JP2004138690A - デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ Download PDF

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Abstract

【課題】ノーマリークローズ方式で作動させる場合に好適なデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供すること。
【解決手段】第1シャッタ羽根は、二つのアーム8,9と3枚の羽根10〜12で構成され、モータ20の往復回転によって開閉作動を行う。第2シャッタ羽根は、二つのアーム15,16と3枚の羽根17〜19で構成され、駆動部材6がセット部材7によって駆動ばねに抗して回転されたとき開放作動を行い、駆動ばねによって回転されたとき閉鎖作動を行う。この構成により、シャッタユニットが大型化せず、ノーマリークローズ方式で作動させる場合には、第1シャッタ羽根が開放作動を終了して静止するのを待たずに第2シャッタ羽根の閉鎖作動が行えるので、露光時間が短くても、露光むらやスミア現象の発生を抑制でき、しかも、シャッタチャンスを逸するおそれも少なくなり、連写も好適に行えるようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板と補助地板の間を中間板で仕切って二つの羽根室を構成し、それらの羽根室に、先羽根,後羽根などと称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置し、撮影に際しては、それらのシャッタ羽根によって形成されるスリットが、方形をした撮像面を連続的に露光していくようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、デジタルスチルカメラの中には、光学ファインダだけを備えたもの、電子ファインダ(モニターをファインダとしたもの)だけを備えたもの、それらの両方を備えたものがある。そのため、この種のシャッタにおいては、ノーマリーオープン方式で作動させるものと、ノーマリークローズ方式で作動させるものとがあり、その作動方式の違いにより、構成も異なっている。
【0003】
また、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板と補助地板の間に一つの羽根室を構成し、その羽根室に一つのシャッタ羽根を配置したものがある(例えば、特許文献2参照)。そして、この種のシャッタには、撮影終了後に、シャッタ羽根によって単に撮影光路を一時的に閉鎖するようにしたものと、シャッタ羽根の閉鎖作動によって撮影のための露光を終了させるようにしたものとがある。そして、それらの何れの場合にも、ノーマリーオープン方式で作動させるものと、ノーマリークローズ方式で作動させるものとがある。
【0004】
また、上記のように、シャッタ羽根を二つ備えているフォーカルプレンシャッタであっても、一つしか備えていないフォーカルプレンシャッタであっても、個々のシャッタ羽根は実質的に同じ構成をしており、シャッタ地板に枢着された複数のアームと、それらのアームの夫々に枢支された複数枚の羽根とで構成され、アームが所定の角度範囲で往復回転させられると、複数枚の羽根が、展開状態となって撮影光路用開口部を閉鎖している位置と、重畳状態となって撮影光路用開口部から退いている位置との間を作動するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−162669号公報
【特許文献2】
特開2002−40513号公報(第3−5頁、図1−5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されているタイプのフォーカルプレンシャッタは、二つのシャッタ羽根によって形成したスリットを、カメラを通常に構えた状態で上から下へ、又は下から上へ移動させて露光作動を行う(特許文献1の実施例は後者)ようにしている。即ち、このとき、先羽根は、複数枚の羽根を展開させて撮影光路用開口部を閉鎖している位置から、複数枚の羽根を重畳させながら撮影光路用開口部から退いた格納位置へ作動し、後羽根は、複数枚の羽根を重畳させて撮影光路用開口部から退いている格納位置から、複数枚の羽根を展開させながら撮影光路用開口部を完全に閉鎖した位置まで作動することになる。そのため、このタイプのフォーカルプレンシャッタは、撮影光路用開口部の上下両方の位置に、シャッタ羽根を格納するためのスペースが必要となる。
【0007】
これに対し、特許文献2に記載されているような一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタは、上記のようなスリットを用いた撮影は行えないが、その一つのシャッタ羽根が、複数枚の羽根によって撮影光路用開口部を閉鎖している位置と、撮影光路用開口部から完全に退いている格納位置との間で作動するだけなので、重畳された複数枚の羽根を格納するスペースは、撮影光路用開口部の上下いずれか一方にだけ設ければよく、上記のような二つのシャッタ羽根で撮影時にスリットを形成するものよりもシャッタユニットが小型化され、カメラの設計に自由度が増すという利点がある。
【0008】
ところで、このようにスリットを用いないで撮影を行うフォーカルプレンシャッタの場合は、シャッタ羽根の作動速度が速ければ速いほど有利になるはずである。即ち、撮影光路用開口部の閉鎖速度が速くなると、シャッタ羽根の閉鎖によって撮影のための露光を終了させるカメラの場合は、撮像面の露光むらが少なくなるし、他方、撮影終了後に、撮像情報を記憶装置に転送するだけの目的で閉鎖するようにしたカメラの場合は、スミア現象の発生を抑制することができるようになるはずである。また、それらのいずれの場合にも、撮影光路用開口部の開放作動の開始時機を早めることができるので、次の撮影を早く開始させることが可能となって、好適な連写画像が得られるようになるはずである。他方、撮影光路用開口部の開放速度が速くなると、ノーマリークローズ方式の作動を行う場合には、レリーズボタンを押してから撮影のための露光が開始するまでの時間が短くなり、被写体が動いていても撮影者が意図した瞬間に近い時点での撮影が可能になるはずである。また、作動方式の違いに関係なく、次の撮影を早く開始させることが可能となって、好適な連写画像が得られるようになるはずである。
【0009】
しかしながら、上記の特許文献2に記載されているような一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの場合には、シャッタ羽根の作動速度を速くすると、実際には、別の好ましからざる問題が生じ、上記したような全ての有利性を得ることが困難になってしまう。特に、シャッタ羽根を高速で作動させた場合には、停止時における衝撃が大きくなってバウンド等の激しい動きを伴うことになり、静止するまでの時間が長くなってしまうことが問題であり、そのことが、ノーマリークローズ方式で作動させる場合の大きな障害となってしまう。そこで、そのことを具体的に説明する。
【0010】
ノーマリークローズ方式で作動させるときは、撮影前には、シャッタ羽根は、撮影光路用開口部を閉鎖している。撮影に際してレリーズボタンが押されると、シャッタ羽根は、先ず、開放作動を行う。その場合、その開放速度を高速で行わせると、停止時にはバウンド等の激しい動きを伴い、静止するまでには時間が長くかかってしまう。そのため、その動きがおさまるまでは、撮影のための露光(実際の撮影)を開始させることができない。何故ならば、露光時間は、例えば1/6000秒程度の場合もあるので、撮影のための露光を終了させる時点では、未だシャッタ羽根が静止していないことがあるからである。そして、もし、静止しないうちに閉鎖作動を開始させた場合には、バウンド等の激しい動きが不規則であることから、閉鎖作動に安定性を欠いたり、シャッタ羽根や駆動手段の耐久性に影響を及ぼしてしまうからである。従って、撮影光路用開口部の開放を開始させてから撮影のための露光を開始するまでの時間は、理論的には短縮できるはずであっても実際には難しいということになる。
【0011】
また、シャッタ羽根は、上記したように、撮影のための露光を終了させるときか、終了させた直後に、閉鎖作動を開始することになるが、その閉鎖作動を高速で行わせると、撮影光路用開口部を閉鎖してから停止するとき、バウンド等の激しい動きを伴い、静止するまでの時間が長くかかってしまう。この時間は、撮像情報を記憶装置へ転送する時間よりもはるかに長い。そのため、記憶装置へ転送し終わっても直ぐには開き作動を開始することができず、シャッタ羽根の閉鎖速度を速くしたにもかかわらず、撮影光路用開口部を閉鎖し始めてから開放作動を開始するまでの時間は短縮することができない。従って、撮影光路用開口部を閉鎖してから開放作動を行わせるまでの時間は、理論的には短縮できるはずでも、実際には難しい。このことから、ノーマリークローズ方式で作動させる場合には、シャッタ羽根の作動速度を速くすれば、露光むらの問題やスミア現象の問題は改善されるが、撮影者が意図した瞬間に近い時点での撮影を可能にしたり、好適な連写画像が得られるようにすることはできない。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、方形の撮影光路用開口部を形成する四辺のうち一辺の外側にだけ、シャッタ羽根の複数枚の羽根を格納するスペースを設けるようにしたフォーカルプレンシャッタにおいて、露光むらの問題やスミア現象の問題を改善できると共に、ノーマリークローズ方式の作動に際し、被写体が動いていても撮影者が意図した瞬間に近い時点での撮影を可能にし、且つ撮影サイクルを短くして好適な連写画像が得られるようにしたデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタは、両者の間を中間板で仕切られて二つの羽根室を構成し該中間板を含めた三者の各々に形成されている開口部の少なくとも一つによって方形をした撮影光路用開口部を形成している二つの地板と、前記羽根室の一方に配置されており前記二つの地板の一方に各々枢着された複数のアームとそれらに枢支された複数枚の羽根とで構成されていて前記撮影光路用開口部から退いて該複数枚の羽根を重畳させている第1位置と該複数枚の羽根を展開させて前記撮影光路用開口部を覆っている第2位置との間で作動する第1シャッタ羽根と、前記羽根室の他方に配置されており前記二つの地板の一方に各々枢着された複数のアームとそれらに枢支された複数枚の羽根とで構成されていて前記撮影光路用開口部から前記第1シャッタ羽根と同一方向へ退いて該複数枚の羽根を重畳させている第1位置と該複数枚の羽根を展開させて前記撮影光路用開口部を覆っている第2位置との間で作動する第2シャッタ羽根と、前記羽根室外において前記二つの地板の何れか一方に取り付けられており前記第1シャッタ羽根を往復作動させるために前記第1シャッタ羽根のアームの一つに連結されている第1駆動手段と、前記羽根室外において前記二つの地板の何れか一方に取り付けられており前記第2シャッタ羽根を往復作動させるために前記第2シャッタ羽根のアームの一つに連結されている第2駆動手段と、を備えているようにする。
【0014】
また、本発明のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記第1シャッタ羽根と前記第2シャッタ羽根とが、二つずつのアームを有していて、前記第1シャッタ羽根は、一方のアームを、前記第2シャッタ羽根の一方のアームと同一軸に枢着し、他方のアームを、前記第2シャッタ羽根の他方のアームと同一軸に枢着しているようにすると、コストとコンパクト性の面で有利になる。
【0015】
また、本発明のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記第1駆動手段は、正逆転可能なモータであり、前記第2駆動手段は、正方向へは、駆動ばねの付勢力によって回転され、逆方向へは、初期位置から作動するセット部材により該駆動ばねの付勢力に抗してセット位置まで回転される駆動部材であり、前記第2シャッタ羽根は、該駆動部材の正方向の回転によって第1位置から第2位置へ作動させられるようにすると、シャッタ羽根の閉鎖によって撮影のための露光を終了させるカメラの場合は、撮像面の露光むらが少なくなり、撮影終了後に閉鎖するようにしたカメラの場合は、スミア現象の発生を抑制できるようになる。
【0016】
更に、その場合、前記モータの非通電状態で前記第1シャッタ羽根が第1位置を維持し、且つ前記セット部材が前記駆動部材の正方向の回転を阻止した状態で前記第2シャッタ羽根が第1位置を維持できるようにすると、動画撮影も行えるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。本実施例は、ノーマリークローズ方式で作動させるのに好適なフォーカルプレンシャッタである。しかしながら、ノーマリーオープン方式で作動させることも可能であるため、本実施例のフォーカルプレンシャッタを採用したカメラは、二つの作動方式を選択して撮影することができる仕様にすることが可能である。尚、図1は、ノーマリークローズ方式で撮影する場合のセット状態を示した平面図であり、図2は、その図1の背面図である。また、図3は、カメラのレリーズにより、図1の状態から第1シャッタ羽根が撮影光路用開口部を全開にした状態を示す平面図であり、図4は、図3の状態から第2シャッタ羽根が撮影光路用開口部を閉鎖した状態を示す平面図である。更に、図5は、ノーマリーオープン方式で撮影する場合のセット状態を示した平面図である。また、本実施例の構成を説明するに際しては、カメラに組み込まれた状態において、撮影レンズ側を表面側と称し、固体撮像素子側を背面側と称することにする。
【0018】
そこで、先ず、本実施例の構成を説明する。図1に示すように、シャッタ地板1は、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aを形成している。また、開口部1aの斜め左下側には、円弧状の長孔1bが形成されており、その長孔1bの上端部には、平面形状がC字状をしている周知のゴム製の緩衝部材2が取り付けられている。更に、シャッタ地板1の表面側には、軸1c,1dが立設され、背面側には、軸1eが立設されているが、それらのうち、軸1cは、シャッタ地板1を突き抜けて背面側にも立設された構成になっている。また、図示していないが、軸1c,1dのほかにも少なくとも一つの軸が立設されていて、それらの先端には、支持板が取り付けられている。そして、その支持板には、シャッタ地板1側の面に電磁石が取り付けられているが、図面を見やすくするために、電磁石の鉄芯3だけを一点鎖線で示している。
【0019】
シャッタ地板1には、その背面側に、所定の間隔を空けて、中間板4と補助地板5が、図示していない適宜な手段によって、順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板4の間に後述の第2シャッタ羽根の羽根室を構成し、中間板4と補助地板5との間に後述の第1シャッタ羽根の羽根室を構成している。また、中間板4と補助地板5にも、シャッタ地板1の開口部1aと重なる位置に、開口部4a,5aが形成されている。そして、通常は、これらの開口部1a,4a,5aの一つ又は二つ以上によって撮影光路用開口部を規制するようにしているが、本実施例の場合は、開口部1a,5aが同じ大きさであって開口部4aよりも小さいため、開口部1a,5aが、共に撮影光路用開口部を規制していることになる。しかしながら、以下においては、便宜上、開口部1aだけが撮影光路用開口部を規制しているかのように想定して説明することにする。
【0020】
シャッタ地板1の表面側において、軸1cに、合成樹脂製の駆動部材6が回転可能に取り付けられていて、図示していない駆動ばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されている。また、この駆動部材6は、被押動部6aと、駆動ピン6bと、取付部6cとを有している。そのうち、駆動ピン6bは、根元部の断面形状が円形をしていて、上記の緩衝部材2に当接し得るようになっており、先端部の断面形状は小判型をしていて、シャッタ地板1の長孔1bを貫通し、羽根室内に突き出ている。また、取付部6cの内部には、図示していないが、周知のように、ばねを介在させて鉄片部材を取り付けている(例えば、特開2002−139770号公報に記載されている先羽根用駆動部材10,後羽根用駆動部材13の構成を参照)。そして、その鉄片部材は、電磁石の鉄芯3に吸着されるようになっている。
【0021】
シャッタ地板1の軸1dには、合成樹脂製のセット部材7が回転可能に取り付けられている。このセット部材7は、押動部7aと、被押動部7bとを有していて、押動部7aは、セット部材7が反時計方向へ回転させられたとき、駆動部材6の被押動部6aを押し、図示していない駆動ばねの付勢力に抗して、駆動部材6を時計方向へ回転させるようになっている。また、このセット部材7は、図示していないカメラ本体側の部材によって被押動部7bを押され、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられるようになっているが、図1は、そのように、初期位置から反時計方向へ回転させられ、駆動部材6を、駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させ、セット位置で停止した状態を示している。
【0022】
次に、第1シャッタ羽根と第2シャッタ羽根の構成を説明する。先ず、第1シャッタ羽根は、上記したように、中間板4と補助地板5との間に配置されていて、夫々の一端を軸1c,1eに枢着された二つのアーム8,9と、それらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根10,11,12で構成されている。そして、アーム8は、軸1cの左側にも延伸部を有していて、そこに長孔8aが形成されており、また、図1の状態から時計方向へ回転させられたとき、補助地板5の羽根室側に取付けられているストッパ用の緩衝部材13に当接するようになっている。また、アーム9は、補助地板5の羽根室側に取付けられているストッパ用の緩衝部材14に当接するようになっており、図1においてはその当接状態が示されている。そして、この第1シャッタ羽根は、アーム8,9が、最も補助地板5側に配置されており、中間板6に向けて羽根12,羽根11,羽根10の順に配置されている。
【0023】
他方、第2シャッタ羽根は、シャッタ地板1と中間板4の間に配置されていて、一端を軸1c,1eに枢着された二つのアーム15,16と、それらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根17,18,19で構成されている。また、アーム15には、周知の長孔が形成されていて、そこには、上記した駆動ピン6bの先端部が嵌合している。そして、この第2シャッタ羽根の場合は、アーム15,16が、最もシャッタ地板1側にあって、中間板4に向けて羽根19,羽根18,羽根17の順に配置されている。
【0024】
次に、主に図2を用いて、補助地板5の具体的な形状と、そこに取り付けられている部材について説明する。補助地板5は、合成樹脂製であって、略中央部に上記の開口部5aが形成されている。また、開口部5aの右下方向に円弧状の長孔5bが形成されているが、この長孔5bは、シャッタ地板1に形成されている上記の長孔1bに対応した形状をしていて、そこには駆動ピン6bの最先端部が挿入されている。また、開口部5aの右方向には二つの孔が形成されていて、それらにはシャッタ地板1の軸1c,1eが挿入されている。
【0025】
また、この補助地板5には、ムービングマグネット型モータと称されている電流制御式のモータ20が、ビス21,22によって取り付けられている。このモータ20は、永久磁石製の回転子が、固定子コイルへの通電方向に対応して、所定の角度範囲内において往復回転し得るように構成されており、これまでには主にレンズシャッタに採用されてきた。しかしながら、最近では、上記の特許文献2にも開示されているように、フォーカルプレンシャッタにも採用することが提案されるようになってきた。したがって、この種のモータについては周知であって、構成を具体的に説明するまでもないことであるが、図2に示されている範囲で、簡単に説明をしておく。
【0026】
固定子は、籠型をした固定子枠20aと、その周囲に形成された溝に巻回されたコイル20bと、そのコイル20bを巻回したうえで固定子枠20aの外側に嵌合させた円筒状のヨーク20cと、回転子20dの周面と対向する位置に取り付けられた二つの鉄ピン20e,20fで構成されている。また、永久磁石製の回転子20dは、径方向に2極(磁極の境界線を一点鎖線で示した)に着磁されていて、固定子枠20aに回転可能に軸受けされており、上記のコイル20bは、それらの軸受け部を囲むように巻回されている。そして、この回転子20dの径方向に張り出した部位には、回転子20dの回転軸と平行に伸びた出力ピン20gが設けられていて、固定子枠20aや補助地板5に形成されている図示していない孔を貫通し、羽根室内で上記したアーム8の長孔8aに嵌合している。
【0027】
次に、本実施例の作動を説明する。本実施例のフォーカルプレンシャッタは、ノーマリークローズ方式での撮影も行えるし、ノーマリーオープン方式での撮影も行える。そこで、先ず、図1〜図4を用いて、ノーマリークローズ方式で撮影を行うようにした場合について説明するが、この場合には、通常、カメラに光学ファインダを設けているのが普通である。図1は、セット状態を示したものであり、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12は、展開状態(隣接する羽根同士の重なり量が最小となっている状態)となって、開口部1aを閉鎖しており、第2シャッタ羽根の3枚の羽根17〜19は、重畳状態(隣接する羽根同士の重なり量が最大となっている状態)となって、開口部1aの下方位置に格納されている。
【0028】
そこで、第1シャッタ羽根と第2シャッタ羽根とが、どのようにしてこの状態を維持しているかについて説明する。先ず、モータ20のコイル20bには通電されていないにもかかわらず、第1シャッタ羽根がこの状態を維持している理由を説明する。図2に示すように、このセット状態においては、鉄ピン20eが回転子20dのN極の周面に対向し、鉄ピン20fがS極の周面に対向している。しかしながら、N極の中央角度位置(磁極の境界線から90°離れた位置)と鉄ピン20eとの距離が、S極の中央角度位置と鉄ピン20fとの距離より遠いため、鉄ピン20fとS極との間に作用する吸引力の方が勝っていて、回転子20dには、図2において時計方向へ回転する力が働いている。従って、コイル20bに通電されていなくても、回転子20dの出力ピン20gと連結しているアーム8は、図2において時計方向(図1においては反時計方向)へ回転するように付勢されていることになり、その回転が緩衝部材14によって阻止されて、この状態が維持されている。
【0029】
他方、第2シャッタ羽根がこの状態を維持している理由を、図1を用いて説明する。図1におけるセット部材7は、図示していないカメラ本体側の部材によって被押動部7bを押され、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して初期位置からセット位置まで反時計方向へ回転させられた状態にあり、その状態は、カメラ本体側の部材がそのまま停止していることによって維持されている。そのため、駆動ピン6bとアーム15との連結によって第2シャッタ羽根を作動させる駆動部材6は、セット部材7の押動部7aによって、図示していない駆動ばねの付勢力による反時計方向の回転を阻止され、第2シャッタ羽根と共に、この状態を維持されている。
【0030】
撮影に際し、光学ファインダで被写体を確認しておいてからレリーズボタンを押すと、先ず、一方では、図示していない電磁石のコイルに通電される。そのため、駆動部材6の取付部6cに取り付けられている図示していない鉄片部材が電磁石の鉄芯3に吸着保持される。その後、セット部材7は、図示していないカメラ側の部材が被押動部7bの押圧を解いていくので、図示していない復帰ばねの付勢力によって時計方向へ回転し、初期位置へ復帰するが、第2シャッタ羽根は、駆動部材6が反時計方向へ回転しないので、図1の状態を維持している。
【0031】
他方、電磁石のコイルへの通電より若干遅れて、モータ20のコイル20bに対し、図1において回転子20dを時計方向へ回転させるための正方向の通電が行われる。そのため、アーム8も時計方向へ回転させられ、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ下方へ作動させられ、開口部1aを開放していく。その後、開口部1aを全開にすると、アーム8が緩衝部材13に当接するが、その当接したときの状態が図3に示されている。そして、第1シャッタ羽根は、この当接時の衝撃で3枚の羽根10〜12がバウンド等の不規則で小刻みな運動をする。しかしながら、本実施例の場合には、その運動が静止する前に、制御回路が固体撮像素子を電気的に制御し、直ちに撮影のための露光を開始する。
【0032】
その後、固体撮像素子に対する制御回路の出力信号により撮影のための露光が終了するが、その露光時間が短いときには、その撮影の終了時機においても、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12が未だ静止していないことがある。しかしながら、本実施例の場合には、そのようなことがあっても一向に問題とはならない。それは、本実施例の場合、次に行われる開口部1aの閉鎖作動を、第1シャッタ羽根が行うのではなく、静止状態となっている第2シャッタ羽根が行うからである。
【0033】
即ち、本実施例の場合は、上記の制御回路からの撮影終了の信号によって、電磁石のコイルに対する通電も断たれるようになっており、それによって、鉄芯3による保持力が解除されると、駆動部材6は、図示していない強力な駆動ばねの付勢力によって、高速で反時計方向へ回転させられる。そのため、アーム15が反時計方向へ回転させられ、3枚の羽根17〜19は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら上方へ作動し、開口部1aを閉鎖していく。そして、開口部1aの閉鎖後、駆動ピン6bが緩衝部材2に当接した状態が図4に示されており、このような閉鎖状態において、撮像情報が記憶装置に転送される。
【0034】
このように、本実施例の場合は、制御回路から撮影終了の信号が出力されれば、その時機が早くても、常に安定した閉鎖作動を開始させることができるので、開放作動を行ったあとに同じ第1シャッタ羽根によって閉鎖作動を行わせる場合と比較して、上記の撮影終了信号が出力されてから開口部1aを閉鎖し終わるまでの時間を短くすることができ、しかも、駆動部材6が図示していない駆動ばねによって回転させられるので、モータによって回転させられる場合に比較して、一層短くすることが可能になっている。そのため、撮影終了後における撮像面の露光量も減少し、スミア現象の発生を抑制することが可能になる。
【0035】
また、カメラによっては、本実施例と異なる露光制御方式を採用する場合がある。その場合とは、撮影のための露光開始の制御は本実施例の場合と同じであるが、露光時間の終了は、本実施例のように固体撮像素子を電気的に制御した時点ではなく、シャッタ羽根が開口部1aを閉鎖した時点とする場合である。そして、そのようにした場合の短所は、固体撮像素子の撮像面のうち、シャッタ羽根によって最初に閉鎖される領域と、最後に閉鎖された領域との間で露光むらが発生することであるが、本実施例は、第2シャッタ羽根を駆動ばねの付勢力によって作動させているから、そのような露光制御方式を採用した場合でも、露光むらを抑制することが可能となる。
【0036】
このようにして、第2シャッタ羽根が開口部1aを閉鎖し、撮像情報が記憶装置に転送されると、第1シャッタ羽根と第2シャッタ羽根とを図1の状態に復帰させるためのセット作動が行われる。その場合、第2シャッタ羽根のセット作動は、上記の転送が終了してから開始されるが、第1シャッタ羽根のセット作動は、第2シャッタ羽根が、上記のようにして図3の状態から図4の状態になる過程において、いち早く開始させてしまうようにすることが可能である。その理由は、上記の説明からも分かるように、第1シャッタ羽根はモータで駆動されるため、第2シャッタ羽根よりも作動速度が遅く、第1シャッタ羽根のセット作動によっては撮像面の露光に何の影響も及ぼさないからである。
【0037】
即ち、第2シャッタ羽根が図3の状態から閉鎖作動を開始するとき第1シャッタ羽根が静止状態にあれば、第2シャッタ羽根の閉鎖作動と同時に第1シャッタ羽根のセット作動を開始させることができるし、露光時間が短くて、第2シャッタ羽根が閉鎖作動を開始するとき第1シャッタ羽根が解放作動後未だ静止状態になっていなければ、第1シャッタ羽根は、静止後、第2シャッタ羽根の閉鎖作動に若干遅れてセット作動を開始することになる。本実施例における第1シャッタ羽根のセット作動は、実際にはこのようにして行われる。そして、それによって、第1シャッタ羽根のセット位置での静止状態が早期に得られることになる。
【0038】
このことから、本来であれば、本実施例の場合、図4に示したような状態はあり得ないことになるが、説明の都合上、このような説明順序を採用した。しかしながら、本発明は、図4に示したような状態が得られた後に、第1シャッタ羽根と第2シャッタ羽根とのセット作動を、同時又は略同時に開始させるようにすることを妨げるものではない。その場合、第1シャッタ羽根と第2シャッタとは相互に逆方向へセット作動を行うため、固体撮像素子の撮像面の一部が一時的に露光されることになるが、本実施例のフォーカルプレンシャッタを採用するのはデジタルスチルカメラであるから、そのようなことになっても何ら問題はない。
【0039】
そして、第1シャッタ羽根のセット作動は、モータ20のコイル20bに対して、これまでとは逆方向の電流を供給することによって行われる。それによって、回転子20dが図4において反時計方向へ回転させられる。そのため、アーム8も反時計方向へ回転させられ、3枚の羽根10〜12は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら上方へ作動し、開口部1aを閉鎖した後、アーム9が緩衝部材14に当接する。その後、第1シャッタ羽根の作動が静止すると、コイル20bに対する通電が断たれ、図1に示した状態となる。
【0040】
他方、第2シャッタ羽根のセット作動は、セット部材7が、図示していないカメラ本体側の部材によって被押動部7bを押され、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられることによって行われる。このとき、セット部材7は、押動部7aによって駆動部材6の被押動部6aを押し、駆動部材6を、図示していない駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させる。そのため、駆動部材6は、駆動ピン6bによってアーム15を時計方向へ回転させるので、第2シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ作動し、開口部1aを開放していく。そして、開口部1aを解放した後、セット部材7の回転が停止させられ、図1に示した状態となる。
【0041】
また、上記のようなセット作動の開始時機の説明からも分かるように、本実施例の場合には、第1シャッタ羽根のセット作動を先に終了させておくため、第2シャッタ羽根がセット状態になったと略同時に、次の撮影を開始させることが可能である。但し、その場合には、第1シャッタ羽根が図1の状態から解放作動を行い、図3の状態になったときには、セット部材7が図3に示された初期位置へ復帰しているようにする必要がある。何故なら、そのようにしておかないと、露光時間が短いときには、第2シャッタ羽根の閉鎖作動によって、駆動部材6がセット部材7に衝突してしまうおそれがあるからである。
【0042】
このように、本実施例の構成によれば、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12と第2シャッタ羽根の3枚の羽根17〜19とを、共に開口部1aの下方位置で重畳状態にするので、二つのシャッタ羽根を備えているにもかかわらず、シャッタユニットを大型化する必要がなく、また、撮影のための露光が終了したとき、又は終了させるときに、第2シャッタ羽根の作動を高速で行えるので、露光むらやスミア現象の発生を抑制することができ、しかも、第1シャッタ羽根が開放作動後に静止する前に第2シャッタ羽根の閉鎖作動を行わせることができるので、被写体が動いていても撮影者が意図した瞬間に近い時点での撮影を可能にし、且つ一回の撮影サイクルを短くすることができ、所謂連写が好適に行えるようになる。
【0043】
以上の説明は、ノーマリークローズ方式で作動させた場合であるが、本実施例は、必要があれば、ノーマリーオープン方式で作動させるようにすることも可能である。そこで、次に、本実施例をノーマリーオープン方式で作動させる場合について説明するが、上記のノーマリークローズ方式で作動させる場合と実質的に同じ点については、重複を避けるために、簡略的に説明するか、説明を省略することがある。また、その説明には、新たに図5を用いるが、上記の説明に用いた各図も適時用いることにする。
【0044】
図5は、ノーマリーオープン方式で撮影する場合のセット状態を示したものである。このとき、セット部材7は、図示していないカメラ本体側の部材によって、初期位置への復帰を抑止されている。そのため、駆動部材6は、図示していない駆動ばねの付勢力による反時計方向の回転を、セット部材7の押動部7aに抑止され、取付部6cに取り付けられた図示していない鉄片部材を、電磁石の鉄芯3に接触させている。そして、このとき、第2シャッタ羽根の3枚の羽根17〜19は重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納されている。従って、第2シャッタ羽根のセット状態は、図1に示されたノーマリークローズ方式の場合のセット状態と同じである。
【0045】
他方、第1シャッタ羽根は、図1に示されたノーマリークローズ方式の場合のセット状態とは異なり、3枚の羽根10〜17は重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納されている。そのため、この状態でカメラの電源をオンにすると、モニターで被写体を観察することが可能になっている。そこで、モータ20のコイル20bに通電されていないのに、第1シャッタ羽根がこの状態を維持している理由を説明する。
【0046】
第1シャッタ羽根が図5に示された状態になっているということは、図2において、アーム8がアーム15に重なった状態であるから、モータ20の回転子20dが図2において約65°反時計方向へ回転した状態ということになる。そのため、このセット状態においては、N極の中央角度位置(磁極の境界線から90°離れた位置)と鉄ピン20eとの距離が、S極の中央角度位置と鉄ピン20fとの距離より近いため、鉄ピン20fとS極との間に作用する吸引力よりも、鉄ピン20eとN極との間に作用する吸引力の方が強く、回転子20dには、図2において反時計方向へ回転する力が働いている。従って、コイル20bに通電されていなくても、回転子20dの出力ピン20gと連結しているアーム8は、図5において時計方向へ回転するように付勢されており、その回転を緩衝部材13によって阻止され、このセット状態が維持されている。
【0047】
このようなセット状態において、カメラの電源をオンにしておき、モニターで被写体を観察しながらレリーズボタンを押すと、先ず、図示していない電磁石のコイルに通電され、駆動部材6の取付部6cに取り付けられている図示していない鉄片部材が電磁石の鉄芯3に吸着保持される。その後、セット部材7は、図示していないカメラ側の部材が被押動部7bの押圧を解くので、図示していない復帰ばねの付勢力によって時計方向へ回転し、初期位置へ復帰作動を行う。そして、セット部材7が初期位置に略達すると、固体撮像素子に対する電気的な制御によって撮影のための露光が開始される。
【0048】
その後、所定の露光時間が経過すると、制御回路からの出力信号によって、一方では、撮影のための固定撮像素子の露光が終了し、他方では、図示していない電磁石のコイルに対する通電が断たれる。それによって、電磁石の鉄芯3による保持力が解除されるため、駆動部材6は、図示していない強力な駆動ばねの付勢力によって、高速で反時計方向へ回転させられる。また、このとき、制御回路の出力信号によってモータ20のコイル20bへも通電され、回転子20bが反時計方向へ回転させられる。それによって、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12も、第2シャッタ羽根の3枚の羽根17〜19も、共に隣接する羽根同士の重なりを小さくしつつ上方へ作動するが、駆動ばねの駆動力の方がモータ20の駆動力よりも大きいいため、実質的には第2シャッタ羽根によって開口部1aが閉鎖されていく。
【0049】
開口部1aを閉鎖すると、第2シャッタ羽根は、駆動部材6の駆動ピン6bが緩衝部材2に当接することによって停止させられ、第1シャッタ羽根は、アーム9が緩衝部材14に当接することによって停止させられるが、第2シャッタ羽根が開口部1aを閉鎖し終わった直後には、撮像情報が記憶装置に転送される。その転送が終了すると、二つのシャッタ羽根のセット作動が行われるが、それらのセット作動は同時に開始されるようにしてもよいし、先に静止した方から開始するようにしてもよい。そして、第1シャッタ羽根をセットするには、モータ20のコイル20bに対して先ほどとは逆方向へ通電し、回転子20dを時計方向へ回転させる。また、第2シャッタ羽根をセットするには、図示してないカメラ本体側の部材がセット部材7を初期位置から反時計方向へ回転させ、駆動ばねの付勢力に抗して駆動部材6を時計方向へ回転させる。
【0050】
それによって、第1シャッタ羽根の3枚の羽根10〜12と、第2シャッタ羽根の3枚の羽根17〜19は、共に隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ下方へ作動し、開口部1aを開放していく。そして、開口部1aを全開にした直後に、第1シャッタ羽根は、アーム8が緩衝部材13に当接して停止し、第2シャッタ羽根は、セット部材7の被押動部7bを押していたカメラ本体側の部材が停止することによって停止する。その後、モータ20のコイル20bに対する通電を断った状態が、図5に示されたセット状態である。
【0051】
以上のように、本実施例においては、一つのシャッタ羽根が、二つのアームと3枚の羽根とで構成されている場合を説明したが、本発明は、アームの数が三つであっても構わないし、羽根の枚数も3枚に限定されず、しかも第1シャッタ羽根と第2シャッタ羽根とで枚数が異なっても構わない。また、本実施例においては、第1シャッタ羽根がモータによって駆動され、第2シャッタ羽根が駆動部材によって駆動されているが、両方とも駆動部材によって駆動されるようにしてもよいし、両方ともモータによって駆動されるようにしてもよい。しかしながら、本実施例のように構成すると、第2シャッタ羽根による閉鎖作動を速くして、露光むらやスミア現象の発生程度を好適に抑制することができ、しかも、シャッタユニットの全体構成を複雑なものにしなくて済むというメリットがある。
【0052】
本実施例の場合には、モータ20として、所謂ムービングマグネット型モータを使用しているが、ステッピングモータなど正逆転可能な他のモータを使用しても差し支えない。しかしながら、ムービングマグネット型モータは、小型化ができ、且つコスト面でも有利であって、非通電時であっても、シャッタ羽根の停止状態を維持することができるという特徴がある。また、本実施例の場合には、アーム8,15を同じ軸1cに枢着しているが、それらは、同一軸に枢着することを必須としないし、同心の軸に枢着することを必須とするものではない。このことは、アーム9,16の場合も同じである。しかしながら、本実施例のように構成すると、シャッタユニットをコンパクトにでき、且つコスト面でも有利になる。
【0053】
更に、本実施例は、カメラ内において、シャッタ地板1を撮影レンズ側に配置し、補助地板5を固体撮像素子側に配置する場合で説明したが、デジタルスチルカメラの場合には、シャッタ地板を固体撮像素子側にし補助地板を撮影レンズ側にして配置することがあるため、本発明は、実施例のような配置には限定されない。また、本実施例の場合には、二つのシャッタ羽根の3枚の羽根10〜12,17〜19を、開口部1aの下方位置に格納するようにしているが、上方位置に格納するようにしても差し支えない。しかしながら、カメラの上方位置にはファインダを設けることが多いから、そのような場合には本実施例のようにするのが有利である。また、フォーカルプレンシャッタの中には、駆動ばねの付勢力によって回転を開始させられるまで駆動部材を保持している構成として、ダイレクトタイプと言われているものと、係止タイプと言われているものが知られている。上記の実施例は、電磁石が、駆動部材の鉄片部材を直接吸着して保持するようにしたダイレクトタイプの場合で説明したが、本発明は、駆動部材を係止部材によって機械的に係止するようにした係止タイプのものにも適用することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1シャッタ羽根の複数枚の羽根と第2シャッタ羽根の複数枚の羽根とを、共に撮影光路用開口部の同一方向位置で重畳状態にするので、二つのシャッタ羽根を備えているにもかかわらず、一つのシャッタ羽根だけを備えているものと同様に、シャッタユニットを大型化する必要がなく、また、撮影のための露光が終了したとき又はその露光を終了させるときに、第1シャッタ羽根が開放作動を終了して静止する前に第2シャッタ羽根の閉鎖作動を行わせることができるので、露光むらやスミア現象の発生を抑制することができ、しかも、被写体が動いていても撮影者が意図した瞬間に近い時点での撮影を可能にし、且つ一回の撮影サイクルを短くしたことによって、所謂連写が好適に行えるようになるという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノーマリークローズ方式で撮影する場合のセット状態を示した実施例の平面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】カメラのレリーズにより、図1の状態から第1シャッタ羽根が撮影光路用開口部を全開にした状態を示す平面図である。
【図4】図3の状態から第2シャッタ羽根が撮影光路用開口部を閉鎖した状態を示す平面図である。
【図5】ノーマリーオープン方式で撮影する場合のセット状態を示した実施例の平面図である。
【符号の説明】
1             シャッタ地板
1a,4a,5a      開口部
1b,5b,8a      長孔
1c,1d,1e      軸
2,13,14       緩衝部材
3             鉄芯
4             中間板
5             補助地板
6             駆動部材
6a,7b         被押動部
6b            駆動ピン
6c            取付部
7             セット部材
7a            押動部
8,9,15,16     アーム
10,11,12,17,18,19 羽根
20            モータ
20a           固定子枠
20b           コイル
20c           ヨーク
20d           回転子
20e,20f       鉄ピン
20g           出力ピン
21,22         ビス

Claims (4)

  1. 両者の間を中間板で仕切られて二つの羽根室を構成し該中間板を含めた三者の各々に形成されている開口部の少なくとも一つによって方形をした撮影光路用開口部を形成している二つの地板と、前記羽根室の一方に配置されており前記二つの地板の一方に各々枢着された複数のアームとそれらに枢支された複数枚の羽根とで構成されていて前記撮影光路用開口部から退いて該複数枚の羽根を重畳させている第1位置と該複数枚の羽根を展開させて前記撮影光路用開口部を覆っている第2位置との間で作動する第1シャッタ羽根と、前記羽根室の他方に配置されており前記二つの地板の一方に各々枢着された複数のアームとそれらに枢支された複数枚の羽根とで構成されていて前記撮影光路用開口部から前記第1シャッタ羽根と同一方向へ退いて該複数枚の羽根を重畳させている第1位置と該複数枚の羽根を展開させて前記撮影光路用開口部を覆っている第2位置との間で作動する第2シャッタ羽根と、前記羽根室外において前記二つの地板の何れか一方に取り付けられており前記第1シャッタ羽根を往復作動させるために前記第1シャッタ羽根のアームの一つに連結されている第1駆動手段と、前記羽根室外において前記二つの地板の何れか一方に取り付けられており前記第2シャッタ羽根を往復作動させるために前記第2シャッタ羽根のアームの一つに連結されている第2駆動手段と、を備えていることを特徴とするデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記第1シャッタ羽根と前記第2シャッタ羽根とが、二つずつのアームを有していて、前記第1シャッタ羽根は、一方のアームを、前記第2シャッタ羽根の一方のアームと同一軸に枢着し、他方のアームを、前記第2シャッタ羽根の他方のアームと同一軸に枢着していることを特徴とする請求項1に記載のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記第1駆動手段は、正逆転可能なモータであり、前記第2駆動手段は、正方向へは、駆動ばねの付勢力によって回転され、逆方向へは、初期位置から作動するセット部材により該駆動ばねの付勢力に抗してセット位置まで回転される駆動部材であり、前記第2シャッタ羽根は、該駆動部材の正方向の回転によって第1位置から第2位置へ作動させられるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記モータの非通電状態で前記第1シャッタ羽根が第1位置を維持し、且つ前記セット部材が前記駆動部材の正方向の回転を阻止した状態で前記第2シャッタ羽根が第1位置を維持できるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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