JPH10121020A - 加硫接着剤組成物 - Google Patents

加硫接着剤組成物

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JPH10121020A JP29565196A JP29565196A JPH10121020A JP H10121020 A JPH10121020 A JP H10121020A JP 29565196 A JP29565196 A JP 29565196A JP 29565196 A JP29565196 A JP 29565196A JP H10121020 A JPH10121020 A JP H10121020A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属とNBRまたはアクリルゴムとの加硫接
着に用いられる、ノボラック型フェノール樹脂を接着性
成分とする加硫接着剤組成物であって、ヘキサメチレン
テトラミンを硬化剤として使用しないものを提供する。 【解決手段】 m-クレゾールとp-クレゾールとの混合物
から得られたノボラック型フェノール樹脂を接着性成分
とし、これにレゾール型フェノール樹脂を硬化剤として
添加した加硫接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫接着剤組成物
に関する。更に詳しくは、金属とNBRまたはアクリル
ゴムとの加硫接着などに有効に用いられる加硫接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属とNBRまたはアクリルゴムとの加
硫接着などに、フェノールやp-置換フェノールから導か
れたノボラック型フェノール樹脂を主成分とし、これに
ヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として添加した加硫
接着剤組成物などが用いられている。しかしながら、こ
のような加硫接着剤組成物には、次のような欠点がみら
れる。 (1)ヘキサメチレンテトラミンのガスが発生し、焼付炉
内を汚染する (2)硬化皮膜が着色する (3)有効期限が短い (4)他の接着剤塗布金具に付着すると、接着不良の原因
となる
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
とNBRまたはアクリルゴムとの加硫接着に用いられ
る、ノボラック型フェノール樹脂を接着性成分とする加
硫接着剤組成物であって、ヘキサメチレンテトラミンを
硬化剤として使用しないものを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
m-クレゾールとp-クレゾールとの混合物から得られたノ
ボラック型フェノール樹脂を接着性成分とし、これにレ
ゾール型フェノール樹脂を硬化剤として添加した加硫接
着剤組成物によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係る加硫接着剤組成物の
接着性成分は、m-クレゾールとp-クレゾールとの混合物
から得られたノボラック型フェノール樹脂よりなる。ノ
ボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とホルムア
ルデヒドとを酸性触媒(塩酸、しゅう酸等)の存在下で反
応させることによって得られるが、その際フェノール類
としてm-クレゾールとp-クレゾールとの混合物が用いら
れる。ここで用いられるm-クレゾールとp-クレゾールと
の混合物は、コールタールより得られるクレゾール3異
性体混合物からo-クレゾールを初留として除いた残渣の
m-およびp-混合物としてとらえられる。
【0006】また、このようなノボラック型フェノール
樹脂の硬化剤として用いられるレゾール型フェノール樹
脂は、フェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性触媒
(アルカリ金属、マグネシウムの水酸化物等)の存在下で
反応させることによって得られるが、その際のフェノー
ル類としては、例えばフェノール、m-クレゾールとp-ク
レゾールとの混合物、p-第3ブチルフェノール、p-フェ
ニルフェノール、ビスフェノールA等のフェノール性水
酸基に対してo-および/またはp-位に2個または3個の
置換可能な核水素原子を有するものであれば任意のもの
を用いることができる。
【0007】ノボラック型フェノール樹脂とそれの硬化
剤としてのレゾール型フェノール樹脂とは、前者の100
重量部に対して、後者が約10〜200重量部、好ましくは
約40〜70重量部の割合で用いられる。レゾール型フェノ
ール樹脂の割合がこれ以下では、ノボラック型フェノー
ル樹脂の硬化が十分に行われず、一方これ以上の割合で
用いられると、ゴムとの相溶性が悪くなる。これらのフ
ェノール樹脂類は、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類が
一般に用いられる有機溶媒中に、約5〜20重量%の固型分
濃度で溶解させた有機溶媒溶液として調製されて用いら
れる。
【0008】このような有機溶媒溶液よりなる加硫接着
剤組成物を用いての加硫接着は、軟鋼、ステンレススチ
ール、アルミニウム、アルミニウムダイキャスト等の金
属上にこれを塗布し、室温下で風乾させた後、約100〜2
00℃で約5〜10分間程度の乾燥を行い、そこに未加硫の
NBR配合物またはアクリルゴム配合物を接合させ、約
180〜200℃で加圧加硫させることによって行われる。こ
こで、NBRには水素化NBRが含まれ、またエピクロ
ロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン-エチレンオキサ
イド共重合ゴム等にも適用可能である。
【0009】未加硫のNBR配合物またはアクリルゴム
配合物としては、例えば次のようなものが用いられる。 (配合例I) NBR(日本ゼオン製品ニポールDN206;中高ニトリル) 100重量部 FEFカーボンブラック 40 〃 シリカ粉末 20 〃 酸化亜鉛 5 〃 ステアリン酸 1 〃 ジオクチルフタレート 5 〃 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン 1 〃 トリアリルイソシアヌレート(70%) 0.8 〃 (配合例II) NBR(日本ゼオン製品ニポール1001;高ニトリル) 100重量部 FEFカーボンブラック 40 〃 シリカ粉末 20 〃 酸化亜鉛 5 〃 ステアリン酸 1 〃 老化防止剤(住友化学製品アンチゲンAS) 1 〃 イオウ 0.8 〃 加硫促進剤(テトラメチルチウラムジスルフィド) 2.5 〃 加硫促進剤 2 〃 (N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド) (配合例III) 活性塩素含有アクリルゴム 100重量部 HAFカーボンブラック 70 〃 粉末状シリカ 5 〃 マイクロクリスタリンワックス 2 〃 (大内新興化学製品サンノック) ステアリン酸 1 〃 4,4´-ビス(2,2´-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン 2 〃 イオウ 0.3 〃 ステアリン酸ナトリウム 3.5 〃 (配合例IV) エポキシ基含有アクリルゴム 100重量部 HAFカーボンブラック 10 〃 粉末状シリカ 15 〃 マイクロクリスタリンワックス(サンノック) 2 〃 ステアリン酸 1 〃 老化防止剤(大内新興化学製品ノクラックホワイト) 2 〃 ジチオカルバミン酸亜鉛 3 〃
【0010】
【発明の効果】本発明に係る加硫接着剤組成物は、約10
0〜200℃の広範囲の焼付温度での接着が可能であり、し
かもその際の焼付は約3〜5分間程度の短時間で十分であ
る。また、硬化剤としてレゾール型フェノール樹脂が用
いられ、ヘキサメチレンテトラミンが用いられていない
ため、ヘキサメチレンテトラミンを用いたときみられる
それの飛散による焼付炉の汚染や接着不良等が防止され
る。
【0011】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0012】参考例1 (m-クレゾール-p-クレゾール混合物から得られたノボラ
ック型フェノール樹脂)m,p-クレゾール混合物を反応釜
中で95℃に加熱し、そこにしゅう酸を加えた後、攪拌し
ながら混合物がおだやかに沸騰するような添加速度でホ
ルムアルデヒド溶液を加えた。このときの混合比は、
m,p-クレゾール混合物1モルに対してしゅう酸が0.02
モル、ホルムアルデヒドが0.85モルである。全部のホル
ムアルデヒド溶液を加え終った後、95℃に約90分間保っ
た。その後、常圧蒸留で脱水し、更に真空中で160℃迄
加熱し、未反応物を除去して目的物を得た。
【0013】参考例2 (フェノールから得られたノボラック型フェノール樹脂)
参考例1において、m,p-クレゾール混合物の代わり
に、フェノールが用いられた。
【0014】参考例3 (m-クレゾール-p-クレゾール混合物から得られたレゾー
ル型フェノール樹脂)反応釜中にm,p-クレゾール混合
物、ホルムアルデヒド水溶液および水酸化バリウム・8
水和物を加え、70℃で2時間攪拌しながら加熱した。こ
のときの混合比は、m,p-クレゾール混合物1モルに対
してホルムアルデヒドが1.5モル、水酸化バリウム・8水
和物が0.02モルである。その後、pHを6〜7にするのに十
分な量の10%硫酸を加えた。アスピレーターで減圧にし
(約30〜50mmHg)、蒸留できるようにセットしたコンデン
サを通して脱水し、目的物を得た。
【0015】参考例4 (ビスフェノールAから得られたレゾール型フェノール樹
脂)参考例3において、m,p-クレゾール混合物の代わり
に、ビスフェノールAが用いられた。
【0016】参考例5 (フェノールから得られたレゾール型フェノール樹脂)参
考例3において、m,p-クレゾール混合物の代わりに、
フェノールが用いられた。
【0017】実施例1 参考例1のノボラック型フェノール樹脂 7重量部 参考例3のレゾール型フェノール樹脂 3 〃 メチルエチルケトン 90 〃
【0018】実施例2 参考例1のノボラック型フェノール樹脂 5重量部 参考例4のレゾール型フェノール樹脂 5 〃 メチルエチルケトン 90 〃
【0019】比較例1 参考例1のノボラック型フェノール樹脂 10重量部 ヘキサメチレンテトラミン 1 〃 メタノール 89 〃
【0020】比較例2 参考例2のノボラック型フェノール樹脂 10重量部 ヘキサメチレンテトラミン 1 〃 メタノール 89 〃
【0021】比較例3 参考例2のノボラック型フェノール樹脂 5重量部 参考例5のレゾール型フェノール樹脂 5 〃 メチルエチルケトン 90 〃
【0022】以上の各成分からなる実施例1〜2および
比較例1〜3の加硫接着剤組成物を、リン酸亜鉛処理し
た軟鋼板上に塗布し、室温条件下に10分間放置して風乾
させた後、120℃、150℃、180℃または200℃の各焼付温
度で5分間の焼付処理が行われた。
【0023】これらの加硫接着剤焼付軟鋼板に、前記配
合例I〜IVの未加硫ゴムコンパウンドを接合させ、NB
Rについては180℃、4分間の、またアクリルゴムについ
ては200℃、4分間の加圧加硫が行われた。得られた接着
物について、90°剥離試験による接着強度およびゴム残
り面積率の測定が行われた。
【0024】得られた結果は、次の表1〜2に示され
る。
【0025】 表1 加硫 焼付温度 配合例I 配合例II 接着剤 (℃) 接着強度(N/mm) ゴム残率(%) 接着強度(N/mm) ゴム残率(%) 実施例1 120 7.3 90 8.6 100 150 8.5 100 8.9 100 180 8.6 100 8.9 100 200 8.6 100 8.9 100 実施例2 120 8.4 100 8.6 100 150 8.5 100 8.9 100 180 8.6 100 8.9 100 200 8.6 100 8.9 100 比較例1 120 8.5 100 8.8 100 150 8.6 100 8.9 100 180 8.6 100 8.9 100 200 8.6 100 8.9 100 比較例2 120 1.0 0 6.5 40 150 3.9 10 8.0 80 180 5.0 50 8.8 100 200 8.5 95 8.9 100 比較例3 120 3.9 20 7.2 60 150 5.6 50 8.0 80 180 8.0 80 8.6 100 200 8.5 100 8.9 100
【0026】 表2 加硫 焼付温度 配合例III 配合例IV 接着剤 (℃) 接着強度(N/mm) ゴム残率(%) 接着強度(N/mm) ゴム残率(%) 実施例1 120 4.2 100 5.0 100 150 4.4 100 5.1 100 180 4.4 100 5.1 100 200 4.4 100 5.1 100 実施例2 120 4.4 100 5.1 100 150 4.5 100 5.2 100 180 4.5 100 5.2 100 200 4.4 100 5.0 100 比較例1 120 3.3 100 3.6 100 150 4.9 100 5.0 100 180 4.8 100 5.1 100 200 4.8 100 5.1 100 比較例2 120 2.0 0 2.6 0 150 2.5 10 3.2 20 180 3.6 50 4.6 50 200 4.4 100 5.0 90 比較例3 120 1.9 0 2.0 0 150 3.0 20 3.1 20 180 3.7 50 4.0 60 200 4.0 90 5.1 95

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m-クレゾールとp-クレゾールとの混合物
    から得られたノボラック型フェノール樹脂を接着性成分
    とし、これにレゾール型フェノール樹脂を硬化剤として
    添加してなる加硫接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 金属とNBRまたはアクリルゴムとの加
    硫接着に用いられる加硫接着剤組成物。
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