JP2004095705A5 - - Google Patents

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JP2004095705A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 液処理装置及び液処理方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状の被処理基板を保持する回転可能な保持手段と、
上記被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、
上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、
上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、
上記ノズルヘッドの液処理面に、上記処理液吸引手段を挟んで処理液供給手段と対峙する位置に設けられ、上記被処理基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
上記保持手段に設けられると共に、少なくとも保持手段にて保持された上記被処理基板の表面と同一平面上に位置する平坦面を有し、かつ、被処理基板の外周近傍に位置する上記ノズルヘッドの液処理面との間に液膜を形成すべく液処理面と対向する助走ステージと、
を具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項2】 請求項1記載の液処理装置において、
上記助走ステージは、少なくともノズルヘッドの液処理面と対向する平坦面を有すると共に、この平坦面の外周辺に延在する下り勾配の液排出面を有することを特徴とする液処理装置。
【請求項3】 請求項1記載の液処理装置において、
上記助走ステージは、ノズルヘッドの液処理面と接触する液面を形成すべく外側方に向かって下り勾配の傾斜底壁と、この傾斜底壁の外側辺から起立する起立壁とからなる液溜り部を具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項4】 請求項3記載の液処理装置において、
上記助走ステージの起立壁の下部側に排出孔を設けたことを特徴とする液処理装置。
【請求項5】 請求項1記載の液処理装置において、
上記助走ステージを、保持手段の側方を包囲する昇降可能なカップの上端に設けられる平坦面にて形成してなることを特徴とする液処理装置
【請求項6】 板状の被処理基板を保持する回転可能な保持手段と、
上記被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、
上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、
上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、
上記保持手段の外側近傍に配設されると共に、上記ノズルヘッドの液処理面における少なくとも処理液の流れが形成される領域に向かって液を供給する助走用液供給手段と、
を具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項7】 請求項6記載の液処理装置において、
上記処理液吸引手段と洗浄液供給手段とを切換手段を介して洗浄液供給源に接続し、処理直前まで上記処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に処理液吸引手段を吸引側に切換可能に形成してなることを特徴とする液処理装置。
【請求項8】 請求項1記載の液処理装置において、
上記処理液吸引手段と上記洗浄液供給手段の洗浄液供給源とを接続する管路に介設される切換手段と、
上記切換手段を制御する制御手段と、を具備し、
上記切換手段は、処理直前まで上記処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に上記処理液吸引手段を吸引側に切り換えるように上記切換手段を制御することを特徴とする液処理装置。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の液処理装置において、
上記ノズルヘッドの液処理面と被処理基板表面との距離を検出する間隔検出手段と、
上記ノズルヘッドを昇降可能に支持する昇降手段と、
上記間隔検出手段の検出信号と、予め記憶された情報とに基づいて、上記昇降手段を制御する制御手段と、
を更に具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項10】 被処理基板表面と一定間隔をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、
上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、
上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、
上記液処理面に上記処理液吸引手段を挟んで上記処理液供給手段と対峙する位置に設けられ、上記被処理基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
上記処理液吸引手段と上記洗浄液供給手段の洗浄液供給源とを接続する管路に介設される切換手段と、を具備する液処理装置により、上記ノズルヘッドを上記被処理基板と対向させた状態で相対的に移動させつつ処理を施す液処理方法であって、
上記ノズルヘッドが上記被処理基板の処理直前まで上記切換手段を切り換えて上記処理液吸引手段から洗浄液を供給する工程と、
次いで、上記被処理基板の処理開始時に上記切換手段を吸引側に切り換えて上記処理液吸引手段から処理液を吸引する工程と、
を有することを特徴とする液処理方法
【請求項11】 請求項10記載の液処理方法において、
上記処理液の供給は、上記切換手段が吸引側に切り換えられると同時であることを特徴とする液処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばレチクル等のフォトマスク用ガラス基板に処理液を供給して処理する液処理装置及び液処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハやLCD用ガラス基板等(以下にウエハ等という)の表面に例えばレジスト液を塗布し、ステッパー等の露光装置を用いて回路パターンを縮小してレジスト膜を露光し、露光後のウエハ表面に現像液を塗布して現像処理を行うフォトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
上記露光処理工程においては、例えばステッパー(縮小投影露光装置)等の露光装置が用いられており、レチクル等のフォトマスクに光を照射し、フォトマスクに描画されている回路パターンの原図を縮小してウエハ上に転写している。
【0004】
ところで、このフォトマスクの製造工程においても、上記ウエハ等と同様にフォトリソグラフィ技術が用いられており、レジスト塗布工程、露光処理工程、現像処理工程という一連のプロセス工程を経ているが、フォトマスクはウエハ等に回路パターンを投影するための原図であるため、線幅等のパターン寸法は更に高精度が要求される。
【0005】
従来のフォトマスクの現像方法には、(1)フォトマスク用のガラス基板をスピンチャック上に吸着保持して低速で回転し、スプレーノズルを用いて現像液をガラス基板上に噴霧状に吐出しながら現像処理を行うスプレー式現像方法、
(2)ガラス基板とスキャンノズルを相対移動させながら、スキャンノズルから供給される現像液をガラス基板上に液盛りし、静止状態で現像処理を行うパドル式現像方法、
(3)ガラス基板とスキャンノズルを相対移動させながら、スキャンノズルからガラス基板表面に供給される現像液を吸引手段によって吸引する供給・吸引式方法等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スプレー式現像では、現像液と反応して生成された溶解生成物が、回転による遠心力によってガラス基板の辺部や角部に流れるため、この部分で現像液との反応が抑制され、線幅等のパターン寸法が不均一になるという問題があった。
【0007】
また、パドル式現像では、溶解生成物が特定の場所に流れるということはなく、スプレー式現像のような問題は生じないが、パターンの幾何学的構造やパターン密度の差異により、溶解生成物の生成量や現像液の濃度が局所的に異なり、エッチング速度等が変化するローディング効果と呼ばれる現象が生じ、回路パターンが不均一になるという問題があった。
【0008】
また、供給・吸引式現像では、スプレー式やパドル式に比べて現像液の消費量を抑制することができると共に、処理の均一性の向上が図れるが、吸引手段の吸引作用に伴って基板表面に供給された現像液(処理液)に外部から空気が入り込む泡噛みの虞があり、この泡噛みによって処理液の流が不安定となり、処理の均一性が損なわれるという問題があった。
【0009】
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、処理液中への空気の混入を抑制して、レチクル等の被処理基板に対する均一な現像処理が可能な液処理装置及び液処理方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の液処理装置は、板状の被処理基板を保持する回転可能な保持手段と、 上記被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、 上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、 上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、 上記ノズルヘッドの液処理面に、上記処理液吸引手段を挟んで処理液供給手段と対峙する位置に設けられ、上記被処理基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、 上記保持手段に設けられると共に、少なくとも保持手段にて保持された上記被処理基板の表面と同一平面上に位置する平坦面を有し、かつ、被処理基板の外周近傍に位置する上記ノズルヘッドの液処理面との間に液膜を形成すべく液処理面と対向する助走ステージと、を具備することを特徴とする(請求項1)。
【0011】
この発明において、上記助走ステージは、少なくとも上記保持手段にて保持された上記被処理基板の表面と同一平面上に位置する平坦面を有し、かつ、被処理基板の外周近傍に位置する上記ノズルヘッドの液処理面と対向するものであれば、その構造は任意でよく、例えば、上記助走ステージに、少なくともノズルヘッドの液処理面と対向する平坦面を設けると共に、この平坦面の外周辺に延在する下り勾配の液排出面を設けてもよい(請求項2)。また、上記助走ステージに、ノズルヘッドの液処理面と接触する液面を形成するように外側方に向かって下り勾配の傾斜底壁と、この傾斜底壁の外側辺から起立する起立壁とからなる液溜り部を設けてもよい(請求項3)。この場合、上記助走ステージの起立壁の下部側に排出孔を設ける方が好ましい(請求項4)。
【0012】
また、この発明の第2の液処理装置は、上記助走ステージを、上記保持手段の側方を包囲する昇降可能なカップの上端に設けられる平坦面にて形成してなることを特徴とする(請求項5)。
【0013】
また、この発明の第3の液処理装置は、板状の被処理基板を保持する回転可能な保持手段と、 上記被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、 上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、 上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、 上記保持手段の外側近傍に配設されると共に、上記ノズルヘッドの液処理面における少なくとも処理液の流れが形成される領域に向かって液を供給する助走用液供給手段と、を具備することを特徴とする(請求項6)。この場合、上記処理液吸引手段と洗浄液供給手段とを切換手段を介して洗浄液供給源に接続し、処理直前まで上記処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に処理液吸引手段を吸引側に切換可能に形成してもよい(請求項7)。
【0014】
また、この発明の第4の液処理装置は、第1の液処理装置に、更に、上記処理液吸引手段と上記洗浄液供給手段の洗浄液供給源とを接続する管路に介設される切換手段と、 上記切換手段を制御する制御手段と、を具備し、 上記切換手段は、処理直前まで上記処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に上記処理液吸引手段を吸引側に切り換えるように上記切換手段を制御することを特徴とする(請求項8)。
【0015】
また、上記ノズルヘッドの液処理面と被処理基板表面との距離を検出する間隔検出手段と、 上記ノズルヘッドを昇降可能に支持する昇降手段と、 上記間隔検出手段の検出信号と、予め記憶された情報とに基づいて、上記昇降手段を制御する制御手段と、を更に具備する方が好ましい(請求項9)。
【0016】
また、この発明の液処理方法は、被処理基板表面と一定間隔をおいて相対的に平行移動可能な液処理面を有するノズルヘッドと、 上記液処理面に設けられ、上記被処理基板表面に帯状に処理液を供給する処理液供給手段と、 上記液処理面に処理液供給手段と平行に設けられ、上記処理液供給手段から供給された処理液を吸引すると共に、上記被処理基板の表面に処理液の流れを形成する処理液吸引手段と、 上記液処理面に上記処理液吸引手段を挟んで上記処理液供給手段と対峙する位置に設けられ、上記被処理基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、 上記処理液吸引手段と上記洗浄液供給手段の洗浄液供給源とを接続する管路に介設される切換手段と、を具備する液処理装置により、上記ノズルヘッドを上記被処理基板と対向させた状態で相対的に移動させつつ処理を施す液処理方法であって、 上記ノズルヘッドが上記被処理基板の処理直前まで上記切換手段を切り換えて上記処理液吸引手段から洗浄液を供給する工程と、 次いで、上記被処理基板の処理開始時に上記切換手段を吸引側に切り換えて上記処理液吸引手段から処理液を吸引する工程と、 を有することを特徴とする(請求項10)。この場合、上記処理液の供給を、上記切換手段が吸引側に切り換えられると同時に行う方が好ましい(請求項11)
【0017】
請求項1記載の発明によれば、処理開始前に、ノズルヘッドを助走ステージと対向する位置に移動した状態で、洗浄液供給手段から洗浄液を助走ステージに供給してノズルヘッドの液処理面と助走ステージとの間に液膜すなわち液で満たされた領域を形成し、次に、処理液吸引手段により液すなわち洗浄液を吸引し、この吸引作用によって処理液吸引手段の内部全域に液が満たされるようにする。この状態で、ノズルヘッドと被処理基板表面とを一定の隙間をおいて相対的に平行移動し、被処理基板面に直前から処理液供給手段から処理液を供給することにより、助走ステージを移動中に処理液吸引手段内に空気が混入すなわち泡噛みすることなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。この場合、ノズルヘッドの液処理面と助走ステージとの間に、洗浄液供給手段及び処理液供給手段から洗浄液及び処理液を供給して、洗浄液及び処理液の液膜を形成し、処理液吸引手段により吸引してもよい。したがって、例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。また、ノズルヘッドの液処理面に、処理液吸引手段を挟んで処理液供給手段と対峙する位置に設けられる洗浄液供給手段によって、被処理基板の表面に洗浄液を供給するので、洗浄液供給手段が供給した洗浄液を処理液供給手段が吸引することにより、処理液が処理液吸引手段から洗浄液供給手段側へ広がるのを防止して、被処理基板上の処理液の幅を一定にすることができる。また、処理液上のパーティクル等を除去することができる。
【0018】
この場合、助走ステージに、少なくともノズルヘッドの液処理面と対向する平坦面を設けると共に、この平坦面の外周辺に延在する下り勾配の液排出面を設けることにより、処理前に洗浄液供給手段又は洗浄液供給手段及び処理液供給手段から助走ステージに供給された洗浄液や処理液を被処理体と反対の外方側に速やかに排出することができる(請求項2)。また、助走ステージに、ノズルヘッドの液処理面と接触する液面を形成すべく外側方に向かって下り勾配の傾斜底壁と、この傾斜底壁の外側辺から起立する起立壁とからなる液溜り部を設けることにより、処理前に洗浄液供給手段又は洗浄液供給手段及び処理液供給手段から助走ステージに供給された洗浄液や処理液を液溜り部内に貯留して、その液面をノズルヘッドの液処理面に接触することができる(請求項3)。この場合、助走ステージの起立壁の下部側に排出孔を設けることにより、液溜り部内に貯留された洗浄液や処理液を外部に排出することができ、液溜り部に新しい洗浄液や処理液等を貯留することができる(請求項4)。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、処理開始前に、カップの上端の平坦面を保持手段にて保持された被処理基板表面と同一平面上に位置させ、ノズルヘッドをカップの平坦面と対向する位置に移動した状態で、処理液供給手段から処理液をカップの平坦面に供給してノズルヘッドの液処理面と助走ステージとの間に液膜すなわち液で満たされた領域を形成し、その後、被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動すると共に、処理液吸引手段により処理液を吸引することにより、処理液中に空気が混入することなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。したがって、例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、処理開始前に、助走用液供給手段からノズルヘッドの液処理面における少なくとも処理液の流れが形成される領域に向かって例えば洗浄液を供給してノズルヘッドの液処理面と助走ステージとの間に液膜すなわち液で満たされた領域を形成し、その後、被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動すると共に、処理液吸引手段により処理液を吸引することにより、処理液中に空気が混入することなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。したがって、例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。この場合、処理液吸引手段と洗浄液供給手段とを切換手段を介して洗浄液供給源に接続し、処理直前まで処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に処理液吸引手段を吸引側に切換可能に形成することにより、処理直前まで処理液吸引手段の内部全域の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができる(請求項7)。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、処理液吸引手段と洗浄液供給手段の洗浄液供給源とを接続する管路に介設される切換手段と、処理直前まで処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に処理液吸引手段を吸引側に切り換えるように切換手段を制御する制御手段を具備することにより、助走ステージを設けることなく、処理直前まで処理液吸引手段の内部全域の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができる。したがって、処理液吸引手段内に空気が混入すなわち泡噛みを防止して被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、制御手段は、ノズルヘッドの液処理面と被処理基板表面との距離を検出する間隔検出手段の検出信号と、予め記憶された情報とに基づいて、ノズルヘッドを昇降可能に支持する昇降手段を制御するので、ノズルヘッドの液処理面と被処理基板との間の隙間を確実に一定にすることができる。
【0023】
請求項10,11記載の発明によれば、処理開始前まで処理液吸引手段から洗浄液を供給して、処理液吸引手段の配管内の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができる
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態では、この発明の液処理装置を、フォトマスク用の被処理基板、例えばレチクル用のガラス基板Gに現像処理を行う現像処理装置に適用した場合について説明する。
【0025】
◎第一実施形態
上記現像処理装置1は、図1に示すように、中心部に配設されたガラス基板Gの搬送手段例えば搬送アーム2を挟んで複数のガラス基板Gを収容するカセットCの搬入・搬出ユニット3と対向する位置に設置される現像処理ユニット4内に配設されている。なお、搬送アーム2の左右の対向位置には、ガラス基板Gを加熱又は冷却する熱処理ユニット5と、レジスト塗布処理ユニット6が設置されている。このように構成される塗布・現像処理システムにおいて、搬送アーム2は、水平の360度に回転可能に形成されると共に、水平のX,Y方向に伸縮可能に形成され、かつ、垂直のZ方向に移動可能に形成されている。このように形成される搬送アーム2により、カセットC、現像処理ユニット4、熱処理ユニット5及びレジスト塗布処理ユニット6に対してそれぞれガラス基板Gの搬入・搬出を行うことができる。
【0026】
上記現像処理装置1は、図2ないし図5に示すように、搬送アーム2により、現像処理ユニット4内に搬入されるレジスト液の塗布及び回路パターンの露光が終了したガラス基板Gを水平状態に吸着保持する水平方向に回転可能な保持手段例えばスピンチャック10と、このスピンチャック10を回転する駆動モータ11と、ガラス基板Gと一定の隙間をおいて相対的に平行移動可能な後述する液処理面21を有するノズルヘッド20と、このノズルヘッド20を水平のX方向に移動すると共に、垂直のZ方向に昇降移動可能なノズル移動手段30と、スピンチャック10に設けられ、現像処理開始前のノズルヘッド20が位置する助走ステージ40及びスピンチャック10の側方を包囲する昇降可能なカップ50とで主に構成されている。
【0027】
この場合、スピンチャック10は、図4及び図6に示すように、中空回転軸12に連結されており、この中空回転軸12に装着された従動プーリ13と、駆動モータ11の駆動軸11aに装着された駆動プーリ14とに掛け渡されるタイミングベルト15を介して駆動モータ11からの動力が伝達されるようになっている。また、スピンチャック10の載置面の4角領域の4箇所の角部には、ガラス基板Gを僅かな隙間をおいて支持するプロキシミティーピン16が突設されると共に、ガラス基板Gの角部の隣接する辺を保持する回転規制ピン17が突設されている。また、スピンチャック10の載置面には、ガラス基板Gの下面縁部(パターン形成領域外)を吸着保持する3個の吸着パット18が取り付けられている。これら吸着パット18は、図5に示すように、スピンチャック10の回転中心を挟んで対向する一方の位置に1個と、他方の位置に2個配設されている。なお、吸着パット18は真空ポンプ等の真空装置(図示せず)に接続されている。
【0028】
上記説明では、タイミングベルト15を介して駆動モータ11からの動力を中空回転軸12に伝達する場合について説明したが、中空回転軸12に中空モータを装着して中空回転軸12及びスピンチャック10を回動するようにしてもよい。
【0029】
なお、スピンチャック10の中心部には、裏面洗浄用ノズル19が設けられている。この裏面洗浄用ノズル19は、中空回転軸12との間にベアリング19aを介して取り付けられて回転しないようになっており、中空部12a内に配設された洗浄液供給チューブ19bを介して図示しない洗浄液供給源に接続されている。
【0030】
上記助走ステージ40は、中心部にガラス基板Gの外形より若干大きな方形孔41(例えば、ガラス基板Gとの隙間が約1mm)を有するドーナツ状の円板部材42と、この円板部材42の上面をスピンチャック10にて保持されたガラス基板Gの表面と同一平面上に位置するようにスピンチャック10の上面の同心円上に適宜間隔をおいて立設される複数の固定ピン43とで構成されている。このように、助走ステージ40を円板部材42にて形成することにより、ガラス基板Gの洗浄及び乾燥時にスピンチャック10を回転しても、乱気流が生じるのを防止することができる。なお、スピンチャック10にて保持されるガラス基板Gと助走ステージ40の方形孔41との間には、約1mmの隙間が生じるが、隙間に入った液の表面張力によりウォータシールドが形成されるので、液は下方に落下することがない。
【0031】
また、図4及び図6に示すように、スピンチャック10の載置部の下方には、スピンチャック10に設けられた貫通孔10aを貫通してガラス基板Gの下面縁部(パターン形成領域外)を支持する昇降可能な3本の支持ピン60が設けられている。これら3本の支持ピン60は、連結板61上に立設されており、連結板61と連結する昇降手段例えばエアーシリンダ62の伸縮動作によってスピンチャック10の載置部の上方に出没可能に形成されている。なお、この場合、3本の支持ピン60は、上記吸着パット18と点対称となる位置に設けられている。このように構成される支持ピン60によって上記搬送アーム2との間でガラス基板Gの受け渡しが行われる。すなわち、搬送アーム2がガラス基板Gをスピンチャック10の上方に搬送した状態で、上昇してガラス基板Gの下面縁部を支持してガラス基板Gを受け取り、その後、支持ピン60は下降してガラス基板Gをスピンチャック10の上面に載置した後、スピンチャック10と干渉しない下方位置に待機する。また、処理が済んだ後には、上昇してガラス基板Gをスピンチャック10の上方に突き上げ、搬送アーム2にガラス基板Gを受け渡した後、下降する。
【0032】
一方、上記カップ50は、図4に示すように、スピンチャック10の外方を包囲する筒状のカップ本体51と、このカップ本体51の上端縁から上方に向かって縮径テーパ状に延在し、上記助走ステージ40の円板部材42の外周縁部に干渉しない範囲で近接する開口52を有する縮径テーパ部53とで構成されており、カップ本体51に取り付けられたブラケット54に連結する移動手段例えばカップ移動用エアーシリンダ55の伸縮動作によって図4に示す通常位置と、上方に移動する洗浄・乾燥位置とに切り換わるように構成されている。なお、カップ本体51はカップ移動用エアーシリンダ55のロッド55aと平行に配設されるガイドバー56を有しており、このガイドバー56が現像処理装置1の固定部に装着された軸受け部57に摺動自在に嵌挿されている。
【0033】
また、カップ50の下端部には、カップ本体51の外方を包囲する外壁58aを有する有底ドーナツ円筒状の固定カップ58が配設されている。この固定カップ58の底部には排液管路58bが接続されている。また、スピンチャック10の載置部の下部と固定カップ58の上部との間には、スピンチャック10側から排出される排液すなわち処理液や洗浄液を固定カップ58内に流す内カップ59が配設されている。
【0034】
一方、上記ノズルヘッド20は、ガラス基板Gのパターン形成領域の幅と同じかそれ以上の長さに形成されると共に、ガラス基板と一定の隙間例えば50μm〜3mm、より好ましくは50μm〜500μmを空けて相対的に平行移動可能な液処理面21を有する略直方体状に形成されている。このノズルヘッド20には、液処理面21に設けられ、ガラス基板Gに帯状に現像液を供給(吐出、塗布)する現像液供給ノズル22(処理液供給手段)と、液処理面21に現像液供給ノズル22と平行に設けられ、現像液供給ノズル22が供給した現像液を吸引し、ガラス基板Gの表面に現像液の流れを形成する現像液吸引ノズル23(以下に吸引ノズル23という){処理液吸引手段}と、吸引ノズル23を挟んで現像液供給ノズル22と対向する位置に設けられ、ガラス基板Gの表面に例えば純水等のリンス液(洗浄液)を供給(吐出、塗布)するサイドリンスノズル24(洗浄液供給手段)とが設けられている。なお、図7に二点鎖線で示すように、ノズルヘッド20の一方のサイドリンスノズル24の外方側に、ドライエア供給ノズル200を設け、このドライエア供給ノズル200を図示しないドライエア供給源に接続しておくことも可能である。このように、ノズルヘッド20にドライエア供給ノズル200を設けることにより、現像処理後の洗浄処理及び乾燥処理前に、ガラス基板Gの表面にドライエアを吹き付けて、現像液及びリンス液等を荒く取り除く(液切りする)ことができるので、洗浄効果が向上すると共に、洗浄及び乾燥時間の短縮が図れる。
【0035】
現像液供給ノズル22は、図7に示すように、泡抜き等を行うため一旦現像液を収容する収容部25をノズルヘッド20内に有しており、現像液が貯留される現像液タンク70(現像液供給源)から現像液を供給する現像液供給管路71と、収容部25の現像液の泡抜きを行う泡抜き管路(図示せず)とに接続されている。
【0036】
また、現像液供給管路71には、現像液の温度を調節する温度調節機構72(処理液温度調節手段)と、現像液を圧送する図示しない圧送手段例えばポンプと、現像液供給管路内の現像液の流量を検出する現像液流量計130(処理液流量検出手段)とが設けられており、例えば圧縮空気によって開閉を制御されるエアオペレーションバルブ等の開閉弁V1(処理液流量調節手段)によって現像液の流量調節が可能に形成されている。
【0037】
温度調節機構72は、図7に示すように、現像液供給管路71とノズルヘッド20との接続部に設けられ、現像液供給管路71が温度調節管路73内を通るように形成される二重管構造となっている。また、温度調節管路73は、現像液供給管路71内を上方から下方へ流れる現像液に対し、ヒータ74等で温調された液体例えば純水を循環手段例えば循環ポンプ75により温度調節管路73内を下方から上方へ循環するように構成されている。このように構成することにより、現像液の温度を調節することができるので、現像液の粘度及びエッチング速度(処理速度、反応速度)等を一定にすることができ、更に均一な現像処理を行うことができる。
【0038】
また、現像液供給ノズル22は、図8に示すように、現像液供給ノズル22の長手方向に例えば1mmピッチで等間隔に設けられる複数の供給孔26(処理液供給孔)と、これら供給孔26の下部に連通され現像液供給ノズル22の長手方向に設けられる例えば1mm幅のスリット27と、スリット27の下部に連通され現像液をガラス基板Gに供給(吐出、塗布)する拡開テーパ状の現像液供給口28(処理液供給口)と、この現像液供給口28内の長手方向に設けられ、均一に現像液を吐出する整流緩衝棒例えば円柱状の石英棒29とで構成されている。ここでは、整流緩衝棒が石英棒29にて形成される場合について説明したが、整流緩衝棒は、親水性であれば石英以外に例えばセラミックス等で形成することも可能である。
【0039】
現像液供給ノズル22を、このように構成することにより、供給孔26から流出する現像液は、スリット27で合流した後、現像液供給口28の壁面を伝って流れる一方、石英棒29の表面で拡散させることができる。したがって、スリット27で供給孔による現像液の吐出むらを防止し、石英棒29でガラス基板Gに均一に現像液を供給(吐出、塗布)することができ、現像液供給ノズル22と後述する吸引ノズル23との間に、新しい現像液を常時供給しつつ均一な現像液の流れを形成して、溶解生成物を除去しながら均一な現像液の流れを形成して、均一な現像処理をすることができる。
【0040】
吸引ノズル23は、現像液やリンス液等の現像処理に用いられた処理液(廃液)を吸引するスリット状の吸引口23aが、現像液供給ノズル22の液処理面21の移動方向両側に平行に設けられている。ここで、吸引口23aの長手方向の長さは、現像液供給ノズル22両端からの現像液の染み出しを防ぐため、現像液供給口28の長手方向の長さより長く形成される方が好ましい。また、吸引口23aのスリットは、幅が広過ぎると吸引口23a付近で現像状態が悪くなるため、供給された現像液をサイドリンスノズル24側に漏らさないように吸引できる範囲で可及的に狭く形成される方が好ましい。更に、吸引ノズル23は、現像液供給ノズル22から供給され、現像処理に供された現像液を円滑に吸引し、均一な現像液の流れを形成するため、図7に示すように、吸引口23aを現像液供給口28側に向くように形成する方が好ましい。
【0041】
また、吸引ノズル23は、図7に示すように、吸引管路76を介して、吸引口23aが吸引する現像液やリンス液等の廃液の吸引量を調節可能な減圧機構例えばエジェクタ77と、現像処理装置1の移動方向前方側及び後方側の各吸引口23aそれぞれの吸引量を検出可能な吸引流量計150 (吸引量検出手段)と、吸引管路76の開閉を行い吸引量を調節する、例えば圧縮空気によって開閉を制御されるエアオペレーションバルブ等の開閉弁V2,V3(吸引量調節手段)と、吸引した廃液を気体と液体に分離して回収するトラップタンク78と、このトラップタンク78の圧力を検出可能な圧力センサ79と、トラップタンク78内に回収された廃液を回収する廃液タンク80とで構成される吸引部81に接続されている。この場合、吸引管路76を吸引ノズル23の上端から吸引すると、その部分の直下の吸引口23a付近で現像液の流れが特異になり、現像処理が不均一になる虞があるため、吸引管路76は、ガラス基板Gのパターン形成領域から外れる位置の上端に設けるか、又は、吸引ノズル23の両側端に設ける方が好ましい。
【0042】
なお、上記吸引部81は、エジェクタ77、トラップタンク78及び圧力センサ79を用いる代わりに、吸引口が吸引する廃液の吸引量を調節可能な吸引手段例えば吸引ポンプを用いることも可能である。
【0043】
サイドリンスノズル24は、図7に示すように、吸引ノズル23を挟んで現像液供給ノズル22と対向する位置に平行に設けられており、スリット状のリンス液供給口24aから液処理面21とガラス基板Gとの間に例えば純水等のリンス液を供給可能に形成されている。
【0044】
また、サイドリンスノズル24は、図7に示すように、リンス液供給管路82を介してリンス液供給源例えばリンス液供給タンク83に接続されており、リンス液供給管路82には、現像液供給管路71と同様に、リンス液の温度を調節する温度調節機構84(洗浄液温度調節手段)と、リンス液を圧送する図示しないポンプ等の圧送手段と、リンス液供給管路82内のリンス液の流量を検出するリンス液流量計140(洗浄液流量検出手段)と、圧縮空気等によって開閉制御されるエアオペレーションバルブ等の開閉弁V4(洗浄液流量調節手段)とが設けられている。
【0045】
このように構成することにより、サイドリンスノズル24が供給したリンス液の一部を吸引ノズル23が吸引し、現像液が吸引ノズル23からサイドリンスノズル24側へ広がるのを防止することができるので、ガラス基板G上の現像液の幅を一定にすることができ、現像時間を一定にして均一な現像処理を行うことができる。勿論、ガラス基板G上のパーティクル等を除去することもできる。
【0046】
なお、サイドリンスノズル24は、ノズルヘッド20のスキャン方向の前方側のサイドリンスノズル24から供給されるリンス液は、処理前のガラス基板Gのプリウエットに供され、現像液のぬれ性の向上に寄与する。また、後方のサイドリンスノズル24から供給されるリンス液によって現像の停止が行われるようになっている。なお、サイドリンスノズル24は、ノズルヘッド20と分離して設けることも可能である。
【0047】
上記のように構成されるノズルヘッド20を水平方向(X方向)に移動(スキャン)及び垂直方向(Z方向)に移動するノズル移動手段30は、図3に示すように、スピンチャック10の一側方に配設されるガイドプレート31に設けられる一対の互いに平行な水平ガイドレール32に摺動可能に装着される水平移動台33と、この水平移動台33を水平方向に移動する例えばボールねじ機構にて形成される水平移動機構34と、水平移動台33に対して垂直方向に移動可能に装着される垂直移動基部35の上端からスピンチャック10側に延在し、先端部がノズルヘッド20を保持するアーム36と、アーム36を垂直方向に移動する例えばボールねじ機構にて形成される垂直移動機構37とで構成されている。
【0048】
また、ノズルヘッド20における移動方向(X方向)の一方の端部には、ノズルヘッド20の液処理面21とガラス基板Gとの間隔を検出可能な間隔検出手段例えばレーザ変位計90(図2参照)が取り付けられている。このレーザ変位計90の検出信号が制御手段例えば中央演算処理装置100(以下にCPU100という)に伝達され、CPU100からの制御信号によって垂直移動機構37のモータが駆動して、ノズルヘッド20の液処理面21とガラス基板Gとの間に一定の隙間例えば1mm〜50μmの隙間を精度良く形成することができる。
【0049】
また、現像処理装置1は、垂直移動機構37以外にも、CPU100(制御手段)に電気的に接続されており、現像液流量計130、リンス液流量計140、吸引流量計150、圧力センサ79、レーザ変位計90(間隔検出手段)等の検出信号と、予め記憶された情報とに基づいて、バルブV1,V2,V3,V4、現像処理装置1のスキャンスピード等を制御可能に構成されている。
【0050】
なお、助走ステージ40の外方には、ノズル待機位置が設けられており、処理終了後にノズルヘッド20が戻されるようになっている。
【0051】
また、ノズル待機位置の外方には、リンスノズル8が配設されている。このリンスノズル8は、図2に示すように、水平方向に正逆回転するモータ8aの駆動軸8bに一端が連結されるアーム8cの先端部に装着されており、モータ8aの駆動によってガラス基板Gの中心部を通る円弧状の軌跡を描いて移動し得るように構成されている。また、リンスノズル8は、図示しない、垂直移動機構によって更に垂直方向にも移動可能に形成されている。なお、リンスノズル8は、図示しないリンス液供給管路を介してリンス液供給源例えばリンス液供給タンク83に接続されている。
【0052】
以下に、上記のように構成される現像処理装置1を用いた現像処理方法について説明する。
【0053】
まず、搬送アーム2により搬入されるガラス基板Gは、現像処理ユニット4の搬入出口部に配設された厚さ検出手段例えばレーザ光の反射を利用して距離を測定するレーザ変位計101によって厚さが検出される。この場合、レーザ変位計101は、図14(a)に示すように、ガラス基板Gの上方から塗布されているCr層102までの距離と、ガラス基板Gの下方からガラス基板Gの裏面までの距離とを測定して比較演算するか、図14(b)に示すように、ガラス基板Gの下方からガラス基板Gの裏面までの距離と、Cr層102までの距離を測定して比較演算することによりガラス基板Gの厚さを検出し、CPU100に記憶させることができる。これにより、100μm程度の誤差があるガラス基板Gの厚さを正確に検出して、後述する現像処理装置1の液処理面21とガラス基板G表面との間の変位情報を更に正確に検出することができる。
【0054】
なお、レーザ変位計101(厚さ検出手段)は、必ずしも現像処理ユニット4の搬入出口に設ける必要はなく、現像処理前の処理ユニット例えば熱処理ユニット5の搬入出口部に配設して、同様にガラス基板Gの厚さを検出して、その検出信号をCPU100に伝達するようにしてもよい。
【0055】
次に、搬送アーム2によってガラス基板Gがスピンチャック10の上方位置に搬送されると、エアーシリンダ62(昇降手段)が駆動され、支持ピン60がスピンチャック10に設けられた貫通孔10aを貫通して上方に突出して、ガラス基板Gの下面縁部を支持する。この状態で、搬送アーム2は現像処理ユニット4内から退避してガラス基板Gは支持ピン60に受け渡される。次に、支持ピン60が下降してガラス基板Gをスピンチャック10の載置部上に載置する。この状態で、ガラス基板Gの角部は回転規制ピン17によって保持され、吸着パット18による吸着作用によって吸着保持される。
【0056】
スピンチャック10にガラス基板Gが吸着保持されると、CPU100の制御信号によりノズル移動手段30の水平移動機構34が作動して、ノズルヘッド20をノズル待機位置から助走ステージ40まで移動する。ノズルヘッド20が助走ステージ40に達すると、助走ステージ40に向かって予め所定温度に温調されたリンス液を供給(吐出)しつつノズルヘッド20をガラス基板Gの上方をスキャン(水平移動)させて、ガラス基板Gの表面全体にリンス液を塗布する(プリウエット工程)。これにより、現像液を供給(吐出、塗布)する前に、ガラス基板Gを処理温度に調節することができると共に、現像液のぬれ性を良好にすることができる。
【0057】
プリウエット工程が終了すると、現像処理装置1は、レーザ変位計101により検出されたガラス基板Gの厚さデータに基づいてスキャンし、ガラス基板Gと液処理面21との間隔をレーザ変位計90により検出しながらスキャン開始位置まで戻る。検出された変位情報はCPU100に記憶される。この場合、プリウエット工程とデータ取りとを同時に行うことも勿論可能である。
【0058】
なお、上記説明では、プリウエット工程終了後に変位情報を検出しているが、変位情報の検出方法はこれに限らず、レーザ変位計90を、現像処理装置1の進行方向後方側に設けて、プリウエット工程と同時に行うことも可能である。
【0059】
ノズルヘッド20がスキャン開始位置すなわち助走ステージ40と対向する位置に戻った状態において、助走ステージ40に向かってサイドリンスノズル24からリンス液が供給(吐出)され、ノズルヘッド20の液処理面21と助走ステージ40との間に液膜を形成、すなわち液処理面21と助走ステージ40との間にリンス液を満たした状態にし、次に、吸引ノズル23を作動して、吸引ノズル23の吸引作用によって吸引ノズル23の内部全域にリンス液が満たされるようにする。すなわち、空気の混入による泡噛みによって助走ステージ面の液の流れが乱されないようにする。このようにして、ノズルヘッド20が助走ステージ40を移動中に泡噛みをなくしておく。
【0060】
このように、ノズルヘッド20が助走ステージ40を移動中に、ノズルヘッド20の液処理面21と助走ステージ40との間に液膜を形成し、吸引ノズル23により吸引することにより、吸引ノズル23の内部全域に液を満たして外部からの空気の入り込みすなわち泡噛みを防止することができる。そして、ガラス基板Gの表面に移動する直前から現像液供給ノズル22から現像液を供給し、吸引ノズル23と現像液供給ノズル22間に適正な安定した現像液の流れを形成する。
【0061】
なお、サイドリンスノズル24及び現像液供給ノズル22からリンス液及び現像液を助走ステージ40に向かって供給すると同時に、吸引ノズル23を作動して、吸引ノズル23の吸引作用によって吸引ノズル23の内部全域にリンス液及び現像液が満たされるようにして、泡噛みを防止し、現像液の流れを形成するようにしてもよい。
【0062】
一方、CPU100は、現像処理装置1のスキャンスピードを現像時間が確保できる速度に制御すると共に、開閉弁V1,V2,V3,V4の開口度を制御して、液処理面21とガラス基板Gとの間に、一定幅の現像液の流れを形成し得るように、現像液及びリンス液(純水)の供給(吐出、塗布)及び吸引を制御する。
【0063】
この際、吸引流量が吸引流量上限値より多いと、空気が液処理面に吸引される泡噛みが起こり、現像液の流れが妨げられて現像処理を行うことができなくなる。逆に吸引流量が吸引流量下限値より少ないと、現像液がノズル外へ染み出し(溢れ)無駄を生じる。したがって、吸引流量を最適値になるように制御する。すなわち、CPU100に、データ(例えば、液処理面21とガラス基板Gとの間のギャップ0.1mm、リンス液流量2.0L/minの場合)を予め記憶させておき、現像液の流量に応じて吸引流量を、少なくとも吸引流量上限値と吸引流量下限値との間のバランス最適範囲内の値、更に好ましくは吸引流量最適値となるように制御する。
【0064】
なお、現像液が所定幅以上に広がるのを防止するため、CPU100によって、リンス液の供給(吐出、塗布)及び吸引が、現像液の供給(吐出、塗布)よりも若干早く開始するように制御してもよい。
【0065】
現像処理装置1による現像液及びリンス液の供給(吐出、塗布)及び吸引は、助走ステージ40上のスキャン開始位置から終了まで断続的に実行される。この際、ガラス基板Gと液処理面21との隙間を図示しないレーザ変位計等の間隔検出手段により検出し、その検出信号をCPU100に送り、CPU100において、検出信号と予め記憶された情報とに基づいて、現像液が吸引ノズル23の位置からサイドリンスノズル24側に染み出さず、かつ現像液の流速を高速に保つことができる幅になるように現像処理装置1を垂直移動機構37によって上下させて調整する。なお、現像処理の際、裏面洗浄ノズル19からガラス基板Gの裏面に向かってリンス液を供給(吐出)することにより、ガラス基板Gの裏面に現像液が回り込むのを阻止することができる。
【0066】
現像処理が終了して、ノズルヘッド20がカップ50の外側に退避すると、カップ移動用エアーシリンダ55が駆動して、カップ50が上方へ移動する。また、リンスノズル8がガラス基板Gの上方のリンス液供給時にガラス基板Gに衝撃を与えない位置まで移動し、例えば純水等のリンス液をガラス基板G上に供給(吐出)することによりリンス処理を行う。
【0067】
リンス処理が終了すると、モータ11が駆動してスピンチャック10が高速回転例えば2000rpmで回転してガラス基板Gに付着するリンス液を振り切り乾燥する。ガラス基板G及びスピンチャック10から飛散されるリンス液はカップ50内に受け止められ、固定カップ58の底部に接続する排液管路58bを介して外部に排出される。
【0068】
乾燥処理が終了して、カップ50が下降した後、エアーシリンダ62が作動して支持ピン60を上昇し、スピンチャック10に載置されたガラス基板Gをスピンチャック10の上方へ押し上げる。すると、装置外から現像処理ユニット4内に挿入される搬送アーム2がガラス基板Gの下方に進入し、この状態で、支持ピン60が下降すると、ガラス基板Gは搬送アーム2に受け渡され、搬送アーム2によりガラス基板Gは現像処理ユニット4から外部に搬出されて処理が終了する。
【0069】
◎第二実施形態
図9は、この発明における助走ステージの第二実施形態を示す要部断面図である。
【0070】
第二実施形態は、助走ステージ40Aに、ノズルヘッド20の液処理面21と対向する平坦面44と、この平坦面44の外周辺に延在する下り勾配の液排出面45を形成した場合である。このように、助走ステージ40Aに、ノズルヘッド20の液処理面21と対向する平坦面44と、平坦面44の外周辺に延在する下り勾配の液排出面45を形成することにより、処理開始前に、助走ステージ40Aに向かって供給(吐出)されたリンス液又はリンス液及び現像液が液排出面45を伝って下方の固定カップ58内に流れるので、処理前に供給されるリンス液や現像液がガラス基板Gに付着するのを防止することができると共に、泡噛みを防止することができる。
【0071】
なお、第二実施形態において、その他の部分は、第一実施形態と同じであるので、同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0072】
◎第三実施形態
図10は、この発明における助走ステージの第三実施形態を示す要部断面図である。
【0073】
第三実施形態は、助走ステージ40Bを、ノズルヘッド20の液処理面21と接触する液面を形成すべく外側方に向かって下り勾配の傾斜底壁46と、この傾斜底壁46の外側辺から起立する起立壁47とからなる液溜り部48を具備する貯留槽49にて形成した場合である。このように構成される助走ステージ40Bの上方にノズルヘッド20を位置させ、サイドリンスノズル24又はサイドリンスノズル24及び現像液供給ノズル22からリンス液又はリンス液及び現像液を供給(吐出)すると、貯留槽49の液溜り部48内にリンス液又はリンス液及び現像液が貯留され、この液の液面が液処理面21と接触するので、この状態で、吸引ノズル23を作動して、吸引ノズル23の吸引作用によって吸引ノズル23の内部全域を液で満たすことにより、ノズルヘッド20の液処理面21とガラス基板Gとの間に外部から空気が入り込んで泡噛みをきたすことがない。したがって、現像液の流れを安定にすることができ、処理の均一化が図れる。
【0074】
なお、貯留槽49の起立壁47の下部の周方向に複数例えば36個の排出孔47aを設ける方が好ましい。このように、起立壁47の下部に排出孔47aを設けることにより、液溜り部48内に貯留されたリンス液や現像液等を排出することができるので、常に新しいリンス液や現像液等がノズルヘッド20の液処理面21に接触することとなり、ノズルヘッド20の液処理面21が汚れる心配がない。この場合、リンス液や現像液等の供給量に対して排出量を少なくなるように排出孔47aの孔径や数を設定する必要がある。なお、排出孔47aの孔径を小さくすると、リンス液や現像液等の表面張力によって排出が阻止されるが、スピンチャック10の回転により排出が可能となる。
【0075】
なお、第三実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0076】
◎第四実施形態
図11は、この発明における助走ステージの第四実施形態を示す要部断面図である。
【0077】
第四実施形態は、助走ステージを、ノズルヘッド20の液処理面21における少なくとも現像液の流れが形成される領域、すなわち現像液供給ノズル22と吸引ノズル23の領域に向かって液例えばリンス液を供給する助走用液供給手段40Cにて形成した場合である。この場合、助走用液供給手段40Cは、スピンチャック10の外側近傍に配置される助走用ノズルヘッド400を具備している。この助走用ノズルヘッド400の上面には、多数のノズル孔(図示せず)が設けられており、各ノズル孔は、開閉弁403を介設したリンス液供給管路402を介して助走用リンス液供給タンク401に接続されている。
【0078】
また、第四実施形態において、吸引ノズル23に接続する吸引管路76の途中に三方切換弁404(切換手段)を介してリンス液供給管路82から分岐された分岐管路82aが接続されている。なお、三方切換弁404はCPU100と電気的に接続されており、CPU100からの制御信号に基づいて切換動作を行うように構成されている。
【0079】
上記のように構成される助走用液供給手段40Cを用いることにより、現像処理の開始前に、助走用液供給手段40Cからノズルヘッド20の液処理面21における少なくとも現像液の流れが形成される領域に向かってリンス液を供給してノズルヘッド20の液処理面21と助走ステージすなわち助走用液供給手段40Cの助走用ノズルヘッド400との間に液膜を形成することができる。この際、三方切換弁404を分岐管路82aを介してリンス液供給タンク83と連通する位置に切り換えて現像処理直前まで吸引ノズル23からガラス基板Gに向けてリンス液を供給して吸引ノズル23の配管内の空気を除去し、ガラス基板Gの端部直前で、現像液供給ノズル22から現像液の供給(吐出)を行い、ガラス基板Gの端部上方へ来て現像液がガラス基板G上に供給開始と同時に、三方切換弁404を吸引部81側に連通して、現像液を吸引ノズル23から吸引する。この状態で、ノズルヘッド20をスキャンさせつつ現像液供給ノズル22から現像液を供給すると共に、吸引ノズル23により現像液を吸引することにより、現像液中に空気が入り込む泡噛みを防止することができ、ガラス基板Gの表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。
【0080】
なお、第四実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0081】
◎第五実施形態
図12は、この発明に係る現像処理装置の第五実施形態の作動状態を示す概略断面図である。
【0082】
第五実施形態は、助走ステージとの間で液膜を形成することなく泡噛みを防止できるようにした場合である。
【0083】
第五実施形態において、ノズルヘッド20に設けられた吸引ノズル23に接続する吸引管路76と、サイドリンスノズル24とリンス液供給タンク83とを接続するリンス液供給管路82とは、第四実施形態と同様に、分岐管路82aを介して接続されると共に、その接続部に三方切換弁404(切換手段)が介設されている。この三方切換弁404は、CPU100と電気的に接続されており、CPU100からの制御信号に基づいて切換動作を行うように構成されている。すなわち、三方切換弁404は、CPU100からの制御信号に基づいて現像処理直前まで分岐管路82a側すなわちリンス液供給タンク83に連通する位置に切り換えられ、また、現像処理開始時に吸引部81側に連通する位置に切り換えられるように制御される。
【0084】
上記のように構成される第五実施形態の現像処理装置によれば、CPU100からの制御信号に基づいて三方切換弁404を分岐管路82aを介してリンス液供給タンク83と連通する位置に切り換えて現像処理直前まで吸引ノズル23からガラス基板Gに向けてリンス液を供給して吸引ノズル23の配管内の空気を除去し、ガラス基板Gの端部直前で、現像液供給ノズル22から現像液の供給(吐出)を行い、ガラス基板Gの端部上方へ来て現像液がガラス基板G上に供給開始と同時に、三方切換弁404を吸引部81側に連通して、現像液を吸引ノズル23から吸引する。この状態で、ノズルヘッド20をスキャンさせつつ現像液供給ノズル22から現像液を供給すると共に、吸引ノズル23により現像液を吸引することにより、現像液中に空気が入り込む泡噛みを防止することができ、ガラス基板Gの表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。なお、第五実施形態において、助走ステージ40を設けておき、吸引ノズル23から助走ステージ40に向けてリンス液を供給(吐出)して、ガラス基板Gの直前で三方切換弁404を吸引側に切り換えるようにしてもよい。
【0085】
なお、第五実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には、同一符合を付して説明は省略する。
【0086】
◎第六実施形態
図13は、この発明に係る現像処理装置の第六実施形態を示す概略断面図である。
【0087】
第六実施形態は、上記カップ50の一部に助走ステージ40Dを形成した場合である。すなわち、助走ステージ40Dを、カップ50の上端に設けられると共に、スピンチャック10にて保持されたガラス基板Gの表面と同一平面上に位置する正方形又は矩形の開口411を有する平坦面410にて形成した場合である。このように形成される助走ステージ40Dの上方にノズルヘッド20が位置した状態で、現像液供給ノズル22から現像液を供給(吐出)すると、第一実施形態と同様に、助走中に、ノズルヘッド20の液処理面21との間に液膜が形成され、吸引ノズル23の吸引作用により吸引ノズル23の内部全域が液で満たされるので、外部からの空気の入り込みすなわち泡噛みを防止することができる。なお、現像処理後に、カップ50は上昇して、回転乾燥時のミストの飛散を抑制する。
【0088】
また、第六実施形態によれば、カップ50が助走ステージ40Dを兼用するので、構成部材の削減が図れると共に、装置の小型化が図れる。なお、この場合、助走ステージ40Dの平坦面410をスピンチャックにて保持されたガラス基板Gの表面と同一平面上に位置させるには、カップ移動用エアーシリンダ55が収縮してカップ55を最下端に位置させた状態を調節することによって行うことができる。また、エアーシリンダ55に代えてボールねじ機構やタイミングベルト等を用いたカップ移動手段を用いてカップ55の上下移動を行うようにしてもよい。なお、スピンチャック10にて保持されるガラス基板Gと平坦面410に設けられる開口411との隙間を約1mmとしておけば、上述したように、隙間に入った液の表面張力によりウォータシールドが形成されるので、液は下方に落下することがない。
【0089】
なお、第六実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0090】
◎その他の実施形態
上記第一ないし第六実施形態においては、この発明に係る液処理装置を、レチクル用のガラス基板Gの現像処理に適用する場合について説明したが、これに限らず、ウエハやLCD等の現像処理に適用することも勿論可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0092】
1)請求項1記載の発明によれば、助走ステージを移動中に処理液吸引手段内に空気が混入(泡噛み)することなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができるので、液処理例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。また、洗浄液供給手段が供給した洗浄液を処理液供給手段が吸引することにより、処理液が処理液吸引手段から洗浄液供給手段側へ広がるのを防止して、被処理基板上の処理液の幅を一定にすることができる。また、処理液上のパーティクル等を除去することができる。
【0093】
2)請求項2記載の発明によれば、助走ステージに、少なくともノズルヘッドの液処理面と対向する平坦面を設けると共に、この平坦面の外周辺に延在する下り勾配の液排出面を設けるので、上記1)に加えて更に、処理前に処理液供給手段から助走ステージに供給された処理液を被処理体と反対の外方側に速やかに排出することができる。
【0094】
3)請求項3記載の発明によれば、助走ステージに、ノズルヘッドの液処理面と接触する液面を形成すべく外側方に向かって下り勾配の傾斜底壁と、この傾斜底壁の外側辺から起立する起立壁とからなる液溜り部を設けるので、上記1)に加えて更に、処理前に処理液供給手段から助走ステージに供給された洗浄液や処理液等を液溜り部内に貯留して、その液面をノズルヘッドの液処理面に接触することができる。この場合、助走ステージの起立壁の下部側に排出孔を設けることにより、液溜り部内に貯留された洗浄液や処理液等を外部に排出することができるので、液溜り部に新しい処理液を貯留することができる(請求項4)。
【0095】
4)請求項5記載の発明によれば、保持手段を包囲するカップを利用して、処理液中に空気が混入することなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。したがって、液処理例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。
【0096】
5)請求項6記載の発明によれば、処理開始前に、助走用液供給手段からノズルヘッドの液処理面における少なくとも処理液の流れが形成される領域に向かって例えば洗浄液を供給してノズルヘッドの液処理面と助走ステージとの間に液膜すなわち液で満たされた領域を形成し、その後、被処理基板表面と一定の隙間をおいて相対的に平行移動すると共に、処理液吸引手段により処理液を吸引することにより、処理液中に空気が混入することなく、被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。したがって、液処理例えば現像処理によって被処理基板の表面に生成した溶解生成物を除去し、新鮮な現像液を安定した状態で供給することができる。この場合、処理液吸引手段と洗浄液供給手段とを切換手段を介して洗浄液供給源に接続し、処理直前まで処理液吸引手段から洗浄液を供給し、処理開始時に処理液吸引手段を吸引装置に切換可能に形成することにより、処理直前まで処理液吸引手段の配管内の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができる(請求項7)。
【0097】
6)請求項8記載の発明によれば、助走ステージを設けることなく、処理直前まで処理液吸引手段の内部全域の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができるので、処理液吸引手段内に空気が混入すなわち泡噛みを防止して被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる。
【0098】
7)請求項9記載の発明によれば、制御手段は、ノズルヘッドの液処理面と被処理基板表面との距離を検出する間隔検出手段の検出信号と、予め記憶された情報とに基づいて、ノズルヘッドを昇降可能に支持する昇降手段を制御するので、ノズルヘッドの液処理面と被処理基板との間の隙間を確実に一定にすることができる。
【0099】
8)請求項10,11記載の発明によれば、処理開始前まで処理液吸引手段から洗浄液を供給して、処理液吸引手段の配管内の空気を除去することができ、処理開始と同時に処理液を処理液吸引手段から吸引することができるので、処理液吸引手段内に空気が混入すなわち泡噛みを防止して被処理基板の表面に一定幅の処理液の流れを形成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の液処理装置を適用した液処理システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】
この発明に係る現像処理装置の概略平面図である。
【図3】
この発明におけるノズルヘッドの移動手段を示す斜視図(a)及び移動手段の垂直移動機構を示す断面図(b)である。
【図4】
上記現像処理装置の概略断面図である。
【図5】
上記現像処理装置の第一実施形態の要部を示す平面図である。
【図6】
図5のI−I線に沿う断面図である。
【図7】
この発明におけるノズルヘッドを示す断面図である。
【図8】
上記ノズルヘッドの要部を示す断面図(a)及び(a)のII−II線に沿う断面図である。
【図9】
この発明に係る現像処理装置の第二実施形態を示す要部断面図である。
【図10】
この発明に係る現像処理装置の第三実施形態を示す要部断面図である。
【図11】
この発明に係る現像処理装置の第四実施形態を示す要部断面図である。
【図12】
この発明に係る現像処理装置の第五実施形態の動作状態を示す概略断面図である。
【図13】
この発明に係る現像処理装置の第六実施形態を示す要部断面図である。
【図14】
この発明における厚さ検出手段を示す概略断面図である。
【符号の説明】
G ガラス基板(被処理基板)
10 スピンチャック(保持手段)
20 ノズルヘッド
21 液処理面
22 現像液供給ノズル(処理液供給手段)
23 現像液吸引ノズル(処理液吸引手段)
24 サイドリンスノズル(洗浄液供給手段)
30 ノズル移動手段
34 水平移動機構
37 垂直移動機構
40,40A,40B,40C,40D 助走ステージ
44 平坦面
45 液排出面
46 傾斜底壁
47 起立壁
47a 排出孔
48 液溜り部
49 貯留槽
50 カップ
76 吸引管路
81 吸引部
82a 分岐管路
83 リンス液供給タンク(洗浄液供給源)
90 レーザ変位計(間隔検出手段)
100 CPU(制御手段)
400 助走用ノズルヘッド
404 三方切換弁(切換手段)
410 平坦面
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