
張させて前記各駆動部材をセット位置へ作動させレリー
ズ時には初期位置への復帰過程において前記各駆動部材
に前記露光作動開始位置への作動を可能にするセット部
材と、レリーズ時において前記各駆動部材が前記露光作
動開始位置で停止されるまで少なくとも一方の駆動部材
に接触しその弾性によって制動を加えるようにした制動
手段とを備えているようにする。また、本発明のカメラ
用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記制動手段
は、セット時には前記セット部材によって前記駆動部材
に接触を可能にされ、レリーズ時には前記セット部材が
初期位置へ復帰する直前に前記セット部材によって前記
接触を解かれるようにすると、好適に機能を発揮し得る
構成になる。また、本発明のカメラ用フォーカルプレン
シャッタにおいては、前記各駆動部材が、合成樹脂製の
地板に取り付けられており、前記制動手段が、一体成形
によって前記地板に形成された弾性片であるようにする
と、コスト的にもスペース的にも有利になる。また、本
発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、
前記セット部材が往復回動する部材であって、前記制動
手段が前記セット部材の回動軸に取り付けられているよ
うにすると、制動力の調整が容易となり、且つ一つの制
動手段によって二つの駆動部材を制動するように構成す
る場合に有利となる。更に、本発明のカメラ用フォーカ
ルプレンシャッタにおいては、前記制動手段が板ばね部
材であるようにすると、耐久性に優れたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
5に示した第1実施例と、図6〜図9に示した第2実施
例によって説明する。また、本発明の要部に関係する構
成以外の構成については、二つの実施例とも全く同じで
あるため、第2実施例については、図1に示したような
全体の構成を示していない。また、第2実施例の図6〜
図9においては、第1実施例に示した部材,部位と実質
的に同じものに、同じ符号を用いている。
【0015】〔第1実施例〕最初に、図1〜図5を用い
て第1実施例を説明する。尚、図1は本実施例の全体の
構成を示した分解斜視図である。また、図2〜図5は本
実施例の要部だけを示したものであって、図2は露光作
動終了直後の状態を示した平面図である。また、図3は
セット状態を示した平面図であって、図4はその状態に
おける断面図である。そして、図5は各駆動部材が露光
作動開始位置にある状態を示した平面図である。
【0016】先ず、図1及び図4を用いて本実施例の構
成を説明するが、説明中において表面側とは、本実施例
のシャッタがカメラに組み込まれたとき被写体側となる
面、即ち図1においては斜め上方を向いている面であ
り、図4においては左側となる面のことをいうことにす
る。図1においては、シャッタ地板1は左側の約半分だ
けが示されているが、その略中央部には長方形をした開
口部1aが形成されていている。また、このシャッタ地
板1の背面側には、所定の間隔を空けて、中間板2と補
助地板3とが順に取り付けられ、シャッタ地板1と中間
板2との間を先羽根群4の羽根室とし、中間板2と補助
地板3との間を後羽根群5の羽根室としている。また、
中間板2と補助地板3にも、略中央部に、開口部2a,
3aが形成されており、三つの開口部1a,2a,3a
を重ね合わせることにより、略長方形をした横長の露光
開口が形成されるようになっている。
【0017】また、中間板2と補助地板3の間に配置さ
れている後羽根群用の羽根押さえ板6は、周知のよう
に、後羽根群5の4枚の羽根の先端部を中間板2との間
で挟み、各羽根の作動を安定化させるためのものであ
る。図示を省略したが、同じ目的のために、シャッタ地
板1と中間板2の間にも、先羽根群用の羽根押さえ板が
配置されている。また、シャッタ地板1に対するこれら
の板部材の取り付け方は、中間板2と羽根押さえ板6の
場合には、もう一つの羽根押さえ板をも含め、夫々それ
らに形成されている二つの孔を、シャッタ地板1に設け
られた図示していない二つの軸に嵌合させるだけであ
る。そして、補助地板3の場合には、鍵孔状をした二つ
の孔を、上記した二つの軸に嵌合させてから左にずらす
ことによって、それらの軸からの抜けを防止し、シャッ
タ地板1に設けられた軸1bの先端に、ビス7によって
取り付けられる。
【0018】シャッタ地板1には、円弧状をした二つの
大きな長孔1c,1dと、小さな長孔1eが形成されて
いる。このうち、長孔1c,1dの上方の端面には、周
知のようにして緩衝部材が取り付けられているが、図面
を見やすくするために、その図示を省略してある。ま
た、このシャッタ地板1には、軸1f,1g,1hとス
トッパピン1iが立設されている。そのうち、軸1hと
ストッパピン1iは表面側にのみ立設されているが、軸
1f,1gは背面側の羽根室内にも伸長している。ま
た、図示していないが、シャッタ地板1の背面側には、
軸1f,1gの間にもう二つの軸が立設されている。
【0019】本実施例の先羽根群4は、二つのアーム4
a,4bと、それらに枢支された4枚の羽根で構成され
ており、シャッタ地板1の背面側において、アーム4a
は軸1fに枢着され、アーム4bは上記した図示してい
ない軸の一方に枢着されている。同様に、後羽根群5
は、二つのアーム5a,5bと、それらに枢支された4
枚の羽根で構成されており、シャッタ地板1の背面側に
おいて、アーム5aは軸1gに枢着され、アーム5bは
上記した図示していない軸の他方に枢着されている。ま
た、先羽根群4と後羽根群5とでは、アームと羽根の重
なり関係が逆になっており、先羽根群4はアーム4a,
4bがシャッタ地板1側になっているが、後羽根群5は
アーム5a,5bが補助地板3側になっている。そし
て、図1においては、先羽根群4の羽根が重畳状態であ
って後羽根群5の羽根が展開状態となっているので、こ
の状態は露光作動終了直後の状態ということになる。
【0020】シャッタ地板1の表面側において、軸1
f,1gの先端部には、支持板8とプリント配線板9が
重ねて取り付けられている。そして、その取り付け方
は、支持板8とプリント配線板9に形成されている孔
を、軸1f,1gの先端部に嵌合させ、軸1f,1gの
先端面に開口しているねじ孔にビス10,11を螺合さ
せることによって止めている。また、軸1hの先端部も
プリント配線板9の孔に嵌合させているが、ビス止めは
されていない。
【0021】そして、支持板8には、折曲加工によって
二つの爪部8a,8bが形成されており、シャッタ地板
1側には、先羽根用電磁石12と後羽根用電磁石13を
取り付けている。しかし、その取り付け方は、特開平9
−133944号公報で公知であり、且つ本発明とは直
接関係がないので、詳しい説明を省略する。各電磁石1
2,13は、夫々U字形をした鉄芯12a,13a(図
4参照)と、二つの磁極部の一方に嵌装されたコイル1
2b,13bを有していて、コイル12b,13bの各
々の二つの端子はプリント配線板9のスルーホールに挿
入され、はんだ付けされている。
【0022】シャッタ地板1の表面側において、軸1f
には、合成樹脂製の先羽根用駆動部材14と、ラチェッ
ト車15とが、回転可能に取り付けられている。そし
て、先羽根用駆動部材14には、軸1fに嵌合する筒部
14aのほか、駆動ピン14b,取付部14c,被押動
部14d,摺接面14eが形成されている。また、ラチ
ェット車15は、その周面に形成されている歯部に、上
記した爪部8aが係合し、一方方向への回転を阻止され
るようになっている。更に、先羽根用駆動ばね16が、
筒部14aに嵌装されており、その一端を取付部14c
に掛け、他端をラチェット車15に掛けて、先羽根用駆
動部材14を、被写体側から見て反時計方向へ回転させ
るように付勢している。そして、その付勢力は、ラチェ
ット車15と爪部8aの係合位置を変えることによって
調整できるようになっている。
【0023】先羽根用駆動部材14の駆動ピン14b
は、断面形状が円形であるが、根元部よりも先端部の方
が直径が小さく、その先端部を、先羽根群4のアーム4
aに形成された長孔に嵌合させている。従って、図1に
おいては、アーム4a,4bに枢支された4枚の羽根が
重畳状態となって、開口部1aの上方位置に格納されて
いることになるが、先羽根用駆動部材14が被写体側か
ら見て時計方向へ回転し、その駆動ピン14bによって
アーム4aが同じく時計方向へ回転された場合には、4
枚の羽根は、相互の重なりを少なくしつつ左下方へ作動
し、展開状態となって開口部1aを覆うようになってい
る。また、その後、露光作動時に、先羽根用駆動部材1
4が反時計方向へ回転された場合には、上記とは反対
に、アーム4aが同方向に回転され、図1の状態に戻る
ようになっている。
【0024】また、先羽根用駆動部材14の表面側に隆
起させて形成した取付部14cには、鉄片部材17が取
り付けられている。図4の断面図から分かるように、こ
の鉄片部材17は、鉄片部17a,軸部17b,頭部1
7cから構成されている。そして、取付部14cに形成
された孔に嵌合されている軸部17bが、軸方向に移動
することによって、取付部14cに対して相対位置を変
え得るようになっている。また、取付部14cの内部に
おいて、取付部14cと鉄片部17aとの間に圧縮ばね
18を介在させており、その付勢力は、頭部17cを取
付部14cに接触させ、鉄片部17aを取付部14cの
外部へ押し出すように働いている。そして、鉄片部17
aは、外部へ押し出されている面を、上記した鉄芯12
aに対する被吸着面としている。
【0025】次に、シャッタ地板1の表面側において、
軸1gに取り付けられている部材の構成を説明するが、
その構成は、軸1fに取り付けられている部材の構成と
実質的に同じである。従って、上記の場合よりも簡略化
して説明する。合成樹脂製の後羽根用駆動部材19に
は、軸1gに回転可能に嵌合する筒部19aのほか、駆
動ピン19b,取付部19c,被押動部19d,摺接面
19eが形成されている。また、軸1gに回転可能に嵌
合しているラチェット車20は、その周面に形成された
歯部を爪部8bに係合させている。後羽根用駆動ばね2
1は、取付部19cとラチェット車20の間に掛けられ
ていて、後羽根用駆動部材19を、被写体側から見て反
時計方向へ回転させるように付勢しており、その付勢力
は、ラチェット車20を回転操作することによって調整
できるようになっている。
【0026】後羽根用駆動部材19の駆動ピン19b
は、上記した駆動ピン14bと同じ形状をしていて、そ
の先端部を、後羽根群5のアーム5aに形成された長孔
に嵌合させている。従って、図1においては、4枚の羽
根が展開状態となって、開口部1aを覆っているが、後
羽根用駆動部材19が被写体側から見て時計方向へ回転
すると、駆動ピン19bによってアーム5aも同じ方向
へ回転され、4枚の羽根は、相互の重なりを大きくしつ
つ左下方へ作動し、重畳状態となって開口部1aの下方
位置に格納されるようになっている。また、その後、露
光作動時に、後羽根用駆動部材19が反時計方向へ回転
された場合には、図1に示した展開状態に戻るようにな
っている。
【0027】また、後羽根用駆動部材19の取付部19
cには、鉄片部材22が取り付けられている。図4から
分かるように、この鉄片部材22は、鉄片部22a,軸
部22b,頭部22cから構成され、軸部22bが、軸
方向に移動することによって、取付部19cに対して相
対位置を変え得るようになっている。また、取付部19
cの内部には、取付部19cと鉄片部22aとの間に、
圧縮ばね23を介在させており、鉄片部22aを取付部
19cの外部へ押し出すように付勢させている。そし
て、鉄片部22aは、外部へ押し出されている面を、鉄
芯13aに対する被吸着面としている。
【0028】次に、シャッタ地板1の軸1hには、シャ
ッタ地板1側から制動部材24とセット部材25とが、
個別に回転し得るようにして取り付けられている。この
うち、制動部材24は、図示していないばねによって、
図1において反時計方向へ回転するように付勢されてお
り、その回転をストッパピン1iによって阻止されるよ
うになっている。また、この制動部材24は、図4に示
すようにワッシャ26と重ねて軸1hに取り付けられて
おり、二つの腕部24a,24bは弾性を有し、図4に
おいて左右方向へ撓み得るようになっている。そして、
各腕部24a,24bの先端には半球状の摺接部24a
1 ,24b1 が設けられていて、各駆動部材14,19
の摺接面14e,19eに接し得るようになっている。
【0029】また、セット部材25は合成樹脂製であっ
て、軸1hに回転可能に嵌合する筒部25aのほか、押
動部25b,25c、被押動部25dが形成されてお
り、また、被押動部25dの背面側にはピン25eが、
押動部25bの背面側にはピン25f(図4参照)が形
成されている。そして、押動部25bは先羽根用駆動部
材14の被押動部14dを押す部位であり、押動部25
cは後羽根用駆動部材19の被押動部19dを押す部位
である。また、被押動部25dは、図示していないカメ
ラ本体側の部材によって押される部位であり、ピン25
fは、制動部材24の腕部24aを押す部位である。更
に、このセット部材25は、ばね27によって、図1に
おいて時計方向へ回転するように付勢されているが、そ
の回転は、ピン25eが長孔1eの下方の端面に当接す
ることによって停止されるようになっている。以下、セ
ット部材25については、この停止位置を、初期位置と
いうことにする。
【0030】次に、本実施例の作動を図1〜図5を用い
て説明する。図1は露光作動終了直後の状態を示してい
るが、この状態においては、上記したように、先羽根群
4の4枚の羽根は重畳状態となって開口部1aの上方位
置に格納され、後羽根群5の4枚の羽根は展開状態とな
って開口部1aを覆っている。そして、この状態におけ
る要部の構成が図2に示されている。この図2から分か
るように、この状態においては、セット部材25は初期
位置にあり、ピン25fが腕部24aを押し、制動部材
24を、図示していないばねの付勢力に抗して、時計方
向へ回転させている。
【0031】また、二つの鉄片部材17,22は、鉄片
部17a,22aが鉄芯12a,13aから離れている
ため、圧縮ばね18,23の付勢力によって、頭部17
c,22cが取付部14c,19cに接触した状態にあ
る。また、このとき、各駆動部材14,19の駆動ピン
14b,19bは、図1に示した長孔1c,1dの上端
部に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接
している。尚、図1においては、各駆動部材14,19
の全体形状を分かり易くするために、各駆動部材14,
19を、実際よりも時計方向へ回転させた姿勢状態で示
している。
【0032】このような図1及び図2に示した状態から
セット作動が行われるが、そのセット作動は、セット部
材25を初期位置から反時計方向へ回転させることによ
って行われる。即ち、図2において、図示していないカ
メラ本体側の部材が被押動部25dを押し、ばね27
(図1参照)の付勢力に抗してセット部材25を反時計
方向へ回転させると、制動部材24が、図示していない
ばねの付勢力によって追従し、腕部24bがストッパピ
ン1iに当接するまで反時計方向へ回転される。
【0033】他方、セット部材25は、押動部25bに
よって先羽根用駆動部材14の被押動部14dを押し、
先羽根用駆動部材14を、先羽根用駆動ばね16の付勢
力に抗して時計方向へ回転させる。それによって、先羽
根群4の4枚の羽根が展開されていくが、そのスリット
形成羽根と、後羽根群5のスリット形成羽根との重なり
が所定量に達すると、セット部材25の押動部25cが
後羽根用駆動部材19の被押動部19dを押し始めるこ
とになる。そのため、その後は、後羽根用駆動部材19
も、後羽根用駆動ばね21の付勢力に抗して時計方向へ
回転され、後羽根群5の4枚の羽根が重畳されていくこ
とになる。
【0034】その後、しばらくしてから、先羽根用駆動
部材14は、その摺接面14eが制動部材24の摺接部
24a1 を押し、腕部24aを撓ませ、後羽根用駆動部
材19は、その摺接面19eが制動部材24の摺接部2
4b1 を押し、腕部24bを撓ませるようになる。そし
て、先羽根群4の4枚の羽根が開口部1aを覆った状態
になると、先ず、先羽根用駆動部材14に取り付けられ
ている鉄片部材17の鉄片部17aが鉄芯12aに接触
し、以後、先羽根用駆動部材14は、圧縮ばね18を緊
張させていくことになる。従って、先羽根用駆動ばね1
6については、以後、オーバーチャージされていくこと
になる。
【0035】このように、先羽根用駆動ばね16がオー
バーチャージ状態となった直後に、今度は後羽根用駆動
部材19に取り付けられている鉄片部材22の鉄片部2
2aが鉄芯13aに接触し、その瞬間から、後羽根用駆
動部材19は圧縮ばね23を緊張させ、且つ後羽根用駆
動ばね21をオーバーチャージさせていく。そして、セ
ット部材25の回転が停止し、セットの完了した状態が
図3及び図4に示されている。このセット状態において
は、圧縮ばね18,23が緊張されているので、鉄片部
材17,22の鉄片部17a,22aは取付部14c,
19c内に押し込まれ、頭部17c,22cは取付部1
4c,19cから離れ、軸部17b,22bの一部が取
付部14c,19c内から露出されている。
【0036】次に、露光作動について説明する。撮影に
際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、
二つの電磁石12,13のコイル12b,13bに通電
され、各駆動部材14,19に取り付けられた鉄片部材
17,22の鉄片部17a,22aが、鉄芯12a,1
3aに吸着される。その後、図示していないカメラ本体
側の部材がセット部材25の被押動部25dから退いて
いくので、セット部材25は、それに追従し、ばね27
の付勢力によって時計方向へ回転され、初期位置への復
帰作動を開始する。そして、その復帰作動の初期段階に
おいては、各駆動部材14,19は、各駆動ばね16,
21の付勢力と、緊張されている圧縮ばね18,23の
付勢力によって、取付部14c,19cが鉄片部材1
7,22の頭部17c,22cに当接し停止されるま
で、反時計方向に回転されていく。そして、その停止し
た位置が、各駆動部材14,19の露光作動開始位置と
いうことになる。
【0037】ところで、上記のようにして各駆動部材1
4,19がセット位置から露光作動開始位置に達したと
き、取付部14c,19cが鉄片部材17,22の頭部
17c,22cに当接するので、その強い衝撃力によっ
て、鉄片部17a,22aが鉄芯12a,13aから離
脱してしまうことがある。そこで、従来は、鉄片部材1
7,22を単に吸着保持しておくだけに必要な電力を供
給するだけでは足りず、そのような衝撃力にも耐え得る
ようにするために、可成り大きな電力を各電磁石12,
13のコイル12b,13bへ供給していた。
【0038】ところが、本実施例においては、各駆動部
材14,19がセット位置から露光作動開始位置に達す
るまで、それらの摺接面14e,19eに、制動部材2
4の摺接部24a1 ,24b1 が常に接触しているか
ら、腕部24a,24bの弾性による摩擦抵抗力が生
じ、各駆動部材14,19の作動が制動されることにな
る。そのため、上記の衝撃力は可成り小さいものとな
る。従って、本実施例の構成によれば、各電磁石12,
13への供給電力を従来のように大きくしなくても、各
駆動部材14,19を露光作動開始位置で確実に停止さ
せることが可能になる。尚、本実施例の制動部材24
は、材質を問わないが、安定した性能が得られ、且つ弾
性力の調整が行い易いという点では、金属製の板ばねを
採用するのが好ましい。
【0039】このようにして、各駆動部材14,19が
露光作動開始位置で確実に停止された後、セット部材2
5は、なおも時計方向へ回転するが、その復帰作動の最
終段階になると、ピン25fが腕部24aを押し、制動
部材24を、図示していないばねの付勢力に抗して時計
方向へ回転させる。そのため、制動部材24の摺接部2
4a1 ,24b1 が、各駆動部材14,19の摺接面1
4e,19eから離れ、各駆動部材14,19は制動部
材24によって制動されることのない状態になる。この
ような過程を経て、セット部材25が初期位置に復帰し
た状態が図5に示されている。
【0040】その後、先ず、先羽根用電磁石12のコイ
ル12bへの通電が断たれると、先羽根用駆動部材14
は、先羽根用駆動ばね16の付勢力によって、反時計方
向へ急速に回転させられる。そのため、先羽根用駆動部
材14は、その駆動ピン14bにより、アーム4aを反
時計方向へ回転させ、先羽根群4の4枚の羽根を重畳さ
せつつ図1において右上方へ走行させていくが、その先
羽根用駆動部材14の回転は、駆動ピン14aが、長孔
1cの上端面に取り付けられた図示していない緩衝部材
に当接することによって停止する。そして、そのときに
は、先羽根群4の4枚の羽根は、重畳状態となり、開口
部1aの上方位置に格納された状態となる。
【0041】他方、先羽根群4の露光走行が開始されて
から所定時間が経過すると、今度は、後羽根用電磁石1
3のコイル13bへの通電が断たれ、後羽根用駆動部材
19が、後羽根用駆動ばね21の付勢力によって、反時
計方向へ急速に回転させられる。そのため、後羽根用駆
動部材19は、駆動ピン19bによってアーム5aを反
時計方向へ回転させ、後羽根群5の4枚の羽根を展開さ
せつつ図1において右上方へ走行させるが、その後羽根
用駆動部材19の回転は、駆動ピン19bが、長孔1d
の上端面に取り付けられた図示していない緩衝部材に当
接することによって停止する。そして、そのときには、
後羽根群5の4枚の羽根は、展開状態となり、開口部1
aを完全に覆っており、図1及び図2に示された状態に
復帰したことになる。
【0042】尚、本実施例においては、制動部材24
を、セット部材25と同じ軸1hに取り付けているが、
異なる軸に取り付けるようにしても差し支えない。ま
た、本実施例においては、一つの制動部材24によっ
て、二つの駆動部材14,19を制動しているが、制動
部材24を二つに分け、二つの駆動部材14,19を個
々に制動するようにしても差し支えない。また、駆動部
材14,19の一方だけを制動するようにしても差し支
えない。更に、本実施例においては、セット部材25
が、その初期位置へ復帰する直前に、制動部材24を駆
動部材14,19から逃がすようにしているが、セット
部材25を操作するための上記した図示していないカメ
ラ本体側の部材、又はその部材に連動する他の部材によ
って逃がすようにしても差し支えない。
【0043】〔第2実施例〕次に、図6〜図9を用いて
第2実施例を説明する。図6は露光作動終了直後の状態
を示した平面図であり、図7はセット状態を示した平面
図である。また、図8はセット状態における断面図であ
り、図9は各駆動部材が露光作動開始位置にある状態を
示した平面図である。尚、各図は本実施例の要部だけを
示したものであって、全体構成については示していない
が、これらの図面に示していない構成については、第1
実施例の説明に用いた図1に準じるものとする。
【0044】先ず、本実施例の構成を図7及び図8を用
いて説明するが、本実施例の場合には、セット部材25
の形状が、第1実施例の場合と一部異なっており、ま
た、第1実施例における制動部材24を設けずに、別の
制動手段を設けている。従って、それらの異なっている
構成についてのみ説明することとし、第1実施例の場合
と全く同じ部材,部位については、同じ符号を付け、説
明を省略する。
【0045】本実施例におけるシャッタ地板1は合成樹
脂製であって、軸1hは一体的に成形されている。セッ
ト部材25には、第1実施例の場合と同様に、軸1hに
回転可能に嵌合させた筒部25aのほか、押動部25
b,25c、被押動部25dが形成されている。また、
被押動部25dの背面側にはピン25eが形成されてい
るが、図4に示されていたようなピン25fは形成され
ていない。その代わり、セット部材25の背面側には、
二つの突起部25g,25hが形成されている。そし
て、それらの突起部25g,25hの先端面には、夫々
図7において断面を示したように、セット部材25の回
転方向に沿って斜面25g1 ,25h1 が形成されてい
る。
【0046】上記したように、シャッタ地板1は合成樹
脂製であって、成形加工のために必要な孔1j,1kを
設けて、腕部1m,1nを一体的に成形している。図8
に示すように、これらの二つの腕部1m,1nは折曲形
状をしていて弾性を有しており、図8において左右方向
へ撓み得るようになっている。そして、各腕部1m,1
nの先端には半球状の摺接部1m1 ,1n1 が設けられ
ていて、各駆動部材14,19の摺接面14e,19e
に接し得るようになっている。また、本実施例において
は、第1実施例のように、シャッタ地板1にストッパピ
ン1iが設けられていない。その他の構成は、第1実施
例の場合と全く同じである。
【0047】次に、図6〜図9を用いて本実施例の作動
を説明するが、第1実施例の場合と共通するところにつ
いては、重複を避けるため、一部省略したり簡略化した
りして説明する。図6は露光作動終了直後の状態を示し
ている。この状態においては、先羽根群4の4枚の羽根
は重畳状態となっており、後羽根群5の4枚の羽根が展
開状態となって開口部1aを覆っている。また、セット
部材25は初期位置にあり、突起部25g,25hが斜
面25g1 ,25h1 によって腕部1m,1nをシャッ
タ地板1の表面方向に撓ませている。
【0048】このようような図6の状態からセット作動
が行われる。図示していないカメラ本体側の部材が被押
動部25dを押し、ばね27(図1参照)の付勢力に抗
してセット部材25を反時計方向へ回転させると、突起
部25g,25hが移動するから、腕部1m,1nは、
自己の弾性によって、図8に一点鎖線で示した状態に復
帰する。他方、セット部材25は、押動部25bによっ
て先羽根用駆動部材14の被押動部14dを押し、先羽
根用駆動部材14を、先羽根用駆動ばね16(図1参
照)の付勢力に抗して時計方向へ回転させ、続いて、押
動部25cが後羽根用駆動部材19の被押動部19dを
押し、後羽根用駆動部材19を、後羽根用駆動ばね21
(図1参照)の付勢力に抗して時計方向へ回転させる。
そのため、先羽根群4の4枚の羽根(図1参照)は展開
されてゆき、後羽根群5の4枚の羽根(図1参照)は重
畳されていく。
【0049】その後、先羽根用駆動部材14は、その摺
接面14eが摺接部1m1 を押して、腕部1mを撓ま
せ、後羽根用駆動部材19は、その摺接面19eが摺接
部1n 1 を押して、腕部1nを撓ませる。そして、先羽
根群4の4枚の羽根が開口部1aを覆った状態になる
と、先ず、先羽根用駆動部材14が、鉄片部材17の鉄
片部17aを鉄芯12aに接触させ、圧縮ばね18を緊
張させていく。その直後に、今度は後羽根用駆動部材1
9が、鉄片部材22の鉄片部22aを鉄芯13aに接触
させ、圧縮ばね23を緊張させていく。その後、セット
部材25の回転が停止し、セット作動の完了した状態
が、図7及び図8に示された状態である。そして、この
セット状態においては、各駆動ばね16,21はオーバ
ーチャージ状態になっており、鉄片部材17,22の頭
部17c,22cは、取付部14c,19cから離れて
いる。
【0050】次に、撮影に際して、カメラのレリーズボ
タンが押されると、先ず、二つの電磁石12,13のコ
イル12b,13b(図1参照)に通電され、鉄片部材
17,22の鉄片部17a,22aが、鉄芯12a,1
3aに吸着される。その後、図示していないカメラ本体
側の部材に追従して、セット部材25が、ばね27(図
1参照)の付勢力によって時計方向へ回転され、初期位
置への復帰作動を行うが、その初期段階においては、各
駆動部材14,19が、各駆動ばね16,21の付勢力
と各圧縮ばね18,22の付勢力によって、取付部14
c,19cが鉄片部材17,22の頭部17c,22c
に当接するまで、即ち露光作動開始位置に達するまで追
従していく。
【0051】本実施例においては、このようにして、各
駆動部材14,19が露光作動開始位置に達するまで、
それらの摺接面14e,19eに、腕部1m,1nの摺
接部1m1 ,1n1 が常に接触しているから、腕部1
m,1nの弾性による摩擦抵抗力によって、各駆動部材
14,19の作動が制動されることになる。そのため、
取付部14c,19cが鉄片部材17,22の頭部17
c,22cに当接するときの衝撃力は可成り小さいもの
となる。従って、本実施例の場合にも、従来のように各
電磁石12,13への供給電力を大きくすることなく、
各駆動部材14,19を露光作動開始位置で確実に停止
させることができる。
【0052】このようにして、各駆動部材14,19が
露光作動開始位置で停止された後、セット部材25は、
なおも時計方向へ回転するが、その復帰作動の最終段階
になると、突起部25g,25hが、それらの斜面25
1 ,25h1 で腕部1m,1nを押してゆき、摺接部
1m1 ,1n1 を、各駆動部材14,19の摺接面14
e,19eから離すことになる。このようにして、セッ
ト部材25が初期位置に復帰した状態が、図9に示され
た状態である。
【0053】その後は、先ず、先羽根用電磁石12のコ
イル12bへの通電が断たれ、次に、後羽根用電磁石1
3のコイル13bへの通電が断たれることによって、各
駆動部材14,19が、各駆動ばね16,21の付勢力
によって順次回転され、先羽根群4と後羽根群5を露光
走行させることになるが、その作動説明は、第1実施例
の場合と全く同じであるので省略する。そして、その作
動が終了したときの状態が、図6に示された状態という
ことになる。尚、本実施例においては、二つの腕部1
m,1nを形成しているが、本発明は、どちらか一方だ
けにすることを妨げるものではない。また、第1実施例
の場合と同様に、腕部1m,1nの変形を、セット部材
25によって行わせるものに限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】上記のように、本発明は、ダイレクトタ
イプのカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、駆
動部材が、セット位置から作動して露光作動開始位置で
停止するまで、弾性を有する制動手段との間に生ずる摩
擦抵抗力によって制動されるので、駆動部材が露光作動
開始位置に達したときの衝撃力を小さくすることがで
き、電磁石に対する供給電力を従来のように大きくしな
くても、駆動部材を露光作動開始位置で確実に保持させ
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成を示す分解斜視図である。
【図2】露光作動終了直後の状態を示した第1実施例の
要部平面図である。
【図3】セット状態を示した第1実施例の要部平面図で
ある。
【図4】セット状態における第1実施例の要部断面図で
ある。
【図5】各駆動部材が露光作動開始位置にある状態を示
した第1実施例の要部平面図である。
【図6】露光作動終了直後の状態を示した第2実施例の
要部平面図である。
【図7】セット状態を示した第2実施例の要部平面図で
ある。
【図8】セット状態における第2実施例の要部断面図で
ある。
【図9】各駆動部材が露光作動開始位置にある状態を示
した第2実施例の要部平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a,2a,3a 開口部 1b,1f,1g,1h 軸 1c,1d,1e 長孔 1i ストッパピン 1j,1k 孔 1m,1n,24a,24b 腕部 1m1 ,1n1 ,24a1 ,24b1 摺接部 2 中間板 3 補助地板 4 先羽根群 4a,4b,5a,5b アーム 5 後羽根群 6 羽根押さえ板 7,10,11 ビス 8 支持板 8a,8b 爪部 9 プリント配線板 12 先羽根用電磁石 12a,13a 鉄芯 12b,13b コイル 13 後羽根用電磁石 14 先羽根用駆動部材 14a,19a,25a 筒部 14b,19b 駆動ピン 14c,19c 取付部 14d,19d,25d 被押動部 14e,19e 摺接面 15,20 ラチェット車 16 先羽根用駆動ばね 17,22 鉄片部材 17a,22a 鉄片部 17b,22b 軸部 17c,22c 頭部 18,23 圧縮ばね 19 後羽根用駆動部材 21 後羽根用駆動ばね 24 制動部材 25 セット部材 25b,25c 押動部 25e,25f ピン 25g,25h 突起部 25g1 ,25h1 斜面 26 ワッシャ 27 ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電時には夫々の鉄芯に吸着力を付与さ
    れている二つの電磁石と、レリーズ時に夫々の駆動ばね
    の付勢力によって先ずセット位置から露光作動開始位置
    まで作動され前記各電磁石への通電が断たれたとき更に
    同方向に作動されて先羽根群及び後羽根群に露光走行を
    行わせる先羽根用駆動部材及び後羽根用駆動部材と、前
    記各駆動部材に相対位置関係を変え得るようにして取り
    付けられ前記各鉄芯に吸着されているとき前記各駆動部
    材が前記露光作動開始位置に保持され得るようにした二
    つの鉄片部材と、前記各駆動部材と前記各鉄片部材の間
    に介在しセット時において前記各鉄片部材が前記各鉄芯
    に接触してから緊張され前記相対位置関係が変わり得る
    ようにする二つのばねと、セット時には初期位置から始
    動し前記各鉄片部材が前記各鉄芯に接触した後も前記各
    駆動ばねを緊張させて前記各駆動部材をセット位置へ作
    動させレリーズ時には初期位置への復帰過程において前
    記各駆動部材に前記露光作動開始位置への作動を可能に
    するセット部材と、レリーズ時において前記各駆動部材
    が前記露光作動開始位置で停止されるまで少なくとも一
    方の駆動部材に接触しその弾性によって制動を加えるよ
    うにした制動手段とを備えていることを特徴とするカメ
    ラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 【請求項2】 前記制動手段は、セット時には前記セッ
    ト部材によって前記駆動部材に接触を可能にされ、レリ
    ーズ時には前記セット部材が初期位置へ復帰する直前に
    前記セット部材によって前記接触を解かれるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカル
    プレンシャッタ。
  3. 【請求項3】 前記各駆動部材が、合成樹脂製の地板に
    取り付けられており、前記制動手段が、一体成形によっ
    て前記地板に形成された弾性片であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャ
    ッタ。
  4. 【請求項4】 前記セット部材が往復回動する部材であ
    って、前記制動手段が前記セット部材の回動軸に取り付
    けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    カメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 【請求項5】 前記制動手段が板ばね部材であることを
    特徴とする請求項4に記載のカメラ用フォーカルプレン
    シャッタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011095687A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Canon Inc フォーカルプレンシャッタ装置および撮像装置
CN102621770A (zh) * 2011-01-31 2012-08-01 日本电产科宝株式会社 相机用焦面快门

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