JPH10116775A - 薬液処理装置 - Google Patents

薬液処理装置

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JPH10116775A
JPH10116775A JP27210596A JP27210596A JPH10116775A JP H10116775 A JPH10116775 A JP H10116775A JP 27210596 A JP27210596 A JP 27210596A JP 27210596 A JP27210596 A JP 27210596A JP H10116775 A JPH10116775 A JP H10116775A
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JP
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nozzle
processed
chemical
discharge port
developer
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JP27210596A
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English (en)
Inventor
Kojiro Miyamoto
宏二郎 宮本
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば現像液からなる薬液を被処理面に供給
する際のバブルの発生や液だれを防止し、現像均一性の
向上および現像欠陥の低減を図る。 【解決手段】 薬液処理装置としての現像装置1は、被
処理物であるウエハ100の被処理面100aに薬液を
供給するノズル6を備え、ノズル6の吐出口61側に溜
まり部7が設けられている。溜まり部7は、底71を有
する円筒体72からなるもので、底面71aがその周縁
より略中心が膨出した曲面からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
に用いられる薬液処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置製造に用いられる従来の薬液
処理技術としては、例えばウエハからなる被処理物の被
処理面に塗布されてパターン露光されたフォトレジスト
(以下、単にレジストと記す)を現像する現像処理技術
が知られている。そして現像処理技術では、近年のLS
Iの高集積化およびそのデザインルールの縮小化に伴っ
て、現像処理に用いるレジストの性能および現像方法
に、より高度なものが要求されている。一般にレジスト
の性能は、露光部と未露光部との溶解速度の差が大きい
ほど良いことが知見されている。この溶解速度の差は溶
解コントラストと呼ばれ、これが大きいほどレジストパ
ターンの断面形状が矩形に近くなる。溶解コントラスト
が大きいほど良いとされるのは、断面形状が矩形に近い
ほど次の工程でエッチングの変換差、ばらつきが小さく
なり、高精度の加工が可能になるからである。また溶解
コントラストが大きいほどレジストの解像度が高く、し
たがってより微細なパターン形成が可能になるためであ
る。
【0003】このため従来では、この溶解コントラスト
を大きくするためにレジストに様々な改良が加えられて
いる。その一つに、レジストに表面難溶化効果を持たせ
ることが挙げられる。これは未露光部のレジストに現像
液が接触すると、未露光部の溶解速度が極端に減少する
といった効果である。この効果をレジストに持たせるこ
とによって、加工形状やレジストの解像度が大きく向上
している。一方、上記のようにレジストの高性能化が進
む中で、現像後に得られるレジストパターンの断面形状
は現像方法に大きく依存することが知見されてきてい
る。例えばレジストの解像度、レジストパターンの断面
形状は、現像液の攪拌が小さい方が良く、また現像均一
性は、レジストにできるだけ現像液による物理的アタッ
クを与えずかつレジストに現像液を均一に供給する方が
良いことが知られている。そして特にこの現像均一性
は、現像装置に備えられたノズルからの現像液の吐出速
度、吐出量、吐出方向に影響されることが指摘されてい
る。
【0004】そこで最近、図9に示すようなノズル70
が考案されている。このノズル70は、先端が下方に向
けて逆漏斗状に拡開し、この逆漏斗状の外壁部71内に
凸状の内壁部72が嵌挿されて、外壁部71の裏面と内
壁部72の上面とで現像液80の流路部73が形成され
ているものである。このノズル70では、吐出口73が
略円形に形成されているため、ノズル70を中心にして
被処理面の全方向に現像液80が均一に供給され、同心
円状に広がる。またノズル70の吐出口74から吐出さ
れた現像液80が流路部73内を通過した後に被処理面
に供給されるため、被処理面上のレジストへの物理的ア
タックが弱くなる。よって、現像ばらつきが抑えられ
て、現像均一性を向上できるものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示したノズル70は、現像液80の吐出を停止してノズ
ル70を移動させる際に、ノズル70の流路部73に残
っている現像液80によって液だれが生じる。この結
果、現像ばらつきや現像欠陥が発生するといった不具合
が生じる。またノズル70は、内壁部72の裏面側に空
洞を有している。このため、現像装置のノズル70を被
処理面近くに位置させて現像液80をノズル70を中心
にして全方向に吐出させると、吐出の際の空気の巻き込
みによって、内壁部72の裏面と吐出口74から吐出さ
れた現像液80と被処理面との間に空気溜まりが形成さ
れ易い。その結果、図10に示すようにノズル70を引
き上げる際、現像液80の表面張力の影響でノズル70
の下部や被処理面にバブル75が形成される。
【0006】被処理面にバブル75が形成されると、バ
ブル75が形成された部分に現像液80が十分に行き渡
らない、現像液80が全く供給されない状態になるとい
った不具合が生じ、現像ばらつきや現像欠陥が発生す
る。また、ノズル70の下部や被処理面に形成されたバ
ブル75が壊れて飛び散ることによっても、現像ばらつ
きや現像欠陥が生じる。この結果、被処理面内にて設計
寸法が同一のレジストパターンを均一な寸法に形成でき
ない、すなわち現像均一性が悪化する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る薬液処理装置の第1の発明は、薬液を被
処理物の被処理面に供給するノズルの吐出口側に、有底
円筒体からなる溜まり部が設けられており、溜まり部の
底面がこの底面の周縁よりも略中心が下方に膨出した曲
面で形成されているものである。
【0008】この発明では、ノズルの吐出口側に溜まり
部が設けられているため、吐出口から薬液が吐出される
と、薬液は溜まり部の円筒体内に一旦溜まる。一旦溜め
られた薬液は円筒体をオーバーフローして下方の被処理
物の被処理面に供給される。また溜まり部の底面がその
周縁よりも略中心が下方に膨出した曲面からなっている
ため、ノズルおよび溜まり部を被処理面近くに位置させ
て薬液を供給した場合に、空気の巻き込みにより溜まり
部の底面とオーバーフローした薬液と被処理面との間に
形成される空気溜まりが非常に小さいものになる。しか
も溜まり部の底面が曲面からなるため、薬液の吐出後、
ノズルおよび溜まり部を引き上げると、空気溜まりを形
成している薬液が溜まり部の底面の略中心に収束される
形になる。よって、ノズルおよび溜まり部の引き上げの
際に、薬液の表面張力の影響を受け難くなるため、溜ま
り部の底面や被処理面にバブルが形成されない。また吐
出口から吐出された薬液は溜まり部の円筒体内に一旦溜
まるため、吐出終了後にノズルおよび溜まり部を移動さ
せても液だれが生じない。
【0009】本発明に係る薬液処理装置の第2の発明
は、薬液を被処理物の被処理面に供給するノズルの吐出
口側に設けられた有底円筒体からなる溜まり部と、溜ま
り部の底面に形成されたガスの吹き出し口と、吹き出し
口に接続されたもので、この吹き出し口から吹き出され
るガスを吹き出し口に供給するためのガス供給部とを備
えたものである。
【0010】この発明では、ノズルの吐出部側に溜まり
部が設けられているため、第1の発明と同様にノズルか
ら吐出された薬液は溜まり部の円筒体内に一旦溜まった
後、円筒体をオーバーフローして下方の被処理面に供給
される。また、溜まり部の底面にガスの吹き出し口が形
成されているので、例えば薬液の吐出停止直前にガス供
給部からのガスが吹き出し口より吹き出される。このた
め、ノズルおよび溜まり部を被処理面近くに位置させて
薬液を吐出させた際に、溜まり部の底面と薬液と被処理
面との間に空気溜まりが形成されても、上記ガスの吹き
出しによって、ノズルおよび溜まり部の引き上げ時に溜
まり部の底面や被処理面にバブルが形成されない。また
吐出口から吐出された薬液は溜まり部の円筒体内に一旦
溜まるため、吐出終了後にノズルおよび溜まり部を移動
させても液だれが生じない。
【0011】本発明に係る薬液処理装置の第3の発明
は、薬液を被処理物の被処理面に供給するノズルの吐出
口側に設けられているもので、略円形の底面とこの底面
の周縁から吐出口に向け斜め上方に立ち上がった流路面
とからなる分散部を備え、分散部の底面が、その周縁よ
りも略中心が下方に膨出した曲面からなるものである。
【0012】この発明では、ノズルの吐出口側に流路面
を有する分散部が設けられているため、吐出口から吐出
された薬液は流路面を伝って流れ、流路面の下端縁、つ
まり底面の周縁から下方の被処理面へと供給される。こ
の際、底面の周縁が略円形状であるため、ノズルを略中
心にして全方向に薬液が供給される。また分散部の底面
がその周縁よりも略中心が下方に膨出した曲面からなっ
ているため、第1の発明と同様の作用によって、ノズル
および溜まり部の引き上げの際に溜まり部の底面や被処
理面にバブルが形成されない。
【0013】本発明に係る薬液処理装置の第4の発明
は、薬液を被処理物の被処理面に供給するノズルの吐出
口側に設けられているもので、略円形の底面とこの周縁
から吐出口に向け斜め上方に立ち上がった流路面とから
なる分散部と、分散部の底面に形成されたガスの吹き出
し口と、吹き出し口に接続されたもので、この吹き出し
口から吹き出されるガスを該吹き出し口に供給するため
のガス供給部とを備えたものである。
【0014】この発明では、第3の発明と同様にノズル
の吐出口側に分散部が設けられているため、吐出口から
吐出された薬液は流路面を伝って流れ、流路面の下端
縁、つまり底面の周縁から下方の被処理面へとノズルを
略中心にして全方向に薬液が供給される。また分散部の
底面にガスの吹き出し口が形成されているので、例えば
薬液の吐出停止直前にガス供給部からのガスが吹き出し
口より吹き出される。このため、ノズルおよび分散部を
被処理面近くに位置させて薬液を吐出させた際に、分散
部の底面と薬液と被処理面との間に空気溜まりが形成さ
れても、上記ガスの吹き出しによって、ノズルおよび分
散部の引き上げ時に分散部の底面や被処理面にバブルが
形成されない。
【0015】本発明に係る薬液処理装置の第5の発明
は、薬液を被処理物の被処理面に供給するノズルの吐出
口側から側方下側に向けて延びて形成された流路面を有
するとともにこの流路面の下端縁が略円形をなす分散部
を備え、流路面の下端縁に、切欠部が形成されているも
のである。
【0016】この発明では、ノズルの吐出口側から側方
下側に向けて延びて形成されかつ下端縁が略円形をなす
流路面を有するため、吐出口から吐出された薬液は流路
面を伝って流れ、流路面の下端縁から下方の被処理面へ
とノズルを略中心にして略全方向に薬液が供給される。
また流路面の下端縁に切欠部が形成されているため、薬
液が平面視略円をなすように連続した状態で流下せず、
よってノズルおよび分散部を被処理面近くに位置させて
薬液を吐出させても、流路面の下端縁とこの下端縁から
流下した薬液と被処理面との間に空気溜まりが形成され
ない。この結果、ノズルおよび分散部の引き上げの際に
分散部の底面や被処理面にバブルが形成されない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る薬液処理装置
の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施
形態では、本発明の被処理物をウエハとするとともに被
処理面をウエハのレジストが形成された面とし、この被
処理面のレジストを現像する現像装置に本発明を適用し
た例について述べる。図1は第1実施形態の説明図であ
り、第1の発明の薬液処理装置に係る一実施形態を示す
図である。また図1において(a)は概略構成図、
(b)は要部断面図である。図1(a)に示すようにこ
の現像装置1は、処理槽2、処理槽2内に設けられたウ
エハ100用の載置台3、薬液である現像液の供給手
段、純水の供給手段(図示略)および搬送手段(図示
略)を備えて構成されている。
【0018】処理槽2は、例えば平面視略円形の現像カ
ップからなるものである。また載置台3は、ウエハ10
0を載置する載置面(図示略)が回転可能に設けられた
ものであるとともにチャック機構を有するものである。
載置面の回転は、例えば図示しないモータによってなさ
れるようになっている。したがって、載置台3の載置面
には、ウエハ100が回転可能に載置されかつこのチャ
ック機構によって保持されるようになっている。供給手
段4は、載置面上に載置されたウエハ100の被処理面
100aに現像液を供給するためのもので、ノズルアー
ム5とこの先端に設けられたノズル6と、ノズル6の先
端に設けられた溜まり部7とを備えている。
【0019】ノズルアーム5は、載置面上に載置された
ウエハ100の被処理面100aの上方にノズル6を移
動させるためのものである。またノズルアーム5は、例
えば現像液供給路を兼ねたものとなっており、直管状も
しくは直管の先端が下方に延びた略L字状に形成されて
いる。上記したようにノズルアーム5の先端にはノズル
6が設けられている一方、後端には例えば供給管(図示
略)を介して現像液を貯留しているタンクが接続されて
いる。ノズル6は従来と同様に筒状に形成されており、
ノズル6の先端に設けられている現像液80用の略円形
状の吐出口61が下方の載置面に向いた状態で設けられ
ている。
【0020】溜まり部7は、図1(b)に示すようにノ
ズル6から吐出した現像液80を受けて溜めるもので、
底71を有する円筒体72からなっている。溜まり部7
の底71の底面71aは略円形状に形成されており、底
面71aの周縁よりも略中心が下方に膨出した曲面から
なっている。また円筒体72内の底部73は略円形状に
形成されているとともに略水平な面からなっている。
【0021】円筒体72は堰となるもので、溜まり部7
の底面71aから上方に向けて略垂直に立ち上がった状
態に形成されている。また溜まり部7には、円筒体72
内の底部73の略中心に、ノズル6の吐出口61の径よ
りも小さい径を有し、底部73から略垂直に立ち上がっ
た棒状のガイド部74が設けられている。このガイド部
74は、その上端側がノズル6の吐出口61内に挿入さ
れることで、溜まり部7とノズル6との相対的な位置合
わせを可能にする役割を有している。そしてこのような
溜まり部7は、ガイド部74の上端側がノズル6の吐出
口61内に挿入された状態でノズル6の吐出口61側に
設けられている。なお、ノズルアーム5、ノズル6およ
び溜まり部7は、現像液に対して耐薬品性を有する材
料、例えばフッ素系の材料やステンレス等で形成されて
いる。
【0022】純水の供給手段は、載置面上に載置された
ウエハ100の被処理面100aに純水を供給するため
のもので、先端から純水を吐出するノズルを備えてい
る。搬送手段は、現像処理の前の処理、すなわちレジス
トのパターン露光後の熱処理(post-exposure bake; P
EB)を終えたウエハ100を載置台3まで搬送し、現
像処理後に載置台3上のウエハ100を次の処理装置ま
で搬送するメインアーム(図示略)を備えている。
【0023】この現像装置1を用いて現像処理を行う場
合には、まず、表面にレジストが塗布され、パターン露
光、熱処理が行われたウエハ100をメインアームによ
って載置台3の載置面上に載置し、チャック機構によっ
て保持させる。次いでウエハ100を30rpm程度の
回転数で回転させながら、ノズルアーム5によってウエ
ハ100の上方でかつ被処理面100aの略中心位置に
ノズル6および溜まり部7を移動させる。
【0024】そして、ノズル6から現像液80を吐出さ
せる。ノズル6の吐出口61側に溜まり部7が設けられ
ているため、図1(b)に示すようにノズル6から現像
液80が吐出されると、現像液80は溜まり部7の円筒
体72内に一旦溜まる。円筒体72内が現像液80で満
たされると、一旦溜められた現像液80は堰である円筒
体72の上端縁を越え、つまりオーバーフローして下方
のウエハ100の被処理面100aに供給される。ここ
では、例えば90cc程度被処理面100aに供給す
る。
【0025】次いで、現像液80の供給を停止するとと
もにウエハ100の回転を停止し、被処理面100aに
現像液80を盛った状態を所定時間、例えば60秒程度
保持する。この間に、被処理面100aのレジストが現
像される。その後、ウエハ100を1000rpm程度
の回転数で回転させながら、純水の供給手段によって被
処理面100aに純水を供給して水洗いし、現像液80
を除去する。このことによりレジストの現像が停止す
る。
【0026】そして純水の供給を停止し、ウエハ100
の回転数を4000rpmまで上昇させて純水を振り切
り被処理面100aを乾燥させる。乾燥後、ウエハ10
0の回転を停止させ、メインアームによってウエハ10
0を載置台3から次の工程に搬送する。以上の工程によ
って、被処理面100aのレジストの現像処理を終了す
る。
【0027】なお、この現像方法では、ウエハ100の
上方にノズル6および溜まり部7を位置させた後、ノズ
ル6を動かすことなく現像液80の供給を行ったが、回
転しているウエハ100の被処理面100aに対してノ
ズル6および溜まり部7をスキャンさせながら、または
ノズル6および溜まり部7をノズル6を中心にして回転
させながら現像液80を供給してもよい。あるいはウエ
ハ100を回転させずに、被処理面100aに対してノ
ズル6および溜まり部7をスキャンさせながら、または
ノズル6および溜まり部7をノズル6を中心にして回転
させながら現像液80を供給してもよい。
【0028】このように、現像装置1では、ノズル6の
吐出口61側に溜まり部7が設けられているため、ノズ
ル6から吐出された現像液80を溜まり部7の円筒体7
2内に一旦溜め、溜められた現像液80をオーバーフロ
ーさせて被処理面100aに供給できる。よって、溜ま
り部7を中心にして被処理面100aの全方向にほぼ均
一に現像液80を供給することができる。
【0029】一方、上記現像装置1では、溜まり部7の
底面71aがその周縁よりも略中心が下方に膨出した曲
面からなっている。このため、ノズル6および溜まり部
7を被処理面100a近くに位置させて現像液80を吐
出させても、空気の巻き込みにより溜まり部7の底面7
1aとオーバーフローした現像液80と被処理面100
aとの間に形成される空気溜まりが非常に小さい。しか
も溜まり部7の底面71aが曲面からなるため、現像液
80の吐出後、ノズル6および溜まり部7を引き上げる
と、空気溜まりを形成している現像液80が溜まり部7
の底面71aの略中心に収束される形になる。よって、
このノズル6および溜まり部7の引き上げの際に、現像
液80の表面張力の影響を受け難くなるため、溜まり部
7の底面71aや被処理面100aにバブルが形成され
るのを防止することができる。
【0030】また現像装置1では、吐出された現像液8
0が溜まり部7に一旦溜まるため、吐出停止後にノズル
アーム5を移動させた際、現像液80が被処理面100
aに落ちるといった液だれを防止することができる。し
たがって、バブルや液だれに起因する現像ばらつきや現
像欠陥の発生を防止することができる。
【0031】さらに現像装置1では、ノズル6から吐出
された現像液80が溜まり部7を介して被処理面100
aに供給され、ノズル6から吐出された現像液80が被
処理面100aのレジストに直に供給されない。よっ
て、被処理面100aに供給する全体の現像液80の量
を増加させても、現像液80によるレジストへの物理的
アタックが強くならず、レジスト上に現像液80をソフ
トに盛ることができる。また溜まり部7に現像液80を
一旦溜め、オーバーフローさせて供給するため、ノズル
6の吐出口61の径に多少のばらつきがあっても、その
影響をほとんど受けない。よって、ノズル6を高精度に
製造する必要がないため、製造が容易になり、しかも溜
まり部7から被処理面100aに供給される現像液80
の供給量を常にほぼ均一とすることができる。
【0032】以上のことからこの現像装置1によれば、
バブルや液だれによる現像ばらつきおよび現像欠陥の発
生を防止することができるとともに、現像液80による
物理的アタックや供給量の不均一さに起因する現像ばら
つきを低減できるので、現像均一性が向上しかつ現像欠
陥が低減したレジストパターンを形成することができ
る。この結果、歩留りを向上させることができる。
【0033】なお、第1実施形態の現像装置1では、溜
まり部7のガイド部74を底部73から略垂直に立ち上
がった棒状のものとしたが、例えば図2の変形例に示す
ようなガイド部74とすることも可能である。すなわ
ち、このガイド部74は、上記実施形態と同様に円筒体
72内の底部73からノズル6の吐出口61側に向けて
立ち上がった状態で形成されている一方、吐出口61か
ら吐出した現像液80を円筒体73内に導く流路面74
aを備えている。この流路面74aは、ノズル6の吐出
口61から円筒体72内の底部73に向けて傾斜してお
り、さらにその底部73に略連続して形成されている。
また、凹状の曲率を有した状態で形成されている。
【0034】このような溜まり部7を備えた現像装置1
では、ノズル6から吐出された現像液80が流路面74
aを伝って流れ、溜まり部7の円筒体72内に導かれて
一旦溜まる。この際、現像液80が流路面74aを伝っ
て流れることにより、現像液80内に溶け込んでいるガ
スが取り除かれる。ガスが取り除かれて一旦溜められた
現像液80は、堰である円筒体72をオーバーフローし
て下方の被処理面100aへと流れる。したがって、こ
の現像装置1を用いれば、溜まり部7の底面71aや被
処理面100aに形成されるバブルや、液だれによる現
像ばらつきおよび現像欠陥の発生を防止することができ
るとともに、現像液80内に溶け込んでいるガスが被処
理面100aでマイクロバブルになることに因る現像欠
陥の発生を防止することができる。よって、一層の現像
欠陥の低減を図ることができるといった効果が得られ
る。
【0035】次に第2実施形態の現像装置を図3(a)
に示す要部正面図および同図(b)に示す要部断面図を
用いて説明する。なお、この実施形態は、第2の発明の
薬液処理装置に係る一実施形態となるものである。この
現像装置11において第1実施形態の現像装置1と相違
するところは、溜まり部17の構造、およびガス供給部
18を備えている点にある。すなわち、溜まり部17
は、現像装置1と同様に底171を有する円筒体172
からなる一方、底面171aが略円形状をなしかつ略水
平な面に形成されている。また円筒体172内の底部1
73も略円形状に形成されているとともに略水平な面か
らなっている。
【0036】円筒体172は堰となるもので、溜まり部
17の底面171aから上方に向けて略垂直に立ち上が
った状態に形成されている。また溜まり部17の底17
1の略中心には、円筒体172内の底部173と底面1
71aとを貫通する孔175が形成されている。よって
溜まり部17は、底面171aの略中心に開口175a
が形成されたものとなっている。また溜まり部17に
は、円筒体172内の底部173の略中心に、ノズル6
の吐出口61の径よりも小さい径を有し、底部173か
ら略垂直に立ち上がった管状のガイド部174がその管
内と上記開口175aとを連通する状態で設けられてい
る。
【0037】さらに現像装置11は、ガイド部174の
管内を介して溜まり部17の底面171aの開口175
aと接続するガス供給部18を備えている。ガス供給部
18は、図3(b)の白抜き矢印に示すように窒素(N
2 )ガスや空気等をガイド部174内を介して開口17
5aに供給するものである。したがって、開口175a
はガスの吹き出し口(以下、吹き出し口175aと記
す)となっている。なお、ガイド部174は、前述した
実施形態と同様に、その上端側がノズル6の吐出口61
内に挿入されることで、溜まり部17とノズル6との相
対的な位置合わせを可能にする役割をも有している。そ
してこのような溜まり部17は、ガイド部174の上端
側がノズル6の吐出口61内に挿入された状態でノズル
6の吐出口61側に設けられている。また溜まり部17
は、現像液に対して耐薬品性を有する材料、例えばフッ
素系の材料やステンレス等で形成されている。
【0038】この現像装置11では、第1実施形態と同
様、図3(b)に示すようにノズル6から現像液80が
吐出されると、現像液80は溜まり部17の円筒体17
2内に一旦溜まった後、堰である円筒体172をオーバ
ーフローして下方のウエハ100の被処理面100aに
供給される。よって、溜まり部17を中心にして被処理
面100aの全方向にほぼ均一に現像液80が供給され
る。
【0039】また現像装置11は、溜まり部17の底面
171aにガスの吹き出し口175aが形成されている
ので、例えば現像液80の吐出停止直前から吹き出し口
175aよりガスを吹き出させることができる。このた
め、ノズル6および溜まり部17を被処理面100a近
くに位置させて現像液80の供給を行った場合に、溜ま
り部17の底面171aと現像液80と被処理面100
aとの間に空気溜まりが形成されても、上記ガスの吹き
出しによって、ノズル6および溜まり部17の引き上げ
時に溜まり部17の底面171aや被処理面100aに
バブルが形成されない。このことは、特に表面張力の強
い例えば粘性の高い現像液80でも有効である。
【0040】さらに現像装置11でも、吐出された現像
液80が溜まり部17に一旦溜まるため、吐出停止後に
ノズルアーム5を移動させた際、現像液80が被処理面
100aに落ちるといった液だれを防止することができ
る。したがって、バブルや液だれに起因する現像ばらつ
きや現像欠陥の発生を防止することができる。また現像
装置11において、溜まり部17により、レジスト上に
現像液80をソフトに盛ることができ、かつノズル6の
製造が容易になるといった効果が得られるのは前述の実
施形態と同様である。
【0041】以上のことからこの現像装置11によって
も、バブルや液だれによる現像ばらつきおよび現像欠陥
の発生を防止することができるとともに、現像液80に
よる物理的アタックや供給量の不均一さに起因する現像
ばらつきを低減できるので、現像均一性の向上および現
像欠陥の低減を図ることができる。この結果、歩留りを
向上させることができる。
【0042】なお、第2実施形態の現像装置11では、
溜まり部17のガイド部174を底部173から略垂直
に立ち上がった管状のものとしたが、例えば図4
(a)、(b)の変形例に示すように流路面174aを
有するガイド部174とすることも可能である。この流
路面174aは、図2を用いて説明した現像装置1の流
路面74aと同様に構成されたもので、吐出口61から
吐出した現像液80を円筒体173内に導くものであ
る。
【0043】このような溜まり部17を備えた現像装置
11では、ノズル6から吐出された現像液80が流路面
174aを伝って流れるため、現像液80内に溶け込ん
でいるガスが取り除かれる。ガスが取り除かれて一旦溜
められた現像液80は、堰である円筒体72をオーバー
フローして下方の被処理面100aへと流れる。したが
って、この現像装置11を用いれば、溜まり部17の底
面171aや被処理面100aに形成されるバブルや、
液だれによる現像ばらつきおよび現像欠陥の発生を防止
することができるとともに、マイクロバブルに起因する
現像欠陥の発生を防止することができる。よって、一層
の現像欠陥の低減を図ることができるといった効果が得
られる。
【0044】また第2実施形態およびその変形例では、
溜まり部17の底面171aを略水平な面としたが、前
述した第1実施形態のように底面171aを、その周縁
よりも略中心が下方に膨出した曲面としてもよい。この
場合には、より確実に底面71aや被処理面100aへ
のバブルの発生を防止することができる。
【0045】さらに第2実施形態およびその変形例で
は、溜まり部17の底面171aの開口を吹き出し口1
75aとし、吹き出し口175aにガスを供給するガス
供給部18を備えている場合について述べたが、例えば
溜まり部の底面に外部に連通する開口のみを設けた構成
とすることも可能である。この場合には、ガスを吹き出
す場合に比較してバブルの発生を防止する効果が弱いも
のの、溜まり部の底面と現像液と被処理面との間に溜ま
った空気を上記開口から外部に逃がすことができるの
で、使用する現像液の粘性が低ければ、十分にバブルの
発生を防止することができる。
【0046】次に第3実施形態の現像装置を図5に示す
要部正面図を用いて説明する。この第3実施形態は、第
3の発明に係る薬液処理装置の一実施形態となるもので
ある。第3実施形態の現像装置21は、第1実施形態の
現像装置1の溜まり部7に替えて分散部22を設けたも
のである。分散部22は、略円形の底面221と、底面
221の周縁からノズル6の吐出口61側に向け斜め上
方に立ち上がった流路面222とからなる。これら流路
面222は、凹状の曲率を有した状態で形成されてい
る。また底面221は、その周縁よりも略中心が下方に
膨出した曲面で形成されている。そして、このような分
散部22は、流路面222の上端側がノズル6の吐出口
61内に挿入された状態でその吐出口61側に設けられ
ている。また分散部22も、現像液に対して耐薬品性を
有する材料、例えばフッ素系の材料やステンレス等で形
成されている。
【0047】このように構成された現像装置21では、
吐出口61から吐出された現像液80は流路面222を
伝って流れ、流路面222の下端縁、つまり底面221
の周縁221aから下方の被処理面100aへと供給さ
れる。この際、底面22の周縁221aが略円形状であ
るため、ノズル6を略中心にして全方向に均一に現像液
80を供給することができる。
【0048】一方、分散部22の底面221がその周縁
よりも略中心が下方に膨出した曲面からなっている。こ
のため、第1実施形態と同様の効果、すなわちノズル6
および分散部22を被処理面100a近くに位置させて
現像液80を吐出させても、ノズル6および分散部22
の引き上げの際に、その底面221や被処理面100a
にバブルが形成されるのを防止できるといった効果が得
られる。また現像液80が流路面222を介して被処理
面100aに供給されることにより、ガスが取り除かれ
た現像液80を被処理面100aのレジストに供給する
ことができ、結果としてマイクロバブルに起因する現像
欠陥の発生を防止することができる。さらに、ノズル6
から吐出された現像液80が被処理面100aのレジス
トに直に供給されないので、現像液80による物理的ア
タックが弱められ、レジスト上に現像液80をソフトに
盛ることができる。
【0049】したがって、第3実施形態の現像装置21
によれば、分散部22の底面221や被処理面100a
にバブルが形成されることによる現像ばらつきや現像欠
陥の発生を防止することができ、かつマイクロバブルに
起因する現像欠陥の発生を防止することができる。さら
に、現像液80による物理的アタックや供給量の不均一
さに起因する現像ばらつきを低減できるので、現像均一
性が向上しかつ現像欠陥が低減したレジストパターンを
得ることができる。よって、歩留りを向上させることが
できる。
【0050】次に第4実施形態の現像装置を図6(a)
に示す要部正面図および同図(b)に示す要部断面図を
用いて説明する。この第4実施形態は、第4の発明に係
る薬液処理装置の一実施形態となるものである。この現
像装置31において第3実施形態の現像装置21と相違
するところは、分散部22の構造、およびガス供給部3
2を備えている点にある。すなわち、分散部22は、現
像装置21と同様に略円形の底面221と、底面221
の周縁からノズル6の吐出口61側に向け斜め上方に立
ち上がった流路面222とからなる。これら流路面22
2は、凹状の曲率を有した状態で形成されている。なお
底面221は第3実施形態と異なり、略水平な面からな
っている。
【0051】この分散部22内には、分散部22の上端
から底面221まで貫通する孔223が形成されてお
り、よって分散部22は底面221の略中心に開口22
3aが形成されたものとなっている。さらに現像装置3
1は、上記孔22を介して分散部22の底面221の開
口223aと接続するガス供給部32を備えている。ガ
ス供給部32は、図6(b)の白抜き矢印に示すように
2 ガスや空気等を孔22を介して開口223aに供給
するものである。したがって、開口223aはガスの吹
き出し口(以下、吹き出し口223aと記す)となって
いる。そしてこのような分散部22は、上端側がノズル
6の吐出口61内に挿入された状態でノズル6の吐出口
61側に設けられている。
【0052】この現像装置31では、第3実施形態と同
様、図6(b)に示すように吐出口61から吐出された
現像液80が流路面222を伝って流れ、流路面222
の下端縁、つまり底面221の略円形状の周縁221a
から下方の被処理面100aへと供給される。このた
め、ノズル6を略中心にして全方向に均一に現像液80
を供給することができる。
【0053】また現像装置31は、分散部22の底面2
21にガスの吹き出し口223aが形成されているの
で、例えば現像液80の吐出停止直前から吹き出し口2
23aよりガスを吹き出させることができる。このた
め、ノズル6および分散部22を被処理面100a近く
に位置させて現像液80を吐出させた際に、分散部22
の底面221と現像液80と被処理面100aとの間に
空気溜まりが形成されても、上記ガスの吹き出しによっ
て、ノズル6および分散部22の引き上げ時にその底面
221や被処理面100aにバブルが形成されない。こ
のことは、特に表面張力の強い例えば粘性の高い現像液
80でも有効である。
【0054】また第4実施形態によっても、分散部22
の流路面222により、マイクロバブルに起因する現像
欠陥を防止でき、かつレジスト上に現像液80をソフト
に盛ることができるのは、第3実施形態と同様である。
したがって、第4実施形態の現像装置31によっても、
底面221や被処理面100aに形成されるバブルによ
る現像ばらつきおよび現像欠陥の発生を防止することが
できるとともに、マイクロバブルに起因する現像欠陥を
防止でき、さらに現像液80による物理的アタックや供
給量の不均一さに起因する現像ばらつきを低減できるの
で、現像均一性の向上および現像欠陥の低減を図ること
ができる。この結果、歩留りを向上させることができ
る。
【0055】なお、第4実施形態では分散部22の底面
221を略水平な面としたが、前述した第3実施形態の
ように底面221を、その周縁よりも略中心が下方に膨
出した曲面としてもよい。この場合には、より確実に底
面221や被処理面100aへのバブルの発生を防止す
ることができる。
【0056】また第4実施形態では、分散部22の底面
221の開口を吹き出し口223aとし、吹き出し口2
23aにガスを供給するガス供給部32を備えている場
合について述べたが、例えば分散部の底面に外部に連通
する開口のみを設けた構成とすることも可能である。こ
の場合には、ガスを吹き出す場合に比較してバブルの発
生を防止する効果が弱いものの、分散部の底面と現像液
と被処理面との間に溜まった空気を上記開口から外部に
逃がすことができるので、使用する現像液の粘性が低け
れば、十分にバブルの発生を防止することができる。
【0057】次に第5実施形態の現像装置を図7に示す
概略構成図を用いて説明する。この第5実施形態は、第
4の発明の他の実施形態となるものである。この現像装
置41において、第4実施形態の現像装置31と相違す
るところは、ノズル6内の現像液80を吸引するための
サックバックバルブ42を備えていることにある。すな
わち、ノズルアーム5は、前述したように例えば現像液
供給路を兼ねたものとなっており、直管状もしくは直管
の先端が下方に延びた略L字状に形成されているもので
ある。このノズルアーム5の後端には、例えば供給管
(図示略)を介して現像液80を貯留しているタンクが
接続されているが、例えばノズルアーム5から供給管ま
での間にサックバックバルブ42が設けられている。
【0058】このような現像装置41では、ノズル6か
ら現像液80を吐出させた後、吐出を終了する場合に、
例えば供給管とタンクとの間に介装されたバルブ(図示
略)を閉めてタンクからノズル6への現像液80の供給
を停止すると同時に、サックバックバルブ42を用いて
ノズル6内の残っている現像液80を吸引して現像液8
0の供給を停止することができる。そのため、吐出停止
後、ノズルアーム5を移動させた際にノズル6内に残っ
た現像液80が分散部22へと流れて液だれが生じるこ
とにより、被処理面100aに現像欠陥が発生するのを
防止することができる。またたとえ分散部22の流路面
222に現像液80が残っていても、サックバックバル
ブ42により吸引されるため、分散部22の底面221
や被処理面100aにバブルが形成されるのを一層防止
することができる。
【0059】したがって、この現像装置41によれば、
現像均一性を一層向上させることができるとともに現像
欠陥をより低減させることができる。なお、この実施形
態では、第4実施形態の分散部22を備えた現像装置3
1にサックバックバルブ42を設けた場合を述べたが、
第1実施形態の現像装置11、第2実施形態の現像装置
21にサックバックバルブ42を設けることも可能であ
る。
【0060】次に第6実施形態の現像装置を図8に示す
要部断面図を用いて説明する。この第6実施形態は、第
5の発明に係る薬液処理装置の一実施形態となるもので
ある。この現像装置51において第3実施形態の現像装
置21と相違するところは、分散部22の流路面222
に切欠部52が形成されていることにある。流路面22
は、前述したように底面221の周縁からノズル6の吐
出口61側に向け斜め上方に立ち上がったもの、すなわ
ち吐出口61側から側方下側に向けて延びて形成された
ものである。そして流路面22の例えば対向する位置
に、流路面22の上端側から下端縁、つまり底面221
の周縁221aに亘って例えば扇状の切欠部52がそれ
ぞれ形成されている。
【0061】このような現像装置51では、吐出口61
から吐出された現像液80が、図8中矢印で示すように
切欠部52以外の流路面222を伝って流れ、底面22
1の周縁221aから下方の被処理面100aへと供給
される。この際、底面22の周縁221aが略円形状で
あるため、ノズル6を略中心にして全方向に均一に現像
液80を供給することができる。また、分散部22の底
面221の周縁221aに切欠部52が形成されている
ため、現像液80が平面視略円形をなすように連続した
状態で流れ落ちない。このためノズル6および分散部2
2を被処理面100a近くに位置させて現像液80を吐
出させても、底面221の周縁221aとこの周縁22
1aから流下した現像液80と被処理面100aとの間
に空気溜まりが形成されない。この結果、ノズル6およ
び分散部22の引き上げの際に、分散部22の底面22
1や被処理面100aにバブルが形成されるのを防止す
ることができる。
【0062】また第6実施形態によっても、分散部22
の流路面222により、マイクロバブルに起因する現像
欠陥を防止でき、かつレジスト上に現像液80をソフト
に盛ることができるのは、第3実施形態と同様である。
したがって、第6実施形態の現像装置51によっても現
像均一性の向上および現像欠陥の低減を図ることがで
き、歩留りを向上させることができるといった効果を得
ることができる。
【0063】なお、第6実施形態では、第5の発明にお
ける分散部が底面を有する場合について述べたが、ノズ
ルの吐出口側から側方下側に向けて延びて形成された流
路面を備えていればよく上記例に限定されない。また第
6実施形態では、流路面に分散部の上端から下端縁に亘
る切欠部を形成したが、少なくとも流路面の下端縁に切
欠部が形成されていればよい。ただし、流路面の上端か
ら下端縁に亘る切欠部を形成し、切欠部以外の流路面に
現像液を流すようにすれば、流路面の下端縁の位置がば
らつかないため、現像液を被処理面に均一に供給するう
えで有効である。
【0064】また第6実施形態では切欠部を2つ設けた
が、1つでも良くまた3つ以上設けることも可能であ
る。さらに、第5実施形態で述べたサックバックバルブ
42を設けてもよい。この場合には、液だれに起因する
現像欠陥が防止されるので、現像均一性の向上および現
像欠陥の低減を一層図ることができる。
【0065】なお、上記したいずれの実施形態において
も、本発明を現像装置に適用した例を述べたが、本発明
はこの他、洗浄処理装置やウエットエッチング装置な
ど、様々な薬液処理装置に適用できるのは言うまでもな
い。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る薬液処
理装置の第1の発明では、吐出口から吐出された薬液を
一旦溜め、オーバーフローさせて下方の被処理面に供給
する溜まり部の底面がその周縁よりも略中心が下方に膨
出した曲面からなっている。このため、ノズルおよび溜
まり部を被処理面近くに位置させて薬液の供給を行って
も、ノズルおよび溜まり部を引き上げる際に溜まり部の
底面や被処理面にバブルが形成されるのを防止できる。
また溜まり部によって、吐出停止後の液だれを防止でき
る。したがって、この装置により現像処理を行えば、バ
ブルや液だれによる現像ばらつきおよび現像欠陥の発生
を防止することができるので、現像均一性が向上しかつ
現像欠陥が低減したレジストパターンを形成することが
できる。
【0067】本発明に係る薬液処理装置の第2の発明で
は、溜まり部の底面にガスの吹き出し口が形成されてい
るので、ノズルおよび溜まり部を被処理面近くに位置さ
せて薬液の供給を行っても、例えば薬液の吐出停止直前
に吹き出し口よりガスを吹き出させることにより、ノズ
ルおよび溜まり部の引き上げ時に溜まり部の底面や被処
理面にバブルが形成されるのを防止できる。また溜まり
部によって、吐出停止後の液だれを防止できる。したが
って、この装置により現像処理を行えば、第1の発明と
同様の効果が得られる。
【0068】本発明に係る薬液処理装置の第3の発明で
は、ノズルの吐出口側に設けられた分散部の底面がその
周縁よりも略中心が下方に膨出した曲面からなっている
ため、第1の発明と同様に、ノズルおよび分散部を被処
理面近くに位置させて薬液の供給を行っても、ノズルお
よび分散部の引き上げの際に分散部の底面や被処理面に
バブルが形成されるのを防止できる。よって、この装置
により現像処理を行えば、バブルに起因する現像ばらつ
きおよび現像欠陥の発生を防止することができるので、
現像均一性の向上および現像欠陥の低減を図ることがで
きる。
【0069】本発明に係る薬液処理装置の第4の発明で
は、分散部の底面にガスの吹き出し口が形成されている
ので、ノズルおよび分散部を被処理面近くに位置させて
薬液の供給を行っても、例えば薬液の吐出停止直前に吹
き出し口よりガスを吹き出させることにより、ノズルお
よび分散部の引き上げ時に分散部の底面や被処理面にバ
ブルが形成されるのを防止できる。よって、この装置に
より現像処理を行えば、第3の発明と同様の効果を得る
ことができる。
【0070】本発明に係る薬液処理装置の第5の発明で
は、分散部の流路面の下端縁に切欠部が形成されている
ため、流路面の下端縁とこの下端縁から流下した薬液と
被処理面との間に空気溜まりが形成されるのを防止でき
る。よって、ノズルおよび分散部を被処理面近くに位置
させて薬液の供給を行っても、ノズルおよび分散部の引
き上げの際に分散部の底面や被処理面にバブルが形成さ
れないので、この装置により現像処理を行えば、第3の
発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液処理装置の第1実施形態を説
明する図であり、(a)は概略構成図、(b)は要部断
面図である。
【図2】第1実施形態の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図3】本発明に係る薬液処理装置の第2実施形態を説
明する図であり、(a)は要部正面図、(b)は要部断
面図である。
【図4】第2実施形態の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図5】本発明に係る薬液処理装置の第3実施形態を示
す要部正面図である。
【図6】本発明に係る薬液処理装置の第4実施形態を説
明する図であり、(a)は要部正面図、(b)は要部断
面図である。
【図7】本発明に係る薬液処理装置の第5実施形態を示
す概略構成図である。
【図8】本発明に係る薬液処理装置の第6実施形態を示
す要部平面図である。
【図9】従来装置の一例を説明する図である。
【図10】本発明の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51 現像装置 6
ノズル 7、17 溜まり部 18、32 ガス供給部 2
2 分散部 52 切欠部 61 吐出口 71、171 底 71a、171a 221 底面 72、172 円
筒体 80 現像液 175a、223a 吹き出し口
221a 周縁 222 流路面 100 ウエハ 100a 被処
理面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を被処理物の被処理面に供給するノ
    ズルを備えた薬液処理装置において、 前記ノズルの吐出口側に、有底円筒体からなる溜まり部
    が設けられ、 該溜まり部の底面は、該底面の周縁よりも略中心が下方
    に膨出した曲面からなることを特徴とする薬液処理装
    置。
  2. 【請求項2】 薬液を被処理物の被処理面に供給するノ
    ズルを備えた薬液処理装置において、 前記ノズルの吐出口側に設けられた有底円筒体からなる
    溜まり部と、 該溜まり部の底面に形成されたガスの吹き出し口と、 該吹き出し口に接続されたもので、この吹き出し口から
    吹き出されるガスを該吹き出し口に供給するためのガス
    供給部とを備えていることを特徴とする薬液処理装置。
  3. 【請求項3】 前記溜まり部の底面は、該底面の周縁よ
    りも略中心が下方に膨出した曲面からなることを特徴と
    する請求項2記載の薬液処理装置。
  4. 【請求項4】 薬液を被処理物の被処理面に供給するノ
    ズルを備えた薬液処理装置において、 前記ノズルの吐出口側に設けられているもので、略円形
    の底面と該底面の周縁から前記吐出口に向け斜め上方に
    立ち上がった流路面とからなる分散部を備え、 該分散部の底面は、該底面の周縁よりも略中心が下方に
    膨出した曲面からなることを特徴とする薬液処理装置。
  5. 【請求項5】 薬液を被処理物の被処理面に供給するノ
    ズルを備えた薬液処理装置において、 前記ノズルの吐出口側に設けられているもので、略円形
    の底面と該底面の周縁から前記吐出口に向け斜め上方に
    立ち上がった流路面とからなる分散部と、 該分散部の底面に形成されたガスの吹き出し口と、 該吹き出し口に接続されたもので、この吹き出し口から
    吹き出されるガスを該吹き出し口に供給するためのガス
    供給部とを備えていることを特徴とする薬液処理装置。
  6. 【請求項6】 前記分散部の底面は、該底面の周縁より
    も略中心が下方に膨出した曲面からなることを特徴とす
    る請求項5記載の薬液処理装置。
  7. 【請求項7】 薬液を被処理物の被処理面に供給するノ
    ズルを備えた薬液処理装置において、 前記ノズルの吐出口側から側方下側に向けて延びて形成
    された流路面を有するとともに該流路面の下端縁が略円
    形をなす分散部を備え、 前記流路面の下端縁には、切欠部が形成されていること
    を特徴とする薬液処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100441709B1 (ko) * 2001-12-21 2004-07-27 동부전자 주식회사 반도체 현상장비의 현상액 분사장치
JP2010010348A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置

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