JPH10121329A - 撥水・撥油・防汚性ポリエステル繊維 - Google Patents

撥水・撥油・防汚性ポリエステル繊維

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JPH10121329A
JPH10121329A JP27324996A JP27324996A JPH10121329A JP H10121329 A JPH10121329 A JP H10121329A JP 27324996 A JP27324996 A JP 27324996A JP 27324996 A JP27324996 A JP 27324996A JP H10121329 A JPH10121329 A JP H10121329A
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JP
Japan
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fiber
repellent
polyester
oil
terpolymer
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JP27324996A
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Makoto Nakai
誠 中井
Kazunori Hashimoto
和典 橋本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた撥水・撥油・防汚性を有し、かつ、こ
れらの性能の耐洗濯性が良好なポリエステル繊維を提供
する。 【解決手段】 繊維表面の50%以上を占める部分がテト
ラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニ
リデンフロライド3元共重合体を2〜50重量%含有する
ポリエステル組成物からなるポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた撥水・撥油
・防汚性を有し、かつ、これらの性能の耐洗濯性が良好
なポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、撥水・撥油・防汚性繊維として、
繊維をフッ素系やシリコーン系の処理剤で処理して繊維
の表面にこれらの皮膜を形成させたものが良く知られて
いる。しかし、これらの繊維は、洗濯を繰り返した場合
などに、皮膜が剥離したり、皮膜に亀裂が生じたりする
ため、撥水・撥油・防汚性能が大幅に低下するという問
題があった。
【0003】また、この問題を解決するものとして、フ
ッ素系重合体で代表される撥水・撥油・防汚剤を繊維中
に練り込むことが提案されている。例えは、フッ素系樹
脂を溶融混練する方法(特開昭62−238822号)、フッ素
系重合体粒子を練り込む方法(特開平2− 26919号)な
どが提案されている。しかし、これらの方法によって
も、撥水・撥油・防汚効果、染色性、製糸操業性、糸質
性能のすべてを満足するものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた撥水
・撥油・防汚性を有し、かつ、これらの性能の耐洗濯性
が良好なポリエステル繊維を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するものであり、その要旨は、繊維表面の50%
以上を占める部分がテトラフルオロエチレン・ヘキサフ
ルオロプロピレン・ビニリデンフロライド3元共重合体
を2〜50重量%含有するポリエステル組成物からなるこ
とを特徴とする撥水・撥油・防汚性ポリエステル繊維に
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明における撥水・撥油・防汚剤として
は、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン・ビニリデンフロライドの3種類のモノマーを共重合
して得られる3元共重合体 (以下、フッ素系3元共重合
体という。)が用いられ、具体例としては、住友スリー
エム社から「THV 500G」の商品名で市販されているもの
がある。
【0008】このフッ素系3元共重合体は、 110〜190
℃程度の融点を有し、それ自身が溶融成形に適した溶融
粘性を有するばかりでなく、ポリエステルの紡糸温度付
近での溶融粘性がポリエステルの溶融粘性と類似してい
るため、ポリエステルと混練した場合に、ポリエステル
の優れた紡糸性をほとんど低下させない。ポリエステル
との混練を均一に行うためには、フッ素系3元共重合体
は、メルトフローインデックス(後述の条件で測定)が
2〜30g/10分のものが好ましい。
【0009】本発明において、ポリエステルとしては、
ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用い
られるが、PETを主体とし、イソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、ビスフェールAのエチレン
オキシド付加体などを共重合成分として含有するもので
もよい。
【0010】また、ポリエステルは、製糸可能なの重合
度のものであればよいが、通常は衣料用グレードのもの
が用いられ、相対粘度(後述の条件で測定)が 1.2〜1.
6 のものが好適である。
【0011】本発明のポリエステル繊維は、繊維表面の
50%以上を占める部分がフッ素系3元共重合体を含むポ
リエステル組成物により構成されていなければならな
い。そして、この部分が撥水・撥油・防汚効果の発現に
寄与するものであり、この部分のフッ素系3元共重合体
の含有量が2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であ
ることが必要である。この部分のフッ素系3元共重合体
の含有量がこれより少ないと撥水・撥油・防汚性能が不
十分となり、多いと染色性、製糸操業性、強度の低下を
もたらすので好ましくない。
【0012】ポリエステルにフッ素系3元共重合体を含
有させる方法としては、それぞれのチップをエクストル
ーダ内で溶融混練する方法が好ましい。なお、この方法
でフッ素系3元共重合体を多量に含有したマスターチッ
プを調製し、これをポリエステルチップで希釈して製糸
する方法を採用することもできる。
【0013】撥水・撥油・防汚効果は、繊維表面部に存
在するフッ素系3元共重合体によって発現するものであ
り、フッ素系3元共重合体を含有するポリエステル組成
物が繊維表面の50%以上を占めていればよく、このポリ
エステル組成物で繊維全体が構成されていてもよいし、
フッ素系3元共重合体を含有しないポリエステルとの複
合繊維となっていてもよい。特に、フッ素系3元共重合
体を含有するポリエステル組成物を鞘成分とし、ポリエ
ステルを芯成分とする芯鞘型複合繊維とすると、繊維全
体でのフッ素系3元共重合体の量を少なくして、撥水・
撥油・防汚性能が良好で、高強度の繊維とすることがで
きる。なお、複合繊維とする場合、両成分のポリエステ
ルは同一のものでも異なるものでもよい。
【0014】本発明の繊維は、常法によって製造するこ
とができる。すなわち、紡糸温度 270〜310 ℃で口金か
ら紡出し、冷却、固化後、 500〜4000m/分の速度で引
き取り、続いて、温度 100〜250 ℃で、切断伸度が10〜
40%程度となるような倍率で延伸すればよい。また、紡
出糸条を3000〜8000m/分の高速で引き取り、延伸せず
に巻き取る高速紡糸法を採用することも可能である。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、測定、評価法は、次のとおりである。 (a) 相対粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒とし、濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (b) メルトフローインデックス ASTM D 1238 に従い、温度 265℃、荷重5kgの条件で測
定した。 (c) 強伸度 島津製作所製オートグラフ DSS−500 型を用いて、試料
長30cm、引張速度30cm/分で測定した。 (d) 熱水収縮率(熱収) 糸条を50cmのループにし、 0.033g/dの初荷重をかけ
て長さAを求め、次いで荷重を除いて沸騰水中に15分間
浸漬した後、自然乾燥し、再び 0.033g/dの荷重をか
けて長さBを求め、次の式で算出した。 熱収(%)=〔(A−B)/A〕×100 (e) 撥水性 評価する繊維を1/1の平織物にし、その織物につい
て、JIS L-1092の評価を行った。 (f) 撥油性 (e) と同様の織物について、AATCC-118 の評価を行っ
た。 (g) 防汚性 (e) と同様の織物を、ソース、コーヒー、マヨネーズ及
びビールの混合物で汚染し、10分間放置後、JIS L-1045
と同様の方法で洗浄し、汚染の除去度合いから、防汚性
を○ (良好) 、△ (やや良好) 、× (不良) の3段階で
評価した。 (h) 染色性 チバガイギー社製分散染料:Terasil Navy Blue SGL 5
% owf、明成化学社製分散剤:Disper TL 1g/l、染
色助剤:硫酸アンモニウム2g/l及び酢酸0.1cm3/l
の染浴を用いて、繊維を 130℃で60分間加圧染色し、染
色後の残液中の染料濃度を分光光度計で測定し、繊維に
吸収された染料の量(染色吸尽率)により評価した。
【0016】実施例1 相対粘度1.38のPETチップと融点が 170℃で、メルト
フローインデックスが10g/10分のフッ素系3元共重合
体(3FP)のチップ:住友スリーエム社製「THV 500
G」を重量比80:20の割合で混合し、この混合物を 290
℃のエクストルーダー内で溶融混練後、孔径0.25mm、孔
数36の口金から紡糸温度 290℃、吐出量42.5g/分で紡
出した。紡出糸条を、温度 280℃、長さ8cmのフード内
を通した後、環状吹付装置からの温度18℃、風速 0.8m
/秒の冷却風によって冷却、固化し、紡糸油剤付与した
後、温度80℃の加熱引取りローラで3600m/分の速度で
引き取った。続いて、この引取りローラと温度 140℃、
速度5141m/分の加熱延伸ローラとの間で延伸 (延伸倍
率1.43倍) した後、5100m/分の速度で巻き取って、75
d/36fの繊維糸条を得た。なお、製糸の全工程におい
て、操業性は良好であった。この糸条の評価結果を表1
に示す。この糸条は、優れた撥水・撥油・防汚性を有す
る一方で、染色性及び物性は、通常の衣料用PET繊維
と同等の水準を示した。また、この糸条を織物にし、JI
S L-1096(103法) による家庭洗濯を30回行った後、撥水
・撥油・防汚性を評価した。評価結果は、撥水性 100、
撥油性 5、防汚性○であり、洗濯後も良好な撥水・撥油
・防汚性を示した。
【0017】実施例2〜3及び比較例1〜3 PET/3FPの重量比を表1のように変更した以外
は、実施例1と同様に実施した。得られた糸条の評価結
果を表1に示す。なお、比較例3では、製糸時に糸切
れ、毛羽が発生するなど操業性に問題があった。
【0018】
【表1】
【0019】実施例4 芯成分として相対粘度1.38のPET、鞘成分として相対
粘度1.38のPETと実施例1と同じ3FPとを重量比8
0:20で混練した組成物を用い、芯鞘複合繊維用の紡糸
口金から芯鞘複合比(重量比)7:3の芯鞘複合繊維の
形態で紡出した以外は実施例1と同様にして芯鞘複合繊
維糸条を得た。なお、製糸の全工程において、操業性は
良好であった。この糸条の評価結果を表2に示す。
【0020】実施例5〜8及び比較例4〜5 鞘成分のPET/3FPの重量比又は芯鞘複合比を表2
のように変更した以外は、実施例4と同様に実施した。
得られた糸条の評価結果を表2に示す。なお、比較例5
では、製糸時に糸切れ、毛羽が発生するなど操業性に問
題があった。
【0021】
【表2】
【0022】実施例9 内層成分として相対粘度1.38のPET、外層成分として
相対粘度1.38のPETと実施例1と同じ3FPとを重量
比80:20で混練した組成物を用い、並列型三層複合繊維
用の紡糸口金から内外層複合比3:2の並列型三層複合
繊維の形態で紡出した以外は実施例1と同様にして並列
型三層複合繊維糸条を得た。(この繊維の繊維表面に占
める外層成分の割合は70%である。) なお、製糸の全工程において、操業性は良好であった。
得られた糸条は、強度4.0g/d、伸度33.3%、熱収 7.3
%、撥水性 100、撥油性5、防汚性○、染色性86%であ
った。
【0023】比較例6 内層成分と外層成分を逆転させた以外は実施例9と同様
にして並列型三層複合繊維糸条を得た。(この繊維の繊
維表面に占める外層成分の割合は70%である。) 得られた糸条は、強度4.2g/d、伸度34.5%、熱収 7.3
%、撥水性50、撥油性 2、防汚性△、染色性88%であっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、優れた撥水・撥油・防
汚性を有し、かつ、これらの性能の耐洗濯性が良好なポ
リエステル繊維が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面の50%以上を占める部分がテト
    ラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニ
    リデンフロライド3元共重合体を2〜50重量%含有する
    ポリエステル組成物からなることを特徴とする撥水・撥
    油・防汚性ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 芯成分がポリエステルからなる芯鞘型複
    合繊維である請求項1記載のポリエステル繊維。
JP27324996A 1996-10-16 1996-10-16 撥水・撥油・防汚性ポリエステル繊維 Pending JPH10121329A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193853A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Shimano Inc 釣り用着衣類

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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