JPH10115209A - エンジンのオイル通路構造 - Google Patents

エンジンのオイル通路構造

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JPH10115209A
JPH10115209A JP26952596A JP26952596A JPH10115209A JP H10115209 A JPH10115209 A JP H10115209A JP 26952596 A JP26952596 A JP 26952596A JP 26952596 A JP26952596 A JP 26952596A JP H10115209 A JPH10115209 A JP H10115209A
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case
crankshaft
passage
balancer
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Toshinori Fukutome
敏典 福留
Mikinori Sakurai
幹記 櫻井
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 オイル通路形成に際し、効率的にオイル通路
を形成して生産性を高めたエンジンのオイル通路構造を
提供する。 【解決手段】 ヘッドカバー2と、シリンダヘッド3
と、シリンダブロック4と、クランク軸9と、クランク
室5と、このクランク室の外周面および背面の壁体を構
成する第1ケース5aと、該クランク室の前面の壁体を
構成する第2ケース47と、このクランク室内に設けた
バランサ17およびバルブ駆動用カム軸11とを有し、
前記クランク軸、バランサの回転軸、カム軸およびタペ
ットの駆動軸の内部にそれぞれオイル通路33,34,
134,133を形成するとともに、前記クランク室内
下部のオイルパン内にオイルポンプ18を設け、このオ
イルポンプから前記各オイル通路にオイルを供給するオ
イル供給通路154,155,156,46を前記クラ
ンク室壁体に設け、且つ前記オイル供給通路を、前記ク
ランク室の第2ケース側にのみ形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのオイル通
路構造に関し、特に冷凍機や空調機のコンプレッサを駆
動するためのエンジンのオイル通路構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】エンジン各部分の回転部や摺動部を円滑
に動作させるためにオイルが循環される。このオイルは
通常クランク室内下部のオイルパン内に設けたオイルポ
ンプからオイル通路を介して各部に供給される。一方、
冷凍機あるいはガスヒートポンプその他の冷暖房切り換
えヒートサイクルを有する空調機は、冷媒圧縮用のコン
プレッサを有し、このコンプレッサを駆動するために、
オーバーヘッドバルブ(OHV)型式の単気筒あるいは
複数気筒エンジンが用いられている。
【0003】このような空調機等を駆動するためのエン
ジンは例えば建物の機械室内に設置され、エンジン上部
のスペースを有効に利用しかつ重心位置を下げて振動等
の影響を抑制するためにシリンダをほぼ水平の横置きに
配置している。このような空調機駆動用横置き型エンジ
ンにおいて、特に低速回転域でのトルク変動に基づく振
動や騒音を抑制するために、クランク軸と並列して反ト
ルクバランサをクランク室内に設けて、建物内での運転
可能領域を低速域まで広げたエンジンが本出願人により
研究開発され未公開提案されている。
【0004】このようなバランサを備えたエンジンのク
ランク室は、クランク室の背面および外周面の壁体を構
成するシリンダブロックと一体の第1のケースと、クラ
ンク室の前面の壁体を構成する第2のケースとを組合せ
て構成される。オイルは、このクランク室の壁体内に形
成したオイル通路を介して、クランク軸、カム軸および
バルブ駆動用タペット軸等の回転部分および前記バラン
サの回転軸部分に供給される。このようなオイル通路
は、加工工程でクランク室壁体内に形成した後、鋳造欠
陥部分を水ガラス材で埋める含浸工程や、オイル漏れ等
を検査する圧力検査工程が施され、オイル循環機能の信
頼性を高め円滑なエンジン動作の実現を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されていたエンジンにおいては、クランク室の壁体を
構成する第1のケースおよび第2のケースの両方にオイ
ル通路を形成して、エンジン各部にオイルを供給してい
た。このため、加工工程が面倒になり、両方の鋳造金型
が複雑で高価になり、また両ケースに対し含浸工程およ
び圧力検査工程を施さなければならず、製造プロセスの
工程数が多くなり生産性の低下を来すことになる。ま
た、第1、第2の両方のケースに対しオイル通路を形成
するため、両ケースに対し加工ミスや組立て誤差等が発
生するおそれがあり、歩留り低下の原因ともなる。
【0006】本発明は上記の点を考慮してなされたもの
であって、オイル通路形成に際し、加工、含浸および圧
力検査の各工程数の削減を図り、効率的にオイル通路を
形成して生産性および歩留りを高めたエンジンのオイル
通路構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、バルブ駆動用タペットを有するヘッド
カバーと、吸・排気バルブが装着されたシリンダヘッド
と、ピストンが摺動するシリンダブロックと、コンロッ
ドを介して前記ピストンを駆動するクランク軸と、この
クランク軸を収容するクランク室と、このクランク室の
外周面および背面の壁体を構成するシリンダブロックと
一体の第1ケースと、該クランク室の前面の壁体を構成
する第2ケースと、このクランク室内に設けたバランサ
およびバルブ駆動用カム軸とを有し、前記クランク軸、
バランサの回転軸、カム軸およびタペットの駆動軸の内
部にそれぞれオイル通路を形成するとともに、前記クラ
ンク室内下部のオイルパン内にオイルポンプを設け、こ
のオイルポンプから前記各オイル通路にオイルを供給す
るオイル供給通路を前記クランク室壁体に設け且つ、前
記オイル供給通路を、前記クランク室の第2ケース側に
のみ形成したことを特徴とするエンジンのオイル通路構
造を提供する。
【0008】この構成によれば、クランク室前側のみを
覆う小さい形状の第2ケースにのみオイル通路を集約し
て形成するため、第1ケースの金型が簡素化し加工作業
が容易になり、含浸工程や圧力検査工程が不要となって
製造プロセスの効率化が図られ生産性が向上する。ま
た、オイル通路の加工ミスや組立てミスの発生のおそれ
は第2ケース側にのみ起こり、第1ケース側には起こり
得ないため、欠陥発生のおそれが減少し歩留りが向上す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態においては、
前記クランク軸およびバランサの回転軸へのオイル供給
通路を前記第2ケースの壁体内に形成し、前記カム軸お
よびタペットの駆動軸へのオイル供給通路を前記第2ケ
ースの前側に設けた外部配管により構成したことを特徴
としている。この構成においては、クランク室内で隣接
するクランク軸およびバランサに対し、オイル供給通路
を第2ケース内に形成するとともに、カム軸およびこれ
に連動するタペット軸に対し第2ケース前側の配管によ
りオイル供給を行うため、小面積の第2ケース壁体が有
効に利用され、第1ケース側に干渉することなく、シン
プルなオイル通路レイアウトが得られ、製造組立てやメ
ンテナンス作業が効率的に行われる。
【0010】さらに好ましい実施の形態においては、前
記オイルポンプに近接した位置のクランク室外側にオイ
ルフィルタを設け、オイルポンプとこのオイルフィルタ
とを結ぶオイル通路およびオイルフィルタとクランク軸
内のオイル通路とを結ぶオイル供給通路を前記第2ケー
スの壁体内に形成したことを特徴としている。この構成
によれば、オイルフィルタとオイルポンプ間のオイル通
路が短くシンプルになり、第2ケース壁体内のオイル通
路レイアウトが簡素化して、製造や組立て、検査等の製
造プロセスが効率的に行われる。
【0011】さらに好ましい実施の形態においては、前
記オイルフィルタとクランク軸のジャーナル部とを結ぶ
オイル供給通路、およびこのクランク軸のジャーナル部
と前記バランサ回転軸のジャーナル部とを結ぶオイル供
給通路を前記第2ケースの壁体内に形成したことを特徴
としている。
【0012】この構成によれば、隣接して並列配置され
たバランサとクランク軸の各ジャーナル部同士をオイル
供給通路で結び、このオイル供給通路が前記第2ケース
の壁体内に形成されるため、バランサに対するオイル供
給通路が第2ケース内でシンプルに形成され、第2ケー
ス壁体内のオイル通路レイアウトが簡素化して、製造や
組立て、検査等の製造プロセスが効率的に行われる。
【0013】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。図1は本発明の実施例に係る横置き型エンジ
ンの全体構成を示す側面図、図2はその要部上面図、図
3はその要部構成を示す側面図である。なお、図におい
て、エンジン各部のレイアウトを示すため、部分的に各
構成部材を透視的に重ねて描いてある。
【0014】エンジン1は、OHV単気筒の横置き型エ
ンジンであり、ヘッドカバー2を頭部に有するシリンダ
ヘッド3と、このシリンダヘッドに結合されたシリンダ
ブロック4と、このシリンダブロックに連続して一体的
に形成されたクランク室5とにより構成される。シリン
ダブロック4は、ほぼ水平横置きに配置され、図2、図
3に示すように、内部をピストン29が摺動する。この
ようなエンジン1のハウジングとなるシリンダヘッド
3、シリンダブロック4およびクランク室5等は、例え
ばアルミダイカスト等による鋳造成型品である。シリン
ダヘッド3の上部には、吸引される空気の圧力を下げる
ベンチュリ部と該ベンチュリ部に設けられた燃料ガス吐
出用のノズルとからなる混合部と、ベンチュリ部下流の
混合気通路に設けられたスロットル弁からなる混合器6
が備わる。この混合器6は、アイドル運転制御を安定さ
せるため、アイドル運転時にはスロットル開度制御を停
止させ、アイドル時の回転変動にかかわらず最適な一定
開度に保持する構成とする。シリンダヘッド3には、燃
焼室に向けて点火プラグ7が装着される。また、排気お
よび吸気通路(一方の通路31のみ図示)が形成され、
それぞれ、燃焼室に臨むポート部に排気および吸気弁
(一方の弁8のみ図示)が装着される。クランク室5内
の中央部よりやや上側にクランク軸9が装着される。ク
ランク軸9には駆動ギヤ38(図3)が装着され、この
駆動ギヤ38にカムギヤ10が噛み合う。カムギヤ10
の軸11にはカム39が装着される。カム39は、プッ
シュロッド37およびその端部のコッター40を介し
て、ロッカーアーム42をその軸41廻りに揺動させ、
吸・排気弁8を、クランク軸9の回転に同期して所定の
タイミングで開閉動作させる。
【0015】クランク室5の下部はオイルパンとして形
成され、オイルが一点鎖線Lで示す上限位置まで充填さ
れる。このオイルパンに隣接してシリンダブロック4の
下側に、補助タンク12が設置され、内部にオイルが収
容される。この補助タンク12は図示しない連通管を介
してその底部がクランク室のオイルパンと連通し、その
上部がクランク室の上部と連通している。従って、オイ
ルレベルはクランク室のオイルパンと同じである。この
補助タンク12にレベルゲージ13が装着され、これを
引き抜いて適宜オイルレベルを一点鎖線Lの上限位置に
あるか検出することができる。
【0016】前記カムギヤ10は、クランク軸9より下
側に配置され、その下部がオイルレベルの上限位置Lよ
り下側になって、オイル内に浸漬される状態になる。こ
のカムギヤ10の下部のオイル浸漬部分を覆ってバッフ
ルプレート14が設けられる。このようなバッフルプレ
ート14を設けることにより、カムギヤによるオイルパ
ン内のオイル攪拌が防止され、エネルギーロスの軽減と
ともにオイルミスト化によるオイルの飛散散出が防止さ
れる。
【0017】クランク室5の上部には、ブローバイガス
排出ポート15が設けられ、エンジンのクランク回転や
振動に伴うエンジン内部の圧力変動を逃し、内圧が高ま
ったときのオイルシールからの漏れをなくしオイルシー
ルを保護する。また、クランク室5の上部外側のクラン
ク軸9よりシリンダ側(図の右側)には、スタータモー
タ16が装着される。このスタータモータ16のピニオ
ン16aは、外周に被駆動ギヤの設けられたフライホイ
ル24と始動時のみ噛み合う。
【0018】クランク室5の上部内側であって、クラン
ク軸9に関しシリンダと反対側(図の左側)には、バラ
ンサ17が装着される。このバランサ17は、図2に示
すように、その軸17aにギヤ17bが固定され、この
ギヤ17bは、クランク軸9に固定した駆動ギヤ35に
噛み合う。バランサ17の軸17aには、所定形状のバ
ランサウェイト17cが固定される。このバランサは、
通常の自動車エンジンのバランサのように慣性モーメン
トによる起振力を打消すことよりも、低速回転領域にお
けるトルク変動に基づく加振力を打消すことを目的とし
た反トルクバランサであって、クランク軸とフライホイ
ルとの合計回転質量(合計慣性モーメント)に対応した
回転質量(慣性モーメント)のバランサウェイト17c
を有し、クランク軸回転と逆方向に例えば2倍に増速し
て回転させ回転質量の軽量化を図っている。このような
バランサを設けることにより、エンジン始動時あるいは
低速回転での回転変動に起因する振動が効果的に抑制さ
れ、従来用いられていたエンジンの振動変位を止める特
別な振動吸収用ゴムストッパや冷媒配管の振動吸収用フ
レキシブル管を省略あるいは簡素化することができる。
【0019】さらに、このバランサ17は、フライホイ
ルのはずみ車作用による慣性モーメント機能を併せもつ
ため、クランク軸9の端部に装着したフライホイル24
の軽量化が図られ、板金による製造が可能となって、製
造プロセスの簡素化およびエンジン幅の縮小による小型
化が図られる。
【0020】また、バランサ17は、クランク室5内部
の上部に設けてあるため、下部のオイルパン内のオイル
を攪拌することはなく、オイルの飛散が防止され、また
攪拌による無駄なエネルギー損失が防止される。このバ
ランサ17の軸17aは、図2に示すように、クランク
軸9よりも短くクランク軸9より外側に突出しない。従
って、エンジン幅を増大させることはない。
【0021】クランク室5は、図2に示すように、クラ
ンク軸9の周囲全体および背面側を覆いシリンダブロッ
ク4と一体に形成されるクランク室ケーシング5aと、
このクランク室ケーシング5aの前面を覆うクランク室
カバー47(図2の斜線部)により形成される。
【0022】クランク軸9内にはオイルが循環するオイ
ルギャラリ33が形成され、またバランサ17の軸17
a内にはオイル通路34が形成され、クランク室カバー
47に設けたオイル通路46を介してオイルが循環す
る。バランサ17にクランク軸9の回転を伝達する駆動
ギヤ35には、衝撃荷重吸収用のダンパスプリング45
が係合して配置され、駆動ギヤ35の歯面をバランサ側
のギヤ17aの歯面に対し弾発的に押し当てる。このよ
うなダンパスプリング45を設けることにより、特に低
速運転時の両ギヤ間の振動による騒音や衝撃荷重を吸収
して歯面に対する応力を軽減し、歯幅を狭くして小型軽
量化を図ることができる。
【0023】クランク室5の下部のオイルパン部分に
は、オイルポンプ18およびオイルフィルタ19を一体
結合したオイルユニット部材が装着される。この一体ユ
ニット化された部材のオイルポンプ18は、クランク室
内のシリンダから離れた側の端部内側に取付けられ、こ
れと一体のオイルフィルタ19はその外側に横向きに、
即ち、軸をクランク軸9に対し直角に向けて、設けられ
る。このようにオイルフィルタを横向きにすることによ
り、フィルタをエンジンのクランク軸方向外側に突出さ
せずに配設することができ、エンジンのクランク軸方向
の幅を狭くして薄型化を図ることができる。また、シリ
ンダから離れた側のクランク室の外側に設けるため、ク
ランク室内のオイルパン容積および隣接する補助タンク
スペースを充分確保することができる。さらに、フィル
タとポンプとを一体結合あるいは充分近接して配置する
ことにより、フィルタとポンプ間のオイル通路の構成が
簡素化し、容易に加工および組立てが可能になる。
【0024】また、このオイルフィルタ19は、後述の
コンプレッサ回転駆動用ベルト48の下側に設けられ
る。これにより、フィルタ交換時にオイルがベルト上に
落下して付着することがなくなり、ベルトのスリップが
防止され安定した円滑なコンプレッサの回転駆動が得ら
れる。
【0025】クランク軸9に関しシリンダと反対側のク
ランク室5の外側で、クランク軸9より下側の位置に、
空調用ヒートポンプの冷媒圧縮用コンプレッサ20が設
けられる。このコンプレッサ20の回転軸20aはクラ
ンク軸9より下側であって、その端部に電磁クラッチ
(図示しない)を内蔵するプーリ20bが装着される。
このプーリ20bにベルト48を介してクランク軸9の
端部(クランク室カバー47の前方外側端部)に装着し
たプーリ36(図1、図2)が連結され、コンプレッサ
20は、クランク軸9とともに回転する。
【0026】このコンプレッサ20は、クランク室5に
固定した第1支持ブラケット21および取付け位置調整
可能な第2支持ブラケット22を介してエンジン1に固
定される。即ち、コンプレッサ20の下側位置で、ボル
ト102を介して第1ブラケット21に固定され、側面
の位置で、ボルト103を介して第2ブラケット22に
固定される。この第2ブラケット22は、長孔111内
でのボルト110の調整により、コンプレッサ20の取
付け位置が調整自在となり、ベルト48のテンション調
整ができる。
【0027】このように、コンプレッサ20をエンジン
外側の左側横位置に設けることにより、コンプレッサに
接続される冷媒配管上に発生する結露水がエンジン上に
落下付着することがなくなりハウジングやシール部材の
劣化が防止される。またブローバイガス排出ポート15
への結露水の影響もなくなって機能の信頼性が保持され
る。特に、このコンプレッサ20の位置は、クランク軸
9に関しシリンダ側のエンジン上部に設けたスタータモ
ータ16から離れた位置であるため、電気系統に対する
結露水の影響がなくなって、電気系統の劣化防止ととも
に始動動作の信頼性が高まる。また、クランク軸9の端
部に装着したフライホイル24(図2)等との干渉を避
けてクランク軸方向の幅を増大させることなくコンプレ
ッサ20を配置するため、シンプルな構成でエンジンの
薄型化を図ることができる。
【0028】また、重量の大きいコンプレッサ20をエ
ンジンの下部位置に設けることにより、エンジンの重心
位置が下がり、振動に対する安定性が高まる。このよう
なコンプレッサ20を含むエンジン全体は、防振マウン
ト23を介して、機械室床上の基礎台(図示しない)上
に設置される。この防振マウント23は、クランク軸9
の長さの範囲内で、エンジン下部の矩形輪郭範囲内の4
隅部に設けられ、エンジンの設置スペースを増大させる
ことはない。このように防振マウント23をクランク軸
の長さ範囲内に設けることができるのは、本実施例のよ
うに、バランサ17を設けて低速域での振動を抑制する
ことにより、従来のようにエンジンの重心位置近傍(ク
ランク軸近傍)にマウントを設ける必要をなくしたた
め、クランク軸外側にマウントを突出して設ける必要が
なく、かつコンプレッサ20がエンジンの下部に配置さ
れ重心位置が低いからである。
【0029】クランク軸9は、図2に示すように、対向
する一対のクランクウェブ9aを有し、その間の反対側
端部にクランクピン26を介してコンロッド27が連結
される。コンロッド27の先端部にはピストンピン28
を介してピストン29が連結される。コンロッド27の
クランクピン26に対向して、前記バランサ17のバラ
ンサウェイト17cに、コンロッド回転時の逃げ用の凹
部25が形成されている。この逃げ用凹部25によりク
ランク軸9とバランサ軸17aの中心間距離を短くし
て、エンジンをコンパクトに構成することできる。シリ
ンダヘッド3およびシリンダブロック4の壁厚内には、
冷却水が循環するウォータジャケット30が形成されて
いる。
【0030】図4および図5は、上記実施例におけるオ
イル通路構造をさらに詳しく示す水平断面図および側面
図であり、また図6はそのオイルポンプ部分の詳細図で
ある。前述のように、クランク室5は、クランク軸9の
周囲全体および背面側を覆いシリンダブロック4と一体
に形成されるクランク室ケーシング5aと、このクラン
ク室ケーシング5aの前面を覆うクランク室カバー47
とにより構成される。即ち、クランク室5の壁体は、外
周面の壁体および背面の壁体を構成するシリンダブロッ
ク4と一体のクランク室ケーシング5aを第1のケース
とし、クランク室5の前面の壁体を構成するクランク室
カバー47を第2のケースとして、これら第1および第
2のケース5a,47を組合せてクランク室5の壁体が
形成される。クランク室ケーシング5aはオイルパンの
左右面、背面及び底面の各壁を構成する。
【0031】オイルポンプ18は、略三角形のポンプカ
バー18a(図5、図6)を介してボルト18bにより
第2ケース47に固定される。このオイルポンプ18の
ロータ161は、カムギヤ10に噛み合うロータ駆動ギ
ヤ160の回転軸160aに固定され、カム軸とともに
クランク軸からの駆動力により回転する。オイルパン底
部に設けたストレーナ151から第2ケースの内壁に固
定したフランジ153までオイル配管152が設けら
れ、このフランジ153部分からオイルポンプ18のロ
ータ161の入口部分に連通するオイル通路154が、
第2ケースの壁体内に形成される。さらに、このロータ
161の出口部分からオイルフィルタ19に連通するオ
イル通路155が第2ケース47の壁体内に形成され
る。このオイル通路155にはリリーフ弁162(図
6)が設けられる。
【0032】オイルフィルタ19を出たオイルは、オイ
ル通路156とオイルパイプ130の2方向に分岐して
送られる。オイル供給通路156は、第2ケース47の
壁体内に形成され、クランク軸9のジャーナル部周囲に
形成した溝141aに連通する。このクランク軸9のジ
ャーナル部周囲の溝141aに供給されたオイルは、ク
ランク軸内に形成されたオイル通路33に進入し、まず
クランクピン26の外周部の空間143内に供給され
る。さらにオイルは、クランク軸9内のオイル通路33
を通して、クランク室背面側のクランク軸ジャーナル部
周囲の溝141bに供給される。
【0033】クランク室前面側のクランク軸ジャーナル
部周囲の溝141aは、第2ケース47の壁体内に形成
されたオイル供給通路46を介して、バランサ17の前
側のジャーナル部周囲に形成された溝142aに連通す
る。この溝142aは、バランサ回転軸に形成されたオ
イルポート34aを介して、回転軸内に形成されたオイ
ル通路34に連通し、オイルをさらにクランク室背面側
のバランサジャーナル部周囲の溝142bに送る。各部
に供給されたオイルは、重力による自然落下により、ク
ランク室底部のオイルパン内に戻る。
【0034】一方、オイルフィルタ19の出口から分岐
して第2ケース47の前側に設けたオイルパイプ130
は、まずカム軸11の軸心に設けたオイル通路134に
連通してオイルをカムに供給する。オイルパイプ130
はさらに、プッシュロッド37に沿ってシリンダブロッ
ク4の前面外側に設けたオイルパイプ131に連通し、
さらにシリンダヘッド3内に設けたオイル通路132を
通して、図示しないタペット(リフタ)駆動用の軸(図
3のロッカーアーム42の軸41)の軸内に設けたオイ
ル通路133に連通して、オイルを各バルブ8に供給す
る。
【0035】このようにして、オイルパン内のオイル
は、クランク室前面側の第2ケースの壁体内に集約して
形成したオイル供給通路およびこの第2ケースの前側に
設けたオイル配管を通して、クランク室背面側の第1ケ
ースを通すことなく、エンジン内各部に供給される。な
お、オイルパイプ130はクランク室カバー(第2ケー
ス)47の前方外側において、ベルト48より下方に配
置される。これにより、オイルパイプ130の脱着点検
等により端部から潤滑油が洩れても、洩れる潤滑油がベ
ルト48に垂れることはなく、ベルト48とプーリー2
0b、プーリー36との間で滑りが発生することはな
い。これにより、エンジン動力がコンプレッサ20に確
実に伝達され、冷凍筋力、あるいは空調装置では暖房能
力及び冷房能力が不足することがなくなる。図1におい
て、47aおよび47bは、それぞれクランク室カバー
47に設けられたオイルパイプ130の取付けボス孔で
ある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、クランク室前側のみを覆う小さい形状の第2ケース
にのみオイル通路を集約して形成するため、第1ケース
の金型が簡素化し加工作業が容易になり、含浸工程や圧
力検査工程が不要となって製造プロセスの効率化が図ら
れ生産性が向上する。また、オイル通路の加工ミスや組
立てミスの発生のおそれは第2ケース側にのみ起こり、
第1ケース側には起こり得ないため、欠陥発生のおそれ
が減少し歩留りが向上する。
【0037】また、前記クランク軸およびバランサの回
転軸へのオイル供給通路を前記第2ケースの壁体内に形
成し、前記カム軸およびタペットの駆動軸へのオイル供
給通路を前記第2ケースの前側に設けた外部配管により
構成することにより、クランク室内で隣接するクランク
軸およびバランサに対し、オイル供給通路が第2ケース
内に形成されるとともに、カム軸およびこれに連動する
タペット軸に対し第2ケース前側の配管によりオイル供
給を行うため、小面積の第2ケース壁体が有効に利用さ
れ、第1ケース側に干渉することなく、シンプルなオイ
ル通路レイアウトが得られ、製造組立てやメンテナンス
作業が効率的に行われる。
【0038】さらに、前記オイルポンプに近接した位置
のクランク室外側にオイルフィルタを設け、オイルポン
プとこのオイルフィルタとを結ぶオイル通路およびオイ
ルフィルタとクランク軸内のオイル通路とを結ぶオイル
供給通路を前記第2ケースの壁体内に形成する構成を用
いれば、オイルフィルタとオイルポンプ間のオイル通路
が短くシンプルになり、第2ケース壁体内のオイル通路
レイアウトが簡素化して、製造や組立て、検査等の製造
プロセスが効率的に行われる。
【0039】さらに、前記オイルフィルタとクランク軸
のジャーナル部とを結ぶオイル供給通路、およびこのク
ランク軸のジャーナル部と前記バランサ回転軸のジャー
ナル部とを結ぶオイル供給通路を前記第2ケースの壁体
内に形成する構成を用いれば、隣接して並列配置された
バランサとクランク軸の各ジャーナル部同士をオイル供
給通路で結び、このオイル供給通路が前記第2ケースの
壁体内に形成されるため、バランサに対するオイル供給
通路が第2ケース内でシンプルに形成され、第2ケース
壁体内のオイル通路レイアウトが簡素化して、製造や組
立て、検査等の製造プロセスが効率的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るエンジンの全体構成
図。
【図2】 図1のエンジンの要部上面図。
【図3】 図1のエンジンの要部側面図。
【図4】 図1のエンジンのオイル通路の構成を示す水
平断面図。
【図5】 図1のエンジンのオイル通路の構成を示す側
面図。
【図6】 図1のエンジンのオイルポンプ部分の詳細
図。
【符号の説明】
1:エンジン、2:ヘッドカバー、3:シリンダヘッ
ド: 4:シリンダブロック、5:クランク室、5a:第1ケ
ース(クランク室ケーシング)、6:混合器、7:点火
プラグ、8:吸気(または排気)弁、9:クランク軸、
10:カムギヤ、11:カム軸、12:補助タンク、1
3:レベルゲージ、14:バッフルプレート、15:ブ
ローバイガス排出ポート、16:スタータモータ、1
7:バランサ、18:オイルポンプ、19:オイルフィ
ルタ、20:コンプレッサ、21:第1のブラケット、
22:第2のブラケット、23:防振マウント、24:
フライホイル、25:コンロッド逃げ用の凹部、27:
コンロッド、34:オイル通路、34a:オイルポー
ト、35:駆動ギヤ、46:オイル供給通路、47第2
ケース、130,131:オイルパイプ、132,13
3,134:オイル通路、154,155,156:オ
イル供給通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01M 1/06 F01M 1/06 F 11/03 11/03 E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブ駆動用タペットを有するヘッドカバ
    ーと、吸・排気バルブが装着されたシリンダヘッドと、
    ピストンが摺動するシリンダブロックと、コンロッドを
    介して前記ピストンを駆動するクランク軸と、このクラ
    ンク軸を収容するクランク室と、このクランク室の外周
    面および背面の壁体を構成するシリンダブロックと一体
    の第1ケースと、該クランク室の前面の壁体を構成する
    第2ケースと、このクランク室内に設けたバランサおよ
    びバルブ駆動用カム軸とを有し、 前記クランク軸、バランサの回転軸、カム軸およびタペ
    ットの駆動軸の内部にそれぞれオイル通路を形成すると
    ともに、前記クランク室内下部のオイルパン内にオイル
    ポンプを設け、このオイルポンプから前記各オイル通路
    にオイルを供給するオイル供給通路を前記クランク室壁
    体に設け且つ、 前記オイル供給通路を、前記クランク室の第2ケース側
    にのみ形成したことを特徴とするエンジンのオイル通路
    構造。
  2. 【請求項2】前記クランク軸およびバランサの回転軸へ
    のオイル供給通路を前記第2ケースの壁体内に形成し、
    前記カム軸およびタペットの駆動軸へのオイル供給通路
    を前記第2ケースの前側に設けた外部配管により構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのオイル
    通路構造。
  3. 【請求項3】前記オイルポンプに近接した位置のクラン
    ク室外側にオイルフィルタを設け、オイルポンプとこの
    オイルフィルタとを結ぶオイル通路およびオイルフィル
    タとクランク軸内のオイル通路とを結ぶオイル供給通路
    を前記第2ケースの壁体内に形成したことを特徴とする
    請求項1または2に記載のエンジンのオイル通路構造。
  4. 【請求項4】前記オイルフィルタとクランク軸のジャー
    ナル部とを結ぶオイル供給通路、およびこのクランク軸
    のジャーナル部と前記バランサ回転軸のジャーナル部と
    を結ぶオイル供給通路を前記第2ケースの壁体内に形成
    したことを特徴とする請求項3に記載のエンジンのオイ
    ル通路構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1131949C (zh) * 1998-08-12 2003-12-24 本田技研工业株式会社 发动机平衡轴的支承结构
JP2009121325A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の潤滑構造
KR100972518B1 (ko) 2008-06-30 2010-07-28 쌍용자동차 주식회사 자동차용 오일필터의 잔류오일 배출장치
JP2018168815A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 ダイハツ工業株式会社 内燃機関のフロントカバー

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