JP2744766B2 - 段付き噛合部材の転造加工方法、転造加工装置、および転造平ダイス - Google Patents

段付き噛合部材の転造加工方法、転造加工装置、および転造平ダイス

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JP2744766B2 JP27875194A JP27875194A JP2744766B2 JP 2744766 B2 JP2744766 B2 JP 2744766B2 JP 27875194 A JP27875194 A JP 27875194A JP 27875194 A JP27875194 A JP 27875194A JP 2744766 B2 JP2744766 B2 JP 2744766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外周面に軸心と平行に
設けられた多数の凸条歯から成る第1噛合部と、その第
1噛合部と同心でころがり径が異なり且つ軸心まわりに
おいて第1噛合部の凸条歯と一定の関係を有するように
設けられた多数の凸条歯から成る第2噛合部とを備えた
段付き噛合部材を転造加工する方法、そのための転造加
工装置、その転造加工方法に好適に用いられる転造平ダ
イスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸状素材の外周面にスプラインやセレー
ションなど軸心と平行な多数の凸条歯から成る噛合部を
形成する手段として転造加工が広く用いられている。例
えば、センタによって軸心まわりの回転可能に支持され
た軸状素材の両側に一対の転造平ダイスを配設し、その
一対の転造平ダイスを軸状素材の外周面に押圧しつつ、
その軸状素材の軸心と直角な方向へ同期して相対移動さ
せることにより、軸状素材を軸心まわりに回転させなが
ら所定の転造加工を行うのである。一方、径寸法が異な
る2種類の第1噛合部および第2噛合部を段付きの軸状
素材に転造加工する場合、ころがり径が異なるため2種
類の転造平ダイスを一体的に移動させて同時に転造加工
することはできず、別々に転造加工する必要がある。特
公平4−48539号公報に記載されている転造加工装
置はその一例で、単一の装置に2組の転造平ダイスが取
り付けられているが、2種類の噛合部を別々に転造加工
するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
転造加工装置は第1噛合部の転造加工が終了した後、軸
状素材の軸心まわりの回転が一旦フリーとなり、その後
別の転造平ダイスによって第2噛合部の転造加工が行わ
れるため、2箇所の第1噛合部および第2噛合部の凸条
歯が、例えば歯数が同じ場合に軸心まわりの位置が互い
に同じになるようにするなど、一定の関係を有するよう
に形成することはできない。すなわち、第1噛合部およ
び第2噛合部の凸条歯が互いに一定の関係を有するよう
に転造加工する場合には、最初に転造加工される第1噛
合部の凸条歯に例えば実公平3−47709号公報に記
載されているような連結部などの位置決め部を設け、そ
の位置決め部によって軸状素材の軸心まわりの位相を位
置決めして第2噛合部を転造加工しているのが普通で、
位置決め装置を備えた別の転造装置を用いて加工してい
る。
【0004】しかしながら、このように2台の転造加工
装置を用いて別々に転造加工を行う場合、加工が面倒で
時間が掛かりコスト高となるばかりでなく、転造加工装
置が異なるため2箇所の噛合部の同心度が損なわれるこ
とがあるとともに、軸状素材の位置決め精度が十分に得
られずに凸条歯の位相がずれたりするなど、必ずしも十
分な加工精度が得られ難いという問題があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、単一の転造加工装置
に設けられた2組の転造ダイスによって、凸条歯が軸心
まわりにおいて互いに一定の関係を有する2箇所の異径
噛合部を高い精度で転造加工できるようにすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するために、第1発明は、外周面に軸心と平行に設けら
れた多数の凸条歯から成る第1噛合部と、その第1噛合
部と同心でころがり径が異なり且つ軸心まわりにおいて
その第1噛合部の凸条歯と一定の関係を有するように設
けられた多数の凸条歯から成る第2噛合部とを備えた段
付き噛合部材を転造加工する方法であって、(a)第1
転造ダイスによって段付き軸状素材に前記第1噛合部を
転造加工する第1転造工程と、(b)前記第1噛合部の
転造加工後に、その第1噛合部に前記第1転造ダイスが
噛み合っている状態で、その第1転造ダイスおよび第2
転造ダイスと前記段付き軸状素材とをその段付き軸状素
材の軸方向へ相対移動させ、その第1転造ダイスに対し
て前記第1噛合部および前記第2噛合部の凸条歯の関係
に応じて定められた所定の位置関係を満足するように、
転造方向において第1転造ダイスの後端部に前端部が重
複して配置されている前記第2転造ダイスをその段付き
軸状素材に食い付かせるとともに、その第1転造ダイス
と段付き軸状素材との噛合いを解除するシフト工程と、
(c)前記第2転造ダイスによって前記段付き軸状素材
に前記第2噛合部を転造加工する第2転造工程とを有す
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】このような段付き噛合部材の転造加工方法にお
いては、第1転造工程で第1転造ダイスによって段付き
軸状素材に第1噛合部を転造加工した後、第1噛合部に
第1転造ダイスが噛み合っている状態で、シフト工程に
おいて第1転造ダイスおよび第2転造ダイスと段付き軸
状素材とをその段付き軸状素材の軸方向へ相対移動さ
せ、第2転造ダイスを段付き軸状素材に食い付かせると
ともに第1転造ダイスと段付き軸状素材との噛合いを解
除する。段付き軸状素材は、第1噛合部が第1転造ダイ
スと噛み合わされた状態、すなわち第1転造ダイスに対
して軸心まわりの位相が位置決めされた状態で軸方向へ
相対移動させられる一方、第2転造ダイスは、第1転造
ダイスに対して第1噛合部および第2噛合部の凸条歯の
関係に応じて定められた所定の位置関係を満足するよう
に配置されているため、結局、第2転造ダイスは段付き
軸状素材の軸心まわりにおける所定位置に食い付くこと
になり、その後の第2転造工程では、第1噛合部の凸条
歯に対して一定の関係を有する状態で第2噛合部の凸条
歯が第2転造ダイスによって転造加工される。
【0008】ここで、上記第1転造ダイスと第2転造ダ
イスとの位置関係は、両ダイスを相対移動不能に一体的
に固設して転造加工を行う場合には、予め所定の関係を
満足するように第1転造ダイスの後端部(例えば逃げ
部)に第2転造ダイスの前端部(例えば食付き部)が重
複して配設されるが、両ダイスを別々に駆動して転造加
工を行う場合には、少なくとも第1転造工程の終了時、
言い換えればシフト工程で段付き軸状素材に対して相対
移動させる際に所定の位置関係を満足するようになって
おれば良い。
【0009】また、上記第1転造ダイス,第2転造ダイ
スとしては、転造平ダイスは勿論、転造丸ダイスなど良
く知られた種々の転造ダイスを用いることができる。
【0010】また、第1噛合部および第2噛合部の凸条
歯の一定の関係は、両噛合部の歯数が同じ場合に各凸条
歯が軸心まわりで互いに一致すること、或いは凸条歯と
凸条歯の間に他方の噛合部の凸条歯が位置すること、一
方の噛合部の歯数が他方の噛合部の歯数の整数倍の場合
に、他方の噛合部の各凸条歯が一方の噛合部の凸条歯と
軸心まわりで一致することなど、適宜定められる。
【0011】なお、図9に示すように、軸状素材100
を軸心まわりの回転可能に支持しつつ軸方向へ移動させ
て一対の転造平ダイス102,104間に挿入しなが
ら、その転造平ダイス102,104を軸状素材100
の軸心と直角な方向、すなわち紙面に垂直な方向へ相対
移動させて軸状素材100を軸心まわりに回転させ、そ
の外周面に転造加工を行う転造加工方法が、特開平2−
280936号公報に記載されているが、これは過度の
転造圧力による変形や精度低下を防止するためのもの
で、2箇所の噛合部の凸条歯の位相が一定の関係となる
ように、転造ダイスの転造方向の移動を停止した状態で
第1転造ダイスにより位置決めしながら段付き軸状素材
を相対移動させ、第2転造ダイスを食い付かせる本発明
とは、その手段や作用効果が全く異なる異質の技術であ
る。
【0012】
【第1発明の効果】このように、本発明の転造加工方法
によれば、第1噛合部に第1転造ダイスが噛み合わされ
た状態で段付き軸状素材が軸方向へ相対移動させられる
ことにより、第1転造ダイスに対して所定の位置関係を
満足するように配置された第2転造ダイスが段付き軸状
素材に食い付き、第2噛合部を転造加工するようになっ
ているため、第1噛合部の凸条歯と第2噛合部の凸条歯
との位置関係がメカ的に規定されることになり、第1噛
合部の凸条歯に対して予め定められた一定の関係を有す
るように第2噛合部の凸条歯が高い精度で転造加工され
る。また、第1転造ダイスおよび第2転造ダイスと段付
き軸状素材とを段付き軸状素材の軸方向へ相対移動させ
るだけで、第1噛合部および第2噛合部を連続的に転造
加工できるため、それ等2箇所の噛合部を2台の転造装
置を用いて別々に転造加工する場合に比較して、段付き
噛合部材の加工コストや加工時間が大幅に低減されると
ともに、2箇所の噛合部の同心度が向上するなど加工精
度も向上する。
【0013】
【課題を解決するための第2の手段】第2発明は、前記
第1発明の段付き噛合部材の転造加工方法を好適に実施
できる転造加工装置に関するもので、外周面に軸心と平
行に設けられた多数の凸条歯から成る第1噛合部と、そ
の第1噛合部と同心でころがり径が異なり且つ軸心まわ
りにおいてその第1噛合部の凸条歯と一定の関係を有す
るように設けられた多数の凸条歯から成る第2噛合部と
を備えた段付き噛合部材を転造加工するための装置であ
って、(a)前記第1噛合部を転造加工するための第1
転造平ダイスと、(b)その第1転造平ダイスによって
段付き軸状素材に前記第1噛合部を転造加工させる第1
転造手段と、(c)前記第1転造平ダイスから前記段付
き軸状素材の軸方向に離間し、且つ少なくともその第1
転造平ダイスによる前記第1噛合部の転造加工終了時点
でその第1転造平ダイスに対し、その第1噛合部および
前記第2噛合部の凸条歯の関係に応じて定められた所定
の位置関係を満足するように、転造方向において第1転
造平ダイスの後端部に前端部が重複して配設された、そ
の第2噛合部を転造加工するための第2転造平ダイス
と、(d)前記第1転造平ダイスによる前記第1噛合部
の転造加工終了後に、その第1噛合部に第1転造平ダイ
スが噛み合っている状態で、その第1転造平ダイスおよ
び前記第2転造平ダイスと前記段付き軸状素材とを段付
き軸状素材の軸方向へ相対移動させて、その第2転造平
ダイスを段付き軸状素材に食い付かせるとともに第1転
造平ダイスと段付き軸状素材との噛合いを解除するシフ
ト手段と、(e)前記段付き軸状素材に噛み合わされた
前記第2転造平ダイスによってその段付き軸状素材に前
記第2噛合部を転造加工させる第2転造手段とを有する
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】このような段付き噛合部材の転造加工装置にお
いては、第1転造手段により第1転造平ダイスで段付き
軸状素材に第1噛合部を転造加工した後、第1噛合部に
第1転造平ダイスが噛み合っている状態で、シフト手段
により第1転造平ダイスおよび第2転造平ダイスと段付
き軸状素材とを段付き軸状素材の軸方向へ相対移動さ
せ、第2転造平ダイスを段付き軸状素材に食い付かせる
とともに第1転造平ダイスと段付き軸状素材との噛合い
を解除する。段付き軸状素材は、第1噛合部が第1転造
平ダイスと噛み合わされた状態、すなわち第1転造平ダ
イスに対して軸心まわりの位相が位置決めされた状態で
軸方向へ相対移動させられる一方、第2転造平ダイス
は、第1転造平ダイスに対して第1噛合部および第2噛
合部の凸条歯の関係に応じて定められた所定の位置関係
を満足するように配置されているため、結局、第2転造
平ダイスは段付き軸状素材の軸心まわりにおいて第1噛
合部の凸条歯に対して一定の関係を有する位置に食い付
くことになる。したがって、その後、第2転造手段によ
り上記第2転造平ダイスで第2噛合部が転造加工される
際には、第1噛合部の凸条歯に対して一定の関係を有す
る状態で第2噛合部の凸条歯が転造加工される。
【0015】ここで、上記第1転造手段および第2転造
手段は、第1転造平ダイスおよび第2転造平ダイスをそ
れぞれ別個に駆動するように別々に構成しても良いが、
例えば、両転造平ダイスが所定の位置関係を満足するよ
うに位置固定に配設されたスライダを、一対のセンタに
よって軸心まわりの回転可能に支持された段付き軸状素
材の軸心と直角な方向へ直線移動させるとともに、第1
転造平ダイスによる第1噛合部の転造加工が終了する中
間位置で停止させる単一のダイス移動手段にて構成する
こともできる。また、シフト手段は、上記スライダが中
間位置で停止させられた時に、例えば上記一対のセンタ
を軸方向へ移動させるセンタ移動手段などによって構成
される。なお、位置固定に配設された転造平ダイスに対
して、段付き軸状素材を押圧しつつその転造平ダイスの
長手方向(転造方向)へ転動させて転造加工を行うこと
もでき、その場合の第1転造手段,第2転造手段は、段
付き軸状素材を軸心まわりの回転可能に支持しながら、
或いは軸心まわりに回転駆動しながらダイス長手方向へ
移動させるように構成される。
【0016】
【第2発明の効果】このように、第2発明の転造加工装
置は、第1発明の転造加工方法に従って段付き噛合部材
を転造加工するもので、実質的に第1発明と同様の作用
効果が得られる。
【0017】
【課題を解決するための第3の手段】第3発明は、第1
発明の段付き噛合部材の転造加工方法において前記第2
転造ダイスとして用いられる転造平ダイスであって、前
記段付き軸状素材の軸方向へ相対移動させられることに
よりその段付き軸状素材に食い付く加工歯には、その食
付き方向の先端側へ向かうに従って高さが低くなる食付
き傾斜面が設けられていることを特徴とする。
【0018】
【作用】すなわち、この第3発明は、第1発明の転造加
工方法における第2転造ダイス、第2発明の転造加工装
置における第2転造平ダイスとして好適に用いられる転
造平ダイスに関するもので、前記シフト工程で段付き軸
状素材の軸方向へ相対移動させられることによりその段
付き軸状素材に食い付く加工歯に、その食付き方向すな
わち転造方向と直角なダイス幅方向で加工歯の長手方向
の先端側へ向かうに従って高さが低くなる食付き傾斜面
を設けたのである。これにより、シフト工程で第2転造
ダイスが段付き軸状素材に食い付く際の食付き抵抗が小
さくなって円滑に食い付くようになり、第1噛合部の凸
条歯に対する第2噛合部の凸条歯の軸心まわりの位置精
度が向上するとともに、第1転造ダイスによる第1噛合
部の転造加工から第2転造ダイスによる第2噛合部の転
造加工へ滑らかに移行するようになる。
【0019】ここで、上記食付き傾斜面は単なる面取り
などではなく、面取りより緩やかな傾斜で長い範囲に設
けられ、例えばモジュールmが0.5の場合は、段付き
軸状素材の軸心と平行な平面に対する傾斜角度が7°程
度で、段付き軸状素材の軸心方向すなわちダイスの幅方
向へ3mm程度の範囲に設けることが望ましい。m=
0.65の場合は4°×10mm程度、m=0.8の場
合は3°〜10°×2〜12mm程度の範囲で、シフト
工程の移動寸法などを考慮して定められる。そして、少
なくともシフト工程で第2転造ダイスの加工歯が段付き
軸状素材に食い付く際に、その食付き傾斜面の途中から
段付き軸状素材に食い付くようになっておれば良い。
【0020】また、シフト工程では必ずしも第2噛合部
の全長に亘って第2転造ダイスを食い付かせる必要はな
く、第2転造ダイスの前端部に切欠などを設けて幅寸法
を小さくし、第2噛合部の一部に第2転造ダイスを食い
付かせるだけでも差し支えない。その場合は、第2噛合
部の全長に亘って第2転造ダイスを食い付かせる場合に
比較して、第2転造ダイスの食付き抵抗が更に小さくな
る。
【0021】
【第3発明の効果】このように、本発明の転造平ダイス
を前記第2転造ダイスとして用いれば、シフト工程で第
2転造ダイスが段付き軸状素材に円滑に食い付くように
なり、第1噛合部の凸条歯に対する第2噛合部の凸条歯
の軸心まわりの位置精度が更に向上するとともに、第1
転造ダイスによる第1噛合部の転造加工から第2転造ダ
イスによる第2噛合部の転造加工へ滑らかに移行するよ
うになる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、第1発明の転造加工方法を好適に
実施できる段付き噛合部材の転造加工装置10の構成を
説明する図で、第2発明の一実施例を成すものである。
この転造加工装置10は、一対のスライダ12a,12
bにそれぞれ一体的に固設された第1転造平ダイス14
a,14b、第2転造平ダイス16a,16bと、スラ
イダ12a,12bを同期して上下方向へ相対移動させ
る同期機構18と、一方のスライダ12aを上下方向へ
往復移動させるダイス移動手段20とを備えており、転
造加工を施すべき段付き軸状素材22は、スライダ12
aと12bとの間にそれ等の移動方向と直角で且つ転造
平ダイス14a,14b、16a,16bの転造加工面
と平行、すなわち図1の紙面に垂直な軸心Oまわりの回
転可能に配置されるようになっている。段付き軸状素材
22は、図2に示されているように一対の小径部22
a,22bと、大径部22cと、小径部22bと大径部
22cとの間に設けられた小径の首部22dとを同心に
一体に備えており、一対のセンタ24a,24bによっ
て軸心Oまわりの回転可能に支持されるとともに、それ
等のセンタ24a,24bは、段付き軸状素材22を保
持したままセンタ移動手段26によって軸心O方向へ一
体的に移動させられるようになっている。図2は、一方
のスライダ12aに対する転造平ダイス14aおよび1
6aの配置形態を示す図である。
【0023】図5は、上記転造加工装置10を用いて転
造加工された段付き噛合部材30の斜視図で、図6は左
側面図である。この段付き噛合部材30は、前記段付き
軸状素材22の小径部22a,22bの外周面に軸心O
と平行に設けられた多数の凸条歯32から成る第1噛合
部としての第1セレーション部34と、大径部22cの
外周面に軸心Oと平行に設けられた多数の凸条歯36か
ら成る第2噛合部としての第2セレーション部38とを
備えており、それ等のセレーション部34,38が転造
加工装置10によって転造加工される。両セレーション
部34,38は、軸心Oと同心に設けられているが、素
材径が異なることからころがり径が異なる。しかし、図
6から明らかなように、凸条歯32,36の歯数は互い
に等しく且つ軸心Oまわりにおいて同じ位置に設けられ
ている。かかる第1セレーション部34,第2セレーシ
ョン部38の具体的諸元の一例を表1に示す。
【0024】上記第2セレーション部38には、転造加
工後に平面加工が施されて軸心Oと平行な平面部40が
設けられ、組付け加工時にその平面部40が固定される
ようになっている。また、その平面部40と軸心Oを挟
んで反対側には素材径のままの連結部42が残され、そ
の連結部42を基準として平面部40が加工されるよう
になっている。連結部42は、転造加工装置10による
転造加工時に、転造加工されずに残された部分で、例え
ば実公平3−47709号公報に記載されているよう
に、ダイス加工歯の一部を除去することによって設ける
ことができる。
【0025】前記第1転造平ダイス14a,14b、第
2転造平ダイス16a,16bは、それぞれ上記第1セ
レーション部34、第2セレーション部38を転造加工
するためのもので、転造方向と直角なダイス幅方向と平
行に多数の加工歯46,48がそれぞれ所定の間隔で設
けられている。第2転造平ダイス16a,16bの加工
歯48は、前記連結部42を残すために部分的に切り欠
かれている。また、それ等の第1転造平ダイス14a,
14b、第2転造平ダイス16a,16bは、軸心Oと
平行な方向に隣接して配置されているとともに、転造方
向すなわちダイス長手方向においてずらされており、第
1転造平ダイス14a,14bが第2転造平ダイス16
a,16bよりも転造方向前側に配置されることによ
り、第1転造平ダイス14a,14bによって第1セレ
ーション部34を転造加工した後、第2転造平ダイス1
6a,16bによって第2セレーション部38を転造加
工するようになっている。なお、これ等の転造平ダイス
14a,14b、16a,16bは、それぞれ転造方向
前方すなわちダイス前端側へ向かうに従って加工歯4
6,48の高さが漸減する食付き部、加工歯46,48
の高さが等しい完全山部、転造方向後方すなわちダイス
後端側へ向かうに従って加工歯46,48の高さが漸減
する逃げ部を備えている。
【0026】両転造平ダイス14a,14b、16a,
16bはまた、第1転造平ダイス14a,14bの後端
部50に第2転造平ダイス16a,16bの前端部52
が転造方向において重複させられており、且つ、その重
複部の略中央であるシフト位置ST(図2参照)で両加
工歯46,48が一致させられている。後端部50およ
び前端部52は、図2から明らかなようにそれぞれ外側
から切欠54,56が設けられることにより、前記首部
22dの長さ寸法より小さい幅寸法とされており、図2
の(a)に示されているように第1転造平ダイス14a
と小径部22a,22bとが略一致する第1転造位置に
段付き軸状素材22が保持された状態では、上記前端部
52は首部22dと一致させられ、上記シフト位置ST
が軸心Oと一致する中間位置までスライダ12a,12
bが移動させられても段付き軸状素材22に対して非接
触とされる。また、同図の(b)に示されているように
第2転造平ダイス16aと大径部22cとが略一致する
第2転造位置に段付き軸状素材22が保持された状態で
は、上記後端部50は首部22dと一致させられ、段付
き軸状素材22に対して非接触とされる。
【0027】上記シフト位置ST上における第2転造平
ダイス16a,16bの加工歯48には、図3に拡大し
て示されているように、第1転造平ダイス14a,14
bから離間する方向へ向かうに従って、すなわちシフト
位置STが軸心Oと一致する中間位置にスライダ12
a,12bが位置させられた状態で段付き軸状素材22
が第1転造位置から第2転造位置へ移動させられること
により加工歯48が大径部22cに食い付く際の食付き
方向の先端側で、図3の右方向へ向かうに従って、高さ
が低くなる食付き傾斜面58が設けられている。この食
付き傾斜面58は、シフト工程時の移動寸法やモジュー
ルなどを考慮して適宜設定され、例えばモジュールmが
0.5の場合は、段付き軸状素材22の軸心Oと平行な
平面に対する傾斜角度が7°程度で、段付き軸状素材2
2の軸心O方向すなわちダイスの幅方向へ3mm程度の
範囲に設けることが望ましい。m=0.65の場合は4
°×10mm程度、m=0.8の場合は3°〜10°×
2〜12mm程度の範囲で定められ、少なくともシフト
工程で加工歯48が大径部22cに食い付く際に、その
食付き傾斜面58の途中から大径部22cに食い付くよ
うになっている。なお、シフト位置ST上の加工歯48
に近接する複数の加工歯48が大径部22cに食い付く
場合には、それらの複数の加工歯48に食付き傾斜面5
8を設けることが望ましい。
【0028】前記同期機構18は、例えば前記スライダ
12a,12bに一体的に設けられた一対のラックと、
その一対のラックに噛み合うピニオンとを備え、両スラ
イダ12a,12bを互いに反対方向へ同じ速度で相対
移動させるように構成される。スライダ12a,12b
は、それぞれ図示しないガイドレール等の案内手段を介
して上下方向の移動可能に配設されている。また、前記
ダイス移動手段20は、一方のスライダ12aを図1に
示されている原位置から中間位置、すなわちシフト位置
STが軸心Oと一致する高さ位置まで移動させるととも
に、その中間位置から上方の移動端、すなわち第2転造
平ダイス16aの後端部が軸心Oより高くなる位置まで
2段階でスライダ12aを移動させるもので、例えば2
段式の油圧シリンダによって構成される。サーボモータ
などの電動モータによって回転駆動されるねじ軸と、そ
のねじ軸に螺合されるとともにスライダ12aに一体的
に配設されるナット部材とを備え、ねじ軸が回転駆動さ
れることによりスライダ12aを上下方向へ往復移動さ
せるように構成することもできるし、上記同期機構18
を設けることなく一対のダイス移動手段20を設けて両
スライダ12a,12bを反対方向へ同時に駆動するよ
うにしても良い。
【0029】前記センタ移動手段26は、一対のセンタ
24a,24bを段付き軸状素材22と共に一体的に軸
心O方向へ移動させ、前記第1転造位置および第2転造
位置に位置決めするもので、上記ダイス移動手段20と
同様にシリンダやねじ軸などを用いて構成され、ガイド
レールなどによって軸心O方向の移動可能に配設された
センタ24a,24bを往復移動させる。第1転造位置
と第2転造位置との間のストロークは、段付き軸状素材
22の首部22dの長さ寸法と略同じ寸法である。な
お、一対のセンタ24a,24bは、ワーク着脱手段に
よって相対的に接近離間させられ、段付き軸状素材22
を着脱できるようになっている。
【0030】上記ダイス移動手段20およびセンタ移動
手段26は、コントローラ60によって制御されるよう
になっている。コントローラ60は、CPU,RAM,
ROM等を有してRAMの一時記憶機能を利用しつつR
OMに予め定められたプログラムに従って信号処理を行
うマイクロコンピュータ等を備えて構成され、例えば図
4に示すフローチャートに従って信号処理を行う。
【0031】図4において、ステップS1では、図1お
よび図2の(a)に示されているようにスライダ12
a,12bが原位置に保持され且つ段付き軸状素材22
が第1転造位置に保持されている状態において、ダイス
移動手段20によりスライダ12a,12bを中間位
置、すなわちシフト位置STが軸心Oと一致する高さ位
置まで移動させる。これにより、第1転造平ダイス14
a,14bによって小径部22a,22bに第1セレー
ション部34が転造加工される。このステップS1は第
1転造工程に相当し、コントローラ60による一連の信
号処理のうちステップS1を実行する部分は、同期機構
18およびダイス移動手段20と共に第1転造手段を構
成している。また、第1転造平ダイス14a,14bは
第1発明の第1転造ダイスに相当する。
【0032】次のステップS2では、上記第1セレーシ
ョン部34のみが転造加工され且つ未だその第1セレー
ション部34が第1転造平ダイス14a,14bの加工
歯46と噛み合わされている段付き軸状素材22を、セ
ンタ移動手段26によって第1転造位置から第2転造位
置へ移動させる。これにより、図2の(b)に示されて
いるように、第2転造平ダイス16a,16bの加工歯
48が大径部22cに食い付くとともに、第1転造平ダ
イス14a,14bと第1セレーション部34との噛合
いが解除される。図3は、この段付き軸状素材22の移
動過程を示す図で、段付き軸状素材22は第1転造平ダ
イス14a,14bの加工歯46と第1セレーション部
34との噛合いによって軸心まわりの位相が位置決めさ
れた状態で軸心O方向へ移動させられるため、第1転造
平ダイス14a,14bに対して予め定められた位置関
係で配置されている第2転造平ダイス16a,16b
は、段付き軸状素材22の軸心Oまわりにおける所定位
置、具体的には軸心Oまわりにおいて第1転造平ダイス
14a,14bの加工歯46が噛み合っている位置と同
じ位置に第2転造平ダイス16a,16bの加工歯48
が食い付く。このステップS2はシフト工程に相当し、
コントローラ60による一連の信号処理のうちステップ
S2を実行する部分は、センタ移動手段26と共にシフ
ト手段を構成している。また、第2転造平ダイス16
a,16bは第1発明の第2転造ダイスに相当し、第3
発明の転造平ダイスの一実施例である。
【0033】上記大径部22cに食い付く加工歯48、
すなわちシフト位置ST上の加工歯48には食付き傾斜
面58が設けられているため、食付き抵抗が小さくなっ
て円滑に食い付き、第1セレーション部34の凸条歯3
2と同じ位置に加工歯48が高い精度で食い付くことが
できる。また、第1転造平ダイス14a,14bの後端
部50、第2転造平ダイス16a,16bの前端部52
は、それぞれ首部22dの長さ寸法より小さな幅寸法と
され、シフト工程では、その前端部52の幅寸法分が大
径部22に食い付くだけであるため、大径部22の全長
に亘って第2転造平ダイス16a,16bを食い付かせ
る場合に比較して、シフト工程での食付き抵抗が更に小
さくなる。
【0034】ステップS3では、前記ステップS1で中
間位置まで移動させられたスライダ12a,12bを、
ダイス移動手段20によって移動端まで移動させる。こ
れにより、第2転造平ダイス16a,16bによって大
径部22cに第2セレーション部38が転造加工され
る。このステップS3は第2転造工程に相当し、コント
ローラ60による一連の信号処理のうちステップS3を
実行する部分は、同期機構18およびダイス移動手段2
0と共に第2転造手段を構成している。
【0035】ステップS4では、図示しないワーク着脱
手段により一対のセンタ24a,24bを相対的に離間
させ、転造加工後の段付き軸状素材22をシュータ上に
落下させて排出する。また、ステップS5では、スライ
ダ12a,12bをダイス移動手段20によって原位置
まで移動させるとともに、センタ24a,24bをセン
タ移動手段26により原位置すなわち第1転造位置へ移
動させる。
【0036】ここで、本実施例では、スライダ12a,
12bを中間位置まで移動させて第1転造平ダイス14
a,14bにより第1セレーション部34を転造加工し
た後、その第1セレーション部34に第1転造平ダイス
14a,14bが噛み合わされた状態で段付き軸状素材
22を軸心O方向へ移動させ、第2転造平ダイス16
a,16bを段付き軸状素材22の大径部22cに食い
付かせるようになっているため、第1セレーション部3
4の凸条歯32と第2セレーション部38の凸条歯36
との位置関係がメカ的に規定されることになり、第1セ
レーション部34の凸条歯32に対して予め定められた
一定の関係を有するように、具体的には凸条歯32およ
び36が軸心Oまわりにおいて同じ位置となるように第
2セレーション部38が高い精度で転造加工される。
【0037】また、本実施例では、シフト工程で大径部
22cに食い付く加工歯48、すなわちシフト位置ST
上の加工歯48に食付き傾斜面58が設けられているた
め、食付き抵抗が小さくなって円滑に食い付くようにな
り、第1セレーション部34の凸条歯32に対する第2
セレーション部38の凸条歯36の軸心Oまわりの位置
精度が更に向上するとともに、第1転造平ダイス14
a,14bによる第1セレーション部34の転造加工か
ら第2転造平ダイス16a,16bによる第2セレーシ
ョン部38の転造加工へ滑らかに移行する。しかも、第
1転造平ダイス14a,14bの後端部50、第2転造
平ダイス16a,16bの前端部52は、それぞれ首部
22dの長さ寸法より小さな幅寸法とされ、シフト工程
では、その前端部52の幅寸法分が大径部22に食い付
くだけであるため、大径部22の全長に亘って第2転造
平ダイス16a,16bを食い付かせる場合に比較し
て、シフト工程での食付き抵抗が更に小さくなり、加工
精度が一層向上する。
【0038】また、スライダ12a,12bを中間位置
まで移動させて停止し、段付き軸状素材22を軸心O方
向へ移動させたのち再びスライダ12a,12bを移動
端まで移動させることにより、径寸法が異なる第1セレ
ーション部34および第2セレーション部38を1台の
転造加工装置10によって連続的に転造加工できるた
め、それ等2箇所のセレーション部34,38を2台の
転造装置を用いて別々に転造加工する場合に比較して、
段付き噛合部材30の加工コストや加工時間が大幅に低
減されるとともに、2箇所のセレーション部34,38
の同心度が向上するなど加工精度も向上する。
【0039】また、本実施例では一対のスライダ12
a,12bに2組の転造平ダイス14a,14b、16
a,16bが一体的に取り付けられ、単一のダイス移動
手段20で2組の転造平ダイス14a,14b、16
a,16bを同時に移動させるようになっているため、
転造加工装置10が簡単且つ安価に構成される。
【0040】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通す
る部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0041】図7は、前記第1転造平ダイス14aと第
2転造平ダイス16aとを別々に配置し、別個の第1ダ
イス移動手段64,第2ダイス移動手段66によって移
動させるようにしたもので、図は両転造平ダイス14
a,16aが原位置に保持された状態であり、第2転造
平ダイス16aの前端部52は軸心Oと同じ高さに位置
させられている。そして、先ず第1ダイス移動手段64
によって第1転造平ダイス14aを上昇端、すなわち後
端部50が軸心Oと同じ高さとなる位置まで移動させて
第1セレーション部34を転造加工した後、段付き軸状
素材22を第1転造位置から第2転造位置へ移動させ、
続いて第2ダイス移動手段66により第2転造平ダイス
16aを上昇端まで移動させて第2セレーション部38
を転造加工する。段付き軸状素材22を第1転造位置か
ら第2転造位置へ移動させるシフト工程では、両転造平
ダイス14a,16aおよび段付き軸状素材22の位置
関係は前記図2の(b)と同じ状態となるため、前記第
1実施例と同様な作用効果が得られる。上記第1ダイス
移動手段64は第1転造手段に相当し、第2ダイス移動
手段66は第2転造手段に相当する。
【0042】また、前記実施例では小径部22a,22
bと大径部22cとの間に首部22dを有する段付き軸
状素材22に転造加工を行う場合であったが、図8に示
されているように小径部70aおよび大径部70bのみ
から成る段付き軸状素材70に転造加工を行うこともで
きるなど、転造加工を施すべき段付き軸状素材、更には
段付き噛合部材の形状は適宜変更され得る。図8の
(a)は、第1転造平ダイス72の後端部、第2転造平
ダイス74の前端部にそれぞれ切欠が設けられてダイス
幅寸法が小さくされている場合で、シフト工程での段付
き軸状素材70の移動量が小さくて済むとともに、両転
造平ダイス72,74を接近させて配置できるが、図8
の(b)のように端部までダイス幅寸法が一定の第1転
造平ダイス76,第2転造平ダイス78を用いて転造加
工を行うことも可能である。これ等の図は、何れもシフ
ト工程で段付き軸状素材70を移動させる直前の状態を
示している。
【0043】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0044】例えば、前記実施例では2組の転造平ダイ
ス14a,14b、16a,16bにより2種類の第1
セレーション部34,第2セレーション部38を転造加
工する場合について説明したが、3組以上の転造平ダイ
スを用いて3種類以上の噛合部を転造加工することも可
能である。
【0045】また、前記実施例では小径の第1セレーシ
ョン部34を転造加工したのち大径の第2セレーション
部38を転造加工するようになっているが、大径のセレ
ーション部を先に転造加工することも勿論可能である。
【0046】また、前記実施例は噛合部としてセレーシ
ョン部34,38を転造加工する場合であったが、スプ
ラインを転造加工する場合にも本発明は同様に適用され
得る。セレーションおよびスプラインを転造加工するこ
とも可能である。
【0047】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の転造加工方法を好適に実施できる第
2発明の一実施例である転造加工装置の構成を説明する
図である。
【図2】図1の転造加工装置の一方のスライダに配設さ
れた一対の転造平ダイスの配置形態を示す図である。
【図3】図1の転造加工装置によって転造加工が行われ
る際のシフト工程時の状態を示す図である。
【図4】図1の転造加工装置の作動を説明するフローチ
ャートである。
【図5】図1の転造加工装置によって転造加工される段
付き噛合部材の一例を示す斜視図である。
【図6】図5の段付き噛合部材の左側面図である。
【図7】本発明の他の実施例の要部を示す構成図であ
る。
【図8】本発明の更に別の実施例を説明する図で、シフ
ト工程直前の状態である。
【図9】転造平ダイスの側方から素材を挿入しながら転
造加工を行う従来の転造加工方法を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
10:転造加工装置 14a,14b,72,76:第1転造平ダイス(第1
転造ダイス) 16a,16b,74,78:第2転造平ダイス(第2
転造ダイス) 18:同期機構 20:ダイス移動手段 22,70:段付き軸状素材 26:センタ移動手段 30:段付き噛合部材 34:第1セレーション部(第1噛合部) 38:第2セレーション部(第2噛合部) 58:食付き傾斜面 64:第1ダイス移動手段(第1転造手段) 66:第2ダイス移動手段(第2転造手段) ステップS1:第1転造工程,第1転造手段 ステップS2:シフト工程,シフト手段 ステップS3:第2転造工程,第2転造手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に軸心と平行に設けられた多数の
    凸条歯から成る第1噛合部と、該第1噛合部と同心でこ
    ろがり径が異なり且つ軸心まわりにおいて該第1噛合部
    の凸条歯と一定の関係を有するように設けられた多数の
    凸条歯から成る第2噛合部とを備えた段付き噛合部材を
    転造加工する方法であって、 第1転造ダイスによって段付き軸状素材に前記第1噛合
    部を転造加工する第1転造工程と、 前記第1噛合部の転造加工後に、該第1噛合部に前記第
    1転造ダイスが噛み合っている状態で、該第1転造ダイ
    スおよび第2転造ダイスと前記段付き軸状素材とを該段
    付き軸状素材の軸方向へ相対移動させ、該第1転造ダイ
    スに対して前記第1噛合部および前記第2噛合部の凸条
    歯の関係に応じて定められた所定の位置関係を満足する
    ように、転造方向において該第1転造ダイスの後端部に
    前端部が重複して配置されている前記第2転造ダイスを
    該段付き軸状素材に食い付かせるとともに、該第1転造
    ダイスと該段付き軸状素材との噛合いを解除するシフト
    工程と、 前記第2転造ダイスによって前記段付き軸状素材に前記
    第2噛合部を転造加工する第2転造工程とを有すること
    を特徴とする段付き噛合部材の転造加工方法。
  2. 【請求項2】 外周面に軸心と平行に設けられた多数の
    凸条歯から成る第1噛合部と、該第1噛合部と同心でこ
    ろがり径が異なり且つ軸心まわりにおいて該第1噛合部
    の凸条歯と一定の関係を有するように設けられた多数の
    凸条歯から成る第2噛合部とを備えた段付き噛合部材を
    転造加工するための装置であって、 前記第1噛合部を転造加工するための第1転造平ダイス
    と、 該第1転造平ダイスによって段付き軸状素材に前記第1
    噛合部を転造加工させる第1転造手段と、 前記第1転造平ダイスから前記段付き軸状素材の軸方向
    に離間し、且つ少なくとも該第1転造平ダイスによる前
    記第1噛合部の転造加工終了時点で該第1転造平ダイス
    に対し、該第1噛合部および前記第2噛合部の凸条歯の
    関係に応じて定められた所定の位置関係を満足するよう
    に、転造方向において該第1転造平ダイスの後端部に前
    端部が重複して配設された、該第2噛合部を転造加工す
    るための第2転造平ダイスと、 前記第1転造平ダイスによる前記第1噛合部の転造加工
    終了後に、該第1噛合部に該第1転造平ダイスが噛み合
    っている状態で、該第1転造平ダイスおよび前記第2転
    造平ダイスと前記段付き軸状素材とを該段付き軸状素材
    の軸方向へ相対移動させて、該第2転造平ダイスを該段
    付き軸状素材に食い付かせるとともに該第1転造平ダイ
    スと該段付き軸状素材との噛合いを解除するシフト手段
    と、 前記段付き軸状素材に噛み合わされた前記第2転造平ダ
    イスによって該段付き軸状素材に前記第2噛合部を転造
    加工させる第2転造手段とを有することを特徴とする段
    付き噛合部材の転造加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の段付き噛合部材の転造
    加工方法において前記第2転造ダイスとして用いられる
    転造平ダイスであって、 前記段付き軸状素材の軸方向へ相対移動させられること
    により該段付き軸状素材に食い付く加工歯には、その食
    付き方向の先端側へ向かうに従って高さが低くなる食付
    き傾斜面が設けられていることを特徴とする転造平ダイ
    ス。
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