JPH1137221A - ベルト駆動用プーリ - Google Patents

ベルト駆動用プーリ

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JPH1137221A
JPH1137221A JP19555397A JP19555397A JPH1137221A JP H1137221 A JPH1137221 A JP H1137221A JP 19555397 A JP19555397 A JP 19555397A JP 19555397 A JP19555397 A JP 19555397A JP H1137221 A JPH1137221 A JP H1137221A
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JP
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oil
engine
vibration
disk
disc
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JP19555397A
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Masahiko Aihara
雅彦 相原
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転する駆動軸の振動がベルト駆動用プーリ
に伝わっても、振動音が拡大して周囲に放射されず騒音
となることがなく、また振動損失による駆動力の伝達効
率の低下を招かないベルト駆動用プーリを提供する。 【解決手段】 板状体からなる円盤部80の外周縁にベ
ルト掛け部81を有し、ベルト掛け部81に掛け渡され
たベルト48に、円盤部80を軸支するクランク軸9の
回転を伝達するベルト駆動用プーリ36において、円盤
部80に、円盤部80の剛性を増して円盤部80の振動
を抑える制振用プレート82を固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト駆動用プー
リに関し、特に、内燃機関の駆動軸に装着されてベルト
に駆動軸の回転を伝達するベルト駆動用プーリに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関である例えばコンプレッサ駆動
用の水冷式単気筒エンジンのクランク軸には、エンジン
の回転駆動力を取り出すためのベルト駆動用プーリが取
付けられている。エンジンの作動によりクランク軸と共
にベルト駆動用プーリが回転し、ベルト駆動用プーリと
駆動力伝達対象との間に掛け渡されたベルトを介して、
駆動力伝達対象に駆動力が伝達される。
【0003】このベルト駆動用プーリは、金属製の薄い
板体からなり、クランク軸の先端にネジ止めされた円盤
と、円盤の外周縁に沿って枠状に突出するベルト掛け部
を有している。ベルト掛け部の表面には、掛け渡したベ
ルトが外れないように、周方向に複数の溝が形成されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベルト
駆動用プーリは、薄い円盤を介してクランク軸に接続さ
れているため、回転するクランク軸の振動がベルト駆動
用プーリの円盤に伝わり、円盤が振動を拡大して伝達し
てしまう。このため、振動音を円盤が恰もスピーカの様
に拡大して周囲に放射し騒音となるとともに、振動損失
による駆動力の伝達効率の低下を招くことになる。
【0005】本発明は、上記従来技術を考慮してなされ
たものであって、回転する駆動軸の振動がベルト駆動用
プーリに伝わっても、振動音が拡大して周囲に放射され
ず騒音となることがなく、また振動損失による駆動力の
伝達効率の低下を招かないベルト駆動用プーリの提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、板状体からなる円盤外周縁にベ
ルト掛け部を有し、該ベルト掛け部に掛け渡されたベル
トに、前記円盤を軸支する駆動軸の回転を伝達するベル
ト駆動用プーリにおいて、前記円盤に、前記円盤の剛性
を増して前記円盤の振動を抑える制振用プレートを固定
したことを特徴とするベルト駆動用プーリを提供する。
【0007】上記構成によれば、回転する駆動軸の振動
が、ベルト駆動用プーリの円盤に伝わっても、円盤に固
定された制振用プレートにより円盤と制振用プレートが
一体化して剛性が増し、円盤での振動が抑えられる。こ
れにより、円盤における振動の影響を排除することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態においては、
前記制振用プレートは、中央部が前記円盤に密着固定さ
れるとともに、周縁側に弾性部材を介在させて前記円盤
に固定されていることを特徴としている。
【0009】この構成により、中央部では円盤と制振用
プレートが一体化して円盤の剛性が増し、周縁側では弾
性部材により円盤と制振用プレートのガタを吸収すると
共に振動そのものを吸収し、円盤での振動がさらに抑え
られる。これにより、円盤における振動の影響をさらに
有効に排除することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例に係るベルト駆動用
プーリの部分断面図である。
【0011】図1に示すように、ベルト駆動用プーリ3
6は、エンジン(図示しない)の回転駆動力を取り出す
ために、エンジンのクランク軸(駆動軸)9に取付けら
れている。
【0012】このベルト駆動用プーリ36は、金属製の
薄い板体からなり、クランク軸9の先端にネジ止めされ
た円盤部80と、円盤部80の外周縁に沿って枠状に突
出するベルト掛け部81を有している。円盤部80は、
中央にネジ止め用の孔80aが開けられ、外周縁近傍の
傾斜部80bを経て外周縁側が内側(クランク軸9側)
にずれている。ベルト掛け部81の表面には、掛け渡し
たベルト(図示しない)が外れないように周方向に複数
の溝81aが形成され、このベルト掛け部81と駆動力
伝達対象(図示しない)との間にベルトが掛け渡され
る。
【0013】円盤部80の傾斜部80b内側には、外側
から制振用プレート82が密着固定されている。制振用
プレート82は、円盤部80の傾斜部80b内側に相当
する大きさの円盤からなり、中央にネジ止め用の孔82
aが開けられ、半径方向ほぼ真ん中の傾斜部82bを経
て中央部83と中央部83に対し外側にずれた周縁部8
4とが一体に形成されている。周縁部84の外縁は、内
側(円盤部80側)に屈曲し、中央部83が円盤部80
に密着した際に、円盤部80との間に孔82aを中心と
するリング状間隙85が形成される。このリング状間隙
85には、弾性部材、例えば内部摩擦により振動を吸収
するゴムからなるOリング86が圧接状態に装着され
る。
【0014】この制振用プレート82は、ベルト駆動用
プーリ36の円盤部80に外側から重ね、その外側から
ワッシャ87を介してクランク軸9にネジ88を螺着す
ることにより、ベルト駆動用プーリ36と共にクランク
軸9に装着され、中央部83が円盤部80に密着固定さ
れるとともに、周縁部84と円盤部80の間にOリング
86が固定される。
【0015】上記構成を有するベルト駆動用プーリ36
において、エンジンの作動によりクランク軸9と共にベ
ルト駆動用プーリ36が回転し、ベルトを介して駆動力
伝達対象に駆動力が伝達される。回転するクランク軸9
の振動は、ベルト駆動用プーリ36の薄い円盤部80に
伝わるが、円盤部80に装着された制振用プレート82
によりその振動が抑えられる。即ち、中央部83では円
盤部80と制振用プレート82が一体化して円盤部80
の剛性が増し、周縁部84ではOリング86により円盤
部80と制振用プレート82のガタを吸収すると共に振
動そのものを吸収する。従って、クランク軸9の振動は
円盤部80に伝わっても円盤部80の振動が抑えられ、
円盤部80が振動音を恰もスピーカの様に拡大して周囲
に放射することがないので騒音とならず、また振動損失
による駆動力の伝達効率の低下を招くこともない。
【0016】このようなベルト駆動用プーリ36が装着
されたエンジンの例を以下に示す。この例は、ヒートポ
ンプ式空調機のコンプレッサ駆動用のエンジンである。
【0017】図2は、エンジンの全体構成を示す側面
図、図3はその要部上面図、図4はその要部構成を示す
側面図である。なお、図において、エンジン各部のレイ
アウトを示すため、部分的に各構成部材を透視的に重ね
て描いてある。
【0018】エンジン1は、OHV単気筒の横置き型エ
ンジンであり、ヘッドカバー2を頭部に有するシリンダ
ヘッド3と、このシリンダヘッドに結合されたシリンダ
ブロック4と、このシリンダブロックに連続して一体的
に形成されたクランク室5とにより構成される。シリン
ダブロック4は、ほぼ水平横置きに配置され、図3、図
4に示すように、内部をピストン29が摺動する。この
ようなエンジン1のハウジングとなるシリンダヘッド
3、シリンダブロック4およびクランク室5等は、例え
ばアルミダイカスト等による鋳造成型品である。
【0019】シリンダヘッド3の上部には、吸引される
空気の圧力を下げるベンチュリ部と該ベンチュリ部に設
けられた燃料ガス吐出用のノズルとからなる混合部と、
ベンチュリ部下流の混合気通路に設けられたスロットル
弁からなる混合器6が備わる。この混合器6は、アイド
ル運転制御を安定させるため、アイドル運転時にはスロ
ットル開度制御を停止させ、アイドル時の回転変動にか
かわらず最適な一定開度に保持する構成とする。
【0020】シリンダヘッド3には、燃焼室に向けて点
火プラグ7が装着される。また、図3に示すように、吸
気通路31bおよび排気通路31a(図4では一方の通
路31のみ図示)が形成され、それぞれ、燃焼室に臨む
ポート部に吸気弁8bおよび排気弁8a(図4では一方
の弁8のみ図示)が装着される。
【0021】クランク室5内の中央部よりやや上側にク
ランク軸9が装着される。クランク軸9には駆動ギヤ3
8(図4参照)が装着され、この駆動ギヤ38にカムギ
ヤ10が噛み合う。カムギヤ10の軸11にはカム39
が装着される。カム39は、プッシュロッド37および
その端部のコッター40を介して、ロッカーアーム42
をその軸41廻りに揺動させ、吸・排気弁8を、クラン
ク軸9の回転に同期して所定のタイミングで開閉動作さ
せる。
【0022】クランク室5の下部はオイルパンとして形
成され、オイルが一点鎖線Lで示す上限位置まで充填さ
れる。このオイルパンに隣接してシリンダブロック4の
下側に、補助タンク12が設置され、内部にオイルが収
容される。この補助タンク12は図示しない連通管を介
してその底部がクランク室のオイルパンと連通し、その
上部がクランク室の上部と連通している。従って、オイ
ルレベルはクランク室のオイルパンと同じである。この
補助タンク12にレベルゲージ13が装着され、これを
引き抜いて適宜オイルレベルを一点鎖線Lの上限位置に
あるか検出することができる。
【0023】このようなレベルゲージ13に代えて、後
述のレベルチェック用の目盛を設けドライバー等を用い
てオイル量を検出可能としてもよい。
【0024】前記カムギヤ10は、クランク軸9より下
側に配置され、その下部がオイルレベルの上限位置Lよ
り下側になって、オイル内に浸漬される状態になる。こ
のカムギヤ10の下部のオイル浸漬部分を覆ってバッフ
ルプレート14が設けられる。このようなバッフルプレ
ート14を設けることにより、カムギヤによるオイルパ
ン内のオイル攪拌が防止され、エネルギーロスの軽減と
ともにオイルミスト化によるオイルの飛散散出が防止さ
れる。
【0025】クランク室5の上部には、ブローバイガス
排出ポート15が設けられ、エンジンのクランク回転や
振動に伴うエンジン内部の圧力変動を逃し、内圧が高ま
ったときのオイルシールからの漏れをなくしオイルシー
ルを保護する。また、クランク室5の上部外側のクラン
ク軸9よりシリンダ側(図の右側)には、スタータモー
タ16が装着される。このスタータモータ16のピニオ
ン16aは、外周に被駆動ギヤの設けられたフライホイ
ル24と始動時のみ噛み合う。
【0026】クランク室5の上部内側であって、クラン
ク軸9に関しシリンダと反対側(図の左側)には、バラ
ンサ17が装着される。このバランサ17は、図3に示
すように、その軸17aにギヤ17bが固定され、この
ギヤ17bは、クランク軸9に固定した駆動ギヤ35に
噛み合う。バランサ17の軸17aには、所定形状のバ
ランサウェイト17cが固定される。このバランサは、
通常の自動車エンジンのバランサのように慣性モーメン
トによる起振力を打消すことよりも、低速回転領域にお
けるトルク変動に基づく加振力を打消すことを目的とし
た反トルクバランサであって、クランク軸とフライホイ
ルとの合計回転質量(合計慣性モーメント)に対応した
回転質量(慣性モーメント)のバランサウェイト17c
を有し、クランク軸回転と逆方向に例えば2倍に増速し
て回転させ回転質量の軽量化を図っている。このような
バランサを設けることにより、エンジン始動時あるいは
低速回転での回転変動に起因する振動が効果的に抑制さ
れ、従来用いられていたエンジンの振動変位を止める特
別な振動吸収用ゴムストッパや冷媒配管の振動吸収用フ
レキシブル管を省略あるいは簡素化することができる。
【0027】さらに、このバランサ17は、フライホイ
ルのはずみ車作用による慣性モーメント機能を併せ持つ
ため、クランク軸9の端部に装着したフライホイル24
の軽量化が図られ、板金による製造が可能となって、製
造プロセスの簡素化およびエンジン幅の縮小による小型
化が図られる。
【0028】また、バランサ17は、クランク室5内部
の上部に設けてあるため、下部のオイルパン内のオイル
を攪拌することはなく、オイルの飛散が防止され、また
攪拌による無駄なエネルギー損失が防止される。このバ
ランサ17の軸17aは、図3に示すように、クランク
軸9よりも短くクランク軸9より外側に突出しない。従
って、エンジン幅を増大させることはない。
【0029】クランク室5は、図3に示すように、クラ
ンク軸9の周囲全体および背面側を覆いシリンダブロッ
ク4と一体に形成されるクランク室ケーシング5aと、
このクランク室ケーシング5aの前面を覆うクランク室
カバー47(図3の斜線部)により形成される。
【0030】クランク軸9内にはオイルが循環するオイ
ルギャラリ33が形成され、またバランサ17の軸17
a内にはオイル通路34が形成され、クランク室カバー
47に設けたオイル通路46を介してオイルが循環す
る。
【0031】バランサ17にクランク軸9の回転を伝達
する駆動ギヤ35には、衝撃荷重吸収用のダンパスプリ
ング45が係合して配置され、駆動ギヤ35の歯面をバ
ランサ側のギヤ17aの歯面に対し弾発的に押し当て
る。このようなダンパスプリング45を設けることによ
り、特に低速運転時の両ギヤ間の振動による騒音や衝撃
荷重を吸収して歯面に対する応力を軽減し、歯幅を狭く
して小型軽量化を図ることができる。
【0032】クランク室5の下部のオイルパン部分に
は、オイルポンプ18およびオイルフィルタ19を一体
結合したオイルユニット部材が装着される。この一体ユ
ニット化された部材のオイルポンプ18は、クランク室
内のシリンダから離れた側の端部内側に取付けられ、こ
れと一体のオイルフィルタ19はその外側に横向きに、
即ち、軸をクランク軸9に対し直角に向けて設けられ
る。このようにオイルフィルタを横向きにすることによ
り、フィルタをエンジンのクランク軸方向外側に突出さ
せずに配設することができ、エンジンのクランク軸方向
の幅を狭くして薄型化を図ることができる。また、シリ
ンダから離れた側のクランク室の外側に設けるため、ク
ランク室内のオイルパン容積および隣接する補助タンク
スペースを充分確保することができる。さらに、フィル
タとポンプとを一体結合あるいは充分近接して配置する
ことにより、フィルタとポンプ間のオイル通路の構成が
簡素化し、容易に加工および組立てが可能になる。
【0033】また、このオイルフィルタ19は、後述の
コンプレッサ回転駆動用ベルト48の下側に設けられ
る。これにより、フィルタ交換時にオイルがベルト上に
落下して付着することがなくなり、ベルトのスリップが
防止され安定した円滑なコンプレッサの回転駆動が得ら
れる。
【0034】クランク軸9に関しシリンダと反対側のク
ランク室5の外側で、クランク軸9より下側の位置に、
空調用ヒートポンプの冷媒圧縮用コンプレッサ20が設
けられる。このコンプレッサ20の回転軸20aはクラ
ンク軸9より下側であって、その端部に電磁クラッチ
(図示しない)を内蔵するプーリ20bが装着される。
このプーリ20bに、コンプレッサ回転駆動用ベルト4
8を介してクランク軸9の端部(クランク室カバー47
の前方外側端部)に軸支されたベルト駆動用プーリ36
(図2、図3参照)が連結され、エンジン1の作動によ
るクランク軸9の回転駆動力が、ベルト駆動用プーリ3
6を介し伝達されて、コンプレッサ20はクランク軸9
とともに回転する。
【0035】このコンプレッサ20は、クランク室5に
固定した第1支持ブラケット21および取付け位置調整
可能な第2支持ブラケット22を介してエンジン1に固
定される。即ち、コンプレッサ20の下側位置で、ボル
ト102を介して第1ブラケット21に固定され、側面
の位置で、ボルト103を介して第2ブラケット22に
固定される。この第2ブラケット22は、長孔111内
でのボルト110の調整により、コンプレッサ20の取
付け位置が調整自在となり、ベルト48のテンション調
整ができる。
【0036】このように、コンプレッサ20をエンジン
外側の左側横位置に設けることにより、コンプレッサに
接続される冷媒配管上に発生する結露水がエンジン上に
落下付着することがなくなりハウジングやシール部材の
劣化が防止される。またブローバイガス排出ポート15
への結露水の影響もなくなって機能の信頼性が保持され
る。特に、このコンプレッサ20の位置は、クランク軸
9に関しシリンダ側のエンジン上部に設けたスタータモ
ータ16から離れた位置であるため、電気系統に対する
結露水の影響がなくなって、電気系統の劣化防止ととも
に始動動作の信頼性が高まる。また、クランク軸9の端
部に装着したフライホイル24(図3参照)等との干渉
を避けてクランク軸方向の幅を増大させることなくコン
プレッサ20を配置するため、シンプルな構成でエンジ
ンの薄型化を図ることができる。また、重量の大きいコ
ンプレッサ20をエンジンの下部位置に設けることによ
り、エンジンの重心位置が下がり、振動に対する安定性
が高まる。このようなコンプレッサ20を含むエンジン
全体は、防振マウント23(図2参照)を介して、機械
室床上の基礎台(図示しない)上に設置される。この防
振マウント23は、クランク軸9の長さの範囲内で、エ
ンジン下部の矩形輪郭範囲内の4隅部に設けられ、エン
ジンの設置スペースを増大させることはない。このよう
に防振マウント23をクランク軸の長さ範囲内に設ける
ことができるのは、本実施例のように、バランサ17を
設けて低速域での振動を抑制することにより、従来のよ
うにエンジンの重心位置近傍(クランク軸近傍)にマウ
ントを設ける必要をなくしたため、クランク軸外側にマ
ウントを突出して設ける必要がなく、かつコンプレッサ
20がエンジンの下部に配置され重心位置が低いからで
ある。
【0037】クランク軸9は、図3に示すように、対向
する一対のクランクウェブ9aを有し、その間の反対側
端部にクランクピン26を介してコンロッド27が連結
される。コンロッド27の先端部にはピストンピン28
を介してピストン29が連結される。コンロッド27の
クランクピン26に対向して、前記バランサ17のバラ
ンサウェイト17cに、コンロッド回転時の逃げ用の凹
部25が形成されている。この逃げ用凹部25によりク
ランク軸9とバランサ軸17aの中心間距離を短くし
て、エンジンをコンパクトに構成することできる。シリ
ンダヘッド3およびシリンダブロック4の壁厚内には、
冷却水が循環するウォータジャケット30が形成されて
いる。
【0038】図5は、エンジンを用いたヒートポンプ式
空調機の配管系統構成図である。まず、エンジン1の冷
却ジャケット30を循環する冷却水系統について説明す
る。冷却水は、冷却水ポンプ50により排ガス気熱交換
器30a(排気管周りの冷却ジャケット)およびエンジ
ン1内に設けられる冷却ジャケット30を循環し、エン
ジン出口で、サーモスタット70を介して高温配管71
と低温配管72に分岐される。冷却水ポンプ50には加
圧キャップ52を介してリカバリタンク51が接続され
る。エンジン始動時等の低温時には、低温配管72を介
して、矢印のように、短いサーキットで循環し暖機を図
る。
【0039】一方、高温時には、高温配管71を介し
て、三方弁73を通り、冷媒配管上に設けた排熱回収用
熱交換器59を通って(図中X、Y通過)、矢印で示す
ように、ポンプ50に戻る。三方弁73の他方の出口側
配管は、電磁弁を介して、床暖房等の温水利用ユニット
62を循環してポンプ50に戻る。温水利用ユニット6
2を循環させない場合には、室外に設けた放熱用熱交換
器(ラジエータ)65を介してポンプ50に戻る。
【0040】この例のコンプレッサ20は、エンジン1
のクランク軸9に対し電磁クラッチ78を介して連結さ
れている。このコンプレッサ20には、サーマルプロテ
クタ54が備わり、冷媒温度が一定以上になるとクラッ
チ78を切って、コンプレッサを停止させる。コンプレ
ッサ20の吐出側および吸引側の冷媒配管108、10
5にはそれぞれ振動吸収用のフレキシブル配管53が介
装される。コンプレッサ20から吐出された冷媒はオイ
ルセパレータ55で冷媒ガスと液体(オイルおよび液体
冷媒)に分離され、液体は戻し管76を介して途中毛細
管により圧力降下して吸引側冷媒配管105に戻る。冷
媒ガスはガス配管77を介して四方弁58に送られる。
この例は、暖房運転時の状態を示し、冷媒ガス配管77
は、室内ユニット60および温水利用ユニット61側に
接続される。冷媒ガスは、室内ユニット60により室内
暖房を行い、温水利用ユニット61で温水加熱し、熱を
奪われて凝縮し、減圧弁79を介して減圧されてファン
64を備えた室外熱交換器63に送られ、ここで吸熱し
蒸発作用を受ける。蒸発した冷媒ガスは四方弁58を介
して、前述のエンジンの高温冷却水が循環する排熱回収
熱交換器59を通り、ここでさらに吸熱して蒸発作用を
受けた後、気液分離のため、アキュムレータ57に入
る。アキュムレータ57の冷媒ガスは、コンプレッサ2
0の吸引作用により、吸引側冷媒配管105を介してコ
ンプレッサ20に戻り、圧縮されて再び送り出され前述
と同様に循環する。
【0041】冷房運転時には、四方弁58が切り換わ
り、コンプレッサ20から出た冷媒ガスが、最初に室外
熱交換器63に送られ、この室外熱交換器63が凝縮器
として作用し、冷媒ガスは外気に熱を放出して凝縮す
る。凝縮され液化した冷媒は、室内ユニット60、61
に送られ、ここで室内を冷房あるいは水を冷却して熱を
奪い蒸発する。蒸発した冷媒ガスは、四方弁58を介し
て、暖房時と同様に、排熱回収熱交換器59でエンジン
廃熱のエネルギーを回収した後アキュムレータ57に送
られ、コンプレッサ20により再び圧縮されて循環す
る。このとき、温水利用ユニット62にエンジン冷却水
は循環されない。
【0042】このようにして水冷式エンジン駆動コンプ
レッサによる圧縮冷媒を循環させてヒートサイクルを構
成する熱移動装置において、排ガス熱交換器30aは、
ほぼ直方体形状に形成され、図3および図4に示すよう
に、横置き型エンジン1のシリンダヘッド3およびシリ
ンダブロック4からなるエンジン頭部の側方に配置され
る。この排ガス熱交換器30aは、図3に示すように、
その直方体形状の本体123の最大表面積の側面をシリ
ンダ軸と平行となるようにシリンダ4側に隣接させ、最
小の幅方向がクランク軸9と平行(シリンダ軸と直交)
となるように配置される。この排ガス熱交換器30aの
本体123の上側外周部には、冷却水入口121および
冷却水出口120が設けられ、内部を冷却水が循環す
る。また、この排ガス熱交換器30aのシリンダ側の側
面には、そのほぼ中央部に排気通路31aが接続され、
内部を排気ガスが循環し、排気ガス出口122から外部
に排出される。
【0043】図6は、エンジンを備えた室外機全体の後
面図である。エンジン収容ケース124内にエンジン1
およびオイルタンク137等が収容され、このエンジン
1のシリンダ4の側面に前述のように排ガス熱交換器3
0aが設けられる。このエンジン収容ケース124の上
部には外枠箱体139が設けられ、内部にアキュムレー
タ、排気サイレンサ、吸気サイレンサおよび二重管熱交
換器等が収納される。エンジン収容ケース124の側面
には配管出入口138が設けられる。また、エンジン収
容ケース124の段部124aの上側にはファン64を
有する室外熱交換器63(あるいはラジエータ65)が
設置される。
【0044】このオイルタンク137は、潤滑用オイル
をエンジン1に補給するためのオイル補給容器である。
オイル補給容器には、オイルレベルをチェックするため
のレベルゲージを挿入するチェック部と目盛が設けら
れ、このチェック部と目盛により、例えばドライバー等
を用いて容易にオイル補給容器内のオイルレベルをチェ
ックすることができる。
【0045】図7は、オイルレベルのチェックのための
ドライバー軸挿入状態を示すオイル補給容器の部分断面
図であり、図8は、図7のオイル補給容器のチェック部
を塞ぐプラグの正面図である。図9は、図7のオイル補
給容器の目盛設置面を示す説明図である。
【0046】図7に示すように、上下に二分割して形成
されたオイル補給容器200の上面には、円筒状のチェ
ック部201が上面に対して斜に突設されている。この
チェック部201に沿って容器内底面200aに向け斜
にドライバー軸202が挿入される。このチェック部2
01は、一般のドライバー軸202(軸径ほぼφ4〜φ
8)を十分挿入することができる内径を有すると共に、
入口から後述するプラグ205の挿入部分を除いてほぼ
30mmの長さに、円筒断面の下半分をV字状に形成し
たガイド部203を有している。また、チェック部20
1の延長上の容器内底面200aには、チェック部20
1から挿入したドライバー軸202の挿入先端が当接す
る当接面204が、チェック部201の傾斜方向とほぼ
直交して形成されている。
【0047】このガイド部203に沿ってドライバー軸
202をチェック部201に挿入することにより、ドラ
イバー軸202の進入方向がガイド部203に案内され
て挿入したドライバー軸202は確実に当接面204に
当接する。また、ガイド部203がV字形状断面である
ため、ドライバーは回転せず一定の向きのまま抜き差し
される。
【0048】レベルゲージとして用いられるドライバー
軸202は、挿入時にオイル面の検出ができる有効長a
が約110mm以上あればよい。これは、従来の専用の
レベルゲージの場合、ゲージに設けられたストッパによ
り挿入長さが規制され、オイル面検出有効長bが約10
リットルのオイル量に対して約110〜120mmなの
で、専用のレベルゲージでないドライバー等を用いる場
合、容器内底面200aに当接させる長さc分(約7〜
10mm)だけ長くする必要があるためである。また、
レベルゲージとしては、ドライバー軸202の他、同様
の棒状体を使用することができ、その断面形状も丸に限
らず角等でもよく、ほぼ真っ直ぐであれば例えばφ1〜
φ2の太さのものでもよい。
【0049】なお、チェック部201は、斜ではなくほ
ぼ垂直に突設してもよく、この場合、ドライバー軸20
2等はほぼ垂直に容器内底面200aに挿入される。
【0050】チェック部201の入口は、通常、図8に
示すプラグ205により塞がれ、オイル量チェックの場
合は、プラグ205を外してドライバー軸202等を挿
入する。プラグ205は、チェック部201内に嵌入す
る挿入端部206と、挿入端部206の嵌入時にチェッ
ク部201の入口外に露出する頭部207とを有し、例
えばゴム等の弾性部材により形成される。
【0051】図9に示すように、オイル補給容器200
の前面には、ドライバー軸202の先端を当てるリブ2
08とこのリブ208に合わせた目盛209が設けられ
ている。リブ208は、容器前面から約4mmの高さを
有し容器前面に沿ってほぼ垂直に設置され、目盛209
は、リブ208に先端を当接させたドライバー軸202
に対応するようにリブ208とほぼ直交する方向に、オ
イル量を示すE,Fの文字および目盛線が印されてい
る。
【0052】また、オイル補給容器200の上面のチェ
ック部201にかかる傾斜面210には、チェック部2
01を指し示す「矢印」と共に「オイルチェック」の文
字が表示され、前面の目盛209の上方には、「オイル
レベルゲージ(ガイドに沿って棒を挿入)」の文字が上
下2段に表示されている(図9参照)。
【0053】上記構成を有するオイル補給容器200に
おいて、例えばエンジンの整備中にオイル補給容器20
0内の現在のオイル残量をチェックする場合、チェック
部201からプラグ205を外して整備用具として手近
にあるドライバーを持ち、ドライバー軸202をガイド
部203に沿わせてチェック部201から容器内に挿入
する。ドライバー軸202は、チェック部201に斜に
挿入されるが、ガイド部203に案内されるので、挿入
端を容易且つ確実に容器内底面200aの当接面204
に当接させることができる。ドライバー以外の棒状のも
のをレベルゲージとして用いた場合でも、同様である。
このとき、V字断面のガイド部203のため、ドライバ
ーは回転しないで一定の向きのまま挿入される。
【0054】挿入したドライバー軸202の挿入端が当
接面204に当接した後、ドライバー軸202をガイド
部203に沿わせてチェック部201から引き抜く。ド
ライバー軸202がV字断面のガイド部203に沿って
引き抜かれることにより、挿入時と同様にドライバーは
回転せず、ドライバー軸202のほぼ上半分がガイド部
203に接することはない。よって、少なくともドライ
バー軸202のほぼ上半分に付着したオイルが、チェッ
ク部201に触れて欠き落とされることはなく、チェッ
ク部201から引き抜いた後に確実にオイル面を確認す
ることができる。
【0055】チェック部201からドライバー軸202
を引き抜いた後、挿入端をオイル補給容器200の前面
に設けられたリブ208に当てて、ドライバー軸202
を目盛209に合わせ、ドライバー軸202に付着した
オイル位置に対応する目盛線からオイル補給容器200
内の現在のオイル残量を判断する。
【0056】このようなオイル補給容器が装着されたエ
ンジンの潤滑系における、オイルの補給系統の具体的な
構成を、以下に説明する。
【0057】図10は、エンジンの潤滑系におけるオイ
ルの補給系統の説明図であり、図11は、図10のオイ
ルタンクの実装例を示すエンジンの概略説明図である。
【0058】図10及び図11に示すように、オイル補
給容器であるオイルタンク200は、エンジン210の
オイルパン211の側方且つシリンダブロック212下
方に並べて配置され、動力部収納ケース213のフレー
ム214に固定されている。オイルタンク200及びオ
イルパン211は、オイル流通管215を介してそれぞ
れ下部同士、具体的には貯留されるオイルの液面より下
方の部分同士が接続されている。これにより、オイルタ
ンク200内のオイルがオイル流通管215を介してオ
イルパン211内に導入される。
【0059】また、オイルパン211には、図10に示
すように、クランクケース部分からブローバイガスを導
出するブローバイガス導出管216が設けられ、このブ
ローバイガス導出管216がオイルセパレータ217を
経てエアクリーナ218に達すると共に、オイルセパレ
ータ217の近傍においてこのブローバイガス導出管2
16から分岐する戻し管219が設けられ、この戻し管
219がオイルタンク200の上部に接続されている。
さらにこの戻し管219から分岐する均圧管220が設
けられ、この均圧管220がエンジン210のオイルパ
ン211の上部、具体的には貯留されるオイルの液面よ
り上方の部分に接続されている。
【0060】即ち、エアクリーナ218の負圧によりブ
ローバイガスを吸引してオイルセパレータ217を通過
させ、ここでオイルを分離し戻し管219を介してオイ
ルタンク200に戻すように構成されると共に、均圧管
220を介してオイルタンク200内とオイルパン21
1内の各上方空間を相互に連通して両者間の圧力差を無
くし、オイルパン211内のオイルとオイルタンク20
0内のオイルとの液面レベルを均一に保っている。これ
により、オイルの消耗に伴いオイルタンク200内のオ
イルがオイル流通管215を介して速やかにオイルパン
211内に導入される。
【0061】オイルタンク200の具体的な形状等は、
特に限定されるものではないが、本実施例のオイルタン
ク200は、図11に示すように、前側上部にオイル吸
入口221を備えた断面方形の細長形状とされている。
詳しくは、オイルタンク200は、シリンダブロック2
12及び排ガス熱交換器222の下方において、排ガス
熱交換器222より後方及びシリンダブロック212の
前方の両方向に延びた、前後方向に長い形状を有してい
る。排ガス熱交換器222は、後部上方が欠けたL字状
をしており、欠けた部分に動力部収納ケース213の壁
を介して室外熱交換器223が配置されている。これに
より、室外熱交換ユニットの前後方向の大きさを小さく
できる。
【0062】オイルタンク200には、その前側下方に
フレーム214の底面に沿うブラケット224が一体に
形成されていると共に、背面側には後方に向かって突出
する軸部225が一体に形成されている。そして、この
軸部225が、グロメット226を介してフレーム21
4の背面に形成された貫通孔227に嵌入された状態
で、上記ブラケット224がボルトによりフレーム21
4の底面に一点で固定され、これによってオイルタンク
200がフレーム214に固定されている。
【0063】なお、オイルパン211内のオイル量は、
図11に示すオイルタンク200内の液面レベルを検出
するセンサ228の検出に基づいて、間接的に検出され
る。また、整備等によりエンジン210を作動させない
状態で、オイルタンク200内のオイル量をチェックす
る場合は、上述したように、手近にあるドライバー等を
用いて行う。
【0064】ここで、フレーム214の底面は、フレー
ム鋳造時の抜き勾配により、図11に示すようにユニッ
トの背面側から前面側に向かって先下がりに形成される
と共に、その幅方向中央部分に一定幅の凹部からなる液
溜め部229が形成され、この液溜め部229内にオイ
ルタンク200が取付けられると共に、この液溜め部2
29がエンジン210のオイルパン211下方まで達し
ている。そして、同図に示すように、動力部収納ケース
213の正面パネル230が装着されると、正面パネル
230に取付けられたシール部材231がフレーム21
4の前面側に密接するようになる。
【0065】即ち、動力部収納ケース213内で冷却水
やオイルの漏れが発生したときには、そのオイル等がフ
レーム214の底面に沿ってユニット前面側に集められ
る。特に、上記液溜め部229が設けられることによ
り、オイルパン211に故障が生じた時、或いは補給時
にオイルがこぼれた場合などは、液溜め部229内にオ
イル等が集められてフレーム214の底面全体にオイル
等が広がるのが防止される。
【0066】以上のような本実施例の室外機ユニットに
よると、上述のようにエンジン210の潤滑系におい
て、エンジン210でのオイルの消費に伴いオイルタン
ク200内のオイルが自然にオイルパン211内に給送
されるので、従来必要であったオイル給送のためのポン
プやこのポンプを作動させるための機構、或いはオイル
供給量を調整するためのバルブ等が一切不要となる。そ
のため、従来のこの種の室外機ユニットに比べると、オ
イルパン211やオイルタンク200の容量を比較的大
きくしながらも、室外機ユニットをコンパクトに納める
ことができる。
【0067】また、シリンダ212aを略水平横方向と
なるように形成配置することで、オイルパン211の高
さを低くでき、しかも、オイルパン211の側方且つシ
リンダブロック212の下方の空間を活用してオイルタ
ンク200を配置しているので、フレーム214をコン
パクトにすることができ、結果として室外機ユニットを
小さくすることができる。
【0068】さらに、上記シリンダブロック212の後
方に、循環冷却水に排ガスの熱を吸収させる排ガス熱交
換器222を配置すると共に、上記オイルタンク200
を上記シリンダブロック212下方から上記排ガス熱交
換器222の下方まで、前後方向に延長形成しているの
で、シリンダブロック212の後方の空間を利用して排
ガス熱交換器222を配置することができ、且つオイル
タンク200を前後方向に長い形状とし大容量とするこ
とができる。
【0069】また、上記オイルパン211の潤滑系で
は、オイルタンク200にブラケット224及び軸部2
25を一体に設け、軸部225をフレーム214の背面
の貫通孔227に嵌入し、ブラケット224をボルトで
フレーム214の底面に固定することによってオイルタ
ンク200をフレーム214に取付けるようにしている
ため、オイルタンク200の取付けを室外機ユニットの
前面側から、しかも1本のボルトを締め付けるだけで行
うことができる。そのため、オイルパン211の潤滑系
の簡素化のみならず、組み付け性をも向上させることが
できるという特徴もある。
【0070】さらに、上記室外機ユニットによると、上
述のように動力部収納ケース213内で冷却水やオイル
に漏れが生じると、漏れたオイル等がユニット前面側に
集められるため、漏れたオイル等を容易に除去すること
ができると共に、室外機ユニットの故障等を速やかに検
知することができるという特徴もある。
【0071】このように、オイルタンク200内の潤滑
用オイルは、潤滑のためのオイル循環に伴ってオイルが
消耗しオイルパン211内のオイルが減少したときに、
オイルパン211内に適宜補給されることから、オイル
タンク200には、オイルパン211への補給のための
十分な量の潤滑用オイルを常に確保しておく必要があ
る。しかしながら、オイルタンク200が不透明な容器
により形成されていたり、たとえ透明な容器であっても
オイル付着により汚れて見え難くなっていたりすると、
外から目で見てオイルタンク200内のオイル量を確認
することができ難かった。
【0072】このような場合、オイルタンク200内の
オイル量の減少に気付かず潤滑用オイルの不足を招いて
しまうことが起こり得るが、本実施例のオイルタンク2
00にあっては、上述したように、例えばドライバー等
を用いて容易にオイルレベルをチェックすることができ
るので、確実にオイルタンク200内のオイル量を知る
ことができ、必要に応じ潤滑用オイルを追加して潤滑用
オイルの不足を招くことがない。また、オイルレベルの
チェックを、専用のレベルゲージを必要とせず、手近に
あって用意し易いドライバー等の棒状体により可能とす
るためには、オイルタンク200にチェック部201と
目盛209を設ければよいので、部品点数も少なく安価
に備えることができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るベル
ト駆動用プーリによれば、回転する駆動軸の振動は、ベ
ルト駆動用プーリの円盤に伝わるが、円盤に固定された
制振用プレートにより円盤と制振用プレートが一体化し
て剛性が増し、円盤での振動が抑えられるので、円盤に
おける振動の影響を排除することができ、円盤が振動音
を恰もスピーカの様に拡大して周囲に放射することがな
いので騒音とならず、また振動損失による駆動力の伝達
効率の低下を招くこともない。
【0074】また、前記制振用プレートは、中央部が前
記円盤に密着固定されるとともに、周縁側に弾性部材を
介在させて前記円盤に固定されている構成とすれば、中
央部では円盤と制振用プレートが一体化して円盤の剛性
が増し、周縁側では弾性部材により円盤と制振用プレー
トのガタを吸収すると共に振動そのものを吸収するので
円盤での振動が抑えられ、円盤における振動の影響をさ
らに有効に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るベルト駆動用プーリ
の部分断面図。
【図2】 図1のベルト駆動用プーリが装着されたエン
ジンの全体構成を示す側面図。
【図3】 図2のエンジンの要部上面図。
【図4】 図2のエンジンの要部構成を示す側面図。
【図5】 図2のエンジンを用いたヒートポンプ式空調
機の配管系統構成図。
【図6】 図2のエンジンを備えた室外機全体の後面
図。
【図7】 オイルレベルのチェックのためのドライバー
軸挿入状態を示すオイルタンクの部分断面図。
【図8】 図7のオイルタンクのチェック部を塞ぐプラ
グの正面図。
【図9】 図7のオイルタンクの目盛設置面を示す説明
図。
【図10】 図7のオイルタンクを備えたエンジンの潤
滑系におけるオイルの補給系統の説明図。
【図11】 図10のオイルタンクの実装例を示すエン
ジンの概略説明図。
【符号の説明】
1:エンジン、2:ヘッドカバー、3:シリンダヘッ
ド、4:シリンダブロック、5:クランク室、8:吸・
排気弁、9:クランク軸、36:ベルト駆動用プーリ、
38:駆動ギヤ、47:クランク室カバー、48:ベル
ト、59:排熱回収用熱交換器、65:放熱用熱交換
器、63:室外熱交換器、80:円盤部、81:ベルト
掛け部、82:制振用プレート、83:中央部、84:
周縁部、85:リング状間隙、86:Oリング、12
4:エンジン収容ケース、137:オイルタンク、13
9:外枠箱体、200:オイル補給容器、201:チェ
ック部、202:ドライバー軸、203:ガイド部、2
04:当接面、205:プラグ、208:リブ、20
9:目盛、210:エンジン、211:オイルパン、2
12:シリンダブロック、213:動力部収納ケース、
214:フレーム、215:オイル流通管、222:排
ガス熱交換器、223:室外熱交換器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状体からなる円盤外周縁にベルト掛け部
    を有し、該ベルト掛け部に掛け渡されたベルトに、前記
    円盤を軸支する駆動軸の回転を伝達するベルト駆動用プ
    ーリにおいて、 前記円盤に、前記円盤の剛性を増して前記円盤の振動を
    抑える制振用プレートを固定したことを特徴とするベル
    ト駆動用プーリ。
  2. 【請求項2】前記制振用プレートは、中央部が前記円盤
    に密着固定されるとともに、周縁側に弾性部材を介在さ
    せて前記円盤に固定されていることを特徴とする請求項
    1に記載のベルト駆動用プーリ。
JP19555397A 1997-07-22 1997-07-22 ベルト駆動用プーリ Pending JPH1137221A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170477A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Nok Corp センシングプレート付きクランクプーリ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007170477A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Nok Corp センシングプレート付きクランクプーリ

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