JPH10118733A - 転造平ダイス及び転造加工方法 - Google Patents

転造平ダイス及び転造加工方法

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JPH10118733A
JPH10118733A JP8291249A JP29124996A JPH10118733A JP H10118733 A JPH10118733 A JP H10118733A JP 8291249 A JP8291249 A JP 8291249A JP 29124996 A JP29124996 A JP 29124996A JP H10118733 A JPH10118733 A JP H10118733A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の転造盤や複数のダイスさらには長いダ
イスを用いることなく、歯形等の転造加工面の両側の形
状や、潰れ易い加工物を精度よく加工できる転造平ダイ
ス及び転造方法を提供。 【解決手段】 転造平ダイス1の長手方向に被加工部材
に対応するほぼ一定形状の凹凸部2を周期的に連続して
設け、ダイス基準面3からの凹凸部の最高高さを結ぶ高
さ4a,4b,4c・・を凹凸部高さとして、中央部に
は前記凹凸部高さが一定な仕上げ部5と、該仕上げ部の
両側に外方に向かって前記凹凸部高さが徐々に低くなる
調整部6a,6bと、各調整部に続いてさらに外方に向
かって前記凹凸部高さが前記調整部より急な勾配で低く
なる逃げ部7a,7bと、を設け、該一対の平ダイス間
隔を被加工部材が逃げ部に位置した時に徐々に縮めなが
ら被加工部材を往復転造加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸状の周面を塑性
加工するための転造平ダイス及び転造加工方法、特に歯
車等の転造加工面左右の凹凸形状精度の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回転自在に軸心に支持された被加工部材
を挟んで配置された一対の平ダイスを互いに逆方向に駆
動することにより、被加工部材の外周面に転造加工を行
う転造平ダイスは、一般に一方向に転がしており、平ダ
イス形状は、例えば、歯車転造等においては、図8に示
すようなものが代表的なものである。図8において、平
ダイス20の図でみて右端に被加工部材が徐々に喰付く
ための喰付部21、被加工部材が喰付いた後被加工部材
を徐々に塑性変形するための調整部22、被加工部材を
最終的に仕上げる仕上げ部23、仕上げられた被加工部
材を平ダイス間から分離、排出する逃げ部24から形成
されている。
【0003】喰付部21から調整部22にかけて、被加
工部材外周に接するようにされた平面から歯車を形成す
るための凹凸部25が徐々に増大するようにされてい
る。この凹凸は被加工部材の転造による塑性変形がスム
ースに行われるようにされており、最終的に仕上げ部2
3で被加工部材の仕上がり寸法にされる。喰付部21と
調整部22とは増加の傾きが若干異なったり、喰付部は
サンドブラスト加工等を施し喰付きを良くするなどの違
いがあるが、喰付部と調整部の差がほとんどない場合も
ある。逃げ部24は塑性変形された被加工部材が仕上げ
部23より離れるときに生ずるスプリングバックによっ
て振動や形状不良が生じないように仕上げ面と同様な凹
凸であって被加工部材がスムースに仕上げ面から離脱す
るようにされている。喰付部21を含めた調整部22の
長さは被加工部材回転数で3〜5回転、仕上げ部23は
1〜1.5回転、逃げ部24は歯数で6〜12歯が用い
られる。なお符号26は歯車加工の場合の基準ピッチ線
である。
【0004】一方、転造加工される凹凸形状がヘリカル
ギヤ等の場合には斜め方向に力が働くので、図8のよう
な丈を徐々に高くするものでは、すべり等が発生し易
く、また、加工精度も悪い。そこで、図9に示すよう
に、転造平ダイス30の長手方向に被加工部材に対応す
るほぼ一定形状かつ一定丈の凹凸35を周期的に連続し
て設け、ダイス基準面3からの凹凸部の最高高さを結ぶ
高さを凹凸部高さ4として、凹凸部高さが一定にされた
仕上げ部33と、仕上げ部から図でみて右方に凹凸部高
さが徐々に低くなり先端部に喰付部31を設けた調整部
32と、仕上げ部から図でみて左方に凹凸部高さが調整
部より勾配が急な逃げ部を設けるようにしている。な
お、図9の(a)は平面図、(b)は、側面図である。
【0005】かかる平ダイスを用いた転造盤は1回の往
駆動で歯車等を転造加工することが可能で、生産効率の
高い加工方法を提供する。しかし、1回の往駆動即ち一
方向の転造であると、転造される歯の(図でみて)左右
の歯形が同一にならずに歪みとなり精度不良の原因とな
る。そこで、特公平5−49379号公報では、仕上げ
部で被加工部材をダイスで保持したまま往復動させるこ
とにより、ほぼ完成した歯車の面取り部の精度を改良し
たものが開示されている。又、特開平8−215783
号公報では平ダイスを往復動させて、目つぶしやローレ
ット加工を行っている。しかし、面取り、目つぶし、ロ
ーレット加工は加工部分が小さく、歯車やスプライン等
のように大きな加工部や、塑性変形量の多いものは加工
できず、あらかじめ別に歯車の転造加工をしておく必要
がある。また、加工部分が小さい面取り部、目つぶし
部、ローレット部は表面粗さ等が向上するが、転造加工
の大部分を占める歯車等の歯形形状の精度向上は望めな
い。
【0006】また、特開平7−241643号公報にお
いては、喰付部と仕上げ部とからなり、かつワークの軸
方向(ダイス幅方向)にも喰付部と仕上げ部とを有する
転造ダイスを用い、筒状部品(歯車等)を転造ダイスに
対し、ワークの軸方向に相対移動させながら、平ダイス
を仕上げ部で往復運動させ、粗塑性加工を施し、さら
に、ワークの軸方向の移動によって生じた粗面を再度従
来と同様な平ダイスを用いて、仕上げ加工を施してい
る。かかる場合は、粗加工を繰り返し行い、筒状部品の
潰れを防止し、粗加工で殆ど成形を完了して、仕上げ加
工で粗面のみを加工するようにしているので、仕上げ加
工での塑性変形量が少なくなり歯面精度が上がるという
利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものでは、潰れ防止や精度を上げるために2台の転造
盤、2種類の平ダイスを必要とし、設備も大きくコスト
も高いという問題があった。また、往復運動時の仕上げ
部の長さも長くダイス長さが長くなるばかりでなく転造
盤自体も大きくしなければならないという問題があっ
た。
【0008】本発明は、従来技術のこのような問題点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、歯形等の左右の精度を向上させ、あるいは潰れ易い
加工物を精度よく加工でき、さらに、転造盤や転造ダイ
スを多数あるいは多種使用することなく、また、従来と
同程度の大きさの転造ダイスを提供しようとするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、回転自在に軸心に支持された被
加工部材を挟んで配置された一対の平ダイスを互いに逆
方向に駆動することにより、被加工部材の外周面に転造
加工を行う転造平ダイスにおいて、転造平ダイス長手方
向に被加工部材に対応するほぼ一定形状の凹凸を周期的
に連続して設ける。そして、ダイス基準面からの凹凸部
の最高高さを結ぶ高さを凹凸部高さとして、中央部には
前記凹凸部高さが一定にされた仕上げ部を設ける。ま
た、仕上げ部の両側に外方に向かって凹凸部高さが徐々
に低くなるようにされた調整部を設ける。さらに、各調
整部に続いて凹凸部高さが調整部より勾配が急な逃げ部
を設けるようにした。
【0010】そして、本発明の請求項5に記載の転造加
工方法においては、この平ダイス一対を転造盤に取付
け、被加工部材を平ダイスの一方の逃げ部から導入し、
回転を加えながら、平ダイスを互いに逆行させ、調整部
の喰付位置から喰付挟持転造させ、他方の逃げ部で停止
させる。さらに、一対の転造平ダイスの対面方向寸法を
縮めた後、他方の調整部の喰付位置で喰付挟持転造さ
せ、一方の逃げ部で再び停止させ、又は、さらに、一対
の転造平ダイスの対面方向寸法を縮めた後、再度一方の
調整部の喰付位置で挟持転造させ、所定加工寸法になる
まで、一往復、又は、左右に複数回、転造加工を繰り返
すことにより、所定の凹凸形状を持つ被加工部材を加工
する。
【0011】凹凸部の形状は仕上げ部、両調整部、逃げ
部はほぼ同じであるが、凹凸部の最高高さの軌跡は、仕
上げ部で一定で、調整部、逃げ部では徐々に下がってお
り、転造盤に取りつけた状態で、調整部の逃げ部側近傍
で被加工部材の外径が最初に喰付かせるような凹凸部の
高さとする。また、両逃げ部は、転造加工中に被加工部
材と調整部とが確実に喰付き、逃げ部と被加工部材が転
造加工途中及び加工完了時に干渉しないようにされる。
即ち、逃げ部は転造加工後の被加工部材と噛み合い可能
にされ、かつ転造加工同期時には被加工部材とは歯面隙
間を有するような寸法にされる。
【0012】転造加工においては、平ダイスに設けられ
た凹凸部が被加工部材に転写されるが、最終的に少なく
とも仕上げ部で1回転以上させることにより、歯車等の
凹凸部が仕上げられる。一方、仕上げ長さは長い方が精
度向上が期待されるが、ダイス及び機械の送り機構の長
さが長くなる。そこで、本発明の請求項2記載の平ダイ
スにおいては、仕上げ部の長さは一般の場合と同様被加
工部材の1〜1.5回転分が好ましい。又、調整部の長
さは従来のものでは被加工部材の3〜5回転分である
が、本発明においては、両側に調整部を設けるのでダイ
ス長さが長くなる。そこで、被加工部材の1〜3回転分
とし、従来のものに比べて長さを約半分とした。
【0013】また、加工に当たっては、平ダイスを往復
動させるので、加工部材の凹凸部形状が左右異なる場合
は、それぞれに応じた調整部形状、長さを設定すること
が好ましい。しかし、左右凹凸部形状が対称である一般
の歯車等においては、加工条件を均一化すべく、本発明
の請求項4の仕上げ部を中心として、調整部、又は、逃
げ部を対称に形成するのがよい。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明の実施例で用いた平ダイス
の説明図である。(a)は平面図、(b)は、側面図で
ある。被転造加工部材は、はすば歯車であり、その完成
諸元は、モジュール0.8mm、圧力角20°、歯数9
枚、ねじれ角30°、歯長15mm、外径10mm、歯
底径6.8mm、ピッチ円上歯直角一枚円弧歯厚1.4
mmである。
【0015】一方平ダイスは図1に示すように、中央に
設けられた仕上げ部5を中心にして、両側に対称に調整
部6a,6b、及び逃げ部7a,7bが設けられてい
る。各部の寸法は全歯長(12)610mm、ダイス幅
(13)25mm、全歯数192山、逃げ部歯数24山
(片側)、調整部歯数63山(片側)、仕上げ部歯数1
8山、調整部勾配量(10a,10b)0.2mm、逃
げ部勾配量(11a,11b)1.5mmである。歯形
形状も左右対称に形成され、調整部6、逃げ部7の歯形
は、勾配に沿って仕上げ部5と同一の歯形がほぼ同一形
状、同一丈で形成されている。
【0016】逃げ部7の詳細について説明する。図2は
被加工部材である歯車15が逃げ部7の位置に調整され
た時の上下平ダイスと歯車との関係を示す。図3は図2
のa部拡大図である。後述するように、転造加工時の平
ダイスの間隔は、転造加工が進むに従って縮む。この時
に、逃げ部7と被加工部材15とが干渉しないようにさ
れる。即ち、逃げ部は転造加工後の被加工部材と噛み合
い可能にされ、さらに、転造加工同期時には被加工部材
とは歯面隙間14を有するような寸法にされる。このよ
うにすれば、加工途中では同期運転されかつ逃げ部と被
加工部材との間は離れているので干渉することはない。
また、同期運転しない(自由状態)時は、若干のバック
ラッシを伴い被加工部材と平ダイスが噛み合い互いに移
動可能となるようにされている。
【0017】次に、かかる平ダイスを用いた転造加工方
法について説明する。図4は、本発明の平ダイスを用い
た場合の加工方法の説明図であり、(a)は加工開始
前、(b)は往時転造完了時、(c)は復時転造完了
時、(d)は再(往時)転造完了時、(e)は転造完了
(復時)時の平ダイスと被加工部材との関係を示す。
【0018】一対の平ダイス1,1は被加工部材15の
回転中心15aを中心にして、互いに平行逆方向に等速
度で駆動される。被加工部材の回転と平ダイスとは図示
しない伝達機構によって、同期するようにされている。
被加工部材は円筒形状であり、転造による外径の増加を
考慮され、実施例においては、円筒外径は、完成歯車諸
元外径10mmより小さい8.7mmで前加工される。
そして、図4の(a)で示す被加工部材15を転造加工
する一対の平ダイス1,1の仕上げ部5,5での歯先5
a,5aの間隔41は、円筒外径8.7mmより0.4
mm小さい8.3mmに設定される。
【0019】ここで調整部6b,6bの勾配量10,1
0は0.2mmであるから、次にこの間隔で、図4の
(a)で見て上下の平ダイス1,1を矢印42,42方
向に平行安定に等速度で駆動させると、被加工部材15
は調整部端8b,8bで調整部に喰付き、一対の平ダイ
ス間に挟持転造加工される。被加工部材15は仕上げ部
5,5でさらに転造形状を形成され、反対側の調整部6
a,6aで転造による力が徐々に解放され、若干のスプ
リングバックをしながら、図4の(b)に示す、一対の
平ダイス1,1の逃げ部7a,7aの中央部にて停止さ
れる。このとき、急激にスプリングバックしないので、
傷がついたり精度が低下しない。
【0020】さらに、図4の(b)の状態で、一対の平
ダイス1,1の仕上げ部5,5での歯先5a,5aの間
隔43をさらにそれぞれ0.2mmずつ計0.4mm縮
め両平ダイスの間隔を7.9mmとし、往時と同様に、
図で見て上下の平ダイスを矢印方向44に平行に等速度
で駆動させ被加工部材15を調整部端8a,8aで喰付
かせて、被加工部材を一対の平ダイス間に挟持転造加工
させ、図4の(c)に示す、一対の平ダイスの逃げ部7
b,7bの中央部にて再度、停止させる。
【0021】同様に、図4の(c)の状態で、一対の平
ダイス1,1の間隔45をさらにそれぞれ0.2mmず
つ計0.4mm縮め両平ダイスの間隔を7.5mmと
し、図で見て上下の平ダイスを矢印方向46に平行に等
速度で駆動させ被加工部材15を一対の平ダイス間に挟
持転造加工させ、図4の(d)に示す、一対の平ダイス
の逃げ部7a,7aの中央部にて再度、停止させる。次
いで、図4の(d)の状態で、一対の平ダイス1,1間
の距離を今度は、それぞれ0.2mmずつ計0.4mm
縮め両平ダイスの間隔47を7.1mmとし、図で見て
上下の平ダイスを矢印方向48に平行に等速度で駆動さ
せる。
【0022】次いで、図4の(c)に戻り、今度は、両
平ダイスの間隔を0.1mmずつ計0.2mm縮め6.
9mmと転造代を小さくして転造加工させる。ここで
は、ある程度歯車が形成されており、調整部勾配は0.
2mmであるので、被加工部材は調整部のほぼ中程8
b,8bで平ダイスに喰付き挟持転造加工される。この
とき、転造代が少なくなるので、仕上げ精度が増し、ま
た、スプリングバック量は殆どなくなる。さらに、図4
の(d)で両平ダイスの間隔49を0.05mmずつ計
0.1mm縮め6.8mmとし、転造代をより小さくし
て仕上げ転造加工した後、図4の(e)に示す、加工開
始位置まで戻し、転造加工を完了させる。
【0023】即ち、実施例においては、片側0.2mm
計0.4mmずつ4回転造し、片側0.1mm計0.2
mmずつ1回、片側0.05mm計0.1mmずつ1回
の仕上げ転造をし、3往復の転造で歯車を加工する。こ
の結果、歯車精度は、従来の往一方向の転造の場合よ
り、精度が向上した。
【0024】図5の(a)は本発明の往復転造方法で、
(b)は従来の一方向転造方法で転造加工した歯車の歯
形形状を示す。軸線50に対する左右歯形形状の対称性
は図5(b)の従来の左右歯形56,57より、図5
(a)の本発明の左右歯形16,17の方が格段によく
なっている。また、転造加工によって生じるまくれも従
来例のまくれによる空隙58に比べ本発明のまくれによ
る空隙18の方が小さくまた、軸線50に沿っており、
歯形形状もよく歩留りも向上している。図示していない
が、転造によって生ずる組織の流れ状態も従来のもの
が、軸線に対して偏っているのに対し、本発明にもので
は軸線に対してほぼ対称の流れであった。
【0025】また、図6の(a)は本発明の左側歯形1
6、(b)は右側歯形17、図7の(a)は従来の左側
歯形56、(b)は右側歯形57の歯形誤差を測定した
ものである。図に示すように歯中央やや上部から歯底に
かけては、左側歯形16、56側は本発明と従来との形
状の差は少ないのに対し、右側歯形17、57側は従来
例に比べ本発明のものが格段に良いものとなっている。
さらに、歯先側は左右とも従来例のものは大きく傾いて
いるのに対し、本発明は歯形形状、左右の対称性も良好
である。
【0026】なお、実施例においては、片側0.2m
m、0.1mm、0.05mmづつ平ダイスの仕上げ部
間隔を縮めて3往復させたが、被加工部材の諸元、要求
精度等によって、種々の縮小寸法、転造回数が選択され
るのはいうまでもない。また、平ダイスの移動により、
間隔が縮まる側の調整部では、転造加工が行われ、反力
が働き、転造加工された被加工部材にスプリングバック
現象が生じるが、本発明によれば、スプリングバック量
も小さくなるので、精度もよくなる。なお、実施例では
冷間転造の場合について述べたが、熱間転造にも適用で
きるのはいうまでもない。冷間転造の場合は被加工部材
のモジュールにして1.5mm程度の加工までが一般で
あるが、熱間転造によれば、より大きなモジュール相当
の転造加工が可能である。
【0027】熱間転造の場合は被転造歯車の温度低下防
止や熱の供給にあたっては被加工部材を高周波コイルで
加熱するとよい。加熱に当たって連続加熱でもよいが、
構造が複雑になる。そこで、被加工部材を逃げ部で止め
るのではなく一旦図4の(e)のように平ダイス部から
離隔させ、高周波コイルを図でみて前後させるようにし
て被加工部材の加工部をコイルで包み加熱するような工
程を設けるとよい。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による転
造平ダイスは、歯形形状を仕上げ部を中心にして、調整
部、逃げ部を対称に設け、さらに、一対の平ダイスの間
隔を縮めながら往復あるいは複数回転造させるようにし
たので、転造の作用が左右同一化して安定し、被加工部
材の精度が良好となった。特に、歯車等の歯形形状の左
右の差は殆どなくなり、歯車精度等の良好なものとなっ
た。また、複数回に分けて少しづつ転造できるので、潰
れ易い加工物も精度よく加工できる。さらに、転造盤や
転造ダイスを多数あるいは多種使用することがなく、従
来と同程度の大きさの転造ダイスで高精度転造加工を提
供できるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、転造平ダイスの(a)
は平面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施例被加工部材である歯車が逃げ部
の位置に調整された時の上下平ダイスと歯車との関係を
示す側面図である。
【図3】図2のa部拡大図である。
【図4】本発明の(a)は加工開始前、(b)は往時転
造完了時、(c)は復時転造完了時、(d)は再(往
時)転造完了時、(e)は転造完了(復時)時の平ダイ
スと被加工部材との関係を示す加工方法の説明図であ
る。
【図5】(a)は本発明の往復転造方法で、(b)は従
来の一方向転造方法で転造加工した歯車の歯形形状を示
す側面図である。
【図6】(a)は本発明の左側歯形16、(b)は本発
明の右側歯形17の歯形誤差測定結果である。
【図7】(a)は従来の左側歯形56、(b)は従来の
右側歯形57の歯形誤差測定結果である。
【図8】従来の転造平ダイスの側面図である。
【図9】従来のヘリカルギヤ用の転造平ダイスの(a)
は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 転造平ダイス 2 凹凸部 3 基準面 4、4a、4b、4c 凹凸部の最高高さ 5 仕上げ部 5a 仕上げ部歯先面 6、6a、6b 調整部 7、7a、7b 逃げ部 8、8a、8b 喰付部(調整部の逃げ部側) 14 歯面隙間 15 被加工部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に軸心に支持された被加工部材
    を挟んで配置された一対の平ダイスを互いに逆方向に駆
    動することにより、被加工部材の外周面に転造加工を行
    う転造平ダイスであって、転造平ダイス長手方向に被加
    工部材に対応するほぼ一定形状の凹凸が周期的に連続し
    て設けられた転造平ダイスにおいて、ダイス基準面から
    の凹凸部の最高高さを結ぶ高さを凹凸部高さとして、中
    央部には前記凹凸部高さが一定にされた仕上げ部と、該
    仕上げ部の両側に外方に向かって前記凹凸部高さが徐々
    に低くなるようにされた調整部と、各調整部に続いてさ
    らに外方に向かって前記凹凸部高さが前記調整部より急
    な勾配で低くなるようにされた逃げ部と、を有している
    ことを特徴とする転造平ダイス。
  2. 【請求項2】 前記調整部の逃げ部側近傍の凹凸部高さ
    は、転造盤に前記平ダイスを取付た状態で、転造加工前
    の被加工部材外径が接触可能にされ、かつ、前記逃げ部
    は転造加工後の被加工部材と噛み合い可能にかつ転造加
    工同期時には歯面隙間があるようにされていることを特
    徴とする転造平ダイス。
  3. 【請求項3】 前記仕上げ部の長さは前記被加工部材の
    1〜1.5回転分であり、又は、前記調整部の長さは前
    記被加工部材の1〜3回転分であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の転造平ダイス。
  4. 【請求項4】 前記仕上げ部を中心として、前記調整
    部、又は、逃げ部が対称に形成されていることを特徴と
    する請求項1又は2又は3記載の転造平ダイス。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2又は3又は4記載の転造
    平ダイスを有する転造盤において、被加工部材を前記一
    対の平ダイスに一方の逃げ部から導入し、調整部の喰付
    位置で喰付挟持転造させ、他方の逃げ部で停止させ、さ
    らに、一対の転造平ダイスの対面方向寸法を縮めた後、
    他方の調整部の喰付位置で喰付挟持転造し、一方の逃げ
    部で停止させ、又は、さらに、一対の転造平ダイスの対
    面方向寸法を縮めた後、再度一方の調整部の喰付位置に
    喰付挟持転造させ、所定加工寸法になるまで、一往復、
    又は、複数回、調整部及び仕上げ部で転造加工を繰り返
    すことを特徴とする転造加工方法。
JP29124996A 1996-10-15 1996-10-15 転造平ダイスを有する転造盤及び転造加工方法 Expired - Fee Related JP3746855B2 (ja)

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