JP3739154B2 - 内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法 - Google Patents

内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内周歯付円筒部を有する部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内周歯付円筒部を有する部品が知られている。たとえば、クラッチ板の外周部に係合してその部材の軸まわりの回転を阻止しつつ軸方向移動を案内するためのスプライン歯或いは案内歯を内周面に有するクラッチドラム、動力伝達などのためにピニオンと噛み合わせられる内周歯を内周面に有するリングギヤ、雌ねじ山が内周面に形成された部品などがそれである。このような部品の内周歯を形成するに際しては、切削により形成する歯切盤を用いると、材料効率や作業効率が得られず、また、円筒部の内径が小径である場合には、加工が不可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、特開平8−47738号公報に記載されているように、円筒状ワークの外周面に打撃ローラを繰り返し衝突させることにより、円筒状ワークの内周面にその円筒状ワークの内側に嵌め入れられた芯金ダイスの外周歯に対応する内周歯を形成させる打撃圧延加工、所謂スウェージング加工が提案されている。これによれば、材料効率は得られるけれども、円筒状ワークの内径の拡大や芯金ダイスと円筒状ワークとの間のもみ擦り現象によって加工精度が得られず、また、打撃ローラを円筒状ワークの外周面に対して一様に繰り返し衝突させる必要があるために加工能率或いは作業能率が得られず、さらに騒音による作業環境の低下が発生するという不都合があった。
【0004】
また、特開昭51−90967号公報に記載されているように、外周歯が形成された芯金ダイスを円筒状ワークの内側に隙間無く嵌合し、その円筒状ワークの外周をワーク厚さだけ補正した歯を有する一対の転造平ダイスを用いて挟圧しつつ上記芯金ダイスおよび円筒状ワークを転動させることにより、円筒状ワークの内周面に上記芯金ダイスの外周歯に対応した形状の内周歯を形成する技術が提案されている。しかし、この技術によれば、求める内周歯よりもワーク厚みだけ補正した歯を有する一対の転造平ダイスを必要とするため、その転造平ダイスの歯の山型の設計が極めて困難であり、また、上記芯金ダイスと転造平ダイスとの位相を合わせつつ相対移動させる必要があるため、加工装置が複雑となるという欠点があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、複雑な装置を必要とすることなく、しかも加工時間が短く、騒音を発生させず、良好な寸法精度で内周歯付円筒部を有する部品の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法であって、(a) 軸心まわりに回転可能に支持され且つ前記内周歯に対応する外周歯と前記円筒状部の内径と同様の外径とを有する芯金ダイスを、前記部品の円筒状部内に嵌め入れる芯金嵌合工程と、(b) 相対向する対向面から突き出す長手状押圧突起を有する一対の平ダイス間に挟圧された状態で、前記円筒状部およびそれに嵌め入れられた芯金ダイスを該一対の平ダイスに対して転動させることにより、前記部品の円筒状部の外周面を内周側に向かって押圧し、該円筒状部の内周面に該芯金ダイスの外周歯に対応した形状の内周歯を形成する内周歯形成工程とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、芯金嵌合工程により、軸心まわりに回転可能に支持され且つ前記内周歯に対応する外周歯と前記円筒状部の内径と同様の外径とを有する芯金ダイスが、前記部品の円筒状部内に嵌め入れられると、内周歯形成工程において、相対向する対向面から突き出す長手状押圧突起を有する一対の平ダイス間に挟圧された状態で、前記円筒状部およびそれに嵌め入れられた芯金ダイスがその一対の平ダイスに対して転動させられることにより、部品の円筒状部の外周面が内周側に向かって押圧され、その円筒状部の内周面にその芯金ダイスの外周歯に対応した形状の内周歯が形成される。したがって、本発明によれば、上記一対の平ダイスには加工歯が形成されていないことから、その平ダイスを上記芯金ダイスの回転位相に同期させて駆動する必要がないので、同期装置などの複雑な装置を必要とせず、簡単な装置で内周歯が形成される。また、上記一対の平ダイスを一往復させるだけで内周歯が形成されることから、スウェージング加工に比較して加工時間が短くしかも騒音が発生しない。さらに、部品の円筒状部は一対の平ダイスに挟圧されることによって回転中心側へ平面で押圧されることから、芯金ダイスと円筒状部との間でもみ擦り現象が発生しないので、良好な寸法精度で内周歯が形成される。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記一対の平ダイスの長手状押圧突起は、その前進側の前端部から後端部へ向かうほど前記対向面からの高さが高くなる傾斜加圧部と、その傾斜加圧部に連続して一定の高さに形成された定加圧部とを備えたものである。このようにすれば、一対の平ダイスから部品の円筒部へ及ぼす押圧力が滑らかに増加させられて、芯金ダイスや平ダイスの耐久性や内周歯の加工精度が高められる。
【0009】
また、好適には、前記芯金ダイスは、位置固定の回転軸心まわりに回転可能に支持され、前記一対の平ダイスは、その位置固定の回転軸心に対して垂直な面内においてその回転軸心を挟んで位置する平行線に沿い且つその回転軸心に対して点対称となる位置が保持されるように相互に同期して駆動されるものである。このようにすれば、一対の平ダイスの長手状押圧突起の前端部において傾斜した傾斜加圧部から部品の円筒部へ及ぼす押圧力が均等とされ且つ対向する方向とされるので、部品の回転中心のぶれが好適に防止される。
【0010】
また、好適には、前記長手状押圧突起の傾斜加圧部は、前記回転軸心に平行な方向の幅寸法が前記前端部から後端部へ向かうほど大きくなる押圧面を備えたものであり、前記定加圧部は、その回転軸心に平行な方向の幅寸法が一定である押圧面を備えたものである。このようにすれば、平ダイスの長手状押圧突起の傾斜押圧部による押圧により部品の円筒状部の肉が内周側へ塑性変形させられるに際して、回転軸心方向の変形面積が連続的に増加するので、内周歯の加工精度が高められる。
【0011】
また、好適には、前記長手状押圧突起の押圧面には、前記円筒状部の外周面に対する滑り止めのために前記内周歯よりも細かな凹凸が形成される。このようにすれば、平ダイスの長手状押圧突起と部品の円筒状部外周面との間の滑りが好適に防止されるので、円筒状部に対する塑性変形負荷が滑らかに増加させられる利点がある。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の一適用例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1および図2は、本発明方法により内周歯が形成された部品10の断面図および正面図を示している。部品10は、鉄板或いは鋼板からプレスによって成形されたものであって、中央穴12が形成された底部14と、その底部14により一端が塞がれ且つ内周歯16が内周面18に形成された第1円筒状部20と、その第1円筒状部20に続いて形成され且つその第1円筒状部20よりも大径の第2円筒状部22と、その第2円筒状部22の開口縁から外周側へ突き出すフランジ部24とから構成されている。
【0014】
上記第1円筒状部20の外周面には、その内周面18に内周歯16を形成するために押圧された跡である溝26が形成されている。この第1円筒状部20の肉厚は、溝26が形成される前では上記内周歯16の高さよりも十分に大きくされており、溝26が形成された後でも上記内周歯16の高さと同等以上の値となるように設定されている。
【0015】
図3は、以上のように構成された部品10の内周歯16を加工するための装置の要部を示している。図3において、芯金ダイス(ローラダイス)30は、内周歯16の凹凸に対応する凸凹形状を有する外周歯32を外周に備えており、前記第1円筒状部20の内側に遊びなく嵌め入れられるようにその第1円筒状部20の内径DINと同様の外径DOUT を有している。この外径は、外周歯32の先端を通過する円の直径である。この芯金ダイス30は、一対のセンタ34(図3では一対のセンタ34のうちの一方が省略されている)により、位置固定の回転軸心Aまわりの回転が可能に支持されている。
【0016】
一対の平ダイス40および42は、上記回転軸心Aに直交する面内においてその回転軸心Aを挟んでその回転軸心Aから等距離に位置する平行線に沿って移動するように図示しない案内装置により案内されるようになっており、また、図示しない駆動装置によって、回転軸心Aに対して点対称となる位置が保持されるように相互に同期して駆動されるようになっている。
【0017】
上記一対の平ダイス40および42は、互いに同様に構成されており、相対向する対向面44をそれぞれ備えている。それら対向面44には、図4に示すように、一対の平ダイス40および42の原位置から見て前進側である前端部から後端部へ向かうほど対向面44からの高さが高くなる傾斜加圧部46と、その傾斜部46に連続して一定の高さに形成された定加圧部48とを備えた長手状押圧突起50が、それぞれ形成されている。なお、図4および図5には、下側に位置する平ダイス42のみが描かれている。
【0018】
図5に示すように、上記長手状押圧突起50の傾斜加圧部46は、前記回転軸心Aに平行な方向すなわち平ダイス40および42の移動方向に直交する図5の縦方向の幅寸法が前記平ダイス40および42の前端部から後端部へ向かうほど大きくなる頂面すなわち押圧面52を備えており、上記定加圧部48は、回転軸心Aに平行な方向において前記溝26と同様の一定の幅寸法を有する頂面すなわち押圧面54を備えている。
【0019】
また、図5に示すように、上記長手状押圧突起50の押圧面52および54には、部品10の第1円筒状部20の外周面に対する滑り止めのために前記芯金ダイス30の外周歯32すなわち形成されるべき内周歯16よりも十分に細かな凹凸すなわち高さおよび間隔ば小さい滑止用凹凸56が形成されている。
【0020】
次に、上記のように構成された装置を用いて内周歯16を形成する形成方法を以下に説明する。先ず、芯金嵌合工程では、一対の平ダイス40、42がその原位置すなわちその前端部が未だ回転軸心Aに対して所定距離離隔している位置にある待機状態において、回転軸心Aまわりに回転可能に支持され且つ形成すべき内周歯16に対応する凹凸形状の外周歯32と第1円筒状部20の内径と同様の外径とを有する芯金ダイス30が、部品10の円筒状部20内に隙間の無い状態で摺動により嵌め入れられる。すなわち、作業者による手動操作または図示しないハンドリング装置による自動操作により、外周歯32が隙間無く円筒状部20内に嵌合された状態で部品10が芯金ダイス30に装着される。
【0021】
次いで、内周歯形成工程では、図示しない駆動装置により回転軸心Aに対して点対称となる位置が保持されるように相互に同期して一対の平ダイス40および42がその前端側へ駆動されると、一対の平ダイス40および42の相対向する対向面44から突き出す長手状押圧突起50の間に挟圧された状態で、第1円筒状部20およびそれに嵌め入れられた芯金ダイス30がその一対の平ダイス40および42に対して共に転動させられる。これにより、部品10の第1円筒状部20の外周面は、当初において傾斜加圧部46により内周側へ向かって押圧され、次いで定加圧部48により内周側へ押圧されることから、第1円筒状部20の肉が芯金ダイス30の外周歯32に当接するまで塑性変形させられるので、一対の平ダイス40および42の1成形ストローク分の往動により、その第1円筒状部20の内周面にはその芯金ダイス30の外周歯32に対応した凹凸形状の内周歯16が形成される。図3および図6はこの状態を示している。そして、一対の平ダイス40および42が原位置へ復動させられる。
【0022】
図1および図2に示す部品10は、自動車用バルブタイミングコントローラハウジングであって、その内周歯16は斜歯(はすば,ヘリカルギヤ)であり、その内周歯16に求められる仕様は、表1に示すものである。本発明者等の実験によれば、外径65.5mmφ、厚さ3mmtである第1円筒状部20を有する素材に対して、上述の形成方法が適用されることにより、表1の仕様を十分に満足する内周歯16を備えた部品10が得られた。
【0023】
【表1】
はめあい : 滑動
モジュール: 1.25
圧力角 : 30°
ねじれ角および方向: 30°および右
歯数 : 40
P.C.D: 50.735mmφ
大径 : 59.11+0.10mmφ
小径 : 56.61+0.10mmφ
O.B.D: 54.515+0.190+0.140mmφ
B.D : 2.2mmφ
歯厚 : 2.007
【0024】
上述のように、本実施例の内周歯16の形成方法によれば、芯金嵌合工程において、センタ34により回転軸心Aまわりに回転可能に支持され且つ形成すべき内周歯16に対応する凹凸形状であってその第1円筒状部20の内径DINと同様の外径DOUT を有する芯金ダイス30の外周歯32が、部品10の第1円筒状部20内に嵌め入れられると、内周歯形成工程において、相対向する対向面から突き出す長手状押圧突起50をそれぞれ有する一対の平ダイス40および42間に挟圧された状態で、第1円筒状部20およびそれに嵌め入れられた芯金ダイス30がその一対の平ダイス40および42に対して共に転動させられることにより、部品10の第1円筒状部20の外周面が内周側に向かって塑性変形させられ、長手状押圧突起50により溝26が形成される。これにより、第1円筒状部20の肉が芯金ダイス30の外周歯32に当接するまで塑性変形させられるので、一対の平ダイス40および42の1成形ストローク分の往動により、その第1円筒状部20の内周面にはその芯金ダイス30の外周歯32に対応した凹凸形状の内周歯16が形成される。したがって、本実施例の方法によれば、上記一対の平ダイス40および42には加工歯が形成されていないことから、その平ダイス40および42を上記芯金ダイス30の回転位相に同期させて駆動する必要がないので、同期装置などの複雑な装置を必要とせず、簡単な装置で内周歯が形成される。また、上記一対の平ダイス40および42を一往復させるだけで内周歯16が形成されることから、スウェージング加工に比較して加工時間が短くしかも騒音が発生しない。さらに、部品10の第1円筒状部20は一対の平ダイス40および42に挟圧されることによって回転中心側へ平面で押圧されることから、芯金ダイス30と第1円筒状部20との間でもみ擦り現象が発生しないので、良好な寸法精度で内周歯16が形成される。
【0025】
また、本実施例の方法によれば、一対の平ダイス40および42の長手状押圧突起50は、その前進側の前端部から後端部へ向かうほど対向面44からの高さが高くなる傾斜加圧部46と、その傾斜加圧部46に連続して一定の高さに形成された定加圧部48とを備えたものであるので、一対の平ダイス40および42から部品10の第1円筒部20へ及ぼす押圧力が滑らかに増加させられて、芯金ダイス30や平ダイス40および42の耐久性や内周歯16の加工精度が高められる。
【0026】
また、本実施例の方法によれば、芯金ダイス30は、センタ34により位置固定の回転軸心Aまわりに回転可能に支持され、一対の平ダイス40および42は、その位置固定の回転軸心Aに対して垂直な面内においてその回転軸心Aを挟んで位置する平行線に沿い且つその回転軸心Aに対して点対称となる位置が保持されるように相互に同期して駆動されるものである。このようにすれば、一対の平ダイス40および42の長手状押圧突起50の前端部において傾斜した傾斜加圧部46から部品10の第1円筒部20へ及ぼす押圧力が均等となり且つ対向する方向となるので、その部品10の回転中心のぶれが好適に防止される。
【0027】
また、本実施例の方法によれば、長手状押圧突起50の傾斜加圧部46は、前記回転軸心Aに平行な方向の幅寸法が平ダイス40および42の前端部から後端部へ向かうほど大きくなる押圧面52を備えたものであり、定加圧部48は、その回転軸心Aに平行な方向の幅寸法が一定である押圧面54を備えたものであることから、平ダイス40および42の長手状押圧突起50の傾斜加圧部46による押圧により部品10の第1円筒状部20の肉が内周側へ塑性変形されられるに際して、回転軸心A方向の変形面積が連続的に増加するので、内周歯16の加工精度が高められる。
【0028】
また、本実施例の方法によれば、長手状押圧突起50の押圧面52、54には、第1円筒状部20の外周面に対する滑り止めのために内周歯16よりも細かな凹凸である滑止用凹凸56が形成されていることから、平ダイス40および42の長手状押圧突起50と部品10の第1円筒状部20の外周面との間の滑りが好適に防止されるので、第1円筒状部20に対する塑性変形負荷が滑らかに増加させられる利点がある。
【0029】
以上、本発明の一適用例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0030】
たとえば、前述の実施例において、第1円筒状部20の内周面18に形成される内周歯16は、斜歯(はすば)であったが、回転軸心Aに平行な直歯やスプライン、或いはクラッチディスクなどを軸まわり不能に軸方向へ案内する案内歯であってもよいし、所定のリード角のねじ山であっても差し支えない。要するに、成形後において芯金ダイス30が第1円筒状部20から抜け出し得る形状であればよいのである。
【0031】
また、前述の実施例では、位置固定の回転軸心Aまわりに回転可能に支持された芯金ダイス30およびそれに嵌装された部品10が、前端方向へ移動させられる一対の平ダイス40、42に挟持されることにより、それら一対の平ダイス40、42に対して相対的に転動させられる形式であったが、たとえば、一対の平ダイス40、42のうちの一方が固定され且つ他方が駆動されるとともに、それら平ダイス40、42に挟持された芯金ダイス30および部品10を支持するセンタ34が他方の平ダイスの半分の速度或いは移動ストロークで移動させられることにより、一対の平ダイス40、42に対して相対的に転動させられる形式のものであってもよい。
【0032】
また、前述の実施例では、長手状押圧突起50の傾斜加圧部46は、平ダイス40、42の前端部から後端部へ向かうに従って回転軸心Aに平行な幅寸法が増加する押圧面52を備えたものであったが、図7に示すように、定加圧部48と同じ最大幅寸法ではあるが、前端部から後端部へ向かうにしたがって幅が狭くなる切欠60が幅方向の中心に形成されたものであっても差し支えない。
【0033】
また、前述の実施例の部品10は、有底段付円筒状であったが、他の形状であっても差し支えない。要するに、内周面に内周歯が形成可能な少なくとも一端が開口した円筒状部を備えたものであればよいのである。
【0034】
また、前述の実施例の長手状押圧突起50において、傾斜加圧部46の押圧面52および定加圧部48の押圧面54には、滑止用凹凸56がそれぞれ形成されていたが、一部だけに形成されていてもよいし、形成されていなくても差し支えない。
【0035】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の方法が適用される部品の構成を示す断面図である。
【図2】図1の部品の構成を示す正面図である。
【図3】図1の部品に内周歯を形成するための装置の要部を説明する図である。
【図4】図3の平ダイスの構成を示す側面図である。
【図5】図3の平ダイスの構成を示す平面図である。
【図6】図3の装置によって塑性加工された部品の内周歯を示す断面図である。
【図7】本発明の他の適用例において用いられる平ダイスの構成を示す平面図である。
【符号の簡単な説明】
10:部品
16:内周歯
20:第1円筒状部(円筒状部)
30:芯金ダイス
32:外周歯
40、42:平ダイス
46:傾斜加圧部
48:定加圧部
50:長手状押圧突起
52、54:押圧面
56:滑止用凹凸(凹凸)

Claims (5)

  1. 内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法であって、
    軸心まわりに回転可能に支持され且つ前記内周歯に対応する外周歯と前記円筒状部の内径と同様の外径とを有する芯金ダイスを、前記部品の円筒状部内に嵌め入れる芯金嵌合工程と、
    相対向する対向面から突き出す長手状押圧突起を有する一対の平ダイス間に挟圧された状態で、前記円筒状部およびそれに嵌め入れられた芯金ダイスを該一対の平ダイスに対して転動させることにより、前記部品の円筒状部の外周面を内周側に向かって押圧し、該円筒状部の内周面に該芯金ダイスの外周歯に対応した形状の内周歯を形成する内周歯形成工程と
    を含むことを特徴とする内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法。
  2. 前記一対の平ダイスの長手状押圧突起は、その前進側の前端部から後端部へ向かうほど前記対向面からの高さが高くなる傾斜加圧部と、該傾斜加圧部に連続して一定の高さに形成された定加圧部とを備えたものである請求項1の内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法。
  3. 前記芯金ダイスは、位置固定の回転軸心まわりに回転可能に支持され、前記一対の平ダイスは、該位置固定の回転軸心に対して垂直な面内において該回転軸心を挟んで位置する平行線に沿い且つ該回転軸心に対して点対称となる位置が保持されるように相互に同期して駆動されるものである請求項1または2の内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法。
  4. 前記長手状押圧突起の傾斜加圧部は、前記回転軸心に平行な方向の幅寸法が前記前端部から後端部へ向かうほど大きくなる押圧面を備えたものであり、前記定加圧部は、該回転軸心に平行な方向の幅寸法が一定である押圧面を備えたものである請求項の内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法。
  5. 前記長手状押圧突起の押圧面には、前記円筒状部の外周面に対する滑り止めのために前記内周歯よりも細かな凹凸が形成されたものである請求項1乃至3のいずれかの内周歯付円筒状部を有する部品の製造方法。
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